JP4497894B2 - 物質導入剤およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、目的物質を封入するリポソームの表面にウイルスコートタンパク質を保持する活性ゲノソームに関する。このような活性ゲノソームは、研究用試薬あるいは医薬として有用である。
今まで、遺伝子またはタンパク質の機能解析あるいは治療の研究または治療のために、種々の物質を細胞内へ導入するための様々な方法が開発されてきた。
物質導入法の代表的なものとして、遺伝子を標的細胞に導入する遺伝子導入法がある。これらの遺伝子導入法は、主に、リポソーム法(非特許文献1)、リポフェクション法(非特許文献2)、リン酸カルシウム法、DEAE−デキストラン法、エレクトロポレーション法、マイクロインジェクション法などの化学・物理的手段を用いる導入方法と、ウイルスを利用する生物学的手段とに大別され、いずれも利用されている。
しかし、生物学的手段の1つであるウイルスを利用する方法は、遺伝子導入効率が高い利点がある反面、ウイルスが小さいのでサイズの大きい遺伝子の導入に適応できないという問題や、感染性のウイルス自体によって標的細胞の変性死が引き起こされるという問題を抱えている。さらに、レトロウイルスが使用される場合(非特許文献3)、必須遺伝子の不活性化または疾患遺伝子(例えば、癌遺伝子)の活性化が引き起こされる危険性がある。
化学・物理的手段の1つであるリポソーム法は、比較的大きなサイズの遺伝子を封入できるという利点、リポソーム膜の脂質が生体膜と類似する脂質によって構成されることが多く、細胞膜や細胞内器官と相互作用しやすく且つ抗原性や細胞毒性が低いという利点がある反面、遺伝子導入効率が低いという欠点を有する。また、カチオン性脂質からなるリポソームを用いる場合(特許文献1)、遺伝子導入効率は高いものの、細胞毒性が強いという大きな欠点を有する。
特開平2−135092号公報 R.Fraleyら、「J.Biol.Chem.」第255巻、第10431頁(1980年) P.L.Felgnerら、「Proc.Natl.Acad.Sci.USA」第84巻、第7413頁(1987年) C.L.Cepkoら、「Cell」第37巻、第1053頁(1984年)
本発明は、感染性ウイルス自体により引き起こされる細胞傷害活性を有さず、ポリカチオン性脂質試薬が示す細胞毒性を有さず、且つ効率的に目的物質を導入する物質導入剤を提供することを課題とする。
本発明は、遺伝子治療を必要とする疾患に罹患する動物の組織または臓器の特定細胞に、選択的、効率的、且つ安全に目的物質を導入するための薬学的組成物を提供することをさらなる課題とする。
本発明は、上記課題を解決するために、脂質膜微小運搬体であるリポソームに目的物質を封入し、更にリポソームの表面にウイルスコートタンパク質を保持させることによって、高い導入効率を有し、且つ標的細胞に対する高い細胞特異性、細胞結合性および細胞膜融合能を有する物質導入剤としたものである。
即ち、本発明は、下記の各項に係る発明を提供するものである。
項1.目的物質が封入されたリポソームの表面にウイルスコートタンパク質が保持された、活性ゲノソーム。
項2.ウイルスコートタンパク質が、酸性条件下においてリポソームの表面に保持されることができるウイルスコートタンパク質である、項1に記載の活性ゲノソーム。
項3.ウイルスコートタンパク質が、ラブドウイルス科、ヘルペスウイルス科、トガウイルス科、フラビウイルス科、オルソミクソウイルス科、フィロウイルス科、コロナウイルス科、ブニヤウイルス科、アレナウイルス科、ヘパドナウイルス科およびレトロウイルス科から選択される少なくとも1種に由来するタンパク質である、項1〜2に記載の活性ゲノソーム。
項4.ウイルスコートタンパク質が、ラブドウイルス科の水疱性口内炎ウイルスまたは狂犬病ウイルスに由来するタンパク質である、項1〜3に記載の活性ゲノソーム。
項5.リポソームが、複合脂質およびステロール類からなる群から選択される少なくとも1種から構成される、項1〜4に記載の活性ゲノソーム。
項6.リポソームが、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、動物由来のステロール(コレステロール、ラノステロール、ジヒドロラノステロール、デスモステロール、ジヒドロコレステロール)、セレブロシド、スフィンゴシン、スフィンガニン、セラミドおよびガングリオシドからなる群より選択される少なくとも1種から構成される、項1〜5に記載の活性ゲノソーム。
項7.リポソームが、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、コレステロールを含み、必要に応じてガングリオシドをさらに含む、項1〜6に記載の活性ゲノソーム。
項8.リポソームが、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、コレステロールおよびガングリオシドからなり、そのモル比がホスファチジルコリン:ホスファチジルセリン:コレステロール:ガングリオシド=5:0.1〜3:1〜5:0〜3である、項1〜7に記載の活性ゲノソーム。
項9.リポソームが、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、コレステロールおよびガングリオシドからなり、そのモル比がホスファチジルコリン:ホスファチジルセリン:コレステロール:ガングリオシド=5:1:3:1である、項1〜8に記載の活性ゲノソーム。
項10.
(a)目的物質と脂質の混合液から、該目的物質を封入したリポソームを作製する工程、および
(b)工程(a)において得られたリポソームの表面にウイルスコートタンパク質を保持させる工程
を包含する、項1〜9に記載の活性ゲノソームの製造方法。
項11.項1〜9に記載の活性ゲノソームを含む、物質導入剤。
項12.項1〜9に記載の活性ゲノソームを含む、薬学的組成物。
項13.さらに薬学的に許容される担体を含む項12の薬学的組成物。
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書中で使用される用語「ゲノソーム(genosome)」は、目的物質(例えば、核酸、ペプチド、タンパク質、多糖類、糖脂質および生理活性物質などの天然または合成の物質)が封入されたリポソームをいう。
本明細書中で使用される用語「活性ゲノソーム」は、ゲノソームの表面にウイルスコートタンパク質がさらに保持されたものをいう。このとき、ウイルスコートタンパク質は、リポソームの表面に一部組み込まれた状態でもよいし、リポソームに付着した状態でもよい。
本明細書中で使用される用語「目的物質」は、標的細胞(宿主細胞)への導入が意図される物質(例えば、核酸、ペプチド、タンパク質、多糖類、糖脂質および生理活性物質などの天然または合成の物質)である。
本明細書中で使用される用語「表面」は、外表面をいう。
本明細書中で使用される用語「変異」は、核酸配列またはアミノ酸配列中の1つ以上の塩基またはアミノ酸の置換、欠失、または付加をいう。
リポソーム
リポソームは、複合脂質(グリセロリン脂質、グリセロ糖脂質、スフィンゴリン脂質、スフィンゴ糖脂質など)およびステロール類からなる群から選択される少なくとも1種から構成される。
リポソームを構成する複合脂質およびステロール類としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、動物由来のステロール(コレステロール、ラノステロール、ジヒドロラノステロール、デスモステロール、ジヒドロコレステロール)、セレブロシド、スフィンゴシン、スフィンガニン、セラミドおよびガングリオシド(これらに限定されない)からなる群より選択される少なくとも一種が例示され、好ましくは、ホスファチジルコリン、コレステロールおよびホスファチジルセリン、さらに好ましくは、ホスファチジルコリン、コレステロール、ホスファチジルセリンおよびガングリオシドが例示される。
リン脂質に代えて、リゾリン脂質が用いられても良い。
リポソームの構成成分のモル比は、リポソームを安定に形成できる比率であれば特に限定されない。例えば、ホスファチジルコリン:ホスファチジルセリン:コレステロール:ガングリオシド=5:0.1〜3:1〜5:0〜3、好ましくは、5:0.5〜2:2〜5:0.5〜2、さらに好ましくは、約5:1:3:1である。
本発明のリポソームを調製する方法としては、当業者によく知られている一般的な製法が使用できる。例えば、凍結融解法(Arch.Biochem.Biophys.、212、186(1981))、超音波処理法(Biochem.Biophys.Res. Commun.、94、1367(1980))、エタノール注入法(J.Cell.Biol.、66、621(1975))、エーテル注入法(Proc.Natl.Acad.Sci.USA、443、629(1975)またはN.Y.Acad.Sci.、308、250(1978))、フレンチプレス法(FEBS Lett.、99、210(1979))、コール酸(界面活性剤)法(Biochim.Biophys.Acta、455、322(1976))、カルシウム融合法(Biochim.Biophys.Acta、394、483(1978))、逆相蒸発法(Pro.N.A.S.USA、75、4194(1978))、ガラスフィルターを用いた方法(Third US−Japan Symposium on Drug Delivery System(1995))など多くの方法が挙げられるが、これらに限定されない。さらに必要に応じて、このような方法により調製されたリポソームは、目的物質を封入し得且つ標的細胞内へ容易に取り込まれ得るサイズ(1μm以下、好ましくは500nm以下、より好ましくは200nm以下、さらにより好ましくは約100nmのサイズ)を有するものに選別される。選別方法は、慣例的な方法が使用される。例えば、フィルター濾過法(これらに限定されない)が挙げられる。
リポソームは、通常中性条件下において会合するので、酸性条件下において調製されることが望ましい。
目的物質
リポソームに封入される目的物質は、特に限定されない。例えば、核酸(例えば、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド)、ペプチド(例えば、オリゴペプチド、ポリペプチド)、タンパク質、多糖類、糖脂質および生理活性物質などの天然または合成の材料、あるいはこれらの組み合わせ(これらに限定されない)が挙げられる。
目的物質が核酸である場合、該核酸は、特に限定されず、例えば、ゲノムDNA、cDNA、アンチセンスDNA、アンチジーンDNA、mRNA、tRNA、rRAN、アンチセンスRNA、RNA前駆体、人工的に合成された核酸、核酸誘導体または遺伝子工学的に連結可能なこれらの組み合わせ(これらに限定されない)が挙げられる。これらは、必要に応じて、任意の発現ベクター、転写エレメント、選択マーカー(例えば、抗生物質耐性遺伝子)、蛍光タンパク質(例えば、GFP)をコードする配列、精製を容易にするポリペプチド(例えば、His−tag、FLAG)をコードする配列または人工的に合成された核酸(これらに限定されない)を連結したものであってもよい。発現ベクターとしては、特に限定されないが、宿主細胞の種に適した発現ベクターが望ましい。例えば、動物用発現ベクターである。動物用発現ベクターとしては、例えば、pEGFP−N1、pEGFP−C1、pKA1、pCDM8、pSVK3、pMSG、pSVL、pBK−CMV、pBK−RSV、EBVベクター、pRS、pYES2、pIND/V5−HisおよびpFLAG−CMV−2(これらに限定されない)が挙げられる。
目的物質がタンパク質である場合、該タンパク質は、特に限定されず、例えば、酵素、抗体分子、細胞内シグナル伝達関連物質、微生物毒素などが挙げられる。
目的物質が生理活性物質である場合、該生理活性物質は、特に限定されず、例えば、抗癌剤、抗腫瘍剤、ホルモン、薬物、サイトカインなどが挙げられる。
目的物質の形状は、リポソームに封入可能な形状であれば、特に限定されない。目的物質が核酸である場合、例えば、環状プラスミド(スーパーコイル状または非スーパーコイル状のものを含む)、フラグメント、一本鎖、二本鎖などの形状をとり得る。好ましくは、リポソームに容易に封入可能なように小さく折り畳まれた形状(例えば、スーパーコイル状)である。
リポソームに封入される目的物質のサイズは、リポソームに封入可能なサイズであれば、特に限定されず、例えば、500nm以下、好ましくは200nm以下、より好ましくは100nm以下、さらにより好ましくは50nm以下、最も好ましくは10nm以下である。目的物質が核酸である場合、該核酸のサイズは、例えば、500kb以下、好ましくは200kb以下、より好ましくは100kb以下、さらにより好ましくは50kb以下、最も好ましくは10kb以下である。
リポソームに封入される核酸の分子数に対するウイルスコートタンパク質の分子数の比率は、核酸:タンパク質=1:1〜2000、好ましくは1:1〜500、さらに好ましくは1:10〜200、さらにより好ましくは1:20〜100である。タンパク質の比率が小さすぎると、標的細胞に対する特異性が低下する可能性がある。
ウイルスコートタンパク質
ウイルスコートタンパク質は、特に限定されないが、好ましくは、酸性条件下においてリポソームの表面に保持されるものである。酸性条件が好ましい理由は、コートタンパク質のコンフォメーションが酸性条件下で変化してリポソーム膜に正しく挿入されると推定されるからである。このようなウイルスコートタンパク質としては、ラブドウイルス科、ヘルペスウイルス科、トガウイルス科、フラビウイルス科、オルソミクソウイルス科、フィロウイルス科、コロナウイルス科、ブニヤウイルス科、アレナウイルス科、ヘパドナウイルス科およびレトロウイルス科(これらに限定されない)から選択される少なくとも1種である。
本発明の1つの局面において、ウイルスコートタンパク質は、リポソームの表面への保持力、標的細胞への選択性、標的細胞への結合性、標的細胞への膜融合性、標的細胞内における分解能などを改変するために、慣例的な方法によって改変されてもよい。
本発明の1つの局面において、ウイルスコートタンパク質は、糖タンパク質(Gタンパク質)である。
本発明の1つの局面において、ウイルスコートタンパク質は、その一部がリポソームに組み込まれることによって、リポソームの表面に保持される。
また、ウイルスコートタンパク質は、標的細胞の種類に応じて、選択され得る。
本発明の1つの実施形態において、広範囲な細胞の標的化が意図される場合、宿主域の広いウイルスコートタンパク質(例えば、水疱性口内炎ウイルス)が使用される。このような宿主域の広いウイルスコートタンパク質は、しばしば、細胞選択性があまり要求されない場面において(例えば、in vitroにおける研究用試薬として)使用される。
本発明の別の実施形態において、狭い範囲の細胞の標的化が意図される場合、宿主域の狭いウイルスコートタンパク質(例えば、狂犬病ウイルス)が使用される。このような宿主域の狭いウイルスコートタンパク質は、しばしば、高い細胞選択性が要求される場面において(例えば、in vivoにおける薬学的組成物として)使用される。
標的細胞(宿主細胞)
標的細胞は、特に限定されず、例えば、動物細胞(動物由来の樹立細胞を含む)が挙げられる。動物細胞としては、例えば、ヒト、サル、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ウサギ、ラット、ハムスター、マウス、イヌ、ネコ、トリ、カエル、トカゲ、魚、昆虫の細胞(これらに限定されない)が挙げられる。樹立細胞としては、例えば、BHK−21細胞、COS−7細胞、HeLa細胞、L細胞、CHO細胞、Vero細胞、Hep−G2細胞、293T細胞、HmLu細胞、MDCK細胞、MDBK細胞、F9細胞、KB細胞、FL細胞、Jurkat細胞、Molt−4細胞、MT−4細胞(これらに限定されない)が挙げられる。
担体
本発明の1つの実施形態において、本発明の活性ゲノソームを含む物質導入剤は、適切な担体をさらに含む。このような担体としては、例えば、緩衝液、等張化剤、着色剤、保存剤、安定化剤、pH調整剤(これらに限定されない)が挙げられる。
本発明の1つの実施形態において、本発明の活性ゲノソームを含む薬学的組成物は、薬学的に許容される担体をさらに含む。このような担体としては、例えば、緩衝液、等張化剤、着色剤、保存剤、安定化剤、pH調整剤(これらに限定されない)が挙げられる。
疾患
本発明の物質導入剤が適用される疾患は、外来遺伝子の導入によって症状が治癒または改善される可能性を有するものであれば、特に限定されない。一例として、遺伝病(例えば、アデニンデアミナーゼ欠損症、筋ジストロフィー、糖原病、ムコ多糖症、α−1アンチトリプシン欠損症、慢性肉芽腫症、嚢胞性線維症、家族性高コレステロール血症、ファンコニー貧血、ゴーシェ病、ハンター症候群、オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症、プリンヌクレオチドホスホリラーゼ欠損症、ADA欠損によるSCID、伴性SCID、白血球接着欠損症、血友病、Canavan病、脳梁萎縮、ファブリー病、筋萎縮性側索硬化症)、癌または腫瘍(例えば、p53、myc、fosなどの癌原遺伝子によって引き起こされる癌または腫瘍、癌抑制遺伝子の変異によって引き起こされる癌または腫瘍)などが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明は、感染性ウイルスそのものではなくウイルスコートタンパク質をリポソームの表面に保持させることによって、安全且つ導入効率の高い物質導入剤を提供する。
すなわち、本発明は、感染性ウイルス自体が引き起こす種々の現象(細胞の機能障害、細胞の変性死など)を回避しつつ、ウイルスタンパク質の有利な性質(標的細胞に対する高い選択性、結合性および膜融合性)を有し、且つリポソームがもつ利点(スーパーコイル状の比較的大きな核酸を導入できる利点、細胞膜や細胞内器官と相互作用し易い利点など)を有する活性ゲノソームを提供する。
本発明の活性ゲノソームは、そのリポソームが、例えば、複合脂質およびステロール類から構成されているため、従来のポリカチオン性脂質試薬(例えば、リポフェクタミン(Lipofectamin))がもつ細胞毒性を示さない。また、本発明の活性ゲノソームは、そのリポソーム表面にウイルスコートタンパク質を保持しているため、従来の中性リポソームよりも非常に高い物質導入活性を示し、ポリカチオン性脂質試薬にも匹敵し得る物質導入活性を示す。
さらに、本発明は、宿主細胞の種類に応じて種々のウイルスコートタンパク質から適切なものを選択することができるという利点を有する。それゆえ、研究者または医療従事者の要望に応え、様々な物質導入剤を提供することができる。
以下に本発明の実施例を示すが、これらの実施例は単なる例示であって、本発明を限定するものではない。
細胞培養
BHK−21細胞は、乳児ハムスターの腎臓に由来する線維芽様細胞株であり、様々な種のウイルス(水疱性口内炎ウイルス(VSV)を含む)に対して高い感受性を示す。COS−7細胞は、SV40 T抗原を構成的に発現する形質転換されたサルの細胞株である。
ウイルス
ニュージャージー血清型のVSVのBHKに馴化した非病原性亜株(BHK−adapted avirulent substrain)をBHK細胞で培養した(Kawai, A.1977. Transcriptase activity associated with rabies varion. J. Virol. 24: 826−835.)。ウイルス量(感染価)は、BHK−21細胞の単層培養を用いてアッセイした。
ウイルス精製
Kawai, A.1977. Transcriptase activity associated with rabies virion. J. Virol. 24: 826−835.において記載されるとおり、VSV−感染BHK−21細胞の培養液からビリオンを精製した:簡潔に述べると、培養液を高速遠心(30分間、4,000r.p.m.、4℃)し、透明な上清を回収し、その後6.5%ポリエチレングリコール(PEG;#6000)を用いて沈殿させ、次いで25,000rpmにて、90分間、20%スクロースクッションを通して超遠心し、ウイルス粒子をペレットとした。このウイルスペレットを低塩等張緩衝液(STE;10%スクロース、10mM NaCl、10mM Tris−HCl、1mM EDTA;pH7.4)中に懸濁した。10% ジメチルスルホキシド(DMSO)を添加した後、これを使用まで−70℃にて保存した。
VSVビリオンからのGタンパク質の抽出
室温にて、10分間、1% オクチルグルコシドのSTE緩衝液を用いて精製ビリオンを処理し、次いで、可溶化されたウイルスGタンパク質をビリオンのコア画分から分離するために、遠心管中の20%スクロースクッション上へ置き、40,000rpmにて、90分間、4℃にて超遠心した。次に、Gタンパク質を含む上清を回収し、5% スクロース/PBS(−)に対して透析し、続いてポリエチレングリコール(PEG)#20,000を用い、透析膜を介して部分的な脱水による濃縮を行った。
ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)サンプルをサンプル溶解緩衝液中に溶解し(Laemmli, U.K. 1970. Cleavage of structural protein during the assembly of the head bacteriophage T4. Nature 227:860−685)、10% SDS−PAGEゲルへアプライした。電気泳動後、ゲルをクマシーブリリアントブルー(CBB)で染色し、ろ紙の上で乾燥した。
抗体
精製ウイルスタンパク質をSDS−PAGEゲルで電気泳動した後、ゲルから抽出した変性Gタンパク質を用いて、ウサギを数回免疫することにより、VSV Gタンパク質に対するウサギ抗血清を調製した。
プラスミドDNA
遺伝子導入実験のモデルとして、pEGFP−N1(Clontech)(これは、SV40 ori配列を含むゆえにSV40 T抗原−陽性細胞(すなわち、COS−7細胞)中においてEGFP遺伝子の発現を増強させることができる)を使用した。プラスミドDNAをBSS緩衝液(150mM NaCl、10mM Tris−HCl; pH7.6)中に、1〜10μg/μlの濃度で溶解し、使用まで−70℃にて保存した。TAE緩衝液(40mM Tris−アセテート、1mM EDTA)を用い、1% アガロースゲル中で、プラスミドDNAの電気泳動分析を行った(ここで、サイズマーカーとしてラムダファージDNAのHind III消化物を共に電気泳動した)。このゲルをTAE緩衝液中のエチジウムブロマイドで染色した。
プラスミドDNA−含有リポソームの調製
リポソームの調製のために、クロロホルム中に溶解されたホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、およびコレステロールを、モル比5:1:4(合計1,260μg)で混合し、ナス型ガラスフラスコ中でエバポレーションした。この脂質を0.34mlのDNA含有BSS緩衝液(5μg DNA/μl)中に懸濁した。20分間、37℃にてインキュベーションした後、このDNA−脂質混合物を凍結させ(液体窒素に入れ、すぐに取り出す)、次いで解凍(55℃にて、10分間インキュベーション)する操作を3回繰り返し、この間にプラスミドDNAを脂質小胞(リポソーム)中に封入(カプセル化)した。その後、この混合物を種々のポアサイズ(最初に10μm、次いで2μm、次いで0.65μm、そして0.45μm)のポリカーボネートフィルターを順々に通して濾過し、徐々にリポソームのサイズを小さくした。動的光散乱分光光度計(dynamic light scattering spectrophotometer)(DLS)を使用して、計算のためのサイズマーカーとしてポリスチレンラテックスビーズ(直径1μm)を用いて、リポソーム粒子のサイズの分布を調べた。
VSV Gでコーティングした活性ゲノソームのアセンブリー
DNA−含有リポソーム(50〜100μgDNA)の懸濁液とVSV Gタンパク質調製物(20〜40μgタンパク質)を混合し、pH5.5にて(1/10容積のpH4.5の800mMクエン酸を添加することにより調製した)30分間氷上においた後、15分間37℃にてインキュベーションした。1/4容積のpH7.8の1M クエン酸ナトリウム液を添加することによって、酸性度をpH7.4に戻した。次いで、ゲノソームを、BSS緩衝液で調製した10%、20%および45%のスクロース液を重層した密度勾配を通して超遠心(22,000rpmにて、3時間)することによって、精製した(ゲノソームは20%および45%スクロース層の中間層から回収された)。
電子顕微鏡
スクロース密度勾配から回収したゲノソーム調製物の少量のアリコートをFormvar−carbonでコートしたグリッド上にのせ、4% 酢酸ウラニルでネガティブ染色した。イムノゴールド染色では、グリッド上に吸着させたゲノソーム粒子を、最初にウサギ抗−VSV G抗体または正常ウサギ血清と共にインキュベートし、次いでゴールドコロイド(5nm)結合二次抗体と共にインキュベーションし、その後ネガティブ染色した。試験片をJOEL JEM−1200EX II透過電子顕微鏡のもとで調べ、撮影した。
遺伝子導入アッセイ
希釈したゲノソーム懸濁液をCOS−7細胞単層培養の培地へ滴下する(すなわち、接種する)ことによって、ゲノソームに媒介される遺伝子導入活性をアッセイした。ゲノソームを接種した培養液を48時間37℃にてインキュベーションした、PBS中の10% ホルマリンで固定した後、epifluorescence蛍光顕微鏡下において蛍光陽性細胞の数を数えることによって、遺伝子導入率を決定した。抗VSV抗体によるブロッキングを調べるために、ゲノソーム懸濁液を種々の希釈率の抗体と共に、1時間、37℃にて、インキュベーションした。サンプルの残余遺伝子導入活性を上記のようにアッセイした。塩化アンモニウムを遺伝子導入アッセイの培地へ20mMで添加することによって、塩化アンモニウムの影響を調べた(Sperti,F., Seganti,L., Ruggeri,F.M., Tinari,A., Donelli,G., and Orsi,N.1987.Entry pathway of vesicular stomatitis virus into different host cells.J.Gen. Virol.68:387−399)。
他の効率の高い遺伝子導入剤と比較するために、ポリカチオンリポソーム(すなわち、リポフェクタミン剤;Invitrogen Life Technologies)を使用した。1μg プラスミドDNAを10μlの試薬と混合し、COS−7細胞の培地へ滴下した。2日間のインキュベーションの後、epifluorescence蛍光顕微鏡によって、蛍光陽性細胞の割合を決定した。
リポソームの組成を変えた場合の遺伝子導入活性の比較
リポソームの成分であるホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルセリン(PS)コレステロール(Chol)、ガングリオシド(GM1)のモル比を変えた場合の遺伝子導入活性について比較した。まず、前述された方法に従って、各成分のモル比がPC:PS:Chol=5:1:4 、 PC:PS:Chol:GM1=5:1:3:1 、 PC:Chol=1:1 、 PC:GM1:Chol=5:1:4となるようにゲノソームを調製した。さらに、前述の方法に従って、VSV Gでコーティングした活性ゲノソームを作製し、各ゲノソームサンプルについて遺伝子導入活性を測定した。
結果
1)ビリオンからのVSV Gタンパク質の抽出
本発明者は、最初に、精製ビリオンを使用し、高度に精製されたVSV Gタンパク質調製物を得るための条件およびプロトコルを確立した。種々の塩濃度の下で1% オクチルグルコシドを用いてビリオンを崩壊し、そしてビリオンの不溶性部分(ビリオンコアおよびヌクレオカプシド)を超遠心により取り除いた。Gタンパク質を含有する上清を回収し、そしてPEG#20,000を用いる透析法によって濃縮し(上記を参照のこと)、次いで、それらを10% SDS−PAGEゲル中で泳動した。図1に示されるように、低い塩濃度においてのみ、Mタンパク質がビリオンコアに固く結合されたままでGタンパク質のみが可溶化された。従って、以下の実験では、Mを含まないGタンパク質調製物をこのような塩を含まない条件下において獲得し、さらなる実験に使用した。
2)プラスミドDNAを封入したリポソームの調製
リポソームおよびゲノソームの遺伝子導入活性をモニターするために、プラスミドベクター(pEGFP−N1(Clontech))を使用した。先ず、DNAおよび脂質(ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリンおよびコレステロールが5:1:4のモル比で混合される)の混合物を繰り返し凍結融解する方法によって、プラスミドDNAをリポソームへ封入した。次いで、この混合物を、種々のポアサイズ(10μm、2μm、0.65μm、そして0.45μm)の一連のプラスチックフィルターを通す連続的な濾過にかけ、徐々にリポソームの粒子サイズを200nmより小さい直径にした。DLSフォトメーターによって、これらの手順によって調製したリポソームのサイズについて調べた。図2Aは、産物の例を示し、大半の粒子が約70〜100nmの直径を有することを示している。
また、制限酵素(Sal I)を用いるエンドヌクレアーゼ消化に対する耐性を試験することによって、このリポソーム懸濁液がDNAをリポソーム内に封入しているかどうかについて試験した。図3Aは、スーパーコイル状DNAの内容物に関するかぎり、約三分の一のプラスミドDNAが消化に対して耐性であり、一方Triton X−100の存在下において全てのDNAが消化されたことを示した。これは、DNAのこのようなSal I耐性フラクションがリポソーム中へ封入(カプセル化)されることを示唆する。この結果によって、DNAの約三分の一がリポソームに受動的に封入されることが示唆される。
3)VSV Gタンパク質でコーティングされたゲノソームの調製およびアッセイ
pH7.4またはpH5.5において、リポソーム懸濁液と濃縮Gタンパク質抽出物とを混合することにより、Gタンパク質でコーティングされたゲノソームを調製した。両方のアセンブリー条件について、COS−7細胞培養において、ゲノソーム産物の遺伝子導入活性をアッセイした。その結果、2つのアセンブリー条件(pH7.4およびpH5.5)の間で、活性が大きく異なることが示された。図4Aに示されるように、酸性条件下において作製されたゲノソームは、中性pHにおいて作製されたゲノソームよりも30倍以上高い遺伝子導入活性を示した。本発明者は、さらに、VSV Gタンパク質およびプラスミドDNA調製物を様々なモル比で混合することによって、最も活性なゲノソームを得るためのVSV Gタンパク質の最適量について検討した。遺伝子導入活性は、大体Gタンパク質の含有率に比例しているが、Gタンパク質とプラスミドDNAとのモル比が20〜25:1まで増加したときに、平衡に達した(図4B)。
酸性条件下において作製したゲノソームについて不連続的なスクロース密度勾配を通す超遠心によって部分的に精製した後、さらに調査した。図5−1Aは、20%〜45%スクロース層に集まったpH5.5.において作製されたゲノソームのバンドを示す。勾配を7つのフラクションに分画し、その各々をプラスミドDNAとVSV Gタンパク質との比率および遺伝子導入活性について調べた。図5−1B、図5−1Cおよび図5−1Dにおいて示されるように、最も高い遺伝子導入活性は、フラクション#5において見出された。また、各フラクションの活性は、DNAの含有率ではなく、Gタンパク質の含有率に比例していた。上部のフラクション(#1〜#3)において検出されたDNAは、カプセル化されなかった遊離プラスミドDNAであると考えられ、Sal I消化を受けやすかった(データは示されない)。
図2Bは、フラクション#5におけるゲノソームのサイズ分布の例示であり、ほとんどの粒子が約70〜140nmの直径を有することを示唆する。図3は、Triton X−100の存在下において、ほとんどのDNAが消化された一方で、Triton X−100の非存在下において、ゲノソームフラクション(#5)におけるプラスミドDNAの大部分がSal I消化に耐性であったことを示した。これは、ゲノソームと行動を共にしているDNAがゲノソームの内部にカプセル化されていたことを示唆する(ゲノソームフラクション中のSal I感受性DNAは、VSV Gに結合する遊離DNAであると思われる)。ゲノソームフラクションは、4% 酢酸ウラニルを用いた染色の後、透過電子顕微鏡下で観察された。その結果、ゲノソームフラクションは直径40nm〜140nmの様々なサイズの球形粒子を含み、その多くがスパイク様突起物(spike−like projections)をもつことが実証された(図6−1Aの挿入図)。この点は、抗VSV Gタンパク質抗体を用いる金コロイド染色によってさらに確かめられ、金の顆粒がゲノソーム全体に渡って検出されることが示された(図6−2B)。
4)VSV GでコーティングされたゲノソームのVSV G媒介遺伝子導入活性についての証明
コントロール実験のために、裸のプラスミドDNAを不連続的なスクロース勾配において超遠心したところ、このような遊離プラスミドDNAは、ほとんど、上層フラクションから回収された(ほとんどは、フラクション#2および#3中に存在していた(図5−1E))。DNAを封入しただけの裸のリポソームは、フラクション#2〜#4に分布していることが見出され(大部分は、フラクション#3および#4中に見出されていた)、これらのいずれも遺伝子導入活性を示さなかった(データは示されない)。遊離Gタンパク質サンプルは、下層フラクションへ沈降することが示され、(#5〜#6;大部分は、フラクション#6である(図5−1F))、これによって、Gタンパク質三量体がゲノソームよりもやや密度の高い微小顆粒を形成することが示された。裸のプラスミドDNAをVSV Gタンパク質と混合したとき、DNAの一部がGタンパク質と結合するため、スクロース密度勾配においてより広く分布するのが観察された。しかしながら、このことによって、GFP遺伝子発現を高めるという結果はもたらされなかった(図5−2G、図5−2Hおよび図5−2I)。
次に、裸のプラスミドDNAをVSV Gタンパク質および空のリポソームと混合し、pH5.5にてインキュベーションし、次いでスクロース勾配を通す超遠心を行った。遠心の後、勾配を7つのフラクションに分け、その各々を、遺伝子導入活性、DNAの含有量、およびGタンパク質について調べた。VSV Gタンパク質は、空のリポソームとDNAの両方と相互作用するようであり(すなわち、後者について、プラスミドDNAの分布はフラクション#5および#6にまで拡大されたが(図5−2G))、どのフラクションにおいても、遺伝子導入活性はほとんど観察されなかった(図5−2J、図5−2Kおよび図5−2L))。
これらのコントロール実験から、発明者は、裸のプラスミドDNAとVSV Gタンパク質との結合はCOS−7細胞におけるGFP遺伝子発現のために有効でないと考えた(他方、DNAが封入された裸のリポソームは、通常、いくつか(0.003%以下)の細胞を蛍光陽性にする)。そしてVSV GをコーティングされたDNA封入型リポソーム(ゲノソーム)のみが高効率なGFP遺伝子導入活性を示した。VSV Gタンパク質のリポソーム膜への挿入は、遺伝子導入活性を10,000倍以上も増大させた[ゲノソーム接種培養において、約37%の細胞がGFP蛍光陽性であり、そしてリポソーム接種培養において、わずか3〜5個(0.001〜0.0017%)の細胞のみが陽性であったので、VSV によって媒介される遺伝子導入活性の増大量は、単純計算によると、20,000〜30,000倍である;図7]。発明者は、次に、最も有効なゲノソーム調製物のGFP遺伝子導入活性を他の遺伝子導入法のものと比較した。図7に示されるように、その効率は、ポリカチオン性脂質試薬(リポフェクタミン(Lipofectamin);Invitrogen)によって行われたものにだいたい匹敵していた。このことは、同量(1μg)のpEGFP−N1 DNAを用いてトランスフェクションした場合の、GFP蛍光の2.5倍高い発現を示す。
次いで、本発明者は、抗VSV G抗血清およびNH4ClがVSV Gによってコーティングされたゲノソームの遺伝子導入活性に及ぼす影響について調べた。抗血清を用いてゲノソームを前処理することによって、遺伝子導入活性が大きく減少した。このことは、活性がVSV Gタンパク質によって媒介されていることを示唆する。また、ゲノソーム接種した培養物を20mM NH4Clで処理した場合、活性は、ほとんど完全にブロックされた(図8および図9)。この結果、VSV Gタンパク質の酸性pH依存的な膜融合活性(Superti,Fら、1987.J.Gen.Virol.68:387−399)がレシピエント細胞への遺伝子導入に関与することが示された。
5)リポソームの組成を変えた場合の遺伝子導入活性の比較
本発明者らは、さらに、リポソームの成分であるホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルセリン(PS)、コレステロール(Chol)、ガングリオシド(GM1)のモル比を変えた場合の本発明ゲノソームの遺伝子導入活性を調べた。ガングリオシドを添加した場合(PC:PS:Chol:GM1=5:1:3:1)の遺伝子導入活性は、コントロール(PC:PS:Chol=5:1:4)と比較して、約2倍であった。ホスファチジルセリンを除いた場合(PC:Chol=1:1)あるいはホスファチジルセリンの代わりにガングリオシドを加えた場合(PC:GM1:Chol=5:1:4)の遺伝子導入活性は、コントロールの場合と比較して非常に低い遺伝子導入活性しか示さなかった(図10)。
リポソームの成分をPC:PS:Chol=5:1.5:4、PC:PS:Chol=5:0.7:4、PC:PS:Chol:GM1=5:1:3:0.7、PC:PS:Chol:GM1=5:1.5:3:1に変えて、上記のように実験を行うことにより、目的遺伝子を宿主細胞へ導入することができる。
水疱性口内炎ウイルスのコートタンパク質に代えて狂犬病ウイルスのコートタンパク質を用い、宿主細胞としてBHK−21細胞、COS−7細胞のほかに、神経組織あるいは横紋筋肉組織の器官培養あるいは組織培養を用い、実施例1と同様の実験を行うことにより、神経細胞あるいは横紋筋肉細胞などへ特異的に目的遺伝子を導入することができる。
水疱性口内炎ウイルスのウイルスコートタンパク質に代えて、以下の表1に示すウイルスコートタンパク質を用い、実施例1と同様の実験を行うことによって、宿主に目的遺伝子を導入することができる。
本発明に従って、汎用されている物質をリポソームに封入し、さらに該リポソームの表面へ適切なウイルスコートタンパク質を保持させることによって、研究または医療のための物質導入剤を作製することができる。
あるいは、本発明に従って、実施機関(研究所、病院など)から委託されたサンプルを封入し、さらに該リポソームの表面へ適切な(あるいは、要望された)ウイルスコートタンパク質を保持させることによって、研究または医療のための物質導入剤を作製することができる。
また、本発明の物質導入剤を疾患に罹患するまたは罹患する恐れのある患者に投与することによって、その疾患の治療または予防を行うことができる。
VSV糖タンパク質(G)の抽出に最適な条件の調査。室温にて、様々な塩濃度[すなわち、0、30、150または500mM NaCl(0および30mM NaClのサンプルについて、適量の濃縮スクロース溶液を添加し、抽出用緩衝液の浸透圧(osmolarity)を調整した)]下において、1% オクチルグルコシドを用いて、精製VSウイルス(200μgタンパク質/ml)を抽出した。次に、各サンプル(4ml)を20%スクロースクッション/STE上へ置き、90分間、40,000r.p.m.にて、4℃において、遠心した。上清を回収し、PBS(−)に対して24時間透析した(この間、透析緩衝液を定期的にフレッシュなPBS(−)と交換した。最終的に、それらを、PEG#20000の粉末を用いて透析バッグを通して部分的に脱水し、その体積を1mlまで減少させた。次いで、その一部を用いて10% SDS−PAGEおよびCCB染色を行い、上記の濃縮した上清中のGタンパク質含有率について調べた。レーン1:分子量マーカー;レーン2:未処理の全ビリオン;レーン3、4、5および6:それぞれ1、30、150および500mM NaClである。 リポソームおよびコーティングされたゲノソームの粒子サイズ分布。プラスミドDNAを封入したリポソーム(A)およびVSV G−コーティングしたゲノソーム(B)をDLS分光計へアプライした。粒子サイズの分布をヒストグラム中に図示した。平均サイズは、リポソームおよびゲノソームについて、それぞれ84.2nmおよび136.3nmであった。 リポソームおよびゲノソームへのプラスミドDNAの封入についての証拠。先ず、プラスミドDNAを実施例において記載されるようにリポソームへ封入し、そして続いて、異なるポアサイズ(10μm、2μm、0.6μm、そして最後に0.45μm)の連続するプラスチックフィルターを通して、濾過した。その後、得られたリポソーム調製物を、pH5.5において、精製VSV Gタンパク質と20:1のモル比(G対DNA)で混合し、さらに1時間37℃にてインキュベーションし、その後1M クエン酸ソーダ緩衝液を添加することによって、pHを7.4まで戻した。その後不連続的なスクロース勾配を通して、22,000r.p.m.にて、3時間、4℃にて、遠心した。ゲノソーム調製物を20%〜45%の間のスクロース層から回収した。それらDNA封入についてのエンドヌクレアーゼ消化に対する耐性の獲得を指標として、以下のように調査した:リポソーム調製物(A)およびゲノソームフラクション(B)から得られた少量のアリコートを、0.2% Triton X−100 の存在下または非存在下において、SalIで消化した。5mM EDTAおよび1% SDSを添加することによって反応を停止した後、サンプルを1% アガロースゲル中で泳動した。レーン1:未処理;レーン2:Triton X−100のみで処理;レーン3:Sal Iのみで処理:レーン4:0.2%Triton X−100の存在下におにてSal Iで処理。 VSV G−ゲノソーム調製のための条件。A.酸性および中性pH条件下で調製されたゲノソームの遺伝子導入活性の比較。VSV GでコーティングされたゲノソームをpH7.5およびpH5.5において作製し、そしてCOS−7細胞培養におけるそれらのGFP遺伝子導入活性についてアッセイした。活性を、フォーカス数/プラスミドDNA(μg)として表した。B.ゲノソームの効率的なアセンブリーのためのプラスミドDNAとVSV Gタンパク質との間の最適なモル比についての調査。プラスミドDNAを封入したリポソームを様々な量(1:1から1:50までの範囲のプラスミドDNA対Gタンパク質のモル比)のVSV Gタンパク質とpH5.5において混合することによって、VSV Gでコーティングされたゲノソームを調製した。それらの遺伝子導入活性をアッセイし、そして比活性(すなわち、1μg DNA当たりの蛍光陽性細胞の数)として表した。x軸は、プラスミドDNA対VSV Gタンパク質のモル比を示す。 VSV Gタンパク質でコーティングされたゲノソームのキャラクタライゼーション。A〜D.酸性条件下で作製されたゲノソーム調製物(1.8ml)を不連続的なスクロース勾配[10% スクロース(1.0ml)、20% スクロース(1.0ml)、および45% スクロース(0.8ml)からなる]上へのせた。22,000r.p.m.にて、3時間、4℃にて遠心した後、明瞭なバンドが、20%〜45%スクロース層の間の中間面に相当する位置において見られた(A)。このグラディエントを7つのフラクション[最上部から最下部へ1.5ml、0.4ml、0.4ml、0.6ml、0.6ml、0.6mlおよび0.5ml]に分画した。各フラクションをDNA(B)およびGタンパク質(C)の含有率ならびに遺伝子導入活性(D)について、試験した。レーン1〜7:最上部から最下部までのフラクション。先ず、SDS−PAGEおよびクマシーブリリアントブルー(Coomassie brilliant blue)(CBB)を用いる染色によって、Gタンパク質の検出を行った。一連の各フラクションの2倍希釈液のCBB染色によって、半定量的な検出を行った。E.裸のプラスミドDNAを、VSV G−ゲノソームについて記載した方法に類似する方法によって、試験した。不連続的なスクロース密度勾配を通した遠心の後に、そのグラディエントを分画し、アガロースゲル電気泳動によってDNAの分布について試験した。F.VSV Gタンパク質をスクロース濃度勾配を通して遠心し、7つのフラクションに分画し、その各々をGタンパク質の含有率についてアッセイした。Gタンパク質の大部分は、VSV G−ゲノソームよりも幾分か密度の高い下のフラクションにおいて検出された。 VSV Gタンパク質でコーティングされたゲノソームのキャラクタライゼーション。G〜I.裸のDNAをVSV Gタンパク質と混合し、そしてスクロースの密度勾配を通して遠心し、さらに7つのフラクションに分画し、そしてDNA(G)およびGタンパク質(H)の含有量、ならびにGFP遺伝子導入活性(I)についてアッセイした(DNAの分布は、おそらくそのGタンパク質と結合するものがあるため、少し低いフラクションにまで広がっている)。J〜L.DNAおよびVSV Gタンパク質を空のリポソームと混合し、そしてpH5.5に暴露した。pHを中性に戻した後、この混合物を、スクロース密度勾配を通して遠心し、さらにこれを7つのフラクションへ分画し、DNA(J)およびGタンパク質(K)の含有量、ならびにGFP遺伝子発現(L)についてアッセイした。 VSV G−ゲノソームの電子顕微鏡研究。4% 酢酸ウラニルによってネガティブ染色されたVSV G−ゲノソームを透過電子顕微鏡によって観察した。A.VSV Gスパイク状突起物をもつ様々な大きさの球状粒子が観察された(棒線は、200nmを示す)。挿入図は、より高倍率において、スパイク状突起物に覆われた約80nmおよび100nmの大きさの代表的な粒子を示す(棒線は、100nmを示す)。 VSV G−ゲノソームの電子顕微鏡研究。B.ネガティブ染色の前に、抗VSV Gタンパク質抗体および5nm−ゴールドコロイドと共にインキュベーションすることによって、ゲノソームをイムノゴールド染色した(棒線は、100nmを示す)。C.ゲノソームのサイズ分布のヒストグラム。図6A中の計227ゲノソームについて、各粒子の直径を測定した後、頻度を計算し、8.5nm間隔でプロットした。 VSV G−ゲノソームと正に帯電したリポフェクションシステムとの間の遺伝子導入活性の比較。VSV Gでコーティングされたゲノソームの具体的な遺伝子導入活性(すなわち、プラスミド1μg当たりの導入された蛍光陽性細胞の数)をリポフェクタミン(Lipofectamine)(Invitrogen)の遺伝子導入活性、ならびにコントロールとして裸のプラスミドDNAおよびG−freeリポソームの遺伝子導入活性と比較した。 VSV Gでコーティングされたゲノソームの外来遺伝子導入活性の増大におけるVSV Gタンパク質の関与についての証明。抗VSV G抗血清を用いる実験のために、ゲノソームを種々の希釈率(すなわち、1:33、1:100および1:300)の抗血清とインキュベーションした。NH4Clを用いて処理する場合、ゲノソーム接種COS−7細胞培養を20mM NH4Cl含有培地と共にインキュベーションした。48時間のインキュベーション後、未処理(コントロール)の培養および処理した培養を10% ホルマリンで固定し、蛍光陽性細胞の頻度について試験した。各条件について、蛍光陽性細胞の数を未処理のコントロール細胞の数(100%)で割ることによって、相対的な活性(%)を計算した。20mM NH4Cl処理培養物において、蛍光陽性細胞はほとんど検出されなかった(すなわち、5×105個の細胞中に数個以下であった)。 VSV Gゲノソームの遺伝子導入活性の写真比較。写真撮影のために、ゲノソームを接種された未処理のコントロール(A)およびNH4Clで処理された培養物(B)およびリポフェクタミン媒体により遺伝子導入された培養物(C)(これらは、図8に記載されるものと同じである)を使用した。 リポソームの組成を変えた場合の遺伝子導入活性の比較。リポソームの成分であるホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルセリン(PS)コレステロール(Chol)、ガングリオシド(GM1)のモル比を変えた場合の本発明ゲノソームの遺伝子導入活性を調べた。コントロール(PC:PS:Chol=5:1:4)、ガングリオシドを添加した場合(PC:PS:Chol:GM1=5:1:3:1)、ホスファチジルセリンを除いた場合(PC:Chol=1:1)、ホスファチジルセリンの代わりにガングリオシドを加えた場合(PC:GM1:Chol=5:1:4)について、本発明の遺伝子導入活性を比較した。

Claims (10)

  1. 目的物質が封入されたリポソームの表面に、ウイルスコートタンパク質が保持された、活性ゲノソームであって、
    前記リポソームが、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、コレステロールおよびガングリオシドからなり、そのモル比がホスファチジルコリン:ホスファチジルセリン:コレステロール:ガングリオシド=5:0.1〜3:1〜5:0.5〜3である活性ゲノソーム。
  2. ウイルスコートタンパク質が、ラブドウイルス科のウイルスに由来するタンパク質である、請求項に記載の活性ゲノソーム。
  3. ウイルスコートタンパク質が、ラブドウイルス科の水疱性口内炎ウイルス又は狂犬病ウイルスに由来するタンパク質である、請求項1に記載の活性ゲノソーム。
  4. リポソームが、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、コレステロールおよびガングリオシドからなり、そのモル比がホスファチジルコリン:ホスファチジルセリン:コレステロール:ガングリオシド=5:1:3:1である、請求項1〜3のいずれかに記載の活性ゲノソーム。
  5. (a)目的物質と、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、コレステロールおよびガングリオシドからなり、そのモル比がホスファチジルコリン:ホスファチジルセリン:コレステロール:ガングリオシド=5:0.1〜3:1〜5:0.5〜3である脂質の混合液から、該目的物質を封入したリポソームを作製する工程、および
    (b)工程(a)において得られたリポソームの表面にウイルスコートタンパク質を保持させる工程
    を包含する、請求項1〜4のいずれかに記載の活性ゲノソームの製造方法。
  6. ウイルスコートタンパク質が、ラブドウイルス科に由来するタンパク質である、請求項に記載の活性ゲノソームの製造方法。
  7. ウイルスコートタンパク質が、ラブドウイルス科の水疱性口内炎ウイルス又は狂犬病ウイルスに由来するタンパク質である、請求項に記載の活性ゲノソームの製造方法。
  8. 請求項1〜4のいずれかに記載の活性ゲノソームを含む、物質導入剤。
  9. 請求項1〜4のいずれかに記載の活性ゲノソームを含む、薬学的組成物。
  10. さらに薬学的に許容される担体を含む請求項の薬学的組成物。
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