【発明の詳細な説明】
β−アミノアルコールの製法
本発明は、β−アミノアルコール、即ち式
の2−[3(S)−アミノ−2(R)−ヒドロキシ−4−フェニルブチル]−N
−t−ブチル−デカヒドロ−(4aS,8aS)−イソキノリン−3(S)−カ
ルボキシアミドの新規製法に関する。式Iの化合物は例えば欧州特許公報第04
32695号明細書の例1に詳説されており、薬理学的に有効な化合物を製造す
るための貴重な中間生成物である。即ち、式Iの化合物は、例えば前記欧州特許
公報の例1及び3に記載されているように、ウィルス感染、特にHIV及びその
他のレトロウィルスにより引き起こされるような感染の治療に好適である薬理学
的に有効な化合物に変えることができる。
本発明による方法は、
a)式
のL−フェニルアラニンを無水フタル酸と反応させ、
b)得られた式
の3−フェニル−2(S)−フタルイミドプロピオン酸を相応する酸塩化物に変
え、
c)得られた式
の3−フェニル−2(S)−フタルイミドプロピオン酸クロリドを還元し、
d)得られた式
の3−フェニル−2(S)−フタルイミドプロパン−1−オールを式
の1−シアノ−3−フェニル−2(S)−フタルイミドプロパン−1−オールに
変え、
e)得られた式VIのニトリルを加水分解し、
f)生成した式
の3(S)−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸をクロル蟻酸の低級−
アルキルエステル又はフェ
ニル−又はベンジルエステルと反応させ、
g)得られた一般式
[式中、Rは低級アルキル、フェニル又はベンジルを表わす]の3(S)−[低
級−アルコキシカルボニルアミノ−、フェニルオキシカルボニルアミノ−又はベ
ンジルオキシカルボニルアミノ]−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸を閉環さ
せ、
h)得られた式
の(4S,5S)−4−ベンジル−2−オキソ−オキサゾリジン−5−カルボン
酸を低級−アルカノールでエステル化し、
i)こうして得られた一般式
[式中、R1は低級アルキルを表わす]の(4S,5S)−4−ベンジル−2−オ
キソ−オキサゾリジン−5−カルボン酸−低級−アルキルエステルを還元し、
j)得られた一般式
の(4S,5S)−4−ベンジル−5−ヒドロキシメチルオキサゾリジン−2−
オンを塩基の存在で一般式
R2−SO2Cl
[式中、R2は低級アルキル、フェニル又はハロゲン、低級アルキル又はニトロ
で一又は二置換されたフェニルを表わす]のスルホン酸塩化物と反応させ、
k)得られた一般式
[式中、R2は前記したものを表わす]のスルホン酸エステルを塩基の存在で、
一般式
のN−t−ブチル−デカヒドロ−(4as,8aS)−イソキノリン−3(S)
−カルボキシアミドと反応させ、
l)生成した式
の2−[(4S,5S)−4−ベンジル−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イ
ルメチル]−N−t−ブチル−デカヒドロ−(4aS,8aS)−イソキノリン
−3(S)−カルボキシアミドを塩基で処理することを特徴とする。
式Vの3−フェニル−2(S)−フタルイミドプロパン−1−アールは、有利
には式IIのL−フェニルアラニンをトルエン中で無水フタル酸と共に加熱し、
生成した式IIIのN−保護されたL−フタルアラニンをトルエン及び触媒量の
ジメチルホルムアミド中で塩化オキザリルと反応させ、生成した、所望の式Vの
アルデヒドに相応する式IVの酸塩化物をHCl−捕捉剤、例えば1,2−ブチ
レンオキシドの存在で接触(Pd/C)的に水素添加することのよって得られる
。
ニトリルVIを製造するために、有利には、例えばトルエン中のアルデヒドV
の溶液に水性ピロ亜硫酸ナトリウムを加え、生成したピロ亜硫酸塩及びアルデヒ
ドVの付加生成物を場合により溶剤、例えば水又は場合により水性塩化メチレン
又はトルエン中でシアン化ナトリウムで処理する。もう一つの方法では、同様に
有利にはアルデヒドV及び臭化亜鉛(II)の混合物を溶剤、例えば塩化メチレ
ン中で、−70〜0℃、例えば−15℃でシアン化トリメチルシリルと反応させ
、生成したシアンヒドリンのシリルエーテルをエタノール中のクエン酸の溶液の
添加により脱離させる。
もう一つの方法では、例えばトルエン中のアルデヒドVの溶液をNaCN水溶
液と反応させ、及び酸の添
加により(その際、pH値は5〜7.5の間に保つ)シアンヒドリンに変える。
もう一つの方法では、有利には塩化メチレン中のアルデヒドV及びクロル蟻酸
ベンジルエステルの溶液に、塩化ベンジルトリエチルアンモニウムの存在で冷却
下に、シアン化ナトリウムを有利には−10〜0℃で加え、得られたシアンヒド
リンの炭酸ベンジルを溶剤、例えばエタノール又は塩化メチレン中で水素添加し
、その際、ニトリルVIが得られる。
ニトリルVIの加水分解は有利には鉱酸を用いて補助溶剤(Co−solvents)、
例えば1,4−ジオキサンの存在で行う。加水分解は、有利には塩酸を用いて約
70℃と還流温度の間の温度で行う。本発明では、1,4−ジオキサンの不在に
より有意な反応促進が起こることが実証された。完全な反応は10〜20時間後
に達成される。>125℃への温度上昇により(その際、圧力装置中で操作すべ
きである)加水分解時間を著しく短縮することができる。生成されたフタル酸の
分離は20℃〜−15℃、有利には0〜5℃へ冷却し、濾過することによって行
われるが、その際、フタル酸が結晶でほぼ定量的に沈殿する。濾液は実質的に純
粋なβ−アミノ酸VIIを含有し、これを有利には単離せずに次の工程に使用す
る。
β−アミノ酸VIIのカルバモイル化は、有利には、前の工程からの濾液にp
H5〜12、有利には8〜
10で及び−15〜50℃、有利には0〜10℃でクロル蟻酸−低級アルキル又
は−ベンジルエステルを加えることによって実施される。溶液は実質的に純粋な
酸VIIIを含有し、これを有利には単離せずに次の工程に使用する。場合によ
り単離するために、pH値を反応終了(約1時間)後に鉱酸、有利には塩酸で1
〜3に調整し、酸VIIIを酢酸エチル又は熱トルエンで抽出し、トルエンから
晶出させることによって精製することができる。
酸IXへのオキサゾリジノン−環形成は有利には、酸VIIIの水性懸濁液に
室温で水酸化ナトリウム溶液を加えることによって実施する。酸IXを単離する
ために、反応混合物を好適な有機溶剤、例えば酢酸エチル等で抽出し、残分を引
き続き晶出させることができる。有利には酸IXを、反応混合物からpH値を−
1〜+1に調整することによって直接結晶化させ及び接種することによって単離
する。
酸IXのエステル化は、有利には触媒量の酸、例えば硫酸の存在で加熱下で、
例えば還流温度に加熱して、実施する。
2−オキソ−オキサゾリジン−5−カルボン酸エステルXの還元は有利には溶
剤、例えばトルエン、テトラヒドロフラン又は低級アルカノール、有利にはメタ
ノール又はエタノール中で、温度0〜60℃、有利には0〜25℃で、ナトリウ
ム−ビス(2−メトキシエ
トキシ)アルミニウムヒドリド、水素化リチウムアルミニウム又は有利には水素
化硼素ナトリウムを用いて実施する。
酸IXは有利には、エステルXを単離せずに、アルコールXIに変える。
もう一つの方法では、酸IXは、
a)式
の1−シアノ−3−フェニル−2(S)−フタルイミドプロパン−1−オールを
低級アルカノールの存在で強酸と反応させて、式
[式中、R1は低級アルキルである]のイミノエーテルの塩に変え、
b)式VI’のイミノエーテルの塩を加水分解し、
c)得られた式
の(α−ヒドロキシ酸エステルを先ず塩基、次いで強酸を用いて式
[式中、R1は低級アルキルである]のα−ヒドロキシ−β−アミノ酸エステル
に変え、
d)式XVIのα−ヒドロキシ−β−アミノ酸エステルをクロル蟻酸の低級アル
キルエステル又はフェニル−又はベンジルエステルと反応させ、
e)得られた一般式
[式中、R1は低級アルキルであり、Rは低級アルキル、フェニル又はベンジル
である]の3(S)−[低
級−アルコキシカルボニルアミノ−、フェニルカルボニルアミノ−又はベンジル
オキシカルボニルアミノ]−2(S)−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸−低級ア
ルキルエステルを閉環させることによって製造する。
シアンヒドリンVIを低級アルカノールR1−OHの存在で強酸、例えばHC
lと、溶剤、例えば低級アルカノールR1−OH、CH2Cl2、トルエン、t−
ブチルメチルエーテル又は有利にはCH2Cl2及びR1−OH又はトルエン及び
R1−OHの混合物中で、−10〜+10℃、有利には0℃に冷却下で反応させ
ることによって、式VI’のイミノエーテルの相応する塩が得られる。
これを例えば水性酢酸エチル、CH2Cl2又は有利には水性トルエン及びR1
−OHを用いて、ヒドロキシ酸エステルXVに加水分解する。
化合物XVを先ず塩基、例えばメチルアミン、次いで強酸、例えばHClを用
いて、溶剤、例えばTHF又は有利にはアルコール、例えばR1−OH、特にメ
タノール中で温度−10〜+20℃、有利には第1工程では0℃で及び第2工程
では20℃で処理することによって式XVIの化合物が得られる。
α−ヒドロキシ−β−アミノ酸エステルXVI又は有利にはその塩、例えば酢
酸塩又は塩酸塩の水又はトルエン中の溶液を−10〜+10℃で、有利には0℃
で、塩基、例えばNaOHの存在で、クロル蟻酸の低
級アルキルエステル又はフェニル−又はベンジルエステルを用いて、相応する式
XVIIのN−カルボキシル化化合物に変える。
化合物XVIIの化合物IXへの閉環は、先ず化合物XVIIをメタノール、
エタノール又は水中で塩基、例えばNaOHと室温で、次いでナトリウムメチラ
ートと還流下で反応させることによって実施する。その際、C−2におけるエピ
マー化を抑制するために、塩基を少量づつ添加することが有利である。その他の
方法では、化合物XVIIを直接塩基と30〜35℃で反応させる。
アルコールXIのスルホン化は溶剤、例えば酢酸エチル又は有利にはアセトン
又はテトラヒドロフラン中で塩基、例えばトリエチルアミン又は有利にはN−メ
チルモルホリンの存在で、温度0〜60℃、有利には20〜40℃で実施する。
式XIIのスルホン酸エステルのアミドXIIIとの反応は、有利には溶剤、
例えばジメチルスルホキシド、炭化水素、例えばトルエン、トリエチルアミン又
は低級アルカノール、例えばエタノール又はケトン、有利には4−メチル−2−
ペンタノン中で、塩基、例えば低級アルキルアミン又はアルカリ金属炭酸塩、有
利にはトリエチルアミン又は炭酸ナトリウムの存在で、還流温度まで加熱下で、
有利には50〜150℃、有利には80〜110℃で実施する。生じたオキサゾ
リジノンXIVを精製するために、結晶化し易い塩、例えばスルホン酸塩、特に
p−トルエン−、p−ブロムフェニル−又はp−ニトロフェニルスルホネートを
強酸、例えば硫酸又は有利には塩酸の添加により製造する。
前の工程でスルホン酸を塩基、有利には炭酸水素ナトリウムを用いて溶剤、有
利には酢酸エチル中で抽出により除去した後のオキサゾリジノンXIVの脱離は
、有利には溶剤、例えば水、エタノール又はその混合物中で、塩基、例えば水酸
化ナトリウム又は水酸化カリウムを用いて還流温度までの加熱下で、有利には2
0〜100℃で、有利には80℃で実施する。
出発物質として使用される式XIIIの化合物は公知であり、欧州特許公報第
0432695号明細書中の式VIIの化合物に相応する。
前記で使用した用語“低級アルキル”とは、炭素原子1〜6個、有利には1〜
4個を有する、直鎖及び分枝鎖状の飽和炭化水素基、例えばメチル、エチル、n
−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル
、ペンチル、ヘキシル等である。用語“ハロゲン”とは、弗素、塩素、臭素及び
沃素である。
次に実施例に付き本発明を詳説するが、本発明はこれにのみ限定されるもので
はない。温度は全て摂氏である。例1
(III→IV→V)
A)トルエン600ml中のL−フェニルアラニン82.6g及び無水フタル酸
74.1gの懸濁液を8時間アルゴン下で還流加熱した。相応する懸濁液を室温
に冷却し、ジメチルホルムアミド0.5ml、次いで塩化オキザリル66.64
gを加えた。2時間攪拌後、アルゴンを溶液中に吹き入れる。
B)3−フェニル−2(S)−フタルイミドプロピオニルクロリドを含有する溶
液をトルエン500mlで希釈し、1,2−ブチレンオキシド72.11gを加
えた。溶液に活性炭上パラジウム(5%)23.5g及びトルエン100mlを
加えた。懸濁液を17時間攪拌下で水素添加し、次いで濾過し、残分をトルエン
200mlで洗浄するが、その際、3−フェニル−2(S)−フタルイミドプロ
パン−1−アールが得られた。例2
(V→VI)
塩化メチレン50ml中の3−フェニル−2(S)−フタルイミドプロパン−
1−アール5g及び臭化亜鉛4.43gの懸濁液に攪拌下で−15°で塩化メチ
レン5ml中のシアン化トリメチルシリル1.95gの溶液を加え、5時間−1
5°で攪拌した。生成したシリルエーテルを−10°でエタノール50ml中の
クエン酸5gの溶液を添加することにより脱離させた。混合物を濃縮し、残分に
水を加え、塩化メチレンで
抽出した。有機抽出物を乾燥させ、濾過し、濾液を濃縮した。残分は、粗製3−
(1,3−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル)−
2−ヒドロキシ−4−フェニルブチロニトリル5.45g(99%)を(2S,
3S)−及び(2R,3S)−異性体の74:26−混合物として含有する。
例3(V→VI)
3−フェニル−2(S)−フタルイミドプロパン−1−アール(例1)を含有
する溶液に室温で攪拌下で水1l中のピロ亜硫酸ナトリウム95.05gの溶液
を添加した。4.5時間攪拌後、重亜硫酸塩及び前記アルデヒドの付加生成物を
含有する水相をトルエンで洗浄した。トルエン相を水で抽出した。水相に塩化メ
チレン1200mlを添加し、混合物に攪拌下で室温で水330ml中のシアン
化ナトリウム41.66gの溶液を加えた。1.2時間攪拌後、水を添加した。
分離した水相を塩化メチレンで抽出した。有機相を乾燥させ、濾過し、残分を塩
化メチレンで洗浄した。濾液を蒸発濃縮し、残分を塩化メチレン200ml中に
溶解させた。溶液に攪拌下で30°でヘキサン600ml、次いで0°でもう一
度ヘキサン600mlを添加した。懸濁液を濾過し、残分をヘキサンで洗浄し、
次いで乾燥させた。3−(1,3−ジオキソ−2,3
−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル)−2−ヒドロキシ−4−フェニ
ルブチロニトリルの異性体(2s,3s):(2R,3S):(2R,3R):
(2S,3R)の74.7:23.5:1.4:0.4−混合物114.02g
(74%)が得られた。
°(塩化メチレン中1%)。例4
(V→VI)
3−フェニル−2(S)−フタルイミドプロパン−1−アール(例1)を含有
する溶液に、室温で攪拌下で水500ml中のピロ亜硫酸ナトリウム47.5g
の溶液を添加した。7.5時間攪拌後、ピロ亜硫酸塩及び前記アルデヒドの付加
生成物を含有する水相をトルエンで洗浄した。トルエン相を水で抽出した。水相
に攪拌下で室温で水200ml中のシアン化ナトリウム24.2gの溶液を添加
した。懸濁液を1時間攪拌後濾過し、残分を水で洗浄して中性にした。乾燥後、
3−(1,3−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル
)−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチロニトリルの異性体(2S,3S):(
2R,3S)の67.2:32.8−混合物112.03g(73%)が得られ
た。
メチレン中1%)。例5
(VIIを経てVI→VIII)
25%塩酸500ml中の(2S,3S)−及び(2R,3S)−異性体の7
3.6:26.4−混合物としての3−(1,3−ジオキソ−2,3−ジヒドロ
−1H−イソインドール−2−イル)−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチロニ
トリル(例23)100gの懸濁液を17時間還流加熱し、0°に冷却し、1時
間0°で攪拌した。沈殿したフタル酸(52g、96%)を濾別した後、濾液を
25°で40%の水酸化ナトリウム溶液でpH7.5に調整し、クロム蟻酸エチ
ルエステル46.6mlを加えたが、その際、pH値を40%水酸化ナトリウム
溶液で7〜8に保った。完全な反応(約1時間)後に、溶液を37%塩酸でpH
1に調整し、酢酸エチルで抽出した。抽出物を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上
で乾燥させ、濾過し、濾液を濃縮した。残分をトルエン400mlから晶出させ
、結晶を乾燥させたが、その際、3−エトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキ
シ−4−フェニル酪酸の(2S,3S):(2R,3S)−異性体の99:1−
混合物52g(60%)、融点138.4〜140.5°が得られた。
例6(VIII→IX)
水60ml中の3−エトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニ
ル酪酸8.02gの懸濁液に室温で3N水酸化ナトリウム溶液20mlを加え、
81/2時間室温で攪拌した。溶液を25%塩酸3.8mlでpH7に調整し、
減圧下で20mlに濃縮し、25%塩酸6mlでpH1に調整した。その後、反
応混合物を21/2時間0°で攪拌し、濾別し、氷水で洗浄したが、その際、純
粋な(4S,5S)−4−ベンジル−2−オキソ−オキサゾリジン−5−カルボ
ン酸5.47g(82%)、融点177〜179°が得られた。例7
(IX→X)
メタノール45ml及び硫酸0.5ml中の(4S,5S)−4−ベンジル−
2−オキソ−オキサゾリジン−5−カルボン酸8.85gの溶液を2時間還流加
熱し、15mlに濃縮し、−15°に冷却した。濾別後、残分を乾燥させるが、
その際、4−ベンジル−2−オキソ−オキサゾリジン−5−カルボン酸メチルエ
ステルが(4S,5S)及び(4S,5R)−異性体の98:2−混合物として
(融点93〜94.5°)得られる。例8
(X→XI)
エタノール360ml中の水素化硼素ナトリウム20.8gの攪拌溶液に、1
5〜20°で1.5時間の
間に4−ベンジル−2−オキソ−オキサゾリジン−5−カルボン酸メチルエステ
ルの(4S,5S)−及び(4S,5R)−異性体の98:2−混合物150g
を加え、2時間後攪拌した。懸濁液に20°で水540mlを加え、pH値を3
N塩酸165mlで7に調整した。懸濁液を2.5時間室温で攪拌し、18時間
4°で放置し、その後濾取した。残分を水で洗浄し、乾燥させ、(4S,5S)
−4−ベンジル−5−ヒドロキシメチル−オキサゾリジン−2−オン111.6
:−79.4°(メタノール中1%)が得られた。例9
(XI→XII)
アセトン20ml及びN−メチルモルホリン6.1ml中の(4S,5S)−
4−ベンジル−5−ヒドロキシメチル−オキサゾリジン−2−オン10.4gの
懸濁液に、25°でアセトン10ml中のメタンスルホニルクロリド4.7ml
の溶液を加え、懸濁液を3時間25°で攪拌した。新たにN−メチルモルホリン
1.1mlを添加し、1時間更に攪拌した。懸濁液を半飽和炭酸水素ナトリウム
溶液80ml及び酢酸エチルで振出し、分離した水相を酢酸エチルで抽出した。
酢酸エチル抽出物を水で洗浄し、乾燥させ、濾過した。濾液を蒸発濃縮させ、粗
製メタンスルホン酸−(4S,5S)−4−ベンジル−2−オキソ−オキサゾリ
ジン−5−イルメチルエステル14.3g(100%
)、DC(SiO2、酢酸エチル):Rf=0.4;MS EI):286(M+
H)+が得られた。例10
(XI→XII)
例9と同様にして、(4S,5S)−4−ベンジル−5−ヒドロキシメチル−
オキサゾリジン−2−オン50g及びo−ニトロベンゼンスルホニルクロリド8
0gから、o−ニトロベンゼンスルホン酸−(4S,5S)−4−ベンジル−2
−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチルエステル88.2g(93%)、D
C(SiO2、酢酸エチル):Rf=0.38;MS(EI):393(M+H)+
が得られた。例11
(XI→XII)
アセトン27ml及びp−トルエンスルホニルクロリド6.64g中の(4S
,5S)−4−ベンジル−5−ヒドロキシメチル−オキサゾリジン−2−オン5
.55gの攪拌懸濁液に、室温でトリエチルアミン5.6mlを加え、6.5時
間室温で攪拌した。懸濁液に水を加え、10°で攪拌し、残分を水/アセトン−
溶液(3:2)で洗浄し、蒸発濃縮させ、99%のp−トルエンスルホン酸−(
4S,5S)−4−ベンジル−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチルエ
ステル9.09g(94%)、融点148.7〜15
られた。例12
(XI→XII)
テトラヒドロフラン35ml及びN−メチルモルホリン7.66ml中の(4
S,5S)−4−ベンジル−5−ヒドロキシメチル−オキサゾリジン−2−オン
12.0gの攪拌懸濁液に、室温で4−ニトロベンゼンスルホニルクロリド15
.4gを少量づつ加え、4.5時間攪拌した。懸濁液に新たにN−メチルモルホ
リン0.77mlを加え、4.5時間室温で攪拌した。混合物に2%の炭酸水素
ナトリウム溶液70mlを加え、1.5時間攪拌し、濾過し、残分を水及びエタ
ノールで洗浄したが、その際98.5%のp−ニトロベンゼンスルホン酸−(4
S,5S)−4−ベンジル−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチルエス
テル21.4g(94%)、融点148〜149.5
た。例13
例12と同様にして、(4S,5S)−4−ベンジル−5−ヒドロキシメチル
−オキサゾリジン−2−オン35g及びp−ブロムベンゼンスルホニルクロリド
56.1gから、p−ブロムベンゼンスルホン酸−(4S,5S)−4−ベンジ
ル−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチルエステル65.5g(91%
)、融点151.6〜153°が得られた。例14
(V→VI)
塩化メチレン70ml中の3−フェニル−2(S)
−フタルイミドプロパン−1−アール11.16g及びベンジルトリエチルアン
モニウムクロリド0.7gの溶液に攪拌下で−10°でクロル蟻酸ベンジルエス
テル6.2mlを加えた。次いで水50ml中のシアン化ナトリウム3.10g
の溶液を滴加した。−10°で0.5時間後、0°に加温した。塩化メチレン相
を水及び飽和食塩溶液で洗浄した。水槽を塩化メチレンで抽出した。塩化メチレ
ン抽出物を乾燥させ、濾過し、濾液を蒸発濃縮した。残分から、(2S,3S)
−及び(2R,3S)−3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインド
ール−2−イル)−2−ベンジルオキシカルボニルオキシ−4−フェニルブチロ
ニトリルの70:30−混合物18.33gが得られた。
エタノール12ml及び塩化メチレン2ml中の(2S,3S)−及び(2R
,3S)−3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イ
ル)−2−ベンジルオキシカルボニルオキシ−4−フェニルブチロニトリルの7
0:30−混合物2g及び活性炭上パラジウム(10%)0.15gの懸濁液を
2時間室温で水素添加し、次いで濾過し、最後に塩化メチレンで洗浄し、濾液を
蒸発濃縮した。この様にし
て、(2S,3S)−及び(2R,3S)−3−(1,3−ジオキソ−1,3−
ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル)−2−ヒドロキシ−4−フェニル
ブチロニトリルの72:27−混合物1.35g(97%)が得られた。
例15(XII→XIV)
A)4−メチル−2−ペンタノン76ml中のp−ニトロベンゼンスルホン酸−
(4S,5S)−4−ベンジル−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル
エステル24.69g、N−t−ブチル−デカヒドロ−(4aS,8aS)−イ
ソキノリン−3(S)−カルボキシアミド15.0g及び炭酸ナトリウム10.
0gの懸濁液を攪拌下で10時間還流加熱した。懸濁液を80°に冷却し、4−
メチル−2−ペンタノン176ml及び3N塩酸54mlで希釈し、40°に冷
却し、濾過した。残分を水及び4−メチル−2−ペンタノンで洗浄し、(3S,
4aS,8aS)−2−[(4S,5R)−4−ベンジル−2−オキソ−オキサ
ゾリジン−5−イルメチル]−N−t−ブチル−デカヒドロ−イソキノリン−3
−カルボキシアミド−p−ニトロベンゼンスルホネート35.1g(88%)、
が得られた。
B)炭酸ナトリウムの代わりにトリエチルアミン(2モル当量)を使用する場合
に、同じ塩が89%の収率で得られた。例16
例15B)と同様にして、メタンスルホン酸−(4S,5S)−4−ベンジル
−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチルエステル14gとN−t−ブチ
ル−デカヒドロ−(4aS,8aS)−イソキノリン−3(S)−カルボキシア
ミド11.7gの反応により、1モル当量のp−トルエンスルホン酸の添加後に
、(3S,4aS,8aS)−2−[(4S,5R)−4−ベンジル−2−オキ
ソ−オキサゾリジン−5−イルメチル]−N−t−ブチル−デカヒドロ−イソキ
ノリン−3−カルボキシアミド−p−トルエンスルホネート11.8g(40%
)、融点203〜205°が得られた。例17
例15B)と同様にして、p−トルエンスルホン酸−(4S,5S)−4−ベ
ンジル−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチルエステル7.2gとN−
t−ブチル−デカヒドロ−(4aS,8aS)−イソキノリン−3(S)−カル
ボキシアミド4.8gの反応により、(3S,4aS,8aS)−2−[(4S
,5R)−4−ベンジル−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル]−N
−t−ブチル−デカヒドロ
−イソキノリン−3−カルボキシアミド−p−トルエンスルホネート5.4g(
45%)、融点202〜204°が得られた。例18
例15B)と同様にして、p−ブロムベンゼンスルホン酸−(4S,5S)−
4−ベンジル−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチルエステル30gと
N−t−ブチル−デカヒドロ−(4aS,8aS)−イソキノリン−3(S)−
カルボキシアミド16.8gの反応により、(3S,4aS,8aS)−2−[
(4S,5R)−4−ベンジル−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル
]−N−t−ブチル−デカヒドロ−イソキノリン−3−カルボキシアミド−p−
ブロムフェニルスルホネート36.5a(78%)
が得られた。例19
例15B)と同様にして、2−ニトロベンゼンスルホン酸−(4S,5S)−
4−ベンジル−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチルエステル39.2
gとN−t−ブチル−デカヒドロ−(4aS,8aS)−イソキノリン−3(S
)−カルボキシアミド23.8gの反応により、1モル当量のp−トルエンスル
ホン酸の添加後に、(3S,4aS,8aS)−2−[(4S,5R)−4−ベ
ンジル−2−オキソ−オキ
サゾリジン−5−イルメチル]−N−t−ブチル−デカヒドロ−イソキノリン−
3−カルボキシアミド−p
34.2°(ジメチルホルムアミド中1%)が得られた。例20
(XIV→I)
(3S,4aS,8aS)−2−[(4S,5R)−4−ベンジル−2−オキ
ソ−オキサゾリジン−5−イルメチル]−N−t−ブチル−デカヒドロ−イソキ
ノリン−3−カルボキシアミド−p−ニトロベンゼンスルホネート34.7gを
酢酸エチル110mlと飽和炭酸水素ナトリウム110mlとの間に分配した。
水相を酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル−抽出物を飽和炭酸水素ナトリウム11
0ml及び水で洗浄した。有機抽出物を蒸発濃縮し、残分をエタノール55ml
で希釈し、水55ml中の水酸化ナトリウム11.0gの溶液を攪拌下で加えた
。混合物を5時間還流加熱し、水55mlで希釈し、室温に冷却した。懸濁液を
濾過し、残分を濾液が中性のpH値になるまで水で洗浄した。残分を蒸発濃縮し
、2−[3(S)−アミノ−2(R)−ヒドロキシ−4−フェニルブチル]−N
−t−ブチル−デカヒドロ−(4aS,8aS)−イソキノリン−3(S)−カ
ルボキシアミド20.7g(93%)、融点175〜176°が得られた。例21
(VI→XV)
A)メタノール980ml中のHCl400gの溶液に0℃でCH2Cl2450
ml中の3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル
)−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチロニトリル(例3)100gの溶液を添
加する。0℃で18時間攪拌後、懸濁液を濾過する。生成したイミノエーテル・
HClを含有する残分を各々600mlの酢酸エチル及び水の混合物に添加する
。固体の溶解後、水相を酢酸エチルで抽出する。有機相を飽和NaHCO3−溶
液及び水で洗浄し、次いで乾燥させる。懸濁液を濾過し、濾液を蒸発濃縮して、
3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)−2−
ヒドロキシ−4−フェニル酪酸メチルエステルの(2S,3S):(2R,3S
)−異性体の93:7−
°(酢酸エチル中1%)が得られる。
B)トルエン1200ml中の3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソ
インドール−2−イル)−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチロニトリル(例3
)200gの溶液に0℃でHCl120gを導入し、3時間0℃で攪拌する。懸
濁液に水1200ml及びメタノール400mlを加え、2時間22℃で攪拌す
る。水相をトルエンで抽出する。有機相を水で洗浄し、乾燥させ、濾過し、濾液
を蒸発濃縮して、3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール−
2−イル)−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸メチルエステルの(2S,3S
):(2R,3S)−異性
:−133.1°(酢酸エチル中1%)が得られる。例22
(XV→XVI)
A)メタノール20ml中の3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソイ
ンドール−2−イル)−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸メチルエステルの(
2S,3S):(2R,3S)−異性体の93:7−混合物(例21)20gの
溶液を0℃でメタノール中のメチルアミンの18.7%溶液11.75mlの溶
液で処理し、4時間0℃で攪拌する。
溶液にメタノール中のHClの20%溶液44mlを0℃で添加する。3時間
22℃で攪拌後、懸濁液を濾過し、残分をメタノールで洗浄し、濾液を濃縮する
。0℃で残分のpHを希アンモニア溶液で4に調整しする。水相を酢酸エチルで
洗浄し、有機相を水で抽出し、合した水相のpHを22℃でアンモニア溶液で9
.3に調整する。水相を数回酢酸エチルで抽出し、有機相を乾燥させ、濾過し、
濾液を50gに濃縮する。残留した溶液を酢酸3.4mlで処理し、0℃で攪拌
する。懸濁液を濾過し、残分を酢酸エチルで洗浄する。乾燥後、3−アミノ−2
−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸メチルエステル−アセテートの(2S,3S)
−及び(2R,3S)−異性体の98:2−混合物1
3.83g(87%)、融点113〜114.5℃、
。
B)例22A)と同様にして、3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソ
インドール−2−イル)−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸メチルエステルの
(2S,3S):(2R,3S)−異性体の75:25−混合物(例19B)の
反応から、3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸メチルエステル−ア
セテートの(2S,3S)−及び(2R,3S)−異性体の92:8−混合物2
8.4g(66%)、融点
中1%)が得られる。例23
(IV、Vを経てIII→VI)
トルエン810ml中の3−フェニル−2(S)−フタルイミドプロピオン酸
100gの懸濁液に攪拌下で22℃でDMF0.34ml及び塩化オキザリル4
5.1gを加えた。混合物を3時間22℃で攪拌した。アルゴンを溶液中に導通
した。次いで溶液に1,2−ブチレンオキシド59mlを加えた。次いでガス抜
きし、トルエン100ml中のPd/C15.9gの懸濁液で処理した。懸濁液
を16時間攪拌下で水素添加し、次いでガス抜きし、アルゴン下で濾過した。
残分をトルエンで洗浄した。濾液を攪拌下で22℃で水320mL中のピロ亜
硫酸ナトリウム32.2g
の溶液を加えた。7時間後混合物に水130ml中のNaCN13gの溶液を加
えた。30分後、水相を分離し、トルエンで抽出した。トルエン相を水で洗浄し
、合した相を濃縮した。生成した懸濁液を攪拌下でヘキサンで希釈し、次いで濾
過した。残分をヘキサン/トルエン(10/1)で洗浄した。3−(1,3−ジ
オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル)−2−ヒドロキ
シ−4−フェニルブチロニトリル80.9g(78%)が、(2S,3S)−及
び(2R,3S)−異性体として、得られた。融点1
ン中1%)。例24
(VII、VIIIを経てVI→IX)
25%塩酸1500ml中の、(2S,3S)−及び(2R,3S)−異性体
の74:26混合物としての3−(1,3−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H
−イソインドール−2−イル)−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチロニトリル
(例2)300gの懸濁液を17時間還流加熱し、活性炭で処理し、0℃に冷却
し、1時間に攪拌した。懸濁液を濾過後、濾液を0〜20℃で40%水酸化ナト
リウム溶液でpH8.5に調整し、クロル蟻酸メチルエステル121mlを加え
たが、その際、pH値を40%水酸化ナトリウム溶液で8〜9に保った。0℃で
攪拌後、溶液を22℃で40%水酸化ナトリウム溶液98mlでpH12.9に
調整した。4時間後溶液を25%塩酸160mlでpH3.5に調整し、更に2
5%塩酸80mlを加えた。混合物を(4S,5S)−4−ベンジル−2−オキ
ソ−オキサゾリジン−5−カルボン酸で接種し、25%塩酸でpH−0.4に調
整した。−10℃で2時間後、懸濁液を濾過した。4−ベンジル−2−オキソ−
オキサゾリジン−5−カルボン酸の(4S,5S):(4S,5R)−異性体の
97.2:2.8−混合物131.6g(61%)、融点172〜174℃、
た。例25
(Xを経てIX→XI)
メタノール300ml中の、4−ベンジル−2−オキソ−オキサゾリジン−5
−カルボン酸の(4S,5S):(4R,5R)−異性体の97.2:2.8混
合物50gの溶液に硫酸1mlを加え、3.5時間還流加熱した。溶液を0℃に
冷却し、メタノール中の30%ナトリウムメトキシドの溶液でph7に調整した
。溶液に0〜3℃で水素化硼素ナトリウム10.26gを添加した。0℃で1時
間攪拌後、懸濁液を0〜20℃で25%塩酸でpH1に調整した。水を添加し、
−10℃で攪拌した後、懸濁液を濾過した。99%の(4S,5S)−4−ベン
ジル−5−ヒドロキシメチル−オキサゾリジン−2−オン41.5g、融点16
%)が得られた。例26
(IV、V、VI、VI’を経てIII→XVI)
a)フタロイル−L−フェニルアラニン(L−フェニルアラニンを無水フタル酸
とトルエン中で還流下で反応させることにより得られる)295gをトルエン2
.41中に懸濁させる。DMF1mlを添加し、塩化オキザリル140gを滴加
する。3時間室温で攪拌後、なお存在する塩化水素を水流真空中で除去する。
b)1,2−ブチレンオキシド200ml及びトルエン200ml中の活性炭上
Pd(5%)47gの添加後、20℃及び5バールで水素を水素吸収が終了する
まで水素添加する。
c)反応混合物を真空中で40℃で触媒の濾別後濃縮する。水250ml及び水
200ml中のNaCN49gの溶液を15〜20℃で滴加する。溶液のpH値
を濃塩酸の添加により6.5〜7.3に保つ。5から7時間後攪拌する。次いで
水相を分離し、トルエンで抽出し、トルエン相をメタノールで希釈する。溶液中
のシアンヒドリンの収率:85〜90%(HPLC)。
d)溶液を攪拌下で−5℃に冷却し、塩化水素(液体)184gを最高0℃で導
入する。6〜8時間後水中のメタノール溶液(1:2)1.5lを添加する。そ
の際、温度は20℃に上昇する。沈殿の溶解後、下の
水相を分離し、トルエンで抽出する。トルエン相を水で抽出する。その後、トル
エン相を真空中で40℃で濃縮する。
e)濃縮した溶液をメタノール350mlで希釈し、0℃でメタノール30ml
中のメチルアミン38.4gを加える。3時間攪拌後、メタノール850ml中
の塩化水素164gの溶液を、内部温度が20℃を越えないように、添加する。
4〜6時間後反応させ、次いで沈殿を濾過する。沈殿をメタノールで後洗浄し、
濾液を合する。真空中で濃縮後、水で希釈し、50%NaOHで0℃でpH値3
に調整する。水相を酢酸エチルで抽出する。水相は、3−アミノ−2−ヒドロキ
シ−4−フェニル酪酸メチルエステル−ヒドロクロリドの(2S,3S)−及び
(2R,3S)−異性体の75:25−混合物を含有する(収率75〜80%)
。例27
(XVI→VII)
水中の例26e)の3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸メチルエ
ステル−ヒドロクロリドの(2S,3S)−及び(2R,3S)−異性体の75
:25−混合物の溶液80mlを真空中で50mlに濃縮した。次に25%NH3
−溶液17.5mlを加えた。6〜8時間の反応時間後、0℃に冷却し、沈殿
した固体を濾取した。フィルターケーキをエタノールで洗浄し、真空中で55℃
で乾燥させた。3−アミノ
−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸2.1g(例26の出発−フタロイル−L
−フェニルアラニンに対して30%)が、(2S,3S)−及び(2R,3S)
−異性体の98:2−混合物として得られた。例28
(XVI→VII)
水250ml中の3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸メチルエス
テル−アセテートの(2S,3S)−及び(2R,3S)−異性体の92:8−
混合物(例22B)134.7gを水350ml中のNaOH50gの40℃の
熱い溶液中に滴加した。pH値は、最初の13.25から12.7に低下した。
40℃でなお1時間後攪拌し、次いで室温で32%のっHCl66mlを用いて
pH6.5に中和した。溶液を真空中で濃縮し、0℃に冷却した。固体を吸引濾
過し、エタノールで洗浄した。引き続き、真空中で55℃で乾燥させた。収量:
3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸90.4g(理論値の92.6
%)が、(2S,3S)−及び(2R,3S)−異性体の87.7:12.3−
混合物として得られた。例29
(XVI→VIII→IX)
a)3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸メチルエステル−ヒドロク
ロリドの(2S,3S)−及び(2R,3S)−異性体の75:25−混合物(
例26)の水溶液を水酸化ナトリウム溶液でpH13にした。pH値をpH13
で一定に保った。その後、
濃HClでpH値9.5〜10.5に調整し、5℃に冷却した。トルエン200
mlを添加し、クロル蟻酸エチル123.2gと一定のpH−保持下で(NaO
H)5〜10℃で反応させた。反応終了後、酢酸イソプロピル100mlを添加
した。有機相を分離し、水相を真空中で50℃で酢酸イソプロピルから濃縮によ
り除去した。濃塩酸で酸性にしpH2にし、酢酸イソプロピルで抽出した。有機
相を濃縮した。引き続きシクロヘキサンを加えた。沈殿を吸引濾過し、少量のシ
クロヘキサン/酢酸イソプロピル(1:1)で洗浄した。引き続き、空気で乾燥
した。収量:3−エトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪
酸の(2S,3S):(2R,3S)−異性体の>99:1−混合物45g=理
論値の18%(フタロイル−L−フェニルアラニンに対して)。
b)母液を真空中で50℃で蒸発濃縮し、油状残分を水中に懸濁させ、濃NaO
HでpH14に調整した。6時間室温で後攪拌した。引き続き、濃HClでpH
1に調整し、酢酸エチルで抽出する。酢酸エチル相を濃縮し、メチル−t−ブチ
ルエーテルで沈殿させた。沈殿を吸引濾過し、乾燥させた。収量:4−ベンジル
−2−オキソ−−オキサゾリジン−5−カルボン酸の(4S,5S):(4S,
5R)−異性体の98:2−混合物36g=理論値の16.3%(フタロイル−
L−フェニルアラニンに対して)。例30
(XVI→VII)
A)3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸メチルエステル−アセテー
トの(2S,3S)−及び(2R,3S)−異性体の92:8−混合物(例22
B)134.7gを水500ml中に溶解させ、0℃に冷却した。NaOH20
g(水60ml中)でpH値9.5を調整した。2時間以内に、攪拌下で0〜5
℃でクロル蟻酸エチルエステル56gを滴加し、その際、NaOH30g(水9
0ml中)の並行滴加によりpH値を9〜9.5の間に保った。クロム蟻酸エチ
ルエステル添加の終了後、1時間0℃で後攪拌し、その際、pH値を9.5に保
った。固体を濾別し、水で洗浄し、次いで乾燥させた。収量:3−エトキシカル
ボニルアミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸メチルエステルの(2S,3
S)−及び(2R,3S)−異性体の98:2−混合物119.4g(理論値の
84.9%)が得られた。
B)3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸メチルエステル−ヒドロク
ロリドの(2S,3S)−及び(2R,3S)−異性体の75:25−混合物(
例26)の水溶液にトルエン300mlを加え、0℃に冷却した。攪拌下で、5
0%水酸化ナトリウム溶液でpH値9.5に調整した。そこで50%水酸化ナト
リウム溶液の並行添加によるpHの一定保持下で0〜5℃でクロム蟻酸ベンジル
エステル204.6gを滴
加した。添加終了後、pH値が一定になるまで後攪拌し、石油エーテル300m
lを添加し、沈殿した沈殿をメチル−t−ブチルエーテルで洗浄した。引き続き
真空中で55℃で乾燥させた。収量:3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2
−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸メチルエステルの(2S,3S:2R,3S)
−異性体の10:1−混合物181.4g(理論値の18%)。例31
(XVII→IX)
メタノール150ml中の3−エトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−
4−フェニル酪酸メチルエステルの(2S,3S):(2R,3S)−異性体の
10:1−混合物42.2gの溶液に50%水酸化ナトリウム溶液12gを添加
する。15分間22℃で後攪拌する。その後、ナトリウムメチラート16.2g
を添加し、更に15分間還流下で後攪拌する。真空下で、最高30℃でメタノー
ル130mlを溜去する、残分に水を加え、1時間22℃で後攪拌する。その後
、濃HClで酸性にしてpH1にし、酢酸エステルで抽出する。酢酸エチル相を
真空中で最高35℃で濃縮し、トルエン又はメチル−t−ブチルエーテル150
mlを攪拌下で加える。2時間攪拌後、沈殿した固体を吸引濾過し、氷水で洗浄
し、真空中で50℃で乾燥させる。収量:、(4S,5S):(4S,5R)−
異性体(トルエン中96:4、メチル−t−ブチルエ
ーテル中98:2)として、4−ベンジル−2−オキソ−オキサゾリジン−5−
カルボン酸26.6g(80.1%)。例32
(XVII→IX)
水150ml中の2−エトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−4−フェ
ニル酪酸メチルエステルの(2S,3S):(2R,3S)−異性体の10:1
−混合物42.2gに50%水酸化ナトリウム溶液24gを添加し、3〜4時間
30〜35℃で後攪拌する。その後濃HClで酸性にしてpH1にし、酢酸エス
テルで抽出する。酢酸エチル相を真空中で最高35℃で濃縮し、トルエン又はメ
チル−t−ブチルエーテル150mlを攪拌下で加える。2時間攪拌後、沈殿し
た固体を吸引濾過し、氷水で洗浄し、真空中で50℃で乾燥させる。収量:、(
4S,5S):(4S,5R)−異性体(トルエン中96:4、メチル−t−ブ
チルエーテル中98:2)として、4−ベンジル−2−オキソ−オキサゾリジン
−5−カルボン酸27.3g(82.2%)。例33
(IX→XI)
a)エタノール120ml中の4−ベンジル−2−オキソ−オキサゾリジン−5
−カルボン酸の(4S,5S):(4S,5R)−異性体の97.2:2.8−
混合物(例24)22.1gの溶液に、硫酸(95〜97%)1.2mlを添加
し、2時間還流下で沸騰さ
せる。その後溶液をエタノール90mlの蒸留による除去によって濃縮する。
b)a)の溶液を最高25℃でエタノール40ml中の水素化硼素ナトリウム5
.3gの懸濁液に滴加する。添加終了後、2〜3時間後攪拌する。水性懸濁液に
水を添加し、濃HClでpH値7に調整する。先ず2時間22℃で、次いで更に
2時間0℃で後攪拌する。固体を濾別し、氷水で洗浄する。引き続き真空中で4
5℃で乾燥させる。収量:4−ベンジル−5−ヒドロキシメチル−オキサゾリジ
ン−2−オンの(4S,5S)(4S,5R)−異性体の98:2−混合物18
.68g(理論値の90.1%)。例34
(IV、V、VII、VIIIを経てIII→IX)
トルエン720ml中のフタロイル−L−フェニルアラニン118.1gの攪
拌懸濁液にジメチルホルムアミド0.4mlを添加し、30分以内に塩化オキザ
リル37.7mlを滴加した。気体発生終了後、1時間室温で後攪拌し、次いで
真空中で20分間濃縮した。引き続き1,2−エポキシブタン95mlを添加し
、20分間室温で攪拌した。活性炭上パラジウム(5%)18.8gを添加し、
4バールで水素過圧で水素吸収終了するまで水素添加した。触媒を濾別し、残分
をトルエン70mlで洗浄し、その際トルエン性溶液中の3−フェニル−2(S
)−フタルイミドプロパン
−1−アールが得られた。
この溶液に水100mlを加え、攪拌下で1時間以内に20〜25℃で水93
ml中のNaCN20.7gを滴加した。半濃縮HClの同時滴加によりpH値
を6〜7.2に保った。添加後、10時間室温で後攪拌し、相を分離し、その際
、水相をトルエン100mlで後抽出し、合したトルエン相を水100mlで洗
浄しpH3にした。相分離後、トルエン性溶液中の3−(1,3−ジオキソ−2
,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル)−2−ヒドロキシ−4−フ
ェニルブチロニトリルの(2S,3S):(2R,3S)−異性体の74.5:
25.5−混合物が得られた。
21%の水性HCl100mlの添加後、トルエンを共沸蒸留除去し、その際
、水性溜出物をたまり液中に戻した。トルエンの溜去後、更に21%の水性HC
l415mlを添加し、16時間還流下で保持した。そこで水性HCl463g
を蒸留除去し、たまり液を水165mlで希釈した。10℃に冷却後、固体を濾
別し、水各32mlで2回洗浄した。
水性濾液70%(284.4g)(3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニ
ル酪酸を含有する)をイソブチル−メチルケトン70mlで抽出し、引き続き水
性生成物相を水141mlで希釈した。20〜25℃でNaOH40%27ml
の添加後、<5℃に冷却し
、クロル蟻酸メチル35mlを滴加した。その間にNaOH40%57mlの並
行添加によってpH値を8〜9の範囲に保った。半時間の後反応後、溶液にNa
OH40%40.4mlを加えたが、その際、pH値13.3を保った。1時間
後、水性HCl37%61mlでpH値3.3に調整し、水相をイソブチル−メ
チルケトン70mlで抽出した。その後、60℃に加熱し、更にHCl37%4
2.6mlを添加した。0℃に冷却する際に、白色晶状沈殿が析出し、これを1
時間撹拌後0℃で濾過し、氷水100mlで2回洗浄した。
湿潤生成物をメチル−t−ブチルエーテル230ml中に懸濁させ、常圧で共
沸により脱水した。次いで0℃に冷却し、濾別し、メチル−t−ブチルエーテル
20mlで洗浄し、乾燥させた。収量:4−ベンジル−2−オキソ−オキサゾリ
ジン−5−カルボン酸27.72g(使用したフタロイル−L−フェニルアラニ
ンに対して、理論値の45%)。ジアステレオマー比=4S,5S:4S,5R=
96.3:3.7。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
// C07B 53/00 C07B 53/00 G
(72)発明者 カールハインツ ドラウツ
ドイツ連邦共和国 D−63579 フライゲ
リヒト ツール マリーエンルーエ 13
(72)発明者 ハンス ヒルペルト
スイス国 CH−4153 ライナッハ ファ
ーザネンシュトラーセ 12