JPH10504702A - 免疫原製剤 - Google Patents

免疫原製剤

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JPH10504702A
JPH10504702A JP8500539A JP50053996A JPH10504702A JP H10504702 A JPH10504702 A JP H10504702A JP 8500539 A JP8500539 A JP 8500539A JP 50053996 A JP50053996 A JP 50053996A JP H10504702 A JPH10504702 A JP H10504702A
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アラン ロバート マイケル タウンセンド,
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アイシス イノヴェイション リミテッド
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Abstract

(57)【要約】 ポリペプチドの一部または全部、または該ポリペプチドの一部または全部をコードするヌクレオチド配列のいずれかを含み、前記ポリペプチドが、遺伝子配列からの翻訳を、第1の読みとり枠から、突然変異の下流側の第2または第3のいずれかの読みとり枠にシフトさせる遺伝子配列における突然変異の結果生成される突然変異タンパク質と本質的に相同であり、前記ポリペプチドの一部または全部が、突然変異タンパク質に対する免疫反応を誘発することができる製剤が開示される。

Description

【発明の詳細な説明】 免疫原製剤 本発明は、免疫原製剤の調製に係る材料及び方法に関する。 悪性細胞内の抗原が、腫瘍特異的な細胞媒介性免疫を誘発するためのワクチン として使用されることが示唆されており(Pardoll,D.W.,Nature,369,357-35 8(1994))、研究は、細菌(Papadopoulos,S.B.,et al.,N.Engl.J.Med.,3 30,1185-1191(1994))、胎児、及び組織特異性の抗原(Pardoll,D.W.,1994, 上記)、及び点突然変異を含む種々の抗原源に集中している。 本願は、抗原がフレームシフト突然変異によって生じ、それが非反復(unique) タンパク質のセグメントを生じることを新たに教示する。フレームシフト突然変 異の配列中の非反復タンパク質の新たなセグメントから導かれる抗原は、腫瘍特 異的抗原またはフレームシフトに伴う他の疾患状態に特異的な抗原の、予め認識 されない源となる。 今日までの研究は、細胞内タンパク質のペプチドフラグメント、例えば、ウイ ルス性のタンパク質ペプチドが、MHCクラスI分子を伴って体細胞表面に表現 されることを示している。この機構は、抗原提示であると知られている。ウイル スまたはホストタンパク質は、シトゾル中のフリーなリボソームで製造されると 考えられている。これらのタンパク質は、タンパク質分解酵素によって断片化さ れ、このペプチドフラグメントは、シグナル非依存型機構(signal independent mechanism)によってホスト細胞のコンパートメント(おそらく小胞体)に輸送さ れ、MHCクラスI分子に結合する。この複合体は細胞表面に輸送され、細胞表 面でペプチドが循環している細胞毒性リンパ球に提示される。 この機構が、感染の初期での免疫系による細胞内ウイルス性抗原の検出を可能 にする。これは、移植後の無関係器官の拒否反応にも有効である。この機構は、 細胞内感染薬を扱うために発達してきたが、この機構は、免疫系を監視するため に、非感染細胞における細胞のタンパク質の頻繁な表現に対しても有効である。 上記に関する総説は、Townsend,A.,"Presentation of Viral Antigens to the Immune System" Les Cahiers de la Foundation Louis Jeantet de Medecine 1 992 No.7 を参照されたい。 ペプチドフラグメントを持つMHC分子の複合体のアセンブリにおいて、ウイ ルス性ペプチドが、MHC複合体のアセンブリと安定化を補助することが知られ ている(Townsend,A.,et al.,(1989)Nature,Vol 340,No.6233 pp443-448 Elvin,J.,et al.,(1993)J.Immunol Methods,158,p161-171)。 MHC分子のペプチドと複合体を形成する能力は、抗原から決定される免疫原 となりうる配列を同定するために利用されている。免疫原ペプチド配列は、予め 病原に感染した患者の細胞によって認識され、そこからペプチド配列が導かれる 。この試みは、MHCを持つHIV−1 gagからのペプチドの結合によって 実験された(Elvin,J.,et al,1993,上記)。 ある種の疾患状態(例えば癌)では、正常な(即ち、健常な)細胞が突然変異 する。細胞の通常のバージョン(version)は、対応する通常のタンパク質をコー ドする特別な遺伝子配列を含んでいる。しかし、突然変異は、通常の遺伝子配列 から1つまたはそれ以上の塩基が欠失、あるいは、通常の遺伝子配列に1つまた はそれ以上の塩基が付加される。その結果、読みとり枠(リーディングフレーム )のシフトが起こる。 通常は、これらの種類のフレームシフト現象は、端を切り取ったタンパク質を 導くが、これは、第2及び第3の読みとり枠が停止コドン配列を含むからである 。しかし、フレームシフト突然変異と最も近い下流側の停止コドンとの間では、 フレームシフト現象により、対応する通常のタンパク質の配列と異なるタンパク 質配列をもたらす。本願は、フレームシフト現象によって得られる突然変異タン パク質、及び/または、これらの突然変異タンパク質のポリペプチド/ペプチド フラグメントを教示するが、これらは、哺乳類の身体では通常表現されないので 抗原として作用する。 上述したように、細胞のタンパク質は頻繁にサンプリングされ、消化され、そ して、消化によって得られたペプチドフラグメントは、循環しているリンパ球に よる検査のために細胞表面にMHC分子との複合体として表現される。タンパク 質が個体にとって通常であれば、ポリペプチド/ペプチドフラグメントは個体の リンパ球によって個体に在来であると認識され、リンパ球に媒介された攻撃は生 じない。 しかし、本願は、突然変異タンパク質がフレームシフト突然変異の結果である 場合、突然変異タンパク質自体、及び少なくともそれから導かれるペプチド/ポ リペプチドフラグメントのいくつかは、その個体にとって新規なものであること を教示する。これらの新たなフラグメントが、循環しているリンパ球に対して、 MHCとの組合せでもって提示された場合は、それらは外来物と見なされ、リン パ球は、それらに対する免疫反応を媒介する。この反応は、外来組織移植片の拒 否反応に類似しているであろう。従って、本願は、翻訳が第2または第3の読み とり枠にシフトする遺伝子突然変異から生じた突然変異タンパク質、及び、その ような突然変異タンパク質から導かれるペプチド/ポリペプチドフラグメントは 、突然変異タンパク質に対する免疫反応を誘発する製剤の活性成分としての価値 があることを教示する。よって、新たなポリペプチド及びペプチドは、ワクチン 製剤における価値を有する。 多くの結腸癌は、フレームシフト遺伝子突然変異に関連していることがわかっ ている(Fearon,et al.,Cell,Vol.61.p759-767,(1990); Nishino,I.,et al.,Science,253,665-669,(1991); Miyoshi,Y.,et al.,Hum.Molec.Ge net.,1,229-233,(1992))。フレームシフト突然変異は、胃癌及び膵臓癌(Ho rii,A.,et al.,Cancer Res.,62,6696-6698,(1992)及び Horii,A.,et a l.,Cancer Res.,52,3232-3233,(1992))、及び、他の悪性腫瘍(Harris,C. C.,et al.,N.Engl.J.Med.,329,1318-1327,(1993))でも生じている。 特に、染色体5q21からの腺腫様結腸ポリポーシス(APC)遺伝子は、結 腸直腸の腫瘍形成に寄与することが示唆されている。APC遺伝子は、異常に大 きな(300kDa)タンパク質をコードすることが見出され、この遺伝子は配 列及び予想されるアミノ酸配列が開示されている(Kinzler,et al.,Science, Vol.253,p661,(1991))。 体細胞突然変異は、結腸直腸腫瘍の患者に起こるとされている(Miyoshi,et al.,1992,上記)。Miyoshi等は、43例の結腸癌の詳細な症例を提示している 。本願発明者は、これらの症例を分析した。約半数の突然変異は、変異した部位 の 遺伝子に、未成熟な停止コドンを形成している。この結果、APCタンパク質の 端を切り取ったバージョンは、今日まで、実質的に免疫学的興味を引かなかった 。しかし、突然変異の残りの半数(21)(小さな塩基の欠失または挿入)は、 フレームシフトをもたらし、停止コドンまでの突然変異の下流側の突然変異タン パク質配列の翻訳が達成される。これらの場合におけるフレームシフト突然変異 は、平均長さ16.1残基の、56アミノ酸までの新たな配列を生ずる。 16アミノ酸残基またはそれ以上の予想される新たな配列を持つ11の場合に ついて、下記の表1に列記した。新たな読みとり枠のいくつかは、共通のMHC クラスI分子に結合しているように見える配列領域を含んでいる(Falk,K./ et al.,Nature,351,290-294,(1991))。 Townsend,A.,et al.,Cell,62,285-295,1990,に記載されているように 、下線を施した配列は、HLA A2のアセンブリを安定化することが見出され 、太字で示した配列は、BALB/cマウスにおいてCTLに制限されたKdを 誘発する。 本願発明者らは、上記の表1に下線を施した配列が、インビトロでHLA A 2クラスI分子のアセンブリを誘発する能力を有することを確認した。 よって、本願は、任意のリボソームが停止コドンに達するまで、新たなペプチ ド/ポリペプチド配列が、実際にフレームシフト突然変異と停止コドンとの間で 翻訳されること、及び、この新たな配列及びそこからのポリペプチド及びペプチ ドが、疾患(例えば腫瘍)特異的抗原となり、細胞表面にMHCとの組合せで表 現されると外来物と見なされることを教示する。 これらの新たなポリペプチド及びペプチド配列が、フレームシフトを伴う疾患 に対して特異的な唯一の抗原であるとすると、これらの唯一の抗原の配列の一部 又は全部を含むペプチド/ポリペプチドは、疾患、例えば結腸癌に伴う突然変異 細胞タンパク質に対する免疫反応を誘発するための、個体の治療に用いることが できる。 従って、APC遺伝子の第2及び第3の読みとり枠の全ての翻訳生成物は、潜 在的に、治療及び予防ワクチンとなる可能性を有する。 よって、本発明は、タンパク質及びそのポリペプチド及びペプチドフラグメン トを提供するが、このタンパク質は、翻訳を遺伝子突然変異の下流側の第2また は第3の読みとり枠にシフトさせる疾患状態を伴う遺伝子突然変異の結果生成さ れた対応する突然変異タンパク質を本質的に有し、このタンパク質及びそのポリ ペプチド及びペプチド及び突然変異タンパク質は抗原である。 このような突然変異タンパク質は、染色体5q21の腺腫様結腸ポリポーシス (APC)遺伝子によってコードされてもよい。 突然変異タンパク質は、APC遺伝子のコドン1418及び1472の間にあ る第2の読みとり枠によってコードされてもよい。 突然変異タンパク質は、APC遺伝子のコドン1472及び1506の間にあ る第2の読みとり枠によってコードされてもよい。 ペプチドは、次の配列から選択されてもよい。 KYLKIKHLL QLKPSEKYL ILYYILPRK KVLQMDFLV また、本発明は、上述のタンパク質及びそのポリペプチド及びペプチドフラグ メント及び突然変異タンパク質をコードするヌクレオチド配列も提供する。 また、本発明は、伝達、発現、及びワクチンベクター等のベクターに導入した これらのヌクレオチド配列を提供する。ワクチンベクターは、ワクシニアウイル スに基づくものでも、あるいは他の有用なウィルス性ベクター及びTy粒子に基 づくものでもよい。 また、本発明は、これらのヌクレオチドまたはベクターを含む組み換えホスト 細胞も提供する。 また、本発明は、1つまたはそれ以上の抗原性を向上させる部位と組み合わせ た前記タンパク質及びポリペプチド及びペプチドフラグメントも提供する。 また、本発明は、(i)上述のタンパク質またはそのポリペプチド/ペプチド フラグメント、(ii)上述のヌクレオチド配列、(iii)上述のベクターの いずれかを含む製薬組成物も提供する。 特に、この製薬組成物は、上述のヌクレオチド配列を含むウイルス(ワクシニ アウイルス等)に基づくベクターを含む治療用ワクチンであってもよい。さもな くば、この製薬組成物は、上述のヌクレオチド配列を含むTy粒子に基づくベク ターを含む治療用ワクチンであってもよい。 これらのワクチンは、例えば、二次的な癌の進行を防止するような予防用であ ってもよい。 また本発明は、これらの製剤/ワクチンを用いた、フレームシフト突然変異を 伴う患者の疾患状態の治療方法も提供する。 また本発明は、上述の突然変異タンパク質及びそのポリペプチド及びペプチド フラグメントの同定方法も提供する。この方法は、以下の過程からなる。 (i) 翻訳を突然変異の下流側の第2または第3の読み取り枠にシフトさせ る少なくとも1つの遺伝子突然変異を伴う疾患に罹患した個体から導かれた組織 サンプルからDNAを抽出し、 (ii) 切片における突然変異の予想に基づいて増幅すべきDNA切片を選択 し、 (iii)選択したDNA切片を増幅し、 (iv) 増幅したDNAの一部または全部を配列し、第1の読み取り枠の対応 するヌクレオチド配列に比較してMHC分子と結合しやすいと思われる第2また は第3の読み取り枠のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を選択し、 (v) 過程(iv)で選択したヌクレオチド配列にコードされたポリペプチ ド/ペプチド配列の免疫原性を試験する。 あるいは、この方法は以下の過程からなってもよい。 (a) 翻訳を突然変異の下流側の第2または第3の読み取り枠にシフトさせる 少なくとも1つの遺伝子突然変異を伴う疾患に罹患した個体から導かれた組織サ ンプルからDNAを抽出し、 (b) 切片における突然変異の予想に基づいて増幅すべきDNA切片を選択し 、 (c) 選択したDNA切片を増幅し、 (d) 選択したDNA切片を含む発現ベクターを製造して、適当なホスト細胞 を形質転換して前記選択したDなを発現させ、 (e) 発現生成物の、前記個体から導かれたMHC分子の結合性及び安定性を 試験し、 (f) 前記MHC分子に結合し安定化した発現生成物の免疫原性を試験する。 これら2つの方法は組み合わせてもよい。即ち、前記の過程(iv)において 選択したMHC分子と結合やすいと思われる第2または第3の読み取り枠のアミ ノ酸配列をコードするヌクレオチド配列の一部または全部を、過程(c)の発現 ベクターに導入して発現させてもよい。発現生成物は、過程(e)及び(f)の ように試験される。 全てのタンパク質/ポリペプチド/ペプチドの治療的利用性は、標準的な方法 によって試験できる。同様に、そのような試験の結果、治療的利用性を有すると 考えられる全てのタンパク質/ポリペプチド/ペプチドは、製剤及びワクチンに 処方することができ、さらに、インビトロ及びインビボ(動物及びヒトでの研究 )で、この分野で従来から使用され周知の技術及び方法に従って試験することが できる。 上記に概観を述べたこの新しい思想は、以下に実施例を挙げて説明するが、こ では、第2及び第3の読み取り枠へのフレームシフトを生ずる突然変異の結果と して、APC遺伝子から導かれた突然変異ポリペプチド/ペプチドのみを挙げる が、本発明はこれに限定されるものではない。 添付した図面を参照する。 図1a:コドン1418から1472の間の第2の読み取り枠においてAPC 配列をコードするワクシニアで免疫化したBalb/cマウスからの細胞毒性T 細胞を、インビトロで5日間、ペプチド配列KYLKIKHLLで刺激した後に 得た。標的細胞は、予めHLA遺伝子H−2Dbを移入したL細胞(LDbと呼 ぶ)である。これらの細胞は、Cr51でラベルし、図中に示した処理にさらし た。次いで、これらを、エフェクター細胞毒性T細胞と図中に示した比率(E/ T比率)で混合した。殺傷の数を、Townsend,et al.,Cell,Vol.44,959-968 , 1986 に記載されたように、%特異的溶解として測定した。APCの第2の読 み取り枠コドン1418−1472をコードするワクシニアによる感染は、HL A分子Kdした(Kdvac)をコードするワクシニアウイルスでともに感染させ ただけの後に、T細胞によって殺傷された。 図1b:結腸癌細胞列を標的細胞として同様の実験を行った。この細胞列は、 LoVoと呼ばれる(Brodsky,et al.,Immunol.Rev.47,3-61,1979)。こ の細胞列は、ベータ−2ミクログロブリンの発現を欠くので、この細胞にHLA 分子を表現させるため、ベータ−2ミクログロブリンを発現するワクシニアウイ ルスを追加した(Yewdell,et al.,J.Immunol.,152,1163-1170,1994)。標 的細胞は、i)標的細胞がベータ−2ミクログロブリンワクシニア、及びKdワ クシニア及びAPCの第2の読み取り枠コドン1418−1472をコードする ワクシニアに感染するか、ii)ベータ−2ミクログロブリンワクシニア及びKd ワクシニアに感染し、次いでペプチドKYLKIKHLLにさらされたときに のみ、細胞毒性T細胞に認識されることに注意すべきである。 図2:配列QLKPSEKYL及びKVLQMDFLVによるHLA A2へ の結合の証拠。実験は、本文を参照して行った。レーン1は、ペプチドが無い場 合に検出されたA2のバックグラウンドレベルを示す。レーン2は、インフルエ ンザマトリクスタンパク質から導かれた周知の結合ペプチドを20μM添加した とき見られる増加である。レーン3−18は、APCの第2及び第3の読み取り 枠から導かれたタンパク質の組を20μMを添加した。配列QLKPSEKYL (レーン11)、及びKVLQMDFLV(レーン18)は、結合を示す検出さ れるA2のレベルが顕著に増加した。 図3:配列ILYYILPRKによるHLA A3への結合の証拠。実験は、 図2で記載したように行った。レーン1は、ペプチド無しでモノクローナル抗体 GAPA3によって検出されたA3のレベルを示す。レーン2及び3は、ペプチ ド配列ILYYILPRKを、50μM(レーン2)または5μM(レーン3) 添加した後の顕著な増加を示す。レーン4は、ポジティブな対照として、HIV nefに特異的な細胞毒性T細胞に制限されたヒトA3によって認識差れること が知られている周知のHLA A3結合ペプチドを含んでいる。レーン7及び8 では、図2においてHLA A2に結合させるために示した配列QLKPSEK YLが、HLA A3に結合しなかったことに注意すべきである。 図4は、ウェスタンブロットを示す。レーン1:直腸癌細胞列SW480から のポジティブな対照抽出物(Smith,et al.,PNAS,90,2846-2850,1993 に記 載)であって、組み換えワクシニアウィルスから導かれた突然変異APCタンパ ク質の組み換え体の予想されるサイズに近い約147kDの突然変異APCタン パク質を発現する。レーン2−4:全長の突然変異APC遺伝子(7131VA C)をコードする組み換えワクシニアウィルスの3つの異なるサブクローン(7 131c3 VAC、7131c2 VAC、7131c1 VAC)で感染し た(106細胞中20p.f.u、1.5時間、回収に4時間)LK細胞(5× 105細胞/レーン)からの抽出物。レーン5:組み換えワクシニアウィルス7 131VACによって行ったのと類似の突然変異を伴う患者から導かれたリンパ 芽球細胞からのポジティブな対照。 図5(a)(b)(c)及び(d)は、Cr51放出アッセイの結果を示す。 (a)及び(b)では、標的細胞は、マウスのKdクラスI分子をコードする遺 伝子で形質転換されたマウスの全てのL細胞(LKd細胞)である。LKd U nは、マウスの任意のAPC遺伝子を持つワクシニアウィルスで感染していない LKd細胞である。LKd M−53−QVACは、KYLKIKHLLエピト ープを含む53アミノ酸フラグメントをコードする組かワクシニアウィルスで感 染したLKd細胞である。7171/3 VACは、腫瘍7131からの全長突 然変異APCタンパク質をコードし、KYLKIKHLLエピトープを含む組み 換えワクシニアウィルスで感染したLKd細胞である。NP147−55は、ネ ガティブな対照としての、インフルエンザ核タンパク質からのアミノ酸147か ら155を発現するペプチドで処理したLKd細胞である。K−9−Lは、腫瘍 7131でフレームシフトしたAPCタンパク質配列に存在するペプチドKYL KIKHLLで処理したLKd細胞である。(a)において、細胞毒性T細胞は マウスのものであり、9残基ペプチドKYLKIKHLLによって生じた。(b )において、細胞毒性T細胞は、マウスのものであり、インフルエンザウィルス の配列NP147−155で生じた。(c)及び(d)では、(インフルエンザ ウィルスのKYLKIKHLL及びNP147−158に対する)2つの細胞毒 性Tリンパ球の組を、Kdではなく組織適合性分子Dbを移入したL細胞に対し て試験した。 第1部 APC遺伝子における変異は、コドン1250−1550間で優勢であること が研究(Myoshiら、上掲)により示された(しかしながら、多くの免疫学的に重要 なフレームシフトが、APC遺伝子の他の場所でも起こり、これらもここに記載 するようにして実験してもよい)。 コドン1250−1550の変異の優位性により、腫瘍サンプル由来のこれら のコドン間のAPC DNA配列のポリメラーゼチェーン反応(PCR)増幅に よって、変異を簡単にスクリーニングすることができる。 使用可能な免疫原性配列を同定するために行われる例示として、本出願人は、 (1)一つの塩基の欠失もしくは2つの塩基の挿入によって生じるコドン141 8−1472間の第2の読み取り枠、および(2)一つの塩基の欠失もしくは2 つの塩基の挿入によって生じるコドン1472−1506間の第2の読み取り枠 に読むフレームシフトを研究することを選択した。ここで用いた全ての番号付け は、Miyoshiら,1992、上掲に用いられたAPC配列の番号付けに従うものであ る。 DNAを、標準的な技術に基づいて、腫瘍サンプルから抽出した(例えば、Sa mbrook,Fritsth,Maniatis(1989)Cold Spring Harbour Laboratory Pressに 記載されている)。腫瘍抽出物に対し、コドン1418−1472およびコドン 1472−1506のヌクレオチド配列を、以下のオリゴヌクレオチドA、B、 CおよびDを用いて標準的な手順でPCRによって増幅した。 プライマーAとBは、コドン1418−1472間のヌクレオチド配列を増幅 するために用いられ、プライマーCとDは、コドン1472−1506間のヌク レオチド配列を増幅するために用いられた。PCRを、Stratagene P.F.U.を用 いて行った。以下の成分、すなわち(1)腫瘍由来の鋳型DNA(滴定されたも の);(2)4μMストック溶液の10μlのオリゴAおよびB、またはCおよ びD;(3)10μlの×10 Stratagene P.F.U.バッファー;(4)5mMス トック溶液の5μlGATC混合物;(5)終体積を100μlとする量のH2 Oを混合した。この混合物を5分間95℃で熱し、次いで80℃まで冷却した。 次に、5ユニットのStratagene P.F.U.を加えた。PCRは、92℃で5分間、 58℃で1分間、および72℃で1分間から構成されるサイクルを35サイクル 行った。 このオリゴヌクレオチドを、読み枠の開始位置のNcoI制限部位と読み枠の 終末のBglII制限部位内に含まれるATG開始コドンを具備するように設計し た。 増幅されたヌクレオチド配列をBglIIとNcoIで切断し、ワクシニア発現 ベクターPSC113OR.2にクローン化した。PSC113OR.2は、以 下に示すようにSmaI部位にオリゴヌクレオチドを挿入することにより、ベク ターpSC11(Chakrabarti,S.ら,Molec.Cell Biol.Vol.5,No.12,1985, p.3402)から誘導された。 SmaI部位に挿入されたオリゴヌクレオチドは、ATG開始部位の上流に、 クローン化された読み取り枠を発現させるコザック配列(a kozac sequence)を備 えている。 コドン1418−1472間およびコドン1472−1506間の増幅された ヌクレオチド配列を配列決定し、2位にY残基および9位にL残基をコードする ヌクレオチド配列に基づいて(Falkら,Nature,351,290-296,1991)、マウス KdクラスI分子に結合しそうな推定されるアミノ酸配列をコードすることを調 べた。マウスKdクラスI分子に結合しそうな推定されるポリペプチド配列をコ ードし、かつ、第2フレームの(正常型との比較から調べられる)ヌクレオチド 配列を、免疫原性についてさらに調べた。 第2読み取り枠の1418−1472の読み取り枠をコードし、マウスKdク ラスI分子に結合する配列を含むと推定されるヌクレオチド配列を、標準的な方 法(例えば、Townsendら,J.Exp.Med.,Vol.168,1211-1224,1988)でワクシ ニアウイルスTK遺伝子に挿入した。 挿入配列を有する107プラーク形成単位(p.f.u)の組み換えワクシニアウイ ルスで、マウスを静脈(i.v.)に免疫した。少なくとも10日後、脾臓細胞を除 去した。もし、ポリペプチドが適切な免疫原性を備え、そのためワクチンとして 使用可能であれば、特定のポリペプチドに特異的なレセプターを備えたT細胞集 団を誘発しうる。特異的なレセプターを備えたT細胞は、脾臓中に低濃度(10 000細胞中に約1つの細胞)で存在するので、この特異的なT細胞集団は、Ba stin,J.ら,J.Exp.Med.Vol.165,1508-1523,1987に記載された方法を用い て、9残基のペプチドKYLKIKHLL(残基1451−1459)にインビ トロでさらすことによって増大された。5−7日後、生育T細胞を、特異的な障 害性について標準的なCR51放出アッセイで試験し、IL−2含有媒体中で再度 刺激(restimulated)および生育させ(Bastinら,1987,上掲に記載)、後に試験 した。 Cr51放出アッセイでは、Cr51を放出する標的細胞は、例えば、適切な読み 取り枠をコードする組み換えワクシニアウイルスに感染したマウスL細胞(Town sendら,Cell,Vol.44,959-968,1986)か、同様に感染したヒト結腸癌から誘 導された細胞列かもしれない。標的細胞に適切なMHC分子を発現するには、こ のMHC分子をコードする遺伝子が移入されるか(Townsendら,1986,上掲)、 このMHC分子をコードする別のワクシニアウイルスに感染されるのかもしれな い(Yewdellら,J.Immunol.Vol.152,p.1163-1170,1994)。 図1に示されたように、この結果は、以下のことを示唆する。 1. 第2の読み取り枠の、マウスKdクラスI分子に結合すると予想される、 推定されたポリペプチド配列をコードするヒト結腸癌ヌクレオチド配列を含む組 み換えワクシニアウイルスで免疫されたマウスは、特にマウスMHCクラスIKd 分子も標的細胞に発現されている場合に、ポリペプチド配列に曝された(例え ば、ペプチドをコードする組み換えワクシニアウイルスの感染による)、標的細 胞を認識する細胞毒性T細胞を備えていた。 2. また、この細胞毒性T細胞は、完全開放読み取り枠(1418−1472 )をコードするワクシニアウイルスと、マウスMHC Kd分子をコードするワク シニアウイルスに共感染(coinfected)した両方のタイプの標的細胞も認識した。 これは、(a)コドン1418−1472間の第2の読み取り枠がBalb/c マ ウスに対して免疫原性があること、(b)エピトープ1451−1459がより 長いフラグメント1418−1472内から提示されうることを証明する。 これらの結果は、APC遺伝子等のある遺伝子の、第2および第3の読み取り 枠によってコードされたタンパク質およびそのポリペプチド/ペプチドフラグメ ントが、哺乳類に免疫原性を示しうるという出願人の教示を裏付けるものである 。 マウスAPCの配列はヒトAPC配列に密接に関連するが、この結果は、マウ スが、ヒトAPCの第2および第3の読み取り枠にコードされたタンパク質に免 疫学的に寛容ではないことも証明する。 第2部 第1部に記載されている実験は、挿入配列として第2読み取り枠の1418− 1472の読み取り枠(open reading frame)を備え、かつマウスKdクラスI分 子を結合する配列を含むと考えられる、組換えワクシニアウイルスを利用するも のであった。パート2の実験は、挿入配列として全長の変異APC遺伝子を有す る組換えワクシニアウイルスを利用するものである。始めの目的は、変異APC タンパク質の全長が、細胞内に予想されるように分解されて、フレームシフト変 異の下流のヌクレオチド配列にコードされたポリペプチドに由来する一群のペプ チドフラグメントを産生することを証明することであった。この証明には、変異 APCコード配列の全長を構成する必要があった。以下には、腫瘍7131の変 異配列を含むフラグメントをPCR増幅するために用いられるオリゴヌクレオチ ドEおよびFの配列が示されており、Psp14061制限部位を備えた増幅さ れたフラグメントの完全配列が示され、さらに、2つの挿入塩基が、コドン14 38に太字(AA)で示されている。重要な点は、APC遺伝子に独特な制限酵 素部位Psp14061を増幅配列中に含むことである。この部位は、サンブル ーク(Sambrook)ら、1989年、上掲、に記載された通常の技術を用いて、正常 遺伝子の正常な左側断片(5’フラグメント)と腫瘍サンプルから増幅された右 側変異フラグメント(3’フラグメント)とを連結(recombine)するために用い ることができる。完全な変異cDNAは、通常の工程で組み換えワクシニアを作 製するために、pSC65にサブクローニングすべくBamHIとXhoIで切 断 することができる。DNAは、標準的な技術(Sambrookら、1989年、上掲) に基づいて、腫瘍サンプル(7131と称する)から抽出した。腫瘍7131は 、APC遺伝子のコドン1438に2つの塩基対が挿入されている。エキソン1 5の内部から短い変異フラグメントを以下のようにしてクローン化した。このフ ラグメントを含むヌクレオチド配列を、腫瘍7131のPSP14061制限酵 素部位から変異読み枠A-53-Qの終末までの変異フラグメントを増幅し、かつ 完全な変異APC遺伝子と正常型のBamHI Psp14061断片とを再構 成するために、以下のオリゴヌクレオチドEとFとを用いた標準的な方法に基づ くPCRによって増幅した。 以下には、オリゴEおよびFを用いて増幅されたPsp14061部位に交差 する配列が示されている。この産物は955塩基対である。 PCRを、Stratagene P.F.U.を用いた最適な滴定で行った。以下の成分、す なわち(1)腫瘍由来の鋳型DNA(滴定されたもの);(2)4μMストック 溶液の10μlのオリゴEおよびF;(3)10μlの×10 Stratagene P.F. U.バッファー;(4)5mMストック溶液の5μlGATC混合物;(5)終体 積を100μlとする量のH2Oを混合した。この混合物を5分間95℃で熱し 、次いで80℃まで冷却した。次に、5ユニットのStratagene P.F.U.を加えた 。PCRは、92℃で5分間、58℃で1分間、および72℃で1分間から構成 されるサイクルを35サイクル行った。 増幅されたフラグメントを、正常型のAPC cDNAの全長と結合して、ワ クシニア発現ベクターPSC65(米国ワシントンのナショナル・インスティテ ュート・オブ・ヘルスのDr.Mossから与えられたもので、このベクターは、使用 可能なベクターであるPSC1130R.2と類似している)にクローニングし 、パート1に記載されているように配列決定した。変異APC cDNAの全長 をコードする組み換えワクシニアを、パート1に記載されているように調製した 。 L細胞を、組み換えワクシニア(サブクローン7131c3 VAC、713 1c2 VACおよび7131c1 VAC)で感染させ(106細胞中に20p.f .u;1.5時間;発現に4時間)、発現されたタンパク質の大きさを、Smithら ,PNAS 90,2846-2850(1995)によって記載されているようにタンパク質の未変性 N末端領域と反応するFE9抗体(Oncogene Science Inc.,106 Charles Lindb ergh Blvd,Uniondale,NY 11553-3649,USA)を用いたウエスタンブロット解析 (5×105細胞/レーン)で決定した。 組み換えワクシニアは、予定された大きさの変異APCタンパク質を発現する ことが証明され、そのブロットは図4に示されている。レーン1は、組み換えワ クシニアから誘導される変異APCタンパク質(約165kD)の予想される大 きさの組み換え形態と大きさの点で近接した、約147kDの変異APCタンパ ク質を発現する結腸癌細胞列SW480(Smithら,PNAS 1993、上掲に記載)の ポジティブ対照抽出物である。レーン2−4は、ワクシニアの3つの異なるサブ クローン(7131c3 VAC、7131c2 VACおよび7131c1 V AC)に感染したL細胞からの抽出物である。主なバンドは、SW480バンド の わずか上まで展開され、組み換えワクシニアに保有されている変異と類似した変 異を有する患者のリンパ芽球細胞列から誘導された別のポジティブ対照であるS M501からのレーン5におけるバンドに大きさの点で近接していることがわか る。 この結果は、組み換えワクシニアが変異APC遺伝子の全長を保有すること、 および予想された大きさの変異APCポリペプチドを発現しうることを確認する ものである。また、レーン2−4は、147kDより小さい分子量(mws)を 備え、かつFE9抗体と反応する一群のタンパク質を示すバンドも示している。 これらは、おそらくL細胞における変異APC遺伝子の全長の分解から生じたも のであろう。 変異形態のAPCタンパク質の全長の分解、および細胞毒性Tリンパ球に認識 されるための前記フラグメントの提示を調査するために行った。 図5(a)に示されているように、細胞毒性Tリンパ球は、第1部で同定され た9残基ペプチドKYLKIKHLL(1451−1459残基)を挿入物とし て備えた組み換えワクシニアウイルスを用いて、上述のように免疫したBalb /cマウスにおいて生じた。9残基ペプチドKYLKIKHLLは、最も共通性 のあるフレームシフト抗原(腫瘍7131に存在)から誘導され、KdクラスI 分子と組み合わせてマウス細胞毒性Tリンパ球に認識される。これらの細胞毒性 Tリンパ球を、(i)マウスKdクラスI分子をコードする遺伝子で形質転換され ているが、いずれの変異APC遺伝子を保有するワクシニアウイルスにも感染し ていないマウスL細胞であるLKd Un;(ii)マウスKdクラスI分子をコー ドする遺伝子、および、ポジティブ対照としてKYLKIKHLLエピトープを 含む53アミノ酸のフリンジメント(fringement)をコードする組み換えワクシニ アウイルスで形質転換されたマウスL細胞であるLKd M-53-QVAC;(i ii)マウスKdクラスI分子をコードする遺伝子、および、腫瘍7131の変異 APCタンパク質の全長をコードし、かつKYLKIKHLLエピトープを含む 組み換えワクシニアウイルスで形質転換されたマウスL細胞である7131/3 VAC;(iv)マウスKdクラスI分子をコードする遺伝子で形質転換され、か つ、ネガティブ対照としてインフルエンザ核タンパク質のアミノ酸147−15 5を提示 するペプチドで処理されたマウスL細胞であるNP147−155;および(v )マウスKdクラスI分子をコードする遺伝子で形質転換され、かつ、腫瘍71 31のフレームシフトしたAPCタンパク質配列に存在するペプチドKYLKI KHLLで処理したマウスL細胞であるK-9-Lを、標的細胞として用いた標準 的なCR51放出アッセイ(CR51release array)で試験した。 この図は、腫瘍7131の変異APC遺伝子の全長をコードする組み換えワク シニアウイルスに感染した細胞が、9残基のペプチドKYLKIKHLLに特異 的な細胞毒性Tリンパ球によって認識されたことをことを示している。 図5(b)では、同じ組の標的細胞を、インフルエンザウイルスの配列NP1 47−155で免疫されたBalb/cマウスに生じた細胞毒性Tリンパ球を用 いて試験した。腫瘍7131の変異APC遺伝子の全長をコードする組み換えワ クシニアウイルスに感染した細胞は、APCフレームシフト抗原に特異的な細胞 毒性Tリンパ球によってのみ認識され、マウスKdクラスI分子と結合した別の 抗原を認識する別の細胞毒性Tリンパ球によっては認識されないことを示してい る。 図5(c)および図5(d)では、二組の細胞毒性Tリンパ球((c)ではK YLKIKHLL、(d)ではインフルエンザウイルスのNP−147−155 に対する)を、Kdに代えて組織適合分子Dbを移入したL細胞に対して試験し た。結果は、細胞毒性Tリンパ球が、正しい組織適合分子が存在する場合にのみ その抗原を認識することを示している。 結果として、図5(a)、(b)、(c)、(d)に与えられた上記結果を示 した実験は、自然に生じる腫瘍(Townsendら Nature 371,662(1994))に見出さ れる最も共通性の高いクラスの変異を示す腫瘍7131に見出された変異形態の APCタンパク質の全長が、細胞の内部で分解され、細胞表面で細胞毒性Tリン パ球によって認識される形態にフレームシフト配列内からペプチドエピトープK YLKIKHLLを生じることを証明した。 第3部 ワクチンの調製と関連して、免疫原性を備えたAPC読み取り枠内の特定のエ ピトープを同定することは有益であり、そのエピトープは、ワクチンの調製にお いて、単独あるいは別の配列と組み合わせて使用することができる。Falkら(Na ture 361,290-296,1991)は、ある同じ特徴(例えば、2位のYおよび9位の L)を備えたペプチドは、その特定の特徴を持たない配列よりも高い確率で特定 のMHC分子に結合することを立証した。本出願人等は、Falkらによって定義さ れた配列が、ヒトMHCクラスI分子と低い親和性で結合するのか、あるいは高 い親和性で結合するのかを証明した(Elvin,J.ら,1993,上掲)。ペプチドが 高い親和性で結合しているのか、あるいは低い親和性で結合しているのかを調べ るために、ペプチドが結合時のMHC分子の構造を安定化するという観察に基づ いて、MHC分子の結合のアッセイを開発した(Townsend,Al.ら,Nature Vol. 340,No.6233 p443 1989)。このアッセイは、例えばマラリアのエピトープを 定義付けるために用いられた(Hillら,Nature Vol.360,434,1992)。 本出願人等は、このアッセイを、フレームシフトから得られたAPC遺伝子の 新規の読み取り枠に適用して、共通のヒトMHC分子A2およびA3を結合する いくつかのペプチドを同定した。図2および図3は、A2分子を結合する配列Q LKPSEKYL(コドン1445−1453、第2読み取り枠)、およびA3 分子を結合する配列KVLQMDFLV(第2読み取り枠内のコドン1494− 1502)、ILYYILPRK(コドン1486−1495、第2読み取り枠 )の証拠を提供する。さらに、Balb/cマウスに免疫原性を有するコドン1 418−1472間の第2読み取り枠配列も、結腸癌が特に流行している日本で 最も一般的な対立遺伝子であるMHC A24分子を結合するのに適した配列モ チーフ(2位のYおよび9位のL)を含んでいる。 最後に、フレームシフトによる新しい読み取り枠から誘導された特定の配列が 、ヒトにおいて免疫原性を示すことを確かめるために、被験者を、APC等の遺 伝子の第2および第3の読み取り枠にコードされるペプチドを含むかあるいはイ ンビトロで発現することが可能なプロトタイプワクチンで免疫してもよい。 効率的にCTLを刺激するヒトに使用するためのワクチンの調製に関して、本 出願人は、標準的な手順および方法論に基づいて、組み換えワクシニアウイルス または他の同等のウイルス性ベクター、組み換えTy粒子、およびCTLを刺激 するために必要とされる種々のアジュバントを含む調製物の有益性を調べるつも りである。このような試みは、 (a)ワクチンの免疫原性を確認し;かつ (b)新規のエピトープを同定する という目的のためである。 患者におけるさらなる研究は、以下の2種類である: (a)T細胞浸潤が監視できる第二の堆積物を持つ腫瘍中で良く決定されたエ ピトープを用いたヒトへのワクチン投与;および (b)フレームシフトタンパク質を利用したフレームシフトの患者へのワクチ ン投与。 この種の試みは、ダブルブラインド(double-blinded)で行われ、かつ将来性が あり、このワクチンは、存在する一次的な腫瘍の外科的処置の後に、アジュバン ト治療として投与される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12N 7/00 C12N 7/00 // C12N 15/09 ZNA 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT, UA,UG,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ポリペプチドの一部または全部、または該ポリペプチドの一部または全部を コードするヌクレオチド配列のいずれかを含み、前記ポリペプチドが、遺伝子配 列からの翻訳を、第1の読みとり枠から、突然変異の下流側の第2または第3の いずれかの読みとり枠にシフトさせる遺伝子配列における突然変異の結果生成さ れる突然変異タンパク質と本質的に相同であり、前記ポリペプチドの一部または 全部が、突然変異タンパク質に対する免疫反応を誘発することができる製剤。 2.前記遺伝子配列の突然変異が、癌(cancer)を伴う請求項1記載の製剤。 3.前記癌が、癌腫(carcinoma)である請求項2記載の製剤。 4.前記癌腫が、胃腸の癌腫である請求項3記載の製剤。 5.前記遺伝子配列が、染色体Sq21の腺腫様結腸ポリポーシス(APC)遺 伝子の遺伝子配列である請求項1から4のいずれかに記載の製剤。 6.突然変異が、APC遺伝子のコドン1418から1472の間である請求項 5記載の製剤。 7.突然変異が、APC遺伝子のコドン1472から1506の間である請求項 5記載の製剤。 8.KYLKIKHLL、 QLKPSEKYL、 ILYYILPRK、 KVLQMDFLV、 から選択されるペプチド配列、または、これらをコードするヌクレオチド配列を 含む請求項5記載の製剤。 9.ワクチンとして調製された請求項1から8のいずれかに記載の製剤。 10.前記ワクチンが、アジュバントを含む請求項9記載の製剤。 11.前記ワクチンが、ウィルス性ベクターを含む請求項9または10記載の製 剤。 12.前記ウィルス性ベクターが、痘ウィルスに基づくものである請求項11記 載の製剤。 13.前記痘ウィルスが、ワクシニアウィルスである請求項12記載の製剤。 14.前記ワクチンが、組み換えTy粒子を含む請求項9または10記載の製剤 。 15.前記ワクチンが、治療的ワクチンである請求項9から14のいずれかに記 載の製剤。 16.前記ワクチンが、予防的ワクチンである請求項9から14のいずれかに記 載の製剤。 17.前記免疫反応が、細胞媒介性である請求項1から16のいずれかに記載の 製剤。 18.請求項1で定義したポリペプチドの一部または全部をコードするヌクレオ チド配列。 19.請求項18記載のヌクレオチド配列を含む伝達、発現、またはワクチンベ クター。 20.請求項19記載のベクターを含むホスト細胞。 21.遺伝子配列からの翻訳を、第1の読みとり枠から、突然変異の下流側の第 2または第3のいずれかの読みとり枠にシフトさせる遺伝子配列における突然変 異の結果生成される突然変異タンパク質と本質的に相同であるポリペプチドであ って、該ポリペプチドの一部または全部が、突然変異タンパク質に対する免疫反 応を誘発することができるポリペプチドの一部または全部、または該ポリペプチ ドの一部または全部をコードするヌクレオチド配列の、フレームシフト突然変異 を伴う哺乳類患者の疾患状態を治療または予防する医薬の調製における使用。 22.請求項1から17のいずれかに記載の製剤を投与することからなる突然変 異タンパク質に対する免疫反応を誘発する方法。
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