JPH10504289A - ヒト血清アルブミンの分離 - Google Patents

ヒト血清アルブミンの分離

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JPH10504289A JP8504861A JP50486196A JPH10504289A JP H10504289 A JPH10504289 A JP H10504289A JP 8504861 A JP8504861 A JP 8504861A JP 50486196 A JP50486196 A JP 50486196A JP H10504289 A JPH10504289 A JP H10504289A
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ニューエンス,ヤン,エイチ.
コーヴェン,エミール,ジェイ.,ジェイ.,エム. ファン
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    • C07K14/76Albumins
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Abstract

(57)【要約】 トランスジェニックウシ動物からのミルクは、ヒト血清アルブミン(hSA)および内因性のウシ血清アルブミン(bSA)を含む。hSAは、界面活性剤の存在中でのアフィニティクロマトグラフィー(アフィニティリガンドはトリアジン染料分子)を含む分離方法によって、少なくとも98%純度に精製される。SDS−PAGEおよびラジオイムノアッセイにより決定されるような、本質的に純粋な組み換えhSAを提供するために、アフィニティクロマトグラフィー段階が、プロトコールに挿入され得る。

Description

【発明の詳細な説明】 ヒト血清アルブミンの分離 本発明は、ヒト血清アルブミン(hSA)の分離(精製)に関し、トランスジ ェニック動物のミルクからhSAを分離することに適用され得る。 分子生物学の分野における最近の進歩は、トランスジェニック動物、すなわち 、ヒトが介入して誘導された動物の生殖細胞系および体細胞に外因性DNAを含 む動物を産出させている。異なる細胞タイプにおいてこれらの異種遺伝子(forei gn gene)の調節における差は、異種遺伝子によりエンコードされた蛋白質の分離 に楽なように、選ばれた組織の遺伝子産物の所望の活性のために、または他の理 由のために、予め選ばれた組織において異種遺伝子の差別的発現を促進すること を可能にする。 トランスジェニック動物および差別的遺伝子発現の利点は、重要な蛋白質を大 量に生産することである。そのような蛋白質は、トランスジェニック動物に対し て典型的には外因性であり、薬、栄養等を含み得る。しかしながら、外因性蛋白 質は好ましくは、それらが自然に発現されるところのものに類似の組織に発現さ れる。例えば、外因性ミルク蛋白質は好ましくは、トランスジェニック動物のミ ルク形成細胞に発現される。その結果、しばしば非常に類似の物理化学的特性を 有するその内因性の対応物と同じ組織ま たは体液に、その外因性の蛋白質が存在するので、困難な全く新たな分離の問題 が存在する。 DNAの特定の調節片の使用は、乳腺のような予め選択された組織において異 種のDNAの発現を誘発することを可能にする。ヒト蛋白質は、他の脊椎動物、 例えばマウス[Gordonら,Biotechnology 5(1987年):1183-1187;Pittius ら、P roc Natl.Acad.Sci.USA 85(1988年):5874-5878;Archibald ら,Proc.Nat l.Acad.Sci.USA 87(1990 年):5178-5182;Simonsら,Nature 328(1987年 ):530-532;Meade ら,BioTechnology 8(1990 年):443-446]、ヒツジ[Simo nsら,BioTechnology 6(1988 年):179-183;Clark ら,BioTechnology 7(198 9 年):487-492]、ウサギ[Buhlerら,BioTechnology 8(1990 年):140-143] 、ブタ[Bremら、Zuchthygiene 20(1985 年):251-252;Wallら、Proc.Natl. Acad.Sci.USA 88(1991 年):1696-1700]および雌牛[Krimpenfort ら、BioT echnology 9(1991 年):844-847]のミルクにおいて生産され得る。低い費用で、 1リットル当たり約35グラムの蛋白質を含む[Swaisgood,Developments in Dai ry Chemistry-1,Ed.Fox,Elsevier AppliedScience Publisher,ロンドン(19 82年):1-59]大量(>10,000リットル/年)のミルクを産生するので、トラン スジェニック雌牛が特に興味深い。 ヒト血清アルブミン(hSA)は、585個のアミノ酸からなる[Minghetti ら、J.Biol.Chem.261(1986年):6747-6757]、約68000 ドルトンの分子量を 有する蛋白質 である。それは、最も豊富なヒト血漿蛋白質である。hSAの主な機能の1つは 、血液浸透性調節である。他の血液蛋白質と比較して、hSAは、全血液浸透性 の約80%の責任を負う。hSAの第2の機能は、脂肪酸、ビリルビンおよび血 液中に存在する他の蛋白質を、脊椎動物における脂肪組織および他の組織および 器官の間で運ぶことである。hSAは、血液欠乏またはショック状態の患者に血 液量を復帰させるために使用され得る。 大量のhSAが、患者の処置において必要とされる。限られた量のヒト血液し か入手できないので、ヒト血液の他にhSAの他の供給源を持つことが有用であ る。ヒト血液はまた、肝炎のようなウィルスで汚染されていることがあり得る。 乳分泌細胞(mammary secreting cell)における発現の標的にされたヒト血清ア ルブミン(hSA)をエンコードするトランスジーンを含むトランスジェニック ウシ動物の産生が、PCT公開WO 91/08216 に記載されている。しかし、ヒト血 清アルブミンの精製は、ウシのミルク中に存在することが知られており、かつヒ ト血清アルブミンに類似の物理化学的特性を有するところの内因性ウシ血清アル ブミン(bSA)の存在により複雑化される。hSAは、高度に精製されたhS Aを必要とする潜在的薬剤用途を有するので、トランスジェニックミルクからh SAを精製する方法を開発することが肝要である。 bSAは、肝臓で産生される蛋白質であり、血液からミ ルクへと、乳腺の上皮を経て漏れ出る。乳房での細菌感染のために、雌牛は(無 症状の)乳腺炎にかかり得る。これは、増加した体細胞数および、ミルク中に存 在するbSAの増加したレベルに関連する[Smith ら、J.Dairy Res.46(1979 年):547-550;Fox ら、J.Dairy Sci.64(1981年):2258-2261;Honkanen-Buz alski ら、J.Dairy Res.48(1981年):213-223;Poutrel ら、J.Dairy Sci. 66(1983年):535-541;McFaddenら、J.Dairy Sci.71(1988年):826-834]。 血清から血清アルブミンを精製することについて、多くのプロトコールが報告 されている。 すなわち、東ドイツ国特許出願DD 213 222は、シバクロン ブルー(Cibacron Blue)F3G−Aを用いて、ヒト血清からのヒト血清アルブミンの分離を報告し ている。アルブミンは、染料‐セルロース カラムにpH5〜9で吸着され、1 〜2M NaClまたは0.2 〜1M KSCNのいずれかを用いて脱着された。 東ドイツ国特許出願DD 225 996は、シバクロン ブルー カラムでのイオン交換 クロマトグラフィーによる、血清から血清アルブミンの分離を報告している。ア ルブミンは3.5MのNaClで溶離された。 日本国特開昭63-179255 号公報では、シバクロン ブルー‐樹脂ポリマー カ ラムに、ラジオイムノアッセイのためにヒト血清アルブミンを結合することが報 告された。カラムはhSA含有試料と接触され、還元剤が加えれらた。 カラムは洗浄され、そして125Iで標識された、hSAに対する抗体と接触され た。日本国特開平2-203933号公報では、染料を含有するアフィニティ吸着剤を製 造する方法を報告しており、ウシ血清アルブミンは、シバクロン ブルー‐セル ロース カラムに結合された。 科学文献はまた、染料コンジュゲート(conjugate)を用いて血漿からhSAを 分離することについてのプロトコールを報告する。Travisら、Biochemical Jour nal ,157 (2)(1976 年)301-306 は、ヒト血漿から血清アルブミンを分離するため に、シバクロン ブルー‐セファロース カラムの使用を報告している。血清ア ルブミンは、pH8.0で、0.2M NaSCNを用いての脱着によって回収 される。Kelleherら、Journal of Chromatography ,173(1979年)415-418は、 血漿から、マウス、ラット、ウシおよびヒトアルブミンを分離するために、シバ クロン ブルー‐アガロース カラムの使用を報告している。Leatherbarrow an d Dean,Biochemical Journal,189(1980 年)27-34は、ウサギ、ウマ、ヒツジ 、ウシまたはヒトの血漿からのアルブミンの、シバクロン ブルー‐セファロー スへの結合の機構について研究した。蛋白質は、pH8.0で、0.5M Na SCNを用いてコンジュゲートから溶離された。 Metcalf ら、Biochemical Journal,199(1981 年)465-472は、アルブミンと 、固定化されたシバクロン ブルーとの相互作用を研究した。ラット、ウサギ、 ヒツジ、ヤギ、 ウシおよびヒトの血清アルブミンが、凍結乾燥した粉末として得られ、または1 つのヒト試料の場合にはヒト血漿から分離された。Miribel ら、Journal of Bio chemical and Biophysical Methods16(1988年)1-16は、ヒト血漿蛋白質の精 製のための染料‐リガンド アフィニティ クロマトグラフィーの使用について 短い総説を提示する。 本発明より前には、hSAの精製は、困難な多段階工程を必要とした。最近の 分離法は、血漿または血清からhSAを分離するのに有用であるが、より多くの 体積から、または他の供給源、特にトランスジェニックミルクまたはミルクホエ イからの蛋白質の分離(ここでは、とりわけ、類似の内因性蛋白質から外因性蛋 白質を分離する上で、独特の分離の問題が生じる)には容易に適合されない。( 供給源としてトランスジェニックミルクを用いることにより引き起こされる複雑 化を無視しての)通常のヒトミルクからのhSAの精製は、全乳から脂肪および /またはカゼインを除去することによる、加工ミルクまたはミルクホエイの調製 、次いでマルチカラムクロマトグラフィーによる精製工程を行って他の蛋白質を 除去しhSAを分離することを必要とする。 クロマトグラフィー技術が、最近では、ミルクから血清アルブミンを精製する のに好ましい。この取組みは、報告されたところでは、エタノール分別法[Curl ing,(1980年)、"Methods of Plasma Protein Fractionation",Curling Ed., Academic Press ロンドン、英国;Curling ら、J. Parenteral Sci .Technol36,(1982 年)59;Berglof ら、およびNartinache ら、(1982 年)Joint Meeting IHS-IBST,ブダペスト]に比べて、より良い回 収率およびより高いアルブミン純度、ならびにアルブミンポリマーのより低い含 量を生じる。hSAの特異的な輸送の役割、ならびに血管内浸透圧を維持する上 でのその主な役割がまた、クロマトグラフィー精製すると、より良く保存され得 る[Steinbruch(1982年)、Joint Meeting ISH-ISBT,ブダペスト]。 血漿からhSAの精製についてのプロトコールが、以前に報告されていた。特 に、アガロースまたはセファロースのビーズに結合させた、ポリスルホン化した 染料、例えばシバクロン ブルーが見込みがあるように思われる。というのは、 それらは種々の程度で血清アルブミンに結合することが知られているからである [Travisら、Biochem.J.157(1986 年):301-306;Kelleherら、J.Chromat. 173(1979 年):415-418;Leatherbarrow ら、Biochem.J.189(1980 年):27-34 ;Metcalf ら、Biochem.J.199(1981 年):465-472;Gianazzaら、Biochem.J .201(1982 年):129-136;Chiggeriら、Clin.Chim.Acta 145(1985年):205 -211]。他のアルブミンと比べて、hSAはシバクロン ブルーと非常に強く相 互作用する[Kelleherら、J.Chromat.173(1979 年):415-418;Leatherbarro w ら、Biochem.J.189(1980 年):27-34;Metcalf ら、Biochem.J.199(198 1 年):465-472]。 本発明は、分離技術の新規な組合せと共に、他の種の血清アルブミンよりも、 あるトリアジン染料分子に対してhSAのより大きい親和性を利用することによ って、高度に精製されたヒト血清アルブミンを得ることが可能であるという発見 に基づく。結果として、hSAは、例えばトランスジェニック動物のミルクから 現在得ることができ、かつ薬剤、栄養補足剤等に使用できる。 したがって、本発明は、ヒト血清アルブミン(hSA)を、非ヒト種に対して 内因性の血清アルブミンおよび、非ヒト種のミルクホエイ中に通常見出される少 なくとも1種の他の蛋白質をまた含むところの、該hSAの供給源から分離する 方法であって、 (a) 該供給源を、界面活性剤の存在中で、該内因性血清アルブミンより強くhS Aを結合するリガンドと接触させ、それによってhSA‐リガンド複合体を製造 すること; (b) 該hSA‐リガンド複合体を分離すること;および (c) 該分離したhSA‐リガンド複合体から、hSAを遊離させること を含む方法を提供する。 非ヒト種は、例えばウシであり得る。 別の面において、本発明は、非ヒト種アルブミンおよび、該非ヒト種のミルク ホエイ中に通常見出される少なくとも1種の他の蛋白質をまた含むところの、そ の供給源からhSAを分離する際に、界面活性剤ならびに、hSAと、非ヒト種 からの血清アルブミン例えばウシ血清アルブミン (bSA)との間に、差別的結合特性を示すリガンドを使用することを提供する 。 本発明によれば、雌牛のミルクからhSAを精製するための、1つの可能なプ ロトコールは次のようである。まず、ミルクの皮膜を除き(skimmed)、次いで酸 沈殿させてカゼインを除去する。所望ならば、陽イオンビーズ(例えばFAST −S)をホエイ画分に加えて、ラクトフェリン、ラクトペルオキシダーゼ、免疫 グロブリンおよび他の微量の陽イオン性蛋白質を除去することができる。得られ るホエイを次に、シバクロン ブルー‐セファロース カラムに入れる。残るb SAの結合を、例えば0.05%Tween−20および1%エタノールによっ て、hSAの大きな損失なしに、防ぐことができる。hSAの完全な溶離は、2 .5M KCl、10%エタノール、0.05%tween−20、pH8.0 の存在中で得ることができる。この蛋白質は、SDS−PAGEおよびラジオイ ムノアッセイによれば、本質的に純粋である。 別法において、hSAおよびbSAを含むホエイ画分または他の供給源は、該 リガンドに直接適用でき、カプリレートまたは他の短鎖(例えば炭素原子12未 満の)脂肪酸での、または官能性が同等のもの例えばサリチレートでの溶離を用 いて、hSAがそこから差別的に除去され得る。 このように、例えばhSAおよびbSAを含む物質は、緩衝液中で、ブルー セファロースと直接接触されて、bSAの結合を防ぎ(例えば低い塩濃度、pH 8.0、 約0.05%Tween−20)、ブルー セファロースに結合したhSAをカ プリレートで溶離することができる。結合したままの物質、例えばbLF、ラク トペルオキシダーゼは、その後高い塩濃度(例えば2.5M NaClまたはK Cl)で溶離され得る。 より一般的な語において、本発明の好ましい実施態様においては、hSAは、 哺乳類のミルクへのhSAの分泌を標的にするDNAを含むトランスジェニック 哺乳類のミルクから精製される。そのような哺乳類は好ましくは、ウシである。 hSAが薬剤的に使用されることを意図されるときは、最も高い可能な純度、す なわち好ましくは約98%を超える純度、より好ましくは99%を超える純度を もたらす方法が必要とされる。本発明は、そのような要求に合うことを意図する 。 ここで使用しているとき、「ヒト血清アルブミン」または「hSA」は、Ming hetti ら、上記;Lawnら、(1981 年) Nucl .Acids Res., 9,6103に記載され たのと実質的に同じアミノ酸シーケンスを有し、かつhSA機能を示すポリペプ チドを意味する。したがって、1またはそれ以上のアミノ酸残基が置換され、挿 入され、または除去されている、またはその順序が変えられているが、該機能は 保持されているところのシーケンス変更物が包含される。 そのミルク中にhSAを発現するように処理された動物からのトランスジェニ ックミルクは、まず前処理して脂肪を除去してスキムミルクを生成し、または脂 肪およびカゼ インを除去してホエイを生成する。ウシミルクは大量の脂肪を含み、これは好ま しくは、まずカゼインと共にミルクから除去されてホエイ画分を生成する。ミル クから脂肪の除去については、種々の方法が当業者に公知である。特に、例えば 濾過または遠心分離により、または伝統的な乳業の実践に従い、冷蔵後に創り出 される脂肪の上部層を除去することによって、脂肪をミルクから除去して「スキ ムミルク」を生成することができる。 スキムミルクまたは低脂肪ミルクは次に、好ましくは処理されてカゼインを除 去される。ミルクからカゼインの除去については、種々の方法が当業者に公知で ある。そのような方法のうちの2つは、遠心分離と組合せた酸沈殿およびキモシ ンを用いた蛋白質分解である。ミルクからカゼインの除去は、好ましくは酸沈殿 により行ってホエイを生成する。 カゼインが除去された後、種々の他の蛋白質がなお、ホエイまたはホエイ画分 中に存在する。ラクトフェリンは、1つのそのようなミルク蛋白質であり、いく つかの実施態様においては、ホエイまたはホエイ画分からhSAを分離するため の次の段階が、とりわけラクトフェリンの除去である。しかしながら、本発明に よれば(すでに述べたように)、最後の溶離にカプリレートを使用するなら、そ のような分離なしに進行することがまた可能である。 ラクトフェリンならびに他の陽イオン性ホエイ蛋白質例えば免疫グロブリン、 ラクトペルオキシダーゼおよびリゾ チームは、ホエイを強カチオン交換樹脂と接触させることによりホエイから除去 することができる。「強カチオン交換樹脂」は、広いpH範囲にわたって完全に イオン化される、負に帯電した基を有するクロマトグラフィー樹脂として定義さ れる。これらの基は、増加されたイオン強度で対イオンに交換され得るところの 正に帯電した分子(または分子の部分)に結合することができる。種々のそのよ うな樹脂が当分野で知られており、例えばセファロースBに付けられたサルフェ ートまたはサルファイト結合基を有するものを包含する。適当な強カチオン交換 樹脂は、MONO S(商標)またはFAST S(商標)(ファルマシア(Pha rmacia))である。 カチオン交換樹脂はホエイ中に懸濁させることができ、またはカラムまたはベ ッドの形状で、または何か他の所望の形状で使用することができる。樹脂で処理 した後に残留する画分は、陽イオン性蛋白質を含まないホエイとして集められる 。ホエイは、交換樹脂と接触され、続いて陽イオン交換樹脂を、陽イオン性蛋白 質を含まないホエイから、例えば遠心分離または重力濾過により、分離すること ができる。 大部分のミルク蛋白質をホエイから除去してしまうと、残留する蛋白質は実質 的に、α‐ラクトアルブミン、β‐ラクトグロブリン(AおよびB)および、血 清アルブミン、hSAおよびbSAである。この段階で、hSAは、適当なリガ ンド、例えば担体に結合した染料と接触させること により分離することができる。有用な染料分子は、トリアジン染料、例えばシバ クロン ブルー、プロシオン レッド(procion Red)、グリーン フラクトゲル( Green Fractogel)、ラムゾル イエロー(Ramzol Yellow)およびプロシオン タ ーコイズ(Procion Turquoise)である。内因性bSAからhSAを分離するのに 、シバクロン ブルーが好ましく使用される。 示したように、トリアジン染料は、担体、すなわちゲル物質または固体担体例 えばセファロース、紙、シリカ、または当業者に公知の種々の他の物質に結合さ せた染料として、使用され得る。他の可能なマトリックスは、例えばデキストラ ン、ポリアクリルアミド、アガロース‐ポリアクリルアミド共重合体、セルロー スおよびガラスを包含する。担体物質またはマトリックスは、カラムまたはベッ ドを含む種々の形に形成され得る。 界面活性剤(例えばTween−20またはカプリレート)の添加は、hSA および内因性bSAの分離性を改善するのに重要である。界面活性剤は、約0. 05%〜0.2%の濃度で好ましく添加される。界面活性剤は、例えば約0.0 5%の濃度で使用され得る。Tween−20または他の界面活性剤が、染料‐ 担体複合体と接触する前のホエイに添加され得る。 所望なら、緩衝液(例えばバッファーA(Buffer A))中に希釈した後、ホエイ を、担体に結合したトリアジン染料と接触させることにより、hSA‐染料‐担 体複合体を形 成させる。残りのホエイは、フロー‐スルー(flow-through)として、例えば染料 保持カラムの底で集めることができる。フロー‐スルーは、実質的にすべてのb SAを含み、実質的に全くhSAを含まない。 得られるhSA‐染料‐担体複合体を次に、洗浄溶液と接触させて、ゆるく結 合したまたは非特異的に結合した、または結合していない蛋白質をすべて除去す ることができる。洗浄段階の後、hSAを溶離することができる。 エタノールが溶離溶液に添加される(溶離ピークがより鋭い)なら、結合した hSAの溶離のより大きい効率がしばしば染料複合体から達成される。かくして 、溶離溶液は好ましくは約5〜20%のエタノール、より好ましくは約5〜15 %のエタノールを含む。しかし、これはいつも必要なわけではない。例えば、本 明細書の他で述べたカプリレート溶離工程では、そのようなエタノールの添加は 必要とされない。 溶離溶液中に集められたhSAは、所望ならばさらに、種々の公知法による脱 塩および濃縮、例えば透析、限外濾過および凍結乾燥に供することができる。ゲ ル濾過の使用により、hSAのダイマーおよびポリマーを除去することができる 。したがって、本発明の方法を使用することにより、まず第1に、トランスジェ ニック動物のミルクから、精製したhSAを得ることが可能である。そのような hSAは、例えば薬剤組成物または栄養補足剤の処方において有用である。その ような組成物および栄養補足剤およびそ れらの製造は、本発明の他の面である。さらに、本発明の方法により製造された hSAは、血液増量剤または血漿増量剤等として有用である。そのような使用は 、本発明の他の面である。 実施例の形での以下の記載は、本発明を説明するためにさらに与えられたもの であり、特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。 実施例において、添付図面の種々の図を参照し、かつこれらの実施例の解釈に おいて、以下の情報およびこれらの図に留意した基本的記載を考慮に入れなけれ ばならない。図1 ラジオイムノアッセイで測定した、hSA(A,C)およびbSA(B, D)の、ブルー セファロースへの結合および溶離(以下の実施例1をみよ)。 結合実験(A,B):ブルー セファロース CL−6B ビーズ(1g/5 00ml)を、示したように、特定のpHを有し、異なる量のKClを含む50 mMトリス‐マレート緩衝液中で洗浄した(3回)。125I‐hSAまたは125I ‐bSAを加え、6時間インキュベートし、インキュベーション緩衝液で洗浄( 5回)し、そして計数した。 溶離実験(C,D):ビーズを洗浄(3回)し、125I‐hSAまたは125I‐ bSAの存在中で、0.1mKCl、50mMトリス‐マレートpH7.0中で 、6時間インキュベートした。ビーズを、異なるpHを有しかつ種々の量のKC lを含む、50mMトリス‐マレート緩衝液で 洗浄(4回)し、(回転させながら)室温で1時間インキュベートした。ビーズ を再び、最後のインキュベーション緩衝液で洗浄(5回)し、計数した。種々の 緩衝液での溶離後のヨウ素化された血清アルブミンの結合のパーセントを、y軸 に与える。 トリス‐マレート緩衝液は、蛋白質の結合特性におけるいかなる変化もなしに 、トリス‐HClの代りに用いることができる。図2 ブルー セファロース カラムでのhSA(A)およびbSA(B)の溶 離パターン。純粋な蛋白質(100μg)を、0.1M KCl、50mMトリ ス‐HCl pH8.0(バッファーA)で予め平衡にされたブルー セファロ ース カラムに入れた(1ml/分)。10分後、3分間で塩濃度を増加させて 、0.38M KCl、1.5%エタノール(15%バッファーB)とし、次い で4分間で、2.5M KCl、10%エタノール、50mMトリス‐HCl pH8.0(100%バッファーB)とした。その後、カラムをバッファーAで 再び平衡にした。図3 ブルー セファロース カラムでのhSA(A)およびbSA(B)の溶 離パターンに対する、Tween−20の影響。溶離条件は、0.05%のTw een−20をバッファーAに添加し、流速を1ml/分に増加した以外は、図 2の説明文に記載されたのと同じである。図2A において、(15%バッファーBで溶離している)hSAの「肩」を最小にする ために、第1段階を、0.25M KCl、1.0%エタノール、50mMトリ ス‐HCl pH8.0(10%バッファーB)に減少させた。図4 hSAの不在(A)または存在(B)中で、(FAST−Sで処理した) 雌牛ホエイのブルー セファロース カラムでの溶離パターン。 未処理の雌牛ミルクに純粋なhSAを加えた(1mg/ml)ものを、実施例 で記載したように、脱脂し、カゼインおよび陽イオン性蛋白質を除去した。得ら れたホエイ画分を、バッファーA(0.1M KCl、0.05%Tween− 20、50mMトリス‐HCl pH8.0)で希釈(5倍)し、ブルー セフ ァロース 6ファスト フロー カラム(流速1ml/分)に入れた。第1段階 は、10%バッファーBで7分間であった。最終段階は、100% バッファー B(2.5M KCl、0.05%Tween−20、10%エタノール、50 mMトリス‐HCl pH8.0)中で4分間の後、バッファーAでカラムを再 平衡した。図5 hSA(A)またはbLF(B)の不在または存在中で、(FAST S 処理していない)雌牛ホエイのブルー セファロース カラムでの溶離パターン 。 未処理の雌牛ミルクに、純粋なhSA(1mg/ml) またはbLF(1mg/ml)のいずれかを加えたものを、脱脂し、カゼインを 除去し、ブルー セファロース 6ファスト フロー カラム(流速1ml/分 )に直接入れた(0.45ml)。カラムをバッファーA(0.1M KCl、 50mMトリス‐HCl pH8.0、0.05%Tween−20)で洗浄し た。10分後、カラムを100mMカプリレート、50mMトリス‐HCl p H8.0で10分間洗浄し、バッファーAで6分間再平衡し、そして残りの結合 蛋白質を、2.5M KCl、50mMトリス‐HCl pH8.0、10%エ タノールで溶離した(10分間)。 実施例物質 ブルー セファロース CL−6B、ブルー セファロース 6ファスト フ ロー、S−セファロース 6ファスト フロー、CNBr‐活性化セファロース 、キレート性セファロース、ConAセファロース、およびヘパリン セファロ ースを、ファルマシア(Pharmacia)(ウプサラ、スウェーデン)から得た。ss DNA ウルトロゲル(ultrogel)は、IBF ビオテクニクス(biotechnics)( ヴィルヌーブー ラ- ガレネ(Villeneuve-la-Garenne)、フランス)から得た。ヒ トから(A−3782)およびウシから(A−0281)の血清アルブミン(両 方共、本質的に脂 肪酸を含まず、かつグロブリンを含まない)、α‐ラクトアルブミン、β‐ラク トグロブリンAおよびBは、シグマ(Sigma)(セント ルイス、ミズーリ州)か ら得た。ウシラクトフェリンは、以下に記載したように、ウシのミルクから精製 した。Tween−20(ポリ-(オキシエチレン)20 ソルビタン‐モノラウリエ ート)は、ベイカー(Baker)(デヴェンタール、オランダ)から得た。クロラミ ンTおよびNa225は、メルク(Merck)(ダルムシュタット、ドイツ)から得 た。hSAに対するモノクローナル抗体は、シダー(Cedar)(ホーンビー、カナ ダ)から得た。hSAおよびbSAに対するポリクローナル抗体、bSAモノク ローナル抗体(bSA 33)およびテトラグロノロブス プルプレアス(Tetra glonolobus purpureas)からのレクチン(Tetra)、アンギラ アンギラ(Anguilla anguilla)からのレクチン(Ali)およびウレックス ユーロペウス(Ulex europaeu s)からのレクチン(UEA)は、シグマ(Sigma)(セント ルイス、ミズーリ州)から 得た。Na125I(5Cu/ミリモル)は、アメルシャム(Amersham)(英国)か ら得た。他のすべての試薬は、少なくとも分析のグレードであった。ウシミルクからウシラクトフェリンの精製 ウシラクトフェリンを、ウシミルクから、バッチ抽出法により精製した。固体 NaClを添加して最終濃度0.4Mとし、Tween−20を添加して最終濃 度0.02% (体積/体積)とした。リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)を加えて20m M最終濃度としたが、最終pHは7.5に調整しなかった。ベックマン JA− 10ローター中で、500mlのポリアロマー チューブで、1600×gにて 10分間遠心分離することにより、ミルク脂肪を除去した。出発緩衝液(0.4 M NaCl、20mM リン酸ナトリウム、pH7.5、0.02%Twee n−20)を用いて平衡にした、パックド S セファロース(Packed S Sephar ose)(商標)ファスト フローを、加工したミルクに、加工したミルク中のラク トフェリン5〜10mg当たり充填した樹脂ビーズ約1mlの割合で、加えた。 混合物を20時間撹拌し、そして樹脂ビーズを1600×gにて5分間遠心分離 することにより分離した。上澄を除去し、そしてビーズを出発緩衝液の1体積で 3回洗浄した。次に樹脂をカラムに注ぎ入れ、20mM リン酸ナトリウム、0 .4M NaCl、pH7.5の1体積で洗浄した。流速10ml/分で、20 mM リン酸ナトリウム、pH7.5の(カラムの)1.25(倍)体積中の、 0.4〜1.0M NaCl勾配を用いて、ラクトフェリンをカラムから溶離し た。 blF調製の純度は99%より良く、回収率は80%であった。純度は、SD S PAGE分析および分光分析にて測定した。放射能標識(radiolabelling) クロラミン T法、本質的にはハンター(Hunter)とグリーンウッド(Greenwood )[Hunterら、Nature 194(1962年):495-497]により記載されたようにして、 hSAおよびbSAを放射能標識した。短く言えば、100μgのhSAまたは bSAを、150μlのホスフェートで緩衝された塩水中に溶解した。クロラミ ン T(50μl;ホスフェートで緩衝された塩水中0.4mg/ml)および Na125I(10μl)を加え、1分間インキュベートし、そしてNa225( 50μl;ホスフェートで緩衝された塩水中1mg/ml)を用いて標識を停止 した。担体蛋白質として、hSAの標識のために2%bSA溶液または、bSA の標識のために2%hSA溶液(100μl)を加えた。試料をゲル濾過カラム (25×1.5cmカラム;35mlのS−300の頂上に5mlのG25ビーズ ;ファルマシア、ウプサラ、スウェーデン)に入れた。カラムを、ホスフェート で緩衝された塩水、0.1%Tween−20、0.3% bSA(またはhS A)、1M NaClで洗浄し、1mlの画分を集めた。標識効率は>85%で あった。 抗hSAおよびbSA PoAbは、標識の前に最初に精製された:PoAb を含む血清を、アンモニウムサルフェート(50%)沈殿させ、上澄をPBSに 対して透析(1晩)した。抗hSAおよびbSAが結合したセファロースをそれ ぞれ、アフィニティ精製した後、抗hSAおよびbSA PoAbを、通常ウシ 血清が結合したセファロ ースまたは通常ヒト血清が結合したセファロースを用いてバッチ式でインキュベ ートして、交差反応しているAbを除去した。得られたPoAbは、抗hSA PoAb(Ab NBS)または抗bSA PoAb(Ab NHS)と呼ばれ る。蛋白質(100μg)を、2%の通常ウサギ血清を担体蛋白質として添加し た以外は、上記したように標識し、蛋白質をPD10 ゲル濾過カラムにて、P BS、0.3%通常ウサギ血清、0.02% NaN2緩衝液で溶離した。種々のセファロースの調製 抗hSA(Cedar)Abを含む腹水を、アンモニウムサルフェート(50 %)沈殿させ、上澄をPBSに対して透析(1晩)した。抗bSA(BSA33 )腹水を、0.1Mトリス‐HCl pH8.9で、プロテイン A セファロ ース カラムに入れた。カラムをまず、0.1M クエン酸Na pH5.5で 洗浄して、汚染しているAbを除去した。BSA 33 Abを0.1M クエ ン酸Na pH4.5で溶離し、そしてPBSに対して透析した。抗hSAまた はbSA PoAbを含む血清を、アンモニウムサルフェート(50%)沈殿さ せ、上澄をPBSに対して透析(1晩)した。抗hSAおよびbSA PoAb を、通常ウシ血清が結合したセファロースまたは通常ヒト血清が結合したセファ ロースのいずれかを用いてバッチ式でインキュベートして、交差反応しているA bを除 去した。 抗体およびレクチンを、次のようにしてセファロースに結合させた:CNBr 活性化セファロース(0.5g)を、50mlの1mM HCl pH3.0に 溶解し、そして15分間(回転させながら)インキュベートした。ビーズを、同 じ溶液(50ml)で洗浄し、そしてホスフェートで緩衝した塩水(50ml) で洗浄した。抗体またはレクチンを加え(〜2mg)、4℃で1晩(回転させな がら)インキュベートし、そしてホスフェートで緩衝した塩水で洗浄した(3回 )。その後、ビーズを、0.5M グリシンpH8.5で洗浄し、同じ溶液(5 0ml)で2時間インキュベートした。ビーズを、ホスフェートで緩衝した塩水 で洗浄し(5回)、最終的に250mlのホスフェートで緩衝した塩水、0.2 % Tween−20、0.02% NaN3中に取って、4℃で貯蔵した。金 属セファロースを次のように調製した:3mlのキレート性セファロースを、( 2回蒸留した)水で2回、1M NaCl、50mM EDTA pH7.4で 2回洗浄し、そして室温で、同じ緩衝液中で15分間(回転させながら)インキ ュベートした。ビーズを再び水で洗浄(6回)した。30mM 金属塩化物溶液 30mlを加え、4℃で1晩(回転させながら)インキュベートした。ビーズを 水で(3回)洗浄し、そしてホスフェートで緩衝した塩水、0.1%Tween −20、0.02% NaN3で洗浄した。ビーズを最後の緩衝液200ml中 に取り、4℃で貯蔵した。アルブミン ラジオイムノアッセイ hSA RIA:CnBr活性化セファロース(11mg蛋白質/gセファロ ース/1リットルのPBS、0.1% Tween−20)に結合した、0.5 mlのCedar 抗hSAモノクローナルAbを、力価測定された標準hSA 溶液(5μg/ml、2.5μg/ml等)または試験すべき試料の50μlで 1晩インキュベートした。PBS、0.02%Tween−20で5回洗浄した 後、125I‐抗hSA PoAb(Ab NBS)を加え(〜20,000 c pm)、6時間インキュベートし、再び洗浄(4回)し、そしてビーズに結合し た放射能活性を測定した。bSA(50μl、5mg/ml)は、このアッセイ では結合しない。 bSA RIA:CnBr活性化セファロース(1.3mg蛋白質/gセファ ロース/500mlのPBS、0.1% Tween−20)に結合した、0. 5mlの抗bSAモノクローナルAb(bSA 33)を、力価測定された標準 bSA溶液(5μg/ml、2.5μg/ml等)または試験すべき試料の50 μlで1晩インキュベートした。PBS、0.02%Tween−20で5回洗 浄した後、125I‐抗bSA PoAb(Ab NBS)を加え(〜20,00 0 cpm)、6時間インキュベートし、再び洗浄(4回)し、そしてビーズに 結合した放射能活性を測定した。ブルー セファロース ラジオイムノアッセイ 結合実験:アフィニティ セファロース ビーズ(0.5ml)を、上記した 図の説明に示したように種々の緩衝液で洗浄(3回)した。125I−hSAまた は125I−bSA(50μl;〜10,000cpm)を加え、室温で(回転さ せながら)6時間インキュベートした。ビーズを、インキュベーション緩衝液1 mlで洗浄(5回)し、そしてビーズに結合した放射能活性を、LKB ワレス (Wallace) 1261 マルチガンマ シンチレーション カウンターで測定し た。 溶離実験:125I−hSAまたは125I−bSAを、(上記の図の説明に示した )最適条件下で、(回転させながら)室温で6時間、ビーズに結合させた。次に 、ビーズを、他に示さなければ種々の量のKClの存在または不存在中で、1m lの洗浄緩衝液で洗浄(4回)し、1時間インキュベートし、そして最後のイン キュベーション緩衝液で洗浄(5回)した。ビーズに結合した放射能活性を上記 したように測定した。ブルー セファロース 6ファスト フロー カラムクロマトグラフィー 蛋白質を濾過(0.45μm、シュライヒャー アンド シェル(Schleicher and Schull))し、FPLC システム(ファルマシア)を用いて、ブルー セ ファロース 6ファスト フロー HR 5/5 カラム(樹脂1ml)に施与 した。カラムを種々の量のバッファーA(組成:実 施例参照)で洗浄した後、バッファーB(組成:実施例結果参照)の1ブロック または直線状の勾配を適用して結合蛋白質を溶離した。流速は、他に示さなけれ ば、1ml/分であった。0.5cmのフロー セルを用いて280nmにて吸 収測定することによりピークを監視し、ファルマシア、ウプサラ、スウェーデン のプログラムFPLCディレクター(バージョン 1.03)を用いてコンピュ ータ分析した。 実施例1hSAおよびbSAのセファロースへの結合 放射能標識したhSAおよびbSAの、ブルー セファロースおよび他のセフ ァロースへの結合を、ラジオイムノアッセイで測定した(表2)。セファロース ビーズに結合したhSAおよびbSAに対するモノクローナル抗体およびポリ クローナル抗体は、hSAおよびbSAを非常に特異的に結合する。グリシン セファロースおよびヘパリン セファロースへは、結合が観察されなかった。血 清アルブミンはグリコシル化されていないので、レクチン セファロースへの結 合の不在が予測された。試験した金属セファロースのうち、Cu2+−セファロー スのみが、hSAおよびbSAの両方に結合する。(高価な)抗体セファロース の他に、hSAに対して高い親和性を有し、かつbSAに対してより低い親和性 を有する唯一のセファロースが、ブルー セファロースである(表2−以下を見 よ)。この ように、ブルー セファロースは、hSAおよびbSAの分離のための理想的候 補である。ブルー セファロースクロマトグラフィーはまた、大規模化が容易で ある。 放射能標識したhSAおよびbSAの、ブルー セファロース ビーズへの結 合特性をラジオイムノアッセイで測定した。0.1M KCl、pH7.0の塩 濃度にて、約85%の125I−hSAがマトリックスに結合した(図1A)。こ の条件下で、125I−bSAの結合は、約30%であった(図1B)。125I−h SAの結合は特異的にかつ完全に、「低温(cold)」hSAにより妨げられること ができ、一方、過剰の「低温(cold)」」bSA(100μg/ml)の阻害効果 はたった12%であった(結果は示されていない)。 hSAおよびbSAの相互作用は部分的に、静電気的性質を有する。塩濃度を 2.5M KCl(pH7.0)に増加させると、ほぼ完全に(87%)bSA 結合を妨げるが、hSA結合を29%減少させる(図1A)。しかしながら、最 適条件(50mMトリス‐HCl pH7.0、0.1M KCl)下でhSA がビーズに結合させられ、次いでビーズが、増加する塩強度を有する緩衝液で洗 浄されるとき、最大で約70%の結合したhSAが溶離される(図1C)。対照 実験において、NaClは、KClと比べて、ビーズから蛋白質を除去すること に効率が小さいことがわかった(表3−以下を見よ)。 Leatherbarrow とDean[Biochem.J.189(1980年):2 7-34]によりまた観察されたように、hSAおよび特にbSAの結合は、pHに 依存する。低い塩濃度では、pHの影響(pH6.0〜pH8.5で試験した) はhSAの結合については最小である(図1A)。pH8.5では、hSAの結 合はいくらか減少される。しかし、bSAの結合はpH6.0〜6.5で最適で あり、pH8.5では65%について妨げられる(図1A,B)。 pHが増加すると、hSAの結合および溶離における塩の影響が明らかに減少 し、hSAとシバクロン ブルーとの相互作用において疎水性の部位が重要な役 割を演じることを示唆する(図1A,C)。bSAについてはそのような影響は 観察されない(図1B,D)。疎水性の相互作用を減少するために、エタノール を緩衝液に加えた。表4に示したように、2.5M KClと一緒の10%エタ ノールは、ビーズからhSAおよびbSAを完全に溶離したが、1%エタノール は効率が小さかった。 これらの結果は、pH8.0、0.1M KClで、hSAがシバクロン ブ ルーに最大に結合するが、bSAの全結合はたった15%であることを示す。2 .5M KClおよび10%エタノールの存在中で、すべてのhSAが染料から 溶離するであろう。これらの結果は、シバクロン ブルー セファロース カラ ムで、hSAおよびbSAの分離についての出発点として使用された。カラムクロマトグラフィー 図2Bに示したように、注入したbSAの部分は、ブルー セファロース 6 ファスト フロー カラムに結合しない。予期されないことに、ほとんどのbS Aが1.5%エタノール、0.38M KCl(50mMトリス‐HCl pH 8.0中)で溶離し、一方、いくらかのbSAは、10%エタノール、2.5M KClを用いて溶離する。ラジオイムノアッセイと比べたこの差異はおそらく 、アッセイが行われる異なるやり方によるものである:カラムクロマトグラフィ ーでの比較的多量の蛋白質と比べて、少量の標識された蛋白質をラジオイムノア ッセイで使用した。そしてさらに、RIAではより多い洗浄段階が適用された。 hSAは、カラムに強固に結合している(図2A)。hSAのほとんどが、10 %エタノール、2.5M KClで溶離され;少量が結合しない、または1.5 %エタノール、0.38M KClで溶離する。 手順は、次のやり方が最適であった:0.05% Tween−20を注入前 の蛋白質、およびカラムの平衡に使用する初期の低塩緩衝液(バッファーA)に 加えた。非イオン性界面活性剤Tween−20は、疎水性相互作用を壊す。図 3Bに示したように、bSAのほとんどがフロースルー中に検出されるので、T ween−20は、bSAのカラムへの結合を著しく減少させる。引き続く1. 0%エタノール、0.25M KClの段階は、残りの結合bSAを容易に溶離 する。0.05%Tween−20の存在は、hSAの結合にほとんど影響しな い;少量のhSA のみが結合せず、または1.0%エタノール、0.25M KClで溶離する( 図3A)。この結果は、hSAおよびbSAは、ブルー セファロース カラム を用いて分離できることを示す。ブルー セファロース カラムでの精製した蛋白質のスパイク FPLC システム(ファルマシア)に接続したブルー セファロース カラ ムにおけるいくつかの(精製した)蛋白質の結合特性を、より詳細に研究した。 500μgのhSAおよびbSA(両方共、本質的に脂肪酸を含まず、グロブリ ンを含まない)および他のミルクおよび血漿蛋白質を、バッファーA(0.1M KCl、50mMトリス‐HCl pH8.0、0.20%Tween−20 )中で、カラムに入れ、結合した蛋白質を、バッファーB(2.5M KCl、 50mMトリス‐HCl pH8.0、10%エタノール)の直線状の勾配(3 0ml、0.2ml/分)で溶離した。表1でわかるように、ヒトおよびウシの ラクトフェリン(それぞれhLFおよびbLF)は、ブルーによく結合する:カ ラムからトップフラクション(top fraction)を溶離するのに、約0.9Mおよび 1.4M KClが必要である。ラクトフェリンが関連する分子、ヒトトランス フェリンは、これらの条件下ではカラムに結合しない。ウシラクトペルオキシダ ーゼは、カラムに結合し、0.33M KClで溶離する(トップフラ クション)。hLF、bLFおよびウシラクトペルオキシダーゼのブルーへの結 合、および塩を用いてのこれらの蛋白質の溶離は、先に報告されている(Bezwod a ら、Clin.Chim.Acta 157(1986年):89-94;Bezwoda ら、Biomed.Chromat . 3(1989年):121-126;Furmanski ら、J.Exp.Med. 170(1989年):415-429 ;Shimazaki ら、J.Dairy Sci 74(1991年):404-408)。hSA(トップフラ クション)の溶離のために、約0.43〜0.46M KClが必要とされる( 表1)。ヒト免疫グロブリン画分(IgG)はまた、ブルーと弱く相互作用し、 低い塩濃度で溶離される(表1)。延ばされた時間カラムをバッファーAで洗浄 すると、IgGはおそらく、もはや結合しないであろう。3つの主なミルク蛋白 質、ウシαラクトアルブミン、βラクトグロブリンAおよびBは、ブルーに結合 しない。ウシのαSカゼイン、βカゼインおよびκカゼインの結合は、より複雑 である。βカゼインは、ブルーと非常に弱く相互作用する。カラムをより長い時 間バッファーAで洗浄すると、この相互作用は、おそらく妨げられ得る。αSお よびκカゼイン調製品の両方が、部分的にブルーに結合しているが、これらの蛋 白質は他のミルク蛋白質で汚染されるので、溶離プロファイルの説明は困難であ る。 バッファーB(2.5M KCl、50mMトリス‐HCl pH8.0±1 0%エタノール)中のエタノールは、精製した蛋白質の溶離に必要とされる塩の 量に少し影響を及ぼす:約6%(hLF)、17%(bLF)および9% (hSA)より多い塩が、エタノール不在の場合、これらの蛋白質を溶離するの に必要とされる。一般に、蛋白質はまた、エタノールの存在中で、より鋭いピー クで溶離する(〜10%さらに鋭い;示されていない)。1.4倍(hLF、b LF)〜1.6倍(hSA)多いNaClが、溶離に必要とされる(示されてい ない)けれど、KClをNaClの代わりに用いることができる。 bSA‐ブルー相互作用は、Tween−20に対して非常に敏感である(図 2および3を見よ)。Tween−20が不在のとき、約40%のbSAがブル ー カラムに結合しなかった。Tween−20の濃度を0.05%(〜0.4 mM)に増加すると、非結合bSAのパーセンテージが約96%に増加した。h SA‐ブルー相互作用は、Tween−20に対してほとんど敏感でなかった: 約2%hSAが、Tween−20が不在のときブルーに結合せず、バッファー A中に0.05〜0.2%Tween−20が存在するとき、約14%が結合し なかった。バッファーA中のTween−20の濃度を0.5%に上げると、約 44%のhSAが少しも結合せず、さらに30%のhSAが、たった5%のバッ ファーB(0.125M KCl、50mMトリス‐HCl pH8.0、0. 5%エタノール)で溶離される。Tween−20は、ラウレート、ミリステー ト、およびパルミテートのような長鎖脂肪酸基を含む。長鎖脂肪酸について高い 親和性結合部位が、アルブミンに存在することが知られている(Ka:106〜108 -1 ;総説、Spector,J.Lipid Res. 16(1975 年)165-179 ;Richieriら、Bioc hem. 32(1993 年)7574-7580 ;総説Carter and Ho,Adv.Prot.Chem.45(19 94年)153-203)。 興味深いことに、短鎖脂肪酸カプリル酸(オクタノエート)は、ブルーに結合 したhSAおよびbSAの両方を特異的に溶離した(表1;バッファーAは、b SAにブルーへの結合を許すために、50mMトリスHCl pH8.0を含む のみであることに注意)。試験した他の蛋白質については、効果は見出されなか った(表1)。bSAの溶離を始めるのに必要とされるカプリレートの濃度は、 0.3〜0.5mMであり、一方、hSAは2〜8mMカプリレートで溶離し始 めた。トップフラクションは、bSAおよびhSAについてそれぞれ、4〜5m Mおよび14〜15mMカプリレートで溶離した。おそらく、カプリレートは非 常に速くアルブミンに結合し、そして直接的または間接的にアルブミン‐ブルー 相互作用を阻害する。カプリレートは、シバクロン ブルーからhSAを溶離す る前に使用されてきた(Harveyら、In:Separation of Plasma Proteins.Ed.Cu rling J.M.,ファルマシア、ウプサラ、スウェーデン(1983年)pp79-88)。 種々のセファロース500 μlへの、125I−hSAおよび125I−bSA(10,0 00 cpm)の結合を、いずれかのホスフェートで緩衝した塩水、10mM EDT A、0.1 %Tween−20、0.05%ポリブレン(polybrene)中で、αhSA Mo Ab-(Cedar,0.5g/500ml)、αhSA PoAb(Ab NBS)(+1%通 常のウシ血清;0.5g/500ml)、およびαbSA PoAb(Ab NHS)(+ 1%通常のヒト血清;0.5g/500ml)セファロースについて測定した。ホスフェー トで緩衝した塩水、10mM EDTA、0.1%Tween−20中の、グリ シン‐(1g/500ml)セファロースおよびヘパリンセファロース(1g/500ml)。0 .1M KCl、10mMトリスHCl pH7.0中の、ブルー セファロー ス CL6−B(0.5g/500ml)。0.02%Tween−20、10mMトリス HCl pH8.0中で:Fe2+‐(1.7g/125ml)、Fe3+‐(1.7g/125ml)、 Cu2+‐(1.7g/500ml)、Zn2+(1.25g/125ml)セファロース。ホスフェート で緩衝した塩水、0.2%Tween−20中で:ConA‐(2ml ビーズ/25 0 ml)、ss DNA‐(2ml ビーズ/250ml)、Ali‐(0.5gセファロース /250 ml)、UEA‐(2ml ビーズ/250 ml)およびTetra‐(2ml ビーズ /250 ml)セファロース。(回転しながら)6時間インキュベーション後、ビー ズをインキュベーション緩衝液で洗浄(5回)し、計数した。結合パーセントは 、加えた、標識したhSAまたはbSAの全量に対してである。 結合実験:ブルー セファロース CL−6Bビーズ(1g/500ml)を 、図に示した種々の量のKClまたはNaClの存在中、50mMトリスHCl pH7.0で洗浄(3回)した。125I−hSAまたは125I−bSAを加え、 室温で(回転させながら)6時間インキュベートした。ビーズをインキュベーシ ョン緩衝液で洗浄(5回)し、ビーズに結合した放射能活性を測定した。 溶離実験:125I−hSAまたは125I−bSAを、最適条件(50mMトリス HCl pH7.0、0.1M KClまたはNaCl)下で、(回転させながら)室温で6時間ビーズに結合さ せた。ビーズを次に、種々の量のKClまたはNaClの存在中、50mMトリ スHCl pH7.0で洗浄(4回)し、1時間インキュベートし、そしてイン キュベーション緩衝液で洗浄(5回)した。ビーズに結合した放射能活性を測定 した。 結合実験:ブルー セファロース CL−6Bビーズ(1g/500ml)を 、種々の量のKClおよびエタノールの存在中、0.1M NaPi pH7. 0で洗浄(3回)した。125I−hSAまたは125I−bSAを加 え、室温で(回転させながら)6時間インキュベートした。ビーズをインキュベ ーション緩衝液で洗浄(5回)し、ビーズに結合した放射能活性を測定した。 溶離実験:125I−hSAまたは125I−bSAを、最適条件(0.1M Na Pi pH7.0、0.1M KCl)下で、(回転させながら)室温で6時間 ビーズに結合させた。ビーズを次に、種々の量のKClおよびエタノールの存在 中、0.1M NaPi pH7.0で洗浄(4回)し、30分間インキュベー トし、そしてインキュベーション緩衝液で洗浄(5回)した。ビーズに結合した 放射能活性を測定した。 エタノール不在で、0.1M KCl、0.1M NaPi pH7.0緩衝 液を用いた対照実験は、79%のhSAおよび46%のbSAがビーズに結合し 、同じ緩衝液での溶離後、79%のhSAおよび40%のbSAがビーズに結合 したままであったことを示した。 実施例2 この実施例は、未処理の雌牛ミルク中でスパイク(spike)されたhSAを精製 するやり方を記載するが、より有効なやり方(S−セファロースを省略)は、引 き続く実施例で与えられる。hSA‐スパイクされた未処理のウシミルクからhSA画分の精製 新たに受け取った未処理のウシミルクを等分し、-80 ℃で凍結させた。解凍した後、1mg/mlのhSA単独、1mg/mlのbS A+1mg/mlのウシラクトフェリン、hSA、bSAおよびウシラクトフェ リンの組合せ、またはホスフェートで緩衝した塩水のみのいずれかを、10ml のミルクに加え、渦巻撹拌し、そして室温で30分間インキュベートした。ミル クを、10℃で遠心分離する(15,000rpm、15分)ことにより脱脂し た。スキムミルクをHClでpH4.7にし、40℃で30分間インキュベート し、そして4℃で遠心分離(15,000rpm、30分)した。固体Na2H PO4を用いて(最終濃度50mM)、上澄のpHを6.0に調整し、そして再 び4℃で遠心分離(15,000rpm、10分)した。上澄に、水で2倍に希 釈したS セファロース ファスト フロー ビーズ(FAST−S)2mlを 加え、(回転させながら)室温で30分間インキュベートし、そして遠心分離( 1000rpm、2分)した。得られたホエイ画分を、バッファーA(上記の図 の説明を見よ)で5倍に希釈し、濾過(0.45μm、シュライヒャー アンド シェル)し、2mlを上記したように、ブルー セファロース 6ファスト フロー カラムに注入した。 実施例3雌牛ミルクからhSAの精製 過剰のbSAおよびウシラクトフェリン(共に1mg/ml)の存在中または 不在中で、hSA(1mg/ml) を未処理の雌牛ミルクに加えた。室温で30分間のインキュベーションの後、ミ ルクを脱脂した。スキムミルクをpH4.7にしてカゼインを沈殿させた。得ら れたホエイ画分をpH6.0にし、強カチオン交換樹脂(FAST−S)をバッ チ式に加えて、ラクトフェリン、ラクトペルオキシダーゼ、免疫グロブリンのよ うな陽イオン性蛋白質および少量で存在する他の陽イオン性蛋白質を除去した。 ヒトおよびウシのラクトフェリンは共に、シバクロン ブルーに強く結合するこ とが知られている[Bezwoda ら、Clin.Chim.Acta 157(1986年):89-94;Bezw oda ら、Biomed.Chromat.3(1989年):121-126;Furmanski ら、J.Exp.Med .170(1989年):415-429;Shimazaki ら、J.Dairy Sci.74(1991年):404-40 8]。 残存するホエイ画分中に、α‐ラクトアルブミンおよびβ‐ラクトグロブリン (AおよびB)がなお存在する。しかし、純粋なα‐ラクトアルブミンおよびβ ‐グロブリンAおよびBは、使用した条件下では、ブルー セファロース 6フ ァスト フローに結合しない。かくして、残存するホエイ画分を、バッファーA (0.1M KCl、0.05%Tween−20、50mMトリスHCl p H8.0)の4体積で希釈し、ブルー セファロース カラムに直接入れた。対 照ホエイ(hSA不在)の典型的ランを図4Aに示す。ほとんどの蛋白質はカラ ムに結合しない;少量が、1%エタノール、0.05%Tween−20、0. 25M KCl pH8.0で溶離する。この ピークは部分的にいくらかbSAを含む(結果は示されていない)。他の蛋白質 が何であるかは現在のところ不明である。しかし、いくつかのホエイ蛋白質が、 2.5M KCl、10%エタノール、0.05%Tween−20を用いてカ ラムから溶離する。これを防ぐために、0.25M KCl、1.0%エタノー ルの段階の長さを増加させることにより、および/またはバッファーA中の界面 活性剤および/または塩(の量)を変化させることにより、手順を最適化するこ とができる。 hSAを含むホエイにおいて、1つのピークが、10%エタノール、2.5M KClで溶離する(図4B)。このピークは、bSAのような他の蛋白質で汚 染されるであろう。完全な分離を得るために、上記したように手順を最適化する ことができ、または試料をブルー セファロースに再ランすることができる。 実施例4雌牛ミルクからhSAの精製のためのさらなる方法 hSA(1mg/ml)を未処理の雌牛ミルクに加え、4℃で1晩インキュベ ートした。対照として、未処理のミルクを、1mg/mlのbSAまたはbLF のいずれかを用いてスパイク(spike)した、または全くスパイクしなかった。低 速遠心分離(3000rpm、10分)によりミルクを脱脂し、高速遠心分離( 17,000rpm、60分)によりカゼインを除去した。試料を濾過(0.4 5μ m)し、FPLC システム(ファルマシア)に接続したブルー セファロース カラムに入れた。(ほとんどの)bSAのカラムへの結合を防ぐために、バッ ファーAは、0.1M KCl、50mMトリスHCl pH8.0、0.05 %Tween−20を含んでいた。結合した蛋白質をまず、100mMのカプリ レート、50mMトリスHCl pH8.0で溶離した(バッチ式)。カプリレ ートで溶離されなかった蛋白質は、2.5M KCl、50mMトリスHCl pH8.0、10%エタノールを含む緩衝液で溶離された(バッチ式)。 図5Aに示したように、対照(スパイクされていない)ホエイは、ほとんどの 蛋白質がカラムに結合せず、少量の蛋白質がカプリレートで溶離し(おそらく残 りの結合したbSAを示す)、かつかなりの量の蛋白質が2.5Mの塩段階で溶 離するところの溶離パターンを示す。高い塩濃度で溶離する蛋白質はおそらく、 bLF、ラクトペルオキシダーゼ、および免疫グロブリン(およびもしかすると いくらかの残りのカゼイン)である。カプリレートがここで、結合したhSAを 溶離する(図5A)以外は、同じ溶離プロファイルが、hSA‐スパイクされた ミルクについて得られた。このA280 ピークにおけるhSAの量の計算(0 .53のhSAのA280吸光係数(1cm、0.1%)について補正した)は 、hSAの>90%がカラムに結合し、カプリレートで溶離され得ることを示す 。対照ホエイについて、カプリレートで溶離された少量の蛋白質が (残りの)bSAであるなら、約20μgのbSAがこの画分に存在することが 計算され得る(0.667のbSAのA280吸光係数(1cm、0.1%)に ついて補正したA280ピーク)。(RIAの)厳密な測定がなおなされなけれ ばならないけれど、これらの実験は、雌牛ミルクから精製したhSAは5%未満 のbSAを含むであろうこを示す。 ブルー カラムからカプリレートで溶離された、hSA‐スパイクされたミル クのSDS−PAGE分析(12.5%、ファストゲル(Fastgel))は、優勢な hSAモノマーおよびいくらかの(<5%)ダイマーを示した。モノマー‐ダイ マー比は、スパイク実験で使用した(シグマの)精製されたhSA調製物と等し く、ブルー カラムは、モノマーおよびダイマーの両方を結合することを示した 。カプリレートで溶離されたhSAはなお、少量の汚染のbSA(対照ホエイ) およびいくらかのより低分子量蛋白質を含む。 bSA‐スパイクされたホエイの溶離パターンは、対照ホエイに比べて、カプ リレートで溶離される蛋白質の量に少しの増加を示す(示されていない)。この 増加が、単にスパイクしたbSAによるなら、bSAのこの量は、カラムに入れ た量の<10%であることが計算され得る(定量的RIAがなお行われなければ ならない)。bSA結合は、バッファーAでのより大量の洗浄によって、または Tween−20および/または塩の量を少し変更することによ って、またはカプリレートをmM量添加することによって、おそらく減らされ得 る。 bLF‐スパイクされたホエイの溶離パターンは、ここでbLFが高い塩濃度 の段階で溶離する以外は、スパイクされていない対照ミルクと正確に同じである (図5B)。溶離プロファイルに従って、約54%のbLFをこの段階で回収す ることができた(1.1のapo−bLFのA280吸光係数(1cm、0.1 %)について補正したA280ピーク)。bLFはκカゼインに結合するような ので、残存するbLFはおそらく、カゼイン沈殿段階で除去される。 (hSAおよびbSAについての)RIAがなお行われなければならないけれ ど、hSAを含むホエイを適当な条件下でブルー セファローズ ビーズに直接 接触させて、hSAをbSAおよび他の蛋白質から、単一のクロマトグラフィー 段階で分離できると思われる。汚染物はおそらく、ブルー カラムへの再ラン、 次いでゲル濾過によって除去できる。 ・・・・・・・・・・・ 上記の実施例からの結果は、hSAは、bSAより著しく強固にシバクロン ブルーに結合することを示す。 bSAの結合は、hSAに比べて、pH、塩強度、Tween−20およびカ プリレートにおける変化を受けやすかった。hSAに位置していたいくつかの部 位が、金属、脂肪酸(長鎖)、ビリルビン、およびいくつかの他の有機 分子の結合に影響を与え(CarterとHoによる総説、Adv.Prot.Chem. 45(1994 年)153-203):ドメインIIAはビリルビンの結合のための第1の部位であり ;ドメインIIIAは(IIAと共に)小さい複素環式および芳香族のカルボキ シレートの結合のための第1の部位であり;そして、長鎖脂肪酸のための高い親 和性結合部位はドメインIBおよびIIIB、およびもしかするとIIIAに位 置すると思われる。最後の3つの部位の正確な位置については論争があるけれど も。ビリルビンが、bSA‐ブルー相互作用には影響を及ぼさないが、hSA‐ ブルー相互作用を妨げることが示唆されてきた(Leatherbarrow とDean、Bioche m.J.189(1980 年)27-34)。しかしながら、同じグループは、これらの結果 を再度生じることができなかった(Metcalf ら、Biochem.J.199(1981 年)46 5-472)。明らかに、この部位は、血清アルブミンとブルー染料との相互作用に 影響を与えない。bSAのブルーへの結合は、長鎖脂肪酸(パルミテート、ミリ ステートおよびラウレート)でアルブミンを前インキュベーションすることによ り、広い範囲に妨げることができ、一方、hSAの結合はほとんど影響されない ことが報告されてきた(Leatherbarrow とDean、Biochem.J.189(1980 年)27 -34;Metcalf ら、Biochem.J.199(1981 年)465-472)。ブルー セファロー スで、hSA‐スパイクされた雌牛ミルク(〜15μM)から精製したhSAの 我々の結果は、これらの発見を確認した。雌牛のホエイ中の遊離の脂肪酸濃度( 第1に長 鎖脂肪酸)は、約30〜125μMであり(Edelstenによる総説、Meat Science ,Milk Science,and Technology.Eds.H.R.Cross & A.J.Overby.Elsevier, アムステルダム(1988 年)pp.175-199)、脂肪酸‐アルブミン相互作用がミリセ カンド(1/1000秒)で生じる(トリプトファン蛍光の消光により測定;Richieri ら、Biochem.32(1993 年)7574-7580)ので、スパイクされた脱脂hSA分子 上の理論的にすべてまたはほとんどの高親和性の脂肪酸結合部位が、ブルー染料 と接触する前に占有されることが、推断され得る。なお、ほとんどすべての(> 90%)hSAがブルー カラムに結合する(実施例を見よ)。 hSAと比べて、bSAのブルーへの結合はまた、界面活性剤Tween−2 0に著しく敏感であった(〜400μM未満のTween−20はすでにほぼ完 全に、bSAのブルーへの結合を妨げる;我々の結果)。Tween−20はお そらく、その脂肪酸(主としてラウレートおよびミリステート)側鎖を通してア ルブミンに結合する。これらの結果は、bSAが、高親和性長鎖脂肪酸結合部位 の1つを経てブルーに結合することを示唆する。hSAの結合は、主としてこれ らの部位を経て生じないが、hSA‐ブルー相互作用は、高濃度の長鎖脂肪酸と Tween−20の結合による、hSAの配座の変化に影響され得る。 興味深いことに、bSA‐ブルー相互作用は、4〜5mMのカプリレートで完 全に妨げられ、hSA‐ブルー相互作用は、14〜15mMのカプリレートで完 全に妨げられ た(実施例を見よ)。この効果は、ホエス(hoese)血清アルブミンについて特異 的である。というのは、試験した他の(ミルク)蛋白質(bLF、hLF、ウシ ラクトペルオキシダーゼおよびトランスフェリン)のブルーへの結合は、カプリ レート不感応性だからである。短鎖脂肪酸カプリレートによるブルー セファロ ースからhSAの溶離は、先に報告されており(Harveyら、In: Separation of Plasma Proteins.ed.Curing J.M.ファルマシア、ウプサラ、スウェーデン(19 83 年)pp.79-88;独自の結果)、ブルー染料は、125I−カプリレートのhSA への結合を減少させる(Lagercrantz とLarson,Biochem.J.213(1983年)387 -390)。これらの結果は、ドメインIIIAが直接的または間接的に、両アルブ ミンのブルーへの結合に影響を与えることを示唆する。この部位はまた、サリチ レートやトリプトファンのような種々の有機分子の結合のための主な部位である と考えられる(CarterとHo,Adv.Prot.Chem. 45(1994 年)153-203)。 シバクロン ブルーからhSAの完全な溶離は、NaSCNで達成された[Tr avisら、Biochem.J.157(1986年):301-306;Kelleherら、J.Chromat.173(19 79 年):415-418;Leatherbarrow ら、Biochem.J.189(1980 年)27-34 ;Met calf ら、Biochem.J.199(1981 年)465-472]。しかしながら、hSAのNa SCNでの長くされた処理は、ダイマーおよびオリゴマーを誘導することが報告 され、これは、シバクロン ブルーにあまりよく結合しないと考 えられている(Leatherbarrow ら、Biochem.J.189(1980 年)27-34)。Travi sらは、回収されたアルブミンの2.4%はダイマーであり;市販のアルブミン (シグマ)ですら、より多くのダイマーと他の少量の汚染物を含むことを見出し た[Travisら、Biochem.J.157(1986年):301-306]。市販のアルブミンは、エ タノール沈殿の段階を含むコーンの分別法(Cohn's fractionation)により得られ る[Cohnら、J.Amer.Chem.Soc.68(1946年):459-475]。雌牛ミルクにスパ イクされたhSAを結合し、溶離するために、我々が使用した手順において、S DS−PAGEにより測定したダイマーとオリゴマーの量は、スパイクされてい ないhSAと同じである。このように、この手順は、hSAのダイマー/オリゴ マー形成を引き起こさない。 ヒトおよび種々の動物例えば雌牛、ブタ、ヤギからのミルクの組成について、 多くが知られている。主なミルク蛋白質画分は、カゼインの族であり、異なる種 間で、量および組成に変化がある:雌牛ミルクの蛋白質総量の〜80%がカゼイ ンであり、一方、ヒトのミルクではこれは〜25%である(総説として、Hambra eus,In: Nutrition Abstracts and Reviews in Clinical Nutrition-Series A ,Wiley Ltd(1984年)pp219-236 ;Lonnerdal,B.Amer.J.Clin.Nutr.42( 1985 年)1299-1317)。カゼインは、単純な沈積法、pH4.6での等電沈殿法 またはキモシンでの処理のいずれかにより、ミルクから容易に除去できるが、限 られた蛋白質分解により、カゼインミセルの凝集を引き 起こす[Swaisgood、Developments in Dairy Chemistry-1,Elsevier Applied S cience Publisher,ロンドン(1982年):1-59]。得られるホエイ画分は、主とし てα‐ラクトアルブミン、β‐ラクトグロブリン AおよびB、血清アルブミン 、ラクトフェリン、免疫グロブリンおよびラクトペルオキシダーゼから成る。イ オン性相互作用クロマトグラフィーは、溶液から陰イオン性蛋白質または陽イオ ン性蛋白質を特異的に抽出するのに有効な方法である。カルボキシメチル‐セル ロース、MONO−SまたはFAST−S ビーズのようなカチオン交換体が、 特異的かつ効率的に、ラクトフェリン、ラクトペルオキシダーゼおよび免疫グロ ブリンを結合することが知られている[Bezwoda ら、Clin.Chim.Acta 157(19 86年):89-94;Bezwoda ら、Biomed.Chromat.3(1989年):121-126;Furmansk i ら、J.Exp.Med.170(1989年)415-429 ;Ekstrandら、J.Chromat.358 ( 1986年):429-433]。ホエイに残留する蛋白質は、アルキル鎖逆相カラム[Pear ce,Aust.J.Dairy Technol.112? (1983年):114-117]またはアニオンカラ ム[Humphreyら、New Zealand J.Dairy Sci.Tech.19(1984年)197-204 ;An drews ら、J.Chromat.348 (1985年):177-185]で分離できる。β‐ラクトグ ロブリンAおよびBは、アニオン交換体であるMONO−Qに強く結合し、α‐ ラクトグロブリンおよび血清アルブミンもそうである[Humphreyら、New Zealan d J.Dairy Sci.Tech.19(1984年)197-204 ;Andrews ら、J.Chromat.348 (1985年):177-185]。溶離プロファイルに差があるので、血清アルブミンを2 つの他の蛋白質から分離することが技術的に可能である。しかし、アルブミンを 精製するために、塩勾配が必要であり、ヒト種とウシ種は分離しない。ヒト血清 アルブミンを(トランスジェニック)ウシミルクから精製するときに、アニオン 交換の段階は厳密には必要ではない。というのは、ラクトアルブミンもラクトグ ロブリンもシバクロン ブルーに結合しないからである。塩および有機溶媒を除 去するために、シバクロン ブルー精製したhSAを透析、限外濾過、またはゲ ル濾過に供することができる。Tween−20のような界面活性剤が、これら の手順を用いて除去されないならば、血清アルブミンを脱脂するために使用した チェン(Chen)の方法[J.Biol.Chem.242 (1967年):173-181]が適用できる 。全精製工程は、大規模化が比較的容易である。 あるいは、ファスト S セファロースを用いて、ホエイ画分の前インキュベ ーションを省略できる。(トランスジェニック)hSAを含むウシホエイは、b SA結合を防ぐために、約0.1Mの塩、pH8.0、0.05%Tween− 20を含む緩衝液中で、ブルー セファロースを用いて(バッチ式で)直接イン キュベートされ得る。結合したhSAは、カプリレート(好ましくは1〜100 mM)で溶離でき、結合したウシラクトフェリン、ラクトペルオキシダーゼ、残 留する免疫グロブリンは、2.5M KCl(またはNaCl)、50mMトリ スHCl pH 8.0(以下の実施例をまた見よ)で溶離できる。厳密に言えば、アルブミンに 結合したカプリレートを除去する必要はない。というのは、この化合物は、熱処 理(アルブミン調製におけるウィルスの除去)中、安定化のために、アルブミン にしばしば結合されるからである。汚染しているbSAを除去する必要があるな ら、カプリレートはおそらく、ブルー セファロースに再ランする前にまず、ア ルブミン試料から除去(例えばチェンの方法、J.Biol.Chem.242(1967年)17 3-181)されなければならない。 ウシミルク中のbSAの通常の濃度は、約0.1〜0.2gr/Lである[Sm ith ら、J.Dairy Res.46(1979年):547.550;Fox ら、J.Dairy Sci.64(19 81年):2258-2261;Honkanen-Buzalski ら、J.Dairy Res.48(1981年):213-2 23;Poutrel ら、J.Dairy Sci.66(1983年):535-541]。アメリカ合衆国では 、非経口的使用のために、100,000 kg/年を超えるhSAの年間需要があるので 、約10,000のミルク生成hSAトランスジェニックク雌牛(約1g hS A/Lの発現)が、合衆国市場に出ることが必要とされると計算され得る[2. 5gr/Lの、トランスジェニックマウスのミルク中のhSAの発現レベル[Sh ani ら、Transgenic Res.1 (1992年):195-208]およびそれより多く[Hurwit z ら、国際特許出願WO 93/03164 (1993年)]が報告されている]。このように 、経済的に可能な方法でhSAを製造するためには、ミルク中のhSAの濃度は bSAの濃度よりずっと高いであろう。こ のことは、hSA精製を促進する。
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ヒト血清アルブミン(hSA)を、非ヒト種に対して内因性の血清アルブミ ンおよび、該非ヒト種のミルクホエイ中に通常見出される少なくとも1種の他の 蛋白質をまた含むところの、該hSAの供給源から分離する方法であって、 (a) 該供給源を、界面活性剤の存在中で、該内因性血清アルブミンより強くhS Aを結合するリガンドと接触させ、それによってhSA‐リガンド複合体を製造 すること; (b) 該hSA‐リガンド複合体を分離すること;および (c) 該分離したhSA‐リガンド複合体から、hSAを遊離させること を含む方法。 2.該内因性血清アルブミンがウシ血清アルブミン(bSA)である請求項1記 載の方法。 3.該供給源が、トランスジェニックミルクホエイまたはトランスジェニックミ ルクホエイ画分である請求項1または2記載の方法。 4.トランスジェニックミルクホエイまたはミルクホエイ画分が、カチオン交換 樹脂にさらされて、ラクトフェリン、ラクトペルオキシダーゼ、免疫グロブリン および他の陽イ オン性蛋白質を除去する請求項3記載の方法。 5.該リガンドがトリアジン染料である請求項1〜4のいずれか1項記載の方法 。 6.該トリアジン染料が、シブラコン ブルーである請求項5記載の方法。 7.該界面活性剤が、Tween−20を包含するTweenである請求項1〜 6のいずれか1項記載の方法。 8.段階(b)におけるhSA‐リガンド複合体の分離が、固定化された形で該リ ガンドを使用することにより達成される請求項1〜7のいずれか1項記載の方法 。 9.該固定化された形が、それに結合した該リガンドを有するクロマトグラフィ ー物質を含む請求項8記載の方法。 10.該クロマトグラフィー物質がセファロースである請求項9記載の方法。 11.段階(c)の遊離が、該hSA‐リガンド複合体を溶離溶液と接触させること により成される請求項9または10記載の方法。 12.溶離溶液がエタノールを含む請求項11記載の方法。 13.溶離溶液が、5〜15%のエタノールを含む請求項12記載の方法。 14.該少なくとも1種の他の蛋白質が、ラクトフェリン、ラクトアルブミンおよ びラクトグロブリンから選ばれる請求項1〜13のいずれか1項記載の方法。 15.該供給源が、段階(a)に先立ち処理されて、該少なくとも1種の他の蛋白質 が実質的に除去される請求項14記載の方法。 16.非ヒト血清アルブミンおよび、非ヒト種のミルクホエイ中に通常見出される 少なくとも1種の他の蛋白質をまた含むところの、hSAの供給源からhSAを 分離する際に、界面活性剤ならびに、hSAと非ヒト種からの血清アルブミンと の間で差別的結合特性を示すリガンドを使用する方法。 17.該供給源が、トランスジェニックミルクホエイまたはトランスジェニックミ ルクホエイ画分である請求項16記載の方法。 18.該リガンドがトリアジン染料である請求項16または17 記載の方法。 19.該トリアジン染料が、シバクロン ブルーである請求項18記載の方法。 20.界面活性剤が、短鎖脂肪酸または、その官能的に同等なものである請求項17 〜19のいずれか1項記載の方法。 21.脂肪酸がカプリレートである請求項20記載の方法。 22.官能的に同等なものが、サリチレートである請求項20記載の方法。 23.非ヒト種からの血清アルブミンをまた含む物質からhSAを分離する方法で あって、該物質を、hSAと該非ヒト種からの血清アルブミンとの間で差別的結 合特性を示すリガンドと接触させて、それによって複合体を形成すること、およ び短鎖脂肪酸またはその同等物で処理することにより、該複合体からhSAを遊 離させることを含む方法。 24.該短鎖脂肪酸が、12未満の炭素原子を有する請求項23記載の方法。 25.該短鎖脂肪酸がカプリレートである請求項24記載の方法。 26.該その同等物が、サリチレートである請求項23記載の方法。 27.該リガンドがトリアジン染料である請求項23〜26のいずれか1項記載の方法 。 28.該トリアジン染料が、シバクロン ブルーである請求項27記載の方法。 29.該リガンドが、固定化された形で存在する請求項23〜28のいずれか1項記載 の方法。 30.該不動化された形が、それに結合した該リガンドを有するクロマトグラフィ ー物質を含む請求項29記載の方法。 31.該クロマトグラフィー物質がセファロースである請求項30記載の方法。 32.該短鎖脂肪酸またはその同等物が、該複合体の形成後に、該クロマトグラフ ィー物質からhSAを溶離するのに使用される請求項30または31記載の方法。 33.hSAの溶離後、該非ヒト種からの血清アルブミンを、高い塩濃度条件を用 いて溶離する請求項32記載の方法。
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