JPH10502655A - ジヌクレオシド−5’,5’−ピロリン酸 - Google Patents

ジヌクレオシド−5’,5’−ピロリン酸

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JPH10502655A
JPH10502655A JP8504666A JP50466696A JPH10502655A JP H10502655 A JPH10502655 A JP H10502655A JP 8504666 A JP8504666 A JP 8504666A JP 50466696 A JP50466696 A JP 50466696A JP H10502655 A JPH10502655 A JP H10502655A
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アントニオ デ・フローラ,
ウンベルト ベナツテイ,
マルコ ジヨビネ,
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グルポ・レペチツト・エス・ピー・エイ
ウニベルシタ・デグリ・ストウデイ・デイ・ジエノバ
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H21/00Compounds containing two or more mononucleotide units having separate phosphate or polyphosphate groups linked by saccharide radicals of nucleoside groups, e.g. nucleic acids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
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Abstract

(57)【要約】 チミン−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、5−フルオロウラシル−2’−デオキシ−D−リボシド、ウラシル−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、グアニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、ヒポキサンチン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、シトシン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、およびアデニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシドから選択される非天然のヌクレオシドの5’,5’−ピロリン酸、ならびに腫瘍およびレトロウイルス感染(これにはHIV感染が含まれる)に対する治療剤としてのそれらの製造法および使用が開示される。これらの化合物は、病理学的障害の発症の原因となる特異的細胞集団に対する標的化のために、薬剤学的組成物の活性成分としてか、あるいは生物学的担体(例えば、形質転換された赤血球)内に被包化されるプロドラッグとして投与されることがある。

Description

【発明の詳細な説明】 ジヌクレオシド−5’,5’−ピロリン酸 本発明は、式(I): [式中、 記号AおよびBは各々独立に、 チミン−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 5−フルオロウラシル−2’−デオキシ−D−リボシド、 ウラシル−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 グアニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 ヒポキサンチン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 シトシン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、および アデニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド から選択される非天然のヌクレオシドの5’−C’残基を表し; 記号Xは各々独立に、酸素もしくは硫黄を表し; 記号RおよびR1は各々独立に、水素もしくは1〜10の炭素原子のアルキル 基を表す] のジヌクレオシド−5’,5’−P1,P2−ピロリン酸、 ならびに式(I)で示され、かつ式中、Rおよび/またはR1は生物学 的に許容されるカチオンを提供する塩基を有する水素を表す、の化合物の付加塩 に関する。 本発明は、式(I)のジヌクレオシド−5’,5’−P1,P2−ピロリン酸の 製造のための方法、病理学的障害(例えば腫瘍もしくはウイルス感染)の発症お よび原因に関わる特異的部位もしくは細胞集団に標的化する目的での生物学的担 体、特に赤血球内へのそれらの被包化のための方法、ならびに式(I)のジヌク レオシド−5’,5’−P1,P2−ピロリン酸を被包化している前記生物学的担 体、特に赤血球を含有する組成物も包含する。 生物学的活性分子を被包化するための赤血球膜の化学修飾は、標的細胞にその 被包化分子を生物学的活性形態で送達するための有力な方法である。例えば: − De Flora A. et al. ”Engineered er ythrocytes as carrires and bioreacto rs”. The Year in Immunology、Basel、Ka rger、(1993)、Vol.7、168−174. − Tonetti M. et al.”Liver targetein g of autologous erythrocytes loaded with doxorubicin”. Eur.J.Cancer、(199 1)、Vol.27、No.7、947−948. − Zocchi E. et al.”Human and murine erythrocytes as bioreactor s releasing the antineoplastic drug 5−fluoro−2’−deoxyuridine”. Advances in Biosciences、(1991)、Vol.81、Pergamo n Press plc. 51−57. − De Flora A. et al.”Conversion of encapsulated 5−fluoro−2’−deoxyuridin e−5’−monophosphate to the antineopla stic drug 5−fluoro−2’−deoxyuridine i n human erythrocytes”. Proc.Natl.Aca d.Sci.USA、(1988)、Vol. 85、3145−3149. −De Flora A. et al.”The technology of carrier erythrocytes:a versatile tool for diagnosis and therapy”.Biot hechnology in Diagonostics、 Elsevier Science Publishers B.V.、(1985)、223− 236. を参照されたい。 当該技術分野の更に別の文献が上記論文および刊行物中に引用されている。 生物学的に活性な物質、特にリン酸化された化合物の、形質転換された赤血球 内への被包化の方法、およびそれらの使用のための組成物、ならびに動物に由来 する細胞、具体的には赤血球を誘導化させて他の細胞を探索し出しかつその細胞 と融合させるための方法も特許文献:国際公 開第92/22306号、米国特許第4,931,276号、米国特許第4,6 52,449号、および欧州特許出願公開第298280号に既に開示されてい る。 本明細書および請求の範囲では、「非天然のヌクレオシドの5’−C’残基」 の表現は、ペントース部分の5’位のヒドロキシ基の除去により非天然のヌクレ オシドから生ずる残基と同一視している。 表現「記号Xは各々独立に、酸素もしくは硫黄を表す」は、記号Xの各々が他 のものによって想定される意味とは無関係に酸素もしくは硫黄原子を表しうるこ とを意味する。本発明の好ましい態様に従うと、記号Xの全てが酸素を表すか、 あるいはそれらの内の一つのみもしくは二つが硫黄を表し、かつ他のものが酸素 を表すかのいずれかである。この後者の場合には式(I)の最も好ましい化合物 は、硫黄を表す記号X(一つもしくは複数)が、二重結合を介して直接その(そ れらの)硫黄原子(一つもしくは複数)に連結されるか、あるいはXRもしくは (および)XR1の部分でとなる化合物である。 用語「生物学的に許容されるカチオン」は、薬剤学的実施法における使用に適 するカチオンを意味し、そして式(I)の化合物の生物学的担体には毒性を示さ ず、かつ前記担体内へのそれらの被包化のための方法に適合するカチオンを包含 する。記号Rおよび/またはR1が独立に水素を表す場合には、式(I)の化合 物は生物学的に許容されるカチオンを提供する塩基と付加塩を形成することがあ る。このような塩は、式(I)の化合物であって、式中、部分XRおよび/また はXR1の内の記号Xはアニオン形態(すなわち、O-および/またはS-)の酸 素および/または硫黄原子を表し、かつ記号Rおよび/またはR1は生物学的 に許容されるカチオンを表す、化合物により表すこともできる。 薬剤学的実施法における使用について許容されるカチオンは、アリカリ金属も しくはアルカリ土類金属(例えば、ナトリウム、カリウム、およびマグネシウム )、アンモニア、ならびに脂肪族性、脂環式および芳香族アミン(例えば、メチ ルアミン、ジメチルアミン、トリエタノールアミン、ピペリジン、ピペラジン、 n−メチルピペリジン、n−メチルピペラジン、モルホリン、およびピコリン) に由来するものである。 薬剤学的実施法および被包化方法の両方に適する生物学的に許容されるカチオ ンは例えば、Na+およびK+である。 用語「1〜10の炭素原子のアルキル基」は、場合によっては一つの不飽和結 合、および/またはヒドロキシ、メルカプト、クロロ、ヨード、フルオロ、ブロ モ、アミノ、(C1−C4)アルキルアミノ、ジ−(C1−C4)アルキルアミノ、 (C1−C4)アルコキシ、および(C1−C4)アルキルチオから選択される一つ もしくは二つの置換基を含んでもよい直鎖状もしくは分岐状のアルキル残基と同 一視している。好ましくは、先の用語は、場合によっては、上記のような一つも しくは二つの置換基を含んでもよい1〜4の炭素原子のアルキル残基(例えば、 メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、 1,1−ジメチルエチル、および2−メチルプロピル)と同一視している。 本発明の更に好ましい化合物群は、式(I)の化合物であって、式中、記号A 、B、およびXが先に特定されるものであり、かつ記号RおよびR1が各々独立 に、水素、あるいは先に特定されるような(C1−C4)アルキルを表す、化合物 を包含する。この好ましい化合物の群は更に、式(I)の化合物であって、式中 、Rおよび/またはR1が生物学的に 許容されるカチオン(例えば、Na+、K+)および先に記載される他のカチオン を提供する塩基を有する水素を表す、化合物の付加塩をも包含する。 本発明の最も好ましい化合物群は、式(I)[式中、記号AおよびBが先に特 定されるものであり、全ての記号Xが酸素を表し、かつRおよびR1の両方が水 素を表す]の誘導体、ならびに生物学的に許容されるカチオン(例えば、Na+ もしくはK+)とのそれらの塩により特記される。 本発明を具体的に説明することができる式(I)のジヌクレオシド−5’,5 ’−P1,P2−ピロリン酸の内の幾つかの特定の例は以下の表Iに示されている 。 先の式(I)[式中、AおよびBの内の少なくとも一つが5−フルオロウラシ ル−2’−デオキシ−D−リボシドに由来する5’−C’残基を表す]のジヌク レオシド−5’,5’−P1,P2−ピロリン酸は抗腫瘍療法剤として有用である 一方で、先の式(I)[式中、AおよびBの内の少なくとも一つが、 チミン−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 ウラシル−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 グアニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 ヒポキサンチン−2’,3’−ジデオキシド−D−リボシド、 シトシン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、および アデニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド から選択される非天然ヌクレオシドの5’−C’残基を表す]のジヌクレオシド −5’,5’−P1,P2−ピロリン酸は抗ウイルス性療法剤、特にレトロウイル ス感染(例えば、HIV感染)に対して有用である。 上述の特徴に従うと、先に特定される両タイプの5’−C’残基を含むジヌク レオシドは抗腫瘍剤および抗ウイルス剤の両方として有用であるかもしれない。 ジヌクレオシド−5’,5’−P1,P2−ピロリン酸を製造するための方法は 当該技術分野に既に記載される方法に従って実施される。例えば:A.M.Mi chelson、”Synthesis of nucleotide anh ydrides by anion exchange”,in Biochi m.Biophys.Acta、(1964)、91、1−13、を参照された い。この方法に従うと、式(II): [式中、A、X、およびRは上記と同一の意味を有する]のヌクレオシドリン酸 は、リン酸部分のXH基上で活性化剤(例えば、テトラフェニルピロリン酸もし くはジフェニルホスホクロリデート)との反応により活性化されて先のリン酸ヌ クレオシドの活性化されたホスホエステルを形成する。その後にこの活性化され たホスホエステルを式(III): [式中、B、X、およびR1は先と同一の意味を有する]のリン酸ヌクレオシド と反応させて、その活性化されたホスホエステルからの活性化されたリン酸ジフ ェニル部分の置換により式(I)の化合物を形成する。 本発明のジヌクレオシド−5’,5’−P1,P2−ピロリン酸を製造するのに 有用な方法の他の例は、植物ウイルスの複製を阻害するのに有用な幾つかのジヌ クレオシドピロリン酸およびピロリン酸同族体を開示する米国特許第48553 04号に引用される文献から誘導することができる。 国際公開第91/00867号は、抗ウイルス活性を初めとする生物学的活性 を有する5’−ジホスホヘキソースヌクレオシドを開示している。 本発明の代表的態様では上述の反応経路は本質的にはA.M.Michels onにより記載される条件下で実施され、これはすなわち式(II)のヌクレオ シドリン酸もしくはそれらの塩(例えば、ナトリウム、リチウム、もしくはバリ ウム塩)を最初に、ヒンダード第三級アミン塩基(例えば、トリ−n−ブチルア ミンもしくはトリ−n−オクチルアミン)あるいはヒンダード第四級アンモニウ ム塩基(例えば、メチル−トリ−n−オクチルアンモニウム水酸化物)で対応す る塩に変換させることである。一般的には、この変換は、ピリジニウム型のイオ ン交換(強カチオン性)樹脂を通すリン酸ヌクレオシドもしくはそれらの塩(好 ましくはナトリウム塩)の溶離によるピリジニウム塩の中間体形成を介して実施 される。この段階は主に、ナトリウムもしくは他の鉱物質カチオンを除去する目 的を有する。その後にピリジニウム塩を等モル量のヒンダード第三級アミン塩基 を含むメタノール溶液と共にインキュベートし、そしてその後に減圧乾燥させて ヒンダード第三級アミン塩基を有するその塩を取得する。その後に式(II)の ヌクレオシドリン酸の塩を過剰量(ヌクレオシドリン酸のモル当たり1.5〜2 .5モル)の活性化剤(例えば、クロロリン酸ジエチルもしくはピロリン酸テト ラフェニル)と、反応体(例えば、第三級脂肪族アミン(例えば、トリ−n−ブ チルアミン)もしくは第三級複素環式アミン(例えば、N−メチルピペリジン、 N−メチルピロリジン)を妨害しない過剰量の酸受容体(活性化剤のモル当たり 1.2〜2モル)の存在下で接触させる。この活性化反応は一般的には室温下お よび無水条件下で、溶媒として不活性非プロトン性有機溶媒(例えば、環式エー テル(例えば、ジオキサン)もしくはそれらの混合物)を利用することにより実 施される。幾つかの事例で は、反応物濃度、およびそのため反応速度を増加させるには溶解度の高い別の不 活性有機溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド)の添加が推奨される。 先の条件下では、活性化されたリン酸エステルの形成は一般的には2〜5時間 以内に完了する。 その後にその活性化されたリン酸エステルを、ヒンダード第三級アミン塩基も しくは第四級アンモニウム水酸化物(例えば先に例示されるようなもの)をヌク レオシドリン酸(III)の塩と、不活性有機非プロトン性溶媒(例えば、ピリ ジン、ヘキサメチルホスホルアミド、ジメチルホルムアミド、もしくはそれらの 混合物)の存在下で反応させる。この反応は通常は、20℃と35℃との間にま たがる温度で実施され、そして15〜30時間の期間で完了する。 この粗反応生成物は、一般的には減圧下での溶媒の蒸発により回収され、次い でクロマトグラフィー法を初めとする、通常の精製方法に供される。例えば、式 (I)[式中、Rおよび/またはR1が水素である]の化合物の精製方法のため には、その粗生成物をその後に水に懸濁させ、そして水酸化アルカリ金属水溶液 でpHの値を8に調節した後に、その溶液を水と非混和性の非プロトン性有機溶 媒(例えば、ジエチルエーテル)で抽出する。ピロリン酸ジヌクレオシドを含む 水相を、カラムクロマトグラフィー法(例えば、ゲル濾過カラムおよび溶離液と しての水を用いることによるもの)およびHPLC法(例えば、直鎖状炭化水素 で機能化させたシリカゲル逆相カラムを用い、かつ水中メタノールの直線濃度勾 配液で溶出するか、あるいは強アニオン交換樹脂を用い、かつ水中塩化リチウム の直線濃度勾配液で溶離することによるもの)を組み合 わせることによりさらなる精製に供する。 本発明の式(I)のジヌクレオシド−5’,5’−P1,P2−ピロリン酸は一 般的には安定な化合物であり、特に生物学的に許容されるカチオン(例えば、ナ トリウムもしくはカリウム塩)との塩の形態で単離される際に安定である。従っ て、Rおよび/またはR1が水素を表す場合には、それらは遊離酸の形態で単離 および特徴決定してもよいが(例えば、H+形態をとるイオン交換樹脂にその塩 の水溶液をかけ、そしてその樹脂を水もしくはメタノールと水との混合物で溶出 することによる)、それらを塩の形態で保存もしくは利用することが好ましく、 生物学的に許容されるカチオンとの塩として保存もしくは利用することが最も好 ましい。 非天然のヌクレオシドリン酸出発物質 は、対応する非リン酸化ヌクレオシドから標準的方法に従って製造することがで きる。 そのような非リン酸化前駆体(これは当該技術分野において記載がなされてい る)は以下のとうりである: チミン−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド(AZT)、 アデニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド(DDA)、 5−フルオロウラシル−2’−デオキシ−D−リボシド(FDU)、 シトシン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド(DDC)、 ウラシル−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド(AZDDU )、 ヒポキサンチン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド(DDG)および グアニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド(DDG)。以下の引用文献 を参照されたい:Levene P.A.、J.Biol.Chem.、(19 29)、Vol.83、793;Davoli J. et al.、J.Ch em.Soc.(1948)、967;Howard G.A. et al. 、J.Chem.Soc.(1947)、1052;Robins M.J. et al.、J.Am.Chem.Soc.(1971)、93:20、52 77;Chu C.K. et al.、J.Org.Chem.(1989) 、54、2217;Colla L. et al.、Eur.J.Med.C hem.Chim.Ther.、(1985)、No.4、295。 多くの事例では先の前駆体を市場で入手することも可能である(例えば、SI GMA Chemical Co.社、St.Louis、MO、USA)。 非リン酸化前駆体を対応するリン酸化化合物に変換させるための方法も当該技 術分野より知られている。ヌクレオシドの一リン酸の製造のための典型的方法は 、そのヌクレオシドを無水ピリジン中のリン酸シアノエチルの溶液と、縮合剤( 例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド)の存在下、室温で接触させることよ りなる。最終生成物は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属との塩(例えば、 ナトリウム、リチウム、も しくはバリウム塩)の形態として容易に回収および精製されることがある。 幾つかの事例では、ヌクレオシド一リン酸は市場で入手することも可能である (例えば、5−フルオロ−2’−デオキシウリジン−5’−一リン酸、SIGM A Chemical Co.社、St.Louis、MO、USA)。 式(I)の化合物は抗ウイルス活性(これには抗HIV活性が含まれる)およ び/または抗腫瘍活性を有し、そして薬剤学的組成物の活性成分として有用であ る。 本発明を代表する幾つかのジヌクレオシド−5’,5’−P1,P2−ピロリン 酸の抗HIV活性を確認するために、インビトロテストをHTLV−1形質転換 細胞株 MT−4(これは、HIV感染についての高い感受性および許容性を示 す)について実施した。HIVにより誘導される細胞変性効果の阻害を終点とし て使用した。この検査の方法は本質的にはR.Pauwels et al. 「Rapid and automated tetrazolium−bas ed colorimetric assay for the detect ionof anti−HIV compounds」、Journal of Virological Methods、20、(1988)、309−3 21、により記載されるものである。 以下の表IIは、ジ−(チミン−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D −リボシド)−5’,5’−P1,P2−ピロリン酸(ジ−AZT−5’,5’− P1,P2−ピロリン酸)についての50%有効濃度(IC50)および50%細 胞障害性濃度(CC50)を示す。チミン−3 ’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド(AZT)を対照化合物と して採用した。 本発明の化合物は、特定の細胞集団に赤血球により運搬されるべきプロドラッ グとして特に有用であり、その特定の細胞集団中ではそれらの化合物はインビボ で迅速に活性形態に変換され得る。 赤血球は薬剤もしくはプロドラッグの生物学的担体として独特な機会を提供す るが、それは: (a)それらがむしろ単純な代謝、およびそのため被包化された薬剤もしくは プロドラッグと相互作用を行うことがある比較的限定されたセットの酵素を有し 、 (b)それらが身体の全領域に到達することができ、そしてその被包化された 薬剤もしくはプロドラッグの、制御された速度(この速度はその酵素が関与する 特性を基にプログラムされることがある)に従う活性形態への変換のための生物 反応装置として作用することがあり、そして (c)それらは血液細胞が豊富に存在する組織および器官への部位特異的標的 化を付与することがある比較的単純な改変に適合する、 ためである。 幾つかのヌクレオシド薬剤の活性形態がリン酸化誘導体であることが知られて いる。特に、三リン酸化された誘導体が抗HIV活性を有するデオキシヌクレオ シドによるウイルス複製の阻害の原因となる形態であるということが一般的に受 け入れられている。しかしながら三リン酸化されたデオキシヌクレオシドは臨床 的には有用ではなく、それというのはそれらが細胞膜を通過することができない ためである。従って抗HIVデオキシヌクレオシドの有効性の重要因子はそれら がどの程度容易に標的細胞内に侵入し、そして細胞性酵素によるリン酸化を受け 得るかである。 いずれにせよ、ヌクレオシドは細胞内リン酸化のみを受けることがあるばかり でなく、そのヌクレオシドを治療的活性がより低いかもしくは全く不活性な化合 物に変換させる他の反応も細胞内酵素により亢進されることがある。これらの反 応の速度がリン酸化過程のものと同一のオーダーである場合には、そのヌクレオ シドの治療的有効性は低下する。これらを考慮することは特に重要であり、それ は幾つかの標的細胞(例えば、マクロファージ)が低レベルのリン酸化用酵素を 有し、そしてそのためリン酸化形態での抗ウイルス性ヌクレオシドの前記感染細 胞への投与は、ウイルス阻害に関しては通常の投与経路よりも顕著な利点を示す ことがある。 本発明の一つの目的は、ジヌクレオシド−5’,5’−P1,P2−ピロリン酸 が赤血球細胞内に被包化され、そして標的細胞(その標的細胞内ではそのリン酸 結合を開裂して2つのヌクレオチドを生じる酵素経路が利用可能である)に特異 的に運搬される可能性を活用することである。リン酸化された部分を既に含む2 つのヌクレオチドは、所望される生物 学的機能を発揮するか、もしくは実質的に不活化されることなく三リン酸化され た誘導体の活性形態に迅速に変換されるための適切な化学形態をとっている。 ジヌクレオシドピロリン酸は、それらを一旦赤血球内に取り込ませたら、それ らは安定となり、かつ被包化の時間とそのプロドラッグの部位特異的送達の時間 のと間には赤血球の膜からの緩慢な分散速度を示すという点で、被包化および標 的化技術にとっては対応する一リン酸よりも一層適性が高い。これらの特徴によ り、ヌクレオシドのその担体からの放出の速度のプログラム化に一層高い可変性 が与えられる。 ジヌクレオシド−5’,5’−P1,P2−ピロリン酸の別の利点は、ピロリン 酸結合を通して相加的もしくは相乗的作用を示す違うペアのヌクレオシドを連結 させ、そしてその両方のヌクレオシドを担体内に導入し、特異的標的細胞に送達 し、そして各活性形態を同時にそのような各段階中で放出させることが可能であ ることである。 被包化されるジヌクレオシド−5’,5’−P1,P2−ピロリン酸のための典 型的標的細胞は、マクロファージか、あるいは身体の領域では肝臓および膵臓で ある。操作された赤血球を網内細胞系内に標的化するための方法が例えば、Zo cchi E. et al.により「Hepatic or splenic targeting of carrier erythrocytes:A murine model」、Biotechnology and App lied Biochemistry(1987)、、423−434におい てか、もしくは既述のTonetti M. et al.による論文内に既に 記載されている。これらの方法により標的細胞もしくは身体の領域がそ の生物学的担体を認識し、かつ部位特異的および薬物動態学的に制御された薬剤 放出を引き起こさせる目的でそれらと相互作用を行うことができるようになる。 治療学的応答および毒性の両方における正の効果を有する治療用作用物質の放 出を減速させる目的で適切な生物学的担体(例えば、赤血球)内への抗腫瘍剤お よびプロドラッグの被包化が、選択的器官標的化を達成するための有用な手法と して既に提案されている(Zocchi E. et al.、in Proc .Natl.Acad.Soc.USA(1989) Vol.86、2040 −2044)。5−フルオロウラシル−2’−デオキシ−D−リボシド−5’− 一リン酸プロドラッグの赤血球内への被包化の例(De Flora A. e t al.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、(1988)、 Vol.85、3145−3149:を参照されたい)により、活性な非リン酸 化薬剤の放出の薬物動態学的に有用な制御を達成するためには、等モル量の他の ヌクレオシド三リン酸の同時被包化が必要となることが示される。 他のヌクレオシドの同時被包化は生物学的適合性の問題、および選択されたヌ クレオシドプロドラッグとそれに随伴するヌクレオシド三リン酸との間の相互作 用の問題を伴うことがあるかもしれない。本発明により提供される利点の内の一 つは、適切な薬物動態学的制御を達成するために他のヌクレオシド三リン酸の同 時被包化を必要としない5−フルオロウラシルプロドラッグを製造することが可 能性である。 有用な薬物動態学的特性を示す本発明のプロドラッグの代表例は、ピロリン酸 結合を介して連結される2単位の5−フルオロウラシル−2’ −デオキシ−D−リボシドからなるジヌクレオシド−5’,5’−ピロリン酸[ ジ−(5−フルオロウラシル−2’−デオキシ−D−リボシド)−5’,5’− P1,P2−ピロリン酸](これは、各一リン酸について一層緩慢な脱リン酸化速 度を示す)である。 ヒト赤血球細胞内の本発明の代表的なジヌクレオシド−5’,5’−P1,P2 −ピロリン酸の被包化の典型例は、ジ−AZT−5’,5’−P1,P2−ピロリ ン酸を用い、低張透析および等張放出法により達成された(De Flora A. et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、(19 88)、Vol.85、3145−3149)。洗浄されかつ充填された赤血球 (80%ヘマトクリット)の70倍容量の溶血用緩衝液(4mM MgCl2を 補足してある5mM Na2HPO4、pH7.2、26mOsm)に対する35 分間、4℃下、緩和な回転条件下での第一透析を含んでなる二段階方法が用いら れた。この段階の後には、透析バッグ内への10〜15mMのジ−AZT−5’ ,5’−P1,P2−ピロリン酸の添加、および同一条件下での15分間の更なる 透析が実施された。その後に赤血球を、40分間4℃下で10mMのグルコース およびアデノシンを補足してあるリン酸−食塩水緩衝液、pH7.0、310m Osmに対して透析することにより再密封した。充填された赤血球をその後に氷 冷NaCl水溶液(0.9% w/w)水溶液で徹底的に洗浄し、そして10% のヘマトクリットで自己血漿中37℃でインキュベートした。 ジヌクレオシドピロリン酸、ならびに血漿および赤血球細胞中でのその代謝産 物の濃度を断続的時間間隔で、以下の方法を用いることにより決定した。 様々な時期に1mlアリコートのインキュベーション混合物を回収した。血漿 からの赤血球の分離後にそれら2つの分画を個別に抽出した。 100マイクロリットルの充填赤血球細胞(RBC)を100マイクロリット ルの水に添加し、その後には68マイクロリットルの3.7Mの過塩素酸(PC A)を激しい浸透下で添加した。この試料を遠心分離し、そして140マイクロ リットルの上清を30マイクロリットルの3M 炭酸カリウムで中和させた。そ の後に形成された沈殿物を除去するためにこの試料を遠心分離にかけた。 150マイクロリットルの血漿分画を50マイクロリットルの3.7M PC Aで処理し、そして120マイクロリットルの上清を27マイクロリットルの3 M 炭酸カリウムで中和させ、そして遠心分離にかけた。5マイクロリットルの 各抽出物を、HP ODS Hypersil 4.6×60mm 3ミクロン 粒子サイズカラムを装着してあるHP 1090装置(Hewlett−Pac kard社、Palo Alto、CA)内に注入した。溶媒プログラムは、1 00%の緩衝液A(5mMの第三級−水酸化ブチルアンモニウム(TBA)を含 む0.1M KH2PO4、pH4.9)で開始し、そして100%の緩衝液B( 水中の40%(v/v)メタノール中、5mM TBAを含む0.1M KH2 PO4、pH4.9)に30分間で上昇させる直線濃勾配液であり;100%の緩 衝液Bを50分間まで維持させた。流速は0.4ml/分であり、そして溶出さ れた化合物を265nmに設定された分光光度検出機でモニターした。様々な化 合物についての保持時間(分で表示)は:ATZ、17;AZT−一リン酸、2 1;ジ−AZT−ピロリン酸、33、であった。 以下の表IIIおよびIVは既述の測定の結果を示す。 先のデータは、ヒト赤血球細胞内のジ−AZT−5’,5’−P1,P2−ピロ リン酸濃度が現行の実施法に従う治療的必須事項に適合する 値を達成すること、およびその薬剤が非常に緩慢な速度で赤血球から放出される ことを示す。既述の特徴により、ジヌクレオシドリン酸プロドラッグの抗HIV 有効量を含む工学的に作製された赤血球は治療目的にとっては特に有用となる。 ヒト赤血球はヌクレオシド薬剤を被包化するためおよび特異的標的化特性を付与 するために適切に改変されることがあること、ならびにそのような改変は選択的 標的化特性を別にして赤血球の生理学的動態を変化させることがないことが実際 に知られている(国際公開第92/22306号)。 HIVに感染した細胞(例えば、マクロファージ)に対して標的化される際に は治療学的有効性に相当する赤血球内でのジヌクレオシドピロリン酸の濃度の評 定は、B.L.Robbins et al.、によりAntimicrobi al Agents and Chemotherapy、Vol.38、No .1、(1994)115−121、内に報告されるデータに基づき実施される 。実際のところこれらの著者らは、AZTでの有効な治療を受けている最中のH IV感染患者においては、末梢血単核細胞(PBMC)中のAZT三リン酸の細 胞内濃度は、5×10-15モル/106細胞〜9×10-14モル/106細胞の範囲 にわたることを示している。これらの値は、表IIIに示される濃度値(これは 、約2×10-10モル/106細胞〜4×10-10モル/106細胞)でのジヌクレ オチドピロリン酸を含む少なくとも一つの赤血球がPBMC(例えば、単球もし くはマクロファージ)により捕獲される場合には高くなることは自明である。 先に記載されるように本発明のジヌクレオシド−5’,5’−P1,P2−ピロ リン酸を経口経路もしくは非経口経路の投与のための薬剤学 的組成物の活性成分として利用することができるか、あるいは特異的身体領域( 例えば、肝臓/脾臓)および/または細胞集団(例えば、単球/マクロファージ )に対して標的化される生物学的担体内に被包化される活性薬剤もしくはプロド ラッグとして利用することができる。 ジヌクレオシド−5’,5’−P1,P2−ピロリン酸が経口もしくは非経口の 投与のための薬剤学的組成物の活性成分として利用される場合には、前記組成物 は通常は治療学的有効量のジヌクレオシドピロリン酸ならびに不活性担体および /または賦形剤を含む。例えば、経口投与のための液状薬剤学的組成物中には、 水、好ましくは滅菌水が担体および/または賦形剤として用いられることがある 。経口投与のための固形状薬剤学的組成物は、結合剤、崩壊剤、および滑沢剤を 含むことがある。一例としては、ゼラチン、トラガカントゴム、もしくは微結晶 性セルロースが結合剤として用いられることがあり、アルギン酸もしくはコーン スターチが崩壊剤として用いられることがあり;ステアリン酸マグネシウムもし くはカルシウムが滑沢剤として用いられることがある。所定の固形形態(例えば 、カプセル剤)が液状担体(例えば、脂肪油)を含むことがある。非経口投与形 態のためには、好ましい担体および/または賦形剤は生理学的食塩水もしくはリ ン酸緩衝化された食塩水であることがある。経口投与および非経口投与の両方の ための液状薬剤学的組成物は更に他の適合性組成物(例えば、溶媒、保存料、お よび/またはアジュバント)を含むことがあり、それらは例えば:溶媒としての ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、もしくはグリセリン、抗菌剤 としてのメチルパラベン、酸化防止剤としてのアスコルビン酸もしくは重炭酸ナ トリウム、キレート剤としてのエチレンジアミン四酢酸、緩衝剤 としての酢酸塩、クエン酸塩、もしくはリン酸塩、である。それに加え、ジヌク レオシドピロリン酸の所望の効果を妨害することがない他の活性成分がその薬剤 学的製剤内に取り込まれることがある。 経口用もしくは非経口用の薬剤学的組成物は一般的に、0.1〜3.0μMの 範囲にわたる患者内の血清濃度を提供することが可能であるべきである。いずれ にせよ、この範囲以外の用量を適用することが可能であり、日用量は、その疾患 のタイプおよび重篤度、治療予定の患者の状態、ならびに利用される特異的ジヌ クレオチドピロリン酸に従って調節されなければならないことが理解される。 錠剤、ピル剤、カプセル剤、およびトローチ剤などが経口投与用の固形用量形 態として用いられることがある一方で、水剤、懸濁液、エレキシル剤、およびシ ロップ剤が液状用量形態として用いられることが好ましい。非経口用製剤は一般 的には皮下注射もしくは静脈内投与のための水剤でできている。 単位用量形態は一般的には10〜500mgのジヌクレオシド−5’,5’− P1,P2−ピロリン酸を含むことがあり、この数値は純粋に模範的特徴を有し、 かつ決して本発明の範囲を制限することはない。 本発明のジヌクレオシド−5’,5’−P1,P2−ピロリン酸が適切な生物学 的担体内に被包化される薬剤もしくはプロドラッグとして利用される場合には、 そのようなジヌクレオシドピロリン酸を含む薬剤学的組成物は形質転換させた赤 血球を含むことが好ましい。そのような形質転換された赤血球の表面は、そのよ うな赤血球内に含まれるジヌクレオシドピロリン酸を組込ませる予定の生物体の 細胞により特異的に認識される目的で改変される。例えば、ヒトもしくは動物の 病原性RNA−タ イプのウイルスを宿す細胞による前記特異的認識を達成するための典型的方法が 欧州特許出願公開第517986号に開示されており、かつこの方法は本質的に はそのジヌクレオシドピロリン酸の被包化の以前もしくは後に、その赤血球細胞 をうまく包み込む食細胞(例えば、リンパ球、単球、もしくはマクロファージ) により認識され得る特異的抗体をその赤血球の表面蛋白質および/または貫膜蛋 白質に結合させることに基づいている。好ましい態様に従うと、ジヌクレオシド −5’,5’−P1,P2−ピロリン酸を充填した後の赤血球をまず、表面もしく は貫膜蛋白質の可逆性クラスター形成用作用物質で、次いで共有結合用架橋形成 剤で処理し、そして最終的に自己血漿内でインキュベートさせてIgG分子を結 合させる。これらの赤血球はそれらのレセプターを通してヒトマクロファージに より認識され、そしてその後にマクロファージ当たりおおよそ1つの赤血球の割 合で貪食される。 以下の実験はヒトマクロファージへのジ−AZT−ピロリン酸充填赤血球の標 的化を詳細に記載する。 先に記載されるジ−AZT−ピロリン酸充填の方法に供されたヒトマクロファ ージをその後に改変させて、マクロファージによるそれらの認識を増加させた。 この方法は欧州特許出願公開第517986号に詳細に記載されている。ジ−A ZT−ピロリン酸充填赤血球は表Vに示されるように、約1,500 IgG分 子/細胞を示し、かつ非処理赤血球と比較すると一層効率よく貪食されることが 見いだされた。IgG結合数/細胞は、50μlのRBCを,PBS中、4%( w/v)のウシ血清アルブミンおよび0.1mCiの放射性ヨウ素標識させたプ ロテインA(比活性 30mCi/mg蛋白質)を含む100μlの5mM H EPES、pH7.4と共にインキュベートすることにより決定した。この試料 を30分間室温でインキュベートし、そしてその後に4度洗浄し、そしてBec kman 5500 γ−計測器内で結合放射活性についての計測を実施した。 薬剤充填赤血球の貪食作用は、M.Magnani et al. 「Targ eting antiretroviral nucleoside anal ogues in phosphorylated form to macr ophages:in vitro and in vivo studies 」、(1992) Proc.Natl.Acad.Sci. USA、89: 6477−6481による論文に記載される要領でインビトロで決定した。 担体赤血球によりマクロファージに輸送されるジ−AZT−ピロリン 酸の量およびマクロファージ内でのその安定性も評定した。ヒト赤血球に0.4 μモル/ml RBCの濃度でジ−AZT−ピロリン酸を充填し、そしてその後 にその赤血球を先の要領で改変してマクロファージによるそれらの認識が増加す るようにさせた。改変させた赤血球を、マクロファージ当たり100のRBCの 比率でマクロファージに添加し、そして貪食作用を24時間実施させた。その後 に、摂取されなかったRBCをRPMI 1640培地で徹底的(3回)に洗い 落とし、そして0.9%(w/v)塩化アンモニウムで一回洗浄した。マクロフ ァージの過塩素酸抽出物をその後に、RBC貪食作用後0および24、48、も しくは72時間目に調製し、そしてK2CO3で中和させた。この抽出物をその後 に中和し、そしてIsolute(商標) C18カラム(Internati onal Sorbent Technology社からのもの、Mid−Gl amorgan、UK)を製造業者からの説明書に従い、かつ溶出液としてメタ ノールを利用してジ−AZT−ピロリン酸の固相抽出の処理に付した。この抽出 物を既述の要領でHPLCにより分析した。ヒトマクロファージ内でのジ−AZ T−ピロリン酸の安定性についての結果が図1に示される。 ネコの免疫不全症ウイルス(FIV)に感染したネコ単球由来のマクロファー ジにおけるジ−AZT−ピロリン酸充填赤血球の抗ウイルス性活性のアッセイも 実施した。 ネコ単球由来のマクロファージは、M.Magnani et al.「Ta rgeting antiretroviral nucleoside an alogues in phosphorylated form to ma crophages:in vitro an d in vivo studies」、(1992) Proc.Natl. Acad.Sci. USA、89:6477−6481によりヒト単球由来の マクロファージについて報告された要領で培養した。ジ−AZT−ピロリン酸充 填赤血球をマクロファージ当たり100のRBCの比率で15時間添加した。薬 剤充填赤血球のジ−AZT−ピロリン酸含有量は0.4μモル/ml RBCで あった。摂取されなかった赤血球は徹底的な洗浄により除去した。対照として、 マクロファージ培養物を「非充填」赤血球(例えば、同一ではあるが、ただしジ −AZT−ピロリン酸の追加が行われない方法に供した赤血球)で処理した。 ジ−AZT−ピロリン酸充填RBCもしくは「非充填」RBCを取り込ませた マクロファージ、あるいは無添加のマクロファージを330i.d./ウエルの ネコ免疫不全症ウイルス(Pisa M−2)で、M.Bendinelli et al.「Feline immunodeficiency virus :and interesting model for AIDS stud ies and an important cat pathogen」、( 1995)、Clin.Microbiol.、rev. 8:87−112に よる論文内に記載される要領で感染させた。細胞培養物を徹底的に洗浄して(6 回)、感染後8時間目にマクロファージに結合しているいずれかのウイルス粒子 を除去した。その後に細胞培養物を37℃、5% CO2下で3日間維持し、そ してその後にはそれらの総DNAを単離した。マクロファージからのDNA単離 物は標準的技術により取得され、その技術は8M 尿素、0.3M NaCl、 10mM Tris HCl、pH7.5での60分間、37℃下での細胞溶解 を含む。抽出はフェノール−ク ロロホルム−イソアミルアルコール(25:24:1 v/v/v)を用いて実 施し、そしてDNA沈殿はエタノールを用いて実施した。FIVプロウイルスD NAの分析は、2段階におけるウイルス性p24 gag遺伝子の内の498塩 基対の増幅により実施した。増幅の第一段階のためには以下のプライマーを用い た:5′-GGCATATCCTATTCAAACAG-3′(センス)(配列番号1)(ウイルス配列内 のヌクレオシド1025−1044に相当する)および5′-CCTATATTTTACGTTGAG AA-3′(アンチセンス)(配列番号2)(上記配列の内のヌクレオシド1680 −1699に相当する)。増幅の第二段階のためには以下のプライマーを用いた :5′-TATGGTTTACTGCCTTCTCT-3′(センス)(配列番号3)(ウイルス配列の内 のヌクレオシド1141−1160に相当する)および5′-GAATTCGGTCTTTCATGG GA-3′(アンチセンス)(配列番号4)(上記配列の内のヌクレオシド1619 −1638に相当する)。 Perkin−Elmer サーモサイクラー(thermocycler) 内で実施されたPCRは、168ngのゲノムDNA、50mM KCl、10 mM Tris HCl、pH8.3、1.5mM MgCl2、0.005% Tween−20、0.005% NP−40、0.001% ゼラチン、1 50nMの各プライマー、および5UのReplitherm DNAポリメラ ーゼ(Epicentre Technologies社、Madison、W isconsin、U.S.A.)を含む50μlの最終容量中で実施した。第 一ペアのプライマーを含む反応混合物を、94℃で1分間の変性、50℃で1分 間のアニーリング、および72℃で2分間の伸長の40周期分、ならびにその後 に72℃で15分間の最終伸長に供した。その後、この増幅混合 物の内の10μlを第二ペアのプライマーで全く同一の条件を用いて再増幅させ た。 このPCR産物を1.5%のアガロースゲル上での電気泳動により分析し、ナ イロン膜上に転移させ、そしてTA−クローニングプラスミド(Invitro gen Corporation社、SanDiego、California 、U.S.A.)内にクローン化されたp24 gag遺伝子プローブの498 塩基対とハイブリダイズさせた。内部対照としてネコヘキソキナーゼ遺伝子を、 以下のプライマー:5′-ACATGGAGTGGGGGGCCTTTGG-3′(センス)(配列番号5) (ヒトヘキソキナーゼタイプI cDNAの内のヌクレオシド2198−221 9に相当する)および5′-GTTGCGGACGATTTCACCCAGG-3′(アンチセンス)(配列 番号6)(ヌクレオシド2238−2349に相当する)を用いて増幅した。検 出はFIVヘキソキナーゼプローブにより実施した。 この結果が図2に示される。 ジ−AZT−ピロリン酸充填赤血球の抗ウイルス活性の別のアッセイを、マウ ス免疫不全症ウイルスに感染しているマウスマクロファージにおいて実施した。 マウスマクロファージはC57BL/6マウスの腹腔から取得し、そしてRo ssi et al.「Inhibition of murine retr ovirus−induced immunodeficiency dise ase by dideoxycytidine and dideoxycy tidine 5’−triphosphate」、(1993)、J.AID S、6:1179−1186による論文に記載される要領で培養した。ジ−AZ T−ピロリン酸充 填赤血球および感染はFIVについて記載される要領で実施されたが以下の改変 を伴い、その改変とは:マウス免疫不全症ウイルス(LP−BM5)を標準方法 に従いSC−1細胞からの無細胞上清として調製したことであった(D.E.Y etter et al.「Functional T−lymphocyte s are required for a murine retrovir us induced immunodeficiency disease( MAIDS)」、(1987)、J.Exp.Med. 165:1737−1 742)。 ウイルスDNAのPCR分析は以下の方法に従って実施した。 以下のオリゴヌクレオチドプライマーを欠陥ウイルスゲノム(BM5d)の増 幅のために用いた:5’−プライマー、5′-AACCTTCCTCCTCTGCCA-3′(センス) (ウイルス配列中のヌクレオシド1456−1473に相当する)および3’− プライマー、5′-ACCACCTCCTGGGCTTTC-3′(アンチセンス)(BM5dゲノムの 内のヌクレオシド1579−1596に相当する)。第二ペアのオリゴヌクレオ チドプライマーをマウスG6PD遺伝子の内の203bpの増幅のために用いた 。この増幅は、マウスゲノム内の相対的BM5d組込みの評定のための内部対照 (内因性標準)として作用する。 この増幅のためのヌクレオチドプライマーは、5’−プライマー、5′-TGTTCT TCAACCCCGAGGAT-3′(センス)および3’−プライマー、5′-AAGACGTCCAGGATGA GGTGATC-3′(アンチセンス)であった。 本明細書で用いられた4本のプライマーはG.Brandi et al.「 Efficacy and txicity of long−term ad ministration of 2’,3’,−d ideoxycytidine in the LP−BM5 murine induced immunodeficiency model」、(199 5)、Antiviral Chemistry and Chemother apy、6、153−161、による論文に記載されていいる。 Perkin−Elmer サーモサイクラー(thermocycler) 内で実施されたPCRは、0.229μgのゲノムDNA(これは約114,0 00細胞に相当する)、50mM KCl、10mM Tris−HCl、pH 8.3、1mM MgCl2、0.05% Tween−20、0.005% NP−40、0.001% ゼラチン、150μMの4つの各デオキシリボヌク レオシド三リン酸、20pモルの各プライマー、および2.5UのReplit herm DNAポリメラーゼ(Epicentre Technologie s社、Madison、Wisconsin、U.S.A.)を含む25μlの 最終容量中で実施した。この反応混合物を、95℃で30分間の変性、58℃で 30秒間のアニーリング、および72℃で30秒間の伸長の37周期分、ならび にその後の72℃で10分間の最終伸長に供した。このPCR産物を2.5%ア ガロースゲル上での電気泳動により分析し、ナイロン膜上に転移させ、そして3 2P−ラベル化させたD30もしくはG6PDプローブのいずれかとハイブリダ イズさせた。DNAプローブのラベル化は、Bio−Rad社(Bio-Rad Laboratories社、Hercules、California、U. S.A.)からのランダムプライマー DNA−ラベル化キットにより実施した。 この結果が図3に示される。 本発明のジヌクレオシドピロリン酸を捕獲する改変赤血球を含む薬剤学的組成 物は通常では等張溶液の形態として存在するか(例えば、注入使用のための食塩 水もしくはグルコース等張溶液)、あるいは静脈内もしくは腹膜内投与のための 注射溶液の即時調製物として用いられる予定の形態で存在する。 これらの薬剤学的組成物は通常は、好ましくは2〜8mlに変化する赤血球の 量、および約0.5〜約10mMに変化するジヌクレオシド−5’,5’−P1 ,P2−ピロリン酸の総量を含む。本発明の被包化されるジヌクレオシドピロリ ン酸が投与されることがある用量は、患者の体重のキログラム当たり約0.5〜 約80μgのジヌクレオシドピロリン酸の範囲にわたり、この値は、本発明の範 囲の制約を構成することが意図されるのではない表示として与えられる値である ことが理解される。 図面の説明 −図1は、ヒトマクロファージ内でのジ−AZT−ピロリン酸の安定性を示す 。 −図2は、マクロファージ内でのFIVプロウイルス性DNAの分析により測 定されたFIV(Pisa M−2)に感染したネコ単球−由来のマクロファー ジに対するジ−AZT−ピロリン酸充填赤血球の抗ウイルス活性を示す。 −図3は、欠陥ウイルスゲノム(BM5d)DNAの分析により測定されるマ ウス免疫不全症ウイルス(LP−BM5)に感染したマウスマクロファージに対 するジ−AZT−ピロリン酸充填赤血球の抗ウイルス活性を示す。 実施例1 ヒポキサンチン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド−5’−一リン酸の 製造法 100mg(0.4mモル)のヒポキサンチン−2’,3’−ジデオキシ−D −リボシドを1mlのリン酸トリエチル中の0.11ml(1.2mモル)のオ キシ塩化リンに添加し、そしてこの混合物を2時間、−5℃で撹拌した。この混 合物を10mlの氷冷ジエチルエーテルで4度抽出し、次いでそれを2000r pmで5分間、0℃で遠心分離した。ジエチルエーテルの除去後、残渣を5ml の水に0℃で懸濁させ、そしてそれを即座に冷却1N NaOHで中和させた。 この混合物を氷浴槽上に10分間保持し、そしてpH値を7に調節した。減圧乾 固後に、残渣を25mlのメタノール中に溶解した。この溶液を、ジエチルエー テル中に懸濁される35gのシリカゲルを含むカラムにかけた。純粋な表題化合 物を以下の要領でのカラムの溶出により取得した(流速3ml/分):全不純物 を洗い落とすための150ml ジエチルエーテル、ジエチルエーテル:メタノ ール 60:40(v/v)の150mlの混合物、および最終的には精製され た生成物を溶出するための約300mlのメタノール。 全過程の収率は85%であった。 Hewlett−Packerd 5989A装置で記録されたMS−スペク トルは、表題化合物の[M−1]-イオンに相当するm/z 315.2での分 子イオンを示す。 実施例2 チミン−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド−5’ −一リン酸の製造 240mg(1mモル)のチミン−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ− D−リボシド(AZT)をピリジン中の2mlの1M リン酸シアノエチル溶液 中に溶解し、そして30℃で減圧乾固させた。この残渣を19mlの無水ピリジ ン中に懸濁させ、そしてその後に30℃で2度減圧乾固させた。9.6mlの無 水ピリジンおよび1.15gのジシクロヘキシルカルボジイミドの添加後に、こ の混合物を48時間、25℃で撹拌した。その後に2.8mlの水を添加し、そ してこの溶液を更に30分間、25℃で撹拌し、そして最終的に30℃で減圧乾 固させた。この残渣を9.6mlの水中に懸濁させ、濾過し、そして濾紙上で9 .6mlの水を用い、再度洗浄した。その後、19.6mlの1N NaOHを 合わせた濾液に添加し、そしてその混合物を還流下で40分間加熱した。 この溶液を25℃に冷まし、そしてナトリウムカチオンを除去する目的で15 gのDowex(商標) 50(H+)イオン交換樹脂を充填したカラムに通し て溶出させた。リン酸塩アニオンを沈殿させる目的で、この溶出液のpHをBa (OH)2の飽和溶液で7.5に調節した。遠心分離後に、上清を30℃の減圧下 で少量(30ml)に減少させ、そして再度遠心分離にかけて残存性無機リン酸 塩を除去した。二倍量のエタノールを4℃下でこの混合物に添加して表題化合物 のバリウム塩を沈殿させた。最後に、この沈殿物をアセトンおよびジエチルエー テルで洗浄し、そして緩和な窒素気流下で乾燥させた。 表題化合物のバリウム塩を5mlの水中に懸濁させ、そして2gのDowex (商標) 50(H+)イオン交換樹脂と混合した。その後に この混合物を2gのDowex(商標) 50(H+)イオン交換樹脂を含むカ ラムにかけた。このカラムをメタノール:水 1:1(v/v)の30mlの混 合物で溶出させ、そしてこの溶出液を最終的には1N NaOHで中和させ、そ してAZT−5’−一リン酸のナトリウム塩を含むこの溶出液をその後に凍結乾 燥させて、表題化合物のナトリウム塩を70%の収率で取得した。 Hewlett−Packerd 5989A装置で記録されたMS−スペク トルは、表題化合物の[M−1]-イオンに相当するm/z 346.50での 分子イオンを示す。 実施例3 チミン−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、ヒポキサン チン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド−5’,5’−P1,P2−ピロリ ン酸の製造 a) ヒポキサンチン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド−5’−一リン 酸の活性化 : 50mg(0.016mモル)のヒポキサンチン−2’,3’−ジデオキシ− D−リボシド−5’−一リン酸を、2mlの水と1mlのメタノールとの混合物 に溶解させ、そしてその後にその溶液を1gのDowex(商標) 50W−X 8(ピリジニウム形態)イオン交換樹脂を通して溶出させた。このカラムを20 mlの50%メタノール水溶液で洗浄し、そしてその溶液を減圧乾固させた。残 渣を、1.6mlのメタノール中の0.22mlのトリス−n−オクチルアミン の溶液中に懸濁させ、そしてその後に30分間撹拌し、そして最終的に30℃下 で減圧乾固させた。得られる残渣を1mlのN,N−ジメチルホルムアミド中に 懸濁させ、そして30℃下で減圧乾固させた。この過程を3回反復させた。得ら れる生成物を、2.24mlのジオキサン、0.096mlのクロロリン酸ジフ ェニル、および0.137mlのトリス−ブチルアミンの溶液に添加し、そして この混合物を3時間、25℃で撹拌した。その後にこれをロータリーエバポレー ター内で乾燥させ、そして16mlのジエチルエーテルをこの残渣に激しい震盪 下で添加した。この混合物を氷上に30分間維持し、そしてその後に1000r pmで5分間遠心分離にかけた。ジエチルエーテルを除去し、そしてその残渣を 0.96mlのジオキサン中に溶解し、そして室温で減圧乾固させ、そしてその 生成物を後続段階c)においてそのまま用いた。 b) AZT−5’−一リン酸のトリ−n−オクチルアンモニウム塩: 120mg(0.35mモル)のAZT−5’−一リン酸のナトリウム塩を2 mlの水および2mlのメタノール中に溶解させ、そしてその溶液を1gのDo wex(商標) 50W−X8(ピリジニウム形態)イオン交換樹脂を通して2 0mlの50%メタノール水溶液で溶出させ、そしてロータリーエバポレーター 中で乾燥させた。その後に0.49mlのトリ−n−オクチルアミンおよび3. 5mlのメタノールをその残存性生成物に添加し、そしてこの混合物を30分間 撹拌し、そして最終的に30℃下で減圧乾固させた。この残渣を再度1.75m lのN,N−ジメチルホルムアミド中に懸濁させ、そして30℃下で減圧乾固( 5mmHg)させた。この過程を3度反復させて、後続段階c)においてそのま ま用いられる生成物を取得した。 c) 反応: 段階a)の活性化させたヒポキサンチン−2’,3’−ジデオキシ− D−リボシド−5’−一リン酸を0.9mlの無水ピリジン中に溶解させ、そし てこの混合物を、段階b)のAZT−5’−一リン酸のトリ−n−オクチルアン モニウム塩に添加した。その後に0.16mlのヘキサメチルホスホルアミドを この混合物に添加し、それをその後にロータリーエバポレーター内で乾燥させた 。0.2mlの無水ピリジンの添加後にこの混合物を24時間、25℃で撹拌さ せた。この残渣を、1N NaOHでpH値を8に調節することにより5mlの 水に懸濁させ、そしてこの溶液を5mlのジエチルエーテルで3回抽出した。先 の表題生成物を含む水層を分離し、そしてその生成物を以下の段階d)に従って 精製した。 d) 精製: 段階c)から取得される水溶液の内の0.5mlのアリコートをSephad ex(商標) G10カラム(55×1.3cm)にかけ、そして0.25ml /mlの流速で水で溶出させた。表題化合物を含む分画を、逆相カラム(C18 μBondapack(商標)、10μm粒子サイズ)を装着してあるHPL C装置を用いることにより更に精製した。溶媒プログラムは、30分中、1.5 ml/分の流速での0〜30%(v/v)の水中のメタノールの直線濃度勾配液 であった。 これらの条件下では、先の表題化合物は約7分の保持時間(Rt)を示す。 先の値でのRtを示す分画を合わせ、2gのイオン交換樹脂(Dowex(商 標) 50W−X8、H+形態)にかけ、そして20mlの水で溶出させた。こ の溶出液を凍結乾燥させて、35%の収率で先の表題生成物を取得した。 Hewlett−Packerd 5989A装置で記録されたMS−スペク トルは、表題化合物の[M−1]-イオンに相当するm/z 644での分子イ オンを示す。 リン酸塩緩衝液(pH4.9)、水中の40%(v/v)メタノール中での紫 外線吸収スペクトルは、270nmでのショルダーを伴う252nmの最大吸収 を示す。 実施例4 ジ−(チミン−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド)−5 ’,5’−P1,P2−ピロリン酸の製造 a) AZT−5’−一リン酸の活性化 100mg(0.26mモル)のAZT−5’−一リン酸のナトリウム塩を3 0mlの水および2mlのメタノールの混合物中に溶解し、そしてその溶液を1 gのDowex(商標) 50W−X8(ピリジニウム形態)イオン交換樹脂を 通し、20mlの50%メタノール水溶液で溶出させ、そしてその後に室温で減 圧乾固させた。この残渣を、0.45mlのトリ−n−オクチルアミンと3.2 mlのメタノールとの混合物中に懸濁させ、そして30分間、25℃で撹拌し、 その後にそれを室温で減圧乾固させた。その残渣を2mlのN,N−ジメチルホ ルムアミド中に溶解し、そして減圧乾固(5mmHg)させた。この過程を3度 反復させた。その後に4.48mlのジオキサン、0.2mlのクロロリン酸ジ フェニル、および0.27mlのトリ−n−ブチルアミンをその残渣に添加し、 そして25℃下、3時間の撹拌後に、この混合物を30℃下で減圧乾固(5mm Hg)させた。その後に16mlのヘキサンをその残渣に激しい震盪下で添加し 、そしてその混合物を氷上に30分 間保持し、その後に1000rpmで5分間の遠心分離に付した。この残渣を2 .0mlのジオキサンに溶解し、そして減圧乾固させた。回収された生成物を後 続段階c)においてそのまま用いた。 b) AZT−5’−一リン酸のトリ−n−オクチルアンモニウム塩: 100mg(0.26mモル)のAZT−5’−一リン酸のナトリウム塩を、 3mlの水と2mlの50%メタノール水溶液との混合物中に溶解し、そしてそ の溶液を、1gのDowex(商標) 50W−X8(ピリジニウム形態)イオ ン交換樹脂を含むカラムにかけ、そして20mlの50%メタノール水溶液で溶 出した。この溶出液を減圧乾固させた。その後に0.45mlのトリ−n−オク チルアミンおよび3.2mlのメタノールをこの残渣に添加し、そしてこの混合 物を25℃で30分間撹拌し、そして最終的には室温で減圧乾固させた。この残 渣を2mlのN,N−ジメチルホルムアミド中に懸濁させ、そして減圧乾固(5 mmHg)させた。この過程を3度反復させて、後続段階c)においてそのまま 用いられる生成物を取得した。 c) 反応: 段階a)の活性化させたAZT−5’−一リン酸を1.8mlの無水ピリジン 中に溶解させ、そしてその溶液を、段階b)のAZT−5’−一リン酸のトリ− n−オクチルアンモニウム塩に、0.32mlのヘキサメチルホストリアミドと 共に添加した。室温での減圧乾固後に、0.4mlの無水ピリジンをその残渣に 添加し、そしてその混合物を25℃下で24時間撹拌した。室温での減圧乾固後 に、その残渣を6mlの水中に懸濁させ、1N NaOHでpH値を8に調節し た後に、その混合物を6mlのジエチルエーテルで3回抽出した。先の表題生成 物を含む 水層を遠心分離により分離させ、そしてその生成物を段階d)に従って回収およ び精製した。 d) 精製: 前段階c)から得られる水溶液を、逆相HPLCカラムを使用して精製した。 その水溶液の1mlのアリコートをBio−sil(商標) C18 HL 9 0−10カラム(Biorad社)(250×10mm、10μm粒子サイズ) にかけ、そして以下に記載される要領で水中のエタノールの直線段階的濃度勾配 液で溶出させた: 先の表題化合物は11分のRtで溶出された。 先の値のRtを示す分画を合わせ、2gのイオン交換樹脂(Dowex(商標 ) 50W−X8、H+形態)にかけ、そしてメタノール:水 50:50(v /v)の30mlの混合物で溶出した。この溶出液を凍結乾燥させて35%の収 率で先の表題生成物を取得した。 Hewlett−Packerd 5989A装置で記録されたMS−スペク トルは、先の表題化合物の[M−1]-イオンに相当するm/z 675.9で の分子イオンを示す。 リン酸塩緩衝液(pH4.9)、水中の40%(v/v)メタノール中での紫 外線吸収スペクトルは265nmに最大吸収を示す。 D2O中、Varian Gemini分光光度計内で20℃〜30℃の温度 範囲において200MHzで記録される1H−NMRスペクトルは、以下の最も 有意な化学シフト(δ ppm):1.639(−CH3)、2.225(−O− CH2)、3.943(ブロード 1′−CHおよび2′−CH2)、4.275(3 ′−CH)、5.955(4′−CH)、7.439(芳香族性プロトン 6−CH )を示す。 実施例5 5−フルオロウラシル−2’−デオキシ−D−リボシド、チミン−3’−アジ ド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド−5’,5’−P1,P2−ピロリン 酸の製造 a) AZT−5’−一リン酸の活性化: 70mg(0.182mモル)のAZT−5’−一リン酸のナトリウム塩を、 実施例4、段階a)に記載されるのと同一の方法に従うことにより活性化させ、 そしてその生成物を以下の段階c)においてそのもの自体を用いた。 b) 5−フルオロウラシル−2’−デオキシ−D−リボシド−5’−一リン酸 のトリ−n−オクチルアンモニウム塩 : 100mg(0.27mモル)の5−フルオロウラシル−2’−デオキシ−D −リボシド−5’−一リン酸のナトリウム塩を、実施例4、段階b)に記載され るのと同一の方法に従うことにより対応するトリ−n−オクチルアンモニウム塩 に変換させ、そしてその生成物を以下の段階c)においてそのまま用いた。 c) 反応: 段階a)の活性化させたAZT−5’−一リン酸を1mlの無水ピリジン中に 溶解させ、そしてその溶液を段階b)の5−フルオロウラシル−2’−デオキシ −D−リボシド−5’−一リン酸のナトリウム塩に、0.2mlのヘキサメチル ホスホトリアミドと共に添加した。減圧乾固後に、0.2mlの無水ピリジンを その残渣に添加し、そしてその混合物を室温で24時間撹拌した。30℃下での ロータリーエバポレーター内での溶媒の蒸発後に、その残渣を5.3mlの水の 懸濁させ、そしてpH値を1N NaOHの添加により8に調節した後に、その 混合物を5mlのジエチルエーテルで3回抽出した。先の表題生成物を含む水層 を分離し、そしてその生成物を以下の段階d)に従って回収および生成した。 d) 精製: 段階c)から得られる水溶液を、2gのDowex(商標) 1−X8(Cl- 形態)イオン交換樹脂(これは予め5mM HClで調節してある)を含むカ ラムにかけた。流速は0.4ml/分であった。このカラムを10mlの5mM HClで洗浄し、次いで、0.5ml/分の流速での5mM HCl中の0〜 600mMのLiClの直線濃度勾配液を適用した。 表題生成物を含む分画(複数)を回収し、そしてそれらを合わせ、そしてpH の値を1M LiClの添加により6.5に調節した。その後にこの溶液を、3 0℃下、ロータリーエバポレーター内で4mlの容積にまで濃縮した。この濃縮 された溶液を、4ml/分の流速での水での溶出および500μlの注入による 逆相HPCLカラム(μBonda pack(商標) C18、250×10mm、10μmの粒子サイズ)を用い るHPLCによって更に精製した。回収された分画を凍結乾燥させて、リチウム 塩としての表題生成物25mgを取得した。この生成物を、実施例4の段階d) の最終部分に記載されるのと同一の方法に従うことにより実質的に定量的な収率 で表題の遊離酸化合物に変換させた。 Hewlett−Packerd 5989A装置で記録されたMS−スペク トルは、表題化合物の[M−1]-イオンに相当するm/z 653での分子イ オンを示す。 実施例6 ジ−(5−フルオロウラシル−2’−デオキシ−D−リボシド)−5’,5’ −P1,P2−ピロリン酸の製造 a) 5−フルオロウラシル−2’−デオキシ−D−リボシド−5’−一リン酸 の活性化 : 100mg(0.27mモル)の5−フルオロウラシル−2’−デオキシ−D −リボシド−5’−一リン酸のナトリウム塩を、実施例4、段階a)に記載され るのと同一方法に従って活性化させた。 b) 5−フルオロウラシル−2’−デオキシ−D−リボシド−5’−一リン酸 のトリ−n−オクチルアンモニウム塩 : 100mg(0.27mモル)の5−フルオロウラシル−2’−デオキシ−D −リボシド−5’−一リン酸のナトリウム塩を、実施例4、段階b)に記載され るのと同一の方法に従うことにより対応するトリ−n−オクチルアンモニウム塩 に変換させ、そしてその生成物を以下の段階c)においてそのまま用いた。 c) 反応: 段階a)の活性化させた5−フルオロウラシル−2’−デオキシ−D−リボシ ド−5’−一リン酸のナトリウム塩を1mlの無水ピリジン中に溶解させ、そし てその溶液を段階b)の5−フルオロウラシル−2’−デオキシ−D−リボシド −5’−一リン酸のトリ−n−オクチルアンモニウム塩に、0.2mlのヘキサ メチルホスホトリアミドと共に添加した。減圧乾固後に、0.2mlの無水ピリ ジンをその残渣に添加し、そしてその混合物を室温で24時間撹拌した。30℃ 下でのロータリーエバポレーター内での溶媒の蒸発後、その残渣を6mlの水中 に懸濁させ、そしてpH値を1N NaOHの添加により8に調節した後、その 混合物を6mlのジエチルエーテルで3回抽出した。先の表題生成物を含む水層 を分離し、そしてその生成物を以下の段階d)に従って回収および精製した。 d) 精製: 段階c)から得られる水溶液を、2gのDowex(商標) 1−X8(Cl- 形態)イオン交換樹脂(これは予め5mM HClで調節してある)を含むカ ラムにかけた。流速は0.4ml/分であった。このカラムを10mlの5mM HClで洗浄し、次いで、0.4ml/分の流速での5mM HCl中の0〜 600mMのLiClの直線濃度勾配液を適用した。 先の表題生成物を含む分画(複数)を回収し、そしてそれらを合わせ、そして pHの値を1M LiClの添加により6.5に調節した。その後にこの溶液を 、30℃下、ロータリーエバポレーター内で2mlの容積にまで濃縮し、その後 にこの化合物を氷上で二倍量のエタノール:アセトン 1:4(v/v)の混合 物を添加することにより沈殿させた。 この沈殿させた化合物を最終的にはアセトンおよびエーテルで洗浄し、そして緩 和な窒素気流下で乾燥させて、先の表題化合物のリチウム塩を取得し、これを実 施例3の段階d)の最終部分に記載されるのと同一方法に従うことにより遊離酸 に転化させた。 収率は30%であった。 Hewlett−Packerd 5989A装置で記録されたMS−スペク トルは、表題化合物の[M−1]-イオンに相当するm/z 633での分子イ オンを示す。 リン酸緩衝液(pH4.9)、水中の40%(v/v)メタノール中での紫外 線吸収スペクトルは269nmに最大吸収を示す。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1996年9月30日 【補正内容】 生物学的活性分子を被包化するための赤血球膜の化学的改変は、標的細胞にそ の被包化分子を生物学的活性形態で送達するための有力な手段である。例えば: − De Flora A. et al. ”Engineered er ythrocytes as carrires and bioreacto rs”. The Year in Immunology、Basel、Ka rger、(1993)、Vol.7、168−174. − Tonetti M. et al. ”Liver targetin g of autologous erythrocytes loaded with doxorubicin”. Eur.J.Cancer、(199 1)、Vol.27、No.7、947−948. − Zocchi E. et al. ”Human and murin e erythrocytes as bioreactors releas ing the antineoplastic drug 5−fluoro −2’−deoxyuridine”. Advances in Biosc iences、(1991)、Vol.81、Pergamon Press plc. 51−57. − De Flora A. et al. ”Conversion of encapsulated 5−fluoro−2’−deoxyuridi ne−5’−monophosphate to the antineopl astic drug 5−fluoro−2’−deoxyuridine in human erythro cytes”. Proc.Natl.Acad.Sci.USA、(1988 )、Vol. 85、3145−3149. −De Flora A. et al. ”The techno ersatile tool for diagnosis and ther apy”. Biothechnology in Diagonostics 、 Elsevier Science Publishers B.V.、( 1985)、223−236. を参照されたい。 当該技術分野の更に別の文献が上述の論文および刊行物に引用されている。 以下の記述および請求の範囲では、化学名と一般的に用いられる頭辞語との間 の対応関係は、以下に記載される要領で維持されるであろう: チミン−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド(AZT)、 アデニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド(DDA)、 5−フルオロウラシル−2’−デオキシ−D−リボシド(FDU)、 シトシン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド(DDC)、 ウラシル−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド(AZDDU )、 ヒポキサンチン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド(DDI)、および グアニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド(DDG)。 生物学的に活性な物質、具体的にはリン酸化された化合物の、形質転 換させた赤血球内への被包化の方法、およびそれらの使用のための組成物、なら びに動物に由来する細胞、特に赤血球を誘導化させて他の細胞を探索し出し、か つその細胞と融合させるための方法が特許刊行物に既に開示されており、それら は:国際公開第92/22306号、米国特許第4,931,276号、米国特 許第4,652,449号、および欧州特許出願公開第298280号、である 。 国際公開第91/00867号により、生物学的活性(これには、抗ウイルス 活性が含まれる)を有する5’−ジホスホヘキソースヌクレオシドが開示されて いる。 本記述および請求の範囲では「非天然のヌクレオシドの5’−C’残基」の表 現は、ペントース部分の位置5’内のヒドロキシ基の除去により非天然のヌクレ オシドから得られる残基と同一である。 表現「記号Xは各々独立に、酸素もしくは硫黄を表す」は、記号Xの各々が他 のものによって仮定される意味とは無関係に酸素もしくは硫黄を表すことがある ことを意味する 本発明の代表的態様では既述の反応経路は本質的にはA.M.Michels onにより記載される条件下で実施され、これはすなわち式(II)のヌクレオ シドリン酸もしくはそれらの塩(例えば、ナトリウム、リチウム、もしくはバリ ウム塩)を最初に、ヒンダード第三級アミン塩基(例えば、トリ−n−ブチルア ミンもしくはトリ−n−オクチルアミン)、あるいはヒンダード第四級アンモニ ウム塩基(例えば、水酸化メチル−トリ−n−オクチルアンモニウム)を有する 対応の塩に変換させることである。この変換作業は通常は、ピリジニウム形態を とるイオン交換(強カチオン性)樹脂を通すリン酸ヌクレオシドもしくはそれら の塩(好ましくはナトリウム塩)の溶離によるピリジニウム塩の中間体形成を介 して実施される。この段階は主に、ナトリウムもしくは他の鉱物質カチオンを除 去する目的を有する。その後にピリジニウム塩を等モル量のヒンダード第三級ア ミン塩基を含むメタノール溶液と共にインキュベートし、そしてその後に減圧乾 燥させてヒンダード第三級アミン塩基を有するその塩を取得する。その後に式( II)のヌクレオシドリン酸の塩を過剰量(リン酸ヌクレオシドのモル当たり1 .5〜2.5モル)の活性化剤(例えば、クロロリン酸ジエチルもしくはピロリ ン酸テトラフェニル)と、反応物(例えば、第三級脂肪族アミン(例えば、トリ −n−ブチルアミン)もしくは第三級複素環式アミン(例えば、N−メチルピペ リジン、N−メチルピロリジン)を妨害することがない、過剰量の酸受容体(活 性化剤のモル当たり1.2〜2モル)の存在下で接触させる。この活性化反応は 一般的には室温下および無水条件下で、溶媒として不活性非プロトン性有機溶媒 (例えば、環式エーテル(例えば、ジオキサン)もしくはそれらの混合物)を利 用することにより実施される。 請求の範囲 1. 式(I): [式中、 記号AおよびBは各々独立に、 チミン−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 5−フルオロウラシル−2’−デオキシ−D−リボシド、 ウラシル−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 グアニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 ヒポキサンチン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 シトシン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、および アデニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 から選択される非天然のヌクレオシドの5’−C’残基を表し; 記号Xは各々独立に酸素もしくは硫黄を表し; 記号RおよびR1は各々独立に、水素もしくは1〜10の炭素原子のアルキル 基を表し、このアルキル基は場合によっては、不飽和結合、および/または、ヒ ドロキシ、メルカプト、クロロ、ヨード、フルオロ、ブロモ、アミノ、(C1− C4)アルキルアミノ、ジ−(C1−C4)アルキルアミノ、(C1−C4)アルコ キシ、および(C1−C4)アルキルチオから選択される一つもしくは二つの置換 基を含むことがある] のジヌクレオシド−5’,5’−P1,P2−ピロリン酸、 ならびに式(I)[式中、Rおよび/またはR1は生物学的に許容されるカチオ ンを提供する塩基を有する水素を表す]の化合物の付加塩。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI A61K 39/44 9455−4C A61K 39/44 47/06 7433−4C 47/06 B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CN,C Z,EE,FI,GE,HU,IS,JP,KG,KP ,KR,KZ,LK,LR,LT,LV,MD,MG, MN,MX,NO,NZ,PL,RO,RU,SG,S I,SK,TJ,TM,TT,UA,UG,US,UZ ,VN (72)発明者 ジヨビネ, マルコ イタリア・アイ−17024フイナレリグレ・ ビアオツドーネ パスカレ4/2

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 式(I): [式中、 記号AおよびBは各々独立に、 チミン−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 5−フルオロウラシル−2’−デオキシ−D−リボシド、 ウラシル−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 グアニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 ヒポキサンチン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 シトシン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、および アデニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 から選択される非天然のヌクレオシドの5’−C’残基を表し; 記号Xは各々独立に酸素もしくは硫黄を表し; 記号RおよびR1は各々独立に、水素もしくは1〜10の炭素原子のアルキル 基を表す] のジヌクレオシド−5’,5’−P1,P2−ピロリン酸、 ならびに式(I)[式中、Rおよび/またはR1は生物学的に許容されるカチオ ンを提供する塩基を有する水素を表す]の化合物の付加塩。 2. 記号Aが: チミン−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 5−フルオロウラシル−2’−デオキシ−D−リボシド、 ヒポキサンチン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 アデニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 シトシン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 ウラシル−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、および グアニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 から選択される非天然のヌクレオシドの5’−C’残基を表し; 記号Bが: チミン−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 アデニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 5−フルオロウラシル−2’−デオキシ−D−リボシド、 シトシン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 ヒポキサンチン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 ウラシル−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、および グアニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 から選択される非天然のヌクレオシドの5’−C’残基を表し; 記号Xの内の一つもしくは二つが、二重結合を通してリン原子(一つも しくは複数)に直接連結されかつ部分XRおよびXR1が酸素もしくは硫黄を表 すものから選択され、そして他の記号Xの各々が酸素を表し; 記号RおよびR1の各々は独立に、水素原子もしくは1〜4の 炭素原子のアルキル残基を表す] 請求の範囲1のジヌクレオシド、 ならびに、式中、Rおよび/またはR1が生物学的に許容されるカチオン、好ま しくはナトリウムおよびカリウムカチオンを提供する塩基を有する水素を表す、 化合物の付加塩。 3. 記号全Xが酸素を表し、RおよびR1の両方が水素を表す請求の範囲2 に記載の化合物、ならびに生物学的に許容されるカチオン、好ましくはNa+も しくはK+を有するそれらの塩。 4. 記号AおよびBの各々が以下の組み合わせ: 1) A:チミン−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド B:チミン−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド 2) A:5−フルオロウラシル−2’−デオキシ−D−リボシド B:アデニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド 3) A:5−フルオロウラシル−2’−デオキシ−D−リボシド B:5−フルオロウラシル−2’−デオキシ−D−リボシド 4) A:5−フルオロウラシル−2’−デオキシ−D−リボシド B:シトシン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド 5) A:5−フルオロウラシル−2’−デオキシ−D−リボシド B:チミン−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド 6) A:5−フルオロウラシル−2’−デオキシ−D−リボシド B:ヒポキサンチン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド 7) A:チミン−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド B:ヒポキサンチン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド 8) A:チミン−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド B:シトシン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド 9) A:チミン−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド B:アデニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド 10) A:アデニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド B:アデニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド 11) A:ヒポキサンチン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド B:アデニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド 12) A:ヒポキサンチン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド B:ヒポキサンチン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド 13) A:ヒポキサンチン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド B:シトシン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド 14) A:シトシン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド B:シトシン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド 15) A:アデニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド B:シトシン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド 16) A:ウラシル−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド B:ウラシル−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D− リボシド 17) A:グアニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド B:グアニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド 18) A:チミン−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド B:ウラシル−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド 19) A:ウラシル−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド B:ヒポキサンチン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド 20) A:チミン−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド B:グアニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド ならびに 21) A:ウラシル−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド B:グアニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 における非天然のヌクレオシドの5’−C’残基を表し、 記号Xの各々が酸素を表し; 記号RおよびR1の各々が水素を表す; 請求の範囲2の化合物、 ならびに生物学的に許容されるカチオン、好ましくはナトリウムもしくはカリウ ムカチオンを提供する塩基を有するそれらの付加塩。 5. i) Aが、チミン−3’−アジド−2’,3’−ジデオキ シ−D−リボシドである非天然のヌクレオシドの5’−C’残基を表し、 そして Bが、ヒポキサンチン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシ ドである非天然のヌクレオシドの5’−C’残基を表すか; あるいは ii) 記号AおよびBの各々が、チミン−3'−アジド−2',3’− ジデオキシ−D−リボシドである非天然のヌクレオシドの5’−C’残基を表す か; あるいは iii)Aが、5−フルオロウラシル−2’−デオキシ−D−リボシド である非天然のヌクレオシドの5’−C’残基を表し、 そして Bが、チミン−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D− リボシドである非天然のヌクレオシドの5’−C’残基を表すか; あるいは iv) 記号AおよびBの各々が、5−フルオロウラシル−2’−デオ キシ−D−リボシドである非天然のヌクレオシドの5’−C’残基を表し; 記号Xの各々が酸素を表し; 記号RおよびR1の各々が水素を表す; 請求の範囲4の化合物、 ならびにそれらのナトリウムおよびカリウム塩。 6. 記号AおよびBが、チミン−3’−アジド−2’,3’−ジデ オキシ−D−リボシドである非天然のヌクレオシドの5’−C’残基を表し; 記号Xの各々が酸素を表し; 記号RおよびR1の各々が水素を表す; 請求の範囲5の化合物、 ならびにそれらのナトリウムおよびカリウム塩。 7. 医療薬としての使用のための、請求の範囲1〜6の内のいずれかの化合 物。 8. 記号AおよびBの内の少なくとも一つが: チミン−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 ウラシル−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 グアニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 ヒポキサンチン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 シトシン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、および アデニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 から選択される非天然のヌクレオシドの5’−C’残基を表す、 抗ウイルス剤、具体的にはレトロウイルス(例えば、ネコおよびマウスの免疫不 全症ウイルス感染、ならびにHIV感染)に対するものとしての使用のための、 請求の範囲1〜4の内のいずれかの化合物。 9. 抗ウイルス剤、具体的にはレトロウイルス感染(例えば、ネコおよびマ ウスの免疫不全症ウイルス感染、ならびにHIV感染)に対するものとしての使 用のための、請求の範囲6の化合物。 10. 記号AおよびBの内の少なくとも一つが、5−フルオロウラシル−2’ −デオキシ−D−リボシドである非天然のヌクレオシドの5’ −C’残基を表す、抗腫瘍剤としての使用のための、請求の範囲1〜4の内のい ずれか一つの化合物。 11. 抗−HIV剤の製造のための、請求の範囲5の項目i)、ii)、および iii)の化合物の内のいずれかの使用。 12. 抗−HIV剤の製造のための、請求の範囲6の化合物の使用。 13. 抗腫瘍剤の製造のための、請求の範囲5の項目iii)およびiv)の 化合物の内のいずれかの使用。 14. 式(I): [式中: 記号AおよびBは各々独立に、 チミン−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 5−フルオロウラシル−2’−デオキシ−D−リボシド、 ウラシル−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 グアニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 ヒポキサンチン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 シトシン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、および アデニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 から選択される非天然のヌクレオシドの5’−C’残基を表し; 記号Xは各々独立に酸素もしくは硫黄を表し; 記号RおよびR1は各々独立に水素、もしくは1〜10の炭素原子の アルキル基を表す] のジヌクレオシド−5’,5’−P1,P2−ピロリン酸、 および式(I)[式中、Rおよび/またはR1が生物学的に許容されるカチオン を提供する塩基を有する水素を表す]の化合物の付加塩を含む薬剤学的組成物。 15. 腫瘍および/またはウイルス感染に対する治療薬の製造のための、請求 の範囲1〜6の内のいずれかの化合物であって、前記化合物が生物学的担体内に 被包化されることを特徴とする化合物の使用。 16. 生物学的担体が形質転換された赤血球である、請求の範囲15に記載の 使用。 17. 式(I): [式中: 記号AおよびBの各々は独立に、 チミン−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 5−フルオロウラシル−2’−デオキシ−D−リボシド、 ウラシル−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 グアニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 ヒポキサンチン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 シトシン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、および アデニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 から選択される非天然のヌクレオシドの5’−C’残基を表し; 記号Xは各々独立に酸素もしくは硫黄を表し; 記号RおよびR1は各々独立に水素、もしくは1〜10の炭素原子のアルキル 基を表す] のジヌクレオシド−5’,5’−P1,P2−ピロリン酸 ならびに式(I)[式中、Rおよび/またはR1が生物学的に許容されるカチオ ンを提供する塩基を有する水素を表す]の化合物の付加塩を含む形質転換された 赤血球を含む組成物。 18. 式(I): [式中: 記号AおよびBの各々は独立に、 チミン−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 5−フルオロウラシル−2’−デオキシ−D−リボシド、 ウラシル−3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 グアニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 ヒポキサンチン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 シトシン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、および アデニン−2’,3’−ジデオキシ−D−リボシド、 から選択される非天然のヌクレオシドの5’−C’残基を表し; 記号Xは各々独立に酸素もしくは硫黄を表し; 記号RおよびR1は各々独立に水素、もしくは1〜10の炭素原子のアルキル 基を表す] のジヌクレオシド−5’,5’−P1,P2−ピロリン酸、 ならびに式(I)[式中、Rおよび/またはR1が生物学的に許容されるカチオ ンを提供する塩基を有する水素を表す]の化合物の付加塩を製造するための方法 であって、式(II): [式中、A、X、およびRは先と同一の意味を有する]のヌクレオシドリン酸の XH基を活性化させて活性化されたホスホ−エステルを形成させ、そしてそのよ うな活性化ホスホ−エステルをヒンダード第三級アミン塩基を有する式(III ): [式中、B、X、およびR1は先と同一の意味を有する]のヌクレオシドリン酸 の塩と反応させることを含む、上記方法。 19. 式(II)のリン酸ヌクレオシドのXH基がピロリン酸テトラフェニル もしくはクロロリン酸ジフェニルとの反応により活性化される、請求の範囲18 に記載の方法。 20. ヒンダード第三級アミン塩基を有する式(III)のヌクレオ シドリン酸の塩が、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、もし くは水酸化メチル−トリ−n−オクチルアンモニウムを有する塩である、請求の 範囲18および19の内のいずれかに記載の方法。 21. 式(II)の活性化されたヌクレオシドリン酸と、ヒンダード第三級ア ミンを有する式(III)のリン酸ヌクレオシドの塩との間の反応が、それらの 反応物、好ましくは第三級脂肪族アミンもしくは第三級複素環式アミンを妨害す ることがない、余剰の酸受容体の存在下で実施される、請求の範囲18、19、 および20の内のいずれかに記載の方法。 22. 式(II)の活性化されたヌクレオシドリン酸と、式(III)のヌク レオシドリン酸の塩との間の反応が、室温下、不活性有機溶媒、好ましくはジオ キサンの存在下、場合によっては高溶解度の別の溶媒、好ましくはジメチルホル ムアミドの存在下で実施される、請求の範囲18、19、20、および21の内 のいずれかに記載の方法。 23. 請求の範囲1〜6の内のいずれかのジヌクレオシド−5’−5’−P1 ,P2−ピロリン酸を赤血球内に被包化し、その赤血球が:(i)溶血用緩衝液 中で透析され、(ii)同一の透析条件下でジヌクレオシド−5’−5’−P1 ,P2−ピロリン酸と接触され、(iii)前記溶解物に関して高張であるリン 酸−食塩水緩衝液に対して透析することにより再密封され、そして(iv)その 再密封された赤血球を徹底的に洗浄すること、を特徴とする方法。 24. 請求の範囲1〜6の内のいずれかのジヌクレオシド−5’−5’−P1 ,P2−ピロリン酸を含む形質転換された赤血球であって、そのような形質転換 された赤血球の表面が、ヒトもしくは動物の病原性レトロ −ウイルスを宿す細胞により特異的に認識されることを目的に改変されることを 特徴とする上記赤血球の組成物。 25. ジヌクレオシド−5’−5’−P1,P2−ピロリン酸を含む赤血球が最 初に(i)表面もしくは貫膜蛋白質の可逆性菌株形成性作用物質で、次いで(i i)共有結合的連結用架橋形成剤で処理され、そして最後には(iii)自己血 漿中でインキュベートされてIgG分子と結合することを特徴とする、請求の範 囲24の組成物を調製する方法。
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