【発明の詳細な説明】
テレテキスト処理装置を有するビデオ信号処理装置
本発明は、テレテキスト処理装置を含んでいるビデオ信号を処理するための装
置であって、テレテキスト処理装置が、
受信されたビデオ信号からテレテキストデータを分離するための分離装置と、
テレテキストデータに含まれている文字を指示するためスクリーンに表示可能
な信号を発生するための信号発生装置と、
スクリーンに表示可能な文字が記憶されている不揮発性メモリと、
不揮発性メモリに含まれている文字をスクリーンに指示するため信号発生装置
に与える制御装置と
を有するビデオ信号処理装置に関する。
たとえばテレビジョン装置のような、テレテキスト処理装置を含んでいるビデ
オ信号を処理するための装置は公知である。テレテキストサービスの際には送信
器側で垂直帰線消去期間にディジタルデータが伝送される。受信器側ではテレテ
キストデータがテレテキストプロセッサにおいてスクリーンへの指示のために編
集される。送信器から伝送されたデータは予め定められた文字セットから成る文
字を含んでいる。表示すべき文字に対して通常ディジタル値が伝送される。受信
器側には、各表示可能な文字に対する画素情報を含んでいる不揮発性リードオン
リーメモリ(ROM)が設けられている。制御装置が、伝送されたディジタルデ
ータ値をROMに記憶されている表示可能な文字に対応付ける役割をする。表示
発生器が、スクリーンを駆動し得る信号を発生する役割をする。
たとえばラテン、アラビアまたはキリル文字は処理可能な数の文字を含んでい
るが、他の言語、たとえばアジアのいくつかの国の文字セットは数1000の文
字を含んでいる。標準的な中国の文字セットはたとえば7600以上の文字を含
んでおり、これは24×30画素の分解能の際に約5.5MBitのメモリ容量
を必要とすることになる。
ドイツ特許出願公開第 4142781A1号明細書には、テレビジョン画像に文字を挿
入するための装置(オン‐スクリーン‐ディスプレイ、OSD)が記載されてお
り、この装置においては、表示可能な文字セットのメモリ容量を減ずるため文字
がコード化されて記憶される。そのために文字が個々の列に分割され、その際に
各列のビット組み合わせがROMメモリに含まれている。別のROMメモリが文
字に対応付けられている列ベクトルのアドレスを含んでいる。このROMメモリ
はまたRAMメモリにより駆動され、このRAMメモリにはそれぞれ表示すべき
文字のアドレスが一時記憶される。
Valvo技術情報TI840827、1984年、第3〜4頁の文献、ワル
ンケ(Warnke,H.H.)ほかのSAA5350(EUROM)「スクリーンテキス
ト用のワンチップ‐ビデオテックス‐プロセッサ」には、プロセッサSAA53
50の原理的な構成が記載されている。これは文字セットに対する文字情報が走
査点データの形態で含まれている文字ROMを含んでいる。これらは文字属性と
結合され、32の12ビット文字のみを受け入れるカラーメモリに供給される。
このカラーメモリから情報がディジタル‐アナログ変換器を駆動するために走査
点速度で読出される。
本発明の課題は、テレテキスト処理装置を含んでいる冒頭に記載した装置を、
表示可能な文字の文字セットに対するメモリ需要が可能なかぎりわずかであるよ
うに改良することである。さらにかかる装置の駆動方法を示すことにある。
この課題は、本発明によれば、不揮発性メモリに含まれている文字が冗長度減
少コーディングにより記憶されており、制御装置が、不揮発性メモリに含まれて
いる文字が読出しの際にデコードされるように構成されていることにより解決さ
れる。
このような装置を作動させるための方法は請求項9にあげられている。
本発明によるテレテキストプロセッサでは、表示可能な文字に対するメモリ需
要が冗長度減少コーディングの圧縮率だけ減ぜられる。デコーディングは文字セ
ットメモリからの個々の文字の読出しの際に行われるのが目的にかなっている。
このことはたとえばテレテキスト処理装置に含まれている相応にプログラムされ
たマイクロプロセッサ装置により実行することができる。また、文字セットメモ
リの出力側に接続されている相応のハードウェアにより伸長(decompre
ssion)規則を実行することも考えられよう。
本発明の好ましい実施態様では、付加的に、画素ごとにスクリーンに表示すべ
きテレテキストページが組み立てられる書込み可能なメモリが設けられている。
表示がフィールドごとに飛越し走査法で行われるならば像メモリに2つのフィー
ルドの画素が一時記憶される。像メモリがすべての表示すべきページの画素に分
解された情報を含んでいることは重要である。画素情報とならんで、たとえば背
景および前景カラーのような各文字に対する別の表示属性も記憶され得る。この
ことは、表示すべきスクリーンページが一回だけ組み立てられ、また次いでフィ
ールド再生周波数により繰り返されてメモリから読出されるという利点を有する
。伸長過程はその際にこの記憶されるページの組み立ての間に一回だけ実行すべ
きである。表示すべき文字の伸長はその際にさらに、一時メモリなしの場合より
も時間臨界性が少ない。それはたとえば、既に他の目的でテレテキストプロセッ
サに含まれているマイクロプロセッサコアにより実行され得る。これはそのため
に相応のソフトウェアによりプログラムされる。一時メモリ内でページを組み立
てるための処理速度は一般にマイクロプロセッサコアにより、観察者にとって像
構成の際の遅れが認識され得ないように迅速に実行され得る。
情報のコーディングおよびデコーディングのためには多数の方法が知られてい
る。原理的には本発明による装置においてはあらゆる伸長方法が実行され得る。
原理的にはあらゆる文字セット、たとえばラテン文字、アラビア文字、たとえば
効果表現(フレーム、アンダーライン、オペレーション命令文字)などのための
特殊文字が圧縮されて記憶され得る。しかし、本発明の有利な構成ではテレテキ
スト処理装置は、文字の圧縮された記憶、および相応にそれらの伸長するデコー
ディングが文字、特に漢字に適応されているように構成されている。そのために
各文字は複数個の部分文字断片に分割される。多数の文字に等しい部分文字が使
用されることが判明している。これらはメモリに一回だけ記憶され、その際にポ
インタを介してそのメモリアドレスが指示される。文字を記憶するためには次い
で相応のポインタとそのつどの文字に特有の画素情報とが使用される。垂直方向
の文字間隔は空行により作ることができ、文字セットに記憶される必要はない。
これらの空文字が文字と一緒に一時メモリに書込まれることは目的にかなってい
る。この仕方で、すべての文字セットの記憶のために必要なメモリ容量が顕著に
減ぜられ得る。テレテキストプロセッサを単一の集積回路として集積することは
現在の製造技術により容易に可能である。
以下、図面により本発明および有利な実施例を一層詳細に説明する。
図1はテレテキストプロセッサを有するテレビジョン装置、
図2は種々の文字断片を有する文字、
図3は表示可能な文字を記憶するための不揮発性メモリのメモリ占有を示す。
本発明による装置はたとえば、図1に示されているように、テレビジョン受像
装置として構成され得る。テレビジョン装置はアンテナ101を介してテレビジ
ョン信号を受信する。同調器102において、設定された送信機の周波数帯が選
択され、中間周波数および復調段103において、設定された送信機に相応する
ビデオ信号が中間周波数に変換され、復調される。装置103の出力端には基礎
帯のビデオ信号FBASが存在している。像処理装置104においてビデオ信号
FBASから画像管106を駆動するためのカラーおよび明るさ信号が発生され
る。装置105においてビデオ信号FBASから画像管106の電子線を偏向さ
せるための水平および垂直パルスが発生される。装置107はテレテキスト信号
を処理するために用いられる。装置107にビデオ信号FBASがアナログ‐デ
ィジタル変換器110を介してディジタル化されて供給される。装置107は画
像管106を駆動するための出力信号RGBを発生する。
テレテキスト処理装置107はビデオ信号FBASの入力端に取得装置112
を有する。取得装置112により、ビデオ信号に含まれているテレテキストデー
タが分離され、一時記憶および爾後処理のために装置107で相応に前処理され
る。制御装置111はテレテキストプロセッサ107における進行およびデータ
制御の役割をする。制御装置111がソフトウェアにより制御されるマイクロプ
ロセッサコアであることは目的にかなっている。プログラム制御およびデータ一
時記憶のために装置107は(図示されていない)作業用メモリを有する。出力
側にテレテキストプロセッサ107は表示すべきテレテキスト情報に関係してR
GB信号を発生するための装置113を含んでいる。
スクリーンに表示可能な文字セットは不揮発性メモリ115に記憶されている
。
制御装置111の指令により、メモリ115から用意された表示すべきテレテキ
ストデータに対する画素情報が表示発生器113に供給される。本発明によれば
、メモリ115に含まれている文字は符号化されて記憶されており、その際に記
憶すべきデータ量は圧縮されている。そのために冗長度を減ずる符号化が使用さ
れる。メモリ115からの文字の読出しの際には、記憶された文字情報がデコー
ドされ、またその際に伸長される。スクリーンに表示すべきテレテキストページ
は書込み可能な揮発性メモリ114(RAM)で組み立てられる。各文字に対し
て、表示発生器113によるRGB信号の発生のために必要な画素情報ならびに
文字属性、たとえば前景および背景色、点滅などが含まれている。その際に画素
情報はスクリーンに表示すべき文字の相対的配置に対して互いに正しい位置でメ
モリ114に記憶されている。表示発生器113から、表示メモリ114に記憶
された情報が連続的にRGB信号を発生するために読出される。メモリ114内
の正しい位置での配置は、表示情報のその後の順序変更を行う必要をなくすのに
役立つ。従って、ページに対する画素情報は一回だけ組み立てられ、次いで多数
回相前後して読出され得る。表示メモリ114は2つのフィールドの情報を含ん
でいる。表示メモリ114はスクリーンに表示すべきテレテキストページに対す
る画素情報を含んでいる。それはたとえば通常のテレテキスト規格に相応して2
5の行を含んでおり、それらの各々が40の文字を含んでいる。テレテキストペ
ージがスクリーンへの指示の前に表示メモリ114で先ず組み立てられることに
より、制御装置111による文字伸長に対して十分な時間が残されている。表示
メモリ114は情報変化の際にのみ新たに書込まれればよい。表示すべきページ
の部分の変更の際には、この部分のみが更新されればよい。デコーディングのた
めの費用は最小である。従って、伸長方法はソフトウェアでプログラムされ、通
常のマイクロプロセッサコア111により実行され得る。データ圧縮に基づいて
、メモリ115に記憶すべきデータ量は各文字に対して相異なる大きさである。
ソフトウェア実現の際には文字のメモリアドレスはたとえばルックアップテーブ
ルの形態で簡単な仕方で実現され得る。現在この仕方で処理可能なデータ量では
一人の観察者にとって像構成の際の遅れ時間は認識可能でない。
データ圧縮のためには原理的に一連の公知の圧縮規則(および相応の伸長規則
)
が応用され得る。しかし、たとえばハフマン符号化、ランレングス符号化または
算術的符号化のような通常の規則は、データ圧縮もデータ伸長も可能なかぎり短
い時間のうちに実行するように最適化されている。しかし、本発明の場合には、
受信器側ではデータ圧縮が必要でない。文字セットメモリ115内の後記のデー
タ構造は文字の迅速なデータ伸長のために特に適している。
標準的な漢字の文字セットGB5007はそれぞれ24×30画素の分解能で
表示されるべき7,632の文字を含んでいる。これは約5.5MBitの情報
量である。このような文字の空間的分割が図2に示されている。最初の3つの画
素行0、1、2および最後の3つの画素行27、28、29は空行である。従っ
て、これらは記憶される必要はなく、制御装置111において表示すべきテレテ
キストページを画素ごとに組み立てる際に表示メモリ114に挿入される。1つ
の文字の幅は24画素である。1つの文字のその他の部分は18の好ましくは等
しい大きさの文字断片40…57に分割されている。文字断片はその場合に4×
8画素の大きさを有する。これらの文字断片の多くは種々の文字に含まれている
ことが明らかになっている。これらの文字断片の他のものはそのつどの文字に特
有である。
この文字の文字断片への分割によりデータは図3によるメモリ114に下記の
ように格納され得る。このメモリは各1つの文字120、121に属する個別の
データが記憶されている第1のメモリ範囲119を含んでいる。他のメモリ範囲
118には、種々の文字に共通な文字断片、いわゆる一般的な文字断片125、
126、127、が記憶されている。個別的な文字情報120、121の記憶の
際には、それぞれ文字に含まれている一般的な文字断片125…127のメモリ
アドレスを指し示す相応のポインタが設けられている。メモリからの読出しの際
には文字に属するデータが画素情報を形成するべく組み立てられる。
文字120、121に対応付けられているデータの1つの例としての編成が図
3の右側部分に示されている。文字を記述するこのようなデータセットはヘッダ
ーライン130を含んでおり、そに各文字断片40…57に対してビットが設け
られている。このビットにより、それに対応付けられている文字断片がメモリブ
ロック118に記憶されている一般的な文字断片であるかどうか、またはそのつ
どの文字断片が文字データセット120、121に直接的に記憶されているかど
うかが決定される。ヘッダーライン130は、従って18ビットを含んでいる。
文字データセットはさらに、ヘッダーライン130に相応して指示される一般的
な文字断片に対して、メモリ範囲118のなかの一般的な文字のメモリアドレス
を指し示すそれぞれポインタを含んでいる。いまの場合には、一般的な文字断片
125、126、127のそのつどのメモリアドレスを指し示す3つのポインタ
131、132、133が存在している。ポインタの順序は文字のなかの相応の
一般的な文字断片の生起のそのつどの順序に一致している。ポインタの最後のも
のに続いて次いで、一般的な文字断片として存在しておらずに、各々の個々の文
字に対して個別に記憶されなければならない文字断片134、135に対する画
素データが記憶されている。
制御装置111によりメモリ115からの文字の読出しのために先ずヘッダー
ラインが評価される。これは、文字断片40…57に対して記憶されている画素
データがこのデータセットに続いて含まれているかどうか、またはポインタを介
して指し示されるメモリの分離された範囲118に記憶されている一般的な文字
断片が存在しているかどうかを示す。文字に対する別の読出し過程の際には一般
的な文字断片がポインタに従って読出される。続いて、文字に対して個別的な文
字断片が読出される。表示メモリ114において次いで文字が組み立てられる。
ポインタ長さを可能なかぎりわずかに保つため、またそれによってメモリ場所
需要をさらに減じるため、一般的な文字断片に通し番号を付けることは目的にか
なっている。その場合、ポインタ131、132、133は一般的な文字断片の
そのつどの番号を含んでいる。制御装置111によりこの番号が相応のメモリア
ドレスに変換される。このことは、たとえば、そのつどのメモリアドレスを計算
するために、一般的な文字断片の番号とメモリ場所の大きさとを乗算し、また開
始アドレスを加算すれば、十分であるように、一般的な文字断片が固定的に予め
定められたメモリ場所の大きさを占めることにより行われ得る。他方では、変換
はルックアップテーブルを介して実行され得よう。
上記の冗長度を減じられたコーディングにより記憶された文字120、121
は異なったメモリ場所需要を有する。個々の文字のアドレス指定は制御装置11
1で相応のプログラミングにより、たとえばルックアップテーブルの形態で顧慮
され得る。他方では、メモリアクセスはメモリアドレス指定の際に相応のハード
ウェアにより支援された実現により達成され得よう。ルックアップテーブルに各
文字のアドレスが記憶されていてもよいし、文字のただ1つの特定の選択、たと
えば各8番目の文字が記憶されていてもよい。後者の場合には、続いて記憶され
る各文字の少なくともヘッダーラインの評価のもとに読出すべき文字に達し得る
ように、テーブルを介して、読出すべき文字に先行する文字がアクセスされなけ
ればならない。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
H04N 7/035