JPH10502273A - ステント及び治療用送り込みシステム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 隣接する正常な壁部分(24、25)の間の不整の壁部分又は問題の壁部分(23)によって形成された患者の管(20)の壁の不整部分を処置するための装置及び方法は、管(20)を通じて不整部分の箇所に誘導される、遠位端部分(34)を備えたカテーテル(30)を有する。カテーテルの遠位端部分に組付けられ、選択的に膨張して管(20)の壁に接触するバルーン(35)は、縮小した状態でカテーテル(30)の遠位端部分によって管(30)を通って運ばれるステント(36)を付勢して、拡張状態にさせる。ステント(36)は、問題の壁部分を広げて、隣接する壁部分に接触する。カテーテルはルーメン(37、38)を有し、このルーメンは、バルーンを膨張させるためのルーメン、カテーテルを管(30)を通じて誘導するためのガイドワイヤ(31)を受け入れるためのルーメン(37、38)、カテーテルの問題の壁部分の近くに設けられたポート(42)を接続して治療薬を管(30)の中に送り込んでステントおよび不整壁部分に接触させるルーメンを有する。

Description

【発明の詳細な説明】 ステント及び治療用送り込みシステム この発明は、一般的に、皮膚を通じて（経皮）の治療に関し、より詳しくは、 ステント及び治療薬の経皮を通じたルーメンでの送り込み方法及びシステムに関 する。 医師は、時々、医療ガイドワイヤおよびカテーテルを組合わせて使用する。医 療ガイドワイヤは、血管、チューブ、ダクト、通路など（以下、これらを総称し て「管」という）のような身体の狭い通路の中を誘導する器具である。医師は、 身体の外の近位端の操縦機構を操作することによってガイドワイヤの遠位端の位 置および移動を制御する。他の適用例としては、医師は、腹腔鏡又は内視鏡を介 してカテーテルを誘導する。医療カテーテルは、一般的に、造影剤、塞栓症剤、 薬剤のような流体を身体の管の中に出し入れする中空の可撓性チューブからなる 。 典型的には、ルーメンを通じての処置では、医師が医療ガイドワイヤを患者の 身体内の管の中に挿入して差し向ける。医師は、透視装置又は他の既知の装置に よってガイドワイヤの進行を監視する。所望の領域の近くに位置したら、ガイド ワイヤから操縦機構を外して、このガイドワイヤに沿って管の中に医療カテーテ ルを挿入する。 これらのカテーテルは、ときどき、別の治療法を行うために、特定のアタッチ メントを含む。例えば、次の文献は、治療薬の投与およびバルーン治療を行うた めのアタッチメントを備えたカテーテルを開示する。 米国特許第 4,824,436（1989）Wolinsky 米国特許第 4,832,688（1989）Sagae等 米国特許第 5,254,089（1993）Wang 米国特許第 5,405,322（1993）Lennox等 治療薬およびバルーン送り込みシステムは或る基準に適合してなければならな い。すなわち、カテーテルの断面寸法は、流体の流れがバルーンを選択的に膨張 収縮させることができ、ガイドワイヤがその中を通ることができ、カテーテルを 通じた送り込みのために治療薬がその中を通過することのできる十分な寸法を有 しつつ、身体内の管を通過できるように最小に抑えられなければならない。カテ ーテルは、また、身体内の管を通過するのに十分な可撓性を有しながらルーメン の潰れを防止するのに十分な内部剛性を有していなければならない。 次の文献は、ステント送り込みシステムを開示する。 米国特許第 4,690,684（1987）McGreevy等 米国特許第 4,922,905（1990）Strecker 米国特許第 4,950,227（1990）Savin等 米国特許第 5,059,211（1991）Stack等 米国特許第 5,108,416（1992）Ryan等 米国特許第 5,158,548（1992）Lau等 米国特許第 5,234,457（1993）Anderson 米国特許第 5,242,399（1993）Lau等 ステント送り込みシステムは、一般的に、縮小した「ステント」を送り込んで 拡張させるために選択的に膨張可能な器具、又は、自己膨張するステントがその 拡張した形態を確かなものさせるために取り外すことのできる拘束具を備えたカ テーテルを含む。ステントは、既知であり且つ様々な形態及び用途を有する。例 えば、ステントは、経皮の血管形成において、人工器官および移植キャリヤとし て働く。本件発明が関連するエンドプロセシス(endoprothesis)及び移植キャリ ヤとして使用されるステントは、通常、身体の「管」を包囲する組織への埋め込 みのために半径方向に拡張可能な筒状の構造体を有し、「管」の開通性を維持す る。既知のように、このようなステントは、身体の導管、血管、ダクト、他の身 体の通路において用いられる。この用語「管」は、このような通路の全てを含む 意味である。 先に述べた治療薬およびバルーン治療システムと同様に、ステント送り込みシ ステムは、幾つかの重要な基準に一致していなければならない。第一に、このス テント送り込みシステムの横断寸法を最小にすることが重要であり、ステントは 、例えばカテーテルのような送り込み器具に対して圧縮できなければならない。 第 二に、送り込みシステムは、身体内の管の中に位置決めされたらステントの展開 が簡単でなければならない。第三に、ステント送り込みシステムは、ステントを 展開した後に、ステントから簡単に離脱しなければならない。第四に、ステント 送り込みシステムを身体から取り出すための処置は、真っ直ぐに進めるものでな ければならない。第五に、ステント送り込みシステムの操作は信頼性がなければ ならない。 ステントを使った治療薬の投与が、ステントに関連した血栓症又は狭窄症の恐 れを減じることが分かった。脂肪組織から取り出した内皮細胞のような種細胞と 一緒に適用されるステントは、問題の領域の修復を加速することができる。同様 に、剥がれ又はバルーン血管形成に関連した他の管の損傷は、治療薬と一緒に用 いられる展開したステントによって減じることができる。 治療薬およびステント治療の両者が必要とされるときには、医師は、通常、(1 )ガイドワイヤを処置位置まで操縦し、(2)カテーテルをガイドワイヤに沿って誘 導し、(3)カテーテルを操作して、第１段階の処置を行い、(4)ガイドワイヤに交 換ガイドワイヤを挿入し、(5)カテーテルを引き抜き、(6)第２のカテーテルをガ イドワイヤに沿って誘導し、(7)第２のカテーテルを操作して、第２段階の処置 を行う。この後、医師は、もし既に取り除いていなければ、ガイドワイヤを引き 抜き、患者の身体からカテーテルを引き抜く。 ルーメンを通した経皮の処置は、ここ最近、改善されてきたが、挿入および引 き抜きが、各々、問題の領域に更なる損傷を与える恐れがあり、また、器具が通 過する問題の無い領域に損傷を与えて患者に損傷を与えてしまう恐れが未だにあ る。更に、更なる器具を次々と挿入および引き抜くことは、医師、スタッフ、医 療施設が要する時間を増大し、また、様々な器具のコストを増大する。かくして 、患者に挿入して引き抜くことが必要な器具の数を減じる方法および器具が望ま れる。 かくして、上述した文献は、一般的に、ルーメンを通しての経皮の処置におい て、バルーンカテーテルを使用する様々な形態の処置又は治療法を開示する。ス テント送り込みシステムと結合した幾つかは、ステントを展開するためのバルー ンを含んでおり、その一方で、他のものは、バルーン治療と治療薬送り込みシス テムとを一緒にしている。しかしながら、これら文献は、治療薬を送り込み、ま た、ステント治療を行うのに十分な大きさの断面および強さを提供しつつ、患者 の管の中での使用のために十分に小さい断面積と可撓性を有する送り込みシステ ムを開示するものではない。上述した文献は、結合したステント及び治療薬送り 込みシステムを提供することによって、ルーメンを通した経皮の処置の効率を改 善できる構成を提供するものではない。また、上述した文献は、閉塞した管の問 題の壁に沿って、このシステムによって展開されたステントの上流側に治療薬を 送り込んで、治療薬がステントおよび問題の壁に接触することのできるシステム 及び方法を開示するものではない。更に、これら文献は、システムを引き抜いた 後に連続した治療効果を提供するために、問題の領域及び／又はこのシステムに よって展開されたステントに結合する治療薬カプセルを送り込むシステムを開示 するものではない。 本発明の目的は、動脈瘤、狭窄症、破裂、血栓症、悪性及び良性の腫瘍及び増 殖(growth)および身体内の管の同様な不整を含む患者の管の不整部分での経皮ス テント及び治療薬処置の方法および装置を提供することにある。 本発明の他の目的は、ステント及び治療薬の治療処置のための十分なプラット フォームを提供しながら、患者の管の通過に適したステント及び治療薬送り込み システムを提供することにある。 本発明の更なる目的は、患者の管の問題の部分にステント及び治療薬を送り込 むのに必要な工程及び時間を減じる方法及び装置を提供することにある。 本発明の更なる目的は、製造及び使用に比較的簡単であり且つ高価でない、ス テント及び治療薬を管に送り込むための方法及び装置を提供することにある。 本発明の一つの局面によれば、管壁の不整部分を処置するための装置は、遠位 端に膨張可能なバルーンを備え、管を通じて不整部分に誘導されるカテーテルを 有する。このバルーンは膨張し、管の壁に接触して管を閉塞する。カテーテルに 設けられたポートは治療薬を送り込み、この治療薬は、拡張形態のステント手段 に接触する。 図１は、管の壁に剥がれがある不整部分を有する単一通路の管を示す。 図２は、処置法での第１段階で、図１の管の不整部分を処置するための、本発 明に従って作られた送り込みシステムの実施例を示す側面図である。 図３は、送り込みシステムの部分の図２の３−３線に沿った部分的に概略的に 且つ部分的に透視的に示す図である。 図４は、処置法の中間段階での図２の送り込みシステムを示す。 図５は、修復した管と、処置法の最終段階での管から取り外す前の図２の送り 込みシステムを示す。 図６は、図１の管の不整部分を処置するための、図２と同様の送り込みシステ ムの他の実施例を示す側面図である。 図７は、図６の送り込みシステムの部分の図６の７−７線に沿った部分的に概 略的に且つ部分的に透視的に示す図である。 図８は、処置法での第１段階での図６の実施例の側面図である。 図９は、処置法での中間段階での図６の実施例の側面図である。 図１０は、処置法での最終段階での図６の実施例の側面図である。 図１１は、図１の管の不整部分を処置するための処置法での第１段階での、図 ２及び図６と同様の本発明の送り込みシステムの他の実施例を示す。 図１２は、図１１の送り込みシステムの部分の図１１の１２−１２線に沿った 部分的に概略的に且つ部分的に透視的に示す図である。 図１３は、処置法での第１段階での図１１の実施例の側面図である。 図１４は、処置法での中間段階での図１１の実施例の側面図である。 図１５は、処置法での最終段階での図１１の実施例の側面図である。 図１６は、本発明の実施例で用いるためのカテーテルに取り付けられた他のバ ルーンの側面図である。 図１は、血管壁２２によって形成された、例えば動脈周囲の組織のような組織 ２１を通る単一通路の筒状血管２０を簡略化した形態で示す。図１及び他の同様 な図では血管壁が単一の均質層からなるように描いてあるが、実際の血管壁は多 層であることが分かるであろう。しかしながら、これら図面の簡略化した均質な 図示を参照することによって本発明を理解することができる。 図１は、本質的に正常な壁部分２４と２５との間に位置する血管壁２２の問題 の又は不整な壁部分２３での血管２０の壁における不整又は異常を示す。このケ ースでは、不整壁部分２３は、正常な壁２２において壁の弱り及び／又は引張り が原因で成長するフラップ２３’を含む。このようなフラップ２３’は、しばし ば、自然に生じ又はバルーン血管形成中の血管２０の拡張による引張りによって 生じる。 血液２６は、血管２０の中を矢印２７で示す方向に流れる。仮に処置しないで いると、フラップ２３’が大きくなって血管２０を塞ぎ、この部分での血液の凝 固の原因になる。本発明を適用することのできる種類の管の他の異常としては、 動脈瘤、破裂、狭窄などがある。 図２、図３は、本発明に従う送り込みシステム２８を示し、ここに、ほぼ軸線 ３２に沿って事前に設置されたガイドワイヤ３１の全体にわたって延びる医療カ テーテル３０を含む。カテーテル３０は、近位端部分（図示せず）と遠位端部分 ３４とを有する。遠位端部分３４は拡張バルーン３５を支持し、拡張ステント３ ６は収縮又は縮小した状態でバルーン３５に支持されている。カテーテル３０の 中の複数のルーメンには、ガイドワイヤ３１が通過するガイドワイヤルーメン３ ７と、選択的な膨張収縮のためにバルーン３５をインフレーション源３９に連結 するインフレーションルーメン３８とを含む。 図２、図４、図５に示すステント３６は、組織の内部成長を促進し、血管の枝 に出入りする流れを可能にするための孔４０を含む。当業者であれば分かるであ ろうが、このような孔４０は、様々な処置では不必要であるか、又は、逆効果で ある場合がある。ステント３６は、また、生体吸収材料から作られてもよく、同 様に、他の既知のステント構造（例えば、フィラメントによって形成された交互 にロックしたループ又はメッシュなど）、また、タンタル、ステンレス鋼又はニ チロールのワイヤを含む材料から作られてもよい。更に、ステント３６は、当業 者にとって既知の例えば大動脈移植のような移植キャリアとして形成されてもよ い。 図４は、インフレーション源３９がバルーン３５を血管２０の管壁２２に向け て膨張させた後の装置２８を示す。バルーン３５の膨張は、ステント３６を膨張 展開の状態にし、不整な壁部分２３を広げて隣接する正常な壁部分２４、２５の 両方に接する。この場合のバルーン３５の膨張によって、血管２０を閉塞し、バ ルーン３５、ステント３６及び不整な壁部分２３に近接した血管２０の一部分又 は空間４１を形成する。かくして、この実施例では、バルーン３５は、カテーテ ル３０に組み込まれ、血管２０の壁に接触するために選択的に膨張するためのバ ルーン手段と、カテーテル３０に組み込まれ、ステントをその拡張した形態に展 開させるための手段の両者の一部である。 再び図２、図３を参照すると、カテーテル３０は、バルーン３５の近位側に配 置されたポート４２を有する。治療薬源４３とポート４２とは、治療薬４５を空 間４１の中に注入するためにルーメン４４によって接続されている。このケース では、ポート４２及びルーメン４４は、カテーテルに組み込まれて、膨張したバ ルーンの近位側に且つ問題の壁部分の近くに治療薬を送り込み、治療薬は、拡張 した形態のステントに接触する。 治療薬４５は、ドラッグ又は内皮細胞のような活性剤を含む。このドラッグの 例としては、ヘパリンおよびその誘導体のような抗トロンビン；PPACK、イロプ ロスト(iloprost)、インテグレリン(integrelin)、c7E3のようなキメラ抗体のよ うな抗血小板剤；antisense オリヌクレオチドや様々な遺伝子構造(gene constr ucts)；アンジオペプチン(angiopeptin)のようなアンチポリフェラチィブ(antip oliferatives)；化学療法薬；プロブコールのような酸化防止剤；ニトログリセ リン、ペベリン(papabarin)又は硝酸のようなマルチ効果のあるもの等の化学治 療剤がある。この活性剤は、常習組織(addicted tissue)、ステント３５、又は その両者に親和性を有するのが好ましく、又は、活性剤は、カプセル化されてい てもよく、又は、アルブミン、細胞、フィブリン、他のマトリックスプロテイン 、血小板、様々な天然および合成ポリマー、リポソーム、赤血球又は所望の親和 力を有する物質に付着されていてもよい。このような場合、活性剤は、直接又は そのカプセルによって、不整な壁２３に又はその近くに付着する。更に、アルブ ミン又は様々なポリマーのような溶解性物質の中に活性剤をカプセルにすると、 カプセル剤が開通している間、この活性剤を不整壁部分２３の近くに連続 的に放出する。このようなポリマーの例としては、プルオニックゲル、ポリ乳酸 のようなクエン酸回路ポリマー、ポリグリコール酸およびその誘導体、ポリ無水 物、ポリホスファジン(polyphosphazenes)、アルギン酸のような多糖類、キチン およびその誘導体、コーラゲン及びその誘導体、ヒアルロン酸及びその誘導体の ようなグリコサミノグリカンがある。 血管壁の不整部分を処置するための本発明の使用は、一般的に、幾つかの工程 の処置を含む。この工程は、通常、患者の血管にガイドワイヤ３１を皮膚を通し て挿入する工程と、ガイドワイヤ３１を血管２０の不整部分に近い位置まで誘導 する工程と、ガイドワイヤ３１に沿ってカテーテル３０のガイドワイヤルーメン ３７を挿入して、図２に示すように、カテーテル３０を不整部分に差し向ける工 程とを含む。カテーテル３０が不整部分の近くに位置すると、ガイドワイヤ３１ は取り除かれるか、さもなければ、そのままにされる。 バルーン３５を膨らませて壁２２に接触させることで血管２０を塞ぎ、図４に 示すように、血管２０を通る血流を阻止する。バルーン３５の膨張は、また、ス テント３６を付勢して、その収縮状態から拡張した作動状態にし、この作動状態 では、問題の壁部分２３を広げて、隣接する正常な壁部分２４、２５に接触する 。この場合、拡張したステント３６はフラップ２３’を血管２０の壁の近くに保 持する（図２参照）。血管２０が閉塞状態になると、図４に示すように、治療薬 ４５は、ポート４２で、治療薬源４３（図３）からバルーン３５およびステント ３６に近い空間４１に入る。 バルーン３５が収縮することによって、図５に示すように、治療薬４５が孔４ ０を通ってステント３６及び不整な壁部分２３に接触することができ、また、ス テント３６を通って最終的には患者からカテーテルの最遠位端４７を引き抜くこ とができる。ステント３６を拡張し、バルーン３５を収縮させた後、治療薬及び バルーン治療のいずれか一方又はその両者のために、カテーテル３４を血管２０ の中で他の場所に移動させてもよい。すなわち、その後、バルーン３５は、標準 の拡張可能なカテーテルに取り付けられたバルーンとして働き、ポート４２は、 また、望みのときに治療薬の送り込みをする。 図６、図７は、血管の異常な狭さ又は狭窄１２３’を有する不整壁部分１２３ を有する血管２０に適用されるような本発明の他の実施例を示す。送り込みシス テム１２８は、遠位部分１３４を備えたカテーテル１３０を有する。このカテー テル１３０は、血管２０の中での拡張のためのステント３６を備えたバルーン３ ５を支持する。部分１３４は、また、膨張可能なバルーン１３７を支持し、この 例では、血管２０を閉塞又は実質的に閉塞するために、バルーン３５の遠位側に 配置されている。幾つかのケースでは、仮想線で示す第２のバルーン１３７’を 、バルーン３５に対向して第１のバルーン１３７とは反対側に配置してもよく、 あるいは、バルーン１３７の場所で使用してもよい。 図６、図７、図８を参照して、第２のインフレーション源１３８は、膨張する 流体をルーメン１３９に沿って押し込むことによって、バルーン１３７を膨張さ せて血管壁２２と接触状態にする。膨張したバルーン１３７は、壁部分１２３を 含むバルーン１２７の近接した血管２０の中の空間１４１を形成する。バルーン １３７’の使用によって、ステント３６が配置された壁部分１２３の回りの空間 １４１を隔絶する。治療薬４５は、バルーン３５と近位側で隣接したポート４２ を通じて空間１４１の中に入る。図４、図５に関連して既に述べたように、治療 薬４５は、問題の組織およびステント３６のいずれか一方又は両者に親和力を有 するのが好ましい。 図８、図９を参照して、バルーン１３５の膨張は、ステント３６をその縮小状 態から付勢する。拡張して拡大したステント３６は、問題の壁部分１２３の間隔 を広げ、隣接する正常な壁部分２４、２５に接触して、狭窄部分１２３’を付勢 して、壁部分１２３”として示す実質的に正常な状態にする。ステントの拡張の 前、ステントの拡張中、あるいはステントの拡張の後に、治療薬４５の導入を行 ってもよく、また、ステント３６及び壁１２３に沿った治療薬の配置を助けるた めにバルーン３５を再膨張してもよい。図１０に示すように、バルーン１３７、 ３５の収縮によって、修復した壁部分１２３”にステント３６を残しながら、カ テーテル１３０を患者から引き抜くことができる。 上記の実施例は、４つのルーメンのカテーテルという観点から説明したが、様 々な変形を行い得ることは理解されよう。例えば、独立したインフレーションが 必要とされなければ、バルーン３５、１３７を共通の源から共通のルーメンを通 じて膨張させてもよい。当業者であれば、例えば狭窄部の近くでの血管の拡張に よる狭窄症の不整部分の治療のために共通の血管形成カテーテルとして、この実 施例を用いることができることを認識するであろう。 特に、バルーン１３７によって、狭窄症の血管を既知の方法で拡張するだけで なく、バルーン及び治療薬での治療のいずれか一方又はその両者を含む他の治療 を行うことができる。しかしながら、例えばフラップ、破裂や他の不整のような ステント治療による処置が適した種類の不整部分がバルーン治療から生じる場合 、又は、そのような治療中に検出される場合、このような不整部分は治療中に検 出されるのであるが、本発明によれば、カテーテルを交換することなく、又は、 他の時間的な遅れ無しに、ステント及び治療薬での治療を行うことができる。こ のような場合、カテーテルは、ステントを不整壁部分で拡張させるために再位置 決めされて、前述した段階が行われる。かくして、別の膨張バルーン１３７を備 えたこの実施例によって、医師は、必要に応じてステント及び治療薬での治療を 行いながらバルーン治療を行うことができる。 図１１、図１２において、血管２０は、動脈瘤に治療を施すための送り込みシ ステム２２８が設けられた動脈瘤壁部分２２３を有する。このシステム２２８は 、展開バルーン２３５を有するカテーテル２３０を含み、このバルーン２３５に ステント３６が拡張可能に支持されている。 図１２、図１３に示すように、ルーメン２３２を通じてポート２３３に接続さ れた真空源２３１は、膨張バルーン１３７と１３７’との間に形成された隔絶空 間１４１を真空引きする。空間１４１の真空引きは、空間１４１及び動脈瘤の壁 部分２２３から、部分２２３’で示すように、壁部分２４、２５と並んだ原位置 に隣接したカテーテル２３０に向けて血液２６を引き寄せる。治療薬源は、通常 、真空引きが終わった後に、空間１４１の中に治療薬を注入するが、このことは ステントの拡張の後であってもよい。 図１２、図１４を参照して、インフレーション源３９からルーメン３８に沿っ て差し向けられたイオン化流体２３４は、バルーン２３５を膨張させて血管壁２ ２に接触させ、また、ステント３５を拡張させる。このステント３５は標準のス テント又は移植支持ステントであってもよい。ルーメン３８の中に支持された 導体２５１は、高周波加熱源２５２を、バルーンと一体のカテーテル２３０の離 間した電極２５３、２５４に接続する。加熱源２５２は、電極２５３、２５４を 賦勢し、これによる電極２５３と２５４との間の電流が、バルーン２５３の中の 流体２３４を加熱し、ステント３５およびこれを取り囲む組織が、弱った動脈瘤 壁２２３を含む。 この熱は、熱的に、動脈瘤壁２２３を凝固させる。特に、熱による凝固は、弱 った動脈瘤壁２２３での長期の瘢痕組織の形成効果がある。このことは、動脈瘤 壁２２３を収縮させて厚くして、その伸展性を減じ、また、拡張したステント３ ５により強化された動脈瘤の進行を阻止する。導体２５１を介して高周波加熱源 ２５２に接続された温度センサ２５５は、液体４８の温度を正確に制御するため に制御信号をフィードバックするのが好ましい。 高周波加熱源２５２を消勢し真空源４５を閉じて処置が完了したら、送り込み システム２２８は、図１５に示すコンパクトな形態になる。血液２６は、再び、 参照符号１２７の方向に流れ始め、ステント又は壁１２３’に粘着していない治 療薬は血液と一緒に流れる。次に、医師は、図１３の動脈瘤壁２２３の場所で、 血管２０をステント３６で壁部分２２３’を厚く且つ強化した状態にしたまま、 装置２３０を取り外す。 当業者であれば、高周波加熱を行う場合でも行わない場合でも、図１１ないし 図１５の実施例によって治療薬を投与し、また、次いで真空源４５を使用して抜 き取ることができることを認識するであろう。例えば、このことは、特に、治療 薬が特定の毒又は身体の組織に他の害を及ぼす場合に有効である。かくして、医 師は、ドラッグを問題の領域に与え、次いで、これを取り除いて、治療薬が原因 の有害な作用を最小限に抑える。大動脈瘤の場合、真空引きの後の、医師は、マ トリックスプロテイン又はコラーゲンを注入して、移植壁の細胞粘着のために移 植を被覆する。真空引きは、次いで、フリー物質を吸い出すのに用いられる。そ の後、遺伝子的に置換される内皮細胞が注入される。この細胞は、次いで、細胞 は、細胞の成長および注入された内皮細胞の分割を促進するのが好ましいプロテ インマトリックスに結合する。 図１１ないし図１５の特定の装置２２８は、５つの別のルーメンを備えたカテ ーテル２３０を有する。これらのルーメンの機能を、単一のルーメンに結合して もよい。例えば、真空源２３１および治療薬源を、バルブ２６０によって一つの ルーメン４４に直接的に連結してもよい。加えて、バルーン１３７とバルーン２ ３５とを有する個々の構成要素の各々が在来の構造を有する。 電極２５３、２５４へ付与する高周波エネルギを使用してバルーン２３５の中 の液体２３４を加熱するための装置および温度センサ２５５を含む関連装置はこ の技術分野では既知である。 図１６に示すように、ステントを拡張するためのバルーンは、血管２０を完全 に閉塞する必要はなく、治療薬を搬送する手段と一緒であってもよい。ここに、 カテーテル３０に取り付けられたバルーン３５’は、血管２０の中で不透過性内 側層又は面３００および孔付き又は多孔層又は外側面３１０（例えば、チャンネ ル付きバルーン）を有する。図３のルーメン３８、４４のようなルーメン（図示 せず）は、カテーテル３０と内側面３００および面３１０の間に夫々ポートを有 する。これらのルーメンを介して、インフレーション流体は面３００を膨張させ 、治療薬４５は、外側面３１０の内部に送り込まれる。既に述べたとおり、ステ ント３６は、拡張のために、この実施例ではバルーン３５’である膨張バルーン に取り付けられていてもよい。 引き続き図１６を参照して、インフレーションルーメンは、面３００の内部で インフレーション流体を送り込んで、バルーンを、このバルーンが配置される血 管の壁に向けて膨張させ、また、これに取り付けられたステントを拡張させる。 この搬送ルーメンは、面３００と面３１０との中間に治療薬を送り込む。かくし て、治療薬４５は、面３１０の孔を通じて、これの近くでステント３６と接触す るためにバルーン３５’を出る。孔付き面３１０は、ステントの近くに治療薬を 送り込むためのポートを有する。加えて、面３１０の孔は集中していてもよく、 或いは、バルーン３５’の一つの領域で全体的に配置されていてもよい。特に、 カテーテルの近位端に最も近いバルーン３５’の端に孔を設けてもよい。 当業者であれば、図６ないし図１０の実施例に関して説明したように、図１６ のカテーテル３０に第２の独立したインフレーションバルーンを形成して、血管 を拡張させるための第２の手段を提供してもよい。このようなバルーンのいずれ かに、適用例に適するように、図１１ないし図１５の実施例の加熱手段を含んで いていもよい。 本発明のステントを拡張して拡大させるための手段は、ステントそれ自身を含 む。例えば、あるステントは、熱又は膨張および拡張による他の状態に反応する 。取り外し可能なスリーブからステントを解放すると、他のステントが拡張して 拡大する。種々の図面に関連して示した装置は、自己拡大するステントを拡張す るようになっている。取り外し可能なシースは、血管を保護し、また、ステント の選択的な拡張を許容する。このような自己拡大するステントを用いることによ って、バルーンを膨張させる必要性を削減する。しかしながら、バルーンは、そ れでも、血管を閉塞するように機能する。その代わりに、図１１ないし図１５に 示すように、図２、図６の拡張バルーン３５に、例えば、熱膨張ステントを加熱 してステントを拡張させるために電極を設けてもよい。 要するに、本発明の各実施例に従う送り込みシステムは、拡張可能なステント を拡張し、ステントと接触するために治療薬を送り込むための手段を備えたカテ ーテルを有する。更に、その操作技術は、カテーテルを血管の中に位置決めし、 バルーンを膨らませ、ステントを拡張し、治療薬を注入することに関して、標準 の医療手順に類似しているので、この装置の使用は直ちに習得される。しかしな がら、この装置は、別の処置法のために装置の反復した挿入の必要性を省き、ま た、患者への精神的なショックの恐れを減じる。本発明は、また、夫々同時に又 連続的な結合した処置法を許容することによって、患者の取扱いを改善する。本 発明は、また、医師、スタッフ、医療施設の効率を高める。更に、生体吸収可能 なステントを用いることによって、処置後に、例えばクリップ、チューブのよう な異物が全く患者の中に永久に残らない。本発明は、また、大きな管および比較 的小さな管の両者の中の不整部分の処置のための大きさに作られた送り込みシス テムを提供する。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．ステントを施し、また、治療薬を投与することによって、隣接する正常な壁 部分の間の管壁の不整部分を処置するためのカテーテル組立体であって、 インフレーションルーメンと送り込みルーメンとを有し、また、遠位端部分 と近位端部分とを有し、遠位部分に配置されたステントを管の不整部分の箇所に 送り込むための細長い可撓性チューブ手段と、 前記可撓性チューブ手段の遠位部分に配置され、前記インフレーションルー メンを通じて膨張収縮され、膨張によって管を閉塞する膨張可能なバルーン手段 と、 前記可撓性チューブの遠位端の近くに設けられ、治療薬を前記送り込みルー メンから管の中に送り込んで、前記ステント及び前記管の隣接した部分に接触さ せるポート手段とを有する、ことを特徴とするカテーテル組立体。