JPH10500444A

JPH10500444A - 新生児処方用のコランダム化脂肪組成物

Info

Publication number: JPH10500444A
Application number: JP7529776A
Authority: JP
Inventors: リーン，エリック・ルイス; トマレリ，ルドルフ・マイケル
Original assignee: アメリカン・ホーム・プロダクツ・コーポレイション
Priority date: 1994-05-13
Filing date: 1995-05-11
Publication date: 1998-01-13
Also published as: FI964533A; IL113666A; CA2190127A1; AU2513095A; PH31605A; AU680766B2; DE69508935T2; EG20674A; EP0758846A1; FI964533A0; GR3030666T3; ZA953702B; TW325395B; EP0758846B1; MY130498A; WO1995031110A1; DK0758846T3; NZ285655A; CN1056496C; CN1152856A

Abstract

(57)【要約】本明細書に開示する発明は、構造パルミチン酸油類とオレイン酸油類とがコランダム化されている、栄養学的に完全な新生児処方に主に使用する脂肪組成物よりなることを特徴とする。加えて、本発明は、プレタームまたは低誕生体重新生児用の栄養摂取生成物に特に使用する、中鎖トリグリセライドを添加したかかるコランダム化脂肪組成物を包含する。パルミチン酸油およびオレイン酸油のコランダム化により、天然油類自体の化学組成よりも、個々をランダム化した場合の天然油類のものよりも、または、コランダム化したパルミチン酸およびラウリン酸よりも、実質的に異なる化学組成を有するトリグリセライドの混合物が得られる。該コランダム化により、非常に高吸収性の脂肪組成物を提供し得る経済的な手段が提供され、特に、パルミチン酸の排泄の顕著な低下、すなわち非−吸収が生じる。

Description

【発明の詳細な説明】新生児処方用のコランダム化脂肪組成物本明細書に開示する発明は、構造パルミチン酸油類およびオレイン酸油類がコランダム化されている、栄養学的に完全な新生児処方に主に使用する脂肪組成物を包含する。さらに本発明は、特に、プレターム(preterm)か低誕生体重の新生児用の栄養製品に使用する、中鎖トリグリセライドを添加したかかるコランダム化(corandomized)脂肪組成物を包含する。２または３以上の油類のかかるコランダム化により、天然油類それ自体の化学組成よりも、または個々にランダム化した場合の天然油類ぼ化学組成よりも、実質的に異なる化学組成を有するトリグリセライドの混合物が得られる。パルミチン酸およびオレイン酸油のコランダム化は、母乳の脂肪酸特性に近づく特性を有する非常に高吸収性の脂肪組成物を供し得る経済的手段が提供される。発明の背景 1970年11月24日にＴomarelliらに発行された米国特許第3,542,560号は、トリグリセライドのβ(２)位に増加部のパルミチン酸を有する新生児処方用の脂肪組成物を開示している。この増加は、比較的低部のβ-パルミチン酸を有する脂肪組成物を含む他の油類と、ラードまたは合成β-モノパルミチンとをブレンドすることによって得られる。列挙されるかかる他の油類は、コーン油、ダイズ油、パーム油、ラッカセイ油、ヤシ油、オリーブ油、ババスー油、綿実油、オレオ(o leo)油および獣油である。しかしながら、ラードの使用は、宗教的な理由により世界の多くの領域で許容されず、合成トリグリセライドは、大スケール用途のために、値段が非常に高い。かくして、宗教的な食餌背景で広く許容され、高吸収性で、母乳と同様な脂肪酸含量を有し、かつ非常に大スケールでの製造に経済的な、新生児処方に使用するための脂肪組成物が要求されている。さらに３の最近の米国特許は、唯一のパルミチン酸油としてパーム油を有する、新生児栄養生成物に使用する全植物油脂肪組成物を開示している。これらは、 1981年8月4日にＴheuerに発行された米国特許第4,282,265号、および、各々、19 86年9月30日および1988年1月26日にＲuleに発行された米国特許第4,614,663号および4,721,626号である。最も最近では、1990年7月4日にＡmerican Ｈome Ｐroducts Ｃorporation社( Ｔomarelli)に対して公開された欧州特許公開0376628号が、パルミチン酸油が単独でランダム化された全植物油脂肪組成物を開示している。また、この欧州特許公開は、パルミチン酸油が単独でランダム化されている、プレタームか低誕生体重の新生児用の新生児栄養生成物に使用する、中鎖-トリグリセライドを含有する全植物油脂肪組成物も開示している。EP 0488800号は、少なくとも１のパルミチン酸油および１のラウリン酸油がコランダム化される点でEP 0376628号のものとは異なる脂肪組成物を開示している。これらの油類のコランダム化により、該パルミチン酸および該ラウリン酸油の脂肪酸間でランダムに分子間エステル化を生じる。２の油類のこのコランダム化は、混合物のパームオレイン油のみをランダム化した場合に認められるよりも、驚くべき優れた吸収性を生じる。本発明は、少なくとも１のパルミチン酸油および少なくとも１のオレイン酸油がコランダム化された点において異なる。その結果として、驚くべき優れた吸収性および母乳にそっくりの擬態を有する脂肪ブレンドを調製し得る。有利には、カノーラ(canola)油を使用することにより、新生児体中でドコサヘキサエン酸( ＤＨＡ)に変換されるα-リノレン酸が比較的高レベルで提供される。パルミチン酸およびステアリン酸は、最も吸収されにくい脂肪酸である。すなわち、新生児栄養摂取の間に最も容易に排泄される。新生児処方の脂肪ブレンドを植物起源の油類から製造する場合、該脂肪ブレンド中のステアリン酸の含量は比較的少ない。かくして、パルミチン酸は、重要な、ほとんど吸収されない脂肪酸を代表する。したがって、パルミチン酸の排泄量の減少は、当該分野における望ましい標的を構成する。パルミチン酸油と、ラウリン酸油またはオレイン酸油のいずれかとのコランダム化によって、コランダム化に付していない対応する混合物と比較して、排泄されるパルミチン酸の比率が低下する。本発明で用いるコランダム化生成物の場合においては、EP 0488800号で用いられているコランダム化生成物と比較して、該低下が大きいことが発見された。この発見は本発明の利点である。本発明は、 (ａ)ヤシ油、ババスー油、およびパーム核油から選択される１または２以上の、脂肪組成物重量で計算して１６-３２％のラウリン酸油類； (ｂ)パーム油およびパームオレイン油から選択される１または２以上の、脂肪組成物重量で計算して２０-４９％のパルミチン酸油類； (ｃ)オリーブ油およびサフラワーオレイン酸油、ヒマワリオレイン酸油およびカノーラ油から選択される１または２以上の、脂肪組成物重量で計算して１３- ３７％のオレイン酸油類； (ｄ)コーン油、綿実油、サフラワー油、ダイズ油およびヒマワリ油から選択される１または２以上の、脂肪組成物重量で計算して０-３２％のリノール酸油類；を含んでなることを特徴とし、ここに、該パルミチン酸油または油類および該オレイン酸油および油類、および所望により、リノール酸油または油類はコランダム化されていて、該油の量は、当該脂肪組成物が、トリグリセライドとして存在する合計脂肪酸１００重量部当たり、 (ｉ)９-２２部のラウリン酸； (ｉｉ)１３-２２部のパルミチン酸； (ｉｉｉ)２８-４３部のオレイン酸；および (ｉｖ)１０-２３部のリノール酸を含む量である、特に栄養学的に完全な新生児処方に使用するための脂肪組成物を提供する。本発明者らは、かかる組成物をコランダム化脂肪組成物という。本発明のこの態様の好ましいコランダム化脂肪組成物は、パルミチン酸油または油類およびオレイン酸油または油類のみがコランダム化されているものである。また、好ましくは、各型のうちの１の油のみを使用し、１のパルミチン酸油および１のオレイン酸油のみがコランダム化されている脂肪組成物である。好ましいパルミチン酸油はパームオレイン油である。好ましいオレイン酸油はカノーラ油である。好ましいリノール酸油はコーン油およびダイズ油であるが、ダイズ油が特に好ましい。３種のオレイン酸油類、カノーラ油、サフラワーオレイン酸油、およびヒマワリオレイン酸油は十分に高いリノール酸含量(各々、２０および１５％)を有し、したがって、所望の栄養量のリノール酸を供するためにリノール酸油が必要がないことは称賛されるであろう。最も有利には、カノーラ油を使用することにより、新生児体内でドコサヘキサエン酸(ＤＨＡ)に変換される、比較的高レベルのα-リノレン酸が供される。ＤＨＡは、母乳中に存在するが、それ自体は、利用可能な植物油の構成ではない。ＤＨＡは網膜機能に非常に重要である。１５：１〜４：１(さらに好ましくは１１：１〜４：１)の有利なリノール酸：α-リノレン酸比が、本発明のこの態様から得られる。好ましくは、本発明のコランダム化脂肪組成物は、トリグリセライドとして存在する合計脂肪酸１００重量部当たり、０.９-３.７部のα-リノレン酸を有する。さらに好ましくは、この量は１.２-３.７、有利には２.４-３.７部のα-リノレン酸である。ステアリン酸含量は、脂肪酸１００部当たり、２.８-４.０部、好ましくは２.９-３.４部とし得る。本発明の好ましいコランダム化脂肪組成物は、 (ａ)ヤシ油、ババスー油およびパーム核油から選択される、脂肪組成物重量で計算して１６-２７％のラウリン酸油； (ｂ)パーム油およびパームオレイン油から選択される、脂肪組成物重量で計算して３０-４６％のパルミチン酸油； (ｃ)オリーブ油、サフラワーオレイン酸油、ヒマワリオレイン酸油およびカノーラ油から選択される１または２の、脂肪組成物重量で計算して１３-３４％のオレイン酸油類；および (ｄ)コーン油、綿実油、サフラワー油、ダイズ油およびヒマワリ油から選択される、脂肪組成物重量で計算して７-２６％のリノール酸を含んでなることを特徴とし、ここに、該パルミチン酸油および該オレイン酸油または油類はコランダム化されていて、該油類の量は、当該脂肪組成物が、トリグリセライドとして存在する合計脂肪酸１００重量部当たり、 (ｉ)９-１５部のラウリン酸； (ｉｉ)１６-２２部のパルミチン酸； (ｉｉｉ)３２-４２部のオレイン酸；および (ｉｖ)１０-２０部のリノール酸を含む量である。好ましくは、本発明のコランダム化脂肪組成物は、トリグリセライドとして存在する合計脂肪酸１００重量部当たり、１.２-３.７部のα-リノレン酸を有する。さらに好ましくは、この量は、２.４-３.７部のα-リノレン酸である。１１：１〜４：１のリノール酸：α-リノレン酸比が好ましい。特に好ましい本発明のコランダム化脂肪組成物は、油類が、 (ａ)２０-２５％のヤシ油； (ｂ)３９-４６％のパーム油またはパームオレイン油； (ｃ)１４-２９％のカノーラ油；および (ｄ)１１-２０％のコーン油またはダイズ油を含んでなることを特徴とし、ここに、該パーム油または該パームオレイン油および該カノーラ油はコランダム化されていて、ここに、当該脂肪組成物は、トリグリセライドとして存在する合計脂肪酸１００重量部当たり、 (ｉ)９-１４部のラウリン酸； (ｉｉ)１８-２２部のパルミチン酸； (ｉｉｉ)３３-３９部のオレイン酸； (ｉｖ)１５-１９部のリノール酸；および (ｖ)２.４-３.７部のα-リノレン酸を含む。１１：１〜４：１のリノール酸：α-リノレン酸比が好ましい。さらに特に好ましい本発明のコランダム化脂肪組成物は、オレイン酸油に対するパルミチン酸油の比が、７８／２２(パルミチン酸油／オレイン酸油)〜５０／５０（パルミチン酸油／オレイン酸油）のものである。特に好ましくは、本発明の脂肪組成物は、オレイン酸油に対するパルミチン酸油の比が７５／２５(パルミチン酸油／オレイン酸油)〜５５／４５(パルミチン酸油／オレイン酸油)のものである。パルミチン酸油とコランダム化すべきオレイン酸油としてのカノーラ油の使用はさらに有利である、なぜならば、それが、得られる脂肪組成物のラウリン酸含量を低下させて、その量を母乳のものに幾分か近いものとするからである(表Ｖと表IIIａとを比較せよ)。また、さらなる有利な態様において、本発明は、 (ａ)ヤシ油、ババスー油およびパーム核油から選択される１または２以上の、脂肪組成物重量で計算して８-２７％のラウリン酸油類； (ｂ)パーム油およびパームオレイン油から選択される１または２以上の、脂肪組成物重量で計算して１０-４９％のパルミチン酸油類； (ｃ)オリーブ油、サフラワーオレイン酸油、ヒマワリオレイン酸油およびカノーラ油から選択される１または２以上の、脂肪組成物重量で計算して８-４５％のオレイン酸油類； (ｄ)コーン油、綿実油、サフラワー油、ダイズ油およびヒマワリ油から選択される１または２以上の、脂肪組成物重量で計算して０-２２％のリノール酸油類；および (ｅ)脂肪組成物重量で計算して１０-５０％の中鎖トリグリセライド(ＭＣＴ) を含んでなることを特徴とし、ここに、該パルミチン酸油または油類およびオレイン酸油または油類、および、所望により該リノール酸油または油類はコランダム化されていて、該油類の量は、脂肪組成物が、トリグリセライドとして存在する合計脂肪酸１００重量部当たり、 (ｉ)８-３４部のカプリル酸； (ｉｉ)４-１６部のカプリン酸； (ｉｉｉ)５-１５部のパルミチン酸； (ｉｖ)１６-３９部のオレイン酸；および (ｖ)９-２０部のリノール酸を含む量である、栄養学的に完全なプレターム(または低誕生体重)新生児処方に特に使用する脂肪組成物を提供する。本発明者らは、かかる組成物を、コランダム化プレターム脂肪組成物といわなければならない。本発明の好ましいコランダム化プレターム脂肪組成物は、パルミチン酸油類およびオレイン酸油類のみがコランダム化されているものである。また、好ましくは、各型の１の油のみが使用され、１のパルミチン酸油および１のオレイン酸油のみがコランダム化されているプレターム脂肪組成物である。好ましいパルミチン酸油はパームオレイン油である。好ましいラウリン酸油はヤシ油である。好ましいオレイン酸油はカノーナ油で、好ましいリノール酸油はコーン油およびダイズ油である。前記したごとく、カノーラ油、サフラワー油およびヒマワリオレイン酸油は、独立して、幾つかの主題のプレターム脂肪組成物中にリノール酸が全く必要ないような十分なリノール酸レベルを提供し得る。好ましくは、本発明のコランダム化脂肪組成物は、トリグリセライドとして存在する合計脂肪酸１００重量部当たり１.１-３.７部のα-リノレン酸を有する。さらに好ましくは、この量は１.４-３.７部のα-リノレン酸、最も好ましくは２.３-３.７部のα-リノレン酸である。有利には、本発明のこの態様から、１５：１〜４：１(さらに好ましくは１１：１〜４：１)のリノール酸：α-リノレン酸比が得られる。本発明の好ましいコランダム化プレターム脂肪組成物は、 (ａ)ヤシ油、ババスー油およびパーム核油から選択される、脂肪組成物重量で計算して９-２７％のラウリン酸油； (ｂ)パーム油およびパームオレイン油から選択される、脂肪組成物重量で計算して１５-４０％のパルミチン酸油； (ｃ)オリーブ油、サフラワーオレイン酸油、ヒマワリオレイン酸油およびカノーラ油から選択される１または２以上の、脂肪組成物重量で計算して１２-３３％のオレイン酸類； (ｄ)コーン油、綿実油、サフラワー油、ダイズ油およびヒマワリ油から選択される、脂肪組成物重量で計算して８-２２％のリノール酸油；および (ｅ)脂肪組成物重量で計算して１０-３０％の中鎖トリグリセライド(ＭＣＴ) を含んでなることを特徴とし、ここに、該パルミチン酸油および該オレイン酸油はコランダム化されていて、該油類の量は、当該脂肪組成物が、トリグリセライドとして存在する合計脂肪酸１００重量部当たり、 (ｉ)８-２２部のカプリル酸； (ｉｉ)４-１０部のカプリン酸； (ｉｉｉ)９-１９部のパルミチン酸； (ｉｖ)２３-３６部のオレイン酸；および (ｖ)１３-１９部のリノール酸を含む量である。好ましくは、本発明のコランダム化脂肪組成物は、トリグリセライドとして存在する合計脂肪酸１００重量部当たり、１.４-３.７部のα-リノレン酸を有する。さらに好ましくは、この量は、２.３-３.７部のα-リノレン酸である。特に好ましい本発明のプレタームコランダム化脂肪組成物は、油類が、 (ａ)９-２７％のヤシ油； (ｂ)１６-３２％のパーム油またはパームオレイン油； (ｃ)１６-３３％のカノーラ油； (ｄ)９-２０％のコーン油またはダイズ油；および (ｅ)１０-３０％のＭＣＴを含んでなることを特徴とするもので、ここに、該パームオレイン油およびカノーラ油はコランダム化されていて、ここに、該脂肪組成物は、トリグリセライドとして存在する合計脂肪酸１００重量部当たり、 (ｉ)８-２１部のカプリル酸； (ｉｉ)４-１０部のカプリン酸； (ｉｉｉ)１０-１７部のパルミチン酸； (ｉｖ)２７-３３部のオレイン酸； (ｖ)１４-１８部のリノール酸；および (ｖｉ)２.３-３.４部のα-リノレン酸を含む。さらに特に好ましい本発明のコランダム化脂肪組成物は、オレイン酸油に対するパルミチン酸油の比が、７８／２２(パルミチン酸油／オレイン酸油)〜２５／７５(パルミチン酸油／オレイン酸油)のものである。特に好ましくは、本発明の脂肪組成物は、オレイン酸に対するパルミチン酸の比が６５／３５（パルミチン酸油／オレイン酸油）〜３５／６５（パルミチン酸油／オレイン酸油）のものである。かくして、一般的に、本発明は、該脂肪組成物が、 (ａ)ヤシ油、ババスー油およびパーム核油から選択される１または２以上のラウリン酸油類； (ｂ)パーム油およびパーム核油から選択される１または２以上のパルミチン酸油類； (ｃ)オリーブ油、サフラワーオレイン酸油、ヒマワリオレイン酸油およびカノーラ油から選択される１または２以上のオレイン酸油類； (ｄ)所望により、コーン油、綿実油、サフラワー油、ダイズ油およびヒマワリ油から選択される１または２以上のリノール酸油類；および (ｅ)所望により、中鎖トリグリセライドを含んでなることを特徴とし、ここに、該パルミチン酸油または油類および該オレイン酸油または油類、および所望により、該リノール酸油または油類はコランダム化されていて、該油類の量は、脂肪酸組成物がヒト新生児に栄養学的に適用される量である、ヒト新生児の栄養摂取に有用な脂肪組成物を提供する。本発明の前記したものは、正規タームの新生児およびプレターム(低誕生体重)新生児用の、本発明の好ましい態様を表している。本発明で用いるパルミチン酸油または油類およびオレイン酸油または油類のコランダム化生成物は、単一の化学構造を有するトリグリセライドの混合物である。天然脂肪および油類においては、種々の脂肪酸が位置する。すなわち、グリセリン分子の３個のヒドロキシル基のうちの１個が、特定の脂肪または油の特徴である順列パターンでエステル化されている。一般に、長鎖飽和脂肪酸、Ｃ１６- Ｃ１８は１および３位に優先的にあり、モノおよびポリ不飽和脂肪酸はトリグリセライド分子の２または中位に優先的である。天然に存在するグリセリン骨格上の脂肪酸の第２の分布特性により、いわゆる混合トリグリセライド(すなわち、３個の脂肪酸の各々または少なくとも２個が異なる)であるトリグリセライドが非常に高い％となる。３個のヒドロキシル基が同一の脂肪酸(例えば、トリパルミチン(Ｃ１６)、トリオレイン(Ｃ１８)ほか)でエステル化されている単純トリグリセライドの量は少量しか存在しない。ランダム化とも呼ばれる化学的分子間エステル化は、(それは天然の非ランダムな分布を変化させるため)脂肪または油を、通常、ナトリウムメトキシドのごとき触媒と短時間加熱することによって達成し得る。脂肪酸は、その天然の位置をトリグリセライド上に残しており、ランダム様式で、すなわち各３つの位置に等しく再配置される。かくして、各個々の脂肪酸の１／３は３つのトリグリセライドの位の１つの位置にあり、１／３は２つの位置にあり、１／３は３つの位置にある。また、個々の天然脂肪酸油のランダム化により、単純トリグリセライドの含量が増加し、あるいは、パルミチン酸油の場合には、長鎖飽和脂肪酸のパルミチン酸およびステアリン酸のみからなるトリグリセライドの含量が増加する。例えば、パーム油またはパームオレイン油が単独でランダム化される場合、パルミチン酸-ステアリン酸トリグリセライドの量が天然油類中の約３％から、個々のランダム化油類中の１１％に増加する。かかる長鎖の完全に飽和のトリグリセライドは特にほとんど吸収されない。さらに、パルミチン酸油または油類およびオレイン酸油または油類の得られたコランダム化生成物は、パルミチン酸油または油類およびラウリン酸油または油類がコランダム化されたものとは化学的に異なる。天然パームオレイン油およびカノーラ油類の脂肪酸の位置分布に対するコランダム化の影響を表IIａに示す。また、コランダム化パームオレインおよびオレイン酸油は、重要なことに、その生化学的特性においても天然パームオレイン油およびオレイン酸油の混合物とは異なる。この相異は、新生児栄養生成物における使用には特に重要である。腸におけるトリグリセライドの消化においては、膵臓のリパーゼが１および３位で脂肪酸を加水分解して、２個の遊離脂肪酸とグリセライド２位に脂肪酸を含む２ -モノグリセライドとが生じる。長鎖飽和脂肪酸は、腸においてそれが２-モノグリセライドとして存在するよりも、遊離脂肪酸としての方があまりよく吸収されない。パルミチン酸は、母乳トリグリセライドの主要な飽和脂肪酸である。それは長鎖のＣ１６脂肪酸である。長鎖脂肪酸は、短鎖または不飽和脂肪酸ほどよく吸収されない。しかし、母乳のパルミチン酸はよく吸収される。なぜならば、母乳のパルミチン酸は主に２-位にあり、腸で消化された後に、パルミチン酸の大部分は、より容易に吸収される２-モノパルミチンとして腸に存在するからである。前記表IIａに示すごとく、コランダム化パームオレイン油／カノーラ油は、天然パームオレイン油および天然のカノーラ油の対応する混合物のもののトリグリセライドの２位のパルミチン酸の３倍の量を有する。したがって、本発明のコランダム化脂肪組成物の栄養価は、天然パルミチン酸油類のみを使用する従前のすべての植物油脂肪組成物に対して非常に改善されている。コランダム化は、１００-１４０℃、好ましくは１１０-１３０℃の温度にて、０.０５-０.５０％、好ましくは０.０５-０.１５％のナトリウムメトキシド存在下、０.５〜４時間、好ましくは０.５〜２時間加熱することによって行い得る。コランダム化プロセスの終点には、トリグリセライドの２位に少なくとも２７％、好ましくは３３％のパルミチン酸が提供されなければならない。また、本発明は、前に十分に記載したごとく、本発明による脂肪組成物を含有するヒト新生児栄養摂取に適用する栄養学的に完全な食物生成物も提供する。かかる食物生成物は、脂肪組成物、蛋白質源、炭水化物源、および適当なレベルのビタミン類、ミネラル類および他の栄養要素を含んでいる。該生成物は、簡易摂食(ready-to-feed)液体でも、または水を添加し撹拌することによって簡易摂食形態を容易に提供するよう適用する粉末または濃縮液体の形態であってもよい。該生成物は、１００ｍl当たり、好ましくは６０-７５Ｋｃａｌを供給し得る簡易摂食液体処方１００ｍl当たり、好ましくは、２.２〜４.０ｇ、有利には約３.６ｇの本発明の脂肪組成物；１.２〜３.０ｇ、有利には約１.５ｇの蛋白質；および６〜９ｇの炭水化物を含んでいる。蛋白質源としては、示したカゼイン、カゼインの塩(例えば、カリウムカゼイネート)、乳清蛋白質濃縮物、ダイズ蛋白質単離物、牛乳蛋白質、または加水分解した乳清、カゼインまたはダイズ蛋白質が列挙し得る。牛乳蛋白質は、カゼインおよび乳清蛋白質として存在する比率の点で母乳のものとは異なる。牛乳は約８０％のカゼインおよび２０％の乳清蛋白質を有するが、母乳は約４０％のカゼインおよび約６０％の乳清蛋白質を有する。したがって、使用する蛋白質を適用して、適量の乳清蛋白質で牛乳蛋白質を補充することによって母乳のそれを似せることができる。乳清は高比率の牛乳のミネラルを含有するため、該乳清を脱ミネラル、特に電気透析または限外濾過に付して乳清蛋白質を調製する。牛乳蛋白質の不耐性である新生児用の無牛乳食餌が望ましい場合、該蛋白質源は、単離ダイズ蛋白質または加水分解したカゼインまたは乳清蛋白質とし得る。該蛋白質は、組み合わせて使用し得る。炭水化物源ラクトースとしては、一般的に、正常で健全な新生児用の処方が好ましい。しかしながら、ガラクトース血症、ラクトース不耐性または牛乳蛋白質不耐性を発病した新生児には、ラクトースは忌避されよう(後者の場合、ラクトースは微量の牛乳蛋白質を含有し得る)。無牛乳-食餌が望ましい場合、炭水化物源は、スクロース、コーンシロップ固形物(グルコースポリマー)、またはコーンシロップ固形物とスクロースとの組合せとし得る。また、該炭水化物は組合せても使用し得る。さらに、食物生成物(新生児処方)は、栄養学的に許容し得る量の以下のミネラル類およびビタミン類；カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、クロライド、マグネシウム、鉄、銅、亜鉛、マンガン、ヨウ素およびセレン；ならびにビタミンＡ、ビタミンＤ、ビタミンＥ、ビタミンＫ₁、ビタミンＢ₁、ビタミンＢ₂、ビタミンＢ₆、ビタミンＢ₁₂、ビタミンＣ、パントテイン酸、ナイアシン、葉酸、ビオチン、コリンおよびイノシトールを含有するであろう。該食物生成物は、タウリン、カルニチン、ヌクレオチド、および長鎖ポリ不飽和脂肪酸源のごとき他の栄養素を含有し得る。また、本発明は、プレタームまたは低誕生体重の新生児栄養摂取用に適用される栄養学的に完全な食物生成物を提供し、該生成物は、前に十分に記載した本発明による脂肪組成物を含有する。該生成物は、簡易摂食用の液体、または水を添加して撹拌することによって簡易食餌用の形態を供する粉末もしくは濃縮液体とし得る。該生成物は、好ましくは、簡易摂食処方１００ｍl当たり、１.５-２.２ｇの蛋白質、好ましくは２.０-２.２ｇの乳清優勢(predominant)蛋白質；２.２- ６.０ｇの脂肪、好ましくは、３.５-４.４ｇの本発明の好ましいコランダム化脂肪ブレンド；および４.７-１１.０ｇの炭水化物、好ましくはおよそ等部のラクトースおよびグルコースポリマーよりなる７.０-８.６ｇを含有し、該量は、好ましくは６５-８５ｋｃａｌ／１００ｍlを供する。加えて、該プレターム食物生成物は、ターム処方について前記したビタミン類、ミネラル類および他の栄養素を含有しているが、プレタームまたは低誕生体重の新生児に適した量でである。本発明は、成分(ａ)、(ｂ)、(ｃ)および(ｄ)[およびプレターム脂肪組成物用の(ｅ)]を、得られた組成物が有する必要な脂肪酸組成であるかかる比率でブレンドすることによる脂肪組成物の製法を包含する。加えて、レシチンまたはジグリセライドのごとき懸濁化剤は、脂肪組成物合計重量の２％までの量で脂肪混合物中にブレンドし得る。ダイズレシチン濃縮物を通常用い、該濃縮物はダイズ油と同一量の脂肪酸を実質的に含有するため、以下に示す脂肪ブレンドの例においては、１％のダイズレシチン濃縮物が、掲載した量のダイズ油に含まれる。用いるべき油類の比率は、個々の油成分の脂肪酸特性から計算し得る。ブレンドは、好ましくは、脂肪混合物の融点より高いブレンド温度にて行い、それによって、各成分油は、液相に存在する。油類のブレンド温度への加熱、および従来の混合装置中での油類の混合は、注意深い温度制御で行わなければならない。ブレンド温度は、約３６℃〜約５０℃の範囲を使用し得る。油溶性ビタミン類は、普通、準備工程として脂肪組成物に溶解する。栄養学的に完全な食物生成物を調製するために、該完全な脂肪混合物を別々に組合せた他の成分と混合する。ついで、その組合せを乳化する。最終的な簡易摂食液体、濃縮液体または粉末への加工は、従来の様式にて行い得る。さらに特には、本発明は、栄養学的に完全な新生児処方に特に有用な脂肪組成物の製法を包含し、該製法は、１または２以上のパルミチン酸油類および１または２以上のオレイン酸油類、および所望により、１または２以上のリノール酸油類(該油類およびそれらの相対比率は以下の(ｂ)、(ｃ)および(ｄ)に各々記載されている)を、生成ランダムトリグリセライドのパルミチン酸が２-位で少なくとも２７％になるまで分子間エステル化することによって得られるコランダム化生成物を、１または２以上のラウリン酸油類、および所望により１または２以上のリノール酸油類(油類およびそれらの相対比率は以下の(ａ)および(ｄ)に各々記載されている)と混合することを特徴とし、ここに、得られた脂肪組成物は、 (ａ)ヤシ油、ババスー油およびパーム核油から選択される１または２以上の、脂肪組成物重量で計算して１６-３２％のラウリン酸油類； (ｂ)パーム油およびパームオレイン油から選択される１または２以上の、脂肪組成物重量で計算して２０-４９％のパルミチン酸油類； (ｃ)オリーブ油、サフラワーオレイン酸油、ヒマワリオレイン酸油およびカノーラ油から選択される１または２以上の、脂肪組成物重量で計算して１３-３７％のオレイン酸油類；および (ｄ)コーン油、綿実油、サフラワー油、ダイズ油およびヒマワリ油から選択される１または２以上の、脂肪組成物重量で計算して０-３２％のリノール酸油類を含んでなることを特徴とし、ここに、該油類の量は、脂肪組成物が、トリグリセライドとして存在する合計脂肪酸１００重量部当たり、 (ｉ)９-２２部のラウリン酸； (ｉｉ)１３-２２部のパルミチン酸； (ｉｉｉ)２８-４３部のオレイン酸；および (ｉｖ)１０-２３部のリノール酸を含む量である。また、ヒト新生児栄養摂取に適用する栄養学的に完全な食物生成物の製法を包含し、該製法は、蛋白質源、炭水化物源、ビタミン類、ミネラル類、および前記製法によって製造した脂肪組成物を混合することを特徴とする。加えて、本発明は、プレターム新生児用の栄養学的に完全な新生児処方に特に有用な脂肪組成物の製法を包含し、該製法は、１または２以上のパルミチン酸油類および１または２以上のオレイン酸油類、および所望により１または２以上のリノール酸油類(油類およびそれらの相対比率は、以下の(ｂ)、(ｃ)および(ｄ) に各々記載されている)を、２-位における生成物ランダムトリグリセライドのパルミチン酸が少なくとも２７％になるまで、分子間エステル化することによって得られるコランダム化生成物を、１または２以上のラウリン酸油類および中鎖トリグリセライド、および所望により１または２以上のリノール酸油類(油類およびそれらの相対比率は、以下の(ａ)、(ｅ)および(ｄ)に各々記載されている)と混合することを特徴とし、ここに、得られる脂肪組成物は、 (ａ)ヤシ油、ババスー油およびパーム核油から選択される１または２以上の、脂肪組成物重量で計算して８-２７％のラウリン酸油類； (ｂ)パーム油またはパームオレイン油から選択される１または２以上の、脂肪組成物重量で計算して１０-４９％のパルミチン酸油類； (ｃ)オリーブ油、サフラワーオレイン酸油、ヒマワリオレイン酸油およびカノーラ油から選択される１また２以上の、脂肪組成物重量で計算して８-４５％のオレイン酸油類； (ｄ)コーン油、綿実油、サフラワー油、ダイズ油およびヒマワリ油から選択される１または２以上の、脂肪組成物重量で計算して０-２２％のリノール酸油類；および (ｅ)脂肪組成物重量で計算して１０-５０％の中鎖トリグリセライドを含んでなり、ここに、該油類の量は、脂肪組成物が、トリグリセライドとして存在する合計脂肪酸１００重量部当たり、 (ｉ)８-３４部のカプリル酸； (ｉｉ)４-１６部のカプリン酸； (ｉｉｉ)５-１５部のパルミチン酸； (ｉｖ)１６-３９部のオレイン酸；および (ｖ)９-２０部のリノール酸を含む量である。また、ヒト新生児栄養摂取に適用する栄養学的に完全な食物生成物の製法を包含し、該製法は、蛋白質源、炭水化物源、ビタミン類、ミネラル類、および前記製法によって製造したプレターム新生児用の脂肪組成物を混合することを特徴とする。本発明の実施を、以下の実施例によってさらに表す：実施例１パルミチン酸およびオレイン酸油類のコランダム化生成物を含有する植物油脂肪ブレンド以下の表IIIｂは、パームオレイン油およびカノーラ油がコランダム化されている本発明の３種の好ましい植物油脂肪ブレンドの脂肪酸組成を示す。以下の表IIIｂは、パルミチン酸油および１または２のオレイン酸油類がコランダム化されている本発明の６種の植物油脂肪ブレンドの脂肪酸組成を示している。以下の表IVは、パーム油およびカノーラ油がコランダム化されている３種の好ましい本発明のプレターム植物油脂肪ブレンドの脂肪酸組成を示している。以下の表IVｂは、パルミチン酸油および１または２のオレイン酸油類がコランダム化されている５種の本発明のプレターム植物油脂肪ブレンドの脂肪酸組成を示している。以下の表Ｖは、母乳の脂肪酸組成の範囲を示している。これらの範囲は、１９６５-１９８３年の間に米国、英国、カナダ、西ドイツ、オーストラリアおよびフィンランドで発表された１１報告から引用した。これらの範囲からのさらなる変動は、例えば、食餌が大部分植物である場所、または魚類または他のシーフードが主な食物源である場所のような他の地理的領域で見出されるであろう。本発明の脂肪組成物は、母乳の脂肪酸パターンに適度に類似した脂肪酸パターンを有する。実施例２以下に供する排泄データは、1970年11月24日にＴomarelliらに発行された米国特許第3,542,560号、第４欄、34-73行、実施例の「パートII」記載の方法に従って、若雄ラットで得た。該ラットが非常に効率良く脂肪を吸収するという事実にもかかわらず、コランダム化による脂肪の糞排泄における顕著な相異が容易に示された。表VIａは、同比の非ランダム化パームオレインおよびカノーラ油類を含有する食餌からの合計脂肪酸およびパルミチン酸自体の排泄と比較した、コランダム化パームオレイン-カノーラ油を含有する食餌からのものの低下を示している。以下の表VIｂにおいて、表VIａからのパルミチン酸排泄に関する結果を、パームオレイン油およびヤシ油のコランダム化生成物に関してEP0488800号に記載されているものと比較する。表IVｂに示す結果は、カノーラ油とパームオレイン油とのコランダム化が、パームオレイン油とヤシ油とのコランダム化よりも、パルミチン酸の排泄の低下に対して、より大きな影響を有することを示している。実施例３以下に示すのは、本発明のコランダム化脂肪組成物を用いた完全な新生児栄養食物生成物の組成の３つの例である。例において、好ましい脂肪組成物を使用するが、本発明のコランダム化パルミチン酸油-オレイン酸油脂肪ブレンドを使用し得る。(以下の「ＰＯ」とはパームオレイン油を表し、「Ｓ-オレイン酸」とはサフラワーオレイン酸油を表し、「Ｃａｎ」とはカノーラ油を表す) 実施例３-正規ターム処方実施例４以下に示すのは、本発明によるコランダム化プレターム脂肪組成物を用いた完全なプレターム新生児栄養摂取食物生成物の組成の２例である。例において、好ましいプレターム脂肪組成物を用いているが、本発明のいずれのコランダム化パルミチン酸油／ラウリン酸油脂肪組成物も用い得る。(以下の「ＰＯ」とはパームオレイン油を表し、「ＭＣＴ」とは中鎖トリグリセライドを表す) 実施例４-プレターム処方実施例４-プレターム処方（つづき）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ)，ＡＭ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＮ，ＣＺ，ＥＥ，ＦＩ，ＧＥ，ＨＵ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＴ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ

Claims

【特許請求の範囲】１.（ａ）ヤシ油、ババスー油およびパーム核油から選択される１または２以上の、脂肪組成物重量で計算して１６-３２％のラウリン酸油類；（ｂ）パーム油およびパームオレイン油から選択される１または２以上の、脂肪組成物重量で計算して２０-４９％のパルミチン酸油類；（ｃ）オリーブ油、サフラワーオレイン酸油、ヒマワリオレイン酸油およびカノーラ(canola)油から選択される１または２以上の、脂肪組成物重量で計算して１３-３７％のオレイン酸油類；および（ｄ）コーン油、綿実油、サフラワー油、ダイズ油およびヒマワリ油から選択される１または２以上の、脂肪組成物重量で計算して０−３２％のリノール酸類を含んでなることを特徴とし、ここに、該パルミチン酸油または油類および該オレイン酸油または油類、および所望により、該リノール酸油または油類はコランダム化(corandomization)されていて、該油類の量は、当該脂肪組成物が、トリグリセライドとして存在する合計脂肪酸１００重量部当たり、（ｉ）９-２２部のラウリン酸；（ｉｉ）１３-２２部のパルミチン酸；（ｉｉｉ）２８-４３部のオレイン酸；および（ｉｖ）１０-２３部のリノール酸を含む量である、ヒト新生児の栄養摂取に有用な脂肪組成物。２.トリグリセライドとして存在する合計脂肪酸１００重量部当たり、１.２- ３.７部のα-リノレン酸を含む請求項１記載の脂肪組成物。３.（ａ）ヤシ油、ババスー油およびパーム核油から選択される、脂肪組成物重量で計算して１６-２７％のラウリン酸油；（ｂ）パーム油およびパームオレイン油から選択される、脂肪組成物重量で計算して３０-４６％のパルミチン酸油；（ｃ）オリーブ油、サフラワーオレイン酸油、ヒマワリオレイン酸油およびカノーラ油から選択される１または２以上の、脂肪組成物重量で計算して１３-３４％のオレイン酸油類；および（ｄ）コーン油、綿実油、サフラワー油、ダイズ油およびヒマワリ油から選択される、脂肪組成物重量で計算して７-２６％のリノール酸油を含んでなることを特徴とし、ここに、該パルミチン酸油および該オレイン酸油または油類はコランダム化されていて、該油類の量は、当該脂肪組成物が、トリグリセライドとして存在する合計脂肪酸１００重量部当たり、（ｉ）９-１５部のラウリン酸；（ｉｉ）１６-２２部のパルミチン酸；（ｉｉｉ）２８-４３部のオレイン酸；および（ｉｖ）１０-２３部のリノール酸を含む量である、請求項１または２いずれか１項記載の脂肪組成物。４.トリグリセライドとして存在する合計脂肪酸１００重量当たり、２.４-３. ７部のα-リノレン酸を含有する請求項１〜３いずれか１項記載の脂肪組成物。５.パルミチン酸油または油類およびオレイン酸油または油類のみがコランダム化されている請求項１または４いずれか１項記載の脂肪組成物。６.１のパルミチン酸油および１のオレイン酸のみがコランダム化されている請求項５記載の脂肪組成物。７.パルミチン酸油がパームオレイン油で、オレイン酸油がカノーラ油である請求項６記載の脂肪組成物。８.１のパルミチン酸油を用い、それがパームオレイン油である請求項１〜６いずれか１項記載の脂肪組成物。９.１のオレイン酸油を用い、それがカノーラ油である請求項１〜６いずれか１項記載の脂肪組成物。１０.各種の油のうちの１のみを用いる請求項１〜９いずれか１項記載の脂肪組成物。１１.１のみのリノール酸油を用い、それがコーン油またはダイズ油である請求項１〜１０いずれか１項記載の脂肪組成物。１２.リノール酸：α-リノレン酸比が１５：１〜４：１である請求項１〜１１いずれか１項記載の脂肪組成物。１３.リノール酸：α-リノレン酸比が１１：１〜４：１である請求項１２記載の脂肪組成物。１４.（ａ）２０-２５％のヤシ油；（ｂ）３９-４６％のパーム油またはパームオレイン油；（ｃ）１４-２９％のカノーラ油；および（ｄ）１１-２０％のコーン油またはダイズ油を含んでなることを特徴とし、ここに、該パームオレイン油および該カノーラ油はコランダム化されていて、ここに、当該脂肪組成物が、トリグリセライドとして存在する合計脂肪酸１００重量部当たり、（ｉ）９−１４部のラウリン酸；（ｉｉ）１８-２２部のパルミチン酸；（ｉｉｉ）３３-３９部のオレイン酸；（ｉｖ）１５-１９部のリノール酸；および（ｖ）２.４-３.７部のα-リノレン酸を含む請求項１記載の脂肪組成物。１５.蛋白質源、炭水化物源、ビタミン類、ミネラル類、および請求項１〜１４いずれか１項記載の脂肪組成物を含んでなることを特徴とするヒト新生児栄養摂取に適用する栄養学的に完全な食物生成物。１６.（ａ）ヤシ油、ババスー油およびパーム核油から選択される１または２以上の、脂肪組成物重量で計算して８-２７％のラウリン酸油類；（ｂ）パーム油またはパームオレイン油から選択される１または２以上の、脂肪組成物重量で計算して１０-４９％のパルミチン酸油類；（ｃ）オリーブ油、サフラワーオレイン酸油、ヒマワリオレイン酸油およびカノーラ油から選択される１または２以上の、脂肪組成物重量で計算して８-４５％のオレイン酸油類；（ｄ）コーン油、綿実油、サフラワー油、ダイズ油およびヒマワリ油から選択される１または２以上の、脂肪組成物重量で計算して０-２２％のリノール酸油類；および（ｅ）脂肪組成物重量で計算して１０-５０％の中鎖トリグリセライドを含んでなることを特徴とし、ここに、該パルミチン酸油または油類および該オレイン酸油または油類、および所望により、該リノール酸油または油類はコランダム化されていて、該油類の量は、コランダム化されていて、該油類の量は、当該脂肪組成物が、トリグリセライドとして存在する合計脂肪酸１００重量部当たり、（ｉ）８-３４部のカプリル酸；（ｉｉ）４-１６部のカプリン酸；（ｉｉｉ）５-１５部のパルミチン酸；（ｉｖ）１６-３９部のオレイン酸；および（ｖ）９-２０部のリノール酸を含有する量である、プレターム(preterm)新生児または低誕生体重新生児の栄養摂取に有用な脂肪組成物。１７.トリグリセライドとして存在する合計脂肪酸１００重量部当たり、１.４ -３.７部のα-リノレン酸を含有する請求項１６記載の脂肪組成物。１８.（ａ）ヤシ油、ババスー油およびパーム核油から選択される、脂肪組成物重量で計算して９-２７％のラウリン酸油；（ｂ）パーム油またはパームオレイン油から選択される、脂肪組成物重量で計算して１５-４０％のパルミチン酸油；（ｃ）オリーブ油、サフラワーオレイン酸油、ヒマワリオレイン酸油およびカノーラ油から選択される１または２の、脂肪組成物重量で計算して１２-３３％のオレイン酸油類；（ｄ）コーン油、綿実油、サフラワー油、ダイズ油およびヒマワリ油から選択される、脂肪組成物重量で計算して８-２２％のリノール酸油；および（ｅ）脂肪組成物重量で計算して１０-３０％の中鎖トリグリセライドを含んでなることを特徴とし、ここに、該パルミチン酸油および該オレイン酸油はコランダム化されていて、該油類の量は、当該脂肪組成物が、トリグリセライドとして存在する合計脂肪酸１００重量部当たり、（ｉ）８-２２部のカプリル酸；（ｉｉ）４-１０部のカプリン酸；（ｉｉｉ）９-１９部のパルミチン酸；（ｉｖ）２３-３６部のオレイン酸；および（ｖ）１３-１９部のリノール酸を含有する量である、請求項１７記載の脂肪組成物。１９.トリグリセライドとして存在する合計脂肪酸１００重量部当たり、２.３ -３.４部のα-リノレン酸を含む請求項１６〜１８いずれか１項記載の脂肪組成物。２０.パルミチン酸油または油類およびオレイン酸油または油類のみがコランダム化されている請求項１６または１９いずれか１項記載の脂肪組成物。２１.１のパルミチン酸油および１のオレイン酸油のみがコランダム化されている請求項２０記載の脂肪組成物。２２.パルミチン酸油がパームオレイン油で、オレイン酸油がカノーラ油である請求項２１記載の脂肪組成物。２３.パルミチン酸油がパームオレイン油である請求項１６〜２１いずれか１項記載の脂肪組成物。２４.１のオレイン酸油を用い、それがカノーラ油である請求項１６-２１および２３いずれか１項記載の脂肪組成物。２５.１のみのリノレン酸油を用い、それがコーン油またはダイズ油である請求項１６〜２４いずれか１項記載の脂肪組成物。２６.リノール酸：α-リノレン酸比が１５：１〜４：１である請求項１６〜２５いずれか１項記載の脂肪組成物。２７.リノール酸：α-リノレン酸比が１１：１〜４：１である請求項２６記載の脂肪組成物。２８.油類が、（ａ）９-２７％のヤシ油；（ｂ）１６-２３％のパーム油またはパームオレイン油；（ｃ）１６-３３％のカノーラ油；（ｄ）９-２０％のコーン油またはダイズ油；および（ｅ）１０-３０％の中鎖トリグリセライドを含んでなることを特徴とし、ここに、該パームオレイン油および該カノーラ油はコランダム化されていて、ここに、当該脂肪組成物が、トリグリセライドとして存在する合計脂肪酸１００重量部当たり、（ｉ）８-２１部のカプリル酸；（ｉｉ）４-１０部のカプリン酸；（ｉｉｉ）１０-１７部のパルミチン酸；（ｉｖ）２７-３３部のオレイン酸；（ｖ）１４-１８部のリノール酸；および（ｖｉ）２.３-３.４部のα-リノレン酸を含む請求項１６記載の脂肪組成物。２９.蛋白質源、炭水化物源、ビタミン類、ミネラル類、および請求項１６〜２８いずれか１項記載の脂肪組成物を含んでなることを特徴とする、プレタームまたは低誕生体重のヒト新生児の栄養摂取に適用する栄養学的に完全な食物生成物。３０.１または２以上のパルミチン酸油類および１または２以上のオレイン酸油類、および所望により１または２以上のリノール酸油類（該油類およびそれらの相対比率は、以下の（ｂ）、（ｃ）および（ｄ）に各々記載されている）を、２-位における生成物ランダムトリグリセライドのパルミチン酸が少なくとも２７％になるまで分子間エステル化することによって得られるコランダム化生成物を、１または２以上のラウリン酸油類、および所望により１または２以上のリノール酸油類（該油類およびそれらの相対比率は、以下の（ａ）および（ｄ）に各々記載されている）と混合することを特徴とし、ここに、得られる脂肪組成物は、（ａ）ヤシ油、ババスー油およびパーム核油から選択される１または２以上の、脂肪組成物重量で計算して１６-３２％のラウリン酸油類；（ｂ）パーム油およびパームオレイン油から選択される１または２以上の、脂肪組成物重量で計算して２０-４９％のパルミチン酸油類；（ｃ）オリーブ油、サフラワーオレイン酸油、ヒマワリオレイン酸油およびカノーラ油から選択される１または２以上の、脂肪組成物重量で計算して１３-３７％のオレイン酸油類；（ｄ）コーン油、綿実油、サフラワー油、ダイズ油およびヒマワリ油から選択される１または２以上の、脂肪組成物重量で計算して０-３２％のリノール酸油類を含み、該油類の量は、脂肪組成物が、トリグリセライドとして存在する合計脂肪酸１００重量部当たり、（ｉ）９-２２部のラウリン酸；（ｉｉ）１３-２２部のパルミチン酸；（ｉｉｉ）２８-４３部のオレイン酸；および（ｉｖ）１０-２３部のリノール酸を含む量である、栄養学的に完全な新生児処方に特に有用な脂肪組成物の製法。３１.脂肪組成物が、トリグリセライドとして存在する合計脂肪酸１００重量部当たり、１.２-３.７部のα-リノレン酸を含む請求項３０記載の製法。３２.蛋白質源、炭水化物源、ビタミン類、ミネラル類、および請求項３０または３１いずれか１項記載の製法によって製造した脂肪組成物を混合することを特徴とする、ヒト新生児栄養摂取に適用する栄養学的に完全な食物生成物の製法。３３.１または２以上のパルミチン酸油類および１または２以上のオレイン酸油類、および所望により１または２以上のリノール酸油類（該油類およびそれらの相対比率は、以下の(ｂ)、(ｃ)および(ｄ)に各々記載されている）を、２-位における生成ランダムトリグリセライドのパルミチン酸が少なくとも２７％になるまで分子間エステル化することによって得られるコランダム化生成物を、１または２以上のラウリン酸油類および中鎖トリグリセライド、および所望により１または２以上のリノール酸油類（該油類およびそれらの相対比率は、以下の(ａ)、（ｅ）および（ｄ）に各々記載されている）と混合することを特徴とし、ここに、得られる脂肪組成物は、（ａ）ヤシ油、ババスー油およびパーム核油から選択される１または２以上の、脂肪組成物重量で計算して８-２７％のラウリン酸油類；（ｂ）パーム油およびパームオレイン油から選択される１または２以上の、脂肪組成物重量で計算して１０-４９％のパルミチン酸油類；（ｃ）オリーブ油、サフラワーオレイン酸油、ヒマワリオレイン酸油およびカノーラ油から選択される１または２以上の、脂肪組成物重量で計算して８-４５％のオレイン酸油類；（ｄ）コーン油、綿実油、サフラワー油、ダイズ油およびヒマワリ油から選択される１または２以上の、脂肪組成物重量で計算して０-２２％のリノール酸油類；および（ｅ）脂肪組成物重量で計算して１０-５０％の中鎖トリグリセライドを含み、該油類の量は、脂肪組成物が、トリグリセライドとして存在する合計脂肪酸１００重量部当たり、（ｉ）８-３４部のカプリル酸；（ｉｉ）４-１６部のカプリン酸；（ｉｉｉ）５-１５部のパルミチン酸；（ｉｖ）１６-３９部のオレイン酸；および（ｖ）９-２０部のリノール酸を含む量である、プレターム新生児用の栄養学的に完全な新生児処方に特に有用な脂肪組成物の製法。３４.脂肪組成物が、トリグリセライドとして存在する合計脂肪酸１００重量部当たり、１.４-３.７部のα-リノレン酸を含む請求項３３記載の製法。３５.蛋白質源、炭水化物源、ビタミン類、ミネラル類、および請求項３３または３４いずれか１項記載の製法によって製造した脂肪組成物を混合することを特徴とする、ヒト新生児栄養摂取に適用する栄養学的に完全な食物生成物の製法。