JPH10500400A - アセチル化合物からのヨウ素の除去方法 - Google Patents

アセチル化合物からのヨウ素の除去方法

Info

Publication number
JPH10500400A
JPH10500400A JP7527215A JP52721595A JPH10500400A JP H10500400 A JPH10500400 A JP H10500400A JP 7527215 A JP7527215 A JP 7527215A JP 52721595 A JP52721595 A JP 52721595A JP H10500400 A JPH10500400 A JP H10500400A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
iodine
acetic acid
distillation column
column
amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7527215A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3708545B2 (ja
Inventor
フランクリン フィラーズ,カール
アラン バロン,ジェリー
ダグラス ミドルマス,エリック
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eastman Chemical Co
Original Assignee
Eastman Chemical Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=22951025&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JPH10500400(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Eastman Chemical Co filed Critical Eastman Chemical Co
Publication of JPH10500400A publication Critical patent/JPH10500400A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3708545B2 publication Critical patent/JP3708545B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/42Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • C07C51/487Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives by treatment giving rise to chemical modification
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/54Preparation of carboxylic acid anhydrides
    • C07C51/573Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S203/00Distillation: processes, separatory
    • Y10S203/06Reactor-distillation

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 酢酸又は無水酢酸から、I2,I-及びヨウ素含有有機化合物を含むヨウ素を除去する方法であって、(i)酢酸又は無水酢酸及び(ii)ヨウ素、1種もしくはそれ以上のヨウ素含有化合物又はこれらの混合物からなるアセチル製品流を、鉄、ニッケル、銅又はこれらの合金からなる充填材の存在下で蒸留に付す方法を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】 アセチル化合物からのヨウ素の除去方法 本発明は、酢酸及び無水酢酸のようなアセチル化合物からI2、I-及びヨウ素 含有有機化合物を含むヨウ素を除去する方法に関する。更に詳しくは、本発明は 、ヨウ素汚染アセチル流をある種の金属物質の存在下で蒸留に付すことにより、 ヨウ素及び/又は1種もしくはそれ以上のヨウ素化合物で汚染されたアセチル流 のヨウ素含有量を減少させる方法に関する。 アルコール類、エーテル類、エステル類及び/又はオレフィン類の接触カルボ ニル化による、カルボン酸と無水物との又はカルボン酸無水物とアルキリデンジ カルボキシレートとの共生成を含む、カルボン酸及び無水物の種々の製造方法は 、文献に詳細に記載されており、ある場合には商業的規模で使用されてきた。典 型的に、これらのカルボニル化工程は、第VIII属金属とこれらに限定されないが 、ヨウ化水素、ヨウ化メチルのようなヨウ化アルキル、ヨウ化ホスホニウム、ア ルカリ金属ヨウ化物又は多数の他の触媒もしくは助触媒成分のヨウ化物塩のよう なヨウ素含有化合物との存在下で行われる。例えば、S.W.Polichnowski,J.C hem.Educ.,1986年、63巻、206 頁並びに米国特許第3,769,329 号、同第4,374, 070 号、同第4,661,631 号及び同第4,994,608 号を参照されたい。このようなカ ルボニル化工程からのカルボキシル製品含有反応器廃液は普通、揮発性及び非揮 発性ヨウ素含有化合物の両方の回収及びリサイクルを可能にする、分別蒸留のよ うな一般的な分離方法に付される。実際、このような方法の経済的運転は、ある 程度、このような有効なリサイクルに依存している。しかしながら、殆どの分離 方法の有効性 にも拘わらず、少量の、例えば重量で 100万部当たり約 250部(ppm)以下の[I ]のヨウ素含有化合物が典型的に製品中に含有されている。ある種の最終用途に ついて、購入者は、カルボキシル化合物のヨウ素含有量が極めて低い、例えば、 重量で10億当たり20部(ppb)未満であることを必要とする。 米国特許第4,036,940 号には、炭化水素流からヨウ素を回収及びリサイクルす るために単一種類の触媒(アルミナ上の酸化銅/酸化クロム)を使用することが 開示されている。カルボン酸を含有する流れへのこの回収方法の具体的な適用は 存在しない。この方法には、400 〜450 ℃で行われる触媒活性化工程(処理する 間に、水素又は一酸化炭素を、触媒床の上を通過させて明赤色に変えて触媒化さ せる)又はこれらの還元剤の1種を蒸発させた処理する炭化水素流と同時に床の 上を通過させることが必要である。運転の間に、ヨウ素除去床は、300 〜500 ℃ の温度に維持され、その中を流れるヨウ素の85.9〜93.7%を保有することができ る。 米国特許第4,036,940 号に記載された方法では、活性化(400〜450 ℃)及び運 転(300〜500 ℃)のために高温が必要である。このような高温は、(i)高表面 積触媒を維持することと両立せず(この特許に記載されている還元した触媒の明 赤色は、高度に焼結した物質の特徴である)、そして(ii)酢酸を含有するプロ セス流をそれが蒸気になる点よりも十分高く加熱することを必要とし、それで経 済的に魅力がない。この方法で必要とされる高い運転温度にも拘わらず、又は多 分そのために、ヨウ素除去についての最高の表示される効率は93.7%である。こ の効率レベルは、適当な使用適性規準に合致するカルボキシル製品流を製造する ためには不適当である。 米国特許第4,792,420 号には、カルボン酸無水物流中のヨウ素含有不純物のレ ベルを非常に低いレベルに低下させるために、高価な 第VIII属貴金属含有触媒を水素と組み合わせて使用することが開示されている。 この特許は特に、主として酢酸からなる流を除外し、即ちカルボン酸無水物以外 の成分を全体の25重量%以下に明白に制限し、無水状態を使用すべきであること を示している。 ヨーロッパ特許出願公開第372,993 号には、水素と白金、パラジウム、ロジウ ム、ルテニウム、オスミウム、イリジウム、ニッケル又はコバルトを含む水素化 触媒とでの処理による酢酸過マンガン酸塩時間(acetic acid permanganate tim es)の改良が記載されている。銅含有触媒は記載されておらず、ヨウ素レベルは 測定されていない。この方法がヨウ素含有量を20ppb 未満に低下させることの具 体的な教示も存在せず、実際に、記載された方法は他のヨウ素除去方法と組み合 わせて有用であることが記載されている。この特許は主としてアルデヒド及び不 飽和アルデヒドの飽和アルデヒド及び/又はアルコールへの還元を教示しており 、そうして酸化性物質のレベルを低下させている。報告された唯一の分析方法は 過マンガン酸塩時間である。 カナダ特許第1,234,149 号(EP 143,179に相当)には、ルテニウム、オスミウ ム、イリジウム又は好ましくはシリカもしくはアルミナ支持体上に微細に分布さ れたロジウム、パラジウムもしくは白金のような第VIII属貴金属の存在下で、酢 酸又は無水酢酸を50〜200 ℃、好ましくは80〜140 ℃で水素で処理することが記 載されている。この処理は、ヨウ化アルキルもしくはアリール及びヨウ化水素又 はヨウ化ホスホニウム塩として存在するヨウ素含有量を、受容できる、例えば20 ppb 未満のレベルまで減少させると言われている。滞留時間は 0.2〜6時間であ り、処理は 0.5〜10バールの圧力で行われる。触媒は好ましくは濾過により分離 され、その能力が使い尽くされたとき廃棄される。比較例によって、水素が省略 されたときヨ ウ素除去は受容できないことが明らかになる。 カナダ特許第1,279,655 号(EP 217,182に相当)には、重大な欠点を克服する ために、ガス供給物に一酸化炭素を添加することを含む、カナダ特許第1,234,14 9 号に開示されている方法に対する改良が開示されている。添加された一酸化炭 素の不存在下で触媒活性は比較的急速に低下し、そして効率の良いヨウ素除去に は、触媒床の運転温度を上昇させることが必要であることは明らかである。これ らの上昇した温度で、過剰の副生物生成(処理する流に無水酢酸が含有されると き、アセトアルデヒド、酢酸及びエチリデンジアセタート)が生じる。処理床に 供給するガスに一酸化炭素が含有されていると、これらの還元された副生物の生 成は最少になることが見出された。 上記引用した公知の方法により不均一貴金属触媒を使用すると、少なくとも二 つの顕著な欠点が現れる。その第一は貴金属触媒の費用である。触媒は使い尽く されたとき廃棄されるので、このことは特別の関心事である。更に、上記の方法 に於いて、触媒活性を維持し、副反応を避けるために、被処理流の中に水素及び 一酸化炭素の両方が存在しなくてはならない。これにより、システムの複雑性と その費用の両方が増加する。 米国特許第4,664,753 号には、酢酸、無水酢酸及び/又はエチリデンジアセタ ート流から20〜250 ℃の温度でヨウ素を除去する方法が開示されている。この開 示された方法には、(i)リン又はアミン及び(ii)亜鉛又は亜鉛、銅、銀もし くはカドミウムの化合物からなる二成分系が必要である。この二成分系での処理 に続いて蒸留が行われる。これらの化学トラップは、蒸留器の底に置かれ、連続 的にリボイラーを通して循環される。15〜120 分間の接触(滞留)時間が必要で あり、連続的補充が可能である。 米国特許第4,664,753 号で提案されている方法では、時間の経過に従って分解 する二成分系からなる化学トラップが使用される。更に、この化学トラップとヨ ウ素又は有機ヨウ素含有種との反応によって生成される物質は、長期使用の条件 に対して安定ではない。更に、蒸留列のリボイラー中に化学トラップの活性成分 が長く滞留することによって、閉塞することになると思われる。 最後に、米国特許第4,029,553 号には、カラムからの液体側部取出物として酸 10億部当たり20部(ppb)以下のヨウ素を含有する酢酸を得るために、1本のカラ ム内での精留による非常に少量のヨウ素を含有する酢酸の精製方法が記載されて いる。この方法の運転に於いて、非常に少量のプロピオン酸及び高沸点不純物が カラムの底から引き出され、同時にカラムの頂部から蒸気が取り出され、凝縮さ れて、オーバーヘッド取出物の90%以上がカラムの上部に戻される。米国特許第 4,029,553 号の精製方法に付される粗製酢酸のヨウ素含有量は、10億当たりの部 (ppb)の範囲で、例えば、I-が210ppb及びヨウ化メチルが30ppb の範囲である。 本発明は、(i)酢酸又は無水酢酸及び(ii)ヨウ素、1種又はそれ以上のヨ ウ素含有化合物又はこれらの混合物を含むアセチル製品流のヨウ素含有量を減少 方法であって、 (1)アセチル製品流を、鉄、ニッケル、銅又はこれらの合金からなる充填材 を含有する蒸留カラムの中間部又は下部に供給する工程、 (2)蒸留カラムから、(i)小量の酢酸又は無水酢酸蒸気をカラムの頂部か ら、(ii)小量の酢酸又は無水酢酸液体をカラムの底部から及び(iii)大量の精 製酢酸又は無水酢酸を蒸留カラムの上部から取り出す工程(但し、精製酢酸又は 無水酢酸には200ppbより少ないヨウ素が含有され、蒸留カラムから取り出された 精製酢酸又は 無水酢酸の量は、蒸留カラムに供給された酢酸製品流の量の80重量%以上を構成 する) からなる方法を提供する。本発明の方法は、それが(1)高価な貴金属触媒の使 用を避け、(2)穏和な温度で運転して、経済的利点を提供すると共に処理する 流れの中の無水酢酸の存在と両立するので、現存する技術を越えた改良を提供す る。上記の方法の運転の間に、上記充填材を通るヨウ素含有種の通過は、ヨウ素 /金属反応、即ち、ヨウ素含有物質と充填材の鉄、ニッケル及び/又は銅との間 の反応になると信じられる。 粗製ヨウ素含有アセチル製品流は通常、メタノール、ジメチルエーテル、酢酸 メチル及び/又はヨウ化メチルを、第III 族金属、元素状ヨウ素及び/又はヨウ 素化合物並びに任意に1種又はそれ以上の助触媒又は主触媒安定剤の存在下に一 酸化炭素と接触させるカルボニル化製造システムから得られる。カルボニル化方 法でヨウ素を使用することによって、使用の際の特別の触媒系又は組合せに含ま れる種々の物質にある程度依存して、種々のヨウ素物質の形成に至る。このよう なヨウ素含有不純物は、ヨウ化アルキル、例えばヨウ化メチルもしくはヨウ化エ チル;ヨウ化アリール、例えばヨードベンゼン;ヨウ化水素;ヨウ素;ヨウ化第 四級アンモニウムもしくはヨウ化ホスホニウム;ロジウム、鉄、クロム、ニッケ ル、モリブデン等のような遷移金属のヨウ化物塩;ナトリウム、リチウム、カリ ウム、ベリリウム、マグネシウムもしくはカルシウムのようなアルカリ金属もし くはアルカリ土類金属のヨウ化物塩;アルキルヨードカルボン酸、例えばヨード 酢酸メチル又はカルボン酸ヨードアルキル、例えば酢酸ヨードメチルからなって いてよい。他に記載しない限り、本明細書で「ヨウ素」と言うものの全てには、 元素状ヨウ素及び上記のヨウ素化合物のようなヨウ素の全ての形態が含まれるも のとする。 粗製酢酸製品流のヨウ素含有量は、250ppmのように高くてよいが、通常500ppb 〜10ppm の範囲内であろう。普通、本発明のヨウ素除去方法は、精製したカルボ キシル製品流のヨウ素含有量は、200ppbより小さく、好ましくは100ppbより小さ く、最も好ましくは20ppb より小さく減少させる。本発明の方法は特に、酢酸又 は無水酢酸製造方法に於いて、トリアリールホスフィンのようなアリール又は芳 香族化合物の存在から得られる。ヨードベンゼンのような1種又はそれ以上のヨ ウ化アリールを含有する粗製アセチル製品流のヨウ素含有量を低下させるために 有用である。この粗製アセチル流には、1種又はそれ以上のヨウ化アリールの形 で900ppb〜4ppm のヨウ素が含有されている。しかしながら、このヨウ素除去方 法は、ロジウム、1種又はそれ以上のヨウ素化合物並びに1種又はそれ以上のア ルカリ金属塩及び第四級アンモニウム又はホスホニウム化合物のような1種又は それ以上の助触媒からなる触媒系を使用するカルボニル化方法のような種々の方 法から得られるアセチル流から成功裡にヨウ素を除去するために使用することが できる。一般的に、ヨウ素除去の程度は、粗製アセチル製品流中のヨウ素の濃度 にある程度依存している。従って、本発明の方法の使用によって得ることができ るヨウ素除去の程度は、(2)この方法によって製造される精製酢酸又は無水酢 酸中のヨウ素の含有量に対する(1)この方法に供給されるアセチル製品流中の ヨウ素の濃度によって特徴付けられる。(1)/(2)の値は、150 〜500 の範 囲内の値であってよいが、更に典型的には 200〜300 の範囲内である。 本発明の方法で原料として使用される粗製アセチル製品流中に非常に低い濃度 で存在し得る(上記のものに加えた)他の物質には、メタノール、酢酸メチル、 ジメチルエーテル、ヨウ化メチル、(ア セチル流が無水酢酸を含有しないとき)水及び/又は接触カルボニル化方法に内 因性のその他の物質もしくはこのような物質の分解生成物が含まれる。通常は、 酢酸又は無水酢酸は、粗製アセチル製品流の少なくとも95重量%、好ましくは少 なくとも98重量%を構成する。 蒸留カラム内の温度及び圧力は大幅に変えることができる。通常の運転圧力は ほぼ大気圧(1絶対バール)から5絶対バールまでであるが、所望により大気圧 より低い圧力並びに8バールを越える大気圧より高い圧力を使用することができ る。蒸留カラムは好ましくは1〜3絶対バールの範囲内の圧力で運転する。 カラム内の温度は通常、カラムの圧力で精製する酢酸又は無水酢酸の沸点と、 このような圧力で十分な沸騰速度が得られる温度との間である。好ましい圧力で 、カラム底部温度は一般的に、使用する圧力での酢酸又は無水酢酸のほぼ沸点か ら205℃のように高いまでの範囲内であろう。好ましくは、カラム底部温度は163 ℃を超えないであろう。蒸留カラム内の好ましい温度範囲は酢酸の精製のために 110〜130 ℃、無水酢酸の精製のために 120〜140 ℃である。 本発明の精製方法で使用されるヨウ素捕捉充填材の必須成分は、鉄、ニッケル 、銅又はこれらの1種又はそれ以上の合金からなる。鉄は典型的に炭素鋼、ベタ ン化鋼(Bethanized steel)、ステンレススチール、例えば 300及び400 シリー ズのステンレススチール並びにその他の鉄含有合金のような鋼の形で使用される 。炭素綱及び304 ステンレススチールは一般的に、それらが特に酢酸環境中で比 較的速い腐食及び劣化を受けるので好ましくない。ニッケルは実質的に純粋のニ ッケル又はハステロイCニッケル合金のようなニッケル含有合金から構成される 充填材の形で使用することができる。同様に、銅は実質的純粋の形で又はモネル 銅−ニッケル合金のような 合金の成分として使用することができる。ヨウ素捕捉充填材には、鉄、ニッケル 及び/又は銅に加えて、普通金属合金中に存在しているクロム、モリブデン、コ バルト、マンガン、チタン、タングステン及び/又はバナジウムのような他の金 属が含有されていてよい。このような合金にはまた、少量の、例えば10重量%以 下のアルミナ、シリカ等のような他の元素又は化合物が含有されていてもよい。 通常、鉄、ニッケル及び/又は銅は、充填材の少なくとも80重量%を構成する。 ヨウ素捕捉充填材は好ましくは、316 ステンレススチール、ニッケル、銅又は ニッケルと銅との合金から構成される。銅−ニッケル合金、例えばモネル合金か ら構成された充填材が特に好ましいヨウ素捕捉材である。このような合金は、50 〜80重量%のニッケルと50〜20重量%の銅とからなっている。この銅−ニッケル 合金には、10重量%以下の1種又はそれ以上の上記の追加の金属又は化合物が含 有されていてよい。 ヨウ素捕捉充填材は、商業的蒸留運転で充填材として普通に使用されている成 形物品、例えば編組金網、リング及びサドルの形で使用される。一般的に、ヨウ 素捕捉充填材の表面積は1リットル当たり少なくとも1平方メートルである。 所定量の酢酸又は無水酢酸を精製するために必要な金属製ヨウ素捕捉充填材の 体積は、精製するアセチル製品流のヨウ素含有量、精製した酢酸又は無水酢酸中 の所望のヨウ素濃度及びヨウ素捕捉材の表面積のような多数の変数に顕著に依存 して変わり得る。蒸留カラムに供給される粗製アセチル流のヨウ素濃度の顕著な 低下を得るために、液空間速度(LHSV)、即ち1時間当たりヨウ素捕捉充填材の 単位体積当たり供給されるアセチルの単位体積は、普通 500を越えてはならない 。50の係数まで、例えば、1ppm から20ppb までのヨ ウ素濃度の低下を得るために、LHSVは通常 100〜500 の範囲内、好ましくは 200 〜300 の範囲内にしなくてはならない。 本発明の方法の運転に於いて、精製するアセチル酸製品流は、金属製ヨウ素捕 捉材を含有する蒸留カラムの中間部又は下部に供給する。酢酸製品流は米国特許 第4,039,395 号に記載されているもののような精製/脱水方法から得ることがで きる。蒸留カラムから三つの流れ、即ち、(i)カラムの頂部からの、酢酸又は 無水酢酸及び水、ヨウ化メチル、メタノール、酢酸メチル、ベンゼン、トルエン 等のような低沸点物からなる小量の蒸気、(ii)蒸留カラムの底部からの、酢酸 又は無水酢酸及びヨウ素及び/又はヨウ素化合物からなる小量の液体並びに(iii )蒸留カラムの上部の側部からの大量の精製酢酸又は無水酢酸(側部取出流)が 取り出される。通常、精製酢酸又は無水酢酸の側部取出流は、カラムに供給され たアセチル製品流の少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%を構成 する。従って、頂部蒸気流及び底流液体流の合計は、カラムに供給された酢酸の 20重量%未満、好ましくは10重量%未満である。蒸留カラムに供給された粗製ア セチル流中に含有されるヨウ素の大部分は、多分カラムの底部から取り出される 液体中の1種又はそれ以上の金属ヨウ化物塩として取り出される。 本発明のヨウ素除去方法を下記の例により更に示す。例で使用したヨウ素含有 酢酸は、第VIII族金属及びトリフェニルホスフィンからなる触媒系の存在下での 、メタノール及びヨウ化メチルの混合物のカルボニル化により製造した。従って 、精製した酢酸の大部分には幾らかのヨードベンゼンが含有されていた。 例で使用した蒸留カラムは、幾つかの異なった長さの1インチ直径、銀色塗装 した、真空ジャケット付きガラスカラムから構成されていた。電気加熱マントル を取り付けた1リットルの三ツ口フラス コに、(1)上記の1インチ直径のガラスカラムの36インチ部分、(2)供給プ レート、(3)上記の1インチ直径のガラスカラムの30インチ部分、(4)供給 プレート、(5)上記の1インチ直径のガラスカラムの6インチ部分及び(6) 蒸気取出ヘッドをこの順で接続した。供給プレートと蒸気取出ヘッドとに温度計 を取り付けた。3インチ編組金網による1インチ直径の形状のグッドロー(Good loe)金属充填物が、カラム部分(1)に36インチ含まれ、カラム部分(3)に3 0インチ含まれ、カラム部分(5)に6インチ含まれていた。 粗製酢酸を供給プレート(2)に供給し、精製した酢酸を供給プレート(4) でカラムの側部から取り出した。微量の低沸点不純物を除去するために、小量の 蒸気流を蒸気取出ヘッドを通して頂部から取り出した。金属ヨウ化物塩及び高沸 点物を除去するために、液体流を底から下に流した。ヨウ素を粗製酢酸から除去 する例1〜24に含まれる蒸留は、大気圧で底フラスコ内の 120℃から、116 ℃の 蒸気取り出し温度までの範囲内の温度で行った。ヨウ素を粗製無水酢酸から除去 する例25の蒸留は、大気圧で底フラスコ内の約 140℃から、約 130℃の蒸気取り 出し温度までの範囲内の温度で行った。 蒸留カラムの頂部及び底部から取り出した酢酸を、X線分析(感度はヨウ素5p pm)により全ヨウ素について分析した。精製した側部取出酢酸をイオンクロマト グラフィー(感度はヨウ素10ppb)によりヨウ素含有量について分析する。ヨード ベンゼンの形で存在するヨウ素はイオンクロマトグラフィーによって検出されな いので、精製した側部取出酢酸の試料の幾らかを前処理して、ヨードベンゼンを イオンクロマトグラフィーにより検出されるヨウ素化合物(類)に転換する。例 19〜21に記載した分析にはこのような前処理は含まれておらず、それで存在する どのようなヨードベンゼンもこれらの例 で記載したヨウ素濃度には含まれていない。金属分析はICP によって行う。 例で使用した粗製酢酸は典型的に、99+重量%の酢酸からなっている。粗製酢 酸の全ヨウ素含有量はX線及び/又はイオンクロマトグラフィー分析により決定 する。 例1〜18に於いて、使用したグッドロー(Goodloe)金属充填材は、銅33重量% 及びニッケル67重量%からなる合金の編組金網であった。この材料は、モネルメ タルグッドロー(MONEL Metal Goodloe)充填物として入手できる市販の充填材で ある。例1 全ヨウ素4ppm を含有する合計7074mLの酢酸を、200mL /時の速度で、1.83m (72インチ)の銅−ニッケル充填材を含有する上記のガラス蒸留カラムに供給し た。頂部から取り出した蒸気の全量は、供給した粗製酢酸の 4.0重量%から構成 され、ヨウ素5ppm 未満を含有していた。カラムの底部から取り出した液体の全 量は、供給した粗製酢酸の 0.9重量%から構成され、金属ヨウ化物塩としてヨウ 素61ppm を含有していた。精製酢酸の側部取出流にはヨウ素10ppb未満が含有さ れていた。例2 全ヨウ素4ppm を含有する合計3142mLの酢酸を、200mL /時の速度で、例1に 記載した蒸留カラムに供給した。頂部から取り出した蒸気の全量は、供給した粗 製酢酸の 4.7重量%から構成され、ヨウ素5ppm 未満を含有していた。カラムの 底部から取り出した液体の全量は、供給した粗製酢酸の 4.2重量%から構成され 、金属ヨウ化物塩としてヨウ素77ppm を含有していた。精製酢酸の側部取出流に はヨウ素10ppb 未満が含有されていた。例3 全ヨウ素3ppm を含有する合計3104mLの酢酸を、200mL /時の速度で、例1に 記載した蒸留カラムに供給した。頂部から取り出した蒸気の全量は、供給した粗 製酢酸の 5.2重量%から構成され、ヨウ素5ppm 未満を含有していた。カラムの 底部から取り出した液体の全量は、供給した粗製酢酸の 3.8重量%から構成され 、金属ヨウ化物塩としてヨウ素41ppm を含有していた。精製酢酸の側部取出流に はヨウ素10ppb 未満が含有されていた。例4 全ヨウ素6ppm を含有する合計2950mLの酢酸を、200mL /時の速度で、例1に 記載した蒸留カラムに供給した。頂部から取り出した蒸気の全量は、供給した粗 製酢酸の 5.1重量%から構成され、ヨウ素5ppm 未満を含有していた。カラムの 底部から取り出した液体の全量は、供給した粗製酢酸の 1.7重量%から構成され 、金属ヨウ化物塩としてヨウ素67ppm を含有していた。精製酢酸の側部取出流に はヨウ素10ppb 未満が含有されていた。例5 全ヨウ素5ppm を含有する合計3515mLの酢酸を、200mL /時の速度で、例1に 記載した蒸留カラムに供給した。頂部から取り出した蒸気の全量は、供給した粗 製酢酸の 2.8重量%から構成され、ヨウ素5ppm 未満を含有していた。カラムの 底部から取り出した液体の全量は、供給した粗製酢酸の 4.7重量%から構成され 、金属ヨウ化物塩としてヨウ素30ppm を含有していた。精製酢酸の側部取出流に はヨウ素10ppb 未満が含有されていた。例6 全ヨウ素7ppm を含有する合計3570mLの酢酸を、200mL /時の速度で、例1に 記載した蒸留カラムに供給した。頂部から取り出した 蒸気の全量は、供給した粗製酢酸の 2.7重量%から構成され、ヨウ素5ppm 未満 を含有していた。カラムの底部から取り出した液体の全量は、供給した粗製酢酸 の 5.7重量%から構成され、金属ヨウ化物塩としてヨウ素51ppm を含有していた 。精製酢酸の側部取出流にはヨウ素13ppb が含有されていた。例7 全ヨウ素5ppm を含有する合計1483mLの酢酸を、200mL /時の速度で、例1に 記載した蒸留カラムに供給した。頂部から取り出した蒸気の全量は、供給した粗 製酢酸の 3.5重量%から構成され、ヨウ素5ppm 未満を含有していた。カラムの 底部から取り出した液体の全量は、供給した粗製酢酸の 3.5重量%から構成され 、金属ヨウ化物塩としてヨウ素53ppm を含有していた。精製酢酸の側部取出流に はヨウ素10ppb 未満が含有されていた。例8 全ヨウ素5ppm を含有する合計1533mLの酢酸を、200mL /時の速度で、供給プ レートと側部取出プレートとの間の銅−ニッケル充填材を76.2cm(30インチ)か ら38.1cm(15インチ)に減少させた以外は上記のガラス蒸留カラムに供給した。 頂部から取り出した蒸気の全量は、供給した粗製酢酸の 3.9重量%から構成され 、ヨウ素5ppm 未満を含有していた。カラムの底部から取り出した液体の全量は 、供給した粗製酢酸の 6.2重量%から構成され、金属ヨウ化物塩としてヨウ素35 ppm を含有していた。精製酢酸の側部取出流にはヨウ素40ppb が含有されていた 。例9 全ヨウ素5ppm を含有する合計1666mLの酢酸を、200mL /時の速度で、例8に 記載した手順に修正を加えて蒸留カラムに供給した。頂部から取り出した蒸気の 全量は、供給した粗製酢酸の 2.7重量% から構成され、ヨウ素5ppm 未満を含有していた。カラムの底部から取り出した 液体の全量は、供給した粗製酢酸の 5.7重量%から構成され、金属ヨウ化物塩と してヨウ素38ppm を含有していた。精製酢酸の側部取出流にはヨウ素66ppb が含 有されていた。例10 全ヨウ素10ppm を含有する合計1648mLの酢酸を、200mL /時の速度で、例8で 除去した38.1cm(15インチ)の銅−ニッケル充填材を、50.8cm(20インチ)のハ ステロイCニッケルベースの合金から作られたペンステート(Penn State)充填 材で置き換えた以外は上記のガラス蒸留カラムに供給した。ペンステート充填材 は、1平方インチ当たり 100個の小さい突き出た穴を有する0.24インチ長さの金 属リボンの形である。頂部から取り出した蒸気の全量は、供給した粗製酢酸の 2 .1重量%から構成され、ヨウ素5ppm 未満を含有していた。カラムの底部から取 り出した液体の全量は、供給した粗製酢酸の 5.8重量%から構成され、金属ヨウ 化物塩としてヨウ素58ppm を含有していた。粗製酢酸の側部取出流にはヨウ素38 ppb が含有されていた。例11 全ヨウ素3ppm を含有する合計1651mLの酢酸を、200mL /時の速度で、例10に 記載した手順に修正を加えて蒸留カラムに供給した。頂部から取り出した蒸気の 全量は、供給した粗製酢酸の 2.4重量%から構成され、ヨウ素5ppm 未満を含有 していた。カラムの底部から取り出した液体の全量は、供給した粗製酢酸の 4.8 重量%から構成され、金属ヨウ化物塩としてヨウ素57ppm を含有していた。精製 酢酸の側部取出流にはヨウ素20ppb が含有されていた。例12 全ヨウ素3ppm を含有する合計1624mLの酢酸を、200mL /時の速 度で、例10に記載した手順に修正を加えて蒸留カラムに供給した。頂部から取り 出した蒸気の全量は、供給した粗製酢酸の 3.7重量%から構成され、ヨウ素5pp m 未満を含有していた。カラムの底部から取り出した液体の全量は、供給した粗 製酢酸の 1.9重量%から構成され、金属ヨウ化物塩としてヨウ素72ppm を含有し ていた。精製酢酸の側部取出流にはヨウ素10ppb 未満が含有されていた。例13 全ヨウ素6ppm を含有する合計1638mLの酢酸を、200mL /時の速度で、供給プ レートの下の0.91m(36インチ)の銅−ニッケル充填材料を、0.91mのハステロ イC合金から作られたペンステート充填材で置き換えた以外は上記の例1で使用 したガラス蒸留カラムに供給した。頂部から取り出した蒸気の全量は、供給した 粗製酢酸の 3.6重量%から構成され、ヨウ素5ppm 未満を含有していた。カラム の底部から取り出した液体の全量は、供給した粗製酢酸の 3.6重量%から構成さ れ、金属ヨウ化物塩としてヨウ素8ppm を含有していた。粗製酢酸の側部取出流 にはヨウ素18ppb が含有されていた。例14 全ヨウ素10ppm を含有する合計1630mLの酢酸を、200mL /時の速度で、例13に 記載した手順に修正を加えて蒸留カラムに供給した。頂部から取り出した蒸気の 全量は、供給した粗製酢酸の 4.6重量%から構成され、ヨウ素5ppm 未満を含有 していた。カラムの底部から取り出した液体の全量は、供給した粗製酢酸の 5.0 重量%から構成され、金属ヨウ化物塩としてヨウ素11ppm を含有していた。精製 酢酸の側部取出流にはヨウ素50ppb が含有されていた。例15 全ヨウ素3ppm を含有する合計1713mLの酢酸を、200mL /時の速度で、例13に 記載した手順に修正を加えて蒸留カラムに供給した。 頂部から取り出した蒸気の全量は、供給した粗製酢酸の 3.9重量%から構成され 、ヨウ素5ppm 未満を含有していた。カラムの底部から取り出した液体の全量は 、供給した粗製酢酸の 5.0重量%から構成され、金属ヨウ化物塩としてヨウ素39 ppm を含有していた。精製酢酸の側部取出流にはヨウ素26ppb が含有されていた 。例16 全ヨウ素3ppm を含有する合計1590mLの酢酸を、200mL /時の速度で、0.91m (36インチ)のハステロイCのペンステート充填材を(1)供給プレートの下の 15.2cm(6インチ)の先の例で使用した銅−ニッケル充填材及び(2)15.2cmの 銅−ニッケル充填材の下の、76.2cm(30インチ)のハステロイC合金から作られ たグッドロー充填材で置き換えた以外は、上記の例13で使用したガラス蒸留カラ ムに供給した。頂部から取り出した蒸気の全量は、供給した粗製酢酸の 4.1重量 %から構成され、ヨウ素5ppm 未満を含有していた。カラムの底部から取り出し た液体の全量は、供給した粗製酢酸の 5.0重量%から構成され、金属ヨウ化物塩 としてヨウ素28ppm を含有していた。精製酢酸の側部取出流にはヨウ素17ppb が 含有されていた。例17 全ヨウ素4ppm を含有する合計1648mLの酢酸を、200mL /時の速度で、例16に 記載した手順に修正を加えて蒸留カラムに供給した。頂部から取り出した蒸気の 全量は、供給した粗製酢酸の 3.1重量%から構成され、ヨウ素5ppm 未満を含有 していた。カラムの底部から取り出した液体の全量は、供給した粗製酢酸の 5.0 重量%から構成され、金属ヨウ化物塩としてヨウ素35ppm を含有していた。精製 酢酸の側部取出流にはヨウ素10ppb 未満が含有されていた。例18 全ヨウ素10ppm を含有する合計1613mLの酢酸を、200mL /時の速度で、例16に 記載した手順に修正を加えて蒸留カラムに供給した。頂部から取り出した蒸気の 全量は、供給した粗製酢酸の 3.7重量%から構成され、ヨウ素5ppm 未満を含有 していた。カラムの底部から取り出した液体の全量は、供給した粗製酢酸の 5.0 重量%から構成され、金属ヨウ化物塩としてヨウ素45ppm を含有していた。精製 酢酸の側部取出流にはヨウ素40ppb が含有されていた。 1.83mのモネルメタルグッドロー(MONEL Metal Goodloe)充填材を含有するガ ラス蒸留カラムを 409時間運転したことに基づいて、この充填材の腐食の速度は 1年間当たり 102ミクロンであると決定された。例19 この実験に於いて、使用した金属充填材は 304ステンレススチールから構成さ れたペンステートパッキング(Penn State Packing)であった。全ヨウ素17ppm を含有する合計3832mLの酢酸を250mL/時の速度で、上記のガラス蒸留カラムに 供給した。頂部から取り出した蒸気の全量は、供給した粗製酢酸の 4.2重量%か ら構成され、ヨウ素5ppm 未満を含有していた。カラムの底部から取り出した液 体の全量は、供給した粗製酢酸の1.2 重量%から構成され、金属ヨウ化物塩とし てヨウ素43ppm を含有していた。精製酢酸の側部取出流にはヨウ素10ppb 未満が 含有されていた。304 ステンレススチール充填材の腐食の速度は非常に高かった 。例20 この実施に於いて、使用したグットロー金属充填材は 316ステンレススチール の編組金網であった。全ヨウ素27ppm を含有する合計3635mLの酢酸を 250mL/時 の速度で、上記のガラス蒸留カラムに供給した。頂部から取り出した蒸気の全量 は、供給した粗製酢酸の 4 .3重量%から構成され、ヨウ素27ppm を含有していた。カラムの底部から取り出 した液体の全量は、供給した粗製酢酸の 0.6重量%から構成され、金属ヨウ化物 塩としてヨウ素169ppmを含有していた。精製酢酸の側部取出流にはヨウ素76〜84 ppb が含有されていた。例21 この実験に於いて、1インチ直径のガラスカラムの部分(1)及び(3)には 66インチの 316ステンレススチールペンステート充填物が含有され、部分(5) には6インチのグッドロー銅充填物が編組金網として含有された。全ヨウ素4pp m を含有する合計6000mLの酢酸を250mL /時の速度で、上記のガラス蒸留カラム に供給した。頂部から取り出した蒸気の全量は、供給した粗製素酸の 5.1重量% から構成され、ヨウ素8ppm を含有していた。カラムの底部から取り出した液体 の全量は、供給した粗製酢酸の 3.1重量%から構成され、金属ヨウ化物塩として ヨウ素26ppm を含有していた。精製酢酸の側部取出流にはヨウ素40ppb 未満が含 有されていた。例22 この実験に於いて、使用したグッドロー金属充填物は銅の編組金網であった。 全ヨウ素4ppm を含有する合計3671mLの酢酸を 200mL/時の速度で、上記のガラ ス蒸留カラムに供給した。頂部から取り出した蒸気の全量は、供給した粗製酢酸 の 7.9重量%から構成され、ヨウ素5ppm 未満を含有していた。カラムの底部か ら取り出した液体の全量は、供給した粗製酢酸の 3.8重量%から構成され、金属 ヨウ化物塩としてヨウ素150ppmを含有していた。精製酢酸の側部取出流にはヨウ 素39ppb が含有されていた。例23 例22に於けるように、本例で使用したグッドロー金属充填物は銅の編組金網で あった。更に、前記の蒸留装置を、30インチの中間カ ラム部分(3)を50インチのグッドロー銅充填物で充填した部分と交換すること によって修正した。 全ヨウ素3ppm を含有する合計3549mLの酢酸を200mL/時の速度で、上記のガ ラス蒸留カラムに供給した。頂部から取り出した蒸気の全量は、供給した粗製酢 酸の 8.4重量%から構成され、ヨウ素5ppm 未満を含有していた。カラムの底部 から取り出した液体の全量は、供給した粗製酢酸の 3.4重量%から構成され、金 属ヨウ化物塩としてヨウ素146ppmを含有していた。精製酢酸の側部取出流にはヨ ウ素10ppb 未満が含有されていた。例24 この実験に於いて、蒸留カラムの36インチ部分(1)の下側20インチを、グッ ドローハステロイC充填物で充填し、上側16インチをグッドローニッケル充填物 で充填した。中間部分(3)には30インチのグッドローニッケル充填物が含有さ れ、上部分(5)には6インチのグッドローハステロイC充填物が充填されてい た。 全ヨウ素3ppm を含有する合計1694mLの酢酸を200mL/時の速度で、上記のガ ラス蒸留カラムに供給した。頂部から取り出した蒸気の全量は、供給した粗製酢 酸の 3.5重量%から構成され、ヨウ素5ppm 未満を含有していた。カラムの底部 から取り出した液体の全量は、供給した粗製酢酸の 3.1重量%から構成され、金 属ヨウ化物塩としてヨウ素57ppm を含有していた。精製酢酸の側部取出流にはヨ ウ素10ppb が含有されていた。例25 無水酢酸からヨウ素を除去するために、例16に記載した修正装置を使用した。 全ヨウ素1.3ppmを含有する合計4000mLの無水酢酸を250mL /時の速度で、蒸留カ ラムに供給した。頂部から取り出した蒸気の全量は、供給した粗製無水酢酸の 1 .8重量%から構成され、ヨ ウ素5ppm 未満を含有していた。カラムの底部から取り出した液体の全量は、供 給した粗製無水酢酸の 0.7重量%から構成され、金属ヨウ化物塩としてヨウ素5 ppm 未満を含有していた。精製無水酢酸の側部取出流にはヨウ素23ppb が含有さ れていた。 本発明をその好ましい態様を特に参照して詳細に記載したが、変形及び修正を 本発明の精神及び範囲内で行うことができることを理解されたい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ミドルマス,エリック ダグラス アメリカ合衆国,テネシー 37604,ジョ ンソン シティ,ハニーウッド ドライブ 3310

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(i)酢酸又は無水酢酸及び(ii)ヨウ素、1種もしくはそれ以上のヨウ 素含有化合物又はこれらの混合物を含むアセチル製品流のヨウ素含有量を減少す る方法であって、 (1)アセチル製品流を、鉄、ニッケル、銅又はこれらの合金からなる充填材 を含有する蒸留カラムの中間部又は下部に供給する工程、 (2)蒸留カラムから、(i)小量の酢酸又は無水酢酸蒸気をカラムの頂部か ら、(ii)小量の酢酸又は無水酢酸液体をカラムの底部から及び(iii)大量の 精製酢酸又は無水酢酸を蒸留カラムの上部から取り出す工程(但し、精製酢酸又 は無水酢酸には200ppbより少ないヨウ素が含有され、蒸留カラムから取り出され た精製酢酸又は無水酢酸の量は、蒸留カラムに供給されたアセチル製品流の量の 80重量%又はそれ以上を構成する) を含んでなる方法。 2.(i)酢酸又は無水酢酸及び(ii)ヨウ素、1種もくしはそれ以上のヨウ素 含有化合物又はこれらの混合物の形での500ppb〜10ppm のヨウ素を含むアセチル 製品流のヨウ素含有量を減少させるための、 (1)アセチル製品流を、316 ステンレススチール、ニッケル、銅又はニッケ ル及び銅の合金からなる充填材を含有する蒸留カラムの中間部又は下部に供給す る工程、 (2)蒸留カラムから、(i)小量の酢酸又は無水酢酸蒸気をカラムの頂部か ら、(ii)小量の酢酸又は無水酢酸液体をカラムの底部から及び(iii)大量の 精製酢酸又は無水酢酸を蒸留カラムの上部から取り出す工程(但し、精製酢酸又 は無水酢酸には100ppbより少 ないヨウ素が含有され、蒸留カラムから取り出された精製酢酸又は無水酢酸の量 は、蒸留カラムに供給されたアセチル製品流の量の90重量%又はそれ以上を構成 する) を含んでなる請求の範囲第1項に記載の方法。 3.(i)酢酸及び(ii)ヨウ素、1種もしくはそれ以上のヨウ素含有化合物 又はこれらの混合物からなるアセチル製品流のヨウ素含有量を減少する方法であ って、 (1)アセチル製品流を、鉄、ニッケル、銅又はこれらの合金からなる充填材 を含有し、110 〜130 ℃の温度に維持された蒸留カラムの中間部又は下部に供給 する工程、 (2)蒸留カラムから、(i)小量の酢酸蒸気をカラムの頂部から、(ii)小 量の酢酸液体をカラムの底部から及び(iii)大量の精製酢酸を蒸留カラムの上部 から取り出す工程(但し、精製酢酸又は無水酢酸には200ppbより少ないヨウ素が 含有され、蒸留カラムから取り出された精製酢酸の量は、蒸留カラムに供給され たアセチル製品流の量の80重量%又はそれ以上を構成する) を含んでなる方法。 4.(i)酢酸及び(ii)ヨウ素、1種もしくはそれ以上のヨウ素含有化合物 又はこれらの混合物の形での500ppb〜10ppm のヨウ素を含むアセチル製品流のヨ ウ素含有量を減少するための、 (1)アセチル製品流を、316 ステンレススチール、ニッケル、銅又はニッケ ル及び銅の合金からなる充填材を含有する蒸留カラムの中間部又は下部に供給す る工程、 (2)蒸留カラムから、(i)小量の酢酸蒸気をカラムの頂部から、(ii)小 量の酢酸液体をカラムの底部から及び(iii)大量の精製酢酸を蒸留カラムの上 部から取り出す工程(但し、精製酢酸には100ppbより少ないヨウ素が含有され、 蒸留カラムから取り出された 精製酢酸又は無水酢酸の量は、蒸留カラムに供給されたアセチル製品流の量の90 重量%又はそれ以上を構成する) を含んでなる請求の範囲第3項に記載の方法。 5.(i)酢酸及び(ii)ヨウ素、1種もしくはそれ以上のヨウ素含有化合物 又はこれらの混合物の形での500ppb〜10ppm のヨウ素を含むアセチル製品流のヨ ウ素含有量を減少する方法であって、 (1)アセチル製品流を、50〜80重量%のニッケル及び50〜20重量%の銅から なるニッケル−銅合金から構成される充填材を含有し、110 〜130 ℃の温度に維 持された蒸留カラムの中間部又は下部に供給する工程、 (2)蒸留カラムから、(i)小量の酢酸蒸気をカラムの頂部から、(ii)小 量の酢酸液体をカラムの底部から及び(iii)大量の精製酢酸を蒸留カラムの上部 から取り出す工程(但し、精製酢酸には100ppbより少ないヨウ素が含有され、蒸 留カラムから取り出された精製酢酸又は無水酢酸の量は、蒸留カラムに供給され たアセチル製品流の量の80重量%以上を構成する) を含んでなる方法。 6.精製酢酸に20ppb 未満のヨウ素が含有され、蒸留カラムから取り出された 精製酢酸又は無水酢酸の量が、蒸留カラムに供給されたアセチル製品流の量の90 重量%又はそれ以上を構成する請求の範囲第5項に記載の方法。
JP52721595A 1994-05-31 1995-05-03 アセチル化合物からのヨウ素の除去方法 Expired - Fee Related JP3708545B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US251,228 1994-05-31
US08/251,228 US5502249A (en) 1994-05-31 1994-05-31 Process for the removal of iodine from acetyl compounds
PCT/US1995/005525 WO1995032938A1 (en) 1994-05-31 1995-05-03 Process for the removal of iodine from acetyl compounds

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10500400A true JPH10500400A (ja) 1998-01-13
JP3708545B2 JP3708545B2 (ja) 2005-10-19

Family

ID=22951025

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP52721595A Expired - Fee Related JP3708545B2 (ja) 1994-05-31 1995-05-03 アセチル化合物からのヨウ素の除去方法

Country Status (7)

Country Link
US (1) US5502249A (ja)
EP (1) EP0763007B1 (ja)
JP (1) JP3708545B2 (ja)
CN (1) CN1083418C (ja)
DE (1) DE69507030T2 (ja)
TW (1) TW249801B (ja)
WO (1) WO1995032938A1 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3377555B2 (ja) * 1993-05-31 2003-02-17 ダイセル化学工業株式会社 カルボニル化反応生成物に含有されるヨウ素化合物の除去方法
IN192600B (ja) * 1996-10-18 2004-05-08 Hoechst Celanese Corp
JP4161470B2 (ja) * 1999-05-25 2008-10-08 宇部興産株式会社 高純度二価フェノール及びその製造法
CN101471328B (zh) * 2007-12-25 2010-06-09 力成科技股份有限公司 基板面板
US9102604B1 (en) 2010-02-15 2015-08-11 Baxter International Inc. Methods for cleaning distilling columns
BR112013011438A2 (pt) * 2010-11-12 2016-08-09 Eastman Chem Co processo para refinar uma mistura de acetilas bruta
FR3016439B1 (fr) * 2014-01-12 2017-08-25 Sc2N Sa Dispositif de mesure de pression d'un fluide
CN110508248B (zh) * 2019-08-30 2022-07-15 四川神州奥特农业科技有限公司 一种碘吸附材料及其制备方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB486887A (en) * 1935-12-13 1938-06-13 Du Pont Improvements in or relating to the separation of the constituents of organic-inorganic addition compounds
US4029553A (en) * 1975-07-28 1977-06-14 Monsanto Company Purification of acetic acid streams by distillation
US4036940A (en) * 1975-12-29 1977-07-19 Monsanto Company Recovery of iodine
DE3329781A1 (de) * 1983-08-18 1985-02-28 Hoechst Ag, 6230 Frankfurt Verfahren zur abtrennung von jod und dessen verbindungen aus den bei der carbonylierung von dimethylether, methylacetat oder methanol erhaltenen carbonylierungsprodukten
US4813988A (en) * 1987-12-14 1989-03-21 Air Products And Chemicals, Inc. Suitable distillation column packing for the cryogenic separation of air
US5300685A (en) * 1991-11-25 1994-04-05 Hoechst Celanese Corporation Removal of halide impurities from organic liquids
DE4140082A1 (de) * 1991-12-05 1993-06-09 Hoechst Ag, 6230 Frankfurt, De Verfahren zur reinigung von abfallessigsaeure

Also Published As

Publication number Publication date
EP0763007B1 (en) 1998-12-30
JP3708545B2 (ja) 2005-10-19
DE69507030T2 (de) 1999-09-09
TW249801B (en) 1995-06-21
CN1152906A (zh) 1997-06-25
EP0763007A1 (en) 1997-03-19
CN1083418C (zh) 2002-04-24
DE69507030D1 (de) 1999-02-11
US5502249A (en) 1996-03-26
WO1995032938A1 (en) 1995-12-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5399752A (en) Purification of carboxyl streams
EP0985653B1 (en) Carbonylation process
KR100987864B1 (ko) 높은 아세트산 생산 및 물 균형 제어를 위한 저 함수메탄올 카보닐화 방법
KR100231612B1 (ko) 카르복실산및/또는그의무수물의정제방법
KR101300416B1 (ko) 알데하이드 제거가 개선된 메탄올 카보닐화
JP2959894B2 (ja) カルボニル化プロセス流からのカルボニル不純物の除去法
RU99119090A (ru) Способ карбонилирования
DE69512631T2 (de) Verfahren zur Reinigung einer Carbonsäure
US4981995A (en) Method for producing ibuprofen
EP0120631A1 (en) A process for producing carboxylic acids by carbonylation of alkanols over a carbon catalyst
JP3708545B2 (ja) アセチル化合物からのヨウ素の除去方法
EP0685445B1 (en) Process for removing iodine-containing compounds from acetic acid
KR920010572B1 (ko) 수소화 촉매의 존재하에 이루어지는 아세트 산의 수소로의 처리방법
JP2880060B2 (ja) メタノールのカルボニル化による酢酸、酢酸メチルおよび無水酢酸の製造方法
EP0645362A1 (en) Process for producing highly purified acetic acid
Watson et al. The Cativa Process for the Production of Acetic Acid
US6346645B1 (en) Adsorptive removal of carbonyl impurities from oxygenated organic liquids
US3560560A (en) Purification of acetic acid
US5282884A (en) Process for the recovery of noble metals and tertiary phosphines
JPH07291900A (ja) 活性炭上の吸着によつてエチレングリコールカーボネート(egc)を精製するための方法
US20110313193A1 (en) Purification of acetic acid

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050705

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050622

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050804

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090812

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100812

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100812

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110812

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120812

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130812

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees