JPH10500017A - アルファウイルス発現ベクター - Google Patents

アルファウイルス発現ベクター

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、アルファウイルスゲノムの少なくとも一部および翻訳増強活性をもつアルファウイルス塩基配列の下流に挿入された異種RNAを含むアルファウイルス発現ベクターに向けられる。そのようなベクターは、細胞培養または生体における真核細胞中への該ベクターの導入後、目的の生産物をコードし、そして該異種RNAに相補的であるDNAまたはcDNAの増強された発現レベルを達成するために使用できる。発現産物は、治療または予防活性をもつかもしれない。

Description

【発明の詳細な説明】 アルファウイルス発現ベクター 本発明は、一般に、ポリヌクレオチド分子、およびそれらのヒトまたは動物細 胞への導入後、目的生産物の生産のためのそれらの使用に関する。 より具体的には、本発明は、アルファウイルスゲノムの少なくとも一部および 翻訳増強活性をもつアルファウイルス塩基配列の下流に挿入された異種RNAを 含むアルファウイルス発現ベクターに向けられる。そのようなベクターは、細胞 培養または生体における真核細胞中への該ベクターの導入後、目的の生産物をコ ードし、そして該異種RNAに相補的であるDNAまたはcDNAの増強された 発現レベルを達成するために使用できる。 分子生物学における近代技術は、医薬品およびバイオテクノロジー産業に対し て全く予測できなかった多くの可能性を開いた。例えば、今日では、いかなる遺 伝子(一旦、同定された)をもDNA(またはcDNA)分子としてクローン化 し、そしてそれを原核および/または真核細胞中で発現させることができる。こ れは、治療用および/またはワクチンのような予防用に、イン・ビトロにおける 対応するタンパク質の生産を容易にした。近年、また、遺伝子発現技術の可能性 は、あらゆる動物においてそして人間においてさえ、イン・ビボ使用に対しても 拡大されてきた。この最近の進展の例証は、ヒトの遺伝子治療(1)および遺伝的 免疫(2)である。イン・ビボまたはイン・ビトロで外来遺伝子を発現させるため に、コーディング配列を含む遺伝子セグメントまたは対応するcDNAが、通常 、いわゆる発現ベクター中に挿入される。このベクタ ーは、細胞内で、遺伝子またはそのcDNAの転写および翻訳のために必要なす べての要素を備えている。今日では、細菌および酵母細胞のための非常に効率的 な発現ベクターが存在している。しかしながら、これは、哺乳動物のような動物 細胞の場合には当てはまらない。このことは、哺乳動物に特異的な改変をもつタ ンパク質が、病気の治療目的または予防のために生産され、単離される必要があ る時、あるいは生物体全体での発現、例えば動物またはヒトの生体における発現 が求められる場合には、大きな問題を生じることになる。それ故、非常に一般的 に言えば、哺乳動物のような動物細胞における使用のための新規な発現ベクター であって、 (i)タンパク質発現効率が増強され、 (ii)宿主細胞特異性が拡大され、そして (iii)安全性が高められた、 ベクターに対する大きな要望が存在する。 近年、全く新規タイプのDNA発現ベクターが、哺乳動物のような動物細胞に おける使用のために開発された。これらのベクターは、アルファウイルスゲノム に基づいている。 アルファウイルスは、ウイルスのスパイクタンパク質を含有するエンベロープ によって囲まれたヌクレオキャプシド中に包まれた陽極性の一本鎖RNAゲノム をもつ、トガウイルス科に属する一属である。 アルファウイルス属は、その中に、すべて近縁であるシンドビスウイルス、セ ムリキ森林熱ウイルス(SFV)、ロスリバーウイルスおよびベネズエラ、西部 および東部ウマ脳炎ウイルスを含む。特に、シンドビスおよびセムリキ森林熱ウ イルスは、広く研究されており、そしてこれ らのウイルスのライフサイクル、複製様式等は、よく知られており、したがって 、ここで特に議論されることを要しない。 アルファウイルスは、動物細胞中で非常に効率的に複製し、そのような細胞に おけるタンパク質および核酸の生産のためのベクターとして、それらを価値ある ものにしている。 シンドビスウイルスに基づく発現系は、米国特許第5 091 309号および同第5 2 17 879号に開示されている。米国特許第5 091 309号のシンドビスウイルスベク ターは、そこに挿入された異種RNAをもつ、シンドビス欠陥干渉性(DI)R NA由来のRNAを含む。米国特許第5 217 879号では、自己複製および自己パ ッケージング組み換えシンドビスウイルスRNA分子が、異種コーディング配列 および宿主細胞中でシンドビスウイルス・サブゲノムメッセンジャーRNA合成 を導くことができる少なくとも1つのシンドビスウイルス結合領域を含むことが 開示されている。RNA転写物は、プロモーター、例えばSP6の制御下プラス ミドに挿入されたシンドビスウイルスcDNAの転写によってイン・ビトロで合 成される。 また、Xiong et al.,Science,Vol 243,1989,1188-1191(3)は、シンドビス ウイルスに基づく遺伝子発現系を開示している。この系は、広範囲の動物細胞に おいて有効であると言われる。昆虫、トリ、およびヒト細胞を除く哺乳動物細胞 における細菌CAT(クロラムフェニコール・アセチルトランスフェラーゼ)遺 伝子の発現が、そこに開示されている。 Bio/Technology,Volume 9,pages 1356-1361,1991(4)では、Liljes を開示している。外来DNAコーディング配列が、これらのベクター中 に挿入される場合には、多量の外来タンパク質が得られる。 WO 92/10578によれば、アルファウイルスRNAゲノムに由来し、そして動物 細胞に効率的に感染できるRNA分子が、提供されるが、そのRNA分子は、該 アルファウイルスRNAの複製に必須である完全なアルファウイルスゲノム領域 を含み、さらに、該宿主細胞でその機能を発現できる外因性RNA配列を含むが 、該外因性RNA配列は、その発現には必須ではないRNA分子の一領域に挿入 されている。WO 92/10578によれば、そのようなRNA分子は、トランスフェク ションのいかなる手段によっても、または感染性アルファウイルス粒子中に該R NA分子をパッケージングして、その後動物細胞へ感染させることによっても、 動物細胞中に転移できる。両方の場合、トランスフェクションまたは感染された RNA分子は、標的動物細胞中で複製し、そして該RNA分子中に挿入された外 因性RNA配列を発現することができるであろう。そのような分子および細胞中 でのそれらの発現のための戦略は、ワクチンとして、または、感染やがんを予防 または治療するためのワクチンに対する戦略として使用できる。この文献では、 SFVが、アルファウイルスを具体的に説明するために使用された。 アルファウイルスゲノムに基づく上記発現ベクターは、初期の哺乳動物タンパ ク質発現系よりも高いタンパク質発現効率を促進することが示された。また、そ れらは、ほとんど全ての高等な真核生物細胞の種類においても働くことが示され た。さらにまた、それらは、ウイルスの拡散を防ぐべく高度に厳格な安全性を補 足されている。HIVスパイク・タンパク質のような、病気の予防に使用される 重要なタンパク質は、この系を用いて生産されており、そしてそのようなタンパ ク質は、他の系で 生産された場合よりも、自然に近い構造をもつことが示された(6)。また、アル ファウイルスは、遺伝的免疫感作のためにも使用されて成功している(7)。 本発明は、アルファウイルス発現ベクターの有意義な、そして予期せぬ改良に 向けられる。 より具体的には、本発明によって、翻訳増強活性をもつヌクレオチド塩基配列 が、アルファウイルスゲノム中に存在することが発見された。これまで既知のア ルファウイルスベクターの発現レベルに比較して、本発明により得ることができ る目的の物質の発現レベルは、約10倍に増加される。 かくして、本発明は、一般に、真核生物細胞における異種DNAの発現、発現 を達成するために使用されるアルファウイルスゲノムの少なくとも一部を含むア ルファウイルスベクター、さらに、翻訳増強活性をもつヌクレオチド塩基配列の 下流に、実質的に隣接して挿入された異種DNAに相補的なRNAを含む該ベク ターに向けられる。 本発明によれば、翻訳増強活性(または翻訳エンハンサーとも呼ばれる)をも つそのような塩基配列は、アルファウイルス・キャプシド遺伝子の5’部分また は完全なキャプシド遺伝子を含む。適切には、この翻訳エンハンサーは、アルフ ァウイルスベクターにとって内因性である。しかしながら、その他のアルファウ イルス種起源の外因性翻訳エンハンサーが、少なくとも場合によっては使用され てもよい。 かくして、また、本発明は、アルファウイルスRNAゲノムの少なくとも一部 、および翻訳増強活性をもつアルファウイルス塩基配列の下流に位置する生物活 性をもつ物質をコードする異種RNAを含む、自己複 製および転写能をもつ組み換えアルファウイルスRNA分子に関するが、該翻訳 増強塩基配列は、完全なアルファウイルス・キャプシド遺伝子または該遺伝子の 5’部分を含んでなる。 本発明の適切な実施態様は、セムリキ森林熱ウイルス(SFV)ゲノムに基づ く発現ベクターに関する。完全なSFVキャプシド遺伝子は、267個のアミノ 酸残基をコードしており、したがって、801個の塩基を含む。 SFVでは、翻訳増強活性は、このキャプシド遺伝子の最初の102個の塩基 に存在することが発見されたが、該活性は、野生型キャプシドタンパク質の約8 5%のレベルで、タンパク質生産を引き起こした。これは、既知のSFVベクタ ーに比較して約10倍の増加である。 また、最初の81個の塩基を含む該遺伝子の配列は、程度は低いけれども発現 レベルの増加をもたらす。 かくして、本SFV翻訳エンハンサーは、キャプシド遺伝子の少なくとも最初 の81個の塩基、好ましくは、最初の102個の塩基、そしてほとんど801個 の塩基、すなわち完全なキャプシド遺伝子に対応する塩基配列を含む。 5’から3’末端へと読み進んで、最初の102個の塩基を含んでなるSFV キャプシド遺伝子の該5’部分の配列は、 である。 また、実質的に保存された増強活性をもつこの塩基配列の改変(例えば、塩基 欠失、置換および/または付加)は、本発明によって包含される。 次に具体的に説明される実施例において、翻訳エンハンサーの存在は、SFV について例証された。種々のアルファウイルス種間の相同性を考慮すると、翻訳 増強の類似機構が、すべてのアルファウイルスに存在することが期待できる。し かしながら、異なるアルファウイルス間の配列は、C遺伝子領域の5’末端にお いてかなり変わっているので、RNA分子の二次および三次構造の特徴における ある種の類似性が、翻訳増強効果に関与していることが、もっとも可能性がある 。このことは、正確な配列そしてまた多分翻訳増強領域の長さが、異なるアルフ ァウイルス間で変わるのであろうということを意味している。 また、本発明は、本組み換えアルファウイルスRNA分子に相補的なDNA配 列を含むDNA分子に関するが、そのDNA分子は、また、細胞において組み換 えRNA分子を転写するために、SP6のようなプロモーターをコードするDN A配列、およびE.コリ(E.coli)におけるプラスミド増殖に必要な特性 をコードするさらなるDNA配列を含んでもよい。 増強された翻訳能をもつ本アルファウイルスベクターは、これまで既知のアル ファウイルスベクターと同じ目的のために使用できる。かくして、それらは、真 核生物細胞、特に哺乳動物細胞において、生物活性をもつ物質、例えばタンパク 質またはポリペプチドの生産に非常に有用であると考えられ、それらの物質は、 生物工学または医療目的に使用できる。例えば、異種RNAは、適切には、治療 活性または予防活性、例え ば免疫原性または抗原性をもつタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドをコー ドしてもよい。発現が達成される該真核生物細胞は、細胞培養物としても利用で きるし、また生体、例えば動物またはヒト生体の一部分を構成してもよい。また 、本発明は、本組み換えRNAまたはDNA分子により形質転換された細胞、お よび該RNAまたはDNA分子により安定に形質転換された細胞系に関する。 前述のように、アルファウイルス発現ベクターは、アルファウイルスのゲノム に基づく。これは、陽極性の一本鎖RNA分子からなる。感染細胞において、こ のRNAの5’側2/3が、翻訳と同時にそして翻訳後に4種の成熟タンパク質 に切断されるウイルスの非構造ポリタンパク質に対するmRNAとして働く(8.9 ) 。これらのタンパク質は、陰極性の中間体をへてゲノムRNAを複製するウイ ルスポリメラーゼ複合体を形成する(10)。また、この中間体は、ウイルスゲノム の3’側1/3と共直線性であるサブゲノムRNA分子の合成の鋳型として機能 する。このサブゲノム転写物(または26SmRNAとも呼ばれる)は、ウイル ス構造ポリタンパク質に翻訳される。未成熟のポリタンパク質鎖から自分自身を 自己触媒的に切断する、このポリタンパク質のプロセッシングは、アミノ末端キ ャプシド(C)タンパク質によって開始される(11.12.13.14)。構造ポリタンパ ク質の残りの部分は、翻訳と同時に小胞体の膜に挿入され、そしてスパイクタン パク質p62およびE1が、シグナルペプチダーゼ仲介の切断反応によって遊離 される(15.16.17)。 アルファウイルス発現ベクターは、適切には、構造ポリタンパク質をコードす る領域の少なくとも一部が欠失され、そしてクローニング部位(3.4)によって置 換された、ウイルスゲノムの改変cDNAコピーから 構築される。異種cDNAは、この部位に挿入でき、対応する組み換えアルファ ウイルスゲノムは、イン・ビトロ転写によって生産できる。宿主細胞にトランス フェクションされる場合には、組み換えゲノムは、アルファウイルスの非構造コ ーディング領域および5’と3’複製シグナルの両方を含むので、野生型方式で 複製される。しかしながら、ウイルス構造タンパク質の代わりに、サブゲノムR NAが、ここに、異種タンパク質の合成を導く。また、セムリキ森林熱ウイルス (SFV)発現系(4)は、イン・ビボのパッケージング系を補足され、それによ って組み換えゲノムは、ウイルス構造タンパク質を提供するパッケージング欠失 ヘルパーゲノムとの同時トランスフェクションに続いて、SFV様粒子中に詰め 込まれる(4.5)。これらの組み換え粒子は、イン・ビボまたはイン・ビトロのい ずれでも細胞を感染するのに使用できる。組み換え粒子の宿主細胞範囲は、アル ファウイルス・スパイクによって決定され、それ故、非常に広範である。感染細 胞は、組み換えゲノムと、また多量の異種タンパク質とを生産するであろう。し かしながら、ウイルス構造タンパク質は、組み換えゲノムにはコードされていな いので、新しいウイルス粒子は作られず、それ故、ウイルスの拡散は起きない。 したがって、本発明の1つの態様は、野生型アルファウイルス・コートによっ て包まれた組み換えアルファウイルスRNAゲノムを含む組み換えアルファウイ ルスを生産する方法、該組み換えRNAゲノムとアルファウイルス構造タンパク 質の発現能を含有するヘルパーRNAとによる、細胞の同時トランスフェクショ ンのような同時形質転換によって本組み換えRNA分子を含み、そしてシスに働 く複製シグナルであるが包膜シグナルではないアルファウイルス構造タンパク質 のコーディング配 列を含む該RNAゲノム、細胞の培養、および感染性組み換えアルファウイルス 粒子を含む媒体の回収に向けられる。 また、本発明は、感染性粒子を生産するこれらの形質転換細胞および感染性粒 子それ自体に関する。 先に示されたように、動物(ヒトを含む)起源の広範囲の宿主細胞が、本発明 により使用できる。そのような宿主細胞は、鳥類、哺乳類、両生類、昆虫類およ び魚類の細胞から選ぶことができる。哺乳類細胞の具体例は、ヒト、サル、ハム スター、マウスおよびブタの細胞である。適切な鳥類細胞は、ニワトリ細胞であ る。 さらにまた、本発明は、イン・ビトロまたはイン・ビボの両方で使用できる。 定義によって、イン・ビトロは、生体外で行われる方法を意味し、反対に、イン ・ビボは、方法が生体内で行われることを意味する。 本発明によれば、「形質転換」は、一般に、真核生物であっても原核生物であ っても、細胞の内部への外因性ポリヌクレオチド配列の導入を意味することを意 図し、そして外因性ポリヌクレオチド配列は、染色体外物(エピソーム)として 細胞の細胞質中に、核中に、留まってもよく、または細胞ゲノム中に安定に組み 込まれてもよい。形質転換の様式は、決定的ではなく、現在既知であるか、将来 に開発されるかもしれないいずれの方法も、本発明により使用できる。 本発明のさらなる態様は、細胞培養または動物もしくはヒト個体における、本 感染性組み換えアルファウイルス粒子を用いる細胞の感染を含む、生物活性物質 をコードする異種RNA配列を発現する方法に関する。 適切には、動物において達成される場合のそのような発現は、該動物に有益な 何らかの効果を起こすだけでなく、該動物において生産される 発現産物は、該動物から、例えば血液のような体液、乳または腹水において回収 できるであろう。 また、本発明は、生理的に投与しうる形状において本組み換えRNAを含む医 薬調製物に関する。そのような調製物は、感染性組み換えアルファウイルス粒子 を生産する本同時形質転換細胞またはそのような感染性粒子それ自体を含んでも よい。 次の実験部分では、セムリキ森林熱ウイルス(SFV)が、本発明を具体的に 説明するために使用された。初期に記述されたSFV発現系は、サブゲノム26 SRNAの5’側の不翻訳リーダー配列中か配列直後に、異種DNAのクローニ ング部位をもつ3種の異なるプラスミドベクター(pSFV1−3)を提供する(4) 。実施例2では、数種の異なる異種タンパク質の発現レベルが、初期のSF Vベクターを用いた場合および完全な26SRNAリーダーに続く完全なCタン パク質遺伝子が、異種タンパク質遺伝子を先導する新規SFVベクター(=SF VC−ベクター)を用いた場合について比較される。異種産物が、初期のベクタ ーからよりも実質的に高いレベルにおいて、SFVC−ベクターから生産され、 そして全C−融合タンパク質が、Cタンパク質のオートプロテアーゼ活性により 別々の真正産物に切断されたことが証明される(図2)。定量では、発現レベル において約10倍差があることを示している。 実施例3では、C遺伝子における増強効果の存在する場所を研究するために、 E.コリLacZ(β−ガラクトシダーゼ)遺伝子融合物が用いられた。具体的 には、C遺伝子の種々の分量の5’部分が、LacZ遺伝子の第2コドンに融合 された。これらの組み換え構築物の発現では、増強効果が、C遺伝子の最初の1 02個の塩基内に置かれることを示す。 実施例4では、本発明者らは、その効果が、RNA複製と転写のレベルにおい て発現されるか否かを解析した。ゲノムRNAおよびサブゲノムRNAの生産は 、実施例3記載のLacZ組み換え体の高低生産変異体において比較された。R NAレベルにおける差異は見られず、それ故、C遺伝子セグメントの増強効果は 、翻訳レベルで存在しなければならない。このセグメントは、翻訳開始を増進す る特異的RNA構造を含む可能性がもっとも高い。 図の説明 図1 A. 組み換えサブゲノムRNA分子の概要 表示プラスミドのイン・ビトロ転写物によりトランスフェクションされた細胞 において生産されるサブゲノムRNA分子の略図が示される。不翻訳5’リーダ ー配列の部分のみが、pSFV1構築物に存在するのに対して、全リーダー配列 は、pSFV3構築物(4)に存在することに注意。 B. pSFVC’シリーズのプラスミドにおけるCタンパク質アミノ酸 コドン数 図2 C遺伝子の存在がタンパク質生産を増強する BHK−21細胞は、次のプラスミドのRNA転写物によりトランスフェクシ ョンされた;pSFV1−p62、pSFVC−p62、pSFV1−TR、p SFVC−TR、pSFV1−Pr65gag、pSFVC−Pr65gag、pSF V3−LacZ、pSFVC−LacZ、 pSFVmSQLおよびpSFVC−Pr65gag(それぞれ、列1〜10)。 トランスフェクション後8時間目に、細胞は、30分間(列1〜6)または15 分間(列7〜10)35S−メチオニンでパルスラベルされ、そして15分間(列 1〜10)チェイスされた。細胞は、NP−40(列1〜6)またはSDS(列 7〜10)を用いて溶解され、そして1.6x105細胞に対応する一定分量が 、SFV E2に対する(列1〜2)、トランスフェリンレセプターに対する( 列3〜4)またはモロニーマウス白血病ウイルスに対する(列5〜6)抗体のい ずれかを用いて抽出されるか、あるいはサンプルバッファーと直接混合され(列 7〜10)、そして還元条件下でSDS−PAGEと続く蛍光光度法によって解 析された。 図3 C遺伝子由来の塩基102個のセグメントがタンパク質発現の増強に関与する BHK−21細胞が、指示されるpSFV3−LacZ、SFVC’−Lac Zシリーズの6種のメンバーおよびpSFVC−LacZのRNA転写物により トランスフェクションされた。トランスフェクション後8時間目に、細胞は、1 5分間35S−メチオニンでパルスラベルされ、15分間チェイスされ、次いで、 SDSを用いて溶解された。細胞溶解液の一定分量(1.2x104細胞に対応 する)が、サンプルバッファーと混合され、そして還元条件下でSDS−PAG Eによって解析された。β−ガラクトシダーゼまたはβ−ガラクトシダーゼ融合 タンパク質の量は、実施例2記載のように定量され、メチオニン含量における差 異について修正された。C’−β−ガラクトシダーゼ融合タンパク質の可変C’ 部分の長さに対する、タンパク質合成の相対速度(SF VmSQL Cタンパク質合成のパーセンテージとして表される)が示される。 図4 塩基102個の長さをもつC遺伝子セグメントによる発現増強は、増進された 複製によってもまた転写によっても仲介されない 。 細胞は、pSFVmSQL(列1)、pSFVC’−LacZ(列2)、pS FV3−LacZ(列3)、pSFV1−Pr55gag(列5)からのRNA転 写物、またはバッファーのみ(列4)によりトランスフェクションされた。アク チノマイシンDが、トランスフェクション後2時間に添加された。トランスフェ クション後4時間目に、14C−ウリジンが添加され、そして細胞は、4時間ラベ ルされた。総RNAが抽出され、1.4x105細胞に対応する一定分量が、変 性条件下アガロースゲル上で解析された。乾燥ゲルのオートラジオグラムが示さ れる。 実施例 実施例1 ここでは、本発明者らは、26SmRNAリーダーか、完全なC遺伝子の3’ 末端か、またはC遺伝子の5’部分のいずれかに、融合される異種遺伝子を用い るSFVベクターの構築を記述する。全ての構築物は、ヨーロピアン・コレクシ ョン・オブ・アニマル・セル・カルチャー,ポルトン ダウン,サリスバリー, ウィルトシャー,ユー.ケー.(European Collection of Animal Cell Culture ,Porton Down,Salisbury,Wiltshire,U.K.)に;寄託番号91112826で寄託さ れたプラスミドpSP6−SFV4(4)中の完全なSFVcDNA分子を用いて 実施された。図1には、種々のベクター構築物から生産される種々のmRNA分 子の コーディング領域が、略図により示される。ベクター構築物は次のとおりである : (i)pSFVC−p62、これは、C遺伝子との野生型融合物としてのSFV p62スパイク・サブユニットの遺伝子を含有する。それは、2個の終止コドン が、pSP6−SFV4中の位置9866〜9871における、E1のN末端部 分をコードする領域に、部位特異的突然変異によって導入されたpSP6−SF V4の小NsiI/SpeI断片(2.6kbp)に、pSP6−SFV4から の大SpeI/NsiI断片(12kbp)を連結させることによって構築され た。 (ii)pSFV1−p62、これは、26SmRNAリーダー配列の位置31 において、5’SFVサブゲノム領域に融合されたSFVp62スパイク・サブ ユニットの遺伝子を含有する(SFV−1ベクター変異体)(4)。これは、(i )における小NsiI/SpeI断片(2.6kbp)に、pSP6−SFV4 /ΔCからの大SpeI/NsiI断片(11kbp)を連結させることによっ て構築された。pSP6−SFV4/ΔCは、C遺伝子の欠失によってpSP6 −SFV4から構築された(18)。 (iii)pSFV1−TR、これは、26SRNAリーダー配列の位置31に おいて、5’SFVサブゲノム領域との融合物中に、ヒトのトランスフェリン・ レセプター遺伝子を含有する(4)。 (iv)pSFVC−TR、これは、完全な26SRNAリーダー配列を包含す る5’SFVサブゲノムと全C遺伝子との融合物中に、ヒトのトランスフェリン ・レセプター遺伝子を含有する。CとTR遺伝子の実際の融合は、PCRによっ て実施された(19.20)。融合DNAの増幅の ために使用された末端プライマーは: 使用された融合プライマーは: (C遺伝子断片プライマー)および (TR遺伝子断片プライマー)であった。pSFVC−TRは、pSFV−Cの 10679−bp SpeI−Csp45I断片(18)およびpSFV1−TRの 2744−bp NdeI−SpeI断片(4)に、896−bp Csp45I −NdeI融合断片を連結させることによって構築された。PCR反応に由来す るpSFVC−TRの896−bp Csp45I−NdeI断片は、塩基配列 決定によってチェックされた。 (v)pSFV1−Pr65gag、これは、26SmRNAリーダー配列の位置 31において、5’SFVサブゲノムとの融合物中に、モロニーマウス白血病ウ イルス(M−MuLV)gag前駆体の遺伝子を含有する。これは、Pr65ga g 遺伝子を含むpNCA(Colicelli,1988)からの1770−bp PstI− DraIII断片を、pGEM−1およびpGEM−7Zf(+)(Promega) におけるサブクローニング段階を通して、pSFV1中に挿入することによって 構築された。サブクローニング段階は、Pr65gag遺伝子に隣接する5’Ba mHと3’SmaI部位を導入した。5’非コーディングM−MuLV配列は、 次の2種の重複するオリゴヌクレオチド; から作成された合成135−bp BamHI−PstI断片を用いて5’17 7−bp BamHI−PstI断片を置換することによって欠失された。 (vi)pSFVC−Pr65gag、これは、完全な26SRNAリーダー配列 を含むSFV5’サブゲノム領域とC遺伝子との融合物中に、M−MuLVga g前駆体遺伝子を含有する。このプラスミドは、Pr65gag遺伝子の第2コド ンへのSFV C遺伝子のPCR融合によって構築された。使用された融合プラ イマーは: (C遺伝子断片プライマー)および (Pr65gag遺伝子断片プライマー)であった。融合DNAの増幅のための末 端プライマーは: 次いで、pSFVC−Pr65gagが、pSFV−Cからの10679−bp SpeI−Csp45I(18)およびpSFV1−Pr65gagの2492−bp PstI−SpeI断片に、562−bp Csp451−PstI C−Pr 65gag融合断片を連結させることによって 構築された。PCR反応から生成されるpSFVC−Pr65gagの562−b p Csp45I−PstI断片は、塩基配列決定によってチェックされた。 (Vii)pSFV3−LacZ、これは、完全な不翻訳リーダー配列(SFV 3ベクター、(4))の後の26SRNA中の位置53において、5’SFVサブ ゲノム領域との融合物中に、アミノ酸残基2〜1025をコードするLacZ( β−ガラクトシダーゼ)遺伝子を含有する(4)。 (viii)pSFVC−LacZ、これは、完全な26SmRNAリーダー配 列を包含するSFV5’サブゲノムと完全なC遺伝子との融合物中に、上記La cZ遺伝子を含有する。これは、pSFV3−LacZからの小LacZ含有B amHI断片(3kbp)を、pSFVCBamHI中に挿入することによって構築 された。pSFVCBamHIは、直接BamHI部位へと続く構造SFVゲノムの Cタンパク質遺伝子のみを含有する。このプラスミドは、PCRにより生成され たC遺伝子の440−bp Csp45I−BamHI 3’末端断片およびp SFV1(引 BamHI−SpeI断片に、pSP6−SFV4からの大SpeI−Csp 45I断片(10679−bp)を連結させることによって構築された。PCR 反応に使用されたプライマーは: (3’末端プライマー)であった。 (ix)pSFVC’−LacZ、これは、完全な26SmRNAリーダーを包 含する5’サブゲノム領域とC遺伝子の5’部分との融合物中 に、LacZ遺伝子を含有する。これは次のように構築された:pSP6−SF V4のCタンパク質遺伝子における連続欠失は、位置7781におけるCsp4 5I部位から始まる、ヌクレアーゼBal 31による限定消化によって作成さ れた。末端は、クレノウフラグメントおよびT4ポリメラーゼによって平滑にさ れ、そしてBamHIリンカーの混合物(8−、10−および12量体;Promeg a,Madison,WI,USA)に連結された。欠失シリーズからの大SpeI−Bam HI断片(約10.3kbp)は、小さい、pSFV3−LacZからのBam HI−SpeI断片を含有するLacZ遺伝子に連結された。 (x)pSFVmSQL、これは、対照プラスミドであり、完全なSFVゲノム を含有する。それは、p62の成熟切断部位を特定する構造遺伝子領域に変異を 保持する。これらの変異のために、p62サブユニットは、E2およびE3に切 断されない(21.5)。 使用されるすべての分子生物学技術の詳細な方法は、Molecular Cloning(22) に記載されている。 実施例2 C遺伝子の存在がタンパク質生産を増強する RNAは、プラスミドpSFV1−p62、pSFVC−p62、pSFV1 −TR、pSFVC−TR、pSFV1−Pr65gag、pSFVC−Pr65g ag 、pSFV1−LacZ、pSFVC−LacZおよびpSFVmSQLを、 鋳型として用いてイン・ビトロで合成された。これらは、BHK−21細胞中に トランスフェクションされ、そして8時間後に、細胞は、図2の説明で示された ように、15または30分間35S−メチオニンにより代謝的にラベルされた。図 2は、単独(列 1,3,5および7)か、またはCタンパク質と縦並び(列2,4,6,8およ び10)で発現された場合の相同p62タンパク質(列1および2)、トランス フェリン・レセプター(列3および4)、M−MuLVgag前駆体タンパク質 (列5,6および10)、β−ガラクトシダーゼタンパク質(列7および8)の 合成の相対レベルを示す。構造SFVタンパク質(C,p62およびE1)の合 成は、列10に示される。細胞溶解液(列1〜6)または全細胞溶解液の一定量 (列7〜10)からの免疫沈降が示される。 pSFV1に基づく組み換えゲノムから発現される場合、SFVp62、TR およびM−MuLVgag(それぞれ、列1,3および5)は、すべて比較的低 レベルで合成された。しかしながら、これらのタンパク質が、C融合タンパク質 として発現される場合には、それらの発現レベルにおける劇的な増加が得られた (列2,4および6)。定量的には、その増加が全3種のタンパク質について約 10倍であることが示された。ウイルス構造ポリタンパク質からCタンパク質を 遊離する自己分解的切断は、また、人工のC−Pr65gagおよびC−TRポリ タンパク質において明らかに効果的であった;未切断の融合タンパク質(列4お よび6)を表すであろう遅く移動するポリタンパク質の兆候はなかった。 pSFV1に基づくゲノムでは、26Sリーダー配列の5’部分のみが存在す るのに対して、pSFVCから得られるサブゲノムは、5’リーダー全体を含有 する。したがって、その結果は、リーダー配列の3’部分またはC−配列の存在 が発現レベルに影響することを示している。どの領域が、発現の増強に関与する かを見いだすために、SFV3−LacZゲノム(リーダー配列全体を含む)( 図2、列7)かSFVC− LacZゲノム(リーダー配列全体に加えてC遺伝子配列を含む)(図2、列8 )のいずれかによりトランスフェクションされた細胞におけるβ−ガラクトシダ ーゼ生産のレベルが比較された。後者のゲノムは、未切断C−β−ガラクトシダ ーゼ融合タンパク質(アミノ酸の長さ1.263、約145kDa)の合成を支 配した。定量的には、C−β−ガラクトシダーゼ融合タンパク質の発現は、SF V3−LacZゲノムからのβ−ガラクトシダーゼ発現よりも約8倍高いことが 示された。この増加は、SFVCに比較してSFV1について先に観察されたの と同じくらい大きかった。これらの観察から、発現ベクターにおけるC遺伝子の 存在は、SFVに誘導される生産に対して強いポジティブな影響を及ぼすことが 結論された。C−β−ガラクトシダーゼ構築における切断の阻害に関するもっと も可能性のある理由は、キャブシド・プロテアーゼによって切断される部位から 数えて位置+2のプロリン残基の存在である。 野生型類似のSFVゲノムからのタンパク質生産レベルと、SFVCゲノムか らのそれとを相関させるために、SFVC−Pr65gagRNA(図2、列10 )によりトランスフェクションされた細胞におけるCおよびgag前駆体の量に 対して、pSFVmSQL(図2、列9)のイン・ビトロ転写物によりトランス フェクションされた細胞において生産されたCタンパク質の量が比較された。ト ランスフェクション後8時間のCタンパク質の量は、2種のトランスフェクショ ン物では差が認められなかった。さらにまた、Pr65gagおよびSFVスパイ ク・タンパク質は、同レベルで生産されたので、このことから、発現ベクター中 へのC遺伝子の導入が、野生型SFV感染における構造タンパク質について通常 得られるレベルまで、異種タンパク質の生産を増強することが 分かる。 この実施例では、RNA転写およびトランスフェクションは、次のように実施 された:SpeIで直鎖化されたプラスミドのRNA転写物は、前記(4)のよう にイン・ビトロで合成され、そしてBHK21細胞(American Type Culture Co llection)中にエレクトロポレーションによってトランスフェクションされた。 簡単に言えば、8x106細胞(Ca2+/Mg2+不含のPBS0.8mlに懸濁さ れた)が、0.4cmエレクトロポレーション・キュベット(Bio-Rad Laborator ies AB,Solna,Sweden)中で、イン・ビトロで生成されたRNA(転写混合物 20μl)と混合され、そして0.58kV、25μFで2回の連続パルス(Bi o-Rad Gene Pulser,パルス調整ユニットなし)に曝された。その細胞は、10 %(v/v)トリプト−スリン酸ブロス(Gibco,Madison,Wi,USA)、5%( v/v)ウシ胎児血清、20mM N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’ −2−エタンスルホン酸(HEPES)を補足されたBHK−21培地(Gibco )pH7.3からなる完全BHK培地15mlに懸濁され、3.3cm組織培養 ディッシュに平板注入(3ml/ディッシュ)され、そして37℃でインキュベ ートされた。 35S−メチオニンによる代謝ラベルは、既知(Wahlberg and Garoff 1989)の ように実施され、SDS−PAGE用に調製された。 SDS−PAGEは、次のように実施された:洗浄された免疫複合体または細 胞溶解液のサンプルが、SDS−PAGEサンプルバッファー(最終濃度;0. 15MTris−HCl、pH8.8,0.19g/mlグリセロール、31m g/mlSDS、3.8mMEDTA、0.77mMメチオニン、0.15mg /mlブロムフェノールブルーおよ び38.5mMジチオトレイトール)と混合され、95℃で3分間加熱され、そ してヨードアセトアミド(最終濃度0.10M)によりアルシレート(alcy late)された。最後に、タンパク質は、既知(Maizel 1971)のように11 %アクリルアミドゲル上で分離された。電気泳動後、ゲルは、10%(v/v) トリクロロ酢酸および40%(v/v)メタノール中に浸漬され、30分間イン キュベートされ、そして乾燥された。放射能ラベルされた物質を含むゲルは、オ ートラジオグラフィーのためにKodacXARフィルムに露光された。 定量は、次のように行われた:放射能ラベルされた物質を含む乾燥アクリルア ミドゲルが、Bas−III Image Plate(Fuji Photo Film Corp .)に露光された。映像プレートシグナルがデジタル化され、そして乾燥ゲルの 種々の部分における放射能の量が、Fuji Bio−Image analy ze system Bas2000(Fuji Photo Film Corp.)を用いて解 析された。 実施例3 C遺伝子の5’部分からの102個の塩基セグメントが発現増強を仲介してい 。 発現増強の機構を明らかにする第1段階として、全C遺伝子配列かその一部分 のみかどちらが、高レベルのタンパク質生産を促進するのに十分であるかという 疑問が投じられた。この目的のために、β−ガラクトシダーゼ遺伝子に融合され たC遺伝子の5’部分の増強部分(C’)を含む種々のプラスミド(C’−La cZキメラ)が構築された(図1)。これらのプラスミドは、イン・ビトロでの RNA転写の鋳型として使用され、そのRNAが、BHK−21細胞中にトラン スフェクションされ、 そして細胞は、次のように15分間パルスラベルされ、15分間チェイスされた : トランスフェクション後8時間に、細胞は、PBSで2回洗浄され、メチオニン を欠き20mMHEPESを補足したEagles最小必須培地1.0mlが添 加され、そして細胞は、30分間37℃でインキュベートされた。 培地が除去され、同じ培地1.0ml中35S−メチオニン3.7MBq(10 0μCi)が添加され、そして細胞は、15分間または30分間インキュベート された(パルス)。ラベル用培地が除去され、20mMHEPESを補足したE MEM1.0mlが添加され、そして細胞は、さらに15分間または30分間イ ンキュベートされた(チェイス)。チェイスの最後に、細胞はPBSで2回洗浄 され、そして50mMTris−HCl、0.15MNaClおよび0.2mM EDTAを含む10mg/mlSDSまたは10mg/mlNonidetP4 0(NP−40)溶解バッファー、最終pH7.6の0.30ml中で溶解され た。フッ化フェニルメチルスルホニル(PMSF;0.2mM)、N−エチルマ レイミド(0.1mM)およびペプスタチンA(1μg/ml)が、使用前にそ の溶解バッファーに添加された。SDS溶解バッファーで破壊された細胞は、室 温で20分間音波処理された。NP−40で溶解された細胞からの細胞核は、遠 心によって沈降された(14,000xgで5分)。 免疫沈降は次のように実施された: トランスフェリン・レセプターは、OKT9モノクローナル抗TR抗体(T.Ebel より贈与される)により、M−MuLVgag前駆体は、ポリ クローナル抗MuLV血清(HC185;Quality Biotechnology Incorporated )により、そしてp62は、モノクローナル抗E2抗体(UM5.1;Boere et al.1984)により沈降された。35S−メチオニンラベル細胞のSDS溶解液の 一定分量(100μl)が、10mg/mlNP−40溶解バッファーにより1 0倍希釈され、そして適当な抗体の過剰量が、タンパク質A−セファロース・ス ラリー(Pharmasia,Uppsala,Sweden; 10mMTris−HCl中50%w/ v,pH7.5)40μlとともに添加され、そしてサンプルは、+4℃で16 時間、十分に回転された。また、結合抗体が必要とされる場合は、ウサギ抗マウ ス免疫グロブリン(Dacopatts,Glostrup,Denmark)が添加された。免疫複合体 は、実施例2に記載のように前述の時間(分)洗浄された。トランスフェクショ ン効率は、イン・サイチュウでのβ−ガラクトシダーゼ染色によって判定される ように、すべての場合において95%よりも高かった。チェイス期間の終わりに 、細胞は、SDS中で溶解され、細胞溶解液の一定分量が、還元的条件下でSD S−PAGEによって分析された。融合タンパク質に関わる放射能の量が実施例 2記載のように定量された。図3は、融合タンパク質中のCタンパク質由来のア ミノ酸の数の関数としての融合タンパク質生産(SFVmSQL Cタンパク質 生産の%として表された)を示す。より長い構築物(Cタンパク質由来のアミノ 酸残基34個以上を含む)からのタンパク質生産は、野生型Cタンパク質生産の 85%のレベルに達した。これは、実施例2に記載のSFVC−LacZ構築物 から得られるものと同様に高い。より短いもの(Cタンパク質由来のアミノ酸残 基、それぞれ16、19および27個を含む)は、かなり低いレベルで生産され た。かくして、その結果は、 5’の部分102個の長さのC遺伝子(b1)が、発現の増強を仲介しているこ とを例証する。この実施例において、RNA転写、トランスフェクション、ラベ リングおよびSDS−PAGEは、実施例2記載のように実施された。組織培養 ディッシュ中のメタノール固定のBHK−21細胞のβ−ガラクトシダーゼ染色 は、Sanes(23)の記載のように実施例された。 実施例4 長さ102個の塩基のC遺伝子セグメントによる発現増強は翻訳の増進をとお して仲介される 。 短い長さのC遺伝子配列のみが、最適なタンパク質生産に必要とされる事実は 、その効果が、イン・トランス(すなわち、キャプシド・ポリペプチド鎖による )に仲介される可能性をないものとする。転写か翻訳かいずれかの効率に影響す るシスの作用(すなわち、RNAに仲介される)機構が、一層可能性のある説明 になると思われる。C遺伝子セグメントが、ゲノムおよびサブゲノムのRNAレ ベルに影響するか否かを決定するために、これらの2種のRNA種の細胞内レベ ルが、「高い」か「低い」かいずれかの生産性ゲノムによりトランスフェクショ ンされた細胞において測定された。トランスフェクション細胞は、すべての残存 宿主細胞RNA合成を抑制するために、アクチノマイシンDの存在下で培養され た。トランスフェクション後4時間に、14C−ウリジンが添加され、そして細胞 は4時間インキュベートされた。全RNAが、ラベルされた細胞から調製され、 変性条件下で、1.0%アガロースゲルによる電気泳動にかけられた。ゲルは乾 燥され、種々のバンドの放射能の量が、実施例2記載のように定量された。図4 は、乾燥ゲルのオートラジ オグラフィーを示す:列1,SFV−mSQL;列2,高生産性SFVC’b7 −LacZ;列3,低生産性pSFV3−LacZ;列4,RNAなしの偽トラ ンスフェクション;および列5,SFV1−Pr55gag、これはヒト免疫不全 ウイルス・タイプIのGag前駆体のコーディング配列を含む。SFV1−Pr 55gagゲノムのサブゲノムRNAは、SFV−mSQLおよびSFVC−La cZゲノムのそれよりも短い約1500塩基であり、したがって、これらの転写 物の同定を容易にする。サブゲノムRNAは、すべてのトランスフェクションに おいて匹敵するレベルで合成されることが分かった。定量では、合成レベルが、 ほとんど2の係数で変化し、タンパク質生産のレベルと相関しないことが示され た。また、ゲノムRNAのレベルにも、何らの有意な違いが検出されなかった。 かくして、種々のゲノムの複製のみならず転写もまた影響されなかった。それ故 、タンパク質生産の増加は、翻訳効率の増進の結果であると結論される。 この実施例では、14C−ウリジン・ラベルは、次のように実施された:トラン スフェクションされた細胞が、直接、平板注入され、37℃で2時間インキュベ ートされた。次いでアクチノマイシンD1.0μg/mlが、培地に添加され、 そしてインキュベートが2時間継続された。トランスフェクション後4時間に、 培地が除去され、14C−ウリジン(2.1GBq/mmol;NEC−167, Dupont)の75kBqが、完全BHK培地1.5mlに添加され、そして細胞が 37℃で4時間インキュベートされた。ラベル用培地が除去され、そして細胞は 、フェノールに基づく核酸抽出反応混液(TrizolTM;Gibco)1.0ml の添加によって溶解された。 RNA精製および変性アガロースゲル電気泳動は、次のように実施された:14 C−ウリジンでラベルされた細胞からの全RNAは、製造元(Gibco)記載のよ うにTrizolTMによって精製され、RNase不含のH2O 20μlに溶 解された。一定分量が、ホルムアルデヒドアガロースゲル電気泳動用に調製され 、そしてRNAは、既述(Sambrook 1989)のように、1.0%Seaplaq ueアガロース(FMC Bioproducts,USA)ゲルにおいて分離された。電気泳動後 、ゲルは、10%トリクロロ酢酸に浸漬され、室温で30分間インキュベートさ れ、乾燥された。放射能ラベルされたRNAバンドは、オートラジオグラフィー によって可視化され、実施例2記載のように定量された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI A61K 39/00 ABD 9284−4C A61K 39/00 ABDA 39/12 ADY 9284−4C 39/12 ADY 48/00 ADU 9051−4C 48/00 ADU C07H 21/04 8615−4C C07H 21/04 B C12N 5/10 9282−4B C12N 7/00 7/00 9637−4B C12P 21/02 C C12P 21/02 9282−4B C12N 5/00 B // A61K 38/00 9051−4C A61K 37/02 (C12N 15/09 ZNA C12R 1:92) (C12N 5/10 C12R 1:91) (C12N 7/00 C12R 1:91) (72)発明者 スオマライネン, マーリト スウエーデン・エス−141 57 フデイン ゲ・ノブム・カロリンスカインステイテユ ート・センターフオバイオテクノロジー (番地なし) (72)発明者 ガロフ, ヘンリク スウエーデン・エス−141 57 フデイン ゲ・ノブム・カロリンスカインステイテユ ート・センターフオバイオテクノロジー (番地なし)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. アルファウイルスRNAゲノムの少なくとも一部、および翻訳増強活性 をもつアルファウイルス塩基配列の下流に位置に生物活性をもつ物質をコードす る異種RNAを含む、自己複製および転写能をもつ組み換えアルファウイルスR NA分子であって、該翻訳増強塩基配列が、完全なアルファウイルス・キャプシ ド遺伝子または該遺伝子の5’部分を含んでなる組み換えRNA分子。 2. 異種RNAが、該翻訳増強塩基配列の後のアルファウイルスサブゲノム 領域中に挿入される、請求の範囲1の組み換えRNA分子であって、細胞中に導 入された後のRNA分子が、その分子の5’領域によってコードされたアルファ ウイルス・レプリカーゼを用いて複製され、そしてアルファウイルスサブゲノム プロモーターによってmRNAに転写され、そのmRNAから、異種遺伝子産物 が、該遺伝子の5’部分によってコードされる完全なキャプシドタンパク質また はキャプシドタンパク質のアミノ末端部分をもつ融合産物として、その細胞で発 現される、組み換えRNA分子。 3. アルファウイルスがセムリキ森林熱ウイルスである、請求の範囲1また は2の組み換えRNA分子。 4. 翻訳増強塩基配列が、配列 をもつ、キャプシド遺伝子の最初の81個、好ましくは、最初の102 個の塩基を含んでなる、請求の範囲3の組み換えRNA分子。 5. 異種RNAが、該融合産物として発現され、それが、キャプシドタンパ ク質の自己分解的プロテアーゼ活性によって、その融合部位で切断される、請求 の範囲2,3または4の組み換えRNA分子。 6. 異種RNA配列が、抗原決定基を含むタンパク質またはポリペプチドを コードしており、該タンパク質またはポリペプチドが、免疫原性または抗原性で ある、請求の範囲1〜5のいずれかの組み換えRNA分子。 7. 異種RNAが、治療活性をもつタンパク質またはポリペプチドをコード している、請求の範囲1〜5のいずれかの組み換えRNA分子。 8. 請求の範囲1〜7のいずれかの組み換えRNA分子に相補的なDNA配 列を含む、DNA分子。 9. さらに、細胞中で組み換えRNA分子を転写するためのプロモーターを コードするDNA配列、そしてさらに、E.コリ(E.coli)におけるプラ スミド増殖に必要な特性をコードするDNA配列を含む、請求の範囲8のDNA 分子。 10.プロモーターがSP6である、請求の範囲9のDNA分子。 11.前記請求の範囲のいずれかの組み換えRNAまたはDNA分子を含む形 質転換細胞。 12.動物またはヒトの細胞である、請求の範囲11の細胞。 13.該RNAまたはDNA分子により安定に形質転換される、請求の範囲1 1または12の細胞を含む細胞系。 14.生物活性物質をコードする異種RNA配列を発現する方法であって、請 求の範囲1〜7のいずれかの組み換えRNA、または請求の範囲 8、9または10の組み換えDNAによる細胞の形質転換、そして続く、異種R NA配列の発現を可能にする条件下での形質転換細胞の増殖を含む方法。 15.形質転換がトランスフェクションによって達成される請求の範囲14の 方法。 16.RNAが、治療活性、または免疫原性もしくは抗原性のような予防活性 をもつタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドをコードする、請求の範囲14 または15の方法。 17.発現産物が、細胞から分離され、場合によって精製される、請求の範囲 14〜16のいずれかの方法。 18.生物活性物質をコードする異種RNA配列を発現する方法であって、請 求の範囲1〜7のいずれかの組み換えRNA、または請求の範囲8、9または1 0の組み換えDNAにより、動物またはヒト個体において、イン・ビボで細胞を 形質転換、例えばトランスフェクションすることを含む方法。 19.野生型アルファウイルス・コートによって包まれた組み換えアルファウ イルスRNAゲノムを含む組み換えアルファウイルスを生産する方法であって、 該RNAゲノムが、該組み換えRNAゲノムと、アルファウイルス構造タンパク 質の発現能を含有するヘルパーRNAとによる細胞の同時トランスフェクション のような同時形質転換によって、請求の範囲1〜7のいずれかの組み換えRNA 分子を含み、そしてシスに働く複製シグナルであるが包膜シグナルではないアル ファウイルス構造タンパク質のコーディング配列を含み、細胞を培養し、そして 感染性組み換えアルファウイルス粒子を含む培地を回収する方法。 20.請求の範囲1〜7のいずれかの組み換えRNA分子と、アルファウイル ス構造タンパク質の発現能を含有するヘルパーRNAとを含み、そしてシスに働 く複製シグナルであるが包膜シグナルではないアルファウイルス構造タンパク質 のコーディング配列を含む形質転換細胞であって、野生型アルファウイルス・コ ートによって包まれた該組み換えRNAを含む感染性組み換えアルファウイルス 粒子を生産することができる細胞。 21.野生型アルファウイルス・コートによって包まれた請求の範囲1〜7の いずれかの組み換えRNA分子からなるゲノムを含む感染性組み換えアルファウ イルス粒子。 22.請求の範囲21の組み換えアルファウイルス粒子による、細胞培養また は動物もしくはヒト個体における細胞の感染を含む、生物活性物質をコードする 異種RNA配列を発現する方法。 23.RNAが、治療活性、または免疫原性もしくは抗原性のような予防活性 をもつタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドをコードする、請求の範囲22 の方法。 24.発現が細胞培養において達成され、そして発現産物が、細胞から分離さ れ、場合によって精製される、請求の範囲22または23のいずれかの方法。 25.発現が動物において達成され、そして発現産物が、該動物からの体液の 収集によって回収される、請求の範囲22または23の方法。 26.動物またはヒト個体において治療または予防活性を達するために、 該個体において生物活性物質をコードする異種RNA配列を発現する方 法であって、該個体への請求の範囲20記載の細胞の投与を含む方法。 27.異種RNA配列が、それが発現される個体の免疫を引き起こす免疫原ま たは抗原をコードする、請求の範囲26の方法。 28.生理的に投与しうる形状における請求の範囲1〜7のいずれかの組み換 えRNAを含む医薬調製物。 29.請求の範囲20記載の形質転換細胞を含む請求の範囲28の調製物。 30.請求の範囲21記載の感染性粒子を含む請求の範囲28の調製物。 31.動物もしくはヒト個体において組み換えRNAの発現を達成するための 使用に関する、請求の範囲28記載の医薬調製物の調製における、請求の範囲1 〜7のいずれかの組み換えRNAの使用。
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