JP3786956B2 - アルファウイルス発現ベクター - Google Patents

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Description

本発明は、一般に、ポリヌクレオチド分子、およびそれらのヒトまたは動物細胞への導入後、目的生産物の生産のためのそれらの使用に関する。
より具体的には、本発明は、アルファウイルスゲノムの少なくとも一部および翻訳増強活性をもつアルファウイルス塩基配列の下流に挿入された異種RNAを含むアルファウイルス発現ベクターに向けられる。そのようなベクターは、細胞培養または生体における真核細胞中への該ベクターの導入後、目的の生産物をコードし、そして該異種RNAに相補的であるDNAまたはcDNAの増強された発現レベルを達成するために使用できる。
分子生物学における近代技術は、医薬品およびバイオテクノロジー産業に対して全く予測できなかった多くの可能性を開いた。例えば、今日では、いかなる遺伝子(一旦、同定された)をもDNA(またはcDNA)分子としてクローン化し、そしてそれを原核および/または真核細胞中で発現させることができる。これは、治療用および/またはワクチンのような予防用に、イン・ビトロにおける対応するタンパク質の生産を容易にした。近年、また、遺伝子発現技術の可能性は、あらゆる動物においてそして人間においてさえ、イン・ビボ使用に対しても拡大されてきた。この最近の進展の例証は、ヒトの遺伝子治療(1)および遺伝的免疫(2)である。イン・ビボまたはイン・ビトロで外来遺伝子を発現させるために、コーディング配列を含む遺伝子セグメントまたは対応するcDNAが、通常、いわゆる発現ベクター中に挿入される。このベクターは、細胞内で、遺伝子またはそのcDNAの転写および翻訳のために必要なすべての要素を備えている。今日では、細菌および酵母細胞のための非常に効率的な発現ベクターが存在している。しかしながら、これは、哺乳動物のような動物細胞の場合には当てはまらない。このことは、哺乳動物に特異的な改変をもつタンパク質が、病気の治療目的または予防のために生産され、単離される必要がある時、あるいは生物体全体での発現、例えば動物またはヒトの生体における発現が求められる場合には、大きな問題を生じることになる。それ故、非常に一般的に言えば、哺乳動物のような動物細胞における使用のための新規な発現ベクターであって、
(i)タンパク質発現効率が増強され、
(ii)宿主細胞特異性が拡大され、そして
(iii)安全性が高められた、
ベクターに対する大きな要望が存在する。
近年、全く新規タイプのDNA発現ベクターが、哺乳動物のような動物細胞における使用のために開発された。これらのベクターは、アルファウイルスゲノムに基づいている。
アルファウイルスは、ウイルスのスパイクタンパク質を含有するエンベロープによって囲まれたヌクレオキャプシド中に包まれた陽極性の一本鎖RNAゲノムをもつ、トガウイルス科に属する一属である。
アルファウイルス属は、その中に、すべて近縁であるシンドビスウイルス、セムリキ森林熱ウイルス(SFV)、ロスリバーウイルスおよびベネズエラ、西部および東部ウマ脳炎ウイルスを含む。特に、シンドビスおよびセムリキ森林熱ウイルスは、広く研究されており、そしてこれらのウイルスのライフサイクル、複製様式等は、よく知られており、したがって、ここで特に議論されることを要しない。
アルファウイルスは、動物細胞中で非常に効率的に複製し、そのような細胞におけるタンパク質および核酸の生産のためのベクターとして、それらを価値あるものにしている。
シンドビスウイルスに基づく発現系は、米国特許第5 091 309号および同第5 217 879号に開示されている。米国特許第5 091 309号のシンドビスウイルスベクターは、そこに挿入された異種RNAをもつ、シンドビス欠陥干渉性(DI)RNA由来のRNAを含む。米国特許第5 217 879号では、自己複製および自己パッケージング組み換えシンドビスウイルスRNA分子が、異種コーディング配列および宿主細胞中でシンドビスウイルス・サブゲノムメッセンジャーRNA合成を導くことができる少なくとも1つのシンドビスウイルス結合領域を含むことが開示されている。RNA転写物は、プロモーター、例えばSP6の制御下プラスミドに挿入されたシンドビスウイルスcDNAの転写によってイン・ビトロで合成される。
また、Xiong et a1., Science, Vo1 243, 1989, 1188-1191(3)は、シンドビスウイルスに基づく遺伝子発現系を開示している。この系は、広範囲の動物細胞において有効であると言われる。昆虫、トリ、およびヒト細胞を除く哺乳動物細胞における細菌CAT(クロラムフェニコール・アセチルトランスフェラーゼ)遺伝子の発現が、そこに開示されている。
Bio/Technology, Volume 9, pages 1356-1361, 1991(4)では、
Figure 0003786956
SFVレプリコンに基づく動物細胞発現ベクターを開示している。外来DNAコーディング配列が、これらのベクター中に挿入される場合には、多量の外来タンパク質が得られる。
W0 92/10578によれば、アルファウイルスRNAゲノムに由来し、そして動物細胞に効率的に感染できるRNA分子が、提供されるが、そのRNA分子は、該アルファウイルスRNAの複製に必須である完全なアルファウイルスゲノム領域を含み、さらに、該宿主細胞でその機能を発現できる外因性RNA配列を含むが、該外因性RNA配列は、その発現には必須ではないRNA分子の一領域に挿入されている。WO 92/10578によれば、そのようなRNA分子は、トランスフェクションのいかなる手段によっても、または感染性アルファウイルス粒子中に該RNA分子をパッケージングして、その後動物細胞へ感染させることによっても、動物細胞中に転移できる。両方の場合、トランスフェクションまたは感染されたRNA分子は、標的動物細胞中で複製し、そして該RNA分子中に挿入された外因性RNA配列を発現することができるであろう。そのような分子および細胞中でのそれらの発現のための戦略は、ワクチンとして、または、感染やがんを予防または治療するためのワクチンに対する戦略として使用できる。この文献では、SFVが、アルファウイルスを具体的に説明するために使用された。
アルファウイルスゲノムに基づく上記発現ベクターは、初期の哺乳動物タンパク質発現系よりも高いタンパク質発現効率を促進することが示された。また、それらは、ほとんど全ての高等な真核生物細胞の種類においても働くことが示された。さらにまた、それらは、ウイルスの拡散を防ぐべく高度に厳格な安全性を補足されている。HIVスパイク・タンパク質のような、病気の予防に使用される重要なタンパク質は、この系を用いて生産されており、そしてそのようなタンパク質は、他の系で生産された場合よりも、自然に近い構造をもつことが示された(6)。また、アルファウイルスは、遺伝的免疫感作のためにも使用されて成功している(7)
本発明は、アルファウイルス発現ベクターの有意義な、そして予期せぬ改良に向けられる。
より具体的には、本発明によって、翻訳増強活性をもつヌクレオチド塩基配列が、アルファウイルスゲノム中に存在することが発見された。これまで既知のアルファウイルスベクターの発現レベルに比較して、本発明により得ることができる目的の物質の発現レベルは、約10倍に増加される。
かくして、本発明は、一般に、真核生物細胞における異種DNAの発現、発現を達成するために使用されるアルファウイルスゲノムの少なくとも一部を含むアルファウイルスベクター、さらに、翻訳増強活性をもつヌクレオチド塩基配列の下流に、実質的に隣接して挿入された異種DNAに相補的なRNAを含む該ベクターに向けられる。
本発明によれば、翻訳増強活性(または翻訳エンハンサーとも呼ばれる)をもつそのような塩基配列は、アルファウイルス・キャプシド遺伝子の5’部分または完全なキャプシド遺伝子を含む。適切には、この翻訳エンハンサーは、アルファウイルスベクターにとって内因性である。しかしながら、その他のアルファウイルス種起源の外因性翻訳エンハンサーが、少なくとも場合によっては使用されてもよい。
かくして、また、本発明は、アルファウイルスRNAゲノムの少なくとも一部、および翻訳増強活性をもつアルファウイルス塩基配列の下流に位置する生物活性をもつ物質をコードする異種RNAを含む、自己複製および転写能をもつ組み換えアルファウイルスRNA分子に関するが、該翻訳増強塩基配列は、完全なアルファウイルス・キャプシド遺伝子または該遺伝子の5’部分を含んでなる。
本発明の適切な実施態様は、セムリキ森林熱ウイルス(SFV)ゲノムに基づく発現ベクターに関する。完全なSFVキャプシド遺伝子は、267個のアミノ酸残基をコードしており、したがって、801個の塩基を含む。
SFVでは、翻訳増強活性は、このキャプシド遺伝子の最初の102個の塩基に存在することが発見されたが、該活性は、野生型キャプシドタンパク質の約85%のレベルで、タンパク質生産を引き起こした。これは、既知のSFVベクターに比較して約10倍の増加である。
また、最初の81個の塩基を含む該遺伝子の配列は、程度は低いけれども発現レベルの増加をもたらす。
かくして、本SFV翻訳エンハンサーは、キャプシド遺伝子の少なくとも最初の81個の塩基、好ましくは、最初の102個の塩基、そしてほとんど801個の塩基、すなわち完全なキャプシド遺伝子に対応する塩基配列を含む。
5’から3’末端へと読み進んで、最初の102個の塩基を含んでなるSFVキャプシド遺伝子の該5’部分の配列は、
Figure 0003786956
である。
また、実質的に保存された増強活性をもつこの塩基配列の改変(例えば、塩基欠失、置換および/または付加)は、本発明によって包含される。
次に具体的に説明される実施例において、翻訳エンハンサーの存在は、SFVについて例証された。種々のアルファウイルス種間の相同性を考慮すると、翻訳増強の類似機構が、すべてのアルファウイルスに存在することが期待できる。しかしながら、異なるアルファウイルス間の配列は、C遺伝子領域の5’末端においてかなり変わっているので、RNA分子の二次および三次構造の特徴におけるある種の類似性が、翻訳増強効果に関与していることが、もっとも可能性がある。このことは、正確な配列そしてまた多分翻訳増強領域の長さが、異なるアルファウイルス間で変わるのであろうということを意味している。
また、本発明は、本組み換えアルファウイルスRNA分子に相補的なDNA配列を含むDNA分子に関するが、そのDNA分子は、また、細胞において組み換えRNA分子を転写するために、SP6のようなプロモーターをコードするDNA配列、およびE.コリ(E.coli)におけるプラスミド増殖に必要な特性をコードするさらなるDNA配列を含んでもよい。
増強された翻訳能をもつ本アルファウイルスベクターは、これまで既知のアルファウイルスベクターと同じ目的のために使用できる。かくして、それらは、真核生物細胞、特に哺乳動物細胞において、生物活性をもつ物質、例えばタンパク質またはポリペプチドの生産に非常に有用であると考えられ、それらの物質は、生物工学または医療目的に使用できる。例えば、異種RNAは、適切には、治療活性または予防活性、例えば免疫原性または抗原性をもつタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドをコードしてもよい。発現が達成される該真核生物細胞は、細胞培養物としても利用できるし、また生体、例えば動物またはヒト生体の一部分を構成してもよい。また、本発明は、本組み換えRNAまたはDNA分子により形質転換された細胞、および該RNAまたはDNA分子により安定に形質転換された細胞系に関する。
前述のように、アルファウイルス発現ベクターは、アルファウイルスのゲノムに基づく。これは、陽極性の一本鎖RNA分子からなる。感染細胞において、このRNAの5’側2/3が、翻訳と同時にそして翻訳後に4種の成熟タンパク質に切断されるウイルスの非構造ポリタンパク質に対するmRNAとして働く(8.9)。これらのタンパク質は、陰極性の中間体をへてゲノムRNAを複製するウイルスポリメラーゼ複合体を形成する(10)。また、この中間体は、ウイルスゲノムの3’側1/3と共直線性であるサブゲノムRNA分子の合成の鋳型として機能する。このサブゲノム転写物(または26SmRNAとも呼ばれる)は、ウイルス構造ポリタンパク質に翻訳される。未成熟のポリタンパク質鎖から自分自身を自己触媒的に切断する、このポリタンパク質のプロセッシングは、アミノ末端キャプシド(C)タンパク質によって開始される(11.12.13.14)。構造ポリタンパク質の残りの部分は、翻訳と同時に小胞体の膜に挿入され、そしてスパイクタンパク質p62およびE1が、シグナルペプチダーゼ仲介の切断反応によって遊離される(15.16.17)。アルファウイルス発現ベクターは、適切には、構造ポリタンパク質をコードする領域の少なくとも一部が欠失され、そしてクローニング部位(3.4)によって置換された、ウイルスゲノムの改変cDNAコピーから構築される。異種cDNAは、この部位に挿入でき、対応する組み換えアルファウイルスゲノムは、イン・ビトロ転写によって生産できる。宿主細胞にトランスフェクションされる場合には、組み換えゲノムは、アルファウイルスの非構造コーディング領域および5’と3’複製シグナルの両方を含むので、野生型方式で複製される。しかしながら、ウイルス構造タンパク質の代わりに、サブゲノムRNAが、ここに、異種タンパク質の合成を導く。また、セムリキ森林熱ウイルス(SFV)発現系(4)は、イン・ビボのパッケージング系を補足され、それによって組み換えゲノムは、ウイルス構造タンパク質を提供するパッケージング欠失ヘルパーゲノムとの同時トランスフェクションに続いて、SFV様粒子中に詰め込まれる(4.5)。これらの組み換え粒子は、イン・ビボまたはイン・ビトロのいずれでも細胞を感染するのに使用できる。組み換え粒子の宿主細胞範囲は、アルファウイルス・スパイクによって決定され、それ故、非常に広範である。感染細胞は、組み換えゲノムと、また多量の異種タンパク質とを生産するであろう。しかしながら、ウイルス構造タンパク質は、組み換えゲノムにはコードされていないので、新しいウイルス粒子は作られず、それ故、ウイルスの拡散は起きない。
したがって、本発明の1つの態様は、野生型アルファウイルス・コートによって包まれた組み換えアルファウイルスRNAゲノムを含む組み換えアルファウイルスを生産する方法、該組み換えRNAゲノムとアルファウイルス構造タンパク質の発現能を含有するヘルパーRNAとによる、細胞の同時トランスフェクションのような同時形質転換によって本組み換えRNA分子を含み、そしてシスに働く複製シグナルであるが包膜シグナルではないアルファウイルス構造タンパク質のコーディング配列を含む該RNAゲノム、細胞の培養、および感染性組み換えアルファウイルス粒子を含む媒体の回収に向けられる。
また、本発明は、感染性粒子を生産するこれらの形質転換細胞および感染性粒子それ自体に関する。
先に示されたように、動物(ヒトを含む)起源の広範囲の宿主細胞が、本発明により使用できる。そのような宿主細胞は、鳥類、哺乳類、両生類、昆虫類および魚類の細胞から選ぶことができる。哺乳類細胞の具体例は、ヒト、サル、ハムスター、マウスおよびブタの細胞である。適切な鳥類細胞は、ニワトリ細胞である。
さらにまた、本発明は、イン・ビトロまたはイン・ビボの両方で使用できる。定義によって、イン・ビトロは、生体外で行われる方法を意味し、反対に、イン・ビボは、方法が生体内で行われることを意味する。
本発明によれば、「形質転換」は、一般に、真核生物であっても原核生物であっても、細胞の内部への外因性ポリヌクレオチド配列の導入を意味することを意図し、そして外因性ポリヌクレオチド配列は、染色体外物(エピソーム)として細胞の細胞質中に、核中に、留まってもよく、または細胞ゲノム中に安定に組み込まれてもよい。形質転換の様式は、決定的ではなく、現在既知であるか、将来に開発されるかもしれないいずれの方法も、本発明により使用できる。
本発明のさらなる態様は、細胞培養または動物もしくはヒト個体における、本感染性組み換えアルファウイルス粒子を用いる細胞の感染を含む、生物活性物質をコードする異種RNA配列を発現する方法に関する。
適切には、動物において達成される場合のそのような発現は、該動物に有益な何らかの効果を起こすだけでなく、該動物において生産される発現産物は、該動物から、例えば血液のような体液、乳または腹水において回収できるであろう。
また、本発明は、生理的に投与しうる形状において本組み換えRNAを含む医薬調製物に関する。そのような調製物は、感染性組み換えアルファウイルス粒子を生産する本同時形質転換細胞またはそのような感染性粒子それ自体を含んでもよい。
次の実験部分では、セムリキ森林熱ウイルス(SFV)が、本発明を具体的に説明するために使用された。初期に記述されたSFV発現系は、サブゲノム26SRNAの5’側の不翻訳リーダー配列中か配列直後に、異種DNAのクローニング部位をもつ3種の異なるプラスミドベクター(pSFV1−3)を提供する(4)。実施例2では、数種の異なる異種タンパク質の発現レベルが、初期のSFVベクターを用いた場合および完全な26SRNAリーダーに続く完全なCタンパク質遺伝子が、異種タンパク質遺伝子を先導する新規SFVベクター(=SFVC−ベクター)を用いた場合について比較される。異種産物が、初期のベクターからよりも実質的に高いレベルにおいて、SFVC−ベクターから生産され、そして全C−融合タンパク質が、Cタンパク質のオートプロテアーゼ活性により別々の真正産物に切断されたことが証明される(図2)。定量では、発現レベルにおいて約10倍差があることを示している。
実施例3では、C遺伝子における増強効果の存在する場所を研究するために、E.コリLacZ(β−ガラクトシダーゼ)遺伝子融合物が用いられた。具体的には、C遺伝子の種々の分量の5’部分が、LacZ遺伝子の第2コドンに融合された。これらの組み換え構築物の発現では、増強効果が、C遺伝子の最初の102個の塩基内に置かれることを示す。
実施例4では、本発明者らは、その効果が、RNA複製と転写のレベルにおいて発現されるか否かを解析した。ゲノムRNAおよびサブゲノムRNAの生産は、実施例3記載のLacZ組み換え体の高低生産変異体において比較された。RNAレベルにおける差異は見られず、それ故、C遺伝子セグメントの増強効果は、翻訳レベルで存在しなければならない。このセグメントは、翻訳開始を増進する特異的RNA構造を含む可能性がもっとも高い。
図の説明
図1
A.組み換えサブゲノムRNA分子の概要
表示プラスミドのイン・ビトロ転写物によりトランスフェクションされた細胞において生産されるサブゲノムRNA分子の略図が示される。不翻訳5’リーダー配列の部分のみが、pSFV1構築物に存在するのに対して、全リーダー配列は、pSFV3構築物(4)に存在することに注意。
B.pSFVC’シリーズのプラスミドにおけるCタンパク質アミノ酸
コドン数
図2
C遺伝子の存在がタンパク質生産を増強する
BHK−21細胞は、次のプラスミドのRNA転写物によりトランスフェクションされた;pSFV1−P62、pSFVC−p62、pSFV1−TR、pSFVC−TR、pSFV1−Pr65gag、pSFVC−Pr65gag、pSFV3−LacZ、pSFVC−LacZ、pSFVmSQLおよびpSFVC−Pr65gag(それぞれ、列1〜10)。トランスフェクション後8時間目に、細胞は、30分間(列1〜6)または15分間(列7〜10)35S−メチオニンでパルスラベルされ、そして15分間(列1〜10)チェイスされた。細胞は、NP−40(列1〜6)またはSDS(列7〜10)を用いて溶解され、そして1.6x10細胞に対応する一定分量が、SFV E2に対する(列1〜2)、トランスフェリンレセプターに対する(列3〜4)またはモロニーマウス白血病ウイルスに対する(列5〜6)抗体のいずれかを用いて抽出されるか、あるいはサンプルバッファーと直接混合され(列7〜10)、そして還元条件下でSDS−PAGEと続く蛍光光度法によって解析された。
図3
C遺伝子由来の塩基102個のセグメントがタンパク質発現の増強に関与する BHK−21細胞が、指示されるpSFV3−LacZ、SFVC’−LacZシリーズの6種のメンバーおよびpSFVC−LacZのRNA転写物によりトランスフェクションされた。トランスフェクション後8時間目に、細胞は、15分間35S−メチオニンでパルスラベルされ、15分間チェイスされ、次いで、SDSを用いて溶解された。細胞溶解液の一定分量(1.2x10細胞に対応する)が、サンプルバッファーと混合され、そして還元条件下でSDS−PAGEによって解析された。β−ガラクトシダーゼまたはβ−ガラクトシダーゼ融合タンパク質の量は、実施例2記載のように定量され、メチオニン含量における差異について修正された。C’−β−ガラクトシダーゼ融合タンパク質の可変C’部分の長さに対する、タンパク質合成の相対速度(SFVmSQL Cタンパク質合成のパーセンテージとして表される)が示される。
図4
塩基102個の長さをもつC遺伝子セグメントによる発現増強は、増進された複製によってもまた転写によっても仲介されない。
細胞は、pSFVmSQL(列1)、pSFVC’−LacZ(列2)、pSFV3−LacZ(列3)、pSFV1−Pr55gag(列5)からのRNA転写物、またはバッファーのみ(列4)によりトランスフェクションされた。アクチノマイシンDが、トランスフェクション後2時間に添加された。トランスフェクション後4時間目に、14C−ウリジンが添加され、そして細胞は、4時間ラベルされた。総RNAが抽出され、1.4x10細胞に対応する一定分量が、変性条件下アガロースゲル上で解析された。乾燥ゲルのオートラジオグラムが示される。
実施例
実施例1
ここでは、本発明者らは、26SmRNAリーダーか、完全なC遺伝子の3’末端か、またはC遺伝子の5’部分のいずれかに、融合される異種遺伝子を用いるSFVベクターの構築を記述する。全ての構築物は、ヨーロピアン・コレクション・オブ・アニマル・セル・カルチャー,ポルトン ダウン,サリスバリー,ウィルトシャー,ユー.ケー.(European Collection of Animal Cell Culture, Porton Down, Salisbury, Wiltshire, U.K.)に;寄託番号91112826で寄託されたプラスミドpSP6−SFV4(4)中の完全なSFVcDNA分子を用いて実施された。図1には、種々のベクター構築物から生産される種々のmRNA分子のコーディング領域が、略図により示される。ベクター構築物は次のとおりである:
(i)pSFVC−p62、これは、C遺伝子との野生型融合物としてのSFVp62スパイク・サブユニットの遺伝子を含有する。それは、2個の終止コドンが、pSP6−SFV4中の位置9866〜9871における、E1のN末端部分をコードする領域に、部位特異的突然変異によって導入されたpSP6−SFV4の小NsiI/SpeI断片(2.6kbp)に、pSP6−SFV4からの大SpeI/NsiI断片(12kbp)を連結させることによって構築された。
(ii)pSFV1−p62、これは、26SmRNAリーダー配列の位置31において、5’SFVサブゲノム領域に融合されたSFVp62スパイク・サブユニットの遺伝子を含有する(SFV−1ベクター変異体)(4)。これは、(i)における小NsiI/SpeI断片(2.6kbp)に、pSP6−SFV4/ΔCからの大SpeI/NsiI断片(11kbp)を連結させることによって構築された。pSP6−SFV4/ΔCは、C遺伝子の欠失によってpSP6−SFV4から構築された(18)
(iii)pSFV1−TR、これは、26SRNAリーダー配列の位置31において、5’SFVサブゲノム領域との融合物中に、ヒトのトランスフェリン・レセプター遺伝子を含有する(4)
(iv)pSFVC−TR、これは、完全な26SRNAリーダー配列を包含する5’SFVサブゲノムと全C遺伝子との融合物中に、ヒトのトランスフェリン・レセプター遺伝子を含有する。CとTR遺伝子の実際の融合は、PCRによって実施された(19.20)。融合DNAの増幅のために使用された末端プライマーは:
Figure 0003786956
使用された融合プライマーは:
Figure 0003786956
(TR遺伝子断片プライマー)であった。pSFVC−TRは、pSFV−Cの10679−bp SpeI−Csp45I断片(18)およびpSFV1−TRの2744−bp NdeI−SpeI断片(4)に、896−bp Csp45I−NdeI融合断片を連結させることによって構築された。PCR反応に由来するpSFVC−TRの896−bp Csp45I−NdeI断片は、塩基配列決定によってチェックされた。
(v)pSFV1−Pr65gag、これは、26SmRNAリーダー配列の位置31において、5’SFVサブゲノムとの融合物中に、モロニーマウス白血病ウイルス(M−MuLV)gag前駆体の遺伝子を含有する。これは、Pr65gag遺伝子を含むpNCA(Colicelli,1988)からの1770−bp PstI−DraIII断片を、pGEM−1およびpGEM−7Zf(+)(Promega)におけるサブクローニング段階を通して、pSFV1中に挿入することによって構築された。サブクローニング段階は、Pr65gag遺伝子に隣接する5’BamHと3’SmaI部位を導入した。5’非コーディングM−MuLV配列は、次の2種の重複するオリゴヌクレオチド;
Figure 0003786956
から作成された合成135−bp BamHI−PstI断片を用いて5’177−bp BamHI−PstI断片を置換することによって欠失された。
(vi)pSFVC−Pr65gag、これは、完全な26SRNAリーダー配列を含むSFV5’サブゲノム領域とC遺伝子との融合物中に、M−MuLVgag前駆体遺伝子を含有する。このプラスミドは、Pr65gag遺伝子の第2コドンヘのSFV C遺伝子のPCR融合によって構築された。使用された融合プライマーは:
Figure 0003786956
(Pr65gag遺伝子断片プライマー)であった。融合DNAの増幅のための末端プライマーは:
Figure 0003786956
次いで、pSFVC−Pr65gagが、pSFV−Cからの10679−bp SpeI−Csp45I(18)およびpSFVl−Pr65gagの2492−bpPstI−SpeI断片に、562−bp Csp45I−PstI C−Pr65gag融合断片を連結させることによって構築された。PCR反応から生成されるpSFVC−Pr65gagの562−bp Csp45I−PstI断片は、塩基配列決定によってチェックされた。
(Vii)pSFV3−LacZ、これは、完全な不翻訳リーダー配列(SFV3ベクター、(4))の後の26SRNA中の位置53において、5’SFVサブゲノム領域との融合物中に、アミノ酸残基2〜1025をコードするLacZ(β−ガラクトシダーゼ)遺伝子を含有する(4)
(viii)pSFVC−LacZ、これは、完全な26SmRNAリーダー配列を包含するSFV5’サブゲノムと完全なC遺伝子との融合物中に、上記LacZ遺伝子を含有する。これは、pSFV3−LacZからの小LacZ含有BamHI断片(3kbp)を、pSFVCBamHI中に挿入することによって構築された。pSFVCBamHIは、直接BamHI部位へと続く構造SFVゲノムのCタンパク質遺伝子のみを含有する。このプラスミドは、PCRにより生成されたC遺伝子の440−bp Csp45I−BamHI 3’末端断片およびpSFV1
Figure 0003786956
の874−bp BamHI−SpeI断片に、pSP6−SFV4からの大SpeI−Csp45I断片(10679−bp)を連結させることによって構築された。PCR反応に使用されたプライマーは:
Figure 0003786956
(3’末端プライマー)であった。
(ix)pSFVC’−LacZ、これは、完全な26SmRNAリーダーを包含する5’サブゲノム領域とC遺伝子の5’部分との融合物中に、LacZ遺伝子を含有する。これは次のように構築された:pSP6−SFV4のCタンパク質遺伝子における連続欠失は、位置7781におけるCsp45I部位から始まる、ヌクレアーゼBal 31による限定消化によって作成された。末端は、クレノウフラグメントおよびT4ポリメラーゼによって平滑にされ、そしてBamHIリンカーの混合物(8−、10−および12量体;Promega, Madison, WI, USA)に連結された。欠失シリーズからの大SpeI−BamHI断片(約10.3kbp)は、小さい、pSFV3−LacZからのBamHI−SPeI断片を含有するLacZ遺伝子に連結された。
(x)pSFVmSQL、これは、対照プラスミドであり、完全なSFVゲノムを含有する。それは、p62の成熟切断部位を特定する構造遺伝子領域に変異を保持する。これらの変異のために、p62サブユニットは、E2およびE3に切断されない(21.5)
使用されるすべての分子生物学技術の詳細な方法は、Molecular Cloning(22)に記載されている。
実施例2
C遺伝子の存在がタンパク質生産を増強する
RNAは、プラスミドpSFV1−p62、pSFVC−p62、pSFV1−TR、pSFVC−TR、pSFV1−Pr65gag、pSFVC−Pr65gag、pSFV1−LacZ、pSFVC−LacZおよびpSFVmSQLを、鋳型として用いてイン・ビトロで合成された。これらは、BHK−21細胞中にトランスフェクションされ、そして8時間後に、細胞は、図2の説明で示されたように、15または30分間35S−メチオニンにより代謝的にラベルされた。図2は、単独(列1,3,5および7)か、またはCタンパク質と縦並び(列2,4,6,8および10)で発現された場合の相同p62タンパク質(列1および2)、トランスフェリン・レセプター(列3および4)、M−MuLVgag前駆体タンパク質(列5,6および10)、β−ガラクトシダーゼタンパク質(列7および8)の合成の相対レベルを示す。構造SFVタンパク質(C,p62およびE1)の合成は、列10に示される。細胞溶解液(列1〜6)または全細胞溶解液の一定量(列7〜10)からの免疫沈降が示される。
pSFV1に基づく組み換えゲノムから発現される場合、SFVp62、TRおよびM−MuLVgag(それぞれ、列1,3および5)は、すべて比較的低レベルで合成された。しかしながら、これらのタンパク質が、C融合タンパク質として発現される場合には、それらの発現レベルにおける劇的な増加が得られた(列2,4および6)。定量的には、その増加が全3種のタンパク質について約10倍であることが示された。ウイルス構造ポリタンパク質からCタンパク質を遊離する自己分解的切断は、また、人工のC−Pr65gagおよびC−TRポリタンパク質において明らかに効果的であった;未切断の融合タンパク質(列4および6)を表すであろう遅く移動するポリタンパク質の兆候はなかった。
pSFV1に基づくゲノムでは、26Sリーダー配列の5’部分のみが存在するのに対して、pSFVCから得られるサブゲノムは、5’リーダー全体を含有する。したがって、その結果は、リーダー配列の3’部分またはC−配列の存在が発現レベルに影響することを示している。どの領域が、発現の増強に関与するかを見いだすために、SFV3−LacZゲノム(リーダー配列全体を含む)(図2、列7)かSFVC−LacZゲノム(リーダー配列全体に加えてC遺伝子配列を含む)(図2、列8)のいずれかによりトランスフェクションされた細胞におけるβ−ガラクトシダーゼ生産のレベルが比較された。後者のゲノムは、未切断C−β−ガラクトシダーゼ融合タンパク質(アミノ酸の長さ1.263、約145kDa)の合成を支配した。定量的には、C−β−ガラクトシダーゼ融合タンパク質の発現は、SFV3−LacZゲノムからのβ−ガラクトシダーゼ発現よりも約8倍高いことが示された。この増加は、SFVCに比較してSFV1について先に観察されたのと同じくらい大きかった。これらの観察から、発現ベクターにおけるC遺伝子の存在は、SFVに誘導される生産に対して強いポジティブな影響を及ぼすことが結論された。C−β−ガラクトシダーゼ構築における切断の阻害に関するもっとも可能性のある理由は、キャブシド・プロテアーゼによって切断される部位から数えて位置+2のプロリン残基の存在である。
野生型類似のSFVゲノムからのタンパク質生産レベルと、SFVCゲノムからのそれとを相関させるために、SFVC−Pr65gagRNA(図2、列10)によりトランスフェクションされた細胞におけるCおよびgag前駆体の量に対して、pSFVmSQL(図2、列9)のイン・ビトロ転写物によりトランスフェクションされた細胞において生産されたCタンパク質の量が比較された。トランスフェクション後8時間のCタンパク質の量は、2種のトランスフェクション物では差が認められなかった。さらにまた、Pr65gagおよびSFVスパイク・タンパク質は、同レベルで生産されたので、このことから、発現ベクター中へのC遺伝子の導入が、野生型SFV感染における構造タンパク質について通常得られるレベルまで、異種タンパク質の生産を増強することが分かる。
この実施例では、RNA転写およびトランスフェクションは、次のように実施された:SpeIで直鎖化されたプラスミドのRNA転写物は、前記(4)のようにイン・ビトロで合成され、そしてBHK21細胞(American Type Culture Collection)中にエレクトロポレーションによってトランスフェクションされた。簡単に言えば、8x10細胞(Ca2+/Mg2+不含のPBS0.8mlに懸濁された)が、0.4cmエレクトロポレーション・キュベット(Bio-Rad Laboratories AB, Solna, Sweden)中で、イン・ビトロで生成されたRNA(転写混合物20μl)と混合され、そして0.58kV、25μFで2回の連続パルス(Bio-Rad Gene Pulser,パルス調整ユニットなし)に曝された。その細胞は、10%(v/v)トリプトースリン酸ブロス(Gibco, Madison, Wi, USA)、5%(v/v)ウシ胎児血清、20mM N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(HEPES)を補足されたBHK−21培地(Gibco)pH7.3からなる完全BHK培地15mlに懸濁され、3.3cm組織培養ディッシュに平板注入(3ml/ディッシュ)され、そして37℃でインキュベートされた。
35S−メチオニンによる代謝ラベルは、既知(Wahlberg and Garoff 1989)のように実施され、SDS−PAGE用に調製された。
SDS−PAGEは、次のように実施された:洗浄された免疫複合体または細胞溶解液のサンプルが、SDS−PAGEサンプルバッファー(最終濃度;0.15MTris−HCl、pH8.8,0.19g/mlグリセロール、31mg/mlSDS、3.8mMEDTA、0.77mMメチオニン、0.15mg/mlブロムフェノールブルーおよび38.5mMジチオトレイトール)と混合され、95℃で3分間加熱され、そしてヨードアセトアミド(最終濃度0.10M)によりアルシレート(alcylate)された。最後に、タンパク質は、既知(Maizel 1971)のように11%アクリルアミドゲル上で分離された。電気泳動後、ゲルは、10%(v/v)トリクロロ酢酸および40%(v/v)メタノール中に浸漬され、30分間インキュベートされ、そして乾燥された。放射能ラベルされた物質を含むゲルは、オートラジオグラフィーのためにKodacXARフィルムに露光された。
定量は、次のように行われた:放射能ラベルされた物質を含む乾燥アクリルアミドゲルが、Bas−III Image Plate(Fuji Photo Film Corp.)に露光された。映像プレートシグナルがデジタル化され、そして乾燥ゲルの種々の部分における放射能の量が、Fuji Bio−Image analyze system Bas2000(Fuji Photo Film Corp.)を用いて解析された。
実施例3
C遺伝子の5’部分からの102個の塩基セグメントが発現増強を仲介している。
発現増強の機構を明らかにする第1段階として、全C遺伝子配列かその一部分のみかどちらが、高レベルのタンパク質生産を促進するのに十分であるかという疑問が投じられた。この目的のために、β−ガラクトシダーゼ遺伝子に融合されたC遺伝子の5’部分の増強部分(C’)を含む種々のプラスミド(C’−LacZキメラ)が構築された(図1)。これらのプラスミドは、イン・ビトロでのRNA転写の鋳型として使用され、そのRNAが、BHK−21細胞中にトランスフェクションされ、そして細胞は、次のように15分間パルスラベルされ、15分間チェイスされた:
トランスフェクション後8時間に、細胞は、PBSで2回洗浄され、メチオニンを欠き20mMHEPESを補足したEagles最小必須培地1.0mlが添加され、そして細胞は、30分間37℃でインキュベートされた。
培地が除去され、同じ培地1.0ml中35S−メチオニン3.7MBq(100μCi)が添加され、そして細胞は、15分間または30分間インキュベートされた(パルス)。ラベル用培地が除去され、20mMHEPESを補足したEMEM1.0mlが添加され、そして細胞は、さらに15分間または30分間インキュベートされた(チェイス)。チェイスの最後に、細胞はPBSで2回洗浄され、そして50mMTris−HCl、0.15MNaClおよび0.2mMEDTAを含む10mg/mlSDSまたは10mg/mlNonidetP40(NP−40)溶解バッファー、最終pH7.6の0.30ml中で溶解された。フッ化フェニルメチルスルホニル(PMSF;0.2mM)、N−エチルマレイミド(0.1mM)およびペプスタチンA(1μg/ml)が、使用前にその溶解バッファーに添加された。SDS溶解バッファーで破壊された細胞は、室温で20分間音波処理された。NP−40で溶解された細胞からの細胞核は、遠心によって沈降された(14,000xgで5分)。
免疫沈降は次のように実施された:
トランスフェリン・レセプターは、OKT9モノクローナル抗TR抗体(T.Ebelより贈与される)により、M−MuLVgag前駆体は、ポリクローナル抗MuLV血清(HC185;Quality Biotechnology Incorporated)により、そしてp62は、モノクローナル抗E2抗体(UM5.1;Boere et a1.1984)により沈降された。35S−メチオニンラベル細胞のSDS溶解液の一定分量(100μl)が、10mg/mlNP−40溶解バッファーにより10倍希釈され、そして適当な抗体の過剰量が、タンパク質A−セファロース・スラリー(Pharmasia, Uppsala, Sweden; 10mMTris−HCl中50%w/v,pH7.5)40μlとともに添加され、そしてサンプルは、+4℃で16時間、十分に回転された。また、結合抗体が必要とされる場合は、ウサギ抗マウス免疫グロブリン(Dacopatts, Glostrup, Denmark)が添加された。免疫複合体は、実施例2に記載のように前述の時間(分)洗浄された。トランスフェクション効率は、イン・サイチュウでのβ−ガラクトシダーゼ染色によって判定されるように、すべての場合において95%よりも高かった。チェイス期間の終わりに、細胞は、SDS中で溶解され、細胞溶解液の一定分量が、還元的条件下でSDS−PAGEによって分析された。融合タンパク質に関わる放射能の量が実施例2記載のように定量された。図3は、融合タンパク質中のCタンパク質由来のアミノ酸の数の関数としての融合タンパク質生産(SFVmSQL Cタンパク質生産の%として表された)を示す。より長い構築物(Cタンパク質由来のアミノ酸残基34個以上を含む)からのタンパク質生産は、野生型Cタンパク質生産の85%のレベルに達した。これは、実施例2に記載のSFVC−LacZ構築物から得られるものと同様に高い。より短いもの(Cタンパク質由来のアミノ酸残基、それぞれ16、19および27個を含む)は、かなり低いレベルで生産された。かくして、その結果は、5’の部分102個の長さのC遺伝子(b1)が、発現の増強を仲介していることを例証する。この実施例において、RNA転写、トランスフェクション、ラベリングおよびSDS−PAGEは、実施例2記載のように実施された。組織培養ディッシュ中のメタノール固定のBHK−21細胞のβ−ガラクトシダーゼ染色は、Sanes(23)の記載のように実施例された。
実施例4
長さ102個の塩基のC遺伝子セグメントによる発現増強は翻訳の増進をとおして仲介される。
短い長さのC遺伝子配列のみが、最適なタンパク質生産に必要とされる事実は、その効果が、イン・トランス(すなわち、キャプシド・ポリペプチド鎖による)に仲介される可能性をないものとする。転写か翻訳かいずれかの効率に影響するシスの作用(すなわち、RNAに仲介される)機構が、一層可能性のある説明になると思われる。C遺伝子セグメントが、ゲノムおよびサブゲノムのRNAレベルに影響するか否かを決定するために、これらの2種のRNA種の細胞内レベルが、「高い」か「低い」かいずれかの生産性ゲノムによりトランスフェクションされた細胞において測定された。トランスフェクション細胞は、すべての残存宿主細胞RNA合成を抑制するために、アクチノマイシンDの存在下で培養された。トランスフェクション後4時間に、14C−ウリジンが添加され、そして細胞は4時間インキュベートされた。全RNAが、ラベルされた細胞から調製され、変性条件下で、1.0%アガロースゲルによる電気泳動にかけられた。ゲルは乾燥され、種々のバンドの放射能の量が、実施例2記載のように定量された。図4は、乾燥ゲルのオートラジオグラフィーを示す:列1,SFV−mSQL;列2,高生産性SFVC’b7−LacZ;列3,低生産性pSFV3−LacZ;列4,RNAなしの偽トランスフェクション;および列5,SFV1−Pr55gag、これはヒト免疫不全ウイルス・タイプIのGag前駆体のコーディング配列を含む。SFV1−Pr55gagゲノムのサブゲノムRNAは、SFV−mSQLおよびSFVC−LacZゲノムのそれよりも短い約1500塩基であり、したがって、これらの転写物の同定を容易にする。サブゲノムRNAは、すべてのトランスフェクションにおいて匹敵するレベルで合成されることが分かった。定量では、合成レベルが、ほとんど2の係数で変化し、タンパク質生産のレベルと相関しないことが示された。また、ゲノムRNAのレベルにも、何らの有意な違いが検出されなかった。かくして、種々のゲノムの複製のみならず転写もまた影響されなかった。それ故、タンパク質生産の増加は、翻訳効率の増進の結果であると結論される。
この実施例では、14C−ウリジン・ラベルは、次のように実施された:トランスフェクションされた細胞が、直接、平板注入され、37℃で2時間インキュベートされた。次いでアクチノマイシンD1.0μg/mlが、培地に添加され、そしてインキュベートが2時間継続された。トランスフェクション後4時間に、培地が除去され、14C−ウリジン(2.1GBq/mmol;NEC−167,Dupont)の75kBqが、完全BHK培地1.5mlに添加され、そして細胞が37℃で4時間インキュベートされた。ラベル用培地が除去され、そして細胞は、フェノールに基づく核酸抽出反応混液(TrizolTM;Gibco)1.0mlの添加によって溶解された。
RNA精製および変性アガロースゲル電気泳動は、次のように実施された:14C−ウリジンでラベルされた細胞からの全RNAは、製造元(Gibco)記載のようにTrizolTMによって精製され、RNase不含のHO 20μlに溶解された。一定分量が、ホルムアルデヒドアガロースゲル電気泳動用に調製され、そしてRNAは、既述(Sambrook 1989)のように、1.0%Seaplaqueアガロース(FMC Bioprod ucts, USA)ゲルにおいて分離された。電気泳動後、ゲルは、10%トリクロロ酢酸に浸漬され、室温で30分間インキュベートされ、乾燥された。放射能ラベルされたRNAバンドは、オートラジオグラフィーによって可視化され、実施例2記載のように定量された。
Figure 0003786956
Figure 0003786956
Figure 0003786956

Claims (21)

  1. (i)セムリキ森林熱ウイルスRNAゲノムの少なくとも一部、および(ii)生物活性をもつ物質をコードする異種RNAを含んでなる、自己複製および転写能を有する組換えセムリキ森林熱ウイルスRNA分子であって、
    ここで、該異種RNAは翻訳増強活性をもつセムリキ森林熱ウイルス塩基配列の下流に位置し、そして該セムリキ森林熱ウイルス塩基配列に機能し得るように連結されており、かつ、該翻訳増強活性をもつ塩基配列はセムリキ森林熱ウイルスの完全なキャプシド遺伝子または該キャプシド遺伝子の5’部分であって、該キャプシド遺伝子領域の5’末端から少なくとも81個の連続する塩基を含有するキャプシド遺伝子のヌクレオチドを含んでなる該キャプシド遺伝子の5’部分を含み、そして
    セムリキ森林熱ウイルスRNAゲノムの少なくとも一部が、該キャプシド遺伝子または該キャプシド遺伝子の5’部分以外のセムリキ森林熱ウイルス構造遺伝子からなるセムリキ森林熱ウイルスの塩基配列をほぼ完全に欠失していることを特徴とする組換えRNA分子RNA分子。
  2. 請求項1に記載の組換えRNA分子であって、細胞中に導入された後に該RNA分子が、その分子の5’領域によってコードされたセムリキ森林熱ウイルスのレプリカーゼを用いて複製され、そしてセムリキ森林熱ウイルスサブゲノムプロモーターによってmRNAに転写され、かつ、異種RNAが、該翻訳増強塩基配列の下流のセムリキ森林熱ウイルスサブゲノム領域中に挿入されており、そして異種遺伝子産物が、該遺伝子の5’部分によってコードされる完全なキャプシドタンパク質またはキャプシドタンパク質のアミノ末端部分をもつ融合産物として該mRNAから細胞で発現される、ことを特徴とする組換えRNA分子。
  3. 翻訳増強塩基配列が
    Figure 0003786956
    の配列を有するキャプシド遺伝子の最初の81個の塩基を含んでなる、請求項1または2記載の組換えRNA分子。
  4. 翻訳増強塩基配列が
    Figure 0003786956
    の配列を有するキャプシド遺伝子の最初の102個の塩基を含んでなる、請求項1または2記載の組換えRNA分子。
  5. 異種RNAが融合産物として発現され、該融合産物がキャプシドタンパク質の自己分解的プロテアーゼ活性によって、その融合部位で切断される、請求項2〜4のいずれかに記載の組換えRNA分子。
  6. 異種RNA配列が抗原決定基を含むタンパク質またはポリペプチドをコードしており、該タンパク質またはポリペプチドが免疫原性または抗原性である、請求項1〜のいずれかに記載の組換えRNA分子。
  7. 翻訳増強活性が該翻訳増強配列の非存在下において提供される翻訳活性より少なくとも8倍高い活性を提供する請求項1〜のいずれかに記載の組換えRNA分子。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の組換えRNA分子の完全長に相補的なDNA配列を含む、DNA分子。
  9. さらに、細胞中で組換えRNA分子を転写するためのプロモーターをコードするDNA配列を含み、そしてさらに、大腸菌(E.coli)におけるプラスミド複製に必要なDNA配列を含んでなる、請求項記載のDNA分子。
  10. プロモーターがSP6である、請求項記載のDNA分子。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の組換えRNAまたはDNA分子を含む形質転換細胞。
  12. 動物またはヒトの細胞である、請求項11記載の細胞。
  13. 請求項11または12記載の細胞を含む細胞系であって、該RNAまたはDNA分子により安定に形質転換されている、細胞系。
  14. 生物活性物質をコードする異種RNA配列のイン ビトロでの発現方法であって、請求項1〜のいずれかに記載の組換えRNA分子、または請求項8、9、もしくは10記載の組換えDNAによる細胞の形質転換、次いで異種RNA配列の発現を可能にする条件下で該形質転換細胞を増殖し、こうして該異種RNA配列の遺伝子発現産物を発現させることを特徴とする異種RNA配列のイン ビトロでの発現方法。
  15. 形質転換がトランスフェクションによって達成される請求項14記載の方法
  16. 形質転換が細胞培養中の細胞の感染によって達成される請求項14記載の方法。
  17. 遺伝子発現産物が、細胞から分離され、場合によって精製される、請求項14〜16のいずれかに記載の方法。
  18. 生物活性物質をコードする異種RNA配列のイン ビボでの発現方法であって、野生型のセムリキ森林熱ウイルスのコートによって包まれた請求項1〜のいずれかに記載の組換えRNA分子からなるゲノムを含む感染性組換セムリキ森林熱ウイルス粒子により非ヒト動物の細胞を感染させ、次いで該非ヒト動物において該異種RNA分子を発現させた後、該動物由来の体液を集めて発現産物を回収することを含んでなる異種RNA配列のイン ビボでの発現方法。
  19. 野生型セムリキ森林熱ウイルスのコートによって包まれた組換セムリキ森林熱ウイルスRNAゲノムを含む組換セムリキ森林熱ウイルスの生産方法であって、
    (i)該組換えRNAゲノムと、セムリキ森林熱ウイルス構造タンパク質の発現能を有し、そしてセムリキ森林熱ウイルス構造タンパク質のコーディング配列を含み、かつ、シスに働く複製シグナルを含むが、包膜化シグナルは含まないヘルパーRNAとによる細胞の同時形質転換する工程、
    (ii)細胞をインキュベーションする工程、および
    (iii)感染性組換セムリキ森林熱ウイルス粒子を含む培地を集める工程、を含んでなり、かつ、該組換えRNAゲノムが請求項1〜のいずれかに記載の組換えRNA分子を含むことを特徴とする組換えセムリキ森林熱ウイルスの生産方法。
  20. 請求項1〜のいずれかに記載の組換えRNA分子と、セムリキ森林熱ウイルス構造タンパク質の発現能を有し、そしてセムリキ森林熱ウイルス構造タンパク質のコーディング配列を含み、かつ、シスに働く複製シグナルを含むが、包膜化シグナルは含まないヘルパーRNAとを含んでなり、かつ、野生型セムリキ森林熱ウイルスのコートによって包まれた該組換えRNAを含む感染性組換セムリキ森林熱ウイルス粒子を生産することができる形質転換細胞。
  21. 野生型セムリキ森林熱ウイルス・コートによって包まれた請求項1〜のいずれかに記載の組換えRNA分子からなるゲノムを含んでなる感染性組換えアルファウイルス粒子。
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