JPH104956A - マレク病ワクチン製造のための維持可能な細胞株の改良 - Google Patents

マレク病ワクチン製造のための維持可能な細胞株の改良

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JPH104956A
JPH104956A JP8345881A JP34588196A JPH104956A JP H104956 A JPH104956 A JP H104956A JP 8345881 A JP8345881 A JP 8345881A JP 34588196 A JP34588196 A JP 34588196A JP H104956 A JPH104956 A JP H104956A
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JP
Japan
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mdv
cell line
virus
vaccine
infected
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JP8345881A
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Paul M Coussens
エム.カウセンス ポール
John David Reilly
デビッド レイリー ジョン
Amin Abujoub
アブジョウブ アミン
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Michigan State University MSU
University of Michigan
Original Assignee
Michigan State University MSU
University of Michigan
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N5/00Undifferentiated human, animal or plant cells, e.g. cell lines; Tissues; Cultivation or maintenance thereof; Culture media therefor
    • C12N5/10Cells modified by introduction of foreign genetic material
    • C12N5/12Fused cells, e.g. hybridomas
    • C12N5/16Animal cells
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 MDVワクチンの製造に適した維持可能な細
胞株、その製造方法、および該細胞株を用いて鳥を感染
させてマレク病に対する免疫を与えるを提供する。 【解決手段】 ニワトリヘルパー因子陰性であり、ウイ
ルスが存在せず、化学的突然変異誘発物質で処理したニ
ワトリ胚細胞を、培地中でMDVと組合せて、CECを
MDVで感染させ;未感染CECからMDVが感染した
CECを精製し;そしてMDVが感染したCECを増殖
させて単層培養物中で細胞株を産生させる(ここで、M
DVは細胞株中で非溶菌または溶菌感染として維持され
る)、ことを含んでなる、コンフルエンスでない単層培
養物中で、マレク病ウイルスが潜伏感染した維持可能な
ニワトリ細胞株を産生する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マレク病ウイルス
(MDV)のワクチン株に感染した維持可能なニワトリ
細胞株に関する。特に本発明は、マレク病に対して家禽
を防御するための生きたウイルスワクチンとして使用で
きる、七面鳥ヘルペスウイルス(HVT)のワクチン株
および血清型−2MDVのワクチン株に関し、ここでこ
れらの培養物中でMDVは、増殖条件により溶菌または
非溶菌感染として存在する。
【0002】
【従来の技術】マレク病(MD) マレク病(MD)は、地球上のヒトを含むすべての動物
の最も一般的な臨床的新生物症である(エィチ・ジー・
パーチェス(H.G.Purchase)、「マレク
病:制御の科学的基礎と方法:臨床的疾患とその経済的
影響」(”Marek’s Disease:Scie
ntific Basis and Methods
of Control:clinical disea
se and its economic impac
t”)中(エル・エヌ・ペイネ(Payne,L.
N.)編)、マリヌスニジョフ出版(Marinus
Nijhoff Pub.)、ボストン、マサチューセ
ッツ州、17−42頁、(1985))。マレク病(M
D)は、非常に感染しやすいリンパ球増殖性の疾患であ
る。MDVは3つの血清型がある:発ガン性血清型−1
(MDV−1);非発ガン性血清型−2(MDV−
2);および非発ガン性血清型−3の七面鳥ヘルペスウ
イルス(HVT)(ビー・ダブリュー・カルネック(C
alnek,B.W.)とアール・エル・ウィッター
(R.L.Witter)、「家禽類の疾患:マレク
病」(ビー・ダブリュー・カルネック(Calnek,
B.W.)編)、アイオワ州立大学出版、エームス(A
mes)、アイオワ、342−385頁、(199
1))。
【0003】MDVとHVTの複製は、他の細胞結合性
ヘルペスウイルスに特徴的であり、詳細な総説がある
(エル・ジェイ・エヌ・ロス(L.J.N.Ros
s)、「マレク病:制御の科学的基礎と方法:ウイルス
の分子生物学」(”Marek’sDisease:S
cientific Basis and Metho
ds of Control:Molecular B
iology of the virus”)中(エル
・エヌ・ペイネ(Payne,L.N.)編)、マリヌ
スニジョフ出版(Marinus Nijhoff P
ub.)、ボストン、マサチューセッツ州、113−1
50頁、(1985))。一般的に認識されているタイ
プの細胞−ウイルスの相互作用は:ウイルス産生性感
染、潜伏、および形質転換である。MDV−1に感染し
た鳥が形質転換に至る事象の順序は、1)B細胞におけ
る初期溶菌性増殖、2)感染したT細胞が関与する潜伏
期、3)永久的免疫抑制と一致する、2回目の溶菌性感
染、および4)発癌性形質転換である(ビー・ダブリュ
ー・カルネック(Calnek,B.W.)とアール・
エル・ウィッター(R.L.Witter)、「家禽類
の疾患:マレク病」(ビー・ダブリュー・カルネック
(Calnek,B.W.)編)、アイオワ州立大学出
版、エームス(Ames)、アイオワ、342−385
頁、(1991))。
【0004】MDV−2とHVTに感染した鳥における
事象の順序は、初期の溶菌性相の後、非T細胞での潜
伏、または発癌性形質転換のない潜伏期に限定されてい
るようである(ビー・ダブリュー・カルネック(Cal
nek,B.W.)とアール・エル・ウィッター(R.
L.Witter)、「家禽類の疾患:マレク病」(ビ
ー・ダブリュー・カルネック(Calnek,B.
W.)編)、アイオワ州立大学出版、エームス(Ame
s)、アイオワ、342−385頁、(1991))。
【0005】鳥類細胞株 家禽産業では、マレク病ワクチンの製造に使用でき、多
価ワクチンのための組換えMDVベクターの開発を簡便
にできる継続性のある鳥類細胞株を必要としてきた。本
発明までに多くの鳥類細胞株が開発されている(ケー・
ナザリアン(Nazarian,K.)、Avian
Pathol.16:527−544(1987))
が、いずれの細胞株もワクチン製造においてニワトリ胚
繊維芽(CEF)細胞を代替することができない。従来
の細胞株は、ウイルスで形質転換した細胞に由来する
か、または、化学的に形質転換した細胞に由来する場合
は、ニワトリに接種すると癌を引き起こしたため、また
は細胞株から回収されるウイルスの最大力価は、商業的
生産のためには不十分であったため、うまくいかなかっ
た。従って、家禽業のワクチン製造者は、マレク病ワク
チンおよび他の生きたワクチンおよび死滅ワクチンを製
造するのに、初代CEF細胞を使用し続けており、これ
は、CEFの製造に特異的病原体を含まない(SPF)
卵の継続的供給に依存する費用のかかる労働集約的な工
程である。
【0006】マレク病ワクチン マレク病ワクチンは、家禽産業で最も広く使用されてい
るワクチンである。1970年代の生きたウイルスのマ
レク病ワクチンの開発以来、マレク病による死亡は大幅
に低下した(ビー・ダブリュー・カルネック(Caln
ek,B.W.)とアール・エル・ウィッター(R.
L.Witter)、「家禽類の疾患:マレク病」(ビ
ー・ダブリュー・カルネック(Calnek,B.
W.)編)、アイオワ州立大学出版、エームス(Ame
s)、アイオワ、342−385頁(1991))。最
も広く使用されているマレク病ワクチンは、生きたHV
Tまたは、または生きたHVTとMDVの病原性血清型
2(MDV−2)の2価混合物である。HVTと血清型
2MDVの2価混合物は、HVTが充分に有効でない場
合に特に、マレク病に対して相乗的防御作用を示す(ア
ール・エル・ウィッター(R.L.Witter)、A
vian Path.11:49−62(1982);
アール・エル・ウィッター(R.L.Witter)と
エル・エフ・リー(L.F.Lee)、Avian P
athol.13:75−92(1984);アール・
エル・ウィッター(R.L.Witter)、「マレク
病:制御の科学的基礎と方法:予防接種の原理」(エル
・エヌ・ペイネ(Payne,L.N.)編)、マリヌ
スニジョフ出版(Marinus Nijhoff P
ub.)、ボストン、マサチューセッツ州、203−2
50頁(1985))。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】マレク病ワクチンは、
その製造のために毎週CEF細胞を製造する必要がある
が、世界的に使用されている(エム・パチソン(M.P
attison)、「マレク病:制御の科学的基礎と方
法:家禽産業によるマレク病の制御:実際的考察」(エ
ル・エヌ・ペイネ(Payne,L.N.)編)、マリ
ヌスニジョフ出版(Marinus Nijhoff
Pub.)、ボストン、マサチューセッツ州、341−
350頁(1985))。従って、ワクチン製造は、特
異的病原体を含まない(SPF)群の受精卵の継続的か
つ信頼できる供給に依存している。SPF群は特殊な条
件下で飼育され、鳥類病原体が存在しないことを定期的
に証明されている(ディー・エィチ・ソーントン(D.
H.Thornton)、「マレク病:制御の科学的基
礎と方法:ワクチンの品質管理と標準化」(エル・エヌ
・ペイネ(Payne,L.N.)編)、マリヌスニジ
ョフ出版(Marinus Nijhoff Pu
b.)、ボストン、マサチューセッツ州、267−29
2頁(1985))。SPF受精卵の供給が途絶える
と、マレク病ワクチンの製造が途絶えるであろう。MD
Vワクチン製造の継続的な細胞株は、世界の家禽産業に
大きな経済的利益を持たらすであろう。
【0008】現在のマレク病ワクチンは、感染したCE
Fの懸濁物、またはマレク病ウイルスの種々の株で感染
させた超音波処理したCEFから作成した、細胞を含ま
ないウイルス懸濁物のいずれかである。MDVを増殖さ
せるのに適した維持可能な細胞株がないため、MDVワ
クチン産業ではワクチンウイルスの製造に初代CEFを
使用している(エー・イー・チャーチル(Church
ill,A.E.)、ワクチンの製造。「マレク病:制
御の科学的基礎と方法:ワクチンの製造」(”Mare
k’s Disease:Scientific Ba
sis andMethods of Contro
l:Production of vaccine
s”)。(エル・エヌ・ペイネ(Payne,L.
N.)編)、251−266頁、マリヌスニジョフ出版
(Marinus Nijhoff Pub.)、ボス
トン、マサチューセッツ州(1985))。初代CEF
の寿命は限られている(約2〜3週間)ため、毎週製造
する必要があり、これがMDVワクチン製造のコストを
引き上げる。
【0009】CEF細胞培養物中の継代数は、MDVに
ついて限りがある。CEF中で3つのすべてのMDV血
清型を連続的に培養すると、血清型−1MDVの弱毒
化、および血清型−2と3についてはMDVに対して防
御効率の低下を引き起こす。培養物中の血清型−1MD
Vの弱毒化は、広く研究されており、ウイルスゲノムの
het領域の拡張に相関している。この拡張は、サザン
解析またはPCRにより容易に追跡できる。高継代血清
型−2および−3MDVの防御効率の低下の理由は、不
明である。
【0010】エィチ・オグラ(Ogura,H.)とテ
ィー・フジワラ(T.Fujiwara)(Acta
Med.Okayama 41:141−143(19
87))は、ニワトリ胚細胞を化学的に形質転換して細
胞株(CHCC−OU2)を樹立した。この細胞株は、
外観が繊維芽細胞様であり、接触阻害され、寒天中でコ
ロニーを形成しなかった。著者は、CHCC−OU2細
胞株は悪性に形質転換されず、内因性鳥類レトロウイル
スを産生しないが、ニューカッスル病ウイルスおよびい
くつかの鳥類レトロウイルスの亜群の複製を支持するこ
とができることを証明した。しかし、著者はその研究
を、マレク病ウイルスや感染性滑液嚢ウイルスのような
他の鳥類ウイルスの複製に拡大しなかった。
【0011】
【課題を解決するための手段】従って、本発明の目的
は、MDVワクチンの製造に適した維持可能な細胞株を
提供することである。さらに本発明の目的は、維持可能
なMDVワクチン細胞株を製造する方法を提供すること
である。さらに本発明の目的は、経済的なMDVワクチ
ン細胞株の製造方法および有効なワクチン細胞株の使用
方法を提供することである。さらに本発明の目的は、M
DVワクチン細胞株で鳥を感染させてマレク病に対する
免疫を与える方法を提供することである。これらおよび
他の目的は、以下の説明および図面により明らかになる
であろう。
【0012】本発明は、ニワトリヘルパー因子(Ch
f)陰性であり、ウイルスが存在せず、化学的突然変異
誘発物質で処理し次にマレク病ウイルス(MDV)で感
染させたニワトリ胚細胞(CEC)から得られる、単層
培養物中のマレク病ウイルスに感染した維持可能なニワ
トリ細胞株に関し、該細胞株はインビボで鳥類に感染す
ることができ、MDVは細胞株中で非溶菌または溶菌感
染として維持できる。
【0013】さらに本発明は、コンフルエンスでない単
層培養物中で維持可能なマレク病ウイルス潜伏感染ニワ
トリ細胞株を産生させる方法に関し:ニワトリヘルパー
因子陰性であり、ウイルスが存在せず、化学的突然変異
誘発物質で処理したニワトリ胚細胞を、培地中でMDV
と組合せて、CECをMDVで感染させ;未感染CEC
からMDVが感染したCECを精製し;そしてMDVが
感染したCECを増殖させて単層培養物中で細胞株を産
生させる(ここで、MDVは細胞株中で非溶菌または溶
菌感染として維持される)、ことを含んでなる、コンフ
ルエンスでない単層培養物中で、マレク病ウイルスが潜
伏感染した維持可能なニワトリ細胞株を産生する方法に
関する。
【0014】さらに本発明は、鳥をマレク病ウイルスで
感染させる方法に関し:ニワトリヘルパー因子陰性であ
り、ウイルスが存在せず、化学的突然変異誘発物質で処
理し、次にインビボで鳥類に感染することができるMD
V(ここで、MDVは細胞株中で非溶菌または溶菌感染
として維持される)で感染させたニワトリ胚細胞から得
られた、単層培養物として維持されるマレク病ウイルス
に感染した維持可能なニワトリ細胞株により産生される
ワクチンを提供し;そして、鳥にこのワクチンを接種す
る、ことを含んでなる。
【0015】本発明は、ニワトリヘルパー因子陰性であ
り、ウイルスが存在せず、化学的突然変異誘発物質で処
理し、次にMDV(ここで、MDVは細胞株中で非溶菌
または溶菌感染として維持される)で感染させた、長期
間維持されるニワトリ胚細胞から得られた、マレク病ウ
イルスに感染した維持可能な繊維芽細胞細胞株を含有す
る、投薬単位型の鳥類ワクチンに関する。
【0016】
【発明の実施の態様】MDVは、MDVの3つの血清型
(すなわち、血清型1、血清型2、または血清型3(H
VTとしても知られている))のいずれかを記載するの
に使用され、そしてMDV OCLは3つのMDV血清
型の単独または組合せよりなる、任意の細胞株を意味す
る。MDVまたはMDV OCLは本発明の主題であ
り、具体的な実施態様(特定のMDV株よりなる細胞
株)が例として記載されている場合以外に、本明細書中
で使用される。MDVの特定の株で感染された細胞株
は、以下のように記載する:MDV−OU2すなわちM
DV−OU2.2またはMDV−OU2.1は、血清型
1MDV株Md11を含んでなる任意の細胞株を意味す
る。SB1−OCLは具体的には、血清型2MDV株S
B1を含んでなる任意の細胞株を意味する。FC126
−OCLは具体的には、血清型3MDV株FC126を
含んでなる任意の細胞株を意味する。
【0017】標題「マレク病ウイルスに感染した維持可
能なニワトリ細胞株」の、1995年10月27日出願
の米国特許出願第08/549,045号に記載された
実験は、CHCC−OU2細胞株が血清型−1MDVで
感染されることを証明した。MDVはこの細胞株中で安
定に維持され、感染した細胞は継続的に増殖した。しか
し、感染の方法は予想外であった。CEFまたは他の鳥
類細胞のMDV感染と異なり、感染したCHCC−OU
2単層上のプラーク形成は見られず、単層がコンフルエ
ンスになるまで感染性ウイルスは産生されず、細胞株は
接触阻害された。接触阻害では、MDV感染の細胞変性
作用(CPE)が明らかになり、感染性ウイルスが産生
された。接触阻害の前に、MDVは潜伏または半潜伏状
態で、CHCC−OU2細胞株中で維持され、一方、M
DVの感染したCEFまたは他の鳥類細胞は、プラーク
を形成し、細胞単層がコンフルエンスであるかまたはサ
ブコンフルエンスであるかにかかわらず、感染性ウイル
スを産生する。従って、CEFについて使用される典型
的な濃度に匹敵する濃度で培養プレートに蒔かれたCH
CC−OU2細胞の感染は、プラークや感染性ウイルス
を2週間またはそれ以上形成せず、一方感染したCEF
の場合は、感染後約2〜3日でプラークが出現する。こ
れは、倍加時間が24時間であるCEFに比較して、C
HCC−OU2細胞株の倍加時間が約3〜5日であるた
めである。
【0018】サブコンフルエンスなMDV感染CHCC
−OU2細胞株(MDV−OU2細胞株)から単離した
蛋白のウェスタンブロット解析により、典型的に潜伏期
に発現されるMDV蛋白(pp38とpp14)が検出
されたが、後期蛋白(例えば、gB、gC、gE、およ
びgI(これらはすべてウイルス産生性感染で発現され
る蛋白である))は、検出されなかった(標題「マレク
病ウイルスに感染した維持可能な細胞株」の、1995
年10月27日出願の米国特許出願第08/549,0
45号)。サブコンフルエンスなMDV−OU2細胞株
の免疫蛍光測定法でも、pp38とpp14のみが検出
された。コンフルエンスな細胞株の免疫蛍光測定法で
は、gBのような後期蛋白のみが検出された。これらの
結果は、サブコンフルエンスなMDV−OU2細胞株中
で潜伏感染として存在することを示した。
【0019】MDV−OU2細胞株は、MDV感染を初
代CEFに移し、MDV−OU2細胞株を接種した感受
性のあるニワトリでマレク病の臨床症状を誘発した(1
995年10月27日出願の米国特許出願第08/54
9,045号)。感染後種々の時間で感染した鳥から採
取した末梢血リンパ球は、CEF単層で培養するときM
DVプラークを産生した。感染した鳥の腎臓から単離し
たDNAはまた、PCRによりMDV感染が証明され
た。最後に、組織学的評価により、接種した鳥から単離
した種々の組織で、リンパ球浸潤と初期の活性なリンパ
腫が見られた。これらの結果は、MDV−OU2細胞株
が初代細胞およびニワトリにMDVを移動させることが
できることを明確に証明している。
【0020】本発明は、1)MDV細胞株は、潜伏様状
態のMDVを含有すること、2)感染MDVは、細胞を
コンフルエンスになるまで増殖させることにより、MD
V細胞株から回収できること、3)MDV細胞株は無期
限に維持できること、および4)MDVはMDV細胞株
中で安定に維持されることを示す。
【0021】MDVが、サブコンフルエンスなCHCC
−OU2細胞株中で潜伏または潜伏様状態で維持される
こと、そしてMDVが誘発したCPEは、細胞がコンフ
ルエンスなレベルになるまで明瞭にならないことは、予
想外であった。潜伏様状態でMDVを有するCHCC−
OU2細胞株は、分裂することができ、MDVを娘細胞
に移すことができる。MDV感染CHCC−OU2細胞
株が、培養物中でサブコンフルエンスレベルで継代され
る限り、純粋なMDV−OCL細胞株を樹立することが
できる。MDV−OCL細胞株をコンフルエンスにする
ことで、CPEと感染ウイルスを産生することができ
る。しかし、サブコンフルエンスなMDV−OCL細胞
株は、ウイルスをCEFに移し、ワクチン中で免疫を誘
導することができる。
【0022】血清型3MDV(HVT株FC126−O
CL)感染CHCC−OU2細胞株は、ブダペスト条約
に従い、1996年2月22日にATCC 12052
として寄託され、名称と番号で依頼することにより入手
可能である。同様に、血清型2MDV(株SB1−OC
L)感染CHCC−OU2細胞株は、ブダペスト条約に
従い、1996年2月22日にATCC 12053と
して寄託され、名称と番号で依頼することにより入手可
能である。血清型1は、ブダペスト条約に従い、199
5年9月28日にATCC CRL 11985として
寄託された(MDV OU2.2)。寄託物として要求
される以外には、許可またはライセンスは認められな
い。
【0023】CHCC−OU2、SB1−OCL、MD
V−OCLおよびFC126−OCL細胞株の区別でき
る特徴 CHCC−OU2細胞株は、細胞培養で継続性のある増
殖が可能であり、メチルニトロニトロソグアニジン(M
NNNG)で処理して形質転換したニワトリ胚細胞から
得られた。CHCC−OU2細胞は、繊維芽細胞様外観
を示し、足場非依存性増殖を示す。
【0024】本発明の主題であるCHCC−OU2細胞
株は、以下の基準により他の鳥類細胞株から区別され
る。本発明のCHCC−OU2細胞は、初期細胞密度に
依存して倍加時間は3〜5日である。低密度(3.3×
104 細胞/cm2 以下)で蒔いた細胞は、細胞密度
3.3×104 〜5.6×104 細胞/cm2 の範囲の
細胞密度で蒔いた細胞より遅い初期速度で複製する。さ
らに、CHCC−OU2細胞の複製は接触阻害され、C
HCC−OU2細胞は軟寒天中でコロニーを形成しな
い。他の鳥類細胞株は接触阻害表現型を示さず、MNN
NGで処理して得られた多くの形質転換細胞株は、軟寒
天中でコロニーを形成するため、この特徴は本発明のC
HCC−OU2細胞にユニークである。CHCC−OU
2単層が平均細胞密度1.7×105 細胞/cm2 に達
すると、細胞はG0 期に入り、複製を停止する。すべて
の他の鳥類細胞株と異なり、CHCC−OU2細胞は非
悪性であり、鳥に注入しても癌を形成しない。
【0025】本発明のCHCC−OU2細胞のさらなる
区別できる特徴は、以下を含んでなる。
【0026】1)CHCC−OU2細胞株は、主要組織
適合遺伝子複合体クラス1(MHCクラス1)分子を発
現する。CHCC−OU2細胞は、MHCクラス1B13
ハプロタイプを示し、MHCクラス1B5 ハプロタイプ
に対して強い交差反応性を有する。ニワトリ胚繊維芽細
胞は、検出できるMHCクラス1分子はほとんど発現し
ない。他の鳥類細胞株または移植可能な癌は、いずれも
MHCクラス1B13/B5 遺伝子型を有さないようであ
る(Nazerian Avian path.16:
527−544(1987))。
【0027】2)BamHI、HindIII またはSa
cI消化したCHCC−OU2 DNAを鳥類レトロウ
イルスプローブRAV−2にサザン移動したものに証明
されるように、CHCC−OU2細胞は、内因性鳥類レ
トロウイルスev1、ev6、ev15からの配列を含
む。20以上の内因性鳥類レトロウイルスサブタイプが
存在する。サブタイプはメンデル遺伝学に従って遺伝す
るために、細胞株または鳥の中のevの特異的組合せ
は、細胞株または鳥のマーカーとなる。CHCC−OU
2細胞の内因性レトロウイルス表現型は、群特異的抗原
陰性(ga- )で、ニワトリヘルパー因子陰性(chf
- )である。CHCC−OU2細胞は、ゲノム中に取り
込まれたev配列を含有するが、この細胞は、逆転写酵
素活性の欠如および電子顕微鏡によりウイルス粒子が存
在しないことが証明されるように、感染性レトロウイル
スを産生しない。
【0028】鳥は、同型接合性、異型接合性、または任
意の特異的evサブタイプを完全に欠失していてもよ
い。PCR増幅測定法は、鳥がev1またはev15に
対して同型接合性または異型接合性であるかを測定する
ために開発された。CHCC−OU2細胞からのDNA
のPCR増幅は、細胞がev1(図3)またはev15
(図4)に対して同型接合性であることを明らかにし
た。ev6のPCR測定法はまだ利用できない。
【0029】3)CHCC−OU2細胞は、ある亜群の
鳥類レトロウイルスによる感染を受けやすい。異なる鳥
類細胞株は、異なる亜群の鳥類レトロウイルスに対して
感受性である。亜群A(SRA株)はCHCC−OU2
細胞中でよく複製し、亜群B(SRB株)およびD(S
RD株)複製は、かろうじて検出され、亜群C(BH−
RSV(RAV−7)株)およびE(QV2f株)は、
CHCC−OU2細胞中で複製しない。
【0030】MDV−OCL、FC126−OCLおよ
びSB1−OCL細胞株は、親CHCC−OU2細胞株
と同じ増殖特性を示す。これらの細胞はMDVウイルス
を有するが、形質転換はされず、鳥に注入したとき癌を
誘発しない。これらの細胞株は、サブコンフルエンスな
時、親CHCC−OU2細胞と同じ形態的特徴のすべて
を有する。FC126−OCL細胞株内での感染性ウイ
ルスの産生は、細胞単層がある細胞密度(各細胞が、付
近の細胞と接触している、約4×104 〜6×104
胞/cm2 の範囲)に達した時、FC126−OCL細
胞株中で感染性ウイルスの産生が開始する。CPEと感
染性ウイルスの出現は非常に急速であり、細胞接触後2
日以内に完了する。一方、SB1−OCLとMDV−O
U2細胞株は、細胞が6×104 〜1×105 細胞/c
2 のおよその範囲の密度に達した3〜4日後までCP
Eと感染性ウイルスを示さない。各細胞株からのFC1
26−OCLとSB1−OCLウイルスの発現は、細胞
株に依存し、ウイルスが検出される前に50%を越える
コンフルエンスの細胞培養密度に達する。
【0031】MDV感染細胞株は、ワクチンの製造に使
用することができる。MDV感染細胞株はまた、細胞応
答を抑制または増強(例えば、クラス1主要組織適合遺
伝子複合体分子産生を刺激して、MDVに対する細胞性
応答を刺激)する種々の薬剤または条件の試験に使用す
ることもできる。
【0032】好適なMDVウイルスは、血清型1、2、
および3から選択される。血清型3は、七面鳥ヘルペス
ウイルス(HVT)と呼ばれる。MDVは、ワクチンま
たは他の目的に使用される外来遺伝子または欠失突然変
異体を含んでなる組換えウイルスでもよい。MDVはま
た、複製開始点と外来DNA配列を含んでなる欠陥ウイ
ルスでもよい。
【0033】本発明は特に、HVT株FC126で安定
に感染させた維持可能なニワトリ細胞株(FC126−
OCL)、および血清型2MDV株SB1で安定に感染
させたニワトリ細胞株(SB1−OCL)に関する。F
C126−OCLとSB1−OCL細胞株は、培養物中
で継続的に増殖し、いったんコンフルエンスになると、
MDV感染に特徴的なプラークを示す。FC126−O
CLとSB1−OCLは、別々にまたは一緒にワクチン
として使用して、MDVの病原性株に対して鳥類に免疫
を与える。凍結保存および連続的培養後に、FC126
−OCLとSB1−OCL細胞は、生存活性を維持しM
DVを産生し続ける。
【0034】例に示すように、細胞株はMDVで感染さ
せられる。コンフルエンスな単層中の明確なプラークの
存在は、初代CEFで観察されるものと類似して、細胞
溶解性限定ウイルス産生性感染に一致する。コンフルエ
ンスな時に細胞株による産生される感染性ウイルスの力
価は、MDVを有する細胞株の複製から予測されるよう
に、各培養細胞の継代後に増加した。この細胞株はMD
V感染を初代CEF培養物、未感染CHCC−OU2細
胞、そして鳥類に移すことができる。最後にこの細胞株
は、MDVの病原性株(例えば、血清型1MDV株GA
継代8およびMd11p15)に対して鳥類に防御能を
与える。
【0035】維持可能なMDVワクチン細胞株のマスタ
ーストックは、維持可能なMDVワクチン細胞株または
MDV感染CEFのいずれかの培養物を感染させたCH
CC−OU2細胞の複数の大きな培養物から作成され
る。ウイルスプラークが明確になったとき、これらの培
養物をトリプシン処理、または培養容器をこすり取るこ
とにより、MDV感染細胞を新しい培養物に移す。大部
分のCHCC−OU2細胞がMDVワクチンで感染され
るまで、培養継代を続ける。こうしてMDVワクチン産
生のマスター種菌ストックとして使用できる、維持可能
なMDVワクチン細胞株が作成される。このマスター種
菌ストックは、米国農務省により、ワクチンとしての使
用について検定される。出発物質としてMDVワクチン
感染CEFが使用される時、寿命が約2週間のCEFは
すべて死滅していることを確認するために、細胞を3週
間培養するように継代の数を増やさなければならない。
【0036】維持可能なMDVワクチンマスター種菌ス
トックを作成する別の方法は、CHCC−OU2細胞
を、ワクチンウイルスゲノムよりなるDNAでトランス
フェクションすることである。トランスフェクションの
方法は、細胞にDNAをトランスフェクションするため
に使用される、サムブルーク(Sambrook)ら、
分子クローニング:実験室マニュアル(Molecul
ar Cloning:A Laboratory M
anual)(第2版)、コールド・スプリング・ハー
バー・ラボラトリー(Cold Spring Har
bor Laboratory)、コールド・スプリン
グ・ハーバー(Cold SpringHarbo
r)、ニューヨーク(1989)、16.30−16.
55頁に記載の任意の方法、例えば、リン酸カルシウム
沈殿、ポリブレン、DEAE−デキストラン、リポフェ
クチン、電気穿孔法、またはプロトプラスト融合があ
る。DNAトランスフェクションは、遺伝子操作により
作成したウイルスベクターまたは欠陥ウイルスベクター
のマスター種菌ストックの調製に特に有用である。
【0037】維持可能なMDVワクチン細胞株のマスタ
ー種菌ストックを作成するさらに別の方法は、感染細胞
集団の細胞培養物拡張である。CHCC−OU2細胞の
培養物を、低感染多重度で本明細書に記載の任意の方法
でMDVで感染産生させる。プラークが明らかになった
時、感染CHCC−OU2細胞から1つのプラークを取
り出し、細胞を全く含まない組織培養プレートに移す。
培養物がコンフルエンスになるまで細胞を培養する。培
養物をトリプシン処理により採取し、低速度遠心分離に
よりMDVが感染した細胞を濃縮し、より大きな培養プ
レートに移す。細胞を再びコンフルエンスになるまで培
養する。前述のように細胞を採取し、より大きな培養プ
レートに移す。こうして、大部分の細胞が感染され、感
染した細胞のすべてが、1つのMDVプラークから得ら
れた。培養物をコンフルエンスにするだけで、MDV感
染細胞株の拡張の任意の段階で、感染性MDVの産生が
達成される。
【0038】MDVワクチン産生のためのMDV−OC
L細胞株の使用は以下の通りである。MDV−OCL細
胞株のマスター種菌ストックを、コンフルエンスに近い
密度まで培養する。培養物がコンフルエンスレベルに達
するまで、MDVは、分裂細胞中で潜伏状態にあり、コ
ンフルエンスでは感染はウイルス産生性となる。感染が
視覚的に明らかになった時(通常コンフルエンスになっ
てから2日後)、細胞をMDVワクチン産生の分野で公
知の方法により細胞を採取する(エー・イー・、チャー
チル(Churchill,A.E.)、「マレク病:
制御の科学的基礎と方法:ワクチンの製造」(”Mar
ek’s Disease:Scientific B
asis and Methods of Contr
ol:Production of vaccine
s”)。(エル・エヌ・ペイネ(Payne,L.
N.)編)、251−265頁、マリヌスニジョフ出版
(Marinus Nijhoff Pub.)、ボス
トン、マサチューセッツ州(1985))。典型的に
は、MDVワクチンのための感染細胞の産生は、以下の
工程を含む。1)細胞をトリプシン処理するかまたは培
養物支持体から掻き取る、2)ウイルス産生性感染した
細胞を、低速度遠心分離により濃縮する、そして3)濃
縮された感染細胞を、適当量の希釈液中に再懸濁して、
規定濃度のMDVプラーク形成単位/ml(PUF/m
l)のワクチンを産生する。好適には、マスター種菌ス
トックからMDV−OCL細胞株の複数の培養物を、シ
リーズの各培養物がその前の培養物よりコンフルエンス
レベルが少し小さくなるように、シリーズで並べる。例
えば、90%、80%、70%、60%、および50%
のサブコンフルエンスレベルで準備する。90%培養物
がコンフルエンスに達するとき、MDV感染はウイルス
産生性感染であり、MDVワクチン用に培養物を採取
し、新しい培養物を50%コンフルエンスでマスター種
菌ストックから準備する。こうしてMDVワクチンを継
続的に産生させる。
【0039】MDVワクチンを産生する別の同様に有効
な方法は、未感染CHCC−OU2細胞の培養物を維持
することである。これらの培養物を、適当なMDV−O
CL細胞株マスター種菌ストックで感染させる。この方
法は、CEFからMDVワクチンを製造するために現在
使用されている方法と同様である(エー・イー・、チャ
ーチル(Churchill,A.E.)、「マレク
病:制御の科学的基礎と方法:ワクチンの製造」(”M
arek’s Disease:Scientific
Basis and Methods of Con
trol:Production of vaccin
es”)。(エル・エヌ・ペイネ(Payne,L.
N.)編)、251−266頁、マリヌスニジョフ出版
(Marinus Nijhoff Pub.)、ボス
トン、マサチューセッツ州(1985))。
【0040】以下図面について説明する。図1A〜1D
は、FC126−OCLとSB1−OCLの光学顕微鏡
写真である。FC126−OCLの単層培養物は、いく
つかの大きな感染細胞と多くの小さな感染細胞の混合物
よりなるプラーク(図1A)を示し、CEF上のFC1
26プラークは、均一な大きさの感染細胞よりなる(図
1B)。SB1−OCLの単層培養物は、大きな感染細
胞よりなるプラーク(図1C)を示し、CEF上のSB
1プラークは、小さな感染細胞よりなる(図1D)。
【0041】図2は、132塩基対のDR配列のPCR
増幅である。Md11継代14(レーン1)、Md11
継代48(レーン2)、およびMDV−OU2.2継代
48(レーン3)から単離したDNAを、PCR増幅に
使用した。右側の番号を付けた矢印は、132塩基対D
R配列の1〜5個のコピーを有するDR断片の位置を示
す。左の矢印は、1kbのDNAラダー(ladde
r)マーカー(ギブコ・ビーアールエル(GIBCO
BRL)、ライフテクノロジー社(Life Tech
nologies,Inc)、ゲイサーズバーグ(Ga
ithersburg)、メリーランド州)からの選択
されたバンドの位置を示す。
【0042】図3は、ev1に対するCHCC−OU2
DNAのPCR増幅測定法を示すアガロースゲルの写真
である。ev1に対する異型接合性またはev1の欠如
したCHCC−OU2のDNAを、PCR増幅に使用し
た。PCR産物を1%アガロースゲルで電気泳動し、臭
化エチジウムで染色し、紫外線によりPCR産物を肉眼
で観察した。CHCC−OU2 DNA PCR産物はレ
ーン1であり、ev1を含有するDNA鋳型からのPC
R産物はレーン2であり、ev1とev6を含有するD
NA鋳型からのPCR産物はレーン3であり、ev15
を含有するがev1を含有しないDNA鋳型からのPC
R産物はレーン4である。レーン5は、ev1プライマ
ーセットを含有しDNA鋳型を含有しない対照である。
隣接する1kbラダー(ladder)マーカー(ギブ
コ・ビーアールエル(GIBCO BRL)、ライフテ
クノロジー社(Life Technologies,
Inc)、ゲイサーズバーグ(Gaithersbur
g)、メリーランド州)は、PCR産物のサイズの決定
に使用した。
【0043】図4は、ev15に対するCHCC−OU
2DNAのPCR増幅測定法を示すアガロースゲルの写
真である。ev15に対する異型接合性またはev15
の欠如したCHCC−OU2のDNAを、PCR増幅に
使用した。PCR産物を1%アガロースゲルで電気泳動
し、臭化エチジウムで染色し、紫外線によりPCR産物
を肉眼で観察した。CHCC−OU2 DNA PCR産
物はレーン1であり、ev15を含有するDNA鋳型か
らのPCR産物はレーン2であり、ev1を含有するが
ev15を含有しないDNA鋳型からのPCR産物はレ
ーン3である。レーン4は、ev15プライマーセット
を含有するがDNA鋳型を含有しない対照である。隣接
する1kbラダー(ladder)マーカー(ギブコ・
ビーアールエル(GIBCO BRL)、ライフテクノ
ロジー社(Life Technologies,In
c)、ゲイサーズバーグ(Gaithersbur
g)、メリーランド州)は、PCR産物のサイズの決定
に使用した。
【0044】
【実施例】例1 細胞とウイルス CEF細胞の調製、増殖、およびHVTによる感染はす
でに記載されているように行なった(シー・グラウビガ
ー(Glaubiger,C)ら、J.Virol.4
5:1228−1234(1983);ピー・エム・ク
センス(P.M.Cooussens)とエル・エフ・
ベリサー(L.F.Velicer)、J.Viro
l.62:2373−2379(1988))。本試験
には、継代レベル10の細胞培養物(FC126p1
0)を使用した。本試験で使用した血清型2ワクチン株
SB1は、細胞培養継代レベル29(SB1p29)で
あった。CHCC−OU2細胞(エィチ・オグラ(Og
ura,H.)とティー・フジワラ(T.Fujiwa
ra)、Acta Med.Okayama 41:1
41−143(1987))は、ドナルド・サルター博
士(Dr.DonaldSalter)(鳥類疾患およ
び腫瘍学研究所(Avian Diseaseand
Oncology Laboratories)(AD
OL)、米国農務省(USDA)、イーストランシング
(East Lansing)、ミシガン州)から得
て、10%胎児牛血清(FBS)と2%トリプトンリン
酸ブロス(TPB)を補足したライボビッツ(Leib
ovitz)L15−McCoy5A(LM)(ギブコ
社(Gibco,Inc.)、グランドアイランド(G
rand Island)、ニューヨーク州)培地で、
37℃で5%CO2 含有加湿雰囲気中で培養した。
【0045】例2 MDV−OU2血清型1細胞株 CHCC−OU2細胞のMd11p15による感染 米国特許出願第08/549,045号(1995年1
0月27日出願)に示されるように、5.0×107
HCC−OU2細胞を2.0×107 Md11p15感
染CEFと一緒にした後、4%ウシ血清(CS)を補足
したLM培地で150mmの培養プレートに蒔いて、C
HCC−OU2細胞をMDV株Md11細胞培養継代1
5(Md11p15)で感染させた。CHCC−OU2
細胞とMd11感染CEF細胞の同時培養を4継代続け
た。各継代の細胞を、20%CSと10%ジメチルスル
ホキシドを補足した凍結培地(LM培地(ライフテクノ
ロジー社(Life Technologies,In
c)、ゲイサーズバーグ(Gaithersbur
g)、メリーランド州)中で、−135℃で保存した。
感染後4継代目に、CEF細胞中にMDV感染に特徴的
な多くのプラーク(150mmの培養プレート当たり約
100プラーク)が観察された。これらのプラークのう
ち2つを、無菌クローニングシリンダーを用いて単離し
た。シリンダーを各プラークの上に置き、細胞をトリプ
シン処理し、クローニングシリンダーから吸引した。吸
引した細胞を拡張させるために、4%CSを補足したL
M培地を含有する35mmの培養プレートに移した。拡
張させている間、細胞をコンフルエンスにならないよう
にして、48〜72時間毎に培地を交換した。拡張した
クローンをMDV OU2.1およびMDV OU2.
2と名付けた。
【0046】MDV OU2.1とMDV OU2.2
の精製の間、CPEは、出現も拡張もゆるやかであっ
た。融合細胞(synctia)と丸くゆるく結合した
細胞の拡張した領域よりなる十分に進展したプラーク
は、感染後4週間まで見られなかった。感染後14日目
の見えるプラークの出現、コンフルエンスに達した細胞
へのプラーク形成の依存および接触阻害は予測されなか
った。比較すると、MDV株Md11に感染した典型的
CEF単層は、感染後5〜7日に容易に見えるプラーク
となり、10〜14日以内に単層の完全な破壊が起き
る。CEFにおけるプラーク形成は、細胞単層のコンフ
ルエンスには依存しない。4週間同時培養後、細胞を−
135℃で2週間凍結保存した。細胞培養物は、感染細
胞(Md11p15/OU2)および未感染CHCC−
OU2細胞を組合せて、凍結細胞から再樹立した。MD
V感染に一致するプラークは、細胞がコンフルエンスに
達する(蒔いてから約14日後)まで観察されなかっ
た。
【0047】例3 FC126−OCL細胞株 FC126−OCL.1について、継代0は、2.5×
106 PFUのFC126継代10(FC126p1
0)感染CEFによる、100mm組織培養プレートの
コンフルエンスなCHCC−OU2の感染である。CP
Eが明瞭になった時、感染細胞を採取し、5%LM中の
10%DMSO、20%ウシ血清よりなる凍結保存緩衝
液(FSB)中で−135℃で凍結した(継代0)。感
染凍結細胞の10-2希釈を用いて、24ウェルの組織培
養プレートのウェルのコンフルエンスなCHCC−OU
2を感染させた。CPEがほとんど100%になった
後、細胞をFSB中で−135℃で凍結した(継代
1)。−135℃で保存後、細胞を融解し、24ウェル
の組織培養プレート中のコンフルエンスなCHCC−O
U2の10-1、10-2、および10-3希釈の3つのウェ
ルを感染させた(継代2)。3つの希釈物をプールし、
12ウェルの組織培養プレートに再び蒔いた(継代
3)。細胞がコンフルエンスになり、CPEが明瞭にな
った時、感染細胞を採取し、12ウェルの組織培養プレ
ートの2つのウェルに分割した(継代4)。CPEが明
瞭になった時、両方のウェルから細胞を採取しプールし
た。0.1mlを取り、12ウェル組織培養プレートの
1つのウェルに感染させた(継代5)。CPEが明瞭に
なった時、細胞を採取し−135℃でFSB中で凍結し
た。次に凍結細胞を用いて、100mm組織培養プレー
トのコンフルエンスなCHCC−OU2を感染させた
(継代6)。CPEが明瞭になった時、細胞を採取し、
10分の1量の試料を取り、継代5についてPFU/m
lを測定し、残りの感染細胞を100mm組織培養プレ
ートに再び蒔いた(継代6)。CPEが明瞭になった
時、細胞を採取し、10分の1量の試料を取り、継代7
についてPFU/mlを測定し、残りの感染細胞を10
0mm組織培養プレートに再び蒔いた(継代8)。CP
Eが明瞭になった時、細胞を採取し、10分の1量の試
料を取り、継代8についてPFU/mlを測定し、残り
の感染細胞を−135℃でFC126−OCL.1とし
て凍結した。
【0048】FC126−OCL.2について、継代0
は、3.75×103 PFUのFC126p10感染C
EFによる、24ウェル組織培養プレートのコンフルエ
ンスなCHCC−OU2の感染である。CPEが100
%になった後、細胞をFSB中で−135℃で凍結し
た。−135℃で保存後、細胞を融解し、24ウェルの
組織培養プレート中のコンフルエンスなCHCC−OU
2の10-1、10-2、および10-3希釈の3つのウェル
を感染させた(継代1)。3つの希釈物をプールし、1
2ウェルの組織培養プレートに再び蒔いた(継代2)。
細胞がコンフルエンスになり、CPEが明瞭になった
時、55プラークを計測した。感染細胞を採取し、12
ウェルの組織培養プレートの2つのウェルに分割した
(継代3)。CPEが明瞭になった時、両方のウェルか
ら細胞を採取しプールした。およその力価は5.5×1
3 PFU/mlであった。0.1mlを取り、12ウ
ェル組織培養プレートの1つのウェルを感染させた(継
代4)。CPEが明瞭になった時、細胞を採取し−13
5℃でFSB中で凍結した。次に凍結細胞を用いて、1
00mm組織培養プレートのコンフルエンスなCHCC
−OU2を感染させた(継代5)。CPEが明瞭になっ
た時、細胞を採取し、10分の1量の試料を取り、継代
5についてPFU/mlを測定し、残りの感染細胞を1
00mm組織培養プレートに再び蒔いた(継代6)。C
PEが明瞭になった時、細胞を採取し、10分の1量の
試料を取り、継代6についてPFU/mlを測定し、残
りの感染細胞を100mm組織培養プレートに再び蒔い
た(継代7)。CPEが明瞭になった時、細胞を採取
し、10分の1量の試料を取り、継代7についてPFU
/mlを測定し、残りの感染細胞を−135℃でFC1
26−OCL.2として凍結した。
【0049】HVT感染CHCC−OU2細胞(FC1
26−OCL.3)の作成方法 150mm培養プレート中20×106 CHCC−O
U2細胞を含有するCHCC−OU2細胞のコンフルエ
ンスな単層を2×106 PFUのFC126p10感
染CEFで感染させた。培養3日後、ウイルス感染に特
徴的な多くのプラークが観察された。感染細胞をトリプ
シン処理し、無菌の150mm培養プレートに移した。
10分の1量の細胞をPFUの数を測定するために保存
した。継代1感染細胞をさらに2日間培養し、次にトリ
プシン処理し、無菌の150mm培養プレートに移し
て、10分の1量の細胞をPFUの数を測定するために
保存した。継代2感染細胞をさらに1日培養し、次にト
リプシン処理し、2つの無菌の150mm培養プレート
に等量を移した。10分の1量の細胞をPFUを測定す
るために保存し、5分の1量を、FSB中で−135℃
で保存した。感染細胞の比率(すなわちPFU)は、あ
らかじめ記載した方法で、感染細胞の各連続継代で増加
させた。
【0050】FC126−OCL細胞株の3つの異なる
作成方法を説明し、3つの方法のそれぞれから得られた
細胞をそれぞれFC126−OCL.1、FC126−
OCL.2、およびFC126−OCL.3と呼んだ。
この3つの細胞株は同じストックのFC126p10感
染CEFで作成されたため、実質的に同じである。継代
レベルと培養方法のみがわずかに異なる。3つの細胞株
間の培養のわずかな変動により、3つの細胞株が異なる
ことはないと予測される。細胞株の名前は実験を追跡す
るために便宜上付けたものであり、3つの細胞株間のF
C126ウイルスの生物学的性質の差を反映するもので
はない。この3つの方法は、使用する方法に関係なくM
DV細胞株が作成されることを示す。3つのすべての細
胞株は、まとめてFC126−OCLと記載することが
できる。
【0051】例4 SB1−OCL細胞株 SB1感染CHCC−OU2(SB1−OCL.1)の
作成方法は、FC126−OCL.3について記載した
ものと同じである。150mm培養プレート中の20×
106 CHCC−OU2細胞を含有するCHCC−OU
2細胞のコンフルエンスな単層を、3×105 PFUの
SB1継代29(SB1p29)感染CEFで感染させ
た。3日間培養後、ウイルス感染に特徴的な多くのプラ
ークが観察された。感染細胞をトリプシン処理し、無菌
の150mm培養プレートに移した。10分の1量の細
胞をPFUを測定するために保存した。継代1感染細胞
をさらに2日間培養し、次にトリプシン処理し、無菌の
150mm培養プレートに移して、10分の1量の細胞
をPFUを測定するために保存した。継代2感染細胞を
さらに1日培養し、次にトリプシン処理し、2つの無菌
の150mm組織培養プレートに等量を移した。10分
の1量の細胞をPFUを測定するために保存した。感染
細胞の比率(すなわちPFU)は、あらかじめ記載した
方法で、感染細胞の各連続継代で増加させた。同じ前述
の方法で、継代3、4から20までのSB1−OCLス
トックを作成した。
【0052】例5 HVT−OCLおよびSB1−OCL細胞株のウイルス
力価の測定 各継代レベルの10分の1量の保存した試料の連続希釈
物をCEFで培養して、FC126−OCL細胞株であ
る、FC126−OCL.1、.2、および.3につい
てPFUを測定した。連続希釈は、4%ウシ血清含有L
M中で行ない、希釈物を10倍ずつ増加し、10-1〜1
-7の範囲であった。
【0053】表1は、細胞株FC126−OCLとFC
126−OCL.3の組織培養継代5、6、7、および
8について、そしてFC126−OCL.2とSB1−
OCL.1の最初の3つの継代についての、力価の上昇
を示す。継代は、空の組織培養プレートに感染細胞を再
び蒔くことにより行われ、組織培養プレートの未感染細
胞を感染しただけではないため、各培養継代後の力価の
上昇は、ウイルスを含有する細胞株の濃縮を示す。高力
価ストックのFC126感染CEFで最初の感染後は、
いくつかの理由で細胞株精製で以後の継代で生存するこ
とができないであろう。1)CEFの寿命は限られてお
り、組織培養では2または3週間以上生存できない、従
って未感染CEFは、最初のCHCC−OU2感染後2
週間を越えて生存できないであろう。2)CHCC−O
U2の最初の感染は、ほとんど100%CPEの感染C
EFで行なった。100%CPEで各細胞を感染し、感
染された細胞は、組織培養プレートから離れ始めた。感
染のこの段階でCEFを再び蒔いても、単層は樹立され
ないであろう、および3)CEFは凍結−融解に非常に
感受性であり、数回以上の凍結−融解には普通耐えられ
ない。FC126−OCL.3細胞株のPFU/ml
は、CEFで増殖したFC126のPFU/mlより2
オーダー大きい。SB1−OCL.1のPFU/ml
は、CEFで増殖したSB1のPFU/mlより1オー
ダー大きい。両方の細胞株の最大のPFU/mlは、測
定されていない。
【0054】
【表1】
【0055】例7 FC126−OCL.1と従来のFC126ワクチンと
の比較 市販のHVTワクチン株FC126(FC126−OC
L)を含有する維持可能な細胞株が、MDVに対してニ
ワトリを防御する能力を、CEFで増殖したHVTワク
チン株FC126(FC126−CEF)と比較した。
この実験では、現在のFC126ワクチンについて推奨
されている投与レベルで投与した時、1日齢のヒヨコを
防御するFC126−OCLの効率について比較した。
【0056】4群の1日齢のヒヨコ(特異的病原体を含
まない、MDV感受性のヒヨコ、エスピーエーエフエー
エス(SPAFAS)、シカゴ、イリノイ州)を、1)
2,000PFUの細胞培養継代17のFC126−O
CL(ヒヨコ16羽)、2)2,000PFUの細胞培
養継代10のFC126−CEF(ヒヨコ16羽)、そ
して3)FC126−OCLとして同じ濃度の未感染O
CL(ヒヨコ10羽)で、予防接種を行なった。第4群
のヒヨコを対照とした。予防接種後7日目に、第1群と
2群の13羽のヒヨコ、そして第3群と対照の8羽のヒ
ヨコに、2,000PFUの毒性MDV株GAを抗原投
与した。抗原投与の32日後、ヒヨコの剖検を行い、M
DV感染の病理的症状を調べた。末梢神経系の広い領域
でMDVの病理的症状が明らかであり、種々の臓器(例
えば、生殖腺、肝臓、腎臓、心臓、および脾臓)におけ
るリンパ腫の存在、およびファブリキウス嚢の萎縮が見
られた。
【0057】未感染細胞株を接種した鳥および対照とも
に、MDV感染の多くの病理的症状を有していた。重要
なことは、FC126−OCL細胞株で予防接種し、M
DVを抗原投与したヒヨコのいずれもMDV感染の病理
的証拠を有さなかった。効率実験の結果は、表2に示
す。この実験は、FC126−CEFについて推奨され
ている市販薬の投与量に等しい投与量レベルでFC12
6−OCLで予防接種すると、伝統的なCEF増殖FC
126のように、MDVに対してニワトリが防御される
ことを証明している。
【0058】
【表2】 1 1日目に2000PFUで予防接種したヒヨコ。2 2000PFUのFC126−OCLp17中の細
胞と等しい数のOCL細胞を接種したヒヨコ。3 予防接種の7日後、すべてのヒヨコに2000PF
UMDV株GAを抗原投与した。実験は、抗原投与後3
2日目に終了した。防御は、剖検でMDVの症状が存在
しなかったことで示される。4 防御指数:対照の%MD−予防接種中の%MD/対
照の%MD×100。
【0059】例8 細胞株中のMDVの安定性 MDV−OU2細胞株の31継代後、ウイルスDNAを
het領域の拡張についてPCRで解析した。予想外
に、het領域の拡張は認められなかった。従って、C
EF中のMDV増殖と異なり、本発明ではMDVは安定
化され、従ってMDV細胞がワクチン効率を低下させる
ことなく無期限に増殖することを可能にする。
【0060】PCRを、細胞培養物中の連続継代後のM
DV OU2.2とMDV OU2.1中の132塩基
対DR配列の数を測定するための測定法として用いた。
【0061】Md11細胞培養物継代14を感染させた
CEF、Md11細胞培養物継代48を感染させたCE
F、およびMDV−OU2.2細胞培養物継代48か
ら、総細胞性DNAを標準的方法(サムブルーク(Sa
mbrook)ら、分子クローニング:実験室マニュア
ル(Molecular Cloning: A La
boratory Manual)(第2版)、コール
ド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold
Spring Harbor Laborator
y)、コールド・スプリング・ハーバー(Cold S
pring Harbor)、ニューヨーク(198
9)、9.16−9.19頁)で抽出し、132塩基対
DR配列のPCR増幅のための鋳型として使用した。上
流オリゴヌクレオチドプライマーは、5'-TGCGATGAAAGTG
CTATGGAGG-3'(配列番号1)であった。下流オリゴヌク
レオチドプライマーは、5'-GAGAATCCCTATGAGAAAGCGC-3'
(配列番号2)であった。上流プライマーは、DR配列
の3塩基対5’である。下流プライマーは、DR配列の
3’末端から6塩基対である。この2つのプライマー
は、DR配列の2つのコピーの場合は317塩基対断片
を増幅する(アール・エフ・シルバ(R.F.Silv
a)、Avian Dis.36:521−528(1
992))。PCR条件は元々の条件を少し修飾した
(R.F.Silva)、Avian Dis.36:
521−528(1992))。簡単に説明すると、5
00ngの総細胞性DNAを、20mMの各dNTP,
20μMの各オリゴヌクレオチドプライマー対、10μ
lの10×PCR反応緩衝液(ギブコ・ビーアールエル
(GIBCO BRL)、ライフテクノロジー社(Li
fe Technologies,Inc)、ゲイサー
ズバーグ(Gaithersburg)、メリーランド
州)、1.5mMのMgCl2 、および1.0UのTa
qポリメラーゼ(ギブコ・ビーアールエル(GIBCO
BRL)、ライフテクノロジー社(Life Tec
hnologies,Inc)、ゲイサーズバーグ(G
aithersburg)、メリーランド州)と混合し
た。ジーンアンプ(GeneAmp)9600サーマル
サイクラー(Perkin Elmer Cetu
s)、ノーワーク(Norwalk)、コネチカット
州)を用いて、PCR反応を行なった。95℃で5分の
最初の変性工程の後、95℃で45秒、67℃で45
秒、そして72℃で45秒を25サイクル行い、DNA
を増幅した。72℃で10分の最終延長工程により、P
CR反応を完了した。PCR産物を6%ポリアクリルア
ミドゲルで電気泳動し、臭化エチジウムで染色し、紫外
線下で写真を撮った。増幅した断片のサイズは、1kb
のDNAラダー(ladder)(ギブコ・ビーアール
エル(GIBCO BRL)、ライフテクノロジー社
(Life Technologies,Inc)、ゲ
イサーズバーグ(Gaithersburg)、メリー
ランド州)と比較して測定した。
【0062】すべての反応で、132塩基対DRの1つ
のコピーに対応する185塩基対の増幅断片が見られ
た。しかし、Md11継代14では(図2、レーン
1)、病原性Md11に特徴的なように、132塩基対
DRの2つのコピーに対応する317塩基対断片が主で
あった(図2、レーン2)。この317塩基対断片は、
継代48により減弱化されたMd11中には存在しない
(図2、レーン2)。重要なことは、継代48のMDV
OU2.2は、病原性Md11に特徴的な317塩基
対断片を保持していることである(図2、レーン3)。
【0063】PCR解析の結果は、MDV OU2.2
とMDV OU2.1のMDV(データは示していな
い)細胞株は、インビトロで48回の継代後も減弱化さ
れていないことを示す。これに対して、かつ予測された
ように、インビトロでCEFで48回の継代後Md11
は、減弱化されている。これらの結果は、CHCC−O
U2細胞中でインビトロの増殖中、MDVは安定に維持
されていることを示す。本発明はワクチンウイルスがイ
ンビトロで無期限にまたは少なくとも48回の細胞継代
でも増殖することを可能にするため、この予想外の結果
は、ワクチン製造業者にとっては非常に重要である。こ
れは、インビトロの継代で防御効率が低下する、CEF
上のMDVのワクチン株の増殖とは対照的である。典型
的にはMDVのワクチン株は、マスター種菌ストックを
5継代だけ越えて増殖させることができる。米国農務省
の認可を受けるには、5を越える各継代は、それぞれ継
代5と同様の効率を有することを証明しなければならな
い。いったん米国農務省に証明できれば、本発明は、継
代5を越える各継代を再度認可をとることなく、ワクチ
ン株がマスター種菌ストックを越えて無期限に増殖する
ことを可能にするであろう。
【0064】以下の例は、CHCC−OU2細胞の特徴
を示す。これらの特徴は、MDV感染細胞と同じであ
る。
【0065】例9 ビー・エフ・ベンケル(B.F.Benkel)ら(P
oultry Science 71:1520−15
26(1992))の方法を用いて、CHCC−OU2
細胞がev1に対して同型接合性であることを証明し
た。CHCC−OU2細胞とev1、ev1とev6、
またはev15を含有する鳥類細胞から標準的方法(サ
ムブルーク(Sambrook)ら、分子クローニン
グ:実験室マニュアル(Molecular Clon
ing: A LaboratoryManual)
(第2版)、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラ
トリー(Cold Spring Harbor La
boratory)、コールド・スプリング・ハーバー
(Cold Spring Harbor)、ニューヨ
ーク(1989)、9.16−9.19頁)で、総細胞
性DNAを抽出した。プライマーPR−A(5'-GCACCAA
ACAATCTAGTCTGTGC)、PR−B(5'-AAGTACTCACTTCTCTG
AAC )、およびPR−C(5'-GCCAAGCTTCAATGAAGCAGAAG
GCTTC )、それぞれ配列番号3、配列番号4、および配
列番号5よりなるプライマーセットを用いるPCR増幅
の鋳型として、総細胞性DNAを使用した。プライマー
PR−Aは、ev1挿入体の上流のゲノム領域に特異的
であり、プライマーPR−Bは、ev1挿入体の下流の
ゲノム領域に特異的であり、そしてプライマーPR−C
は、ev1長い末端反復配列に特異的である。これらの
プライマーによるev1に同型接合性の鳥からのDNA
のPCRは、長さ300塩基対のDNAを産生するであ
ろう。これらのプライマーによるev1に異型接合性の
鳥からのDNAのPCRは、長さ300塩基対と510
塩基対のDNAを産生し、ev1の欠如した鳥からのD
NAのPCRは510塩基対のDNA断片を産生するで
あろう。PCR反応は、ビー・エフ・ベンケル(B.
F.Benkel)ら(PoultryScience
71:1520−1526(1992))が記載した
ように、ジーンアンプ(GeneAmp)9600サー
マルサイクラー(PerkinElmer Cetu
s)、ノーワーク(Norwalk)、コネチカット
州)を用いて行なった。PCR産物は1%アガロースゲ
ルで電気泳動し、臭化エチジウムで染色し、紫外線下で
写真を撮った(サムブルーク(Sambrook)ら、
分子クローニング:実験室マニュアル(Molecul
ar Cloning: A Laboratory
Manual)(第2版)、コールド・スプリング・ハ
ーバー・ラボラトリー(Cold Spring Ha
rbor Laboratory)、コールド・スプリ
ング・ハーバー(Cold Spring Harbo
r)、ニューヨーク(1989)、6.2−6.1
9)。増幅した生成物のサイズは、1kbのDNAラダ
ー(ladder)マーカー(ギブコ・ビーアールエル
(GIBCO BRL)、ライフテクノロジー社(Li
feTechnologies,Inc)、ゲイサーズ
バーグ(Gaithersburg)、メリーランド
州)と比較して決定した。図3では、CHCC−OU2
細胞は300塩基対の単一の生成物を産生しており、C
HCC−OU2細胞がev1に対して同型接合性である
ことを示している。異型接合性ev1、およびev1と
ev6、陽性対照DNAは、300塩基対と510塩基
対の2つの生成物を産生した。陰性対照ev15DNA
は、ev1を含まないDNAに予測されるように、51
0塩基対の1つの生成物のみを産生した。
【0066】ビー・エフ・ベンケル(B.F.Benk
el)とイー・ジェイ・スミス(E.J.Smith)
(Poultry Science 72:1601−
1605(1993))の方法を使用して、CHCC−
OU2細胞がev15に対して同型接合性であることを
証明した。プライマー15−1(5'-CAAATGAGGGTAATAAG
GGAG)および15−2(5'-CACTACCAAATATAATTCTGTA
G)、それぞれ、配列番号6、および配列番号7よりな
るプライマーセットを用いて、CHCC−OU2細胞と
ev1またはev15を含有する鳥細胞からの総細胞性
DNAを、PCR増幅の鋳型として使用した。プライマ
ー15−1は、ev15挿入体の上流のゲノム領域に特
異的であり、そしてプライマーPR−15は、ev15
挿入体の下流のゲノム領域に特異的である。これらのプ
ライマーによるev15に同型接合性の鳥からのDNA
のPCRは、長さ434塩基対のDNAを産生するであ
ろう。これらのプライマーによるev15に異型接合性
の鳥からのDNAのPCRは、長さ434塩基対と18
1塩基対のDNAを産生し、ev15の欠如した鳥から
のDNAのPCRは181塩基対のDNA断片を産生す
るであろう。PCR反応は、ビー・エフ・ベンケル
(B.F.Benkel)とイー・ジェイ・スミス
(E.J.Smith)(Poultry Scien
ce 72:1601−1605(1993))が記載
したように、ジーンアンプ(GeneAmp)9600
サーマルサイクラー(Perkin Elmer Ce
tus)、ノーワーク(Norwalk)、コネチカッ
ト州)を用いて行なった。PCR産物は1%アガロース
ゲルで電気泳動し、臭化エチジウムで染色し、紫外線下
で写真を撮った(サムブルーク(Sambrook)
ら、分子クローニング:実験室マニュアル(Molec
ular Cloning: A Laborator
y Manual)(第2版)、コールド・スプリング
・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spring
Harbor Laboratory)、コールド・ス
プリング・ハーバー(Cold Spring Har
bor)、ニューヨーク(1989)、6.2−6.1
9)。増幅した生成物のサイズは、1kbのDNAラダ
ー(ladder)マーカー(ギブコ・ビーアールエル
(GIBCO BRL)、ライフテクノロジー社(Li
fe Technologies,Inc)、ゲイサー
ズバーグ(Gaithersburg)、メリーランド
州)と比較して決定した。図4では、CHCC−OU2
細胞は434塩基対の単一の生成物を産生しており、C
HCC−OU2細胞がev15に対して同型接合性であ
ることを示している。異型接合性ev15、陽性対照D
NAは、434塩基対と181塩基対の2つの生成物を
産生した。陰性対照ev1DNAは、ev15を含まな
いDNAに予測されるように、181塩基対の1つの生
成物のみを産生した。
【0067】MDV複製を支持し、MDVワクチンの製
造に使用できる継続性のある細胞株は、家禽産業に対し
て極めて大きな経済的意味を持っている。このような細
胞株の利点は:1)SPF群の受精卵の継続的供給の必
要性を排除し、SPF卵供給の中断によるワクチン製造
の損害の危険性を低下させ、そして受精SPF卵の価格
変動の影響を排除することにより、MDVワクチン製造
に関するコストを実質的に低下させる;2)マスター細
胞ストックの検定が可能であり、従って各バッチのCE
F細胞を製造する危険を避けることができる;3)MD
Vのワクチン株で感染したCHCC−OU2細胞は無期
限に増殖でき、感染細胞をコンフルエンスにすることで
ウイルスの産生を誘発することができる;4)CEF細
胞のMDVワクチンを産生するのと同じ製造方法を、C
HCC−OU2細胞について使用することができる;
5)MDVは細胞株中で安定化される。コストの低下
は、家禽産業業者および消費者に有益となるであろう。
本発明において、MDVを産生しワクチンとして用いて
マレク病に対して鳥類を防御する、維持可能な細胞株が
特許請求される。
【0068】前述の説明は本発明を例示するためのもの
であり、本発明は特許請求の範囲によってのみ限定され
る。
【0069】
【配列表】
配列番号:1 (i)配列の特色: (A)長さ:22塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:1本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型: (A)型:合成DNA (iii)ハイポセティカル配列:No (iv)アンチセンス:No (vi)起源: (A)生物名:マレク病ウイルス (vii)直接の起源: (A)ライブラリー: (xi)配列:配列番号:1:
【0070】配列番号:2 (i)配列の特色: (A)長さ:22塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:1本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型: (A)型:合成DNA (iii)ハイポセティカル配列:No (iv)アンチセンス:No (vi)起源: (A)生物名:マレク病ウイルス (vii)直接の起源: (A)ライブラリー: (xi)配列:配列番号:2:
【0071】配列番号:3 (i)配列の特色: (A)長さ:23塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:1本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型: (A)型:合成DNA (iii)ハイポセティカル配列:No (iv)アンチセンス:No (vi)起源: (A)生物名:鳥類レトロウイルス (vii)直接の起源: (A)ライブラリー:N/A (xi)配列:配列番号:3:
【0072】配列番号:4 (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:1本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型: (A)型:合成DNA (iii)ハイポセティカル配列:No (iv)アンチセンス:No (vi)起源: (A)生物名:鳥類レトロウイルス (vii)直接の起源: (A)ライブラリー:N/A (xi)配列:配列番号:4:
【0073】配列番号:5 (i)配列の特色: (A)長さ:28塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:1本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型: (A)型:合成DNA (iii)ハイポセティカル配列:No (iv)アンチセンス:No (vi)起源: (A)生物名:鳥類レトロウイルス (vii)直接の起源: (A)ライブラリー:N/A (xi)配列:配列番号:5:
【0074】配列番号:6 (i)配列の特色: (A)長さ:21塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:1本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型: (A)型:合成DNA (iii)ハイポセティカル配列:No (iv)アンチセンス:No (vi)起源: (A)生物名:鳥類レトロウイルス (vii)直接の起源: (A)ライブラリー:N/A (xi)配列:配列番号:6:
【0075】配列番号:7 (i)配列の特色: (A)長さ:23塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:1本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型: (A)型:合成DNA (iii)ハイポセティカル配列:No (iv)アンチセンス:No (vi)起源: (A)生物名:鳥類レトロウイルス (vii)直接の起源: (A)ライブラリー:N/A (xi)配列:配列番号:7:
【図面の簡単な説明】
【図1】AはFC126−OCLの単層培養物の光学顕
微鏡写真を示す。BはCEF上のFC126プラークの
光学顕微鏡写真を示す。CはSB1−OCLの単層培養
物の光学顕微鏡写真を示す。DはCEF上のSB1プラ
ークの光学顕微鏡写真を示す。
【図2】132塩基対のDR配列のPCR増幅を示す。
【図3】ev1に対するCHCC−OU2DNAのPC
R増幅測定法を示すアガロースゲルの写真を示す。
【図4】ev15に対するCHCC−OU2DNAのP
CR増幅測定法を示すアガロースゲルの写真を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 15/09 ZNA 9282−4B C12N 15/00 E // C07K 14/055 9282−4B ZNAA (72)発明者 アミン アブジョウブ アメリカ合衆国ミシガン州イースト ラン シング,ウィンタークレスト 1626

Claims (43)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニワトリヘルパー因子(Chf)陰性で
    あり、ウイルスが存在せず、化学的突然変異誘発物質で
    処理し次にマレク病ウイルス(MDV)で感染させたニ
    ワトリ胚細胞(CEC)から得られる、単層培養物中の
    MDVに感染した維持可能なニワトリ細胞株であって、
    該細胞株はインビボで鳥類に感染することができ、MD
    Vは細胞株中で非溶菌または溶菌感染として維持され得
    る、細胞株。
  2. 【請求項2】 MDVは、鳥類に免疫能を引き出すため
    のウイルスワクチンの製造に使用されるウイルスであ
    る、請求項1に記載の細胞株。
  3. 【請求項3】 MDVは、血清型1、血清型2、または
    血清型3MDV(ここで、血清型3は七面鳥ヘルペスウ
    イルス(HVT)である)よりなる群から選択されるウ
    イルスである、請求項1または2のいずれか1項に記載
    の細胞株。
  4. 【請求項4】 MDVは、遺伝子操作により作成され、
    MDV内の1つまたはそれ以上の部位に挿入された1つ
    またはそれ以上の外来遺伝子を含んでなる、請求項1ま
    たは2のいずれか1項に記載の細胞株。
  5. 【請求項5】 MDVは、遺伝子操作により作成され、
    MDVの1つまたはそれ以上の領域が欠失された、請求
    項1または2のいずれか1項に記載の細胞株。
  6. 【請求項6】 MDVは、細胞株ATCC CRL 1
    2052で寄託された七面鳥ヘルペスウイルス(HV
    T)株FC126−OCL、および細胞株CRL 12
    053で寄託されたマレク病ウイルス(MDV)株SB
    1−OCLよりなる群から選択される、請求項1に記載
    の細胞株。
  7. 【請求項7】 CECはCHCC−OU2である、請求
    項1、2、または6のいずれか1項に記載の細胞株。
  8. 【請求項8】 MDVは、細胞ストレスまたはセセネン
    ス(sescenence)により、溶菌感染するよう
    に再活性化される、請求項1、2、または6のいずれか
    1項に記載の細胞株。
  9. 【請求項9】 マレク病ウイルス(MDV)に潜伏感染
    した維持可能なニワトリ細胞株を、コンフルエンスでな
    い単層培養物中で産生する方法であって: (a)ニワトリヘルパー因子が存在せず、ウイルスが存
    在せず、化学的突然変異誘発物質で処理したニワトリ胚
    細胞(CEC)を、培地中でMDVと合わせて、CEC
    をMDVで感染させ; (b)MDVが感染したCECを未感染CECから精製
    し、そして (c)MDVが感染したCECを増殖させて単層培養物
    中で細胞株を産生させ、ここでMDVは細胞株中で非溶
    菌または溶菌感染として維持され得る、ことを含んでな
    る、上記方法。
  10. 【請求項10】 MDVウイルスは、初代胚繊維芽細胞
    から得られる細胞結合MDVウイルス、細胞のないMD
    V、およびCECにトランスフェクションされたMDV
    DNAよりなる群から選択される、請求項9に記載の
    方法。
  11. 【請求項11】 MDVは、鳥類で免疫能を引き出すた
    めのウイルスワクチンの製造に使用されるウイルスであ
    る、請求項9または10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 【請求項12】 MDVは、血清型1、血清型2、また
    は血清型3MDV(ここで、血清型3は七面鳥ヘルペス
    ウイルス(HVT)である)よりなる群から選択される
    ウイルスである、請求項9または10のいずれか1項に
    記載の方法。
  13. 【請求項13】 MDVは、遺伝子操作により作成さ
    れ、MDV内の1つまたはそれ以上の部位に挿入された
    1つまたはそれ以上の外来遺伝子を含んでなる、請求項
    9または10のいずれか1項に記載の方法。
  14. 【請求項14】 MDVは、遺伝子操作により作成さ
    れ、1つまたはそれ以上のMDV遺伝子が欠失された、
    請求項9または10のいずれか1項に記載の方法。
  15. 【請求項15】 MDVは、細胞株ATCC CRL
    12052で寄託された七面鳥ヘルペスウイルス(HV
    T)株FC126−OCL、および細胞株CRL 12
    053で寄託されたマレク病ウイルス(MDV)株SB
    1−OCLよりなる群から選択される、請求項9または
    10のいずれか1項に記載の方法。
  16. 【請求項16】 CEC細胞はCHCC−OU2であ
    る、請求項9または10のいずれか1項に記載の方法。
  17. 【請求項17】 鳥をマレク病ウイルス(MDV)によ
    り感染させる方法であって: (a)ニワトリヘルパー因子(Chf)陰性であり、ウ
    イルスが存在せず、化学的突然変異誘発物質で処理し次
    にマレク病ウイルス(MDV)で感染させたニワトリ胚
    細胞(CEC)から得られる、単層培養物として維持さ
    れる、MDVに感染した維持可能なニワトリ細胞株によ
    り産生されるワクチンを提供し、ここでMDVは細胞株
    中で非溶菌または溶菌感染として維持され、該細胞株は
    インビボで鳥類に感染することができ、そして (b)鳥にこのワクチンを接種する、ことを含んでな
    る、上記方法。
  18. 【請求項18】 接種は注射により、または卵に(in
    ovo)行われる、請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 MDVは、免疫能を引き出すためのウ
    イルスワクチンの製造に使用されるウイルスである、請
    求項17または18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 【請求項20】 MDVは、血清型1、血清型2、また
    は血清型3MDV(ここで、血清型3は七面鳥ヘルペス
    ウイルス(HVT)である)よりなる群から選択される
    ウイルスである、請求項17または18のいずれか1項
    に記載の方法。
  21. 【請求項21】 MDVは、遺伝子操作により作成さ
    れ、MDV内の1つまたはそれ以上の部位に挿入された
    1つまたはそれ以上の外来遺伝子を含んでなる、請求項
    17または18のいずれか1項に記載の方法。
  22. 【請求項22】 MDVは、遺伝子操作により作成さ
    れ、MDVの1つまたはそれ以上の遺伝子が欠失され
    た、請求項17または18のいずれか1項に記載の方
    法。
  23. 【請求項23】 MDVは、細胞株ATCC CRL
    12052で寄託された七面鳥ヘルペスウイルス(HV
    T)株FC126−OCL、および細胞株CRL 12
    053で寄託されたマレク病ウイルス(MDV)株SB
    1−OCLよりなる群から選択される、請求項17に記
    載の方法。
  24. 【請求項24】 細胞株は、CHCC−OU2であるC
    EC繊維芽細胞を含有する、請求項17、18、または
    23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 【請求項25】 ワクチンは、細胞株を含有する、請求
    項17に記載の方法。
  26. 【請求項26】 ニワトリヘルパー因子(Chf)陰性
    であり、ウイルスが存在せず、化学的突然変異誘発物質
    で処理し次にマレク病ウイルス(MDV)で感染させた
    ニワトリ胚細胞(CEC)から得られる、単層培養物と
    して長時間維持される、MDVに感染した維持可能な繊
    維芽細胞株を含有する、投薬単位型の鳥類ワクチンであ
    って、MDVは細胞株中で非溶菌または溶菌感染として
    維持され得る、上記鳥類ワクチン。
  27. 【請求項27】 MDVは、鳥類に免疫能を引き出すた
    めのウイルスワクチンの製造に使用されるウイルスであ
    る、請求項26に記載のワクチン。
  28. 【請求項28】 MDVは、血清型1、血清型2、また
    は血清型3MDV(ここで、血清型3は七面鳥ヘルペス
    ウイルス(HVT)である)よりなる群から選択される
    ウイルスである、請求項26または27のいずれか1項
    に記載のワクチン。
  29. 【請求項29】 MDVは、遺伝子操作により作成さ
    れ、MDV内の1つまたはそれ以上の部位に挿入された
    1つまたはそれ以上の外来遺伝子を含んでなる、請求項
    26または27のいずれか1項に記載のワクチン。
  30. 【請求項30】 MDVは、遺伝子操作により作成さ
    れ、MDVの1つまたはそれ以上の遺伝子が欠失され
    た、請求項26または27のいずれか1項に記載のワク
    チン。
  31. 【請求項31】 MDVは、細胞株ATCC CRL
    12052で寄託された七面鳥ヘルペスウイルス(HV
    T)株FC126−OCL、および細胞株CRL 12
    053で寄託されたマレク病ウイルス(MDV)株SB
    1−OCLよりなる群から選択される、請求項26に記
    載のワクチン。
  32. 【請求項32】 細胞株は、CHCC−OU2である繊
    維芽細胞を含有する、請求項26、27、または31の
    いずれか1項に記載のワクチン。
  33. 【請求項33】 マレク病七面鳥ヘルペスウイルス(H
    VT)株FC126−OCLを含有する、ATCC C
    RL 12052として寄託された、不死化マレク病ヘ
    ルペスウイルス細胞株。
  34. 【請求項34】 マレク病(MDV)血清型2株SB1
    −OCLを含有する、ATCC CRL 12053と
    して寄託された、不死化マレク病ヘルペスウイルス細胞
    株。
  35. 【請求項35】 ワクチンは、細胞株から得られるウイ
    ルスを含有する、請求項17に記載の方法。
  36. 【請求項36】 ニワトリヘルパー因子(Chf)陰性
    であり、非悪性であり、鳥類レトロウイルスのDNA配
    列を含有し、細胞培養で継続的に増殖するニワトリ胚細
    胞(CEC)から得られる単層培養物中のマレク病ウイ
    ルス(MDV)に感染した維持可能なニワトリ細胞株。
  37. 【請求項37】 MDVは、鳥類に免疫能を引き出すた
    めのウイルスワクチンの製造に使用されるウイルスであ
    る、請求項36に記載の細胞株。
  38. 【請求項38】 MDVは、遺伝子操作により作成さ
    れ、MDV内の1つまたはそれ以上の部位に挿入された
    1つまたはそれ以上の外来遺伝子を含んでなる、請求項
    36または37のいずれか1項に記載の細胞株。
  39. 【請求項39】 MDVは、遺伝子操作により作成さ
    れ、MDVの1つまたはそれ以上の領域が欠失された、
    請求項36または37のいずれか1項に記載の細胞株。
  40. 【請求項40】 CECはCHCC−OU2である、請
    求項36または37のいずれか1項に記載の細胞株。
  41. 【請求項41】 MDVは、細胞ストレスまたはセセネ
    ンス(sescenence)により、溶菌感染するよ
    うに再活性化することができる、請求項36または37
    のいずれか1項に記載の細胞株。
  42. 【請求項42】 MDVは、七面鳥ヘルペスウイルス
    (HVT)である、請求項26に記載のワクチン。
  43. 【請求項43】 MDVは、血清型2MDVである、請
    求項26に記載のワクチン。
JP8345881A 1996-06-21 1996-12-25 マレク病ワクチン製造のための維持可能な細胞株の改良 Pending JPH104956A (ja)

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