JPH1048502A - 伸縮移動可能なレンズ枠機構 - Google Patents

伸縮移動可能なレンズ枠機構

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JPH1048502A
JPH1048502A JP20609896A JP20609896A JPH1048502A JP H1048502 A JPH1048502 A JP H1048502A JP 20609896 A JP20609896 A JP 20609896A JP 20609896 A JP20609896 A JP 20609896A JP H1048502 A JPH1048502 A JP H1048502A
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JP
Japan
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screw shaft
frame
optical axis
moving
moving frame
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Application number
JP20609896A
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English (en)
Inventor
Naoki Fujii
尚樹 藤井
Tatsuji Higuchi
達治 樋口
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、レンズ鏡筒の構成部材点数を減少
させた光軸方向に伸縮移動可能なレンズ枠機構を提供す
る。 【解決手段】 固定部材1と、固定部材に対し光軸方向
に沿って移動可能な第1の移動枠2と、固定部材に対し
光軸方向に沿って移動可能な第2の移動枠3と、第1,
第2の移動枠の光軸周りの回動を規制する回動規制手段
である凸部2a,3aおよび直進溝1b,2bと、固定
部材に回転可能に配設した第1のねじ軸11と、第1の
移動枠に回転可能に設けた第2のねじ軸16と、第1の
ねじ軸を回転駆動する駆動手段33と、第1のねじ軸の
回転力を第2のねじ軸へ伝達する伝達手段である第1駆
動ギアー13、第1伝達ギアー14とを具備し、駆動手
段による第1のねじ軸の回転に応じて第1の移動枠を光
軸方向へ移動し、さらに伝達手段による第2のねじ軸の
回転に応じて第2の移動枠を第1の移動枠に対して光軸
方向へ移動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、伸縮移動可能な
レンズ枠機構、詳しくはレンズの光軸方向に伸縮移動可
能なレンズ枠機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、携帯に便利な小型のカメラ、
いわゆるコンパクトカメラ等においては、その写真撮影
領域を拡げるために変倍可能な撮影光学系(以下、ズー
ムレンズという。)を具備したものが一般的に実用化さ
れている。
【0003】このようなズームレンズ付きカメラ等にお
いては、カメラの非使用状態でレンズ鏡筒をカメラ本体
内に繰り込み、カメラの使用状態でレンズ鏡筒をカメラ
本体より繰り出すようにすることで、カメラの非使用状
態におけるカメラ本体の小型化を図っている。この場合
において、カメラ本体を薄型化するために、カメラ本体
内に収納する際のレンズ鏡筒の全長を短くした、いわゆ
る多段枠繰出し式のズームレンズ鏡筒等が採用されてい
る。
【0004】一般的に、高変倍比のズームレンズは、望
遠(Tele)状態としたときの鏡筒全長が長大化する
ので、このレンズ鏡筒をカメラ本体内に収納する場合に
は、カメラ本体が大型化してしまうこととなるが、上述
のように、多段枠繰出し式のズームレンズ鏡筒を採用し
たカメラ等では、撮影光学系の高変倍比化を実現するこ
とができると共に、収納時の鏡筒全長を短く抑えること
ができ、よって、カメラ本体をより小型にすることがで
きるものである。
【0005】そして、近年においては、このようなズー
ムレンズ付きコンパクトカメラ等におけるズームレンズ
の高変倍比化、およびカメラ本体の小型化に対する要求
が増々高まっている。
【0006】なお、上記多段枠繰出し式のズームレンズ
鏡筒については、例えば特開平7−128567号公
報、特開平7−27963号公報等によって、三段繰出
し式のものが種々提案されており、また一般的に実用化
されている。
【0007】ここで、上述したような多段枠繰出し式の
ズームレンズ鏡筒の構成を、本明細書に添付の図面中、
図12〜図14によって、以下に簡単に説明する。
【0008】図12は、上述の多段枠繰出し式のズーム
レンズ鏡筒の構成を示す概略縦断面図であって、このズ
ームレンズ鏡筒を構成する各レンズ枠部材が、カメラ本
体内に収納されている格納状態を示している。なお、こ
の図12は、撮影光学系の光軸iを中心として上半部の
みを図示している。また、ここでは、多段枠繰出し式の
ズームレンズ鏡筒のうち、カメラ本体側に配置される一
段目部分のみを図示し、他の構成部材については同様で
あるので、その図示を省略するものとする。
【0009】また、図13は、上記図12における第1
移動枠103と駆動枠102とを外周面側から見た概略
展開図であって、第1移動枠103のカムピン103a
が、固定枠101のカム溝101aおよび駆動枠102
の直進溝102aに共通に嵌入している状態を示してい
る。
【0010】そして、図14は、上記図12における固
定枠101と第1ガイド枠104とを外周面側から見た
概略展開図であって、第1ガイド枠104のガイドピン
104bが、固定枠101の直進溝101bと係合し、
支持部材105が第1ガイド枠104との相対回転を許
容しつつ、スラスト位置を規制している状態を示してい
る。なお、図14においては、ガイド枠104と支持部
材105が相対回転しながらスラスト方向に同一の動き
をした二状態(実線で示す状態、および二点鎖線で示す
状態)を示しているものである。
【0011】まず、図12に示すように、このズームレ
ンズ鏡筒の一段目部分は、カメラ本体側の不動部110
に固定される固定枠101と、カメラ本体内に配設され
る回転駆動手段(図示せず)によって回転駆動される駆
動枠102と、この駆動枠102の回転により固定枠1
01に対して回転しつつ光軸方向に移動する第1移動枠
103と、光軸方向に直進移動する第1ガイド枠104
と、この第1ガイド枠104のスラスト位置を規制する
支持部材105等によって構成されている。
【0012】駆動枠102は、その前端面102dが固
定枠101の前部当接面101dに当接していると共
に、その後端面102cが固定枠101の後部当接面1
01cに当接している。これにより、駆動枠102は、
固定枠101に対して、そのスラスト位置が規制されて
いる。
【0013】上記駆動枠102は、固定枠101の外周
面側で、その外周面101eと駆動枠102の内周面1
02eとが当接しており、固定枠101に対して回動自
在に嵌合している。これにより、駆動枠102は、固定
枠101に対し相対的に回転するようになっている。
【0014】固定枠101には、その周面上の略等角度
位置に三本の傾斜カム溝101aが穿設されていると共
に、その内周面側には、該カム溝101aと干渉しない
位置に直進溝101bが設けられており、また、駆動枠
102の内周面側には、固定枠101の傾斜カム溝10
1aと対向する位置に三本の直進溝102aが穿設され
ている。
【0015】そして、第1移動枠103の外周面上の、
略等角度位置には、三つのカムピン103aが植立され
ている。このカムピン103aは、固定枠101の傾斜
カム溝101aおよび駆動枠102の直進溝102aに
それぞれ係合している(図13参照)。これにより、駆
動枠102が、固定枠101に対して回転する(図13
においては矢印Y1方向に移動する)と、第1移動枠1
03は、カムピン103aを介して固定枠101に対し
て回転しながら、光軸方向(図13においては矢印X1
方向)に移動するようになっている。
【0016】第1ガイド枠104の外周面上の後端部寄
りには、ガイドピン104bが植立されている。このガ
イドピン104bは、固定枠101の直進溝101bと
係合している。これにより、第1ガイド枠104は、固
定枠101に対する回転運動が規制され、光軸方向への
移動のみが許容されるようになっている(図14参
照)。
【0017】また、第1移動枠103の後端部には、略
L字形状の支持部材105が一体的に固着されている。
この支持部材105の係合面105cと第1移動枠10
3の後端面103dとの間において、支持部材105の
係合面105cと第1ガイド枠104の後側係合面10
4cとが、また、第1移動枠103の後端面103dと
第1ガイド枠104の前側係合面104dとが、それぞ
れ当接して、第1ガイド枠104の後端フランジ部10
4gが挟持されている。これにより、第1ガイド枠10
4は、支持部材105によって、そのスラスト位置が規
制されると共に、第1移動枠103と一体的に光軸方向
へ移動するようになっている。
【0018】このように構成された上記ズームレンズ鏡
筒における動作を簡単に説明すると、まず、カメラ本体
側の回転駆動手段(図示せず)によって駆動枠102が
回転駆動される。すると、第1移動枠103は、固定枠
101に対して回転しながら光軸方向に移動すると同時
に、第1ガイド枠104は、第1移動枠103と共に光
軸方向に移動することとなる。
【0019】そして、第2移動枠および第2ガイド枠
(図12においてはその図示を省略している。)を、上
述の第1移動枠103および第1ガイド枠104と同様
に形成して、この第2移動枠および第2ガイド枠を、上
記第1移動枠103および第1ガイド枠104によって
駆動するように構成すれば、多段枠繰出し式のズームレ
ンズ鏡筒が構成されることとなる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特開平7
−128567号公報、特開平7−27963号公報等
において開示されている手段や、上述の図12〜図14
によって説明した手段によれば、高変倍比のズームレン
ズをカメラ本体内に収納する際に、鏡筒全長を短くする
ことができるので、カメラ本体の薄型化を実現すること
は可能であるが、繰出し段数を一段分増やすためには、
移動枠およびガイド枠の一組分の構成部材が必要となる
ので、多段構造にするほど鏡筒を構成する部材点数が多
くなり、加工が困難となってしまい、さらに製造コスト
が増大してしまうという問題点がある。
【0021】また、多段構造とするほど鏡筒自体の径方
向の寸法が大型化することとなり、これを収納するカメ
ラ本体の高さ方向や横方向の寸法が増大してしまい、カ
メラを小型化するための大きな制約になるという問題点
もある。
【0022】本発明の目的は、上記従来の問題点を解消
し、高変倍比のズームレンズに対応した多段枠繰出し式
の伸縮移動可能なレンズ枠機構において、カメラ収納時
の鏡筒全長を短くし、鏡筒外径の寸法を最小限に抑える
と共に、鏡筒を構成する部材点数を減少させることで、
簡単な構成の伸縮移動可能なレンズ枠機構を提供するに
ある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明による伸縮移動可
能なレンズ枠機構は、光軸方向に伸縮移動可能なレンズ
枠機構において、固定部材と、この固定部材に対して光
軸方向に沿って移動可能に設けられた第1の移動枠と、
上記固定部材に対して光軸方向に沿って移動可能に設け
られた第2の移動枠と、上記第1および第2の移動枠の
光軸周りの回動を規制する回動規制手段と、上記固定部
材に回転可能に設けられた第1のねじ軸と、上記第1の
移動枠に回転可能に設けられた第2のねじ軸と、上記第
1のねじ軸を回転駆動する駆動手段と、上記第1のねじ
軸の回転力を上記第2のねじ軸へ伝達する伝達手段とを
具備し、上記駆動手段による上記第1のねじ軸の回転に
応じて、上記第1の移動枠を光軸方向へ移動し、さらに
上記伝達手段による上記第2のねじ軸の回転に応じて、
上記第2の移動枠を上記第1の移動枠に対して光軸方向
へ移動することを特徴とする。
【0024】また、光軸方向に伸縮移動可能なレンズ枠
機構において、固定部材と、この固定部材に対して光軸
方向に沿って移動可能に設けられた第1の移動枠と、上
記固定部材に対して光軸方向に沿って移動可能に設けら
れた第2の移動枠と、上記第1および第2の移動枠の光
軸周りの回動を規制する回動規制手段と、上記固定部材
に回転可能に設けられた第1のねじ軸と、上記第1の移
動枠に回転可能に設けられた第2のねじ軸と、上記第1
の移動枠に固設され、上記第1のねじ軸と螺合する第1
のねじ部材と、上記第2の移動枠に固設され、上記第1
のねじ軸と螺合する第2のねじ部材と、上記第1のねじ
軸と一体的に回転すると共に、上記第1のねじ軸の光軸
方向に摺動自在に配設されていて、上記第1の移動枠と
一緒に光軸方向に移動しつつ回転するように支持され、
上記第1のねじ軸の回転力を上記第2のねじ軸に伝達す
る回転伝達手段とを具備し、上記第1のねじ軸の回転に
応じて、上記第1の移動枠は、上記第1のねじ部材を介
して光軸方向へ移動し、さらに上記第2の移動枠は、上
記第2のねじ軸および上記第2のねじ部材により光軸方
向へ移動することを特徴とする。
【0025】そして、上記回転伝達手段は、上記第1の
ねじ軸に光軸方向に摺動自在であると共に一体的に回転
するよう、上記第1のねじ軸と係合した第1の回転伝達
部材と、上記第2のねじ軸と一体的に回転するよう設け
られた第2の回転伝達部材とを有していて、上記第1お
よび第2の回転伝達部材は、上記第1の移動枠の光軸方
向移動に追従して一緒に移動することを特徴とする。
【0026】このように構成することにより、駆動手段
による第1のねじ軸の回転に応じて、第1の移動枠を光
軸方向へ移動し、さらに伝達手段による第2のねじ軸の
回転に応じて、第2の移動枠を第1の移動枠に対して光
軸方向へ移動する。
【0027】また、第1の移動枠は、第1のねじ軸の回
転に応じて、第1のねじ部材を介して光軸方向へ移動
し、さらに第2の移動枠は第2のねじ軸および第2のね
じ部材により光軸方向へ移動する。
【0028】そして、第1および第2の回転伝達部材か
らなる回転伝達手段は、第1の移動枠の光軸方向移動に
追従して一緒に移動する。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図示の実施の形態によって
本発明を説明する。
【0030】本発明の一実施の形態の伸縮移動可能なレ
ンズ枠機構は、カメラ本体に固定される固定部材である
固定枠と、変倍動作(以下、ズーミング動作という。)
に伴って固定枠に対して光軸方向に順次、繰出しまたは
繰り込み動作が行なわれる枠部材である4つの移動枠
(第1の移動枠、第2の移動枠、第3の移動枠、第4の
移動枠)等によって形成される、いわゆる五段繰出し構
造のズームレンズ鏡筒であり、以下に説明する一実施の
形態では、この伸縮移動可能なレンズ枠機構を、写真撮
影等を行なうカメラ等に適用した場合を例示するもので
ある。
【0031】図1、図2、図3、図4、図5、図6、図
7は、本発明の一実施の形態のレンズ枠機構を示す概略
図であって、図1、図2は、このレンズ枠機構を構成す
る各枠部材がカメラ本体内に収納されている収納状態を
示している。そして、図1は、固定枠に対して第1の移
動枠を相対移動させる第1のねじ軸近傍の構成のみを取
り出して示す要部縦断面図であり、図2は、第1の移動
枠に対して第2の移動枠を相対移動させる第2のねじ軸
近傍の構成のみを取り出して示す要部縦断面図である。
【0032】なお、図1は、撮影光学系の光軸iを中心
として上半部のみを図示し、光軸iを中心とする下半部
については、その図示を省略している。
【0033】また、図2は、撮影光学系の光軸iを中心
として下半部のみを図示し、光軸iを中心とする上半部
については、その図示を省略している。
【0034】図3は、このレンズ枠機構が、図1に示す
状態にある場合、すなわち、各枠部材がカメラ本体内に
収納されている収納状態において、その正面側から見た
際の各枠部材のみの概略を示す正面図である。
【0035】図4は、このレンズ枠機構における各枠部
材、すなわち、固定枠および上記4つの移動枠のズーム
レンズ鏡筒内での支持状態を示す概略縦断面図であっ
て、撮影光学系の光軸iを中心として上半部のみを図示
している。
【0036】図5は、このレンズ枠機構における各ねじ
軸のズームレンズ鏡筒内での連動状態を示す要部概略断
面図である。
【0037】図6は、このレンズ枠機構におけるねじ
軸、駆動手段および伝達手段のみを取り出して、その組
立構成を示す要部分解斜視図である。
【0038】図7は、このレンズ枠機構を構成する各枠
部材がカメラ本体内より繰り出された際の状態を示す概
略縦断面図であって、撮影光学系の光軸iを中心として
上半部には、固定枠に対して第1の移動枠を相対移動さ
せる第1のねじ軸近傍の構成を示し、また、撮影光学系
の光軸iを中心として下半部には、第1の移動枠に対し
て第2の移動枠を相対移動させる第2のねじ軸近傍の構
成を示している。なお、図7では、図面の煩雑化を避け
るため、上述の第1、第2のねじ軸近傍の構成、および
各移動枠以外の構成部材については、その図示を省略し
ている。
【0039】そして、図8は、上記図6の変形例を示す
要部分解斜視図である。
【0040】まず、図1によって、第1のねじ軸近傍の
構成について以下に説明する。
【0041】図1に示すように、このレンズ枠機構の最
外周側に配置される円筒部材からなる固定枠1は、カメ
ラ本体側の不動部材であるモータ取付板35に対し、ス
ペーサ36を介してネジ37によるねじ止めによって固
着されている。
【0042】モータ取付板35には、駆動手段である、
正逆回転可能な駆動モータ33が取り付けられており、
この駆動モータ33の回転軸にはピニオンギアー34が
固定されている。そして、このピニオンギアー34は、
第1駆動ギアー13(後述する。)と噛合しており、こ
れにより、この第1駆動ギアー13を回転駆動するよう
になっている。
【0043】固定枠1の内周面がわには円筒部材からな
る第1の移動枠2が、この第1の移動枠2の内周面がわ
には円筒部材からなる第2の移動枠3が、この第2の移
動枠3の内周面がわには円筒部材からなる第3の移動枠
4が、この第3の移動枠4の内周面がわには円筒部材か
らなる第4の移動枠5が、それぞれの内周面に外周面を
嵌合させて伸縮自在に配設されている。これにより、各
移動枠2,3,4,5は、固定枠1に対して光軸方向に
支持されている。
【0044】そして、図3に示すように、各移動枠2,
3,4,5には、それぞれの外周面上に、三つの凸部2
a,3a,4a,5aが略等角度位置に配設されてお
り、また、固定枠1および各移動枠2,3,4の内周面
上の上記凸部2a,3a,4a,5aと対向する位置に
は、この凸部2a,3a,4a,5aがそれぞれ嵌合す
る直進溝1b,2b,3b,4bが設けられていて、上
記凸部2a〜5aと上記直進溝1b〜4bとで回動規制
手段および直進ガイド手段を構成している。
【0045】したがって、これによって、固定枠1およ
び各移動枠2,3,4,5は、それぞれ光軸周りへの回
動を阻止されていると共に、第1の移動枠2は固定枠1
によって、第2の移動枠3は第1の移動枠2によって、
第3の移動枠4は第2の移動枠3によって、第4の移動
枠5は第3の移動枠4によって、それぞれ直進方向にガ
イドされている。
【0046】一方、図4に示すように、固定枠1および
各移動枠2,3,4,5の、それぞれの後端部には、例
えばドーナツ板形状からなるベース部材である固定枠ベ
ース6、および第1ベース7、第2ベース8、第3ベー
ス9、第4ベース10が、それぞれ一体的に固定されて
いる。
【0047】すなわち、各枠1,2,3,4,5の後端
部近傍には、それぞれの内向フランジ部1c,2c,3
c,4c,5cが突設されており、この各フランジ部1
c,2c,3c,4c,5cには、光軸方向に穿設され
たネジ孔部が設けられていて、このネジ孔に螺合された
ネジ1d,2d,3d,4d,5dによって固定枠ベー
ス6、および第1ベース7、第2ベース8、第3ベース
9、第4ベース10が、それぞれ各枠に一体的に取り付
けられている。
【0048】このように取り付けられた各ベース部材
6,7,8,9は、各移動枠2,3,4,5を駆動する
各ねじ軸、および各駆動伝達部材等(後述する。図5参
照。)を装着するための部材である。この各ベース部材
6,7,8,9,10は、撮影光学系の光路を遮らない
ように配置されると共に、このレンズ鏡筒内に配設され
る撮影光学系の光学性能に悪影響を与えないようにする
ために、上述したように例えばドーナツ板形状に形成さ
れているものである。
【0049】そして、図1に示すように、固定枠1に一
体的に取り付けられた固定枠ベース6には、固定枠1に
対して第1の移動枠2を相対移動させるための第1のね
じ軸11が、回動自在に光軸と平行に支持されている。
この第1のねじ軸11の、固定枠ベース6を貫通した後
端部であって、固定枠ベース6の後方側(カメラ本体
側)には、伝達手段を構成する第1駆動ギアー13が、
第1止めナット12によって固着されている。
【0050】また、固定枠ベース6と第1ベース7との
間には、第1駆動ギアー13の回転力を第2のねじ軸
(後述する。図2において符号16で示す。)へ伝達す
る伝達手段(回転伝達手段)を構成する第1の回転伝達
手段である第1伝達ギアー14が、第1のねじ軸11上
に配設されている。
【0051】ここで、第1のねじ軸11近傍の構成につ
いて、図6によって説明する。
【0052】図6に示すように、第1のねじ軸11の外
周面上には、ネジ部が設けられていると共に、その外周
部の一部に直進溝11aが設けられている。一方、第1
伝達ギアー14は、二段形状からなり、大径部側の外周
部には平ネジが形成されており、小径筒部側の内周部の
一部には、凸部14aが内方に向けて設けられている。
【0053】他方、第1のねじ軸11の後端部には、駆
動軸部11bが設けられている。この軸部11bは、そ
の断面形状が例えば小判型の形状に形成されていると共
に、その先端部にはネジ軸が設けられている。
【0054】また、上記第1駆動ギアー13のボス部の
嵌合孔は、第1のねじ軸11の駆動軸部11bと同様の
小判型の形状となっており、これにより、この第1駆動
ギアー13が第1のねじ軸11の駆動軸部11bに緊密
に嵌合し、上記ねじ11と一体的に回転するようになっ
ている。そして、第1駆動ギアー13は、第1止めナッ
ト12によって、第1のねじ軸11に固定されるように
なっている。
【0055】また、第1伝達ギアー14は、第1のねじ
軸11の外周面上に摺動自在に嵌合している。この場合
において、第1伝達ギアー14の凸部14aは、第1の
ねじ軸11の直進溝11aと係合するようになってい
る。したがって、第1伝達ギアー14は、第1のねじ軸
11に対して相対的な回転を係止された状態となり、こ
れにより、第1のねじ軸11の回転動作と一体的に回転
するようになっている。これと同時に、第1伝達ギアー
14は、その凸部14aが直進溝11aにガイドされて
光軸方向に摺動自在となっている。
【0056】さらに、図1に示すように、第1ベース7
の前面側(被写体側であり、カメラ本体とは反対側)に
は、第1のねじ部材であり駆動変換手段である第1ナッ
ト15が、ネジ38によって、第1ベース7に固定され
ている。この第1ナット15は、その内周側で第1のね
じ軸11の外周面上のネジ部と螺合するようになってい
る。これにより、第1のねじ軸11の回転駆動力が、第
1の移動枠2の光軸方向移動に変換されることとなる。
【0057】つまり、第1のねじ軸11が回転すること
により、第1ベース7、およびこの第1ベース7が一体
的に固着されている第1の移動枠2が、固定枠1に対し
て光軸方向に相対的にその位置を移動するようになって
いる。
【0058】次に、第1の移動枠2に対して第2の移動
枠3を相対移動させるための第2のねじ軸16近傍の構
成について、図2によって、以下に簡単に説明する。
【0059】図2に示すように、第1の移動枠2に一体
的に固着された第1ベース7には、第1の移動枠2に対
して第2の移動枠3を相対移動させるための第2のねじ
軸16が、上述の第1のねじ軸11と同様に、回動自在
に光軸と平行に支持されている。この第2のねじ軸16
の後端部であって、第1ベース7の後方側(カメラ本体
側)には、第2止めナット17によって、伝達手段を構
成する第2駆動ギアー19が固定されている。
【0060】そして、第1ベース7と第2ベース8との
間には、第2駆動ギアー19の回転力を第3のねじ軸
(詳細は省略する。図5において符号22で示す。)へ
伝達する伝達手段(回転伝達手段)を構成する第2の回
転伝達部材である第2伝達ギアー20が、上述の第1伝
達ギアー14と同様の手段により、第2のねじ軸16に
対して相対的な回転を係止された状態で第2のねじ軸1
6に嵌合している。
【0061】つまり、第2のねじ軸16は、上述の第1
のねじ軸11と同様の形状(図6参照)に形成されてお
り、この第2のねじ軸16には、上述の第1のねじ軸1
1と同様の手段で、第2止めナット17、第2駆動ギア
ー19および第2伝達ギアー20等が配設されている。
【0062】また、第2ベース8には、上述の第1ベー
ス7と同様の手段で、第2のねじ部材であり駆動変換手
段である第2ナット21が、ネジ41によって固定され
ている。そして、この第2ナット21は、その内周側で
第2のねじ軸16のネジ部と螺合しており、これによ
り、第2のねじ軸16の回転駆動力が、第2の移動枠3
の光軸方向移動に変換されることとなる。つまり、第2
のねじ軸16が回転すると、第2ベース8、および、こ
の第2ベース8が一体的に取り付けられている第2の移
動枠3が、第1の移動枠2に対して光軸方向に、相対的
にその位置を移動するようになっている。
【0063】そして、図5に示すように、固定枠ベース
6と第1ベース7との間において、第1伝達ギアー14
と第2駆動ギアー19とが噛合しており、これによっ
て、第1のねじ軸11の回転駆動力が、第2のねじ軸1
6に伝達されるようになっている。
【0064】なお、ここで第1伝達ギアー14と第2駆
動ギアー19とが、直接噛合しているために、第1のね
じ軸11の回転方向と第2のねじ軸16の回転方向は、
それぞれ逆方向となる。したがって、第1の移動枠2と
第2の移動枠3の繰出し方向および繰込み方向が、それ
ぞれ逆方向となってしまう。
【0065】そこで、第1の移動枠2と第2の移動枠3
の繰出し方向および繰込み方向を、それぞれ同方向とす
るために、第1のねじ軸11の外周面上のネジ部と第2
のねじ軸16の外周面上のネジ部とは、互いに逆巻きの
ものを適用している。
【0066】また、図2に示すように、第2止めナット
17と第2駆動ギアー19との間に第2スラスト受け部
材18が挟持されている。この第2スラスト受け部材1
8は、第2駆動ギアー19のスラスト位置、および第1
伝達ギアー14のスラスト位置を規制するものである。
つまり、この第2スラスト受け部材18によって、第1
伝達ギアー14は、第1のねじ軸11上のスラスト位置
で第1ベース7と一体的に固着されている第1の移動枠
2と一体的に移動するようになっている。
【0067】そして、第2駆動ギアー19のスラスト方
向も、第1伝達ギアー14と一体的に移動するので、第
1伝達ギアー14と第2駆動ギアー19との噛合状態
は、常に保持されるようになっている。
【0068】なお、第3のねじ軸22、第4のねじ軸2
8近傍の構成については、上述の第1のねじ軸11、第
2のねじ軸16と同様の機構によって構成されているの
で、図5を参照して、ここにその構成を簡単に説明す
る。
【0069】すなわち、図5に示すように、第1ベース
7と第2ベース8の間において、第2伝達ギアー20と
第3駆動ギアー25とが噛合していることにより、第2
のねじ軸16の回転が第3のねじ軸22に伝達されるよ
うになっている。
【0070】そして、第3止めナット23と第3駆動ギ
アー25との間に第3スラスト受け部材24が挟持され
ており、これにより、第3駆動ギアー25のスラスト位
置、および第2伝達ギアー20のスラスト位置を規制し
ている。
【0071】また、第2ベース8と第3ベース9の間に
おいて、第3伝達ギアー26と第4駆動ギアー31とが
噛合していることにより、第3のねじ軸22の回転が第
4のねじ軸28に伝達されるようになっている。
【0072】そして、第4止めナット29と第4駆動ギ
アー31との間に第4スラスト受け部材30が挟持され
ており、これにより、第4駆動ギアー31のスラスト位
置、および第3伝達ギアー26のスラスト位置を規制し
ている。
【0073】さらに、第3ベース9には、上述の第1ベ
ース7と同様の手段で、第3のねじ部材であり駆動変換
手段である第3ナット27が、ネジ(図示せず)によっ
て固定され、この第3ナット27は、その内周側で第3
のねじ軸22のネジ部と螺合し、これにより、第3のね
じ軸22の回転駆動力を第3の移動枠4の光軸方向移動
に変換している。
【0074】さらにまた、同様に、第4ベース10に
は、上述の第1ベース7と同様の手段で、第4のねじ部
材であり駆動変換手段である第4ナット32が、ネジ
(図示せず)によって固定され、この第4ナット32
は、その内周側で第4のねじ軸28のネジ部と螺合し、
これにより、第4のねじ軸28の回転駆動力を第4の移
動枠5の光軸方向移動に変換している。
【0075】なお、上述したように第1のねじ軸11の
ネジ部と第2のねじ軸16のネジ部とが、互いに逆巻き
のものとしているのと同様に、第3のねじ軸22と第4
のねじ軸28のネジ部は、互いに逆巻きのものとされて
いる。そして、第1のねじ軸11のネジ部と第3のねじ
軸22のネジ部とは、同じ巻き方向であり、第2のねじ
軸16のネジ部と第4のねじ軸28のネジ部とは、同じ
巻き方向となっている。
【0076】ここで、各移動枠の光軸方向移動量に関し
ては、構造上、外径側の移動枠ほど、その移動量を大き
くするのが望ましく、このように構成すれば、全体のレ
ンズ繰出量を大きく取ることができる。なお、各移動枠
の移動量変化については、各ねじ軸のリード量を変化さ
せることによって容易に行なうことができる。
【0077】また、撮影光学系(撮影レンズ群)は、図
面中に示されていないが、最前端側の枠部材である第4
の移動枠5内、もしくは、この第4移動枠5を含む複数
の移動枠内に保持されるようになっている。
【0078】このように構成された上記一実施の形態の
レンズ枠機構の動作について、以下に説明する。
【0079】まず、カメラのレンズ鏡筒を、このレンズ
鏡筒がカメラ本体内に収納されている収納状態から撮影
準備状態あるいは、所定のズーミング状態もしくは合焦
状態まで繰出す場合について説明すると、例えばカメラ
本体側の操作部材等(図示せず)が操作されることによ
って、駆動モータ33が、各レンズ枠を繰出す方向に回
転される。すると、ピニオンギアー34および第1駆動
ギアー13を介して第1のねじ軸11が繰出し方向に回
動する。この第1のねじ軸11が繰出し方向に回動する
と、第1ナット15を介して第1の移動枠2が固定枠1
(カメラ本体)に対して前方に繰り出される。
【0080】このとき、第1のねじ軸11の回転動作に
伴って第1のねじ軸14が回動して、第2駆動ギアー1
9を介して第2のねじ軸16に回転駆動力が伝達され
る。すると、第2のねじ軸16が回転し、これにより、
第2ナット21を介して第2の移動枠3が第1の移動枠
2に対して前方に繰り出される。
【0081】この場合において、駆動モータ33の回転
駆動力が、第1のねじ軸11を介して第2のねじ軸16
に常に伝達されるようにするためには、第1伝達ギアー
14と第2駆動ギアー19との間の噛合状態が、常に保
持されていることが必要となるが、上述したように、第
2スラスト受け部材18によって、第2駆動ギアー19
のスラスト位置と第1伝達ギアー14のスラスト位置と
は、同時に規制されているので、第1伝達ギアー14と
第2駆動ギアー19との噛合状態は常に保持されてい
る。
【0082】そして、同様に、第2のねじ軸16の回転
は、第2伝達ギアー20と第3駆動ギアー25とが噛合
していることにより、第3のねじ軸22に伝達されて、
第3の移動枠4が第2の移動枠3に対して前方に繰り出
される。
【0083】さらに、第3のねじ軸22の回動は、第3
伝達ギアー26と第4駆動ギアー31とが噛合している
ことにより、第4のねじ軸28に伝達されて、第4の移
動枠5が第3の移動枠4に対して前方に繰り出され、図
7に示す状態となる。
【0084】一方、カメラのレンズ鏡筒を、撮影準備状
態あるいは、所定のズーミング状態から、このレンズ鏡
筒がカメラ本体内に収納されている収納状態あるいは、
撮影準備状態まで繰込む場合には、カメラ本体側の操作
部材等が操作されることによって、駆動モータ33が、
各レンズ枠を繰込む方向に回転される。すると、第1〜
第4ねじ軸11,16,22,28は、それぞれ上述の
繰出し時の方向とは逆に回転する。これにより、駆動モ
ータ33の回転駆動力は、上述の繰出し動作と同様の伝
達経路を経て、各移動枠2,3,4,5をそれぞれ繰り
込むこととなる。
【0085】このようにして、上述の一実施の形態のレ
ンズ枠機構においては、駆動モータ33の正逆両回転駆
動力が、第1のねじ軸11、第2のねじ軸16、第3の
ねじ軸22、第4のねじ軸28に順次伝達されて、第1
の移動枠2、第2の移動枠3、第3の移動枠4、第4の
移動枠5の各移動枠を同時に繰出しおよび繰込むことと
なる。
【0086】以上説明したように上記一実施の形態によ
れば、伸縮移動可能なレンズ枠機構において、高変倍比
のズームレンズに対応して多段枠繰出し式(五段繰出し
式)とすることで、カメラ収納時の鏡筒全長を短くする
ことができるので、カメラの薄型化に寄与することがで
きる。
【0087】また、各移動枠2,3,4,5の移動(繰
出し、繰込み動作)を、第1〜第4のねじ軸11,1
6,22,28等によって行なうようにしたので、レン
ズ鏡筒を構成する部材点数を減少させることができ、鏡
筒構造を簡単な構成とすることができると共に、鏡筒外
径の寸法を最小限に抑えることができる。
【0088】なお、上述の一実施の形態における固定部
材である固定枠1は、カメラ本体側の固定部材に対して
ネジによって固定されるようにしているが、これに限ら
ず、固定枠1をカメラ本体側の固定部材と一体的に形成
するようにしてもよい。
【0089】また、この一実施の形態においては、各移
動枠2,3,4,5の凸部2a,3a,4a,5aは、
それぞれ三箇所配設するようにしているが、この凸部に
ついては、各移動枠の互いの回動を規制することができ
るものであればよく、各移動枠の外周面上に少なくとも
一箇所以上配設されておればよいものである。
【0090】さらに、この一実施の形態においては、第
1のねじ軸11と第2のねじ軸16のそれぞれのネジ部
(第3のねじ軸22と第4のねじ軸28のそれぞれのネ
ジ部)は互いに逆巻きのものとしているが、これに限ら
ず、第1の移動枠2と第2の移動枠3(第3の移動枠4
と第4の移動枠5)のそれぞれの繰出し方向および繰込
み方向を、それぞれ同方向とするようにする手段であれ
ばよい。すなわち、例えば第1伝達ギアー14と第2駆
動ギアー19の間(第2伝達ギアー20と第3駆動ギア
ー25の間、第3伝達ギアー26と第4駆動ギアー31
の間)にそれぞれ一つのアイドルギアー等を配設すれ
ば、第1〜第4のねじ軸11,16,22,28の回転
方向は、すべて同方向となる。よって、第1〜第4のね
じ軸11,16,22,28のそれぞれのネジ部を同じ
巻き方向のものとすることができる。
【0091】さらにまた、上述の一実施の形態における
第1のねじ軸11と第1伝達ギアー14については、第
1伝達ギアー14と第1のねじ軸11が摺動自在に嵌合
した状態で、第1伝達ギアー14が第1のねじ軸11に
対して相対的な回転を係止されるようになっておればよ
いので、上述の一実施の形態における形状(図6に示す
形状)に限らず、例えば図8に示すような変形例が考え
られる。
【0092】すなわち、図8に例示するように、第1伝
達ギアー14Aの中心軸孔の形状と第1ネジ11Aの外
形の断面形状とをそれぞれ、例えば小判型形状として形
成して、第1伝達ねじ14Aと第1ネジ11Aとを係合
させるようにしても全く同様である。なお、図8におけ
る、第1の駆動ギアー13および第1止めナット12に
ついては、一実施の形態のもの(図6に示すもの)と同
様の部材である。
【0093】またさらに、上述の一実施の形態において
は、各移動枠の形状を円筒形状としているが、本発明の
レンズ枠機構における各移動枠は、それぞれ相対的に回
転することがなく、光軸方向への伸縮動作を行なうだけ
であるので、各枠の直進ガイドがなされておれば、円筒
形状に限る必要はなく非円筒形状としてもよい。
【0094】したがって、図9、図10、図11に示す
ような変形例が考えられる。すなわち、図9、図10に
示すように、固定枠1A〜5Aおよび各移動枠1B〜5
Bの形状を、例えば楕円形(図9)、長方形(図10)
とすることで、レンズ鏡筒のカメラ収納状態での、カメ
ラ本体内の部材配置の自由度を得ることが可能である。
【0095】また、各移動枠を、図11に示すような前
方後円墳形状として、最内周側の移動枠5Cの内側に各
移動枠1C〜5Cを回転駆動するための各ねじ軸を配置
するスペースを確保し、このスペースに、駆動手段から
の回転駆動力を伝達するための各種部材を集中配置する
ことで、駆動力伝達経路の簡素化を行なうことも可能で
ある。
【0096】以上説明したように上述の各変形例によれ
ば、レンズ鏡筒を構成する各移動枠の外径形状を、一般
的に適用されている円筒形に限らず、異なる形状とする
ことで、カメラ本体内における部材配置の自由度を拡げ
ることできる。
【0097】[付記] (1) 光軸方向に伸縮移動する複数の移動枠と、上記
複数の移動枠の光軸周りの回動を規制する回動規制手段
と、上記移動枠のうちある1つの移動枠に対して少なく
とも他の1つの移動枠を駆動するため、このある1つの
移動枠に回転自在に設けられた第1のねじ軸と、上記第
1のねじ軸に回転駆動力を与える回転駆動手段と、上記
第1のねじ軸の回転駆動力を、上記他の移動枠の光軸方
向移動に変換する駆動変換手段と、上記他の移動枠に回
転自在に設けられた第2のねじ軸と、上記第2のねじ軸
に上記第1のねじ軸の回転力を伝達する回転伝達手段
と、を具備している伸縮移動可能なレンズ枠機構。
【0098】(2) 光軸方向に伸縮移動可能なレンズ
枠機構において、固定枠と、上記固定枠に対して光軸方
向に沿って移動可能に設けられた第1の移動枠と、上記
固定枠に対して光軸方向に沿って移動可能に設けられた
第2の移動枠と、上記第1および第2の移動枠の回動を
阻止し、光軸方向への直進のみを許容する直進ガイド手
段と、上記固定枠に回転可能に光軸と平行に設けられた
第1のねじ軸と、上記第1の移動枠に回転可能に光軸と
平行に設けられた第2のねじ軸と、上記第1の移動枠に
固設され、上記第1のねじ軸と螺合する第1のねじ部材
と、上記第2の移動枠に固設され、上記第1のねじ軸と
螺合する第2のねじ部材と、上記第1のねじ軸と一体的
に回転すると共に、上記第1のねじ軸の光軸方向に摺動
自在に配設されていて、上記第1の移動枠と一緒に光軸
方向に移動し、上記第2のねじ軸に回転力を伝達する回
転伝達手段と、を具備している伸縮移動可能なレンズ枠
機構。
【0099】(3) 付記2に記載の伸縮移動可能なレ
ンズ枠機構において、上記レンズ枠機構は、カメラのレ
ンズ鏡筒の収納状態から撮影準備状態あるいは、所定の
ズーミング状態まで伸縮移動可能なレンズ枠機構であ
る。
【0100】(4) 付記2に記載の伸縮移動可能なレ
ンズ枠機構において、上記レンズ枠機構は、カメラのレ
ンズ鏡筒の収納状態から撮影準備状態あるいは、合焦状
態まで伸縮移動可能なレンズ枠機構である。
【0101】(5) 付記1または付記2に記載の伸縮
移動可能なレンズ枠機構において、上記各移動枠は、非
円筒形状である伸縮移動可能なレンズ枠機構。
【0102】(6) 所定方向に伸縮移動可能な枠機構
において、固定部材と、上記固定部材に対して伸縮方向
に沿って移動可能に設けられた第1の移動枠と、上記固
定部材に対して伸縮方向に沿って移動可能に設けられた
第2の移動枠と、上記固定部材に回転可能に設けられた
第1のねじ軸と、上記第1の移動枠に回転可能に設けら
れた第2のねじ軸と、上記第1のねじ軸の回転力を上記
第2のねじ軸へ伝達する伝達手段と、を具備した伸縮移
動可能な枠機構。
【0103】(7) 光軸方向に伸縮移動可能なカメラ
の鏡筒において、光軸方向に沿って移動可能に設けられ
た第1の移動枠と、光軸方向に沿って移動可能に設けら
れた第2の移動枠と、上記第1および第2の移動枠の光
軸周りの回動を規制する回動規制手段と、カメラに固設
した固定部材に回転可能に設けられた第1のねじ軸と、
上記第1の移動枠に回転可能に設けられた第2のねじ軸
と、上記第1のねじ軸を回転駆動する駆動手段と、上記
第1のねじ軸の回転力を上記第2のねじ軸へ伝達する伝
達手段と、を具備し、上記駆動手段による上記第1のね
じ軸の回転に応じて、上記第1の移動枠を光軸方向へ移
動し、さらに上記伝達手段による上記第2のねじ軸の回
転に応じて、上記第2の移動枠を上記第1の移動枠に対
して光軸方向へ移動するカメラの鏡筒。
【0104】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、高変
倍比のズームレンズに対応した多段枠繰出し式の伸縮移
動可能なレンズ枠機構において、カメラ収納時の鏡筒全
長を短くし、鏡筒外径の寸法を最小限に抑えると共に、
鏡筒を構成する部材点数を減少させてることで、簡単な
構成の伸縮移動可能なレンズ枠機構を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の伸縮移動可能なレンズ
枠機構を示す概略図であって、第1のねじ軸近傍の構成
のみを取り出して示す要部縦断面図。
【図2】本発明の一実施の形態のレンズ枠機構における
第2のねじ軸近傍の構成のみを取り出して示す要部縦断
面図。
【図3】本発明の一実施の形態のレンズ枠機構の各枠部
材が収納状態にある場合における、各枠部材のみを示す
概略正面図。
【図4】本発明の一実施の形態のレンズ枠機構の各枠部
材のズームレンズ鏡筒内での支持状態を示す概略縦断面
図。
【図5】本発明の一実施の形態のレンズ枠機構の各ねじ
軸のズームレンズ鏡筒内での連動状態を示す要部概略断
面図。
【図6】本発明の一実施の形態のレンズ枠機構のねじ
軸、駆動手段および伝達手段のみを取り出して、その組
立構成を示す要部分解斜視図。
【図7】本発明の一実施の形態のレンズ枠機構の各枠部
材が繰出された際の状態を示す概略縦断面図。
【図8】上記図6の変形例を示す要部分解斜視図。
【図9】本発明の一実施の形態の伸縮移動可能なレンズ
枠機構の各枠部材の変形例を示す概略正面図。
【図10】本発明の一実施の形態の伸縮移動可能なレン
ズ枠機構の各枠部材の他の変形例を示す概略正面図。
【図11】本発明の一実施の形態の伸縮移動可能なレン
ズ枠機構の各枠部材の別の変形例を示す概略正面図。
【図12】従来の多段枠繰出し式のズームレンズ鏡筒の
構成を簡単に示す概略縦断面図。
【図13】上記図12のズームレンズ鏡筒における第1
移動枠と駆動枠の外周面側から見た概略展開図。
【図14】上記図12のズームレンズ鏡筒における固定
枠と第1ガイド枠の外周面側から見た概略展開図。
【符号の説明】
1……固定枠(固定部材) 2……第1の移動枠 3……第2の移動枠 4……第3の移動枠 5……第4の移動枠 2a,3a,4a,5a……凸部(回動規制手段、直進
ガイド手段) 1b,2b,3b,4b……直進溝(回動規制手段、直
進ガイド手段) 11……第1のねじ軸 13……第1駆動ギアー(伝達手段) 14……第1伝達ギアー(第1の回転伝達部材;伝達手
段、回転伝達手段) 15……第1ナット(駆動変換手段、第1のねじ部材) 16……第2のねじ軸 19……第2駆動ギアー(伝達手段) 20……第2伝達ギアー(第2の回転伝達部材;伝達手
段、回転伝達手段) 21……第2ナット(駆動変換手段、第2のねじ部材) 33……駆動モータ(駆動手段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光軸方向に伸縮移動可能なレンズ枠機
    構において、 固定部材と、 この固定部材に対して光軸方向に沿って移動可能に設け
    られた第1の移動枠と、 上記固定部材に対して光軸方向に沿って移動可能に設け
    られた第2の移動枠と、 上記第1および第2の移動枠の光軸周りの回動を規制す
    る回動規制手段と、 上記固定部材に回転可能に設けられた第1のねじ軸と、 上記第1の移動枠に回転可能に設けられた第2のねじ軸
    と、 上記第1のねじ軸を回転駆動する駆動手段と、 上記第1のねじ軸の回転力を上記第2のねじ軸へ伝達す
    る伝達手段と、 を具備し、 上記駆動手段による上記第1のねじ軸の回転に応じて、
    上記第1の移動枠を光軸方向へ移動し、さらに上記伝達
    手段による上記第2のねじ軸の回転に応じて、上記第2
    の移動枠を上記第1の移動枠に対して光軸方向へ移動す
    ることを特徴とする伸縮移動可能なレンズ枠機構。
  2. 【請求項2】 光軸方向に伸縮移動可能なレンズ枠機
    構において、 固定部材と、 この固定部材に対して光軸方向に沿って移動可能に設け
    られた第1の移動枠と、 上記固定部材に対して光軸方向に沿って移動可能に設け
    られた第2の移動枠と、 上記第1および第2の移動枠の光軸周りの回動を規制す
    る回動規制手段と、 上記固定部材に回転可能に設けられた第1のねじ軸と、 上記第1の移動枠に回転可能に設けられた第2のねじ軸
    と、 上記第1の移動枠に固設され、上記第1のねじ軸と螺合
    する第1のねじ部材と、 上記第2の移動枠に固設され、上記第1のねじ軸と螺合
    する第2のねじ部材と、 上記第1のねじ軸と一体的に回転すると共に、上記第1
    のねじ軸の光軸方向に摺動自在に配設されていて、上記
    第1の移動枠と一緒に光軸方向に移動しつつ回転するよ
    うに支持され、上記第1のねじ軸の回転力を上記第2の
    ねじ軸に伝達する回転伝達手段と、 を具備し、 上記第1のねじ軸の回転に応じて、上記第1の移動枠
    は、上記第1のねじ部材を介して光軸方向へ移動し、さ
    らに上記第2の移動枠は、上記第2のねじ軸および上記
    第2のねじ部材により光軸方向へ移動することを特徴と
    する伸縮移動可能なレンズ枠機構。
  3. 【請求項3】 上記回転伝達手段は、上記第1のねじ
    軸に光軸方向に摺動自在であると共に一体的に回転する
    よう、上記第1のねじ軸と係合した第1の回転伝達部材
    と、上記第2のねじ軸と一体的に回転するよう設けられ
    た第2の回転伝達部材とを有していて、上記第1および
    第2の回転伝達部材は、上記第1の移動枠の光軸方向移
    動に追従して一緒に移動することを特徴とする請求項2
    に記載の伸縮移動可能なレンズ枠機構。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006106342A (ja) * 2004-10-05 2006-04-20 Canon Inc レンズ移動支持装置
US7292391B2 (en) 2003-12-15 2007-11-06 Seiko Epson Corporation Method of manufacturing a lens substrate with straight light control portions, a lens substrate with straight light control portions, a transmission screen and a rear projection

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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