JP5163385B2 - レンズ鏡筒およびカメラ - Google Patents

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Description

本発明は、一方の形態ではレンズ群を沈胴してコンパクトに収納し、他方の形態ではレンズ群を所定位置まで繰り出して使用するレンズ鏡筒およびこのレンズ鏡筒を用いたカメラに関するもので、特に、複数のレンズ群を相対的に移動させて焦点距離を変更することができるズームレンズに好適なものである。
デジタルカメラ等の撮像装置においては、撮影レンズとして焦点距離を連続的に変更可能なズームレンズが広く用いられている。撮影レンズに関しては、高性能化および小型化が要求され、この要求を満たすために、撮影時以外はレンズ鏡筒が撮像装置本体内に収納される、いわゆる沈胴式の撮影レンズを用いるものが増加している。さらには、単なる小型化ではなく、より一層の薄型化の要求により、沈胴して収納した状態でのレンズ鏡胴部分の厚み寸法を極限にまで減らすことが重要となってきている。
このような撮像装置の薄型化の要求に対処する技術として、撮影時以外にレンズ鏡筒が撮像装置本体に収納される沈胴式の構成を備えながら、レンズ鏡筒の沈胴収納時に一部のレンズが光軸外に退避するように構成した技術がある(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。これら特許文献1および特許文献2に開示された発明によれば、レンズ鏡筒の収納時に、レンズの一部が光軸上から退避するため、レンズ全体の光軸方向の寸法を小さくすることができ、撮像装置の厚みを薄くすることができる。
また、特許文献3には、レンズ鏡筒の沈胴収納時に光軸外に退避するレンズが、光軸に対する進退すなわち光軸に対し直交する方向に移動し、かつ光軸上で進退するようにしたレンズ鏡胴が記載されている。特許文献3に記載されている実施例の一つは、リードスクリューの駆動力を押圧レバーに作動させ、押圧レバーの回転により、退避レンズである第3レンズの保持円筒部分を、その外側保持部分に対して光軸方向に移動させ、外側保持部分は3レンズの保持円筒部分とともに光軸上に進出させまた光軸外に退避させるようになっている。他の実施例は、ステッピングモータの駆動力により第3レンズ(退避レンズ)保持部を第3レンズ保持アーム部に対して光軸方向に進退させ、第3レンズ保持アーム部は第3レンズ保持部とともに光軸上に進出させまた光軸外に退避させるようになっている。
特許文献3記載の発明によれば、退避レンズが単に光軸上に進出しまた光軸外に退避するのみでなく、光軸上に進出した状態で光軸方向にも進退するため、コンパクトながら変倍率を大きくすることができる利点がある。
特開2006−337695号公報 特開2006−039373号公報 特開2008−090201号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2に開示されている構成では、光軸上から退避するレンズの位置は、実質的にレンズ鏡筒の最大外径の内側である。このため、これらのレンズ鏡筒は、光軸上からレンズが退避することができるものと比較すると、レンズ鏡筒の光軸方向の寸法が増大するため、レンズ鏡筒の大きさ、特に光軸方向の寸法が大きくなり、結果として撮像装置の大きさ、特に前後方向の寸法が、大きくなってしまうという問題がある。
また、従来の退避レンズを備えたレンズ鏡筒において、退避レンズは一つの移動枠上または固定部材上を光軸に直交する方向に回転するだけであるから、退避レンズの光軸方向の移動距離を大きくすることができず、ズームレンズの場合変倍比を大きくすることができないという構造上の限界がある。
さらに、特許文献3記載の発明によれば、退避レンズを光軸上に進出させまた光軸外に退避させる動作と光軸上において進退させる動作を、一つの駆動源ないしは駆動機構、より具体的にはステッピングモータとこれによって駆動されるリードスクリューで行うようになっているため、リードスクリューによる駆動ストロークが長くなり、レンズ鏡胴のコンパクト化を図るためにはさらに工夫する必要がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、沈胴時に光軸外に退避するレンズを保持した退避レンズ移動枠を複数に分割し、この複数の退避レンズ移動部材を広角端から望遠端まで相対移動可能に連結させることにより、1つの退避レンズ移動枠の移動量を減らし、収納時のレンズ鏡筒の厚みを薄くすることを主な目的としている。以下、各請求項に係る発明に対応した目的を記す。
本発明は、退避レンズ保持枠を保持する第1の移動部材と、第1の移動部材を保持する第2の移動部材に分けることで、1つの移動部材の移動量を減らし、収納時のレンズ鏡筒の厚みを薄くすることを目的としている。
他の請求項に係る発明は、第1の移動部材を第2の移動部材上に設けられた作動機構によって相対移動するように構成することによって、第2の移動部材の移動量を減らし、収納時のレンズ鏡筒の厚みを薄くすることを目的としている。
他の請求項に係る発明は、複数のレンズ群の少なくとも一部を沈胴させた沈胴状態と対物側に移動させた撮影状態との間で駆動させる機構から駆動力を受けて第2の移動部材上に設けられた作動機構を作動させることにより、退避レンズ移動部材の相対移動のためのアクチュエータを別に設ける必要がなく、レンズ鏡筒の省電力化、省スペース化を図ることを目的としている。
さらに他の請求項に係る発明は、広角端付近から望遠端まで第1の移動部材を駆動することで第1の移動部材の移動量を減らし、収納時のレンズ鏡筒の厚みを薄くすることを目的としている。
さらに他の請求項に係る発明は、作動機構をギヤとカム部材で構成することで、ズーム時の第1の移動部材の移動量の制御を容易にし、良好な画像を得ることができるレンズ鏡筒を提供することを目的としている。
さらに他の請求項に係る発明は、複数のギヤの少なくとも1つにフリクションを持たせることで、駆動力を受けない状態でも機構の作動位置を安定に保持させることを目的としている。
さらに他の請求項に係る発明は、引っ張りバネまたは圧縮バネからなる付勢部材を第1の移動部材と第2の移動部材の間に設けることで、第2の移動部材に対して第1の移動部材および退避レンズの位置を安定に保持させることができ、良好な画像を得ることができるレンズ鏡筒を提供することを目的としている。
さらに他の請求項に係る発明は、第2の移動部材が広角端付近から望遠端までの間では移動しないように構成することで、退避レンズを省電力で容易に制御することができるようにすることを目的としている。
さらに他の請求項に係る発明は、複数の退避レンズ移動部材を広角端から望遠端まで相対移動可能にすることで、1つの退避レンズ移動枠の移動量を減らし、収納時のレンズ鏡筒の厚みを薄くすることを目的としている。
本発明は、複数のレンズ群をレンズ群毎に保持する複数のレンズ保持枠と、前記レンズ保持枠を内部に保持し回転筒を含む可動筒と、前記回転筒を回転駆動することにより複数のレンズ群の少なくとも一部を沈胴させた沈胴状態と前記複数のレンズ群の少なくとも一部を対物側に移動させかつ撮影可能な撮影状態との間で前記レンズ保持枠を駆動するレンズ保持枠駆動部と、を備えたレンズ鏡筒であって、前記撮影状態では前記可動筒の内径よりも内側の前記複数のレンズ群の光軸上に位置し前記沈胴状態では前記可動筒の内径よりも外側の退避位置に退避する少なくとも1つの退避レンズと、前記退避レンズを保持する退避レンズ保持枠と、前記退避レンズ保持枠を保持して移動させる退避レンズ移動部材と、前記退避レンズが前記退避位置と前記光軸上の位置との間で移動するよう前記退避レンズ移動部材を移動させ、かつ、前記退避レンズ移動部材を前記光軸方向に移動させる退避レンズ駆動部と、を備え、前記退避レンズ移動部材は、前記退避レンズ保持枠を保持する第1の移動部材と、前記第1の移動部材を保持する第2の移動部材を含み、前記第1の移動部材と前記第2の移動部材は、前記退避レンズが前記退避位置と前記光軸上の所定位置との間で移動する場合には一体として移動し、前記退避レンズが前記光軸上撮影可能な領域内で移動する場合には前記回転筒の回転により前記第1の移動部材が駆動され前記第1の移動部材と前記第2の移動部材は前記光軸方向に相対的に移動するように連結されていることを最も主要な特徴とする。
回転筒は、退避レンズ保持枠が光軸上の所定位置まで進出した態様で第1の移動部材を光軸方向に進退させるための駆動力を伝達するギヤを有する構成にするとよい。
前記第1の移動部材は、前記第2の移動部材に設けられていて回転筒のギヤから駆動力が伝達されることにより作動する作動機構によって、前記第2の移動部材に対し光軸方向に進退させられるように構成するとよい。
前記第2の移動部材に設けられた作動機構は、前記レンズ保持枠駆動からの駆動力を受けて作動するように構成するとよい。
前記レンズ保持枠駆動は、沈胴状態から撮影開始端付近までは前記作動機構に駆動力を伝達せず、撮影可能な範囲では前記作動機構に駆動力を伝達するように構成するとよい。
前記撮影開始端は広角端であり、広角端から望遠端までの範囲で前記レンズ保持枠駆動が前記作動機構に駆動力を伝達するように構成するとよい。
前記第2の移動部材に設けられた作動機構は、複数のギヤ、カム部材、カムフォロア、付勢部材で構成するとよい。
前記複数のギヤの少なくとも1つは、前記第2の移動部材との間に、第2の移動部材を光軸方向の一方向に付勢する付勢部材を有する構成とするとよい。
前記付勢部材は引張りバネまたは圧縮バネで構成するとよい。
前記第2の移動部材は、沈胴状態から撮影開始端付近までは移動するが、撮影可能な範囲では移動しないように構成するとよい。
本発明に係るカメラは、撮影レンズとして前記本発明に係るレンズ鏡筒を備えていることを特徴とする。
前記本発明に係るカメラは、撮影レンズ鏡筒と、この撮影レンズ鏡筒が備えるレンズ群による結像位置に配置された撮像素子を備えたデジタル方式のカメラであって、前記撮影レンズ鏡筒は前記本発明に係るレンズ鏡筒であることを特徴とする。
本発明によれば、複数の退避レンズ移動部材を広角端から望遠端まで相対移動可能にすることで、1つの退避レンズ移動枠の移動量を減らし、収納時のレンズ鏡筒の厚みを薄くすることができる。
以下、各請求項に係る発明ごとにその効果を記す。
本発明によれば、退避レンズ保持枠を、保持する第1の移動部材と、第1の移動部材を保持する第2の移動部材に分けることで、1つの退避レンズ移動部材の移動量を減らし、収納時のレンズ鏡筒の厚みを薄くすることができる。
本発明によれば、第1の移動部材を第2のズ移動部材上に設けられた作動機構によって相対移動することによって、第2の移動部材の移動量を減らし、収納時のレンズ鏡筒の厚みを薄くすることができる。
本発明によれば、複数のレンズ群の少なくとも一部を沈胴させた沈胴状態と対物側に移動させた撮影状態との間で駆動させる機構から駆動力を受けて第2の移動部材上に設けられた作動機構を作動させるように構成したことで、退避レンズ移動部材の相対移動のためのアクチュエータを特別に設ける必要がなく、レンズ鏡筒の省電力化、省スペース化を図ることができる。
本発明によれば、広角端付近から望遠端まで第1の移動部材を駆動することにより、第1の移動部材の移動量を減らし、収納時のレンズ鏡筒の厚みを薄くすることができる。
本発明によれば、作動機構をギヤとカム部材で構成することで、ズーム時の第1の移動部材の移動量の制御を容易にし、良好な画像を得ることができる。
本発明によれば、複数のギヤの少なくとも1つにフリクションを持たせることで、駆動力を受けない状態でも機構の作動位置を安定させることができる。
本発明によれば、引っ張りバネまたは圧縮バネからなる付勢部材を第1の移動部材と第2の移動部材の間に設けることで、第2の移動部材に対して第1の移動部材および退避レンズの位置を安定に保持することができ、良好な画像を得ることができる。
本発明によれば、第2の移動部材が広角端付近から望遠端の間では移動しないように構成することで、退避レンズを省電力で容易に制御することができる。
本発明に係るカメラによれば、複数の退避レンズ移動部材を広角端から望遠端まで相対移動可能にすることで、1つの移動枠の移動量を減らし、収納時のレンズ鏡筒の厚み、したがってカメラの厚みを薄くすることができる。
以下、本発明に係るレンズ鏡筒およびカメラの実施例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1ないし図4はいずれもレンズ鏡筒を示している。図1は沈胴状態を、図2は撮影状態を示す斜視図である。図3は沈胴部分の分解斜視図、図4は固定枠を除去した状態での沈胴状態を示す斜視図である。
図1乃至図4において、符号17はレンズ鏡筒のベース部材を示しており、このベース部材17は固定筒10を備えている。固定筒10の内周側には大回転筒15が嵌められている。図3に示すように、大回転筒15の内周側にはその後端側(図において右端側)から円筒形状の大直進ガイド16が嵌められている。固定筒10の内周面には比較的ピッチの大きい雌型のヘリコイド103が形成されるとともに、中心軸線と平行に直進溝101が複数個所に形成されている。上記ヘリコイド103には、大回転筒15の後端部外周に突出して形成された雄型のヘリコイド153が嵌っている。上記ヘリコイド153は、図3に示すように、極短い突形のヘリコイドで、大回転筒15の周方向の複数個所に形成されている。
大回転筒15の後端部外周には、ヘリコイド153に隣接してラック151が形成されている。このラック151には、モータによって回転駆動される図示されないピニオンが噛み合っている。したがって、上記ピニオンがモータによって回転駆動されると、ヘリコイド153がヘリコイド103に案内されることにより大回転筒15が固定筒10内において中心軸線周りに回転しながら中心軸線方向(以下「光軸方向」という)前後に移動するようになっている。上記ピニオンは、大回転筒15が前後に移動してもラック151との噛み合いが外れないように軸方向の寸法が長くなっている。
大直進ガイド16は後端部に半径方向外側に向かって突出した複数個の突起165を有していて、これらの突起165は固定筒10の直進溝101に嵌まっている。したがって、大直進ガイド16は直進溝101にガイドされて中心軸線方向に直進移動することができる。大回転筒15の内周面には、直進溝152が複数本、それぞれ光軸と平行に形成されている。上記各直進溝152は大回転筒15の前端部において周方向に形成された溝に連続している。大直進ガイド16の前端部外周面には上記直進溝152に対応する数の突起164が形成されている。これらの突起164は上記各直進溝152に沿って挿入されたあと、大回転筒15と大直進ガイド16が中心軸線周りに相対回転させられることにより、各突起164が直進溝152に続く上記周方向の溝に嵌まっている。したがって、大直進ガイド16は、上記各突起164が上記周方向の溝に嵌まることによって、大回転筒15と一体的に中心軸線方向に移動するようになっており、また、中心軸線周りには大回転筒15に対して相対回転可能になっている。大直進ガイド16の前端部内周面には雌型のヘリコイド163が形成されている。
大直進ガイド16を第1の回転筒とすると、この第1の回転筒である大直進ガイド16の内周側には第2の回転筒である小回転筒12が嵌められている。小回転筒12の後端部外周面には雄型のヘリコイド121が形成され、このヘリコイド121形成部の一部に適宜数の円柱状のピン123が立てられている。図2に示すように、上記ヘリコイド121は大直進ガイド16のヘリコイド163と噛み合い、上記ピン123は、大直進ガイド16の周壁に形成された逃げ溝166を貫通して大回転筒15の直進溝152に嵌まっている。したがって、大回転筒15が光軸周りに回転すると、この回転力が直進溝152からピン123に伝えられ、小回転筒12が大回転筒15とともに光軸周りに回転するようになっている。大直進ガイド16に対して小回転筒12が回転することにより、上記ヘリコイド121と大直進ガイド16のヘリコイド163との噛み合いによって小回転筒12が光軸方向に進退するようになっている。上記ピン123は、小回転筒12の回転によりヘリコイド121とヘリコイド163とのピッチに対応して回転しつつ移動するので、ピン123が大直進ガイド16と干渉しないように、上記逃げ溝166は、ヘリコイド121およびヘリコイド163のピッチと同じピッチで、かつ、上記ピン123から離間するようにピン123の直径よりいくらか幅広に形成されている。
小回転筒12の内周面には適宜数のカム溝124が形成されている。小回転筒12の内周側には第1レンズ群1を保持したリング状の第1レンズ枠11が嵌められている。レンズ枠11の後端部外周にはピン状のカムフォロワ111が適宜数立てられていて、それぞれのカムフォロワ111は上記カム溝124に嵌まっている。レンズ枠11の内周側には円筒形の小直進ガイド13が嵌められている。小直進ガイド13の後端部外周の対蹠位置には2つのガイド突起131,132が半径方向外方に突出して形成されている。これらのガイド突起131,132は、大直進ガイド16の内周面に形成された光軸方向の直進溝167,168に嵌まっている。したがって、小直進ガイド13は大直進ガイド16に対しては光軸方向に相対移動可能であるが、大直進ガイド16と同様に光軸周りに回転することはできない。
小直進ガイド13の外周面には適宜数の直進溝133が光軸と平行に形成されている。レンズ保持枠11の内周面側には上記直進溝133に嵌り合う図示されない突起が形成されている。したがって、レンズ保持枠11は小直進ガイド13に対し光軸方向に相対移動可能になっている。また、小回転筒12が光軸周りに回転すると、そのカム溝124に対するレンズ保持筒11のカムフォロワ111の嵌合位置が連続的に変動し、レンズ保持筒11がカム溝124の側壁に押されて光軸方向に移動するようになっている。レンズ保持筒11の前端には、不使用時にレンズ前面を塞いでレンズを保護するバリヤユニット18が固定されている。
小直進ガイド13の内周側にはカム筒14が嵌められている。カム筒14の後端には一対の突起141が半径方向外側に突出して形成されている。これらの突起141は、小回転筒12の後端に形成されている切り込み(図示されず)に嵌まっていて、カム筒14は小回転筒12と一体的に光軸周りに回転し、また、光軸方向に移動可能となっている。カム筒14には光軸方向前側にカム溝142が、光軸方向後ろ側にカム溝143が形成されている。カム筒14の内周側には、前側に第2レンズ枠21が、後ろ側にシャッタユニット31がそれぞれ相対回転可能に、かつ、光軸方向に相対移動可能に嵌められている。第2レンズ枠21は第2レンズ群2を保持している。第2レンズ枠21の外周には適宜数のピン状のカムフォロワ211が立てられ、シャッタユニット31の外周には適宜数のピン状のカムフォロワ311が立てられている。第2レンズ枠21のカムフォロワ211はカム筒14のカム溝142を貫通し、さらに、小直進ガイド13の内周面に形成されている直進溝に嵌まっている。したがって、カム筒14が回転すると、カムフォロワ211が嵌まっている上記カム溝142と小直進ガイド13の直進溝との交差位置が光軸方向に移動し、第2レンズ枠21が光軸方向に移動するように構成されている。シャッタユニット31のカムフォロワ311はカム筒14のカム溝143を貫通し、さらに、小直進ガイド13の内周面に形成されている直進溝に嵌まっている。したがって、カム筒14が回転すると、カムフォロワ311が嵌まっている上記カム溝143と小直進ガイド13の上記直進溝との交差位置が光軸方向に移動し、シャッタユニット31が光軸方向に移動するように構成されている。
ここまで説明してきたレンズ鏡筒は、沈胴式のズームレンズを構成している。そこで、収納状態から、各部材をベース部材17から撮影可能な状態まで繰り出す動作、さらに、撮影可能な状態におけるワイド位置(広角端)からテレ位置(望遠端)までの間の動作について説明しておく。
前述のモータの駆動によって大回転筒15が回転駆動されると、大回転筒15はそのヘリコイド153が固定筒10のヘリコイド103にリードされて光軸方向に移動する。大回転筒15の内周側に嵌められている大直進ガイド16は、突起165が固定筒10の直進溝101に嵌まっているため、また、前述のとおり光軸方向には大回転筒15と一体であるから、光軸周りに回転することなく大回転筒15の光軸方向への移動と共に光軸方向に移動する。大回転筒15の内周面に形成されている直進溝152には、小回転筒12に立てられ、かつ、大直進ガイド16の逃げ孔166を貫通しているピン123が嵌まっているため、大回転筒15が回転することによりこの回転力が小回転筒12に伝達され、小回転筒12も光軸周りに回転する。小回転筒12が回転すると、そのヘリコイド121と大直進ガイド16のヘリコイド163との噛み合いにより小回転筒12は光軸方向に進退する。
小回転筒12の内周側には、第1レンズ枠11、小直進ガイド13、カム筒14がこの順に嵌められている。カム筒14は小回転筒12に実質的に一体に結合されている。小直進ガイド13は、そのガイド突起131,132が大直進ガイド16の直進溝167,168に嵌まることにより、大直進ガイド16に対して光軸方向に直進することができるが、光軸周りに回転することはできない。小回転筒12が光軸周りに回転すると、カムフォロワ111が小回転筒12のカム溝124に嵌まり、かつ、小直進ガイド13の直進溝133で回転止めがなされている第1レンズ枠11が、カム溝124によって光軸方向に移動させられる。
また、小回転筒12と共にカム筒14が回転すると、そのカム溝142を貫通しかつ小直進ガイド13の前記直進溝に嵌まっている第2レンズ枠21のカムフォロワ211が光軸方向に移動し、これと共に第2レンズ枠21が光軸方向に移動する。同様に、カム溝143を貫通しかつ小直進ガイド13の直進溝136に嵌まるシャッタユニット31のカムフォロワ311が光軸方向に移動し、これと共にシャッタユニット31が光軸方向に移動する。
図1、図4は、固定枠10を除く他の部材が固定枠10の方に向かって後退し、第1レンズ保持筒11、小回転筒12、大回転筒15の前端面がほぼ同一面をなしてコンパクトに収納された状態を示している。この収納状態では、バリヤユニット18がバリヤを閉じ、レンズを保護している。この実施例におけるレンズ構成は、前述の第1レンズ群1と第2レンズ群2のほかに、第3レンズ群、さらには第4レンズ群を備えているが、上記収納状態では、第3レンズ群、第4レンズ群は光軸外に退避して、レンズ鏡胴およびこのレンズ鏡胴を備えたカメラなどのコンパクト化に寄与する構成になっている。このレンズ群の光軸外への退避および光軸上への進入機構(以下「進退機構」という)の詳細は後で説明する。
上記収納状態から撮影可能な状態にすべくモータが起動されると、モータの回転力がラック151に伝達されて大回転筒15が回転駆動される。大回転筒15はその回転によりヘリコイド153が固定筒10のヘリコイド103にリードされて光軸方向前方に繰り出し、大直進ガイド16も光軸方向前方に直進する。大回転筒15の回転により小回転筒12も前述のとおり光軸周りに回転し、小回転筒12はそのヘリコイド121と大直進ガイド16のヘリコイド163との噛み合いにより光軸方向前方に繰り出す。また、小回転筒12と一体的にカム筒14も回転しながら光軸方向に繰り出し、小回転筒12の光軸方向への繰り出しに伴って小直進ガイド13が光軸方向前方に向かって直進する。小回転筒12が光軸周りに回転しながら光軸方向に繰り出すことにより第1レンズ枠11が光軸方向に繰り出す。カム筒14が回転しながら光軸方向に繰り出すことにより、そのカム溝142,143の側壁が第2レンズ枠21、シャッタユニット31のカムフォロワ211,311を押し、第2レンズ枠21およびシャッタユニット31を光軸方向に繰り出す。図5、図6は、このようにして、第1レンズ群1、第2レンズ群2が光軸方向に繰り出し、また、第3レンズ群、第4レンズ群が光軸上に進出して撮影可能な態勢に至った状態を示している。図2はこのときの外観を示しており、バリヤユニット18がバリヤを開いている。
図5、図6に示す各レンズ群の位置は、撮影可能な最も短い焦点距離位置すなわち広角端の位置である。この位置においてたとえばズームボタンを望遠側に操作すると、前記モータはさらに同じ向きに回転し、大回転筒15を収納状態から撮影可能な状態にするときの回転の向きと同じ向きに回転させる。これにより第1レンズ群1、第2レンズ群2はさらに光軸方向前方に繰り出し、第3レンズ群、さらに第4レンズ群が存在する場合は第4レンズ群も適宜光軸方向に進退し、図7、図8に示すような、撮影可能な最も長い焦点距離位置すなわち望遠端に至る。望遠端から広角端に向かう動作は、ズームボタンを広角側に操作し、上記モータを逆転させて大回転筒15を逆転させ、上記各レンズ群1〜4を逆向きに移動させることによって行う。
以上説明したレンズ駆動機構によれば、多くの筒状の部材を相互に光軸方向に進退させ、かつ相対回転させることにより、多くのレンズ群に複雑な動きをさせることによって、収納時の形態をコンパクトにするとともに、撮影可能範囲での変倍率を大きくすることを可能にしている。
次に、前記第2レンズ群2よりも後ろ側に配置されている第3レンズ群または第4レンズ群の移動機構について説明する。第3レンズ群または第4レンズ群は、その保持枠が、沈胴状態で可動筒例えば大回転筒15の内径よりも外側に退避させるように構成されている。ここでは、説明をわかりやすくするために、第3レンズ群3が可動筒の内径よりも外側に退避するように構成されているものとして説明する。
図4ないし図21において、第3レンズ群3は、第1、第2レンズ群1,2の光軸上に進出しまた光軸外に退避する退避レンズとなっていて、退避レンズ保持枠38に保持されている。退避レンズ保持枠38は、退避レンズ移動部材を構成する第1の移動部材40の先端部に一体に形成されている。退避レンズ移動部材は上記第1の移動部材40とこれに連結されている第2の移動部材50を有してなる。第2の移動部材50は、その基部が軸51にこの軸51を中心にして回転可能に取り付けられている。軸51は支持基板20に固定されて各レンズの光軸と平行に延び出ている。したがって、第2の移動部材50は各レンズ光軸に直交する面内において回転することができる。また、第2の移動部材50は軸51に沿って光軸方向に移動することができる。
図9、図10に示すように、第2の移動部材50の先端部にはボックス型の軸支部24が一体に形成されていて、この軸支部24内にはガイド主軸42、ガイド副軸32、軸44がいずれもレンズ光軸と平行に固定されている。ガイド主軸42は第1の移動部材40の基部に設けられているガイド孔を貫通し、ガイド副軸32は第1の移動部材40の基部に設けられているガイド溝を貫通している。したがって、第1の移動部材40はこれらのガイド軸42,32にガイドされて、第2の移動部材50に対し光軸方向に相対移動可能に連結され、第2の移動部材50が軸51を中心に回転するときは第1の移動部材40と一体的に回転するようになっている。ただし、上記軸支部24と第1の移動部材40の基部との間には反発コイルばね36(図11ないし図14参照)が介在し、第2の移動部材50に対し第1の移動部材40を光軸方向前方(被写体ないしは物体側)に向かって付勢し、第2の移動部材50と第1の移動部材40の間にフリクションを与えている。
上記軸44にはカム筒33が回転可能に嵌められている。カム筒33の外周には螺旋状のカム溝が形成され、このカム溝には第1の移動部材40の基部に形成された突起状のカムフォロワが係合している。したがって、カム筒33が回転すると上記カム溝に案内されて第1の移動部材40が光軸方向に移動するようになっている。反発コイルばね36は、上記カムフォロワをカム溝の一方の壁面に押し付けて第1の移動部材40ががたつかないようにしている。
上記カム筒33の基部外周にはギヤが形成され、このギヤはアイドルギヤ35と噛み合い、アイドルギヤ35はピニオン34と噛み合っている(図10、図12、図20、図21参照)。アイドルギヤ35とピニオン34は第2の移動部材50に取り付けられている。第2の移動部材50は、前述の通り、第1の移動部材40とともに軸51を中心に回転して、第3レンズ群3を第1、第2レンズ群1,2の光軸上に進出させることができ、この進出状態において、後述の退避レンズ駆動機構によって第1の移動部材40とともに光軸方向前方に向かって進出させることもできる。このようにして第2の移動部材50が光軸方向前方に向かって移動し、かつ、軸51を中心に回転することにより、上記ピニオン34が前記大回転筒15の後端部からその内方に進入する。
図15、図17、図18に示すように、大回転筒15の後端部内周にはギヤ15aが形成されていて、第2の移動部材50の回転によるピニオン34の移動通路上に上記ギヤ15aが位置するように構成されている。すなわち、前記軸51を中心に第2の移動部材50と一体的に第1の移動部材40が回転して第3レンズ群3が第1、第2レンズ群1,2の光軸上に進出しかつ光軸方向前方に進出した状態において、ピニオン34が上記ギヤ15aに噛み合うように、各部の寸法が設計されている。
図4は、退避レンズ保持枠38とともに第3レンズ群3が可動筒である大回転筒15の内径よりも外側に退避した動作態様を示しており、この動作態様では、ピニオン34と上記ギヤ15aとの噛み合いが外れている。第2の移動部材50に設けられているピニオン34、アイドルギヤ35を含む複数のギヤと、カム部材すなわちカム筒33と、第1の移動部材40のカムフォロワと、付勢部材である反発コイルばね36によって、第1の移動部材40を第2の移動部材50に対し相対移動させる作動機構を構成している。
次に、上記第1、第2の移動部材40,50からなる退避レンズ移動部材を一体として光軸上から光軸外に進退させかつ光軸方向に進退させる退避レンズ駆動機構について説明する。図4ないし図8において、前記支持基板20には駆動源としてのモータ25、ギヤ26、リードスクリュー28などが取り付けられ、モータ25の回転力がギヤ26などを介してリードスクリュー28に伝達されるようになっている。支持基板20との間に適宜の間隔をおきかつ支持基板20と平行に補助基板201が適宜の固定部材に固定されていて、支持基板20と補助基板201でリードスクリュー28が回転可能に支持されかつ前記軸51が支持されている。リードスクリュー28には雌ねじ部材27(図4、図8参照)がねじ込まれている。雌ねじ部材27は適宜の周り止めによって回転が阻止されていて、リードスクリュー28が回転駆動されると、リードスクリュー28にリードされて光軸と平行な方向に進退するようになっている。
前記第2の移動部材50を回転自在にかつ光軸方向に移動可能に支持する前記軸51の外周には圧縮コイルばね29(図4参照)が挿入されている。圧縮コイルばね29は、補助基板201と第2の移動部材50の基部との間に介在することにより、第2の移動部材50を光軸方向において後退させる向きに付勢するとともに、第1の移動部材40、退避レンズ保持枠38および第3レンズ群3を一体として、第3レンズ群3が第1、第2レンズ群1,2の光軸上に進出する向きに回転付勢している。図4に示す動作態様では、第2の移動部材50が圧縮コイルばね29の光軸方向への付勢力によって光軸方向の限界位置まで後退し、圧縮コイルばね29の回転方向への付勢力に抗して軸51の周りに回転させられ、第3レンズ群3が大回転筒15の外周面よりも外側に退避している。
図9、図11、図19において、第2の移動部材50の基部には円筒状の軸受け部501が一体に形成され、この軸受け部501の外側をほぼ半周にわたって囲むカム形成部502が一体に形成されている。図19に示すように、カム形成部502の外周面には、この外周面を斜めに横切るような形で段状にカム面503が形成されている。前記雌ねじ部材27は、その一部が突出していて、この突出部が上記カム面503に前記圧縮コイルばね29(図4参照)の付勢力によって圧接している。
図4に示す動作態様において、前記モータ25の駆動によってリードスクリュー28が所定の向きに回転駆動されると、雌ねじ部材27がリードスクリュー28に案内されて光軸と平行な方向に移動する。この雌ねじ部材27の移動により、雌ねじ部材27の上記突出部と、上記第2の移動部材50のカム面503との光軸方向の相対関係が変化する。モータ25によって雌ねじ部材27の上記突出部が上記第2の移動部材50のカム面503から逃げる向きに駆動されるときは、第2の移動部材50が圧縮コイルばね29の付勢力によって回転し、第2の移動部材50とともに第1の移動部材40が回転して第3レンズ群3が第1、第2レンズ群1,2の光軸上に進出するようになっている。モータ25が逆向きに回転駆動されると、雌ねじ部材27の上記突出部が上記第2の移動部材50のカム面503を押圧し、カム面503に生じる分力によって、第2の移動部材50は圧縮コイルばね29の回転付勢力に抗して回転し、第3レンズ群3が第1、第2レンズ群1,2の光軸外に退避するようになっている。また、雌ねじ部材27の上記突出部と第2の移動部材50のカム面503との当接位置に応じて、第2の移動部材50の光軸方向の位置、したがって第3レンズ群3の光軸方向の位置も連続的に変化するようになっている。
図4に示す第3レンズ群3の退避位置から、モータ25の駆動によって第2の移動部材50が軸51を中心にして回転しかつ光軸方向に前進する過程で、第2の移動部材50に設けられているピニオン34が図15に示すように大回転筒15の内方に侵入する。また、第2の移動部材50と一体に円弧を描いて移動する第3レンズ群3が光軸上に進出したとき、大回転筒15の後端部内周に形成されているギヤ15aにピニオン34が噛み合い、この態様で第2の移動部材50の回転限界位置となる。図18は上記ギヤ15aとピニオン34の関係を示す展開図で、各レンズ群が撮影可能な広角端に至ったときギヤ15aとピニオン34が噛み合い、望遠端に向かうのに伴って、光軸と平行な方向におけるギヤ15aとピニオン34の噛み合いが深くなるようになっている。なお、図18からわかるように、ギヤ15aとピニオン34には相互の噛み合い開始端が面取りされてテーパーがつけられ、ギヤ15aとピニオン34が円滑に噛み合うことができるように配慮されている。
大回転筒15は、前述のように、モータの駆動によって回転駆動され、各鏡筒構成部材が沈胴位置から撮影可能な範囲まで繰り出される。図示の実施例では、撮影可能な範囲とは広角端から望遠端までのズーミング範囲を含む。上記ピニオン34がギヤ15aと噛み合った状態で大回転筒15が回転駆動されることによりピニオン34が回転駆動され、この回転力が前記カム筒33に伝達され、カム筒33が回転駆動される。カム筒33の周面に形成されているカム溝に第1の移動部材40のカムフォロワが係合しているため、カム筒33の回転によって第1の移動部材40が光軸方向に移動し、第3レンズ3がさらに繰り出される。このように、複数の移動部材である第1、第2の移動部材40,50は、退避レンズ保持枠38が退避している位置から光軸上の所定位置までの範囲では一体として移動し、退避レンズ保持枠38が光軸上にあって撮影可能な領域内においては光軸方向に相対移動する。
第1、第2の移動部材40,50は、圧縮バネ36により光軸方向に互いに離間する向きに付勢されていて、第1、第2の移動部材40,50が相対移動するときおよび静止しているときのがたつきを防止している。第1の移動部材40とともに第3レンズ群3が光軸方向への移動は、第1、第2レンズ群1,2の光軸方向への移動と合わせてズーミング動作を行うことになる。このように各レンズ群1,2,3が移動してズーム動作することにより、各レンズ群の光軸方向への移動距離を少なくしながら大きな変倍比を得ることができ、ズームレンズの小型化、薄型化を図ることができる。
大回転筒15が逆向きに回転駆動されて沈胴動作が行われるときは、複数の部材40,50からなる移動部材が逆の動作をする。すなわち、ピニオン34が逆転することにより第1の移動部材40が第3レンズ3とともに第2の移動部材50に対し相対的に光軸方向後方に後退し、やがてモータ25が逆向きに起動されて第2の移動部材50が第1の移動部材40と一体的に光軸方向後方に移動する。この動作によりピニオン34が大回転筒15の後端位置から後退してギヤ15aとの噛み合いが外れる。モータ25がなおも逆向きに回転することにより、第2の移動部材50は第1の移動部材40と一体的に軸51を中心にしてばね29の付勢力に抗して回転駆動され、第3レンズ群3が図4に示す位置に退避する。
図5と図6は、広角端における動作態様を示している。第3レンズ群3は光軸上に進出するとともに光軸方向への移動行程の中間位置にある。図7と図8は、望遠端における動作態様を示している。広角端にある状態に対して第2の移動部材50の位置は変わらないが、第1の移動部材40がさらに光軸方向前方に繰出され、望遠端の所定位置に位置している。
図9と図10は、広角端での退避レンズユニットを示しており、図9はこのユニット全体を、図10は図の錯綜を避けるために第2の移動部材50の描写を省略している。第1の退避レンズ移動部材40と第2の退避レンズ移動部材50は主軸31と副軸32によって光軸方向のみに相対移動可能に形成されており、大回転筒15からの駆動力をギヤ34とギヤ35でカム筒33に伝え、カム筒33上に形成されたカム溝と第1の移動部材40に形成されたカムフォロアが係合して、第1の移動部材40と第2移動部材50を相対移動させるように構成されている。主軸31、副軸32、カム筒33、ギヤ34、ギヤ35は第2の移動部材50に固定されている。図20、図21に示すように、ギヤ34と第2の移動部材50の間には、フリクション部材としてのばね座金39が介在し、ギヤ34停止位置、したがって、第2の移動部材50に対する第1の移動部材40の位置が安定に保持されるようになっている。
図11と図12は望遠端での退避レンズユニットを示しており、図11はこのユニット全体を、図12は図の錯綜を避けるために第2の移動部材50の描写を省略している。第1の移動部材40と第2の移動部材50には圧縮バネ36が設けられており、第2の移動部材50に対して第1の移動部材40が付勢されることでガタを無くし、安定した相対移動が可能となっている。
図13は同じく広角端状態での退避レンズユニットを、図14は望遠端での退避レンズユニットを示す。第2の移動部材50の繰出しが終わっても、第2の移動部材50に対して第1の移動部材40を繰出すことで、退避レンズとしての第3レンズ群3をより多く繰出すことが出来る。逆に言うと、退避レンズを所定の位置まで繰出すためには第2の移動部材の繰出し量は少なくすることができ、カメラの厚みを薄くすることができる。図15は大回転筒15の内側に形成されたギヤ15aを示しており、レンズ収納から広角端付近まではギヤ15aとギヤ34は係合しておらず、退避レンズユニットが広角端付近まで繰出すことでギヤ15aとギヤ34は係合し、広角端付近から望遠端までは回転筒15の駆動力によってギヤ34を駆動し、第1の移動部材40を第2の退避レンズ移動部材50から繰出す。
図示の実施例によれば、退避レンズを光軸上に進出させまた光軸から退避させるための駆動機構と、退避レンズが光軸上に進出した状態においてこれを光軸方向に移動させるための駆動機構を分けているため、上記各駆動機構の移動ストロークを短くすることができ、コンパクトに収納することを可能にしながら、撮影可能な状態では変倍率を大きくすることができる。
本発明に係るレンズ鏡筒の実施例を示す沈胴状態の外観斜視図である。 本発明に係るレンズ鏡筒の実施例の望遠端まで繰り出した状態を示す外観斜視図である。 上記実施例の分解斜視図である。 上記実施例の沈胴状態における内部構造を示す斜視図である。 上記実施例の広角端まで繰り出した状態とそのときの退避レンズ駆動機構部分を示す斜視図である。 図5の状態における退避レンズ駆動機構部分をレンズの後方から示す斜視図である。 上記実施例の望遠端まで繰り出した状態とそのときの退避レンズ駆動機構部分を示す斜視図である。 図7の状態における退避レンズ駆動機構部分をレンズの後方から示す斜視図である。 上記実施例の広角端での退避レンズユニット全体を示す斜視図である。 上記広角端での退避レンズユニットを一部の部材の描写を省略して示す斜視図である。 上記実施例の望遠端での退避レンズユニット全体を示す斜視図である。 上記望遠端での退避レンズユニットを一部の部材の描写を省略して示す斜視図である。 上記実施例の広角端での退避レンズユニットを示す平面図である。 上記実施例の望遠端での退避レンズユニットを示す平面図である。 上記実施例の退避レンズユニットと可動筒との連携関係を示す斜視図である。 図5におけるリードスクリューとその周辺を拡大して示す斜視図である。 図15における大回転筒のギヤとこれに噛み合うピニオンの部分を拡大して示す斜視図である。 上記大回転筒のギヤとピニオンの関係を示す展開図である。 図13に示す広角端状態での退避レンズユニットの下面図である。 上記退避レンズユニットを一部分解して示す斜視図である。 上記退避レンズユニットにおける分解部分をさらに拡大して示す斜視図である。
符号の説明
3 退避レンズ(第3レンズ群)
15 可動筒(大回転筒)
15a ギヤ
34 ピニオン
36 付勢部材(コイルばね)
38 退避レンズ保持枠
40 第1の駆動部材
50 第2の駆動部材

Claims (13)

  1. 複数のレンズ群をレンズ群毎に保持する複数のレンズ保持枠と、前記レンズ保持枠を内部に保持し回転筒を含む可動筒と、前記回転筒を回転駆動することにより複数のレンズ群の少なくとも一部を沈胴させた沈胴状態と前記複数のレンズ群の少なくとも一部を対物側に移動させかつ撮影可能な撮影状態との間で前記レンズ保持枠を駆動するレンズ保持枠駆動部と、を備えたレンズ鏡筒であって、
    前記撮影状態では前記可動筒の内径よりも内側の前記複数のレンズ群の光軸上に位置し前記沈胴状態では前記可動筒の内径よりも外側の退避位置に退避する少なくとも1つの退避レンズと、
    前記退避レンズを保持する退避レンズ保持枠と、
    前記退避レンズ保持枠を保持して移動させる退避レンズ移動部材と
    前記退避レンズが前記退避位置と前記光軸上の位置との間で移動するよう前記退避レンズ移動部材を移動させ、かつ、前記退避レンズ移動部材を前記光軸方向に移動させる退避レンズ駆動部と、を備え、
    前記退避レンズ移動部材は、前記退避レンズ保持枠を保持する第1の移動部材と、前記第1の移動部材を保持する第2の移動部材を含み、
    前記第1の移動部材と前記第2の移動部材は、前記退避レンズが前記退避位置と前記光軸上の所定位置との間で移動する場合には一体として移動し、前記退避レンズが前記光軸上撮影可能な領域内で移動する場合には前記回転筒の回転により前記第1の移動部材が駆動され前記第1の移動部材と前記第2の移動部材は前記光軸方向に相対的に移動するように連結されていることを特徴とするレンズ鏡筒。
  2. 前記回転筒は、前記退避レンズ保持枠が前記光軸上の所定位置まで進出した態様で前記第1の移動部材を光軸方向に進退させるための駆動力を伝達するギヤを有することを特徴とする請求項1記載のレンズ鏡筒。
  3. 前記第1の移動部材は、前記第2の移動部材に設けられていて前記回転筒のギヤから駆動力が伝達されることにより作動する作動機構によって、前記第2の移動部材に対し光軸方向に進退させられることを特徴とする請求項2記載のレンズ鏡筒。
  4. 前記第2の移動部材に設けられた前記作動機構は、前記レンズ保持枠駆動からの駆動力を受けて作動することを特徴とする請求項3記載のレンズ鏡筒。
  5. 前記レンズ保持枠駆動は、沈胴状態から撮影開始端付近までは前記作動機構に駆動力を伝達せず、撮影可能な範囲では前記作動機構に駆動力を伝達することを特徴とする請求項4記載のレンズ鏡筒。
  6. 前記撮影開始端は広角端であり、広角端から望遠端までの範囲で前記レンズ保持枠駆動が前記作動機構に駆動力を伝達することを特徴とする請求項5記載のレンズ鏡筒。
  7. 前記第2の移動部材に設けられた作動機構は、複数のギヤ、カム部材、カムフォロア、付勢部材で構成されていることを特徴とする請求項3記載のレンズ鏡筒。
  8. 前記複数のギヤの少なくとも1つは、前記第2の移動部材との間に、前記第2の移動部材を光軸方向の一方向に付勢する付勢部材を有することを特徴とする請求項7記載のレンズ鏡筒。
  9. 前記付勢部材は引張りバネまたは圧縮バネであることを特徴とする請求項8記載のレンズ鏡筒。
  10. 前記第2の移動部材は、沈胴状態から撮影開始端付近まで移動し、撮影可能な範囲では移動しないことを特徴とする請求項1記載のレンズ鏡筒。
  11. 前記第2の移動部材が前記退避レンズ駆動部によって駆動されることを特徴とする請求項1記載のレンズ鏡胴。
  12. 撮影レンズ鏡筒を備えたカメラであって、前記撮影レンズ鏡筒は請求項1乃11のいずれかに記載のレンズ鏡筒であることを特徴とするカメラ。
  13. 撮影レンズ鏡筒と、この撮影レンズ鏡筒が備えるレンズ群による結像位置に配置された撮像素子を備えたデジタル方式のカメラであって、前記撮影レンズ鏡筒は請求項1乃11のいずれかに記載のレンズ鏡筒であることを特徴とするデジタル方式のカメラ。
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