JPH1047458A - 歯車の騒音低減方法および騒音を低減された樹脂歯車成形品 - Google Patents
歯車の騒音低減方法および騒音を低減された樹脂歯車成形品Info
- Publication number
- JPH1047458A JPH1047458A JP21609896A JP21609896A JPH1047458A JP H1047458 A JPH1047458 A JP H1047458A JP 21609896 A JP21609896 A JP 21609896A JP 21609896 A JP21609896 A JP 21609896A JP H1047458 A JPH1047458 A JP H1047458A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gear
- noise
- resin
- teeth
- gears
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Gears, Cams (AREA)
Abstract
造コストを低く抑えた上、駆動時、より静粛な騒音特性
を得ることができる歯車の騒音低減方法および騒音を低
減された樹脂歯車成形品を提供する。 【解決手段】 樹脂歯車の騒音を低減させる方法におい
て、歯車の歯数が、2/sin2αc未満である歯車に対
し、下記(式1)に示す縦転位係数X1にて転位を行っ
た、実質的にインボリュート歯形あるいはそれに近似す
る歯形を持った歯車を、互いに噛み合う歯車のいずれか
一方もしくは両方に使用することを特徴とする噛み合う
一対の歯車の騒音低減方法および樹脂歯車成形品。 【数1】
Description
の騒音を低減させる方法及び、騒音を低減された樹脂歯
車に関する。
主として動力、回転の伝達を行う重要な機械部品の一つ
である。従来、歯車は金属の切削、焼結によって作製さ
れてきたが、製造コストが高く、重く、しかも通常はグ
リスによる潤滑が必要である等の欠点を有するため、近
年は、射出成形等により極めて容易に製造でき、軽量
で、振動吸収性が高く、しかも無給油で使用できる熱可
塑性樹脂歯車が、金属歯車に代わって広い分野にて使用
されている。しかし、その用途が拡大するにつれて、高
速での使用が増加しつつあり、あるいは歯車の小型化が
進み、それに伴う騒音の低減への要求がさらに厳しくな
る傾向にある。その様な状況から、良好な摺動性を付与
した熱可塑性樹脂の開発や、樹脂歯車の高精度化技術等
によって歯車騒音を低減する技術については様々なもの
が提案されている。例えば、プラスチック成形加工学会
誌「成形加工」Vol.3,No.10,1991,p
642−647には、ポリアセタール歯車を用いた場
合、JIS精度を向上することや歯面粗度を滑らかにす
ることにより騒音が低減される旨の記載がある。また、
摺動性を向上したポリアセタールを用いることにより通
常のポリアセタールより歯車騒音が低減する旨の記載も
ある。そして、歯車のウェブに孔を開ける手法や、バッ
クラッシュの適正化等による歯車騒音低減法も紹介され
ている。しかし、これらの手法を駆使し歯車騒音が低減
できても、近年騒音の更なる静粛化を厳しく求められる
傾向から、新しい歯車騒音低減方法が求められていた。
また、歯数の少ない歯車、特に歯元に切り下げがある歯
車に対する歯車騒音低減方法については記載されていな
い。
号1983年p231−238には、歯車を縦転位する
ことが騒音に与える影響についての記載がある。当文献
によれば、JIS B1701にて規定するところの標
準平歯車をプラス縦転位してもマイナス縦転位しても騒
音が大きくなる旨の記載がある。しかし当文献中には歯
数が少ない歯車、特に歯元に切り下げを持った平歯車に
対する騒音低減方法に関しては全く記載されていない。
噛み合い回転時の静粛性に優れた樹脂歯車を得るべく、
歯車の形状面から鋭意検討を重ねた結果、樹脂材料を用
いた転位歯車において、特定の縦転位係数にした場合に
限り、歯車騒音を低減することができることを見出し、
本発明に至った。本発明は、家電、事務機、精密機械な
どの機械産業分野で近年特に多用される、高速回転の
上、ピッチ円直径・歯数が小さく、主としてモーター出
力軸に直結する樹脂歯車騒音の低減を図る方法と騒音を
低減された樹脂歯車成形品を提供する。そして、本発明
は、かかる方法の効果をより効果的に発現させる材料、
形状の実用化を図ることを目的とする。
低減方法および騒音を低減された樹脂歯車成形品は、樹
脂歯車の騒音を低減させる方法において、歯車の歯数
が、2/sin2αc未満である歯車に対し、下記(式
1)に示す縦転位係数X1にて転位を行った実質的にイ
ンボリュート歯形を持った歯車あるいはそれに近似する
歯形を持った歯車を、互いに噛み合う歯車のいずれか一
方もしくは両方に使用することによってなる。また本発
明は前記噛み合う歯車の少なくとも一方の材質が、ポリ
アセタールもしくはポリブチレンテレフタレートである
歯車の騒音低減方法および騒音を低減された樹脂歯車成
形品である。
(式2)により計算される。
成形品は、噛み合う歯車の少なくとも一方の材質が、ポ
リアセタールもしくはポリブチレンテレフタレートであ
ることによってなる。
(式3)の計算値以下となると、騒音は増加する。
は、カミアイ率が小さくなってしまうために、滑らかな
噛み合いをしにくく、騒音増大の原因となる作用があ
る。
リュート曲線であることが望ましいが、歯先修正を行
い、インボリュート曲線から少しずれたものや、射出成
形時の収縮率の異方性によってインボリュート曲線から
少しずれたものや、短い直線の集合でインボリュート曲
線に似た形にしたものでもよい。また、横転位を行った
歯車や、低歯歯車、高歯歯車も本発明により好ましい騒
音低減効果を得ることが出来る。
れた樹脂歯車成形品を、他の騒音低減方法と併用して行
うと静音化機能が相乗されて非常に好ましい。例えば、
歯車精度を向上する、歯面粗度を滑らかにする、歯車ウ
ェブに孔を開ける、高歯歯車を用いる、摺動性の良好な
樹脂を用いる、振動吸収性の高い樹脂を用いる、噛み合
い部をグリスにて潤滑するなどの手法と組み合わせると
よい。これらの騒音低減手法と、本発明の騒音低減方法
および騒音を低減された樹脂歯車成形品を組み合わせる
ことにより、大きく騒音を低減できる効果が得られる。
低減された樹脂歯車成形品に対し、最適な樹脂材料とし
ては、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレートが
好ましく用いられる。本発明に用いるポリアセタール樹
脂は、-(-CH2O-)-を主たる構成単位とする高分子
化合物で、ポリオキシメチレンホモポリマー、オキシメ
チレン基以外に他の構成単位、例えばジオキソラン等を
含有するコポリマー、ターポリマーの何れにてもよく、
またコポリマーの形態はランダム、グラフト、ブロック
等のいずれの形態であってもよく、また分子が鎖状のみ
ならず、分岐、架橋構造を有するものであってもよい。
そして、その重合度等に関しても特に制限はない。ま
た、潤滑性付与剤の添加などにより摺動特性を改善した
ポリアセタールは本発明の効果をより一層発現すること
の出来る材料として好ましく使用できる。
通常のポリブチレンテレフタレートの他に、第三成分あ
るいは第四成分としてイソフタル酸、ナフタレンジカル
ボン酸、アジピン酸等の脂肪族及び芳香族多塩基酸ある
いは、グリコール成分としてエチレングリコール、ジエ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール等の通常の
アルキレングリコールやビスフェノールA等のフェノー
ル等で変性させて得られる共重合体であっても構わな
い。また、潤滑性付与剤の添加などにより摺動特性を改
善したポリブチレンテレフタレートは、本発明の効果を
より一層発現する材料の一つとして好適に使用できる。
には劣るものの、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサル
ファイド樹脂などのエンジニアリングプラスチック及び
これらをブレンドしたものも本発明を良好に適用できる
樹脂材料の例である。以上の樹脂材料の中では、歯車強
度特性を考慮すると、特にポリアセタール樹脂が優れて
いる。
非常に効果があり、また従来からある騒音低減対策を施
した上でも、より一層の効果が得られるものである。ま
た、従来の歯車騒音低減方法に比べ比較的容易に効果を
得ることができる。
方法および騒音を低減された樹脂歯車成形品を具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
転位係数X1=+0.1、基準ピッチ円の圧力角(αc)
=20°、歯幅=4mm、歯末のたけ=0.44、並
歯;モジュール=0.4、歯数=13、縦転位係数X
1=+0.25、基準ピッチ円の圧力角(αc)=20
°、歯幅=4mm、歯末のたけ=0.5、並歯。 (2)ギヤ2:モジュール=0.4、歯数=37、縦
転位係数X2=−0.15、基準ピッチ円の圧力角=2
0°、歯幅=1.5mm、歯末のたけ=0.34、並
歯;モジュール=0.4、歯数=37、縦転位係数X
2=0、基準ピッチ円の圧力角(αc)=20°、歯幅=
1.5mm、歯末のたけ=0.4、並歯。
n2αc未満、ギヤ2の歯数は2/sin2αcを超える。
従って当実施例での騒音低減効果は効果は、ギヤ1のみ
の転位にて得られる。
ギヤ2を噛み合わせ、ギヤ1をモーターを用い8308
r.p.m.の回転数にて回転させ、ギヤ1とギヤ2の
噛み合いから発生する騒音を精密騒音計にて捕らえ、J
IS Z8741騒音測定法に規定される聴覚補正回路
A特性により、騒音レベルを測定した。
[ポリプラスチックス(株)製、商品名「ジュラコ
ン」]、ギヤ2の材質としてポリブチレンテレフタレー
ト共重合体[東レ・デュポン(株)製、商品名「ハイト
レル」]を用いた。ペレット形状にされたこれらの樹脂
から射出成形機を用いて、ギヤ1とギヤ2を成形した。
これらのギヤを用い騒音を測定した結果を表.1に示
す。
騒音を低減された樹脂歯車成形品は、例えば、歯車精度
向上、歯面租度の向上のような従来試みられていた種々
の手法とこれらによる歯車に比較して、生産性が高く、
製造コストを低く抑えることができる。
および騒音を低減された樹脂歯車成形品は、歯車精度向
上、歯面租度の向上のような従来の手法とこれによる歯
車に比較し、より簡単な工法で、駆動時、より静粛な騒
音特性を得ることができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 樹脂歯車の騒音を低減させる方法におい
て、歯車の歯数が、2/sin2αc未満である歯車に対
し、下記(式1)に示す縦転位係数X1にて転位を行っ
た、実質的にインボリュート歯形あるいはそれに近似す
る歯形を持った歯車を、互いに噛み合う歯車のいずれか
一方もしくは両方に使用することを特徴とする噛み合う
一対の歯車の騒音低減方法。 【数1】 - 【請求項2】 噛み合う歯車の少なくとも一方の材質
が、ポリアセタールもしくはポリブチレンテレフタレー
トである請求項1記載の歯車の騒音低減方法。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の騒音を低減され
た樹脂歯車成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21609896A JP3469402B2 (ja) | 1996-07-29 | 1996-07-29 | 歯車の騒音低減方法および騒音を低減された樹脂歯車成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21609896A JP3469402B2 (ja) | 1996-07-29 | 1996-07-29 | 歯車の騒音低減方法および騒音を低減された樹脂歯車成形品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1047458A true JPH1047458A (ja) | 1998-02-20 |
JP3469402B2 JP3469402B2 (ja) | 2003-11-25 |
Family
ID=16683220
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21609896A Expired - Fee Related JP3469402B2 (ja) | 1996-07-29 | 1996-07-29 | 歯車の騒音低減方法および騒音を低減された樹脂歯車成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3469402B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002061736A (ja) * | 2000-08-24 | 2002-02-28 | Toyoda Mach Works Ltd | 電動パワーステアリング装置 |
JP2002276772A (ja) * | 2001-03-19 | 2002-09-25 | Polyplastics Co | 回転伝達誤差低減歯車の設計方法およびその方法により設計された歯車 |
CN104675957A (zh) * | 2015-03-06 | 2015-06-03 | 佛山市汇禧建筑五金制品有限公司 | 一种平开门窗专用齿轮 |
CN109751386A (zh) * | 2019-02-14 | 2019-05-14 | 重庆模源齿轮有限公司 | 一种反渐开线齿轮传动啮合的设计计算方法 |
-
1996
- 1996-07-29 JP JP21609896A patent/JP3469402B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002061736A (ja) * | 2000-08-24 | 2002-02-28 | Toyoda Mach Works Ltd | 電動パワーステアリング装置 |
JP2002276772A (ja) * | 2001-03-19 | 2002-09-25 | Polyplastics Co | 回転伝達誤差低減歯車の設計方法およびその方法により設計された歯車 |
JP4618916B2 (ja) * | 2001-03-19 | 2011-01-26 | ポリプラスチックス株式会社 | 回転伝達誤差低減歯車の設計方法およびその方法により設計された歯車 |
CN104675957A (zh) * | 2015-03-06 | 2015-06-03 | 佛山市汇禧建筑五金制品有限公司 | 一种平开门窗专用齿轮 |
CN109751386A (zh) * | 2019-02-14 | 2019-05-14 | 重庆模源齿轮有限公司 | 一种反渐开线齿轮传动啮合的设计计算方法 |
CN109751386B (zh) * | 2019-02-14 | 2021-09-21 | 重庆模源齿轮有限公司 | 一种反渐开线齿轮传动啮合的设计计算方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3469402B2 (ja) | 2003-11-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8201471B2 (en) | Gears and gearing apparatus | |
CN100564938C (zh) | 树脂制齿轮装置 | |
JP4919497B2 (ja) | 樹脂製歯車 | |
US7698964B2 (en) | Gear | |
CN110131382B (zh) | 无侧隙滚子包络环面蜗杆传动机构 | |
JPH07501375A (ja) | 歯車付機械 | |
JPH06174016A (ja) | ベルトスプロケット | |
JPH1047458A (ja) | 歯車の騒音低減方法および騒音を低減された樹脂歯車成形品 | |
US6955468B2 (en) | Linear-motion device and ball screw | |
US5106672A (en) | Structural element made of reinforced polymeric material | |
JP2005240940A (ja) | 樹脂歯車 | |
JP2647919B2 (ja) | 低騒音歯車 | |
US1813875A (en) | Gear | |
JPH1113861A (ja) | 合成樹脂成形歯車 | |
KR20240023142A (ko) | 파동 기어 장치 | |
US8033196B2 (en) | Resin double helical gear pair | |
JP4618916B2 (ja) | 回転伝達誤差低減歯車の設計方法およびその方法により設計された歯車 | |
JPH10220561A (ja) | 樹脂歯車対 | |
CN2649857Y (zh) | 组合式衬套轴承构件 | |
JP2002235835A (ja) | 局部加圧成形方法及び樹脂成形歯車 | |
JPH1194052A (ja) | 歯 車 | |
CN209959807U (zh) | 齿轮传动机构 | |
EP0233729A2 (en) | Rotary parts | |
JP2001323991A (ja) | 合成樹脂成形歯車 | |
TANAKA et al. | Accuracy and Wear Resistance of Small Injection-Molded Plastic Gears: For High-Strength and Heat-Resistant Plastics filled with Fiber or Carbon |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080905 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080905 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090905 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090905 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100905 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100905 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110905 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120905 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130905 Year of fee payment: 10 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |