JPH074498A - 樹脂製ギア及びその製造方法 - Google Patents
樹脂製ギア及びその製造方法Info
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- JPH074498A JPH074498A JP14453393A JP14453393A JPH074498A JP H074498 A JPH074498 A JP H074498A JP 14453393 A JP14453393 A JP 14453393A JP 14453393 A JP14453393 A JP 14453393A JP H074498 A JPH074498 A JP H074498A
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- gear
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- bearing
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Abstract
(57)【要約】
【目的】高強度と高摺動性を両立し、小型化、軽量化に
適した樹脂製ギアを提供することを目的とする。 【構成】軸受け部100は滑り摩擦係数が0.6以下の
摺動性のよい樹脂で形成されるため、固定軸に対する摺
動性が高くなり、固定軸の摩耗が防止される。又、歯部
101は弾性率が20000kg/cm2 以上の強度の
高い樹脂で形成されるため、歯部の破損が防止される。
この結果、高強度、高摺動性を両立した樹脂性ギアが得
られる。
適した樹脂製ギアを提供することを目的とする。 【構成】軸受け部100は滑り摩擦係数が0.6以下の
摺動性のよい樹脂で形成されるため、固定軸に対する摺
動性が高くなり、固定軸の摩耗が防止される。又、歯部
101は弾性率が20000kg/cm2 以上の強度の
高い樹脂で形成されるため、歯部の破損が防止される。
この結果、高強度、高摺動性を両立した樹脂性ギアが得
られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気製品などの内部に
用いられる樹脂性ギアに関し、特に小型化、軽量化と高
強度化に適した樹脂性ギア及びその製造方法に関する。
用いられる樹脂性ギアに関し、特に小型化、軽量化と高
強度化に適した樹脂性ギア及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から電子機器等の内部には多くの樹
脂製ギアが用いられている。そして、近年における機器
の小型化及び軽量化に伴い、ギアの小型化及び樹脂化が
更に進んでいる。ギアが小型になるとその負荷が増大す
るため、強化繊維等を混練した強化樹脂が用いられるこ
とが多い。
脂製ギアが用いられている。そして、近年における機器
の小型化及び軽量化に伴い、ギアの小型化及び樹脂化が
更に進んでいる。ギアが小型になるとその負荷が増大す
るため、強化繊維等を混練した強化樹脂が用いられるこ
とが多い。
【0003】ギアにはモータ軸などの回転軸に直接取り
付けられて他のギアを駆動する駆動ギアと、固定軸に取
り付けられて他のギアの回転をさらに別のギアに伝達す
るアイドラギアとがある。この内、駆動ギアはモータ軸
などの断面形状に合わせて、例えばD型のギア穴断面を
有しており、モータ軸とともに回転する。一方、アイド
ラギアは固定軸の回りを自由に回転するため、軸断面、
ギア穴断面ともに円形である。
付けられて他のギアを駆動する駆動ギアと、固定軸に取
り付けられて他のギアの回転をさらに別のギアに伝達す
るアイドラギアとがある。この内、駆動ギアはモータ軸
などの断面形状に合わせて、例えばD型のギア穴断面を
有しており、モータ軸とともに回転する。一方、アイド
ラギアは固定軸の回りを自由に回転するため、軸断面、
ギア穴断面ともに円形である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
アイドラギアに前述の強化樹脂を用いると、回転につれ
て樹脂中の強化繊維が固定軸に接触し、金属製の固定軸
が摩耗するという問題が生じる。この問題は特に高回転
し、高トルクのかかるギアで顕著である。高強度と高摺
動性とを兼ね備えた樹脂材料としてはポリアミドイミド
系材料が考えられるが、価格が高く、金属製ギアを代替
えするほどのメリットはなかった。
アイドラギアに前述の強化樹脂を用いると、回転につれ
て樹脂中の強化繊維が固定軸に接触し、金属製の固定軸
が摩耗するという問題が生じる。この問題は特に高回転
し、高トルクのかかるギアで顕著である。高強度と高摺
動性とを兼ね備えた樹脂材料としてはポリアミドイミド
系材料が考えられるが、価格が高く、金属製ギアを代替
えするほどのメリットはなかった。
【0005】上述の問題に対処するための従来の技術と
しては、(1)金属製ギアを用いる、(2)強化樹脂製
ギアの軸受け部に金属ベアリングを圧入する、(3)他
の材料系に変える、等が挙げられるが、何れも高コスト
である上に生産性が悪い。
しては、(1)金属製ギアを用いる、(2)強化樹脂製
ギアの軸受け部に金属ベアリングを圧入する、(3)他
の材料系に変える、等が挙げられるが、何れも高コスト
である上に生産性が悪い。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の問題点に
鑑みてなされたものであり、高強度と高摺動性を両立す
るとともに、高価なポリアミドイミド樹脂を用いること
なく、小型化、軽量化に適した樹脂製ギアを提供するこ
とを目的とする。
鑑みてなされたものであり、高強度と高摺動性を両立す
るとともに、高価なポリアミドイミド樹脂を用いること
なく、小型化、軽量化に適した樹脂製ギアを提供するこ
とを目的とする。
【0007】上記の目的を達成するための本発明による
樹脂性ギアは固定軸に接して摺動する面を含む軸受け部
と、回転を伝達する歯部とを含む樹脂製ギアであって、
前記歯部は曲げ弾性率が20000kg/cm2 以上の
樹脂もしくは樹脂組成物のいずれかにて成形され、前記
軸受け部はすべり摩擦係数が0.6以下の前記歯部と異
なる樹脂もしくは樹脂組成物のいずれかにて成形されて
いることを特徴とする。
樹脂性ギアは固定軸に接して摺動する面を含む軸受け部
と、回転を伝達する歯部とを含む樹脂製ギアであって、
前記歯部は曲げ弾性率が20000kg/cm2 以上の
樹脂もしくは樹脂組成物のいずれかにて成形され、前記
軸受け部はすべり摩擦係数が0.6以下の前記歯部と異
なる樹脂もしくは樹脂組成物のいずれかにて成形されて
いることを特徴とする。
【0008】又、上記の目的を達成するための本発明の
樹脂製ギアの製造方法は、固定軸に接して摺動する面を
含む軸受け部と、回転を伝達する歯部とを含む樹脂製ギ
アの製造方法であって、すべり摩擦係数が0.6以下の
樹脂もしくは樹脂組成物のいずれかを用いて前記軸受け
部を射出成形し、曲げ弾性率が20000kg/cm2
以上の前記軸受け部と異なる樹脂もしくは樹脂組成物の
いずれかを用いて、前記軸受け部の周囲に前記歯部を射
出成形することを特徴とする。
樹脂製ギアの製造方法は、固定軸に接して摺動する面を
含む軸受け部と、回転を伝達する歯部とを含む樹脂製ギ
アの製造方法であって、すべり摩擦係数が0.6以下の
樹脂もしくは樹脂組成物のいずれかを用いて前記軸受け
部を射出成形し、曲げ弾性率が20000kg/cm2
以上の前記軸受け部と異なる樹脂もしくは樹脂組成物の
いずれかを用いて、前記軸受け部の周囲に前記歯部を射
出成形することを特徴とする。
【0009】
【作用】上記の構成により、軸受け部は滑り摩擦係数が
0.6以下の摺動性のよい樹脂で形成されるため、固定
軸に対する摺動性が高くなり、固定軸の摩耗が防止され
る。又、歯部には曲げ弾性率が20000kg/cm2
以上の強度を有する軸受け部と異なる樹脂で形成される
ため、歯部の破損が防止される。この結果、高強度、高
摺動性を両立し、かつポリアミドイミドを用いた樹脂性
ギアに比して大幅に低コストな樹脂性ギアが得られる。
0.6以下の摺動性のよい樹脂で形成されるため、固定
軸に対する摺動性が高くなり、固定軸の摩耗が防止され
る。又、歯部には曲げ弾性率が20000kg/cm2
以上の強度を有する軸受け部と異なる樹脂で形成される
ため、歯部の破損が防止される。この結果、高強度、高
摺動性を両立し、かつポリアミドイミドを用いた樹脂性
ギアに比して大幅に低コストな樹脂性ギアが得られる。
【0010】
【実施例】以下に添付の図面を参照して本発明の好適な
実施例について説明する。
実施例について説明する。
【0011】<本実施例の樹脂性ギアの構成>まず、本
実施例の樹脂性ギアについその基本的な構成について以
下に説明する。図1は本実施例における樹脂性ギアを表
す図である。同図において、100は軸受け部であり、
固定軸上を摺動するべく高摺動性を有する樹脂で形成さ
れる。又、101は歯部であり、他のギアとの間で回転
の授受を行うべく高強度の樹脂で形成されている。
実施例の樹脂性ギアについその基本的な構成について以
下に説明する。図1は本実施例における樹脂性ギアを表
す図である。同図において、100は軸受け部であり、
固定軸上を摺動するべく高摺動性を有する樹脂で形成さ
れる。又、101は歯部であり、他のギアとの間で回転
の授受を行うべく高強度の樹脂で形成されている。
【0012】(1)歯部101の樹脂材料(材料A)に
ついて 本実施例のギアにおいて、歯部101には、20000
kg/cm2 以上、好ましくは40000Kg/cm2
以上の曲げ弾性率を有する樹脂または樹脂組成物を用い
ることができる。このような樹脂としては、例えばポリ
アミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンテレフタレートなどを挙げることがで
きる。また、樹脂組成物としては、例えば、ポリアミ
ド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイ
ド、ポリカーボネート、アクリロニトリル・ブタジエン
・スチレン共重合体等の樹脂に無機フィラー等の強化材
料を添加したものを挙げることができる。
ついて 本実施例のギアにおいて、歯部101には、20000
kg/cm2 以上、好ましくは40000Kg/cm2
以上の曲げ弾性率を有する樹脂または樹脂組成物を用い
ることができる。このような樹脂としては、例えばポリ
アミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンテレフタレートなどを挙げることがで
きる。また、樹脂組成物としては、例えば、ポリアミ
ド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイ
ド、ポリカーボネート、アクリロニトリル・ブタジエン
・スチレン共重合体等の樹脂に無機フィラー等の強化材
料を添加したものを挙げることができる。
【0013】強化材料としてはガラス繊維、炭素繊維、
チタン酸カリウム、炭酸カルシウム(重質・軽質・膠
質)、タルク、マイカ、シリカ、アルミナ、水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウム、硫化バリウム、酸化亜
鉛、ゼオライト、ウォラストナイト、珪藻土、ガラスビ
ーズ、ベントナイト、モンモリロナイト、アルベスト、
中空ガラス球、黒鉛、二硫化モリブデン、酸化チタン、
アルミニウム繊維、スチレンスチール繊維、黄銅繊維、
アルミニウム粉末、木粉、もみ殻等を用いることができ
る。強化材料の配合量は樹脂50〜90重量部に対して
50〜10重量部、好ましくは樹脂60〜80重量部に
対して40〜20重量部である。
チタン酸カリウム、炭酸カルシウム(重質・軽質・膠
質)、タルク、マイカ、シリカ、アルミナ、水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウム、硫化バリウム、酸化亜
鉛、ゼオライト、ウォラストナイト、珪藻土、ガラスビ
ーズ、ベントナイト、モンモリロナイト、アルベスト、
中空ガラス球、黒鉛、二硫化モリブデン、酸化チタン、
アルミニウム繊維、スチレンスチール繊維、黄銅繊維、
アルミニウム粉末、木粉、もみ殻等を用いることができ
る。強化材料の配合量は樹脂50〜90重量部に対して
50〜10重量部、好ましくは樹脂60〜80重量部に
対して40〜20重量部である。
【0014】添加物の配合量が10重量部未満では強度
が不足し、短時間で歯部101が破損する。また50重
量部を超えると、歯部101の摩耗が著しい。これらの
樹脂材料のうち、摺動特性が良好なことから特に結晶性
樹脂、例えばポリアミド、ポリアセタール、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
フェニレンサルファイドの単体または強化繊維との組成
物が好ましい。
が不足し、短時間で歯部101が破損する。また50重
量部を超えると、歯部101の摩耗が著しい。これらの
樹脂材料のうち、摺動特性が良好なことから特に結晶性
樹脂、例えばポリアミド、ポリアセタール、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
フェニレンサルファイドの単体または強化繊維との組成
物が好ましい。
【0015】(2)軸受け部100の樹脂材料(材料
B)について 本発明のギアにおいて、軸受け部にはすべり摩擦係数
0.6以下(好ましくは0.5以下)、摩耗量50mg
以下(好ましくは20mg以下)の樹脂または樹脂組成
物を用いることができる。このような樹脂としては摺動
特性の優れた熱可塑性エンジニアリングプラスチック、
例えばポリアミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニ
レンサルファイドの単体もしくは摺動性向上添加物との
組成物を用いることができる。
B)について 本発明のギアにおいて、軸受け部にはすべり摩擦係数
0.6以下(好ましくは0.5以下)、摩耗量50mg
以下(好ましくは20mg以下)の樹脂または樹脂組成
物を用いることができる。このような樹脂としては摺動
特性の優れた熱可塑性エンジニアリングプラスチック、
例えばポリアミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニ
レンサルファイドの単体もしくは摺動性向上添加物との
組成物を用いることができる。
【0016】摺動性向上添加物としてはシリコンオイ
ル、二硫化モリブデン、黒鉛、ポリテトラフルオロエチ
レン、ポリエチレンなどを用いることができる。添加物
の配合量は樹脂60〜99重量部に対して40〜1重量
部、好ましくは樹脂70〜99重量部に対して30〜1
重量部である。添加物の配合量が40重量部を超えると
強度が不足し、クラックが発生したり、逆に摺動特性が
悪化する。
ル、二硫化モリブデン、黒鉛、ポリテトラフルオロエチ
レン、ポリエチレンなどを用いることができる。添加物
の配合量は樹脂60〜99重量部に対して40〜1重量
部、好ましくは樹脂70〜99重量部に対して30〜1
重量部である。添加物の配合量が40重量部を超えると
強度が不足し、クラックが発生したり、逆に摺動特性が
悪化する。
【0017】(3)軸受け部100と歯部101との構
造 2射出成型時に歯部と軸受け部とは樹脂の相溶性等で定
まる力で互いに接着する。このままで使用に耐えうる場
合もあるが、層間剥離する場合も考慮して軸受け部10
0と歯部101とをかみ合い構造にするのが好ましい。
造 2射出成型時に歯部と軸受け部とは樹脂の相溶性等で定
まる力で互いに接着する。このままで使用に耐えうる場
合もあるが、層間剥離する場合も考慮して軸受け部10
0と歯部101とをかみ合い構造にするのが好ましい。
【0018】<本実施例における樹脂性ギアの製造方法
>本実施例によるギアの製造方法としては、別の金型で
成形した軸受け部100を、ギア全体を成形する金型中
に挿入して再度成形するインサート成形等を用いること
もできるが、歯車精度の向上および軸受け部、歯部相互
の密着強度向上の点からは2射出成形法が好ましい。以
下に本実施例における2射出成型法について説明する。
>本実施例によるギアの製造方法としては、別の金型で
成形した軸受け部100を、ギア全体を成形する金型中
に挿入して再度成形するインサート成形等を用いること
もできるが、歯車精度の向上および軸受け部、歯部相互
の密着強度向上の点からは2射出成形法が好ましい。以
下に本実施例における2射出成型法について説明する。
【0019】図2に、2射出成形に用いる金型の1例を
示す。金型は固定金型1と可動金型2とから構成され
る。固定金型1は一次成形ユニット1aと二次成形ユニ
ット1bを有する。固定金型1と可動金型2とを組み合
わせる(閉じる)ことにより、図3に示す如く、一次成
形ユニット1aにより第1成形室11が、二次成形ユニ
ット1bにより第2成形室12が形成される。固定金型
1には第1成形室11および第2成形室12に対応し
て、それぞれの成形室に樹脂を注入するための第1およ
び第2樹脂注入口31および32が設けてある。41,
42,43,44はノックアウトピン用穴であり、ノッ
クアウトピンを用いて成型された樹脂性ギアを金型より
取り出すのに用いられる。
示す。金型は固定金型1と可動金型2とから構成され
る。固定金型1は一次成形ユニット1aと二次成形ユニ
ット1bを有する。固定金型1と可動金型2とを組み合
わせる(閉じる)ことにより、図3に示す如く、一次成
形ユニット1aにより第1成形室11が、二次成形ユニ
ット1bにより第2成形室12が形成される。固定金型
1には第1成形室11および第2成形室12に対応し
て、それぞれの成形室に樹脂を注入するための第1およ
び第2樹脂注入口31および32が設けてある。41,
42,43,44はノックアウトピン用穴であり、ノッ
クアウトピンを用いて成型された樹脂性ギアを金型より
取り出すのに用いられる。
【0020】ギアを成形する場合、まず金型を閉じて第
1樹脂注入口31から軸受け部用の樹脂を注入し、軸受
け部100を射出成形する(図4)。軸受け部100の
成形が終わると金型を開き、可動金型2を180°回転
してから再び金型を閉じる(図5及び図6)。そして第
2樹脂注入口32から歯部用の樹脂を注入し、歯部10
1を軸受け部100の回りに射出成形する(図6)。次
に、金型を開いて固定金型1に設けられた図示しないノ
ックアウトピンを用いて成形品(樹脂製ギア)を取り出
せばよい。
1樹脂注入口31から軸受け部用の樹脂を注入し、軸受
け部100を射出成形する(図4)。軸受け部100の
成形が終わると金型を開き、可動金型2を180°回転
してから再び金型を閉じる(図5及び図6)。そして第
2樹脂注入口32から歯部用の樹脂を注入し、歯部10
1を軸受け部100の回りに射出成形する(図6)。次
に、金型を開いて固定金型1に設けられた図示しないノ
ックアウトピンを用いて成形品(樹脂製ギア)を取り出
せばよい。
【0021】<本実施例の樹脂性ギアと従来の樹脂性ギ
アとの比較>上述の構成を有する本実施例の樹脂性ギア
の例として、以下の実施例1及び実施例2に示す樹脂性
ギアを製作し、従来の構成を有する樹脂性ギアとの比較
を行った。
アとの比較>上述の構成を有する本実施例の樹脂性ギア
の例として、以下の実施例1及び実施例2に示す樹脂性
ギアを製作し、従来の構成を有する樹脂性ギアとの比較
を行った。
【0022】実施例及び比較例において使用した材料
は、 a. ポリアミド66(PA66) BASF社製、商品名「ウルトラミッド」 b. ポリアセタール(POM) BASF社製、商品名「ウルトラフォルム」 c. 高密度ポリエチレン(HDPE) ダイヤポリマー社製、商品名「三菱ポリエチレン」 d. ポリテトラフルオロエチレン(PTFE) 喜多村社製、商品名「KTL610」 e. ガラス繊維 平均繊維長 6mm、平均繊維径 10μm f. 炭素繊維 平均繊維長 3mm、平均繊維径 9μm である。
は、 a. ポリアミド66(PA66) BASF社製、商品名「ウルトラミッド」 b. ポリアセタール(POM) BASF社製、商品名「ウルトラフォルム」 c. 高密度ポリエチレン(HDPE) ダイヤポリマー社製、商品名「三菱ポリエチレン」 d. ポリテトラフルオロエチレン(PTFE) 喜多村社製、商品名「KTL610」 e. ガラス繊維 平均繊維長 6mm、平均繊維径 10μm f. 炭素繊維 平均繊維長 3mm、平均繊維径 9μm である。
【0023】また、本実施例および比較例において、滑
り摩擦係数および摩耗量は、(株)東京試験機製作所製
の高温伊東式計装化摩耗試験機(IAT−SP3−85
329型)を使用し、 試験片 30×30×3(縦×横×厚さ。単位m
m) 基板材 金属S45C 回転数 150rpm テスト荷重 5Kg 試験時間 3時間 試験温度 25℃ という条件で測定したものである。試験片の具体例を図
7に示し、図7(A)は側面図、図7(B)は上面図で
ある。また、基板材の具体的な形状を図8に示し、図8
(A)は左側面図、図8(B)は断面図である。
り摩擦係数および摩耗量は、(株)東京試験機製作所製
の高温伊東式計装化摩耗試験機(IAT−SP3−85
329型)を使用し、 試験片 30×30×3(縦×横×厚さ。単位m
m) 基板材 金属S45C 回転数 150rpm テスト荷重 5Kg 試験時間 3時間 試験温度 25℃ という条件で測定したものである。試験片の具体例を図
7に示し、図7(A)は側面図、図7(B)は上面図で
ある。また、基板材の具体的な形状を図8に示し、図8
(A)は左側面図、図8(B)は断面図である。
【0024】(実施例1)まず、POM80重量%に対
してHDPE20重量%を加えた樹脂組成物(滑り摩擦
係数:0.36、摩耗量:0.7mg)を用い、軸受け
部を射出成形した。次にPA66、60重量%にガラス
繊維40重量%を加えた樹脂組成物(曲げ弾性率:10
0000Kg/cm2 )を用いて、歯部を軸受け部の上
から射出成形して直径32mm、モジュール0.5、歯
部62、圧力角20°、歯幅7mmのハスバ歯車(アイ
ドルギア)を得た。次に、このギアをニッケルメッキし
た炭素綱(S45C)製の固定軸に取り付けて、回転数
1000rpm、軸トルク4Kg・cmの条件で試験し
たところ、300時間の連続試験後も歯部の摩耗量、固
定軸の摩耗量とも問題なかった。
してHDPE20重量%を加えた樹脂組成物(滑り摩擦
係数:0.36、摩耗量:0.7mg)を用い、軸受け
部を射出成形した。次にPA66、60重量%にガラス
繊維40重量%を加えた樹脂組成物(曲げ弾性率:10
0000Kg/cm2 )を用いて、歯部を軸受け部の上
から射出成形して直径32mm、モジュール0.5、歯
部62、圧力角20°、歯幅7mmのハスバ歯車(アイ
ドルギア)を得た。次に、このギアをニッケルメッキし
た炭素綱(S45C)製の固定軸に取り付けて、回転数
1000rpm、軸トルク4Kg・cmの条件で試験し
たところ、300時間の連続試験後も歯部の摩耗量、固
定軸の摩耗量とも問題なかった。
【0025】(実施例2)まず、PA66、79重量
%、炭素繊維20重量%およびPTFE1重量%からな
る樹脂組成物(すべり摩擦係数0.5、摩耗量1.0m
g)を用い、軸受け部を射出成形した。次にPA66、
60重量%に炭素繊維40重量%からなる樹脂組成物
(曲げ弾性率130000Kg/cm2 )を用い、歯部
を軸受け部の上から射出成形して直径40mm、モジュ
ール1、歯数38、圧力角20°、歯幅10mmの平歯
車(アイドルギア)を得た。次に、このギアをニッケル
メッキした炭素綱(S45C)製の固定軸に取付回転数
50rpm、軸トルク40kg・cmの条件で試験した
ところ、400時間の連続試験後も歯部の摩耗量、固定
軸の摩耗量とも問題なかった。
%、炭素繊維20重量%およびPTFE1重量%からな
る樹脂組成物(すべり摩擦係数0.5、摩耗量1.0m
g)を用い、軸受け部を射出成形した。次にPA66、
60重量%に炭素繊維40重量%からなる樹脂組成物
(曲げ弾性率130000Kg/cm2 )を用い、歯部
を軸受け部の上から射出成形して直径40mm、モジュ
ール1、歯数38、圧力角20°、歯幅10mmの平歯
車(アイドルギア)を得た。次に、このギアをニッケル
メッキした炭素綱(S45C)製の固定軸に取付回転数
50rpm、軸トルク40kg・cmの条件で試験した
ところ、400時間の連続試験後も歯部の摩耗量、固定
軸の摩耗量とも問題なかった。
【0026】(比較例1)PA66、60重量%にガラ
ス繊維40重量%を加えた樹脂組成物(曲げ弾性率10
0000Kg/cm2 )を用い、実施例1と同じギアを
射出成形した。このギアを実施例1と同様に試験したと
ころ、20時間で固定軸が摩耗し、試験を続けることが
できなかった。
ス繊維40重量%を加えた樹脂組成物(曲げ弾性率10
0000Kg/cm2 )を用い、実施例1と同じギアを
射出成形した。このギアを実施例1と同様に試験したと
ころ、20時間で固定軸が摩耗し、試験を続けることが
できなかった。
【0027】(比較例2)POM80重量%に対してH
DPE20重量%からなる樹脂組成物(すべり摩擦係数
0.36、摩耗量0.7mg)を用いて実施例1と同じ
ギアを射出成形した。このギアを実施例1と同様に試験
したところ、15時間で歯部が破損し、試験を続けるこ
とができなかった。
DPE20重量%からなる樹脂組成物(すべり摩擦係数
0.36、摩耗量0.7mg)を用いて実施例1と同じ
ギアを射出成形した。このギアを実施例1と同様に試験
したところ、15時間で歯部が破損し、試験を続けるこ
とができなかった。
【0028】(比較例3)PA66、60重量%に炭素
繊維40重量%からなる樹脂組成物(曲げ弾性率130
000Kg/cm2 )を用い、実施例2と同じギアを得
た。このギアを実施例2と同様に試験したところ、40
時間で固定軸が摩耗し、試験を続けることができなかっ
た。
繊維40重量%からなる樹脂組成物(曲げ弾性率130
000Kg/cm2 )を用い、実施例2と同じギアを得
た。このギアを実施例2と同様に試験したところ、40
時間で固定軸が摩耗し、試験を続けることができなかっ
た。
【0029】(比較例4)PA66、79重量%、炭素
繊維20重量%およびPTFE1重量%からなる樹脂組
成物(すべり摩擦係数0.5、摩耗量1.0m)を用
い、実施例2と同じギアを得た。このギアを実施例2と
同様に試験したところ、50時間で歯部が破損し、試験
を続けることができなかった。
繊維20重量%およびPTFE1重量%からなる樹脂組
成物(すべり摩擦係数0.5、摩耗量1.0m)を用
い、実施例2と同じギアを得た。このギアを実施例2と
同様に試験したところ、50時間で歯部が破損し、試験
を続けることができなかった。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本実施例によれ
ば、多段成形法を使用し、ギアのうち歯の部分に200
00Kg/cm2 以上の曲げ弾性率を持つ材料を、軸受
け部分にすべり摩擦係数0.6以下、摩耗量50mg以
下の歯部と異なる材料を用いることにより、高強度と高
摺動性を両立し、かつ安価な樹脂製ギアを得ることが可
能となる。
ば、多段成形法を使用し、ギアのうち歯の部分に200
00Kg/cm2 以上の曲げ弾性率を持つ材料を、軸受
け部分にすべり摩擦係数0.6以下、摩耗量50mg以
下の歯部と異なる材料を用いることにより、高強度と高
摺動性を両立し、かつ安価な樹脂製ギアを得ることが可
能となる。
【0031】
【図1】本実施例における樹脂性ギアを表す図である。
【図2】2射出成形に用いる金型の1例を示す図であ
る。
る。
【図3】図2の金型を閉じた状態を表す図である。
【図4】軸受け部を射出成形している状態を表す図であ
る。
る。
【図5】軸受け部の射出成形を完了した状態を表す図で
ある。
ある。
【図6】歯部を射出成形している状態を表す図である。
【図7】本実施例の摩耗試験片の形状を示す図である。
【図8】本実施例の基板材の具体的な形状を示す図であ
る。
る。
1 固定金型 1a 一次成形ユニット 1b 二次成形ユニット 2 可動金型 3 軸受け部 11 第1成形室 12 第2成形室 31 第1樹脂注入口 32 第2樹脂注入口
Claims (3)
- 【請求項1】 固定軸に接して摺動する面を含む軸受け
部と、回転を伝達する歯部とを含む樹脂製ギアであっ
て、 前記歯部は曲げ弾性率が20000kg/cm2 以上の
樹脂もしくは樹脂組成物のいずれかにて成形され、前記
軸受け部はすべり摩擦係数が0.6以下の前記歯部と異
なる樹脂もしくは樹脂組成物のいずれかにて成形されて
いることを特徴とする樹脂製ギア。 - 【請求項2】 前記軸受け部は、すべり摩擦係数が0.
6以下で摩耗量が50mg以下の前記歯部と異なる樹脂
もしくは樹脂組成物のいずれかにて成形されていること
を特徴とする請求項1に記載の樹脂製ギア。 - 【請求項3】 固定軸に接して摺動する面を含む軸受け
部と、回転を伝達する歯部とを含む樹脂製ギアの製造方
法であって、 すべり摩擦係数が0.6以下の樹脂もしくは樹脂組成物
のいずれかを用いて前記軸受け部を射出成形し、 曲げ弾性率が20000kg/cm2 以上の前記軸受け
部と異なる樹脂もしくは樹脂組成物のいずれかを用い
て、前記軸受け部の周囲に前記歯部を射出成形すること
を特徴とする樹脂製ギアの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14453393A JPH074498A (ja) | 1993-06-16 | 1993-06-16 | 樹脂製ギア及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14453393A JPH074498A (ja) | 1993-06-16 | 1993-06-16 | 樹脂製ギア及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH074498A true JPH074498A (ja) | 1995-01-10 |
Family
ID=15364532
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14453393A Pending JPH074498A (ja) | 1993-06-16 | 1993-06-16 | 樹脂製ギア及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH074498A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004340256A (ja) * | 2003-05-15 | 2004-12-02 | Nsk Ltd | 樹脂製プーリ |
JP2006275071A (ja) * | 2005-03-28 | 2006-10-12 | Brother Ind Ltd | 歯車列及び当該歯車列を備えた画像形成装置 |
JP2007298157A (ja) * | 2006-05-08 | 2007-11-15 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 歯車 |
JP2021169853A (ja) * | 2020-04-17 | 2021-10-28 | 株式会社ミツバ | 樹脂製ギヤの製造方法及び樹脂製ギヤ |
-
1993
- 1993-06-16 JP JP14453393A patent/JPH074498A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004340256A (ja) * | 2003-05-15 | 2004-12-02 | Nsk Ltd | 樹脂製プーリ |
JP2006275071A (ja) * | 2005-03-28 | 2006-10-12 | Brother Ind Ltd | 歯車列及び当該歯車列を備えた画像形成装置 |
JP4561431B2 (ja) * | 2005-03-28 | 2010-10-13 | ブラザー工業株式会社 | 歯車列及び当該歯車列を備えた画像形成装置 |
JP2007298157A (ja) * | 2006-05-08 | 2007-11-15 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 歯車 |
JP2021169853A (ja) * | 2020-04-17 | 2021-10-28 | 株式会社ミツバ | 樹脂製ギヤの製造方法及び樹脂製ギヤ |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20031006 |