JPH1047359A - 転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受

Info

Publication number
JPH1047359A
JPH1047359A JP20974996A JP20974996A JPH1047359A JP H1047359 A JPH1047359 A JP H1047359A JP 20974996 A JP20974996 A JP 20974996A JP 20974996 A JP20974996 A JP 20974996A JP H1047359 A JPH1047359 A JP H1047359A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solid lubricant
rolling
bearing
spacer
rolling element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20974996A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Tanaka
洋 田中
Shigeki Matsunaga
茂樹 松永
Kiyotoshi Ueda
清利 上田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP20974996A priority Critical patent/JPH1047359A/ja
Publication of JPH1047359A publication Critical patent/JPH1047359A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/37Loose spacing bodies
    • F16C33/3713Loose spacing bodies with other rolling elements serving as spacing bodies, e.g. the spacing bodies are in rolling contact with the load carrying rolling elements
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/02Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows
    • F16C19/20Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows with loose spacing bodies, e.g. balls, between the bearing balls
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/37Loose spacing bodies

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】軸受の使用初期から長時間に渡って優れた自己
潤滑性を有する転がり軸受を提供する。 【解決手段】内輪2、外輪1、ボールからなる転動体
3、および円筒体からなるスペーサ4で構成される転が
り軸受において、スペーサ4をアンチモン含浸黒鉛で形
成し、転動体3の表面にアンチモン含浸黒鉛の被膜を設
けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内輪と、外輪と、
複数個の転動体と、転動体同士の間に配置されるスペー
サとを備えた転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、転がり軸受は潤滑油またはグリ
ース等の液状または半固形状の潤滑剤により潤滑される
が、潤滑剤の蒸発が避けられないような高温や潤滑剤が
粘性を失ってしまう程に低温の環境、水中や真空中など
の特殊な環境においては、潤滑油またはグリース等を使
用することが困難な場合があり、このような場合には固
体潤滑剤が使用される。
【0003】従来の転がり軸受に対する固体潤滑剤の適
用例としては、例えば、転がり軸受の内輪軌道面と外輪
軌道面との間の空隙部に、適当なバインダを混合した固
体潤滑剤を充填して焼成固化した軸受(米国特許4,2
23,963号)が知られている。また、固体潤滑剤の
ブロックから削り出した保持器を使用することも提案さ
れている(実開平2−87121号公報、特開平1−1
26426号公報、特開平3−272320号公報参
照)。
【0004】一方、水または弱酸等の溶液、もしくはこ
れらの蒸気中、さらには高温高圧の水や水蒸気中等の腐
食性雰囲気で使用される転がり軸受は、従来、主にSU
S440Cと称されるステンレス鋼で製造されていた。
しかしながら、このSUS440C製の転がり軸受は、
水中等の潤滑性の悪い状態で使用されると摩耗が生じ、
寿命が短くなるという欠点があった。また、軸受材料と
して知られている窒化珪素焼結体(セラミックス)は耐
食性に優れているため、窒化珪素製の転がり軸受は潤滑
性の悪い水中での使用において上記ステンレス鋼製の転
がり軸受より寿命が長くなる。
【0005】そして、転がり軸受の構成部材を全て窒化
珪素製にすると非常に高価なものとなるため、コストパ
フォーマンスの点から、転動体のみを窒化珪素製とし、
内外輪等はステンレス鋼製としたものが従来より多く用
いられている。また、例えば200℃以上の高温の水中
(高圧に加圧されることにより達成される)での使用に
際しては、窒化珪素焼結体であっても酸化反応が生じる
ため、このような過酷な条件下でも酸化反応が生じない
炭化珪素焼結体を使用することも検討されている。
【0006】しかしながら、この炭化珪素焼結体で形成
された転動体は、ステンレス鋼や窒化珪素焼結体で形成
された転動体に比べて機械的強度が弱いため、炭化珪素
製の転動体を使用した転がり軸受においては、大きな衝
撃に対する耐性について改善の余地がある。また、水中
での使用の際には潤滑油やグリースによる潤滑効果が期
待できないため、寿命をより向上させるためには固体潤
滑剤の使用が有用となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、内輪と、外
輪と、複数個の転動体と、転動体同士の間に配置される
スペーサとを備えた転がり軸受において、潤滑油やグリ
ースによる潤滑効果が期待できない環境、例えば極端な
高温や低温、水中、真空下などで使用されても寿命の長
い転がり軸受を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、内輪と、外輪と、複数個の転動体と、転
動体同士の間に配置されるスペーサとを備えた転がり軸
受において、前記スペーサおよび必要に応じて備えた保
持器のうち少なくともいずれか一方は、自己潤滑性を有
するものであることを特徴とする転がり軸受を提供する
ものである。
【0009】なお、転がり軸受の潤滑に固体潤滑剤を用
いた前記従来の適用例のうち、内輪軌道面と外輪軌道面
との間の空隙部にバインダを混合した固体潤滑剤を充填
して焼成固化するものは、焼成の際の熱で軸受構成部材
の寸法変化や硬度低下が生じる場合があるとともに、バ
インダの耐熱温度により軸受の使用温度が制約されてし
まうという問題点がある。また、保持器を固体潤滑剤で
形成した例では、転動体が保持器と接触しながら回転す
ることにより保持器の固体潤滑剤が転動体表面に付着
し、この転動体が内外輪軌道面との接触で表面に付着し
た固体潤滑剤を内外輪軌道面に移着することによって、
軸受全体の潤滑が行われるため、軸受の使用初期におい
ては十分な潤滑作用が得られない。
【0010】したがって、固体潤滑剤を用いた転がり軸
受においては、軸受の使用初期から十分な潤滑作用が得
られるようにすることが課題となっており、これを解決
するために提供される転がり軸受は、内輪と、外輪と、
複数個の転動体と、保持器または転動体同士の間に配置
されるスペーサとを備えた転がり軸受において、保持器
またはスペーサが固体潤滑剤で形成されているととも
に、内輪、外輪、および転動体の少なくともいずれか一
つに、前記固体潤滑剤と同じ材質からなる固体潤滑剤被
膜を設けたことを特徴とするものである。
【0011】この転がり軸受によれば、軸受の使用初期
においては、内輪、外輪、および転動体の少なくともい
ずれか一つに設けた固体潤滑剤被膜により十分な潤滑作
用が得られるとともに、軸受の使用時間が長くなって前
記固体潤滑剤被膜が消耗した場合には、保持器またはス
ペーサを形成している固体潤滑剤が十分に転動体に付着
して内外輪軌道面にも供給されるため、長時間に渡って
固体潤滑剤による潤滑作用が得られる。また、前記固体
潤滑剤被膜を保持器またはスペーサを形成している固体
潤滑剤と同じ材質とすることによって、混合による不具
合が生じないため、異なる材質の場合と比較して、軸受
の使用初期から長時間に渡って優れた潤滑作用を得るこ
とができる。
【0012】この転がり軸受において、内外輪および転
動体は、軸受鋼、ステンレス鋼、窒化珪素などのセラミ
ックス等、軸受材料として通常使用されるいずれの材料
で形成されていてもよい。
【0013】転動体に固体潤滑剤被膜を設ける方法とし
ては、固体潤滑剤の粉末または粒子を、ボールミル、ア
トライタ等の粉砕装置もしくはバレルのような研磨装置
に転動体とともに入れ、回転運動や振動を与えて固体潤
滑剤と転動体を強く接触させる方法が挙げられる。内輪
および外輪に固体潤滑剤被膜を設ける方法としては、上
述の転動体の場合と同様にボールミル等を用いる方法、
スパッタリング法、真空蒸着法などが挙げられる。固体
潤滑剤被膜の厚さは、軸受の隙間、回転精度、潤滑寿命
との関係、軸受の使用目的および使用する固体潤滑剤の
種類などに応じて異なるが、数μm〜数10μm程度が
適切である。
【0014】保持器またはスペーサをなす固体潤滑剤と
しては、黒鉛、ポリテトラフルオロエチレン樹脂などの
バルク材や、金属やプラスチックをマトリックスとし
て、黒鉛、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、二硫化モ
リブデン、および二硫化タングステン等を含む複合材料
が挙げられる。また、これらの固体潤滑剤の被膜を保持
器やスペーサの表面に形成してもよい。
【0015】一方、前述のように、耐食性の向上のため
に炭化珪素製の転動体を使用した転がり軸受は耐衝撃性
に改善の余地があり、これを解決するために提供される
転がり軸受は、内輪と、外輪と、複数個の炭化珪素製転
動体とを備えた転がり軸受において、前記転動体同士の
間に、耐食性鋼材からなり前記転動体と同形状で大きさ
は同じか僅かに小さいスペーサを配置したことを特徴と
する。
【0016】この転がり軸受によれば、内輪と外輪の間
に炭化珪素製転動体と耐食性鋼材からなる前記スペーサ
が配置され、当該スペーサは転動体同士の間に(一つ置
きまたは複数個置きまたは不定の間隔で)配置されてい
るため、軸受に大きな衝撃が加わって炭化珪素製転動体
が破壊した場合には、耐衝撃性の高い前記スペーサが荷
重を受ける。なお、通常運転時の荷重は炭化珪素製転動
体が受けるため、前記スペーサの大きさは転動体と同じ
か僅かに小さいものとする。
【0017】また、この転がり軸受が保持器を備えてい
る場合には、当該保持器を固体潤滑剤で形成することが
好ましい。これにより、潤滑油やグリースによる潤滑効
果が期待できない水中等の腐食環境下での使用の際に、
保持器をなす固体潤滑剤が転動体およびこれを介して内
外輪に供給されることによって潤滑効果が得られるた
め、軸受寿命を長くすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。 〔実施形態1〕図1は、水中での摩耗試験機に転がり軸
受の試験体が装着されている状態を示す断面図であり、
この試験機により、本発明の一実施形態に相当する転が
り軸受について、試験体10による摩耗試験を行った。
【0019】この試験機は、水を貯える容器Yと回転軸
Sとで構成され、容器Yの底部に試験体10を乗せる設
置台Dが形成してあり、容器Yの側面には、設置台Dの
周辺部に向かう注水孔A1 と、設置台Dの中心部に向か
ってこれを貫通する注水孔A 2 が設けてあり、これらの
注水孔A1 ,A2 によって容器Y内に水が供給されるよ
うになっている。また、容器Y側面の上部にはオーバー
フロー水を排出する排水口A3 が設けてある。
【0020】試験体10は、二枚の軌道輪試験片11,
12と、保持器試験片14と、転動体3とで構成され、
軌道輪試験片11,12は、中心に穴の開いた円板状で
あって片面に環状の円弧溝13が設けてあり、ステンレ
ス(SUS440C)で形成されている。
【0021】保持器試験片14は、軌道輪試験片11,
12と同じ大きさの円板に同じ穴が開けてあり、さらに
円板面に所定のピッチで六個の転動体(ボール)3を入
れるポケット31が設けてあり、黒鉛(東洋炭素(株)
製KC−17)で形成されている。図2は保持器試験片
14の断面図であり、この図に示すように、ポケット3
1の試験機内で上側となる部分31aが下側となる部分
31bよりも狭く形成されており、これによって、試験
の際には、保持器試験片14の重量が転動体3にかかる
ようになっている。
【0022】転動体3は窒化珪素焼結体で形成された3
/8インチのボールであり、保持器試験片14と同じ黒
鉛による被膜が以下のようにして設けてある。すなわ
ち、ボールミルのジルコニア製ポットに、被処理体であ
る窒化珪素製ボールと黒鉛粉と粉砕媒体であるジルコニ
ア製ボールを入れ、48時間ボールミルを稼働させるこ
とによって、窒化珪素製ボールの表面に黒鉛の膜を付着
させた。
【0023】一方、比較例として、黒鉛被膜ではなくポ
リテトラフルオロエチレンの被膜を窒化珪素製ボールに
設けたものを転動体3として用い、前記と同じ保持器試
験片14、軌道輪試験片11,12を用いて転がり軸受
の試験体を作製した。なお、被膜形成は、黒鉛粉に代え
てテフロン(デュポン社の登録商標)の粉末を用いた以
外は前記と同様にして行った。
【0024】各試験体10を試験機の設置台Dに乗せ、
上側の軌道輪試験片11の穴に回転軸Sの先端を嵌め入
れ、常温の水道水を入れた容器Yに蓋Hを被せた状態
で、アキシャル荷重40kgf、回転数1000rpm
の条件で回転軸Sを回転させ、上側の軌道輪試験片11
に剥離が生じるまでの時間を測定するとともに、上下の
軌道輪試験片11,12について軌道面の摩耗深さを測
定した。その結果を下記の表1に示す
【0025】
【表1】
【0026】この表から分かるように、保持器試験片1
4をなす固体潤滑剤と同じ黒鉛の被膜を備えた転動体3
を用いた試験体(実施例1)は、保持器試験片14をな
す固体潤滑剤と異なるテフロンの被膜を備えた転動体3
を用いた試験体(比較例1)と比較して、上側の軌道輪
試験片11に剥離が生じるまでの時間が長く、両軌道輪
試験片11,12の摩耗深さは小さくなった。すなわ
ち、転動体の固定潤滑剤被膜を保持器の固体潤滑剤と同
じものとすることによって、異なるものとする場合より
も水中における耐摩耗性が向上する。 〔実施形態2〕図3は本発明の一実施形態に相当する転
がり軸受を示す部分断面図である。この転がり軸受は、
外輪1、内輪2、転動体3、およびスペーサ4で構成さ
れている。
【0027】外輪1と内輪2はSUJ2で形成されてお
り、転動体3はSUJ2で形成されたボールの表面にア
ンチモン含浸黒鉛(東洋炭素(株)製IG1109)の
被膜が、前記実施形態と同様にボールミルを用いた方法
で形成されている。なお、アンチモン含浸黒鉛は黒鉛よ
りも耐酸化性に優れたものである。
【0028】スペーサ4は、前述のアンチモン含浸黒鉛
からなる円筒体であって、転動体3同士の間に一つ置き
に配置されている。このスペーサ4が転動体3同士の間
隔を一定に保持しているため、この転がり軸受は保持器
を備えていない。
【0029】これに対する比較例(比較例2)として、
転動体3に固体潤滑剤被膜を設けていない点以外は上記
と同じ転がり軸受を用意し、上記実施例2と比較例2の
転がり軸受について、図4に示す試験装置で軸受寿命の
加速試験を行った。
【0030】図4の試験装置により、支持軸受71で支
持された回転軸72に試験軸受73を取り付けて、恒温
槽74内の温度を350℃に保持し、ラジアル荷重負荷
系75を介して試験軸受73にラジアル荷重Fr(50
kgf)を負荷しながら、回転軸72を100rpmで
回転させ、振動検出部76で振動レベルを検知したとこ
ろ、比較例2では回転時間が40時間となったところで
振動が極端に増加したため回転を停止した。これに対し
て実施例2では、50時間以上回転しても振動の極端な
増加が見られなかったため、試験を打ち切った。
【0031】この結果から、スペーサ4と転動体3の両
方に固定潤滑剤被膜を設けてあると、スペーサ4のみに
固定潤滑剤被膜が設けてある場合よりも、長期間潤滑作
用が保持さてて軸受寿命が向上することが分かる。 〔実施形態3〕図5は本発明の一実施形態に相当する転
がり軸受を示す部分断面図である。この転がり軸受は、
外輪1、内輪2、転動体3、およびスペーサ41で構成
されている。
【0032】外輪1および内輪2はSUJ2等の通常の
軸受鋼からなり、転動体3は炭化珪素焼結体からなるボ
ールである。スペーサ41は耐食性鋼からなるボールで
あり、その直径は、使用時の温度において転動体3と同
じか、差が40μm以下となる範囲で転動体3の直径よ
り小さいものとしてある。スペーサ41は転動体3同士
の間に一つ置きに配置されており、保持器は備えていな
い。
【0033】ここで、炭化窒素焼結体および窒化珪素焼
結体を含む各種軸受用材料について、高温高圧の水中に
おける耐食性テストを行った結果について説明する。下
記の表2に示す各材料について同形状の試験片を用意
し、各試験片と蒸留水を圧力容器内に入れて温度450
℃、圧力210kg/cm2 に保持し、3時間後および
168時間後における各試験片の重量減少率と、168
時間後の試験片の外観を調べた。その結果を表2に併せ
て示す。なお、表2の金被膜処理は電気メッキにより行
い、約6μmの金被膜を施した。
【0034】
【表2】
【0035】この結果から分かるように、炭化珪素焼結
体の耐食性は極めて高いのに対して、窒化珪素焼結体は
耐食性が非常に低い。また、鋼材であるSUS440C
およびM50は、表面に腐食層(不動態膜)が生じるた
め腐食の程度は低い。なお、この腐食層は潤滑剤被膜と
して作用するため、スペーサ41がSUS440Cおよ
びM50である軸受はスペーサが自己潤滑性を有する実
施形態に相当する。また、SUS440Cに金被膜を設
けたものは耐食性が高く、このような耐食性被膜として
は金以外の、例えばTiC、TiNなどの硬質被膜やセ
ラミックスの溶射被膜でもよい。
【0036】したがって、スペーサ41としては、SU
S440CやM50に、前述のような耐食性被膜を設け
たものが好ましい。また、耐食性被膜はスペーサ41だ
けでなく、内輪2および外輪1にも設けてあることが好
ましい。
【0037】次に、耐衝撃性試験として、下記の表3に
示す各材料について同形状の試験片を用意し、ハンマを
一定高さから打ち下ろすことにより試験片に6Nの衝撃
荷重をかけて、試験片が破損に至るまでの打撃回数を調
べた。その結果を表3に併せて示す。
【0038】
【表3】
【0039】この結果から分かるように、炭化珪素焼結
体は窒化珪素焼結体やSUS440Cより耐衝撃性に劣
る。したがって、転動体3を耐食性の高い炭化珪素焼結
体で形成し、スペーサ41を耐衝撃性の高いSUS44
0Cで形成することにより、腐食性雰囲気中での寿命が
高いとともいに、激しい衝撃で転動体3が破壊しても耐
衝撃性の高いスペーサ41が衝撃荷重を受け止めるた
め、内外輪の破壊には至らず被害を軸受内に止めること
ができる。 〔実施形態4〕図6は本発明の一実施形態に相当する転
がり軸受を示す部分断面図である。この転がり軸受は、
外輪1、内輪2、転動体3、スペーサ41、および固体
潤滑剤からなる保持器5で構成されている。
【0040】外輪1、内輪2、転動体3、およびスペー
サ41は前記実施形態3と同じものであるが、この実施
形態ではC/Cコンポジット製の保持器5を備えてい
る。この保持器5のポケットにスペーサ41と転動体3
が交互に配置されている。
【0041】ここで、各種固体潤滑剤と、従来の耐食性
雰囲気下で使用される軸受の保持器材料であるSUS3
04の特性を下記の表4に示す。なお、表中の耐食性
は、同じ条件で酸化が生じない場合を○、酸化が生じた
場合を×と記した。
【0042】
【表4】
【0043】この表から分かるように、黒鉛は、酸化性
雰囲気であっても約450℃までは耐熱性があるため、
腐食性雰囲気下で使用される軸受の保持器材料として使
用可能である。ポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)は耐熱温度が約260℃であり耐薬品性にも優れて
いるため、腐食性雰囲気下で使用される軸受の保持器材
料として使用可能である。二硫化モリブデンおよび二硫
化タングステンは、そのままバルクで使用することは困
難であり、金属や無機バインダーをマトリックスとした
複合材として保持器に形成されるため、マトリックスの
特性によって使用可能か否かが決定される。C/Cコン
ポジットは他の材料より全ての点で優れている。
【0044】そこで、保持器試験片14をC/Cコンポ
ジット製とし、軌道輪試験片11,12および転動体3
4はSUS440C製とした試験体10を、実施形態1
と同様に図1の試験機にかけて、水中での摩耗試験を行
った。また、比較例として保持器試験片14をSUS3
04製とした試験体10についても、同様に試験を行っ
た。なお、試験条件は、アキシャル荷重を100kgf
とした以外は実施形態1と同じである。
【0045】その結果、保持器試験片14がSUS30
4製である比較例では、3時間の回転でポケット31の
摩耗が激しくなり著しく振動が生じたため回転を停止し
たのに対し、保持器試験片14がC/Cコンポジット製
である実施例では、9時間経っても何ら異常な生じなか
った。
【0046】したがって、この実施形態では、前記実施
形態3と同様に、転動体3を耐食性の高い炭化珪素焼結
体で形成し、スペーサ41を耐衝撃性の高いSUS44
0Cで形成することにより、激しい衝撃で転動体3が破
壊しても耐衝撃性の高いスペーサ41が衝撃荷重を受け
止めるため、内外輪の破壊には至らず被害を軸受内に止
めることができることに加えて、保持器をC/Cコンポ
ジット製とすることで潤滑性が保持されるため、腐食性
雰囲気下での寿命がさらに高くなる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
内輪と、外輪と、複数個の転動体と、転動体同士の間に
配置されるスペーサとを備えた転がり軸受において、潤
滑油やグリースによる潤滑効果が期待できない環境で使
用されても寿命の長い転がり軸受を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】水中での摩耗試験機に転がり軸受の試験体が装
着されている状態を示す断面図である。
【図2】試験体の保持器試験片を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に相当する転がり軸受を示
す部分断面図である。
【図4】軸受寿命の加速試験を行う試験装置を示す概略
図である。
【図5】本発明の一実施形態に相当する転がり軸受を示
す部分断面図である。
【図6】本発明の一実施形態に相当する転がり軸受を示
す部分断面図である。
【符号の説明】
1 外輪 2 内輪 3 転動体 4 スペーサ 5 保持器 11 軌道輪試験片 12 軌道輪試験片 14 保持器試験片 41 スペーサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内輪と、外輪と、複数個の転動体と、転
    動体同士の間に配置されるスペーサとを備えた転がり軸
    受において、 前記スペーサおよび必要に応じて備えた保持器のうち少
    なくともいずれか一方は、自己潤滑性を有するものであ
    ることを特徴とする転がり軸受。
JP20974996A 1996-08-08 1996-08-08 転がり軸受 Pending JPH1047359A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20974996A JPH1047359A (ja) 1996-08-08 1996-08-08 転がり軸受

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20974996A JPH1047359A (ja) 1996-08-08 1996-08-08 転がり軸受

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1047359A true JPH1047359A (ja) 1998-02-17

Family

ID=16578006

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20974996A Pending JPH1047359A (ja) 1996-08-08 1996-08-08 転がり軸受

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1047359A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6471408B1 (en) 1998-05-20 2002-10-29 Nsk Ltd. Solid lubricating rolling bearing
JP2006017241A (ja) * 2004-07-02 2006-01-19 Koyo Seiko Co Ltd 玉軸受
DE102004050706A1 (de) * 2004-10-19 2006-04-20 Bosch Rexroth Mechatronics Gmbh Wälzlager mit Überlastschutz
JP2008169996A (ja) * 2006-09-06 2008-07-24 Nsk Ltd セラミックス製球状体の製造方法、この方法で得られた転動体を有する転がり支持装置
JP2008304018A (ja) * 2007-06-08 2008-12-18 Ntn Corp 水中用転がり軸受

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6471408B1 (en) 1998-05-20 2002-10-29 Nsk Ltd. Solid lubricating rolling bearing
DE19981108B4 (de) * 1998-05-20 2004-09-16 Nsk Ltd. Wälzlager mit Feststoff-Schmierung
JP2006017241A (ja) * 2004-07-02 2006-01-19 Koyo Seiko Co Ltd 玉軸受
DE102004050706A1 (de) * 2004-10-19 2006-04-20 Bosch Rexroth Mechatronics Gmbh Wälzlager mit Überlastschutz
JP2008169996A (ja) * 2006-09-06 2008-07-24 Nsk Ltd セラミックス製球状体の製造方法、この方法で得られた転動体を有する転がり支持装置
JP2008304018A (ja) * 2007-06-08 2008-12-18 Ntn Corp 水中用転がり軸受

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100396946C (zh) 滚动滑动件及滚动装置
KR100281621B1 (ko) 무리테이너형 구름 베어링
US5725688A (en) Rolling bearing
WO2001033091A1 (en) Antifriction bearing for use in a corrosive environment
JP4227897B2 (ja) セラミック製転がり要素及び鋼製内輪又は外輪を有する転がり軸受
JPH06337016A (ja) 耐食性転がり軸受
JPH1047359A (ja) 転がり軸受
JP3738750B2 (ja) 耐摩耗性摺動部材
JPH06159373A (ja) 自己潤滑剤コーティング転がり軸受
JPH05209621A (ja) 磁気軸受装置のタッチダウン軸受
JPH084770A (ja) 耐摩耗性摺動部材
WO2000037813A1 (fr) Roulement a billes
US4821385A (en) Method of making a bearing
JPH07233818A (ja) 転がり軸受
JP3535896B2 (ja) 軸受部品
JPH0596486U (ja) 液化ガスポンプモータ用軸受
JPH06280881A (ja) 転がり軸受
JPH06159369A (ja) 耐食性転がり軸受
JP2000240667A (ja) 転がり軸受
JP2931052B2 (ja) 転がり軸受
JPH0627857Y2 (ja) 転がり軸受
JP3931913B2 (ja) 転がり軸受
JP2005024025A (ja) 転動装置
JP2002195276A (ja) 転がり軸受
GB2389631A (en) Rolling bearing arrangement

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041221

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20050105

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050426