JPH1046500A - ガスバリア性を有する食品等のモールドトレー並びにその製造方法 - Google Patents
ガスバリア性を有する食品等のモールドトレー並びにその製造方法Info
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- JPH1046500A JPH1046500A JP21530096A JP21530096A JPH1046500A JP H1046500 A JPH1046500 A JP H1046500A JP 21530096 A JP21530096 A JP 21530096A JP 21530096 A JP21530096 A JP 21530096A JP H1046500 A JPH1046500 A JP H1046500A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 木材パルプを主原料としながらも、耐油性、
耐水性、耐塩性、ガスバリア性及び再生利用性に優れ
た、新規なモールドトレー並びにその製造方法の開発を
技術課題としたものである。 【解決手段】 主原料を叩解したパルプ繊維Pとし、こ
のパルプ繊維Pの分散液に撥水剤Aw、耐油剤Ao及び
定着剤Afを内添した原料液Fを抄造して成形したモー
ルドトレー1であり、収容部13における収容面及びそ
の裏面のいずれか一方または双方にガスバリア性紙層1
5を形成したので、モールドトレー1は耐水性、耐油
性、耐塩性を有するとともに、再生利用ができ、更にガ
スバリア性の保証がなされる。
耐水性、耐塩性、ガスバリア性及び再生利用性に優れ
た、新規なモールドトレー並びにその製造方法の開発を
技術課題としたものである。 【解決手段】 主原料を叩解したパルプ繊維Pとし、こ
のパルプ繊維Pの分散液に撥水剤Aw、耐油剤Ao及び
定着剤Afを内添した原料液Fを抄造して成形したモー
ルドトレー1であり、収容部13における収容面及びそ
の裏面のいずれか一方または双方にガスバリア性紙層1
5を形成したので、モールドトレー1は耐水性、耐油
性、耐塩性を有するとともに、再生利用ができ、更にガ
スバリア性の保証がなされる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば食品等の流
通資材に関するものであり、特にガスバリア性に優れ
た、主としてパルプ繊維を原料とするガスバリア性を有
するモールドトレー並びにその製造方法に係るものであ
る。
通資材に関するものであり、特にガスバリア性に優れ
た、主としてパルプ繊維を原料とするガスバリア性を有
するモールドトレー並びにその製造方法に係るものであ
る。
【0002】
【発明の背景】従来、惣菜、弁当、冷凍食品等をパック
する流通用容器として紙製品、主として平紙のプレス成
形もしくは折箱成形した紙トレーまたはパルプ原料から
成るいわゆるモールドトレーが用いられている。平紙の
プレス成形もしくは折箱成形した紙トレーは、通常食品
の入る表面もしくは中間層にプラスチックフィルムによ
るラミネート層を設けることで常温での耐油性、耐水
性、耐塩性及びガスバリヤ性等の機能が満たされてい
る。しかしこれらの紙トレーは底の浅いシンプルな形状
しか成形できず、間仕切りのあるような複雑な形状は実
現できなかった。
する流通用容器として紙製品、主として平紙のプレス成
形もしくは折箱成形した紙トレーまたはパルプ原料から
成るいわゆるモールドトレーが用いられている。平紙の
プレス成形もしくは折箱成形した紙トレーは、通常食品
の入る表面もしくは中間層にプラスチックフィルムによ
るラミネート層を設けることで常温での耐油性、耐水
性、耐塩性及びガスバリヤ性等の機能が満たされてい
る。しかしこれらの紙トレーは底の浅いシンプルな形状
しか成形できず、間仕切りのあるような複雑な形状は実
現できなかった。
【0003】一方、パルプ原料から成るいわゆるモール
ドトレーは、耐油性、耐水性に関しては高温多湿の食材
を収容したり、内容物が収容された状態で電子レンジ等
により加熱された場合に、内容物から発生する水蒸気等
により次に挙げるような問題が生じていた。
ドトレーは、耐油性、耐水性に関しては高温多湿の食材
を収容したり、内容物が収容された状態で電子レンジ等
により加熱された場合に、内容物から発生する水蒸気等
により次に挙げるような問題が生じていた。
【0004】まず内容物として米飯等が収容された場
合、米飯から発生する水蒸気がモールドトレーの収容面
から裏面に一部透過し、この結果モールドトレー全体が
柔らかくなり、形状の保持が不安定になる。また一旦こ
のような水蒸気等の浸透が起こってしまうと、米飯が冷
却した際に生ずる水分も浸透してしまうことになり、米
飯を食する際にパルプ繊維の一部が剥がれてしまう。
合、米飯から発生する水蒸気がモールドトレーの収容面
から裏面に一部透過し、この結果モールドトレー全体が
柔らかくなり、形状の保持が不安定になる。また一旦こ
のような水蒸気等の浸透が起こってしまうと、米飯が冷
却した際に生ずる水分も浸透してしまうことになり、米
飯を食する際にパルプ繊維の一部が剥がれてしまう。
【0005】また内容物として油もの、醤油もの等の副
食が収容された場合にも、副食から発生する蒸気が一部
透過してしまい、耐油性、耐水性、耐塩性が損なわれ
る。
食が収容された場合にも、副食から発生する蒸気が一部
透過してしまい、耐油性、耐水性、耐塩性が損なわれ
る。
【0006】この他、グラタン等の冷凍食品、冷凍弁当
等を収容した場合には、内容物が高温の状態でモールド
トレーに収容された際に水蒸気がモールドトレーの収容
面から一部透過し、冷凍時にこの水蒸気がパルプ繊維間
で凍結し、体積の増加による部分的な破裂を引き起こし
てしまう。この状態で解凍、加熱を行うと、この破裂部
から液状分が浸透し、更に破裂のない部分からも蒸気の
透過が起こり、耐油性、耐水性、耐塩性が損なわれてし
まう。
等を収容した場合には、内容物が高温の状態でモールド
トレーに収容された際に水蒸気がモールドトレーの収容
面から一部透過し、冷凍時にこの水蒸気がパルプ繊維間
で凍結し、体積の増加による部分的な破裂を引き起こし
てしまう。この状態で解凍、加熱を行うと、この破裂部
から液状分が浸透し、更に破裂のない部分からも蒸気の
透過が起こり、耐油性、耐水性、耐塩性が損なわれてし
まう。
【0007】一旦これらのような事態になると、モール
ドトレー全体が柔らかくなり、形状の保持が不安定にな
り、内容物がこぼれてしまったり、洩れ出してしまうと
いう問題が生じてしまうが、これらは、加熱された液状
分よりむしろ水蒸気の透過に起因するものである。
ドトレー全体が柔らかくなり、形状の保持が不安定にな
り、内容物がこぼれてしまったり、洩れ出してしまうと
いう問題が生じてしまうが、これらは、加熱された液状
分よりむしろ水蒸気の透過に起因するものである。
【0008】従ってこのような問題を防止するための対
策としては、PP、PE等のフィルムを張り付けたラミ
ネート加工によりガスバリア性を保証しているのであ
る。しかしこのようなラミネート加工は、材料費及び加
工費が発生するため、製品価格の上昇を招いてしまう。
また前記プレス成形品では、ラミネート加工を施した板
紙をプレス機により所定形状に加工するのであるが、こ
の際フィルムの一部が破裂してしまうこともあり、歩留
りが良好ではない。更にまた主としてパルプ原料から成
る製品は、再生利用ができることが特徴であるが、この
ためには前記フィルムを分離するという煩わしい工程が
必須となっている。
策としては、PP、PE等のフィルムを張り付けたラミ
ネート加工によりガスバリア性を保証しているのであ
る。しかしこのようなラミネート加工は、材料費及び加
工費が発生するため、製品価格の上昇を招いてしまう。
また前記プレス成形品では、ラミネート加工を施した板
紙をプレス機により所定形状に加工するのであるが、こ
の際フィルムの一部が破裂してしまうこともあり、歩留
りが良好ではない。更にまた主としてパルプ原料から成
る製品は、再生利用ができることが特徴であるが、この
ためには前記フィルムを分離するという煩わしい工程が
必須となっている。
【0009】ところで本出願人は、特開平7−1455
95号「食品等の包装材料並びに製造方法」、特開平7
−137726号「簡易食品容器」、特開平7−137
727号「食品流通用容器」、特開平8−92900号
「耐水モールドトレー並びにその製造方法」及び特願平
7−353346号「耐油及び耐水性簡易食品容器」等
の出願に至っている。これらは、パルプ繊維に対して種
々の添料を内添、外添することで耐水性、耐油性の向上
を図ったものであり、耐水性、耐油性に関しては充分な
効果が得られている。また更なる耐油性及び耐水性を求
める場合には、添料としてフッ素樹脂を用いるものであ
り、パルプ繊維としてケナフを用いた場合には、このい
くぶん高価なフッ素樹脂の使用量が少量で済むため、製
造原価を抑えることができるものである。しかしガスバ
リア性に関しては充分とはいい難いため、充分な耐油
性、耐水性、耐塩性及びガスバリア性を有し、なお且つ
製造原価が低廉であり再生利用のできるモールドトレー
の開発が望まれている。
95号「食品等の包装材料並びに製造方法」、特開平7
−137726号「簡易食品容器」、特開平7−137
727号「食品流通用容器」、特開平8−92900号
「耐水モールドトレー並びにその製造方法」及び特願平
7−353346号「耐油及び耐水性簡易食品容器」等
の出願に至っている。これらは、パルプ繊維に対して種
々の添料を内添、外添することで耐水性、耐油性の向上
を図ったものであり、耐水性、耐油性に関しては充分な
効果が得られている。また更なる耐油性及び耐水性を求
める場合には、添料としてフッ素樹脂を用いるものであ
り、パルプ繊維としてケナフを用いた場合には、このい
くぶん高価なフッ素樹脂の使用量が少量で済むため、製
造原価を抑えることができるものである。しかしガスバ
リア性に関しては充分とはいい難いため、充分な耐油
性、耐水性、耐塩性及びガスバリア性を有し、なお且つ
製造原価が低廉であり再生利用のできるモールドトレー
の開発が望まれている。
【0010】
【開発を試みた技術課題】本発明はこのような背景から
なされたものであって、木材パルプまたは非木材パルプ
を主原料としながらも、耐油性、耐水性、耐塩性、ガス
バリア性及び再生利用性に優れた、新規なモールドトレ
ー並びにその製造方法の開発を試みたものである。
なされたものであって、木材パルプまたは非木材パルプ
を主原料としながらも、耐油性、耐水性、耐塩性、ガス
バリア性及び再生利用性に優れた、新規なモールドトレ
ー並びにその製造方法の開発を試みたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1記載の
ガスバリア性を有する食品等のモールドトレーは、主原
料を叩解したパルプ繊維とし、このパルプ繊維の分散液
に撥水剤、耐油剤、耐塩剤及び定着剤のいずれか一種ま
たは複数種を内添した原料液を抄造して成形したモール
ドトレーであり、収容部における収容面及びその裏面の
いずれか一方または双方にガスバリア性紙層を形成した
ことを特徴とする。この発明によれば、モールドトレー
は耐水性、耐油性、耐塩性を有するとともに、再生利用
ができ、更に収容面側に高分子化合物のガスバリア性紙
層を形成したため、ガスバリア性の保証がなされる。
ガスバリア性を有する食品等のモールドトレーは、主原
料を叩解したパルプ繊維とし、このパルプ繊維の分散液
に撥水剤、耐油剤、耐塩剤及び定着剤のいずれか一種ま
たは複数種を内添した原料液を抄造して成形したモール
ドトレーであり、収容部における収容面及びその裏面の
いずれか一方または双方にガスバリア性紙層を形成した
ことを特徴とする。この発明によれば、モールドトレー
は耐水性、耐油性、耐塩性を有するとともに、再生利用
ができ、更に収容面側に高分子化合物のガスバリア性紙
層を形成したため、ガスバリア性の保証がなされる。
【0012】また請求項2記載のガスバリア性を有する
食品等のモールドトレーは、前記要件に加え、前記ガス
バリア性紙層は、高分子化合物を主成分として形成した
ことを特徴とする。この発明によれば、高分子化合物の
特性により高いガスバリア性の保証がなされる。
食品等のモールドトレーは、前記要件に加え、前記ガス
バリア性紙層は、高分子化合物を主成分として形成した
ことを特徴とする。この発明によれば、高分子化合物の
特性により高いガスバリア性の保証がなされる。
【0013】更にまた請求項3記載のガスバリア性を有
する食品等のモールドトレーは、前記請求項2記載の要
件に加え、前記高分子化合物は、アクリル酸エステルま
たはスチレン共重合体のいずれか一方または双方である
ことを特徴とする。この発明によれば、アクリル酸エス
テルまたはスチレン共重合体の特性により高いガスバリ
ア性の保証がなされる。
する食品等のモールドトレーは、前記請求項2記載の要
件に加え、前記高分子化合物は、アクリル酸エステルま
たはスチレン共重合体のいずれか一方または双方である
ことを特徴とする。この発明によれば、アクリル酸エス
テルまたはスチレン共重合体の特性により高いガスバリ
ア性の保証がなされる。
【0014】更にまた請求項4記載のガスバリア性を有
する食品等のモールドトレーの製造方法は、主原料たる
パルプ繊維を含む分散液に対して、撥水剤、耐油剤、耐
塩剤及び定着剤のいずれか一種または複数種を内添して
原料液とし、この原料液を抄造して基材を成形し、この
基材に対して高分子化合物の水溶液を噴霧した後、脱
水、加熱プレスすることを特徴とする。この発明によれ
ば、表面に対してパルプ繊維、高分子化合物及び添料か
ら成るガスバリア性紙層を形成することができる。
する食品等のモールドトレーの製造方法は、主原料たる
パルプ繊維を含む分散液に対して、撥水剤、耐油剤、耐
塩剤及び定着剤のいずれか一種または複数種を内添して
原料液とし、この原料液を抄造して基材を成形し、この
基材に対して高分子化合物の水溶液を噴霧した後、脱
水、加熱プレスすることを特徴とする。この発明によれ
ば、表面に対してパルプ繊維、高分子化合物及び添料か
ら成るガスバリア性紙層を形成することができる。
【0015】更にまた請求項5記載のガスバリア性を有
する食品等のモールドトレーの製造方法は、前記請求項
4記載の要件に加え、前記高分子化合物の水溶液の噴霧
は、抄造、常温脱水後に行うことを特徴とする。この発
明によれば、ガスバリア性紙層における高分子化合物の
含有率を高くすることができる。
する食品等のモールドトレーの製造方法は、前記請求項
4記載の要件に加え、前記高分子化合物の水溶液の噴霧
は、抄造、常温脱水後に行うことを特徴とする。この発
明によれば、ガスバリア性紙層における高分子化合物の
含有率を高くすることができる。
【0016】更にまた請求項6記載のガスバリア性を有
する食品等のモールドトレーの製造方法は、主原料たる
パルプ繊維を含む分散液に対して、撥水剤、耐油剤、耐
塩剤及び定着剤のいずれか一種または複数種を内添して
原料液とし、更にこの原料液に対して、高分子化合物の
水溶液に撥水剤、耐油剤、耐塩剤及び定着剤のいずれか
一種または複数種を添加した高分子化合物含有液を内添
した後、この原料液を抄造して基材を成形し、その後、
脱水、加熱プレスすることを特徴とする。この発明によ
れば、格別な工程を要することなく、高分子化合物を含
むガスバリア性紙層を形成することができる。
する食品等のモールドトレーの製造方法は、主原料たる
パルプ繊維を含む分散液に対して、撥水剤、耐油剤、耐
塩剤及び定着剤のいずれか一種または複数種を内添して
原料液とし、更にこの原料液に対して、高分子化合物の
水溶液に撥水剤、耐油剤、耐塩剤及び定着剤のいずれか
一種または複数種を添加した高分子化合物含有液を内添
した後、この原料液を抄造して基材を成形し、その後、
脱水、加熱プレスすることを特徴とする。この発明によ
れば、格別な工程を要することなく、高分子化合物を含
むガスバリア性紙層を形成することができる。
【0017】更にまた請求項7記載のガスバリア性を有
する食品等のモールドトレーの製造方法は、前記請求項
6記載の要件に加え、前記高分子化合物含有液の内添
は、原料液の流下途中で行うことを特徴とする。この発
明によれば、格別な工程を要することなく表面に対して
パルプ繊維、高分子化合物及び添料から成るガスバリア
性紙層を高密度で形成することができる。
する食品等のモールドトレーの製造方法は、前記請求項
6記載の要件に加え、前記高分子化合物含有液の内添
は、原料液の流下途中で行うことを特徴とする。この発
明によれば、格別な工程を要することなく表面に対して
パルプ繊維、高分子化合物及び添料から成るガスバリア
性紙層を高密度で形成することができる。
【0018】更にまた請求項8記載のガスバリア性を有
する食品等のモールドトレーの製造方法は、前記請求項
4、5、6または7記載の要件に加え、前記高分子化合
物には、エマルジョンワックスを添加することを特徴と
する。この発明によれば、加熱プレス時に金型へのパル
プ繊維、添料及び高分子化合物が付着するのを防止する
ことができる。
する食品等のモールドトレーの製造方法は、前記請求項
4、5、6または7記載の要件に加え、前記高分子化合
物には、エマルジョンワックスを添加することを特徴と
する。この発明によれば、加熱プレス時に金型へのパル
プ繊維、添料及び高分子化合物が付着するのを防止する
ことができる。
【0019】更にまた請求項9記載のガスバリア性を有
する食品等のモールドトレーの製造方法は、前記請求項
4、5、6、7または8記載の要件に加え、前記高分子
化合物は、アクリル酸エステルまたはスチレン共重合体
のいずれか一方または双方であることを特徴とする。こ
の発明によれば、アクリル酸エステルまたはスチレン共
重合体の特性により耐水性、耐油性、耐塩性を強固なも
のとすることができる。そしてこれら各請求項記載の発
明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
する食品等のモールドトレーの製造方法は、前記請求項
4、5、6、7または8記載の要件に加え、前記高分子
化合物は、アクリル酸エステルまたはスチレン共重合体
のいずれか一方または双方であることを特徴とする。こ
の発明によれば、アクリル酸エステルまたはスチレン共
重合体の特性により耐水性、耐油性、耐塩性を強固なも
のとすることができる。そしてこれら各請求項記載の発
明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1に示すものが本発明のモール
ドトレー1であって、パルプ繊維Pたる木材パルプ(N
BKP、LBKP等)または非木材パルプたるケナフパ
ルプ、竹パルプ等を主原料として構成されて成り、一例
として底板11と、その周囲に立ち上がる側板12とに
より矩形状の収容部13を形成し、更に側板12からツ
バ状に張り出すフランジ部14を形成している。また収
容部13の収容面にはガスバリア性紙層15を形成す
る。以下、このようなモールドトレー1を製造するため
の抄造装置2について図面に基づいて説明し、抄造装置
2の作動状態を述べながら併せモールドトレー1の製造
方法並びにモールドトレー1の詳細について説明する。
ドトレー1であって、パルプ繊維Pたる木材パルプ(N
BKP、LBKP等)または非木材パルプたるケナフパ
ルプ、竹パルプ等を主原料として構成されて成り、一例
として底板11と、その周囲に立ち上がる側板12とに
より矩形状の収容部13を形成し、更に側板12からツ
バ状に張り出すフランジ部14を形成している。また収
容部13の収容面にはガスバリア性紙層15を形成す
る。以下、このようなモールドトレー1を製造するため
の抄造装置2について図面に基づいて説明し、抄造装置
2の作動状態を述べながら併せモールドトレー1の製造
方法並びにモールドトレー1の詳細について説明する。
【0021】抄造装置2は図2に示すように、原料液F
から液体成分Lを抜き取り、パルプ繊維Pを主成分とす
る基材10を抄き出す作用を行う装置である。この抄造
装置2は、抄造する製品スペックに応じた適宜の容積の
円筒状の抄造カップ21を主要部材とするものであり、
この抄造カップ21には下端に管が接続され、この管に
は真空ポンプ等適宜の吸引装置が接続される。また抄造
カップ21の内部には下部に多数の液抜穴23を具えた
サポーター22を配する。このサポーター22上には基
材10(モールドトレー1)の型であるキャリヤネット
24を重ね合わせて保持する。以上がモールドトレー1
の抄造装置2に関する概略的説明であって、以下このも
のを用いた本発明の製造方法について請求項4で定義し
た高分子化合物Mの基材10への外添によるものと、請
求項6で定義した高分子化合物Mの内添によるものとに
分けてそれぞれ詳細に説明する。
から液体成分Lを抜き取り、パルプ繊維Pを主成分とす
る基材10を抄き出す作用を行う装置である。この抄造
装置2は、抄造する製品スペックに応じた適宜の容積の
円筒状の抄造カップ21を主要部材とするものであり、
この抄造カップ21には下端に管が接続され、この管に
は真空ポンプ等適宜の吸引装置が接続される。また抄造
カップ21の内部には下部に多数の液抜穴23を具えた
サポーター22を配する。このサポーター22上には基
材10(モールドトレー1)の型であるキャリヤネット
24を重ね合わせて保持する。以上がモールドトレー1
の抄造装置2に関する概略的説明であって、以下このも
のを用いた本発明の製造方法について請求項4で定義し
た高分子化合物Mの基材10への外添によるものと、請
求項6で定義した高分子化合物Mの内添によるものとに
分けてそれぞれ詳細に説明する。
【0022】(I)撥水剤、耐油剤、耐塩剤及び定着剤
の内添 まず原料液Fとしては、叩解したパルプ繊維Pたる木材
パルプ(NBKP、LBKP等)または非木材パルプた
るケナフパルプ、竹パルプ等の分散液に対し、添料Aと
して撥水剤Aw、耐油剤Ao、耐塩剤Ac及び定着剤A
fを内添したものを用いる。これら添料Aは一例として
原料液F中の撥水剤Awを1.0重量%、耐油剤Aoを
0.5重量%、定着剤Afを0.5重量%、耐塩剤Ac
を2.0重量%とする。
の内添 まず原料液Fとしては、叩解したパルプ繊維Pたる木材
パルプ(NBKP、LBKP等)または非木材パルプた
るケナフパルプ、竹パルプ等の分散液に対し、添料Aと
して撥水剤Aw、耐油剤Ao、耐塩剤Ac及び定着剤A
fを内添したものを用いる。これら添料Aは一例として
原料液F中の撥水剤Awを1.0重量%、耐油剤Aoを
0.5重量%、定着剤Afを0.5重量%、耐塩剤Ac
を2.0重量%とする。
【0023】撥水剤Awはスチレン系及びワックス系の
いずれか一方または双方であり、スチレン系の撥水剤A
wとしては一例として荒川化学製「ポリマロン360」
等を用いる。またワックス系の撥水剤Awとしては一例
として大和化学製「コートサイザーMN2L」等を用い
る。
いずれか一方または双方であり、スチレン系の撥水剤A
wとしては一例として荒川化学製「ポリマロン360」
等を用いる。またワックス系の撥水剤Awとしては一例
として大和化学製「コートサイザーMN2L」等を用い
る。
【0024】耐油剤Aoは約50%のフッ素を含有し、
リン酸エステルの塩を主成分とする固形分15wt%の
微黄色の乳濁液状である。そして無臭であり食品衛生性
が高く、更に古紙の再生が可能であるとともに価格が安
いため、モールドトレー1に用いる耐油剤Aoとして好
適なものである。
リン酸エステルの塩を主成分とする固形分15wt%の
微黄色の乳濁液状である。そして無臭であり食品衛生性
が高く、更に古紙の再生が可能であるとともに価格が安
いため、モールドトレー1に用いる耐油剤Aoとして好
適なものである。
【0025】耐塩剤Acはアクリルスチレン共重合体を
主成分とした高分子化合物で、10倍〜20倍程度に水
で希釈して用いる。
主成分とした高分子化合物で、10倍〜20倍程度に水
で希釈して用いる。
【0026】定着剤Afは一例としてカチオンポリマー
であり、このものはフッ素樹脂(耐油剤Ao)の定着剤
として作用する。
であり、このものはフッ素樹脂(耐油剤Ao)の定着剤
として作用する。
【0027】(II)高分子化合物の外添 まず請求項4で定義した、基材10への高分子化合物M
の外添によるガスバリア性紙層15の形成について説明
する。前記抄造装置2を用いて基材10を得るには、ま
ず図2(a)に示すように、前記原料液Fを一定量ずつ
取り出し、抄造カップ21に投入する。そして真空ポン
プにより液体成分Lをサクションするとパルプ繊維Pは
キャリヤネット24上に抄出されて、パルプ繊維P間に
添料Aが充填された状態で一定の厚みのウェブ状の層を
形成するとともに、液体成分Lはキャリヤネット24の
目を抜けて更に下方に流下する。なお可能であれば、自
然流下により行ってもよい。
の外添によるガスバリア性紙層15の形成について説明
する。前記抄造装置2を用いて基材10を得るには、ま
ず図2(a)に示すように、前記原料液Fを一定量ずつ
取り出し、抄造カップ21に投入する。そして真空ポン
プにより液体成分Lをサクションするとパルプ繊維Pは
キャリヤネット24上に抄出されて、パルプ繊維P間に
添料Aが充填された状態で一定の厚みのウェブ状の層を
形成するとともに、液体成分Lはキャリヤネット24の
目を抜けて更に下方に流下する。なお可能であれば、自
然流下により行ってもよい。
【0028】このようにして液体成分Lの流下が終了す
ると図2(b)に示すように、キャリヤネット24上に
所定形状の固形成分である基材10が残る。なお基材1
0の内面側たる収容部13における収容面は、この収容
面側に原料液Fが供給されパルプ繊維Pが堆積するた
め、平滑になる。
ると図2(b)に示すように、キャリヤネット24上に
所定形状の固形成分である基材10が残る。なお基材1
0の内面側たる収容部13における収容面は、この収容
面側に原料液Fが供給されパルプ繊維Pが堆積するた
め、平滑になる。
【0029】次いで基材10に対して、高分子化合物M
の水溶液を噴霧する。この噴霧は請求項4で定義したよ
うに、脱水前の基材10に対して行う場合、または請求
項5で定義したように、常温脱水後の基材10に対して
行う場合がある。また高分子化合物Mに対しては請求項
8で定義したように、エマルジョンワックスWを添加し
てもよい。
の水溶液を噴霧する。この噴霧は請求項4で定義したよ
うに、脱水前の基材10に対して行う場合、または請求
項5で定義したように、常温脱水後の基材10に対して
行う場合がある。また高分子化合物Mに対しては請求項
8で定義したように、エマルジョンワックスWを添加し
てもよい。
【0030】高分子化合物Mとしては、請求項9で定義
したように、アクリル酸エステルMaまたはスチレン共
重合体Msのいずれか一方または双方を用いる。本実施
の形態では一例としてアクリル酸エステルMa及びスチ
レン共重合体Msを主成分とした高分子化合物Mの44
%液を任意に溶かした水溶液の状態で噴霧に用いるもの
とする。
したように、アクリル酸エステルMaまたはスチレン共
重合体Msのいずれか一方または双方を用いる。本実施
の形態では一例としてアクリル酸エステルMa及びスチ
レン共重合体Msを主成分とした高分子化合物Mの44
%液を任意に溶かした水溶液の状態で噴霧に用いるもの
とする。
【0031】(1)脱水前の基材に対する高分子化合物
の外添 まず請求項4で定義した高分子化合物Mの水溶液の噴霧
を脱水前の基材10に対して行う場合について説明す
る。図2(c)に示すように、一例としてキャリヤネッ
ト24上に残った所定形状の固形成分である基材10に
対して適宜噴霧ノズルを臨ませて高分子化合物Mの水溶
液を噴霧する。この噴霧量は、表面積300cm2 基材
10一個当たり6cc程度とする。次いで基材10をこ
の位置であるいは図示しない移送装置により乾燥工程に
移送して、必要であれば収容面の裏面に対しても高分子
化合物Mの水溶液を噴霧した後、加熱プレス機等によっ
て乾燥処理を施し、モールドトレー1を得るのである。
の外添 まず請求項4で定義した高分子化合物Mの水溶液の噴霧
を脱水前の基材10に対して行う場合について説明す
る。図2(c)に示すように、一例としてキャリヤネッ
ト24上に残った所定形状の固形成分である基材10に
対して適宜噴霧ノズルを臨ませて高分子化合物Mの水溶
液を噴霧する。この噴霧量は、表面積300cm2 基材
10一個当たり6cc程度とする。次いで基材10をこ
の位置であるいは図示しない移送装置により乾燥工程に
移送して、必要であれば収容面の裏面に対しても高分子
化合物Mの水溶液を噴霧した後、加熱プレス機等によっ
て乾燥処理を施し、モールドトレー1を得るのである。
【0032】(2)常温脱水後の基材に対する高分子化
合物の外添 次に請求項5で定義したように高分子化合物Mの水溶液
の噴霧を常温脱水後の基材10に対して行う場合につい
て説明する。常温脱水とは基材10と同形の上型及び下
型の間に基材10を配し、これら型をエアシリンダ等に
て押圧することで、常温下で脱水を行うことを意味す
る。そして、基材10を常温脱水した後、図2(d)に
示すように、この基材10に対して適宜噴霧ノズルを臨
ませて高分子化合物Mの水溶液を噴霧する。この噴霧量
は、表面積300cm2 の基材10一個当たり6cc程
度とする。なお必要であれば収容面の裏面に対しても高
分子化合物Mの水溶液を噴霧する。次いで基材10をこ
の位置であるいは図示しない移送装置により移送して、
更に加熱プレス機等によって乾燥処理を施し、モールド
トレー1を得るのである。
合物の外添 次に請求項5で定義したように高分子化合物Mの水溶液
の噴霧を常温脱水後の基材10に対して行う場合につい
て説明する。常温脱水とは基材10と同形の上型及び下
型の間に基材10を配し、これら型をエアシリンダ等に
て押圧することで、常温下で脱水を行うことを意味す
る。そして、基材10を常温脱水した後、図2(d)に
示すように、この基材10に対して適宜噴霧ノズルを臨
ませて高分子化合物Mの水溶液を噴霧する。この噴霧量
は、表面積300cm2 の基材10一個当たり6cc程
度とする。なお必要であれば収容面の裏面に対しても高
分子化合物Mの水溶液を噴霧する。次いで基材10をこ
の位置であるいは図示しない移送装置により移送して、
更に加熱プレス機等によって乾燥処理を施し、モールド
トレー1を得るのである。
【0033】また前記高分子化合物Mの噴霧は、加熱プ
レス機等によって乾燥処理を施す直前に行ってもよい。
この場合ガスバリア性紙層15における高分子化合物M
の含有率をよりいっそう高くすることができるが、高分
子化合物Mの金型等への付着が避けられないため、金型
の掃除をこまめに行う必要がある。
レス機等によって乾燥処理を施す直前に行ってもよい。
この場合ガスバリア性紙層15における高分子化合物M
の含有率をよりいっそう高くすることができるが、高分
子化合物Mの金型等への付着が避けられないため、金型
の掃除をこまめに行う必要がある。
【0034】このようにして高分子化合物Mを外添する
ことにより製造されたモールドトレー1は図1に示すよ
うに、収容部13の表面においてパルプ繊維P、高分子
化合物M及び添料Aとから成るガスバリア性紙層15を
形成する。特に常温脱水後の基材10に対して外添を行
った場合には、ガスバリア性紙層15における高分子化
合物Mの含有率を高くすることができ、ガスバリア性が
高く保証されるのである。
ことにより製造されたモールドトレー1は図1に示すよ
うに、収容部13の表面においてパルプ繊維P、高分子
化合物M及び添料Aとから成るガスバリア性紙層15を
形成する。特に常温脱水後の基材10に対して外添を行
った場合には、ガスバリア性紙層15における高分子化
合物Mの含有率を高くすることができ、ガスバリア性が
高く保証されるのである。
【0035】(III)高分子化合物の内添 (1)原料液の流下前の内添 次に請求項6で定義した原料液Fへの高分子化合物Mの
内添によるガスバリア性紙層15の形成について説明す
る。まず容量が一例として数百リットル程度の原料タン
ク内の原料液Fに対して、高分子化合物Mの水溶液に撥
水剤Aw、耐油剤Ao、耐塩剤Ac及び定着剤Afのい
ずれか一種または複数種を添加した高分子化合物含有液
MLを内添する。
内添によるガスバリア性紙層15の形成について説明す
る。まず容量が一例として数百リットル程度の原料タン
ク内の原料液Fに対して、高分子化合物Mの水溶液に撥
水剤Aw、耐油剤Ao、耐塩剤Ac及び定着剤Afのい
ずれか一種または複数種を添加した高分子化合物含有液
MLを内添する。
【0036】次いで図3(a)に示すように、前記高分
子化合物含有液MLを内添した原料液Fを一定量ずつ取
り出し、抄造カップ21に投入する。その後、真空ポン
プにより液体成分Lをサクションすると、パルプ繊維P
がキャリヤネット24上に抄出されて、パルプ繊維P間
に添料Aが充填された状態で一定の厚みのウェブ状の層
を形成するとともに、液体成分Lはキャリヤネット24
の目を抜けて更に下方に流下する。なお可能であれば、
自然流下により行ってもよい。
子化合物含有液MLを内添した原料液Fを一定量ずつ取
り出し、抄造カップ21に投入する。その後、真空ポン
プにより液体成分Lをサクションすると、パルプ繊維P
がキャリヤネット24上に抄出されて、パルプ繊維P間
に添料Aが充填された状態で一定の厚みのウェブ状の層
を形成するとともに、液体成分Lはキャリヤネット24
の目を抜けて更に下方に流下する。なお可能であれば、
自然流下により行ってもよい。
【0037】このようにして液体成分Lの流下が終了す
ると図3(b)に示すように、キャリヤネット24上に
所定形状の固形成分である基材10が残る。このとき基
材10においては高分子化合物Mが含有されているので
あり、この基材10をこの位置で、あるいは図示しない
移送装置により移送して、更に加熱プレス機等によって
乾燥処理を施し、モールドトレー1を得るのである。こ
の際、収容面及びその裏面に対してガスバリア性紙層1
5が形成される。
ると図3(b)に示すように、キャリヤネット24上に
所定形状の固形成分である基材10が残る。このとき基
材10においては高分子化合物Mが含有されているので
あり、この基材10をこの位置で、あるいは図示しない
移送装置により移送して、更に加熱プレス機等によって
乾燥処理を施し、モールドトレー1を得るのである。こ
の際、収容面及びその裏面に対してガスバリア性紙層1
5が形成される。
【0038】(2)原料液の流下途中での内添 また請求項7で定義した、原料液Fの流下途中での高分
子化合物含有液の内添によるガスバリア性紙層15の形
成について説明する。まず図4(a)に示すように、高
分子化合物含有液MLを内添していない原料液Fを一定
量ずつ取り出し、抄造カップ21に投入する。
子化合物含有液の内添によるガスバリア性紙層15の形
成について説明する。まず図4(a)に示すように、高
分子化合物含有液MLを内添していない原料液Fを一定
量ずつ取り出し、抄造カップ21に投入する。
【0039】その後、真空ポンプにより液体成分Lをサ
クションすると、パルプ繊維Pがキャリヤネット24上
に抄出されて、パルプ繊維P間に添料Aが充填された状
態で一定の厚みのウェブ状の層を形成するとともに、液
体成分Lはキャリヤネット24の目を抜けて更に下方に
流下する。なお可能であれば、自然流下により行っても
よい。
クションすると、パルプ繊維Pがキャリヤネット24上
に抄出されて、パルプ繊維P間に添料Aが充填された状
態で一定の厚みのウェブ状の層を形成するとともに、液
体成分Lはキャリヤネット24の目を抜けて更に下方に
流下する。なお可能であれば、自然流下により行っても
よい。
【0040】そして図4(b)に示すように前記液体成
分Lの一例として75パーセントが流下した時点で、抄
造カップ21内に残っている原料液Fに対して、高分子
化合物含有液MLを内添する。
分Lの一例として75パーセントが流下した時点で、抄
造カップ21内に残っている原料液Fに対して、高分子
化合物含有液MLを内添する。
【0041】その後、液体成分Lの流下が終了すると、
キャリヤネット24上に所定形状の固形成分である基材
10が残る。このとき基材10の表面においては高分子
化合物Mが多量に含有されているのであり、この基材1
0をこの位置で、あるいは図示しない移送装置により移
送して、更に加熱プレス機等によって乾燥処理を施し、
モールドトレー1を得るのである。この際、収容面に対
して、高密度のガスバリア性紙層15が形成される。
キャリヤネット24上に所定形状の固形成分である基材
10が残る。このとき基材10の表面においては高分子
化合物Mが多量に含有されているのであり、この基材1
0をこの位置で、あるいは図示しない移送装置により移
送して、更に加熱プレス機等によって乾燥処理を施し、
モールドトレー1を得るのである。この際、収容面に対
して、高密度のガスバリア性紙層15が形成される。
【0042】
【発明の効果】まず請求項1記載の発明によれば、モー
ルドトレー1は耐水性、耐油性、耐塩性を有するととも
に、再生利用ができ、更に収容面側に高分子化合物Mの
ガスバリア性紙層15を形成したため、ガスバリア性の
保証がなされる。また間仕切り等の複雑形状を実現でき
る。
ルドトレー1は耐水性、耐油性、耐塩性を有するととも
に、再生利用ができ、更に収容面側に高分子化合物Mの
ガスバリア性紙層15を形成したため、ガスバリア性の
保証がなされる。また間仕切り等の複雑形状を実現でき
る。
【0043】また請求項2記載の発明によれば、高分子
化合物Mの特性により高いガスバリア性の保証がなされ
る。
化合物Mの特性により高いガスバリア性の保証がなされ
る。
【0044】更にまた請求項3記載の発明によれば、ア
クリル酸エステルMaまたはスチレン共重合体Msの特
性により高いガスバリア性の保証がなされる。
クリル酸エステルMaまたはスチレン共重合体Msの特
性により高いガスバリア性の保証がなされる。
【0045】更にまた請求項4記載の発明によれば、表
面に対してパルプ繊維P、高分子化合物M及び添料Aか
ら成るガスバリア性紙層15を形成することができる。
面に対してパルプ繊維P、高分子化合物M及び添料Aか
ら成るガスバリア性紙層15を形成することができる。
【0046】更にまた請求項5記載の発明によれば、ガ
スバリア性紙層15における高分子化合物Mの含有率を
高くすることができる。
スバリア性紙層15における高分子化合物Mの含有率を
高くすることができる。
【0047】更にまた請求項6記載の発明によれば、格
別な工程を要することなく、高分子化合物Mを含むガス
バリア性紙層15を形成することができる。
別な工程を要することなく、高分子化合物Mを含むガス
バリア性紙層15を形成することができる。
【0048】更にまた請求項7記載の発明によれば、格
別な工程を要することなく表面に対してパルプ繊維P、
高分子化合物M及び添料Aから成るガスバリア性紙層1
5を高密度で形成することができる。
別な工程を要することなく表面に対してパルプ繊維P、
高分子化合物M及び添料Aから成るガスバリア性紙層1
5を高密度で形成することができる。
【0049】更にまた請求項8記載の発明によれば、加
熱プレス時に金型へのパルプ繊維P、添料A及び高分子
化合物Mが付着するのを防止することができる。
熱プレス時に金型へのパルプ繊維P、添料A及び高分子
化合物Mが付着するのを防止することができる。
【0050】更にまた請求項9記載の発明によれば、ア
クリル酸エステルMaまたはスチレン共重合体Msの特
性により耐水性、耐油性、耐塩性を強固なものとするこ
とができる。
クリル酸エステルMaまたはスチレン共重合体Msの特
性により耐水性、耐油性、耐塩性を強固なものとするこ
とができる。
【図1】本発明のモールドトレーを破断し、その破断面
の一部を拡大して示す斜視図である。
の一部を拡大して示す斜視図である。
【図2】高分子化合物の外添によるモールドトレーの製
造工程を、段階的に示す縦断正面図である。
造工程を、段階的に示す縦断正面図である。
【図3】高分子化合物の内添によるモールドトレーの製
造工程を、段階的に示す縦断正面図である。
造工程を、段階的に示す縦断正面図である。
【図4】高分子化合物の内添を原料液の流下途中で行う
場合のモールドトレーの製造工程を、段階的に示す縦断
正面図である。
場合のモールドトレーの製造工程を、段階的に示す縦断
正面図である。
1 モールドトレー 2 抄造装置 10 基材 11 底板 12 側板 13 収容部 14 フランジ部 15 ガスバリア性紙層 21 抄造カップ 22 サポーター 23 液抜穴 24 キャリヤネット A 添料 Ac 耐塩剤 Af 定着剤 Ao 耐油剤 Aw 撥水剤 F 原料液 L 液体成分 M 高分子化合物 ML 高分子化合物含有液 Ma アクリル酸エステル Ms スチレン共重合体 P パルプ繊維 W エマルジョンワックス
Claims (9)
- 【請求項1】 主原料を叩解したパルプ繊維とし、この
パルプ繊維の分散液に撥水剤、耐油剤、耐塩剤及び定着
剤のいずれか一種または複数種を内添した原料液を抄造
して成形したモールドトレーであり、収容部における収
容面及びその裏面のいずれか一方または双方にガスバリ
ア性紙層を形成したことを特徴とするガスバリア性を有
する食品等のモールドトレー。 - 【請求項2】 前記ガスバリア性紙層は、高分子化合物
を主成分として形成したことを特徴とする請求項1記載
のガスバリア性を有する食品等のモールドトレー。 - 【請求項3】 前記高分子化合物は、アクリル酸エステ
ルまたはスチレン共重合体のいずれか一方または双方で
あることを特徴とする請求項2記載のガスバリア性を有
する食品等のモールドトレー。 - 【請求項4】 主原料たるパルプ繊維を含む分散液に対
して、撥水剤、耐油剤、耐塩剤及び定着剤のいずれか一
種または複数種を内添して原料液とし、この原料液を抄
造して基材を成形し、この基材に対して高分子化合物の
水溶液を噴霧した後、脱水、加熱プレスすることを特徴
とするガスバリア性を有する食品等のモールドトレーの
製造方法。 - 【請求項5】 前記高分子化合物の水溶液の噴霧は、抄
造、常温脱水後に行うことを特徴とする請求項4記載の
ガスバリア性を有する食品等のモールドトレーの製造方
法。 - 【請求項6】 主原料たるパルプ繊維を含む分散液に対
して、撥水剤、耐油剤、耐塩剤及び定着剤のいずれか一
種または複数種を内添して原料液とし、更にこの原料液
に対して、高分子化合物の水溶液に撥水剤、耐油剤、耐
塩剤及び定着剤のいずれか一種または複数種を添加した
高分子化合物含有液を内添した後、この原料液を抄造し
て基材を成形し、その後、脱水、加熱プレスすることを
特徴とするガスバリア性を有する食品等のモールドトレ
ーの製造方法。 - 【請求項7】 前記高分子化合物含有液の内添は、原料
液の流下途中で行うことを特徴とする請求項6記載のガ
スバリア性を有する食品等のモールドトレーの製造方
法。 - 【請求項8】 前記高分子化合物には、エマルジョンワ
ックスを添加することを特徴とする請求項4、5、6ま
たは7記載のガスバリア性を有する食品等のモールドト
レーの製造方法。 - 【請求項9】 前記高分子化合物は、アクリル酸エステ
ルまたはスチレン共重合体のいずれか一方または双方で
あることを特徴とする請求項4、5、6、7または8記
載のガスバリア性を有する食品等のモールドトレーの製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21530096A JP2958624B2 (ja) | 1996-07-26 | 1996-07-26 | ガスバリア性を有する食品等のモールドトレー並びにその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21530096A JP2958624B2 (ja) | 1996-07-26 | 1996-07-26 | ガスバリア性を有する食品等のモールドトレー並びにその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1046500A true JPH1046500A (ja) | 1998-02-17 |
JP2958624B2 JP2958624B2 (ja) | 1999-10-06 |
Family
ID=16670044
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21530096A Expired - Lifetime JP2958624B2 (ja) | 1996-07-26 | 1996-07-26 | ガスバリア性を有する食品等のモールドトレー並びにその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2958624B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002363899A (ja) * | 2001-05-31 | 2002-12-18 | Toppan Printing Co Ltd | パルプモールド基材及びそれを用いたガスバリア性容器 |
US6521085B2 (en) | 1998-02-23 | 2003-02-18 | Kao Corporation | Pulp molded article |
US7370788B1 (en) | 1998-12-28 | 2008-05-13 | Kao Corporation | Formed body |
WO2019131048A1 (ja) | 2017-12-28 | 2019-07-04 | ダイキン工業株式会社 | パルプモールド製品およびその製造方法 |
JP2019527779A (ja) * | 2016-07-26 | 2019-10-03 | フットプリント インターナショナル, エルエルシー | 繊維系食品用容器を製造するための方法および装置 |
WO2020241709A1 (ja) * | 2019-05-28 | 2020-12-03 | ダイキン工業株式会社 | 紙用耐油剤 |
US11686050B2 (en) | 2016-07-26 | 2023-06-27 | Footprint International, LLC | Methods, apparatus, and chemical compositions for selectively coating fiber-based food containers |
-
1996
- 1996-07-26 JP JP21530096A patent/JP2958624B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US6547931B1 (en) | 1998-02-23 | 2003-04-15 | Kao Corporation | Method of manufacturing pulp mold formed product |
US6830658B2 (en) | 1998-02-23 | 2004-12-14 | Kao Corporation | Method for producing pulp molded article |
US6841041B2 (en) | 1998-02-23 | 2005-01-11 | Kao Corporation | Method for producing pulp molded article |
US7370788B1 (en) | 1998-12-28 | 2008-05-13 | Kao Corporation | Formed body |
JP2002363899A (ja) * | 2001-05-31 | 2002-12-18 | Toppan Printing Co Ltd | パルプモールド基材及びそれを用いたガスバリア性容器 |
JP2019527779A (ja) * | 2016-07-26 | 2019-10-03 | フットプリント インターナショナル, エルエルシー | 繊維系食品用容器を製造するための方法および装置 |
US11686050B2 (en) | 2016-07-26 | 2023-06-27 | Footprint International, LLC | Methods, apparatus, and chemical compositions for selectively coating fiber-based food containers |
WO2019131048A1 (ja) | 2017-12-28 | 2019-07-04 | ダイキン工業株式会社 | パルプモールド製品およびその製造方法 |
US11434606B2 (en) | 2017-12-28 | 2022-09-06 | Daiken Industries, Ltd. | Pulp molded product and method for manufacturing same |
WO2020241709A1 (ja) * | 2019-05-28 | 2020-12-03 | ダイキン工業株式会社 | 紙用耐油剤 |
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JP2958624B2 (ja) | 1999-10-06 |
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