JPH1045992A - セメント硬化遅延性組成物及びセメント硬化遅延用シート - Google Patents

セメント硬化遅延性組成物及びセメント硬化遅延用シート

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JPH1045992A
JPH1045992A JP20722696A JP20722696A JPH1045992A JP H1045992 A JPH1045992 A JP H1045992A JP 20722696 A JP20722696 A JP 20722696A JP 20722696 A JP20722696 A JP 20722696A JP H1045992 A JPH1045992 A JP H1045992A
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cement
acid
concrete
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Tatsu Ikuta
達 生田
Hiroaki Arita
博昭 有田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面装飾コンクリート製品を得るに際し、コ
ンクリートなどの無機硬化性組成物を打設しても装飾材
の位置ずれを抑制できるとともに、装飾材の表面仕上げ
を簡便且つ効率よく行うことができるセメント硬化遅延
性組成物を得る。 【解決手段】 セメント硬化遅延性組成物は、(A)
(a)不飽和カルボン酸又はその塩と、(b)ホモポリ
マーのガラス転移温度(Tg)が−100〜0℃のアク
リル酸エステルとを構成単量体単位として含む水溶性又
は水分散性のアクリル系共重合体と、(B)セメント硬
化遅延剤とを含む。前記アクリル系共重合体は、構成単
量体単位として前記(a)成分を5〜40重量%程度、
(b)成分を40〜90重量%程度含む。(B)セメン
ト硬化遅延剤としては、リン酸又はその塩、ホウ酸又は
その塩、ヘキサフルオロケイ酸塩、ホスホン酸類、オキ
シカルボン酸類、ケト酸類、多価フェノール類、リグニ
ンスルホン酸類、糖類、不飽和ポリエステルなどを使用
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セメントを含む硬
化性組成物の表面の硬化を遅延させる上で有用なセメン
ト硬化遅延性組成物に関する。より詳細には、コンクリ
ートの非硬化部位を洗い出し、コンクリート表面に骨材
を露出させたり、凹凸模様を形成する上で有用なセメン
ト硬化遅延性組成物に関する。また、本発明は、コンク
リートの表面へのタイルなどの装飾材の施工に有用なセ
メント硬化遅延用シート、このセメント硬化遅延用シー
トを利用した装飾材キットシート及びプレキャストコン
クリート板などの表面装飾コンクリート製品の製造法に
関する。
【0002】
【従来の技術】コンクリート表面へのタイルの施工につ
いて、粘着テープの粘着剤層の表面に複数枚のタイルを
貼着して配列したユニットタイルを用いる方法が提案さ
れている。このユニットタイルを用いる方法では、コン
クリートが打設される型枠にユニットタイルを配置し、
コンクリートを型枠に流し込んで養生した後、脱型し、
粘着シートを除去することにより表面にタイルを露出さ
せた後、タイルの表面に回り込んで硬化したセメントを
除去し、表面仕上げすることによりタイルを施工してい
る。この表面仕上げは、タイルに付着した硬化セメント
を手作業で削り取る場合が多く、表面の綺麗さを特徴と
するタイルの施工に欠くことができない工程である。し
かし、タイルに付着した硬化セメントを除去する作業
は、時間と手間がかかり煩雑であり、タイル施工経費が
高騰するだけでなく、硬化セメントの除去作業によりタ
イル表面が損傷する原因ともなる。
【0003】コンクリート製品の表面を加工したり、表
面に模様を形成するため、セメント硬化遅延剤が利用さ
れている。例えば、コンクリート洗い出し平板は、セメ
ント硬化遅延剤が塗布された型枠、又は前記硬化遅延剤
を含浸した紙が敷設されている型枠内に、モルタル組成
物を流し込んだ後、裏打ち用のモルタル組成物を打設し
て養生し、モルタル組成物が硬化した後、脱型し、硬化
遅延剤が付着したコンクリート面を洗浄することにより
製造される。
【0004】特開平5−38711号公報及び特開平5
−50411号公報には、超遅延剤、粘着付与剤、増量
剤及び白色系顔料を含む混合物を型枠内面に付着させ、
モルタル又はコンクリートを打設し、養生及び脱型し、
セメント製品のうち型枠との当接面のセメントペースト
を洗い出し、セメント製品の表面を仕上げる方法が開示
されている。また、コンクリート製品の表面に凹凸状の
模様を形成する方法においても、セメント硬化遅延剤を
用いる方法、セメント硬化遅延剤を含浸または塗布した
型紙を用いる方法が知られている。例えば、特開昭63
−216703号公報では、硬化遅延剤を紙に含浸させ
た型紙をカッティングして所定の文字や図形などの模様
に対応する裁断型紙を作製する工程、型枠内面の所定部
位に裁断型紙を接着する工程、前記型枠内にモルタル組
成物を打設し養生を施す工程、前記型枠を解体してコン
クリート製品を取り出す工程、コンクリート製品の型紙
部位を洗浄する工程を経て、コンクリート製品の表面に
所定の凹凸模様を形成している。特開昭61−2028
03号公報には、セメント硬化遅延剤を塗布した紙にタ
イルなどを貼り付けて型枠内にセットし、上記と同様に
して洗い出す方法が開示されている。
【0005】また、型紙に代えてセメント硬化遅延剤を
用いる方法では、硬化遅延剤を用いて型枠に所定の模様
を描く工程、前記と同様にモルタルを打設して型枠から
取り出す工程、模様を形成した部位に対応する未硬化面
を洗浄する工程を経ることにより、模様を形成されてい
る。
【0006】しかし、セメント硬化遅延剤を含浸または
塗布した型紙は、モルタル組成物の打設に対する強度が
弱い、そのため、型紙が破れたり、型枠との位置ずれが
生じ、コンクリート製品の所定の部位に洗い出し面や模
様を形成することが困難である。また、図形模様を形成
するためには、型紙を所定の形及び大きさに切断し、接
着剤により型枠に固定する必要がある。そのため、複雑
な洗い出し面や模様を形成することが困難であると共
に、多量のコンクリート製品に模様を形成する場合に
は、作業が煩雑であり、コンクリート製品の生産性を低
下させる。
【0007】特開平3−224953号公報には、型枠
の底板に、注入した埋込剤(コンクリート非硬化剤)を
介してタイルや石などの装飾材を配列し、コンクリート
を打設して硬化させた後、脱型し、コンクリート製品の
表面の埋込剤を水洗により除去することにより、装飾材
と一体化したコンクリートブロックの製造方法が開示さ
れている。特開平3−175003号公報には、非硬化
被覆材層を介して型枠の内面に装飾材を仮着し、コンク
リートを打設して硬化させた後、脱型し、コンクリート
製品の表面の非硬化被覆材およびコンクリートの未硬化
部分を水洗により除去し、表面が装飾されたコンクリー
ト製品を製造する方法が開示されている。この先行文献
には、非硬化被覆材層を、ポリエステル、ポリビニルア
ルコールなどのアルカリ膨潤化剤と高吸水性ポリマーと
の混合物で形成することが記載されている。
【0008】しかし、これらの方法では、コンクリート
を打設する際に、装飾材が位置ずれを起こしやすく、コ
ンクリート製品の所定の部位に装飾を施すことが困難で
ある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、表面装飾コンクリート製品を得るに際し、コン
クリートなどの無機硬化性組成物を打設しても、装飾材
等の位置ずれを抑制できるとともに、装飾材等の表面仕
上げを簡便かつ効率よく行うことができるセメント硬化
遅延性組成物、セメント硬化遅延用シート及び装飾材キ
ットシートを提供することにある。本発明の他の目的
は、無機硬化性組成物の表面の硬化を均一にかつ確実に
抑制でき、コンクリート製品の表面に模様や洗い出し面
を精度よく形成できるセメント硬化遅延性組成物、セメ
ント硬化遅延用シート及び装飾材キットシートを提供す
ることにある。本発明のさらに他の目的は、装飾材を損
傷させることなく、装飾性に優れたコンクリート製品を
得る上で有用なセメント硬化遅延性組成物、セメント硬
化遅延用シート及び装飾材キットシートを提供すること
にある。
【0010】本発明の別の目的は、表面に美麗な装飾、
模様が精度よく施されたコンクリート製品を簡便且つ効
率よく製造できる表面装飾コンクリート製品の製造法を
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成するため鋭意検討した結果、特定のアクリル系粘着
剤とセメント硬化遅延剤とを含むセメント硬化遅延性組
成物を用いると、装飾材などの位置ずれを確実に防止で
きると共に、コンクリート製品の表面仕上げ作業などを
簡便化でき、美麗な装飾が精度よく施されたコンクリー
ト製品を容易に得られることを見出だし、本発明を完成
した。
【0012】すなわち、本発明は、(A)不飽和カルボ
ン酸又はその塩と、ホモポリマーのガラス転移温度(T
g)が−100〜0℃のアクリル酸エステルとを構成単
量体単位として含む水溶性又は水分散性のアクリル系共
重合体と、(B)セメント硬化遅延剤とを含むセメント
硬化遅延性組成物を提供する。アクリル系共重合体は、
構成単量体単位として不飽和カルボン酸又はその塩を5
〜40重量%程度、ホモポリマーのガラス転移温度(T
g)が−100〜0℃のアクリル酸エステルを40〜9
0重量%程度含んでいてもよい。前記アクリル系共重合
体のガラス転移温度(Tg)は−80〜10℃程度であ
る。
【0013】前記セメント硬化遅延剤には、リン酸又は
その塩、ホウ酸又はその塩、ヘキサフルオロケイ酸塩、
ホスホン酸類、オキシカルボン酸類、ケト酸類、多価フ
ェノール類、リグニンスルホン酸類、糖類、不飽和ポリ
エステルなどが含まれる。前記不飽和ポリエステルは、
例えば、主鎖の炭素数が4〜6の不飽和多価カルボン酸
又はその誘導体を含む多価カルボン酸成分と、多価アル
コール又はその縮合物を含むポリオール成分との反応に
より得ることができる。また、不飽和ポリエステルは、
不飽和ポリエステルが架橋による硬化物であってもよ
い。
【0014】本発明は、また、前記セメント硬化遅延性
組成物で構成されたセメント硬化遅延用シート(1)を
提供する。本発明は、さらに、シート状基材の表面に、
前記セメント硬化遅延性組成物で構成されたセメント硬
化遅延層が形成されたセメント硬化遅延用シート(2)
を提供する。本発明は、さらにまた、前記セメント硬化
遅延用シート(1)の表面、又は前記セメント硬化遅延
用シート(2)のうちセメント硬化遅延層が形成された
面に、複数の装飾材が連続して又は散在して貼着されて
いる装飾材キットシートを提供する。本発明は、また、
型枠の底部に、前記セメント硬化遅延性組成物で構成さ
れたセメント硬化遅延層を形成し、このセメント硬化遅
延層の上に装飾材を貼着により配置し、無機硬化性組成
物を打設して硬化させた後、脱型し、露出した装飾材の
表面を洗浄する表面装飾コンクリート製品の製造法を提
供する。本発明はさらに、表面に装飾材が貼着により配
置された前記セメント硬化遅延用シート(1)又は
(2)を、型枠内に、装飾材が上方に位置するように配
設し、無機硬化性組成物を打設して硬化させた後、脱型
し、セメント硬化遅延用シートを除去し、露出した装飾
材の表面を洗浄する表面装飾コンクリート製品の製造法
を提供する。
【0015】本発明は、さらにまた、表面に洗い出し面
が形成されたコンクリート製品の製造法であって、型枠
の底部に、前記セメント硬化遅延性組成物で構成された
セメント硬化遅延層を設け、その上に無機硬化性組成物
を打設して硬化させた後、脱型し、非硬化の無機硬化性
組成物を除去するコンクリート製品の製造法を提供す
る。
【0016】なお、本明細書において、「シート」とは
厚さの如何を問わず、二次元的構造物を意味し、フィル
ムを含む意味に用いる。また、「粘着剤又は接着剤」を
総称して「粘着剤」と称することがある。「多価カルボ
ン酸の誘導体」とは、多価カルボン酸の酸無水物、多価
カルボン酸の低級アルキルエステル(例えば、メチルエ
ステル、エチルエステルなどの脱離可能なC1-4 アルキ
ルエステル)を含む意味に用いる。また、特に断りのな
い限り、「セメント」とは、水との混和により硬化性を
示す無機物質を意味し、気硬性セメント、水硬性セメン
トなどを含む意味に用いる。さらに、セメントを含む硬
化性組成物にはセメントペースト、モルタル組成物及び
コンクリート組成物が含まれ、これらを単に「無機硬化
性組成物」と総称する場合がある。「コンクリート製
品」とは、無機硬化性組成物の硬化によって得られる製
品を意味する。
【0017】
【発明の実施の形態】
[セメント硬化遅延性組成物]本発明のセメント硬化遅
延性組成物は、(A)(a)不飽和カルボン酸又はその
塩と、(b)ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が
−100〜0℃のアクリル酸エステルとを構成単量体単
位として含む水溶性又は水分散性のアクリル系共重合体
を含んでいる。
【0018】前記不飽和カルボン酸としては、アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸などの不飽和モノカルボ
ン酸;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和
多価カルボン酸またはそのモノアルキルエステルなどが
挙げられる。不飽和カルボン酸の塩としては、ナトリウ
ム塩、カリウム塩などの1価の金属塩;マグネシウム
塩、カルシウム塩などの2価の金属塩;アンモニウム
塩;メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン、
ジエチルアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミ
ン、トリエタノールアミンなどのアミンとの塩などが挙
げられる。
【0019】好ましい不飽和カルボン酸には、不飽和モ
ノカルボン酸、特にアクリル酸、メタクリル酸などが含
まれる。また、好ましい不飽和カルボン酸の塩には、ナ
トリウム塩、カリウム塩などの1価の金属塩などが含ま
れる。不飽和カルボン酸又はその塩は、1種で、または
2種以上組合せて使用できる。
【0020】前記(b)ホモポリマーのTgが−100
〜0℃のアクリル酸エステルとしては、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、ア
クリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヘ
キシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸イソオクチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリ
ルなどのアクリル酸C2-12アルキル;メタクリル酸ヘキ
シル、メタクリル酸ラウリルなどのメタクリル酸C6-14
アルキル;アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル
酸ヒドロキシプロピルなどのヒドロキシル基含有アクリ
ル酸エステルなどが例示される。これらの中でも、アク
リル酸C2-10アルキル、特に、アクリル酸ブチル、アク
リル酸2−エチルヘキシルなどのアクリル酸C4-10アル
キルが好ましい。上記の単量体は1種で、又は2種以上
組合せて使用できる。
【0021】前記アクリル系共重合体は、構成単量体単
位として、前記(a)及び(b)以外の他の単量体
(c)を含んでいてもよい。このような単量体(c)と
しては、前記(a)及び(b)の単量体と共重合可能な
単量体、例えば、アクリル酸メチル;メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、
メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチルなどのメ
タクリル酸C1-5 アルキルエステル;メタクリル酸2−
ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピルな
どのヒドロキシル基含有メタクリル酸エステル;グリシ
ジルメタクリレートなどのエポキシ基含有(メタ)アク
リル酸エステル;アクリルアミド、N−メチロールアク
リルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどの(メタ)
アクリルアミド類;アクリロニトリル、メタクリルニト
リル;アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−
エトキシエチル、アクリル酸2−ブトキシエチルなどの
(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル;酢酸ビニル、
酪酸ビニルなどのビニルエステル類;スチレン、ビニル
トルエンなどのスチレン系単量体等のビニル単量体が挙
げられる。これらの中でも、アクリル酸メチル、ヒドロ
キシル基含有メタクリル酸エステルなどが好ましい。こ
れらの単量体は1種又は2種以上使用できる。
【0022】前記アクリル系共重合体に占める前記
(a)不飽和カルボン酸又はその塩の割合は、例えば5
〜40重量%、好ましくは8〜30重量%、さらに好ま
しくは10〜20重量%程度である。前記(a)成分の
割合が小さすぎると水溶性が低下しやすく、逆に大きす
ぎると粘着性が低下しやすい。また、(a)不飽和カル
ボン酸又はその塩全体に対する不飽和カルボン酸の塩の
割合は、例えば、20モル%以上(例えば20〜100
モル%程度)、好ましくは40モル%以上(例えば50
〜95モル%程度)、さらに好ましくは55モル%以上
(例えば60〜95モル%程度)程度である。不飽和カ
ルボン酸の塩の割合が小さすぎると水溶性が低下しやす
い。
【0023】また、アクリル系共重合体に占める前記
(b)ホモポリマーのTgが−100〜0℃のアクリル
酸エステルの割合は、例えば40〜90重量%、好まし
くは45〜85重量%、さらに好ましくは50〜80重
量%程度である。前記アクリル酸エステルの割合が小さ
すぎると粘着性が低下しやすく、大きすぎると水溶性が
低下しやすくなる。
【0024】アクリル系共重合体に占める前記単量体
(c)の割合は、例えば0〜40重量%、好ましくは0
〜30重量%(例えば5〜25重量%)、さらに好まし
くは5〜20重量%程度である。
【0025】前記アクリル系共重合体のガラス転移温度
(Tg)は、例えば−80〜10℃、好ましくは−70
〜0℃、さらに好ましくは−60〜−5℃程度である。
なお、前記アクリル系共重合体のTg(℃)は次式によ
り推算できる。
【0026】1/(Tg+273 )=w1/(Tg1 +273 )+
w2/(Tg2 +273 )+…+wn/(Tgn +273 ) [wnは第n単量体成分の重量分率、Tgn は第n単量体成
分のホモポリマーのTg(℃)、nは自然数を示す] アクリル系共重合体の分子量は特に制限されず、例えば
重量平均分子量は20000〜2000000程度、好
ましくは30000〜1000000、さらに好ましく
は40000〜200000程度である。なお、水溶性
又は水分散性のアクリル系共重合体には、ブリード水の
ようなアルカリ性水に溶解又は分散可能な共重合体も含
まれる。前記(A)アクリル系共重合体は粘着剤として
機能する。
【0027】本発明のセメント硬化遅延性組成物は、ま
た、(B)セメント硬化遅延剤を含んでいる。前記
(B)セメント硬化遅延剤としては、セメントの硬化速
度を低下させる硬化遅延剤又は凝結遅延剤であればよ
く、無機又は有機硬化遅延剤が使用できる。無機硬化遅
延剤には、リン酸、ホウ酸又はそれらの塩、ヘキサフル
オロケイ酸塩などが含まれる。有機硬化遅延剤には、ホ
スホン酸類、オキシカルボン酸類、多価カルボン酸類、
ケト酸類、芳香族多価アルコール類、糖類、フミン酸、
リグニンスルホン酸類、カルボキシル基を有するモノマ
ーの単独又は共重合体若しくはその塩、及び加水分解に
よりセメント硬化遅延能を発現可能なポリマーなどが含
まれる。セメント硬化遅延剤は1種又は2種以上混合し
て使用できる。
【0028】ホスホン酸類としては、アミノジ(メチレ
ンホスホン酸)、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エ
チレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチ
レントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、ヘキサ
メチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)又はこ
れらの塩(例えば、アンモニウム塩;ナトリウム、カリ
ウムなどのアルカリ金属塩;カルシウム、マグネシウ
ム、バリウムなどのアルカリ土類金属塩など)などが挙
げられる。
【0029】オキシカルボン酸類としては、グリコール
酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、
没食子酸、2,4,6−トリヒドロキシ安息香酸などの
オキシカルボン酸又はその塩、及びアスコルビン酸、イ
ソアスコルビン酸などのオキシカルボン酸に対応するラ
クトン類などが挙げられる。多価カルボン酸類として
は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸などの飽和多価カル
ボン酸;フマル酸、イタコン酸、マレイン酸などの不飽
和多価カルボン酸などが例示できる。ケト酸類として
は、ピルビン酸、α−ケトグルタール酸などのケト酸又
はその塩などが挙げられる。多価フェノール類として
は、ピロガロールなどが挙げられる。糖類には、スクロ
ースなどの多糖類、コーンシロップなどが含まれる。リ
グニンスルホン酸類としては、リグニンスルホン酸又は
リグノスルホネート(例えば、リグノスルホン酸カルシ
ウムなど)などが挙げられる。カルボキシル基を有する
モノマーの単独又は共重合体若しくはその塩としては、
ポリマレイン酸、ポリフマル酸、スチレン−マレイン酸
共重合体、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、エチレ
ンスルホン酸−アクリル酸コポリマーなどのポリマー又
はその塩(好ましくは、低分子量ポリマー又はその塩)
などが例示される。
【0030】前記加水分解によりセメント硬化遅延能を
発現可能なポリマーには、ポリエステルなどが含まれ
る。ポリエステルは、多価カルボン酸又はその誘導体を
含むカルボン酸成分と、多価アルコール又はその縮合物
を含むポリオール成分との縮合反応により得ることがで
きる。
【0031】多価カルボン酸には、シュウ酸、マロン
酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸などの主鎖の炭
素数が2〜6の飽和多価カルボン酸;マレイン酸、無水
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、
シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸などの主
鎖の炭素数が4〜6の不飽和多価カルボン酸などが含ま
れる。前記飽和カルボン酸と不飽和カルボン酸は組合せ
て使用してもよい。これらの多価カルボン酸は単独で又
は2種以上組合せて使用できる。
【0032】多価カルボン酸成分は、前記多価カルボン
酸以外に、脂肪族多価カルボン酸(例えば、アゼライン
酸、セバシン酸など)、芳香族多価カルボン酸(例え
ば、フタル酸、無水フタル酸、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸など)を含んで
いてもよい。特に、フタル酸、テレフタル酸、イソフタ
ル酸又はこれらの誘導体から選択された芳香族ジカルボ
ン酸又はその誘導体を含む多価カルボン酸成分を用いる
と、ポリエステルの強度、伸度、可撓性、柔軟性、耐水
性などの特性を調整するのに有用である。
【0033】ポリエステル全体に対する芳香族多価カル
ボン酸の含有量は、例えば、0.1〜30重量%、好ま
しくは0.1〜20重量%(例えば1〜15重量%)、
さらに好ましくは0.1〜10重量%(例えば2〜10
重量%)程度である。
【0034】好ましい多価カルボン酸成分には、(1)
主鎖の炭素数が4〜6の不飽和脂肪族ジカルボン酸又は
その誘導体を含む多価カルボン酸成分(特に、少なくと
もマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸又はそれら誘
導体を含む多価カルボン酸成分)、又は(2)主鎖の炭
素数が4〜6の不飽和脂肪族ジカルボン酸又はその誘導
体と、フタル酸、テレフタル酸、及びイソフタル酸から
選択された少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸又はそ
のその誘導体とを含む多価カルボン酸成分が含まれる。
【0035】ポリオール成分には、炭素数2〜4の多価
アルコール、例えば、ジオール(例えば、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、テトラメチレングリコールなどのC2-4 アルキレン
グリコール)、C2-4 アルキレングリコールの縮合物で
あるポリオキシアルキレングリコール、例えば、ジオキ
シエチレングリコール、トリオキシエチレングリール、
ポリオキシエチレングリコール(以下、特に言及しない
限り、これらを単にポリエチレングリコールと総称する
場合がある)、ジオキシプロピレングリコール、トリオ
キシプロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリ
コール(以下、特に言及しない限り、これらを単にポリ
プロピレングリコールと総称する場合がある)、ポリオ
キシテトラメチレングリコールなど;ポリオール(例え
ば、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリンなど)
が含まれる。これらのポリオール成分は単独で又は組合
せて使用してもよい。
【0036】好ましい多価アルコールには、エチレング
リコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコ
ール、テトラメチレングリコール、ジオキシエチレング
リコール、トリオキシエチレングリール、ポリオキシエ
チレングリコール、ジオキシプロピレングリコール、ト
リオキシプロピレングリコール、ポリオキシプロピレン
グリコール及びグリセリンが含まれる。多価アルコール
は、炭素数2〜4の脂肪族多価アルコール(特にジオー
ル)又はその縮合物で構成された多価アルコール成分を
含む場合が多い。
【0037】ポリオキシアルキレングリコールの分子量
は、例えば、重量平均分子量100〜7500、好まし
くは200〜5000(例えば、200〜2500)程
度であり、ポリエチレングリコールを用いる場合、重量
平均分子量が300以下である場合が多い。
【0038】多価アルコールは、必要に応じて他のポリ
オール、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトールなどと併用してもよ
い。これらのポリエステルのうち不飽和ポリエステル、
特にマレイン酸又は無水マレイン酸を多価カルボン酸成
分とする不飽和ポリエステルが好ましい。
【0039】ポリエステルの分子量は特に制限されず、
例えば、重量平均分子量300〜100000(例え
ば、300〜25000)、好ましくは300〜500
00(例えば、500〜15000)、さらに好ましく
は500〜20000程度の範囲から選択できる。不飽
和ポリエステルの分子量は、重量平均分子量300〜1
00000、好ましくは300〜50000、さらに好
ましくは500〜10000程度であり、重量平均分子
量300〜5000(例えば、500〜5000)、特
に500〜2500程度である場合が多い。分子量は、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリス
チレン換算の重量平均分子量である。
【0040】不飽和ポリエステルなどのポリエステル
は、慣用の方法、例えば、多価カルボン酸成分と多価ア
ルコール成分とを、触媒の存在下に縮合させることによ
り得ることができる。マレイン酸や無水マレイン酸など
の不飽和多価カルボン酸を用いる場合には、ハイドロキ
ノンなどのラジカル重合禁止剤の存在下で縮合反応させ
る場合が多い。ポリエステルは、多価カルボン酸1当量
に対して多価アルコール0.5〜3当量、好ましくは
0.7〜2当量程度の範囲から選択できる。分子量の小
さなポリエステルは多価カルボン酸およびポリオールの
うちいずれか一方の成分を過剰に使用することにより得
る場合が多い。
【0041】前記セメント硬化遅延能を有する樹脂は、
前記不飽和ポリエステルの硬化物であってもよい。不飽
和ポリエステルの硬化物は、不飽和ポリエステルと重合
開始剤とを含む重合性組成物(i)を硬化させることに
より得られる。重合開始剤としては、種々の有機過酸化
物、例えば、メチルエチルケトンパーオキシド、クメン
ハイドロパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−
ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ
−2−エチルヘキサノエート、ジクミルパーオキシドな
どが使用できる。重合開始剤の使用量は、重合性を損な
わない範囲、例えば、不飽和ポリエステル100重量部
に対して、0.5〜5重量部、好ましくは1〜4重量部
程度であり、2〜3重量部程度である場合が多い。不飽
和ポリエステルの硬化物は、不飽和ポリエステルと重合
性ビニルモノマー(反応性希釈剤)と前記重合開始剤と
を含む重合性組成物(ii)の硬化物であってもよい。前
記重合性ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、
α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのスチレン系
モノマー、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートなどの
アルキル基の炭素数1〜20(特に炭素数1〜10)程
度のアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、グリシジル
(メタ)アクリレートなどの官能基(ヒドロキシル基、
カルボキシル基、グリシジル基など)を有するモノマ
ー、(メタ)アクリル酸と前記多価アルコール(ポリエ
チレングリコールなど)とのエステル[例えば、エチレ
ングリコールモノ(又はジ)(メタ)アクリレート、ジ
エチレングリコールモノ(又はジ)(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールモノ(又はジ)(メタ)ア
クリレートなど]などが挙げられる。また、ビニルモノ
マーとしては、酢酸ビニルなどのビニルエステル、塩化
ビニルなどのハロゲン含有ビニルモノマー、アクリロニ
トリルなどのシアン化ビニル、エチレン、プロピレンな
どのオレフィン系モノマーも使用できる。これらの重合
性モノマーは一種又は二種以上組合せて使用できる。好
ましい重合性ビニルモノマーには、アクリル系モノマー
およびメタクリル系モノマー、特に(メタ)アクリル酸
グリコールエステル類が含まれる。
【0042】重合性ビニルモノマーの使用量は、不飽和
ポリエステルの分子量などに応じて、硬化遅延能や不飽
和ポリエステルの取扱い性を損なわない範囲、例えば、
不飽和ポリエステル100重量部に対して、1〜500
重量部(例えば、1〜100重量部)、好ましくは5〜
200重量部(例えば、5〜100重量部)程度の範囲
から選択でき、5〜30重量部程度の範囲であってもよ
い。不飽和ポリエステルの硬化物は、前記重合性組成物
を構成する成分(すなわち、重合性組成物(i)を構成
する不飽和ポリエステルと重合開始剤と、重合性組成物
(ii)を構成する不飽和ポリエステルと重合性ビニルモ
ノマーと重合開始剤)に加えて、重合促進剤を含む重合
性組成物(iii )の硬化物であってもよい。重合促進剤
には、例えば、ナフテン酸コバルト、オクチル酸コバル
トなどの有機酸コバルト塩、アセチルアセトン、アセト
酢酸エチルなどのβ−ジケトン又はβ−ケトエステル
類、芳香族第3級アミン類、メルカプト類などが含まれ
る。これらの重合促進剤は単独で又は二種以上組み合わ
せて使用できる。
【0043】重合性組成物における重合促進剤の濃度
は、例えば、10〜1000ppm、好ましくは10〜
500ppm(例えば、10〜100ppm)程度の範
囲から選択でき、30〜50ppm程度であってもよ
い。
【0044】不飽和ポリエステルの硬化(架橋)は、常
温でも可能であるが、短時間(例えば、0.5〜50分
程度)で硬化させるためには、温度60〜200℃程度
で行なうのが有利である。
【0045】上記のセメント硬化遅延剤のなかでも、無
機硬化遅延剤、オキシカルボン酸類、ケト酸類、多価フ
ェノール類、糖類、リグニンスルホン酸類及び不飽和ポ
リエステルなどが好ましい。特に、前記不飽和ポリエス
テルは、他の硬化遅延剤と異なり、水に対してほとんど
溶解することがなく、コンクリートからのブリード水と
ともにほとんど流動しない。しかし、コンクリートの強
いアルカリ性によりポリエステルのエステル結合が加水
分解され、硬化遅延に有用なカルボキシル基やヒドロキ
シル基が遊離する。この加水分解速度は、コンクリート
中の水分がセメントの硬化に利用されるにつれて上昇
し、養生中のコンクリートの発熱により最大となり、遊
離したカルボキシル基とヒドロキシル基とが相乗的に大
きな硬化遅延能を発現させる。一方、硬化遅延能が発現
する段階のコンクリートは既に流動性がなく、ポリエス
テルの加水分解により硬化遅延成分が遊離しても、ブリ
ード水に溶解して移動することもない。そのため、装飾
材の表面側に無機硬化性組成物が回りこんで来ても、そ
の硬化を確実に抑制できる。従って、セメントの硬化処
理後に、水などにより、非硬化の無機硬化性組成物を前
記水溶性又は水分散性粘着剤(アクリル系共重合体)と
共に容易に除去できるので、装飾材表面を損傷させるこ
とがない。また、所望の部位でのみ硬化遅延能を発現さ
せることができるので、セメントの硬化後に洗い出すこ
とにより美麗な洗い出し面を精度よく形成できる。
【0046】前記(A)アクリル系共重合体と(B)セ
メント硬化遅延剤との割合は、粘着性及びセメント硬化
遅延能を損なわない範囲で適当に選択できるが、例え
ば、(A)と(B)の重量比[(A)/(B)]は、2
/98〜95/5、好ましくは5/95〜80/20、
さらに好ましくは7/93〜60/40(特に、7/9
3〜40/60)程度である。
【0047】本発明のセメント硬化遅延性組成物は、前
記(A)アクリル系共重合体以外の粘着剤を含んでいて
もよい。このような粘着剤としては、水溶性または水分
散性の粘着剤、例えば、ポリビニルアルコール、ポリア
クリル酸又はその塩、ポリアクリルアミド、メチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロースなどの合成水溶性高分子、ローカストビー
ンガム、グアーガム、アラビアゴム、トラガカントガ
ム、ペクチン、アルギン酸ソーダ、カラゲニンなどの天
然水溶性高分子などが挙げられる。
【0048】また、本発明のセメント硬化遅延性組成物
は、溶媒や、種々の添加剤、例えば、粘着付与剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、可塑剤、耐湿性付与
剤、帯電防止剤、増量剤(充填剤)、顔料、シート(フ
ィルム)形成能を有する樹脂、結合剤(バインダー樹脂
など)などを含んでいてもよい。
【0049】溶媒としては、メタノール、エタノール、
イソプロパノールなどのアルコール類、ヘキサン、オク
タンなどの脂肪族炭化水素、シクロヘキサンなどの脂環
式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香
族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、石油系溶剤、アセト
ン、メチルエチルケトンなどのケトン類、エーテル類、
酢酸エチルなどのエステル類等の有機溶剤;水;これら
の混合溶媒などが挙げられる。
【0050】粘着付与剤としては、例えば、石油樹脂、
テルペン樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂などの炭化
水素系樹脂、ロジン誘導体(水溶性又は水分散性のロジ
ン誘導体など)などが挙げられる。
【0051】可塑剤としては広範囲のものが使用できる
が、グリセリン、ソルビット、ジエチレングリコール、
ポリエチレングリコール、ポリエーテルポリオールなど
の多価アルコール;トリアセチンなどの多価アルコール
のエステル;ポリオキシエチレンアルキルフェノール、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の親水性可塑剤
などが好ましい。親水性可塑剤の使用量は、前記アクリ
ル系共重合体(A)100重量部に対して、例えば0〜
100重量部(例えば5〜100重量部)、好ましくは
0〜50重量部(例えば10〜50重量部)程度であ
る。親水性可塑剤を添加することにより初期接着性を向
上できる。
【0052】耐湿性付与剤としては、親水性エポキシ化
合物、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プ
ロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピ
レングリコールグリシジルエーテル、グリセロールポリ
グリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエ
ーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテルなどの多
価アルコールのグリシジルエーテルなどが挙げられる。
耐湿性付与剤の使用量は、前記アクリル系共重合体
(A)100重量部に対して、例えば0〜5重量部(例
えば0.01〜5重量部)、好ましくは0〜2重量部
(例えば0.05〜2重量部)程度である。耐湿性付与
剤を添加すると、セメント硬化遅延性組成物を紙製のシ
ート状基材に塗布する際、紙への浸みこみを抑制でき
る。
【0053】増量剤としては、カオリン、タルク、シリ
カ、アルミナなどの種々の粉粒体が使用できるが、微粉
体、例えば、微粉スラグ、フライアッシュ、炭酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、シリカヒューム(シリカの極微細
粉末)などを用いる場合が多い。増量剤の使用量は、例
えば、前記(A)アクリル系共重合体100重量部に対
して、2〜500重量部、好ましくは3〜200重量
部、さらに好ましくは5〜100重量部程度である。
【0054】顔料としては、有彩色又は無彩色を問わず
種々の着色剤、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ジル
コニウム(ZrO2 )、酸化チタン(TiO2 )、リト
ポン(ZnS+BaSO2 )などの白色顔料、カーボン
ブラックなどの黒色顔料、黄色、橙色、赤色、紫色、青
色などの種々の着色顔料が例示される。これらの顔料の
うち酸化亜鉛を用いると、隠蔽力が比較的大きいだけで
なく、硬化遅延剤との相乗効果により、凝結遅延作用を
高めることができる。なお、凝結遅延作用を高める上で
は、前記酸化亜鉛以外に、酸化鉛、酸化銅も有用であ
る。顔料の使用量は、(A)アクリル系共重合体100
重量部に対して、1〜300重量部、好ましくは2〜2
00重量部、さらに好ましくは5〜100重量部程度で
ある。
【0055】シート(フィルム)形成能を有する樹脂と
しては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの
オレフィン系ポリマー;ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル;ナイ
ロン46、ナイロン6、ナイロン6、ナイロン610、
ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12などのポ
リアミド;ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、酢酸ビニル−バーサチック酸ビニルなどのビニル
エステル系樹脂;ポリビニルアルコール、エチレン−ビ
ニルアルコール共重合体などのビニルエステル系樹脂の
ケン化物;エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチ
レン−(メタ)アクリル酸共重合体;ポリ塩化ビニル、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン−酢
酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン−酢酸ビニル共重合
体、ポリクロロプレンなどのハロゲン含有ポリマー;ア
クリル樹脂、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共
重合体などのアクリル系ポリマー;ポリスチレン、スチ
レン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−ア
クリロニトリル共重合体などのスチレン系ポリマー;メ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、酢酸セ
ルロースなどのセルロース系ポリマー;天然高分子など
の熱可塑性樹脂、および熱硬化性アクリル樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ
樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂が
挙げられる。これらの樹脂は1種または2種以上使用で
きる。また、シート系性能を有する樹脂としては、熱可
塑性樹脂を用いる場合が多い。特に好ましい熱可塑性樹
脂は、親水性樹脂(例えば、水溶性または水分散性樹
脂)やラテックス、エマルジョンなどのように親水化さ
れた樹脂である場合が多い。シート形成能を有する樹脂
は、セメント硬化遅延性組成物を用いてシートを形成す
る際、セメント硬化遅延剤がシート形成能を有しない場
合に特に有用である。シート形成能を有する樹脂の使用
量は、例えば、セメント硬化遅延剤(B)100重量部
に対して、10〜2000重量部、好ましくは15〜1
000重量部、さらに好ましくは20〜400重量部程
度である。
【0056】バインダー樹脂は上記シート形成能を有す
る樹脂であってもよい。バインダー樹脂としては、例え
ば、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共
重合体、アクリル系ポリマー、ポリスチレン、スチレン
−アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル、ポリア
セタール、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネー
ト、塩素化ポリプロピレンなどの塩素かポリオレフィ
ン、アセチルセルロース、アセチルブチルセルロース、
エチルセルロース、ニトロセルロースなどのセルロース
系ポリマー、エラストマー(例えば、天然ゴム、塩化ゴ
ム、塩酸ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチ
レン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン
ゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロ
ピレンゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエンゴ
ム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴ
ム、シリコーンゴム、ウレタンゴムなど)などが例示さ
れる。バインダー樹脂は、シート状基材の表面にセメン
ト硬化遅延性組成物で構成されたセメント硬化遅延層を
形成する際、セメント硬化遅延材として樹脂以外の遅延
剤を用いる場合に特に有用である。バインダー樹脂の使
用量は、例えば、セメント硬化遅延剤(B)100重量
部に対して、10〜2000重量部、好ましくは15〜
1000重量部、さらに好ましくは20〜400重量部
程度である。
【0057】本発明のセメント硬化遅延性組成物は、前
記特定の(A)アクリル系共重合体と(B)セメント硬
化遅延剤とを含んでいるので、セメントの硬化を遅延又
は抑制する作用を有すると共に、高い粘着性を有し、し
かも水に対する溶解性又は分散性に優れるという特徴を
有する。本発明のセメント硬化遅延性組成物は、タイル
などの装飾材と一体に固着した表面装飾コンクリート製
品、表面に洗い出し面が形成されたコンクリート製品を
製造する上で有用であるほか、コンクリート表面へのタ
イルなどの装飾材の施工に有用なセメント硬化遅延用シ
ートや、ユニットタイルなどの装飾材キットシートを得
る上でも有用である。
【0058】[セメント硬化遅延用シート(1)]本発
明のセメント硬化遅延用シート(1)は、前記セメント
硬化遅延性組成物で構成されている。セメント硬化遅延
用シート(1)は、シート(フィルム)形成能を有する
セメント硬化遅延剤(セメント硬化遅延能を有する樹
脂)を含むセメント硬化遅延性組成物、又はセメント硬
化遅延剤と前記シート(フィルム)形成能を有する樹脂
とを含むセメント硬化遅延性組成物を、樹脂の種類に応
じて、慣用の成膜法(押出成形法、流延法、カレンダー
法など)に付すことより得ることができる。シート(フ
ィルム)形成能を有するセメント硬化遅延剤には、例え
ば前記ポリエステルなどが含まれる。成膜の際には、前
記有機溶媒を用いることができる。
【0059】流延法を採用する場合、前記セメント硬化
遅延性組成物を支持体の平滑面に塗工し、乾燥又は硬化
した後、被膜を支持体から剥離することによりシートを
得ることができる。表面が平滑な支持体としては、種々
のベルト(例えば、ステンレス製ベルト、ウレタン樹脂
製ベルト、表面加工された鉄製ベルトなど)、フィルム
(例えば、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィ
ルムなど)、ドラムなどが使用できる。被膜の剥離性を
高めるため、支持体の表面を、シリコーンオイルやシリ
コーン樹脂などのシリコーン系化合物、液状フッ素含有
化合物やフッ素樹脂などのフッ素系化合物などで表面処
理し、支持体の表面張力を低減させてもよい。
【0060】セメント硬化遅延用シート(1)の厚み
は、作業性、機械的強度などを損なわない範囲で選択で
き、例えば、15〜500μm、好ましくは20〜30
0μm、さらに好ましくは30〜200μm程度であ
り、50〜200μm程度である場合が多い。シートの
厚みが小さい場合には、強度が低下すると共に、高い硬
化遅延性を保持できない場合があり、厚すぎると取扱性
を損ないやすい。
【0061】[セメント硬化遅延用シート(2)]本発
明のセメント硬化遅延用シート(2)は、シート状基材
の表面に前記セメント硬化遅延性組成物で構成されたセ
メント硬化遅延層が形成されている。
【0062】シート状基材を構成するポリマーは特に制
限されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなど
のオレフィン系ポリマー;ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル
(特にポリアルキレンテレフタレート);エチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体;ア
クリル樹脂;ポリスチレン;ポリ塩化ビニル;ポリアミ
ド;ポリカーボネート;ポリビニルアルコール、エチレ
ン−ビニルアルコール共重合体などのビニルエステル系
樹脂のケン化物などが例示される。これらのポリマーは
1種又は2種以上使用できる。なお、シート状基材とし
て、前記セメント硬化遅延用シート(1)を用いてもよ
い。また、シート状基材としては、例えば、ポリエチレ
ン製繊維などの繊維を織ったクロス(例えば、プラスチ
ック延伸ヤーン編組品など)、又は前記クロスの片面又
は両面に前記ポリエチレンなどのポリマーで構成される
フィルムを積層した積層シート、紙、不織布などを用い
てもよい。さらに、シート状基材は手切れ性や寸法安定
性が改善されたシートであってもよい。
【0063】好ましいシート状基材には、水溶性または
水分散性のシート基材が含まれる。水溶性又は水分散性
のシート状基材としては、前記ビニルエステル系樹脂の
ケン化物などの水溶性又は水分散性のポリマー又は繊維
で構成された基材などが挙げられる。水溶性または水分
散性のシート状基材を用いると、表面装飾コンクリート
製品を製造する際、コンクリート硬化後、シート状基材
を剥離する作業を行うことなく、セメント硬化遅延用シ
ート全体を水、加圧水、ジェット流などにより容易に除
去できる。そのため、シートの除去作業と装飾材表面の
洗浄とを同時に行うことができ、作業効率を高めること
ができる。
【0064】シート状基材は、単一のシートであっても
よく複数の層が積層された複合シートであってもよい。
また、シート状基材は、未延伸フィルムで構成されてい
てもよく、一軸又は二軸延伸フィルムで構成されていて
もよい。さらに、セメント硬化遅延層との密着性を高め
るため、シート状基材の表面は、火炎処理、コロナ放電
処理、プラズマ処理などにより表面処理されていてもよ
い。表面処理されたシート状基材の表面張力は、約40
dyn/cm以上である場合が多い。
【0065】セメント硬化遅延層はシート状基材から剥
離可能であってもよい。シート状基材から硬化遅延層が
剥離可能である場合には、必要に応じて硬化遅延層のう
ち所望する模様などに対応させて所定の部位又は領域を
カッティングし、硬化遅延層側を型枠の底部などに貼付
し、シート状基材を剥離した後、無機硬化性組成物を打
設し、養生硬化したコンクリート製品のうち前記セメン
ト硬化遅延層との接触面を洗い出すことにより、コンク
リート製品の表面に、模様や骨材などが露出した洗い出
し面を形成できる。硬化遅延層を剥離可能とするため、
シート状基材の表面は、例えば、ワックス、高級脂肪酸
アミド、シリコーンオイルなどの離型剤で処理してもよ
い。シート状基材の表面張力は、例えば、38dyn/
cm以下、好ましくは20〜38dyn/cm、さらに
好ましくは25〜36dyn/cm程度である場合が多
い。
【0066】セメント硬化遅延層は、前記セメント硬化
遅延性組成物で構成されている。セメント硬化遅延性組
成物には前記バインダー樹脂を含有させてもよい。な
お、シート成形可能な硬化遅延剤を用いる場合、バイン
ダー樹脂は必ずしも必要ではない。
【0067】本発明のセメント硬化遅延用シート(2)
は慣用の方法、例えば、前記セメント硬化遅延性組成物
を含む塗布液をシート状基材の少なくとも一方の面に塗
布し、乾燥又は硬化させることにより製造できる。塗布
液は前記溶媒を含んでいてもよい。塗布に際しては、刷
毛ローラー、ゴムヘラなどを用いてもよいが、工業的に
は、通常のコーティングに利用される塗布手段、例え
ば、ディップコーター、ロールコーター、グラビアコー
ター、エアーナイフコーター、リバースロールコータ
ー、コンマコーター、バーコーター、カーテンコータ
ー、スプレーなどを利用する場合が多い。
【0068】このようなセメント硬化遅延用シート
(2)において、シート状基材の厚みは、例えば、10
〜200μm、好ましくは15〜150μm、さらに好
ましくは20〜100μm程度である。セメント硬化遅
延層の厚みは、セメントの硬化にに対して遅延効果が発
現する厚みであればよく、例えば、1〜300μm(例
えば、5〜200μm)、好ましくは2〜150μm
(例えば、5〜120μm)、さらに好ましくは5〜1
00μm(例えば、10〜100μm)程度であり、5
〜70μm程度である場合が多い。
【0069】このようなシート(2)は、打設した無機
硬化性組成物(モルタル組成物など)に対して均一な厚
みの硬化遅延層により硬化遅延作用を均等に作用させる
ことができると共に、硬化遅延層が薄くても高い硬化遅
延性を付与できる。また、工業的に安価に生産できると
共に、シート状基材により補強できるという利点があ
る。また、剥離可能な硬化遅延層を形成すると、硬化遅
延層の剥離部位に対応させて、コンクリート製品の表面
に模様や洗い出し面を高い精度で簡便且つ効率よく形成
できる。
【0070】本発明のセメント硬化遅延用シート(1)
及び(2)は、前記セメント硬化遅延性組成物と同様、
タイルなどの装飾材と一体に固着した表面装飾コンクリ
ート製品、表面に洗い出し面が形成されたコンクリート
製品の製造に有用である。
【0071】[装飾材キットシート]本発明の装飾材キ
ットシートは、前記セメント硬化遅延用シート(1)の
表面、又はセメント硬化遅延用シート(2)のうちセメ
ント硬化遅延層が形成された面に、複数の装飾材が連続
して又は散在して貼着されている。この装飾材キットシ
ートはユニットタイルなどとして使用できる。
【0072】複数の装飾材は、面方向(例えば、縦方
向、横方向や縦横方向)に互いに隣接(連続)して又は
間隔をおいて配列する場合が多い。このような装飾材キ
ットシートを用いると、個別に型枠内で装飾材を配置す
る必要がなく、別の工程で作製された装飾材キットシー
トを型枠内に配設するだけでよく、作業効率を高めるこ
とができる。
【0073】装飾材としては、種々の材料、例えば、玉
石、黒石、鉄平石などの天然石、人造石などの石材、タ
イルなどのセラミックス材、金属材、ガラス材、木材、
織布などが使用できる。装飾材は平板状であってもよ
く、タイルは通常のタイルのほか、モザイクタイルや割
りタイルであってもよい。また、コンクリート製品の製
造に際して、必要に応じて、型枠内に鉄筋などの補強材
を配設して無機硬化性組成物を打設してもよい。前記ユ
ニットタイルなどの装飾材キットシートもまた、プレキ
ャストコンクリート板などの表面装飾コンクリート製品
の製造に有用である。
【0074】[コンクリート製品の製造]表面装飾コン
クリート製品は、前記セメント硬化遅延性組成物、セメ
ント硬化遅延用シート又は装飾材キットシートを利用し
て、例えば以下のようにして製造できる。
【0075】すなわち、型枠内の底面に、セメント硬化
遅延性組成物を塗布して、粘着性を有するセメント硬化
遅延層を形成し、その上に、タイルなどの複数の装飾材
(化粧材)を、表(おもて)面が上記硬化遅延層に接す
るように貼着により配置し、装飾材を位置決め固定す
る。次いで、無機硬化性組成物を型枠内に打設し、養生
などの慣用の硬化方法により硬化させた後、脱型し、露
出した装飾材の表面を洗浄することにより表面装飾コン
クリート製品を製造できる。
【0076】また、表面装飾コンクリート製品は、
(i)型枠の底部に、(a)前記セメント硬化遅延用シ
ート(1)を配設し、その上に装飾材を貼着により配置
するか、(b)前記セメント硬化遅延用シート(2)を
セメント硬化遅延層が上方に位置するように配設し、そ
の上に装飾材を貼着により配置するか、又は(c)前記
装飾材キットシートを、装飾材が上方に位置するように
配設し、(ii)無機硬化性組成物を打設して硬化させた
後、脱型し、セメント硬化遅延用シートを除去して、露
出した装飾材の表面を洗浄することにより製造できる。
【0077】セメント硬化遅延性組成物の塗布は前記セ
メント硬化遅延用シートにおけるセメント硬化遅延層の
形成の場合と同様の方法により行うことができる。ま
た、装飾材の配置は前記装飾材キットシートの場合と同
様にして行うことができる。装飾材の表面の洗浄は、
水、加圧水、ジェット流などにより行うことができる。
【0078】この方法によれば、セメント硬化遅延層に
含まれるセメント硬化遅延剤により、無機硬化性組成物
のうち該硬化遅延層との接触面での硬化を均一に抑制で
きると共に、無機硬化性組成物が装飾材の表面側に回り
込んだとしても、その硬化を抑制でき、非硬化状態(半
硬化又は未硬化)が維持される。また、本発明のセメン
ト硬化遅延性組成物に含まれるアクリル系共重合体は、
粘着性に優れ且つ水に容易に溶解または分散するという
特性を有している。そのため、無機硬化性組成物の打設
により装飾材の位置ずれが生じるのを確実に抑制でき、
コンクリート表面に精度よく装飾を施すことができると
ともに、表面仕上げ作業において、装飾材の表面から非
硬化の無機硬化性組成物及び粘着剤(アクリル系共重合
体)を水洗という簡単な操作で効率よく完璧に除去する
ことができる。従って、装飾材の表面を損傷させること
なく、美麗な表面装飾コンクリート製品を得ることがで
きる。また、無機硬化性組成物のうち前記硬化遅延層と
の接触部位では、洗い出しにより骨材が露出し、自然な
風合いを有する洗い出し面が形成される。
【0079】なお、配置した装飾材間の間隙部(目地
部)、型枠と装飾材との間隙部(目地部)には、モルタ
ル組成物などの付着を防止するための目地材(例えば、
ポリウレタンなどの可撓性プラスチックで形成された目
地棒等)を配設してもよい。
【0080】表面に洗い出し面が形成されたコンクリー
ト製品は、例えば、(i)(a)型枠の底面に、セメン
ト硬化遅延性組成物を塗布して、粘着性を有するセメン
ト硬化遅延層を形成するか、(b)型枠の底面に、前記
セメント硬化遅延用シート(1)を貼付するか、又は
(c)セメント硬化遅延層がシート状基材から剥離可能
に形成されたセメント硬化遅延用シート(2)を、硬化
遅延層側を型枠の底面に貼付し、シート状基材を剥離
し、次いで、(ii)無機硬化性組成物を打設して硬化さ
せた後、脱型し、非硬化の無機硬化性組成物を洗浄、除
去することにより製造できる。
【0081】この方法によれば、セメント硬化遅延性組
成物に含まれるアクリル系共重合体が粘着性に優れるた
め、無機硬化性組成物を打設しても、硬化遅延層がずれ
ることがなく、コンクリート製品の表面の所望の位置
に、骨材が露出した自然な風合いを有する洗い出し面を
形成できる。また、前記アクリル系共重合体は、水に容
易に溶解または分散するため、脱型した際、型枠の底面
に付着した硬化遅延層の残留物は、水により容易に除去
できる。
【0082】セメントには、例えば、気硬性セメント
(セッコウ、消石灰やドロマイトプラスターなどの石
灰);水硬性セメント(例えば、ポルトランドセメン
ト、早強ポルトランドセメント、アルミナセメント、急
硬高強度セメント、焼きセッコウなどの自硬性セメン
ト;石灰スラグセメント、高炉セメントなど;混合セメ
ント)などが含まれる。好ましいセメントには、例え
ば、セッコウ、ドロマイトプラスターおよび水硬性セメ
ントなどが含まれる。
【0083】前記セメントは、水とのペースト組成物
(セメントペースト)として使用してもよく、砂、ケイ
砂、パーライトなどの細骨材、粗骨材を含むモルタル組
成物やコンクリート組成物として使用してもよい。前記
ペースト組成物及びモルタル組成物は、必要に応じて、
着色剤、硬化剤、塩化カルシウムなどの硬化促進剤、ナ
フタレンスルホン酸ナトリウムなどの減水剤、凝固剤、
カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリ
ビニルアルコールなどの増粘剤、発泡剤、合成樹脂エマ
ルジョンなどの防水剤、可塑剤等の種々の添加剤を含ん
でいてもよい。
【0084】
【発明の効果】本発明のセメント硬化遅延性組成物、セ
メント硬化遅延用シート及び装飾材キットシートによれ
ば、特定のアクリル系共重合体とセメント硬化遅延剤と
を含んでいるため、表面装飾コンクリート製品を得るに
際し、コンクリートなどの無機硬化性組成物を打設して
も装飾材等の位置ずれを抑制できるとともに、無機硬化
性組成物の硬化後、装飾材等の表面仕上げ作業を簡便且
つ効率よく行うことができる。また、無機硬化性組成物
の表面の硬化を均一にかつ確実に抑制でき、コンクリー
ト製品の表面に模様や洗い出し面を精度よく形成でき
る。さらに、装飾材を損傷させることなく、装飾性に優
れたコンクリート製品を得る上で有用である。
【0085】本発明の表面装飾コンクリート製品の製造
法によれば、表面に美麗な装飾、模様が精度よく施され
たコンクリート製品を簡便且つ効率よく製造できる。
【0086】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。
【0087】実施例1 撹拌翼を備えた反応器に、無水マレイン酸160g、プ
ロピレングリコール170gを入れるとともに、重合触
媒としてチタン酸テトラ−n−ブチル160mgを添加
した。内容物を撹拌し、反応により生成する水分を除去
するため窒素ガスを流通させながら、常圧下、常温から
150℃まで3時間かけて昇温した後、150℃から2
10℃まで24時間かけて昇温し、反応を停止した。得
られた不飽和ポリエステル(重量平均分子量約500)
に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート210g、ス
チレン30g及びナフテン酸コバルト1.2gを加え、
重合性組成物(A)を得た。
【0088】一方、攪拌機、温度計及び還流冷却管を備
えたフラスコに、メタノール40.8重量部を仕込み、
アクリル酸ブチル15.5重量部、アクリル酸2−エチ
ルヘキシル15重量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエ
チル5重量部、アクリル酸5重量部からなる混合物と、
触媒としてAIBNの1重量%メタノール溶液(AIB
Nとして0.1重量部)を、65℃の温度で3時間かけ
て添加した後、5時間熟成して、固形分40重量%のア
クリル系共重合体組成物を得た。次いで、上記アクリル
系共重合体84重量部に対して、水酸化ナトリウム2重
量部を水溶液として添加混合し、共重合体中のカルボキ
シル基の85%を中和し、さらに、ポリエチレングリコ
ール7重量部及びポリエチレングリコールジグリシジル
エーテル0.5重量部を添加して、固形分43重量%の
水溶性粘着剤(B)を得た。
【0089】前記重合性組成物(A)24g、前記水溶
性粘着剤(B)6g及び酢酸エチル10gを混合し、さ
らに有機過酸化物(日本油脂(株)製;パーブチルオ
ー)240mgを加えて撹拌混合した。得られた混合液
を、バーコーダーを用いて、ポリエチレンテレフタレー
トフィルム(厚み50μm)に、硬化後の厚みが60μ
mとなるように塗布し、80℃で30分間硬化させ、セ
メント硬化遅延層が形成されたセメント硬化遅延用シー
トを得た。
【0090】このシートを、型枠の底面に、セメント硬
化遅延層が上面となるように貼付し、硬化遅延層の上
に、5cm×10cmのタイルを等間隔に4枚貼り付け
た後、コンクリートを打設し、常温で1日放置して硬化
させた後、脱型し、前記シートを剥がした。得られたコ
ンクリート成形品の表面に固着したタイルの表面を水洗
したところ、タイル表面の付着物は水洗のみで円滑に除
去でき、ワイヤーブラシ、ヘラなどによる除去作業は不
要であった。また、タイルは所望の位置に正確に固着し
ており、美麗な表面装飾コンクリート板が得られた。
【0091】実施例2 実施例1と同様にして得られたセメント硬化遅延シート
の硬化遅延層上に、5cm×10cmのタイルを等間隔
に4枚貼り付けてユニットタイルを作製した。このユニ
ットタイルを、型枠の底面に、セメント硬化遅延層が上
面となるように貼付し、コンクリートを打設し、常温で
1日放置して効果させた後、脱型し、前記シートを剥離
した。得られたコンクリート成形品の表面に固着したタ
イルの表面を水洗したところ、タイル表面の付着物は水
洗のみで円滑に除去できた。また、タイルは所望の位置
に正確に固着しており、装飾性に優れたコンクリート板
が得られた。
【0092】比較例1 水溶性粘着剤(B)に代えて、非水溶性粘着剤(ニッセ
ツKP−491;日本カーバイド工業(株)製)を用い
た以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られたコ
ンクリート成形品の表面に固着したタイルの表面を水洗
したが、タイル表面は粘着剤が付着して粘性を帯びてい
た。
【0093】比較例2 水溶性粘着剤(B)を使用しなかった点以外は、実施例
1と同様の操作を行ったところ、コンクリート製品の表
面において、タイルは所望の位置からずれた位置に固着
していた。
【0094】実施例3 実施例1と同様にして調製した、重合性組成物(A)、
水溶性粘着剤(B)、酢酸エチル及び有機過酸化物(日
本油脂(株)製;パーブチルオー)からなる混合液を、
離型処理された紙製のシート(離型紙)に、硬化後の厚
みが60μmとなるように塗布し、80℃で30分間硬
化させ、離型層上にセメント硬化遅延層が形成されたセ
メント硬化遅延用シートを得た。
【0095】このシートを、鉄製型枠の底面に、硬化遅
延層が底板に接触するように貼付した後、離型紙を剥離
した。型枠内に、コンクリートを打設し、常温で1日放
置して硬化させた後、脱型したところ、前記硬化遅延層
の残留物を型枠の底板に残して、コンクリート板を容易
に離型させることができた。
【0096】コンクリート板の表面を水洗したところ、
硬化遅延層と接触した部位のみ均一に2〜3mmの深さ
で洗い出され、自然な風合いを有する洗い出し面が形成
されたコンクリート製品が得られた。一方、型枠に水を
張り放置した結果、前記硬化遅延層の残留物は、2〜3
時間後には型枠の底板から自然剥離した。
【0097】比較例3 ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み50μm)
の一方の面に、実施例1と同様にして得られた重合性組
成物(A)と、この重合性組成物(A)中の不飽和ポリ
エステル100重量部に対して3重量部の有機過酸化物
(日本油脂(株)製;パーブチルオー)とからなる混合
液を、硬化後の厚みが60μmとなるように塗布し、8
0℃で30分間硬化させた後、他方の面に、比較例1で
用いた非水溶性粘着剤を厚み10μmで塗布し、セメン
ト硬化遅延用シートを得た。
【0098】このシートを、実施例3と同様の鉄製型枠
の底面に、粘着剤層が底板に接触するように貼付した
後、型枠内にコンクリートを打設し、常温で1日放置し
て硬化させた後、脱型して、コンクリート製品を得た。
型枠の底板に付着したシートを除去するため、型枠内に
水を張り放置したところ、1日経過しても、シートは剥
離しなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 67/06 MSG C08L 67/06 MSG

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)不飽和カルボン酸又はその塩と、
    ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が−100〜0
    ℃のアクリル酸エステルとを構成単量体単位として含む
    水溶性又は水分散性のアクリル系共重合体と、(B)セ
    メント硬化遅延剤とを含むセメント硬化遅延性組成物。
  2. 【請求項2】 アクリル系共重合体が、構成単量体単位
    として不飽和カルボン酸又はその塩を5〜40重量%、
    ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が−100〜0
    ℃のアクリル酸エステルを40〜90重量%含む請求項
    1記載のセメント硬化遅延性組成物。
  3. 【請求項3】 アクリル系共重合体のガラス転移温度
    (Tg)が−80〜10℃である請求項1記載のセメン
    ト硬化遅延性組成物。
  4. 【請求項4】 セメント硬化遅延剤が、リン酸又はその
    塩、ホウ酸又はその塩、ヘキサフルオロケイ酸塩、ホス
    ホン酸類、オキシカルボン酸類、ケト酸類、多価フェノ
    ール類、リグニンスルホン酸類、糖類及び不飽和ポリエ
    ステルから選択された少なくとも1種である請求項1記
    載のセメント硬化遅延性組成物。
  5. 【請求項5】 不飽和ポリエステルが、主鎖の炭素数が
    4〜6の不飽和多価カルボン酸又はその誘導体を含む多
    価カルボン酸成分と、多価アルコール又はその縮合物を
    含むポリオール成分との反応により得られる不飽和ポリ
    エステルである請求項4記載のセメント硬化遅延性組成
    物。
  6. 【請求項6】 多価カルボン酸成分が、さらに、芳香族
    ジカルボン酸又はその誘導体を含む請求項5記載のセメ
    ント硬化遅延性組成物。
  7. 【請求項7】 不飽和ポリエステルが架橋による硬化物
    である請求項4記載のセメント硬化遅延性組成物。
  8. 【請求項8】 硬化物が、不飽和ポリエステルと重合性
    ビニルモノマーと重合開始剤とを含む重合性組成物の硬
    化物である請求項7記載のセメント硬化遅延性組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8の何れかの項に記載のセメ
    ント硬化遅延性組成物で構成されたセメント硬化遅延用
    シート。
  10. 【請求項10】 シート状基材の表面に、請求項1〜8
    の何れかの項に記載のセメント硬化遅延性組成物で構成
    されたセメント硬化遅延層が形成されたセメント硬化遅
    延用シート。
  11. 【請求項11】 請求項9記載のセメント硬化遅延用シ
    ートの表面、又は請求項10記載のセメント硬化遅延用
    シートのうちセメント硬化遅延層が形成された面に、複
    数の装飾材が連続して又は散在して貼着されている装飾
    材キットシート。
  12. 【請求項12】 型枠の底部に、請求項1〜8の何れか
    の項に記載のセメント硬化遅延性組成物で構成されたセ
    メント硬化遅延層を形成し、このセメント硬化遅延層の
    上に装飾材を貼着により配置し、無機硬化性組成物を打
    設して硬化させた後、脱型し、露出した装飾材の表面を
    洗浄する表面装飾コンクリート製品の製造法。
  13. 【請求項13】 表面に装飾材が貼着により配置された
    請求項9又は10記載のセメント硬化遅延用シートを、
    型枠内に、装飾材が上方に位置するように配設し、無機
    硬化性組成物を打設して硬化させた後、脱型し、セメン
    ト硬化遅延用シートを除去し、露出した装飾材の表面を
    洗浄する表面装飾コンクリート製品の製造法。
  14. 【請求項14】 表面に洗い出し面が形成されたコンク
    リート製品の製造法であって、型枠の底部に、請求項1
    〜8の何れかの項に記載のセメント硬化遅延性組成物で
    構成されたセメント硬化遅延層を設け、その上に無機硬
    化性組成物を打設して硬化させた後、脱型し、非硬化の
    無機硬化性組成物を除去するコンクリート製品の製造
    法。
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