JPH1045652A - ブロモ又はヨード含有末端基を有するペルフルオロポリエーテルの製造方法 - Google Patents

ブロモ又はヨード含有末端基を有するペルフルオロポリエーテルの製造方法

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JPH1045652A
JPH1045652A JP9104834A JP10483497A JPH1045652A JP H1045652 A JPH1045652 A JP H1045652A JP 9104834 A JP9104834 A JP 9104834A JP 10483497 A JP10483497 A JP 10483497A JP H1045652 A JPH1045652 A JP H1045652A
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マルシオーニ ジョゼッペ
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 一般式: TT'T"CBr [式中、T、T'、T"は互いに同一か又は異なって、Br、
F、H又はR'f(R'fは1〜8個の炭素原子のパーフルオロア
ルキル鎖)から選択される];又はRR'R"CI[式中、R、
R'、R"は互いに同一か又は異なって、I(ヨウ素)、H、F
又はR'f(R'fは上述の意味) であってもよい]をそれぞ
れ有するブロモ又はヨード含有化合物存在下、120〜280
℃の温度で、UV照射なしでペルフルオロポリエーテル過
酸化物を熱処理に付すことからなる、ブロモ又はヨード
含有末端基をそれぞれ有するペルフルオロポリエーテル
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブロモ又はヨード
含有末端基をそれぞれ有するペルフルオロポリエーテル
の製造方法に関する。これらの生成物は、過酸化物で硬
化可能なゴム混合物における添加剤として、ブロモ含有
生成物の場合には鋳型からのフッ化エラストマーのリム
ーバーとして、ヨード含有生成物の場合にはフッ素含有
樹脂、フッ素含有エラストマー及びフッ素含有界面活性
剤の合成に有用な中間体として利用できることが知られ
ている。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】不活性
溶媒の存在下、又はそれなしで-40〜+130℃からなる温
度で臭素の存在下におけるUV照射の光分解にペルフルオ
ロポリエーテル過酸化物を付すことにより直線状及び分
枝鎖の両方を有するペルフルオロポリエーテルを利用し
て、ブロモ含有末端基を有するペルフルオロポリエーテ
ルを、良い収率で、かつ分子量を調節して製造できるこ
とが当該分野で知られている(特許USP 5,155,282号を
参照)。この特許では、広範囲の温度でのUV照射がなけ
れば、得られるブロモ含有生成物の収率が低くなり、分
子量の調節のないことが明細書に記載されている。した
がって、上記特許に示される製造方法はUV照射の利用を
含むため、不経済な方法と設備装置を含むものである。
【0003】ハロゲン含有末端基を有する生成物の他の
製造方法が、当該分野で知られている。例えば、ペルフ
ルオロポリエーテル酸の銀塩を原料として、ハロゲンが
臭素、ヨウ素又は塩素である末端基が得られる(例え
ば、米国特許USP 3,810,874号を参照)。特許EP 151,87
7号には、水素含有末端基を有するペルフルオロポリエ
ーテルを原料とし、塩素又は臭素との反応によりクロロ
又はブロモ含有誘導体を得る、クロロ又はブロモ含有末
端基を有するペルフルオロポリエーテルの製造方法が記
載されている。
【0004】特許EP 348,948号では、ペルフルオロポリ
エーテルのアシルフルオライドを原料とし、カーボネー
ト、さらにヨウ素との反応により、ヨード含有末端基を
有するペルフルオロポリエーテルを得ている。特許EP 4
72,423号では、アシルフルオライドを金属ヨーダイドと
反応させてアシルヨーダイドを製造し、その後のUV照射
処理でヨード含有末端基を有するペルフルオロポリエー
テルを得る、EP '948と類似の方法が記載されている。
【0005】本願出願人名の特許USP 4,853,097号で
は、ペルフルオロポリエーテルのアシルフルオライドを
原料とし、アンモニア、次いで次亜臭素酸塩と反応さ
せ、ブロモ含有末端基を有する誘導体を得ている。先行
技術のこれら全ての特許では、不経済な設備装置を必要
とするUV照射を利用するか、又は変換反応を必要とする
官能性のペルフルオロポリエーテルを原料としている。
またこの場合には、実施できる工業的な方法はさらに付
加的な工程を必要とし、このため生産により高い費用が
かかる。
【0006】
【課題を解決するための手段】したがって、公知技術の
欠点を除き、かつ簡便であり、経済的に利用できる、ブ
ロモ又はヨード含有末端基をそれぞれ有するペルフルオ
ロポリエーテルの製造方法が利用できる必要性があっ
た。本願出願人は、予期しなかったことに、また驚くべ
きことに、 UV照射を利用せずにペルフルオロポリエー
テル過酸化物を原料とすることによる以下に記載の本発
明の方法で、ブロモ又はヨード含有末端基を有するペル
フルオロポリエーテルを良い収率で得ることができ、か
つ同時に分子量の調節ができることを見い出した。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の目的は、一般式: T T'
T"C Br[式中、T、T'、T"は互いに同一又は異って、B
r、F、H又はR'f(R'fは1〜8個の炭素原子のペルフルオロ
アルキル鎖)から選択され、T=Br及びT'= T"の場合に、B
r、F、H又はR'fは互いに同一か、又は異なることが好ま
しく、より好ましい場合にはT=T'=T"=Brである];又は R R' R"C I [式中、R、R'、R"は互いに同一又は異って、I(ヨウ
素)、H、F又はR'f(R'fは上述の意味)であってもよ
く、好ましくはR=R'=R"=I、又はR=R'=H及びR"=I、又はR
=H及びR'=R"=Iである]をそれぞれ有するブロモ又はヨ
ード含有化合物存在下、120〜280℃の温度で、 UV照射
なしでペルフルオロポリエーテル過酸化物を熱処理に付
すことからなる、ブロモ又はヨード含有末端基をそれぞ
れ有するペルフルオロポリエーテルの製造方法である。
【0008】詳しくは、ペルフルオロポリエーテルは:-
CF2O-、-CF2CF2O-、-CF2CF(CF3)O-、-CF(CF3)O-、-CF
2(CF2)zCF2O-、-CF2CF(OR f)O-、-CF(ORf)O-[式中、z=
1又は2、Rfは-CF3、-C2F5又は-C3F7]から選択される鎖
に沿って統計学的に分布する反復単位からなる。ヨード
含有末端基を有するペルフルオロポリエーテルの場合、
末端基は、-CF2I-、-CF2CF2I-、-CFICF3 -、-CFIORf-
[式中、Rfは上記に定義]から選択され、代わりにブロ
モ含有ペルフルオロポリエーテルの場合には、ブロモ含
有末端基は、-CF2Br-、-CF2CF2Br-、-CFBrCF3 -及び-CF
BrORf-[式中、Rfは上記に定義]から選択される。
【0009】本発明の方法で得られる生成物では、任意
にブロモ及びヨード含有末端基の両方の場合に、 1)-CF3、-C2F5及び-C3F7 2)-CF2COF、-OCOF、-CF2COCF3 、 3)ClCF2CF(CF3)-、CF3CFClCF2-、ClCF2CF2-、ClCF2-か
ら選択される末端基を有するペルフルオロポリエーテル
生成物も存在することができる。
【0010】ブロモ含有末端基の場合、反応温度は160
〜230℃が好ましく、ヨード含有末端基の場合には、130
〜180℃が好ましい。本発明の方法で得られる生成物の
数平均分子量は、原料のペルフルオロポリエーテル過酸
化物によって変化できる。特に、原料物質の過酸化物単
位の含量が高ければ、得られるブロモ誘導体又はヨード
誘導体の数平均分子量は低くなる。これにより、原料物
質の特徴を変化させることにより、得られる生成物の分
子量を調整できる。過酸化物単位の含量は、一般にPOと
して表わされ、 PO=活性酸素g/ポリマー100gと定義さ
れ、活性酸素として他の酸素原子に結合した酸素原子を
意味する。本発明によるヨード又はブロモ含有誘導体の
数平均分子量Mnは、一般に400〜4000の間である。
【0011】詳しくは、ペルフルオロポリオキシアルキ
レンは、以下の群から選択され得る: (a) T1-O(CF2CF(CF3)O)a(CFXO)b-T2[式中、T1及びT2は
互いに同一か又は異なって、-CF2Br、-CFBrCF3のタイプ
のブロモ含有末端基、又は-CF2I、-CFICF3のタイプのヨ
ード含有末端基、及び任意に上記1)、2)、3)のタイプの
末端基でもあり、XはF又はCF3であり、a及びbは分子量
が上記範囲からなる整数であり、a/bは10〜100である] (b) T3-O(CF2CF2O)c(CF2O)d(CF2(CF2)zCF2)h-T4[式
中、T3及びT4は互いに同一か又は異なって、-CF2Br、-C
F2CF2Brのタイプのブロモ含有末端基、又は-CF2I、-CF2
CF2Iのタイプのヨード含有末端基、及び任意に上記1)、
2)、3)のタイプの末端基でもあり、c、d及びhは分子量
が上記範囲からなる整数であり、c/dは0.1〜10であり、
h/(c+d)は0〜0.05である] (c) T5-O(CF2CF(CF3)O)e(CF2CF2O)f(CFXO)g-T6 [式
中、T5及びT6は互いに同一か又は異なって、-CF2Br、-C
F2CF2Br、-CFBrCF3のタイプのブロモ含有末端基、又は-
CF2I、-CF2CF2I、-CFICF3のタイプのヨード含有末端
基、及び任意に上記1)、2)、3)のタイプの末端基でもあ
り、XはF又はCF3であり、e、f、gは分子量が上記範囲か
らなる整数であり、e/(f+g)は0.1〜10であり、f/gは2〜
10である] (d) T7-O(CF2O)j(CF2CF(ORf)O)k(CF(ORf)O)lT8[式中、
Rf は-CF3、-C2F5、-C3F 7であり、T7及びT8は互いに同
一か又は異なって、-CF2Br、-CF2CF2Br、-CFBrORfのタ
イプのブロモ含有末端基、又は-CF2I、-CF2CF2I、-CFIO
Rfのタイプのヨード含有末端基、及び任意に上記1)、
2)、3)のタイプの末端基でもあり、j、k、lは分子量が
上記範囲からなる整数であり、k+l及びj+k+lは少なくと
も2に等しく、k/(j+l)は0.01〜1000であり、l/jは0.01
〜100である]。
【0012】原料物質として利用され、かつ上記反復単
位からなるペルフルオロポリエーテル過酸化物は当該分
野で公知である(例えば、特許USP 3,665,041号、2,24
2,218号、3,715,378号及び特許EP 239,123号、EP 344,5
47号、USP 5,144,092号を参照)。ペルフルオロポリエ
ーテル過酸化物は、一般に1,600〜100,000の数平均分子
量を有し、3,000〜50,000が好ましい。POは一般に0.2〜
4.0であり、2〜3.5が好ましい。
【0013】ブロモ含有末端基の場合の本発明の方法で
は、収率は50〜90重量%、より一般的には80〜90重量%
のオーダーで、非常に高い。ヨード含有末端基の場合、
収率は約50〜70重量%である。すでに記載したように、
本発明の方法でブロモ含有末端基を有するペルフルオロ
ポリエーテルを得るためには、ペルフルオロポリエーテ
ル過酸化物を上述の一般式TT'T"CBrのブロモ含有化合物
と反応させる。
【0014】すでに記載したように、本発明の方法でヨ
ード含有末端基を有するペルフルオロポリエーテルを得
るためには、ペルフルオロポリエーテル過酸化物を上述
の一般式RR'R"CIを有するヨード含有化合物と反応させ
る。本発明の方法で得られる生成物は、ヨード含有末端
基を有するペルフルオロポリエーテルの製造の場合に
α、ω-ジヨード及びモノヨードペルフルオロポリエー
テルの混合物を含み、又はブロモ含有末端基を有するペ
ルフルオロポリエーテルの製造の場合にはα、ω-ジブ
ロモペルフルオロポリエーテル及びモノブロモペルフル
オロポリエーテルの混合物を一般に含む。
【0015】ブロモ又はヨード含有末端基の最終生成物
の官能性度fは、f= 2.(ヨード又はブロモ含有末端基)/
全末端基として定義される。官能性度fは、全末端基が
ヨード又はブロモ含有末端基である時に2の値である。
もし必要であれば、反応混合物からジヨード又はジブロ
モ含有生成物を分離することは非常に簡単であり、例え
ばシリカゲル上のクロマトグラフィー分離により、フル
オロアシル末端基を含有する任意のペルフルオロポリエ
ーテルから分離できる。
【0016】すなわち、全体的な収率が、合成の間に得
られるヨード又はブロモ含有末端基及びフルオロアシル
末端基の相対的な割合に基く、高官能性を有するジヨー
ド又はジブロモ含有生成物を得ることができる。例え
ば、本発明によるヨード含有化合物の存在下でペルフル
オロポリオキシアルキレン過酸化物の熱処理後に得られ
るヨード含有生成物は、α-ヨードペルフルオロポリエ
ーテル、及びヨード含有でないペルフルオロポリエーテ
ルとの混合物で、α、ω-ジヨードペルフルオロポリエ
ーテルからなる。本発明によるヨード含有化合物とペル
フルオロポリエーテル過酸化物の処理の間に形成される
末端基は、ヨード含有末端基及びアシルフルオライドタ
イプの末端基(-COF)によってのみ実際に構成される。最
終生成物に、上記1)、2)又は3)のタイプの末端基であ
る、原料のペルフルオロポリエーテル過酸化物のもとの
末端基も存在することは明らかである。したがって、ヨ
ード含有末端基において高官能性の生成物の製造が必要
であれば、ペルフルオロポリオキシアルキレン過酸化物
のもとの末端基は意味をなさないよう、十分に高い数平
均分子量を有するペルフルオロポリオキシアルキレン過
酸化物を原料とすればよい。その後、酸特性を有する物
質を担持し得るシリカゲル又は他の固定相上で混合物を
クロマトグラフィー分離に付せばよい。詳しくは、末端
基-COFを、例えばUSP 3,810,874号に記載の方法による
水との反応で末端基-COOHに加水分解し、次いで混合物
を溶媒に溶解し、シリカゲルを充填したカラムで抽出
し、実質的にα、ω-ジヨードペルフルオロポリエーテ
ルからなり、ヨード含有末端基に高官能性(上記に定義)
を有する生成物を得ることができる。
【0017】本発明の方法で得られるブロモ含有生成物
に対しても、これと同様のことが言える。両方の場合
で、本発明のブロモ含有化合物の存在下の熱処理方法で
誘導されるα、ω-ジブロモにおける収率及び選択性の
両方が非常に高く、90%より大きい。本発明により得ら
れるブロモ含有末端基を有する該生成物は、すでに記載
したように鋳型からのフッ化エラストマーのリムーバー
として用いることができる。すなわち、フッ化エラスト
マーの加工時間は減少し、このためフッ化エラストマー
の加工性に関する全体的な生産性は増大する。
【0018】本発明によるヨード含有末端基を有して得
られる生成物は、すでに記載したように以前の報告した
ものによる中間体として利用される。以下の実施例は例
証の目的のためのものであり、本発明の範囲を限定する
ものではない。
【0019】
【実施例】
実施例1 冷凍剤と磁気撹拌器を備えたフラスコで、構造TO(CF2CF
2O)c(CF2O)d(O)pT[pは平均過酸化力PO = 1.93を生じる
整数(POにより、ポリマー100gに対して16amuの活性酸素
グラムを意味する)であり、cとdは平均比率c/d= 0.9
2、かつ10,000に等しい数平均分子量を生じる整数であ
り、TはCF3、COFと同一]を有するペルフルオロポリエ
ーテル過酸化物20.8gを導入する。次いで、ジヨードメ
タン(CH2I 2)8.2gを加える。それを170℃になるまで撹拌
しながら徐々に加熱する。
【0020】それを2時間170℃で、次いで5時間180℃
で保持する。透明な上層を分離し(17g)、ヨウ素解析(io
dometric analysis)によりPO=0が示され、19F-NMR 解析
で構造:T3-O(CF2CF2O)c(CF2O)d-T4[式中、T3及びT4は-
CF2I、-CF2CF2I、-COF、-CF2COF及び微量の末端基CF3
ある]が示される。酸性末端基/ヨード含有末端基の比
率は1.5に等しい。c/d比率は0.62に等しく、数平均分子
量1280amuに等しい。
【0021】モノアシド又はジアシド物質からα、ω-
ジヨード含有生成物を分離するために、このようにして
得られた生成物を水で加水分解し、フルオロアシル末端
基をカルボン酸末端基に変換し、次いで1,1,2-トリクロ
ロトリフルオロエタンに希釈し、シリカゲルを充填した
カラムにおいて抽出させる。α、ω-ジヨード含有生成
物を溶媒の留出後に定量した結果、原料混合物に対して
15重量%が得られる。 19F-NMR解析により、酸性末端基
が全くなく、c/d比率が0.71に等しく、数平均分子量が1
300に等しいことが示される。
【0022】反応混合物からのジヨード含有化合物の割
合は、仮定条件に基いて決定される値に厳密に一致した
結果を生じており、末端基は様々なポリマー鎖に統計学
的に分布している。確率に基いて決定される値は、以下
のとおりである: α、ω- ジヨードネート (0.4)2×100 = 16% α、ω- ジアシルフルオライド (0.6)2×100 = 36% α- ヨードネート、ω- アシルフルオライド 2 ×0.4 × 0.6×100 = 48% したがって、ヨード含有末端基からなるペルフルオロポ
リエーテルは、64%生じる。
【0023】実施例2 冷凍剤と磁気撹拌器を備えたフラスコで、構造TO(CF2CF
2O)c(CF2O)d(O) pT [PO = 3.18、c/d比率= 3.5、数平
均分子量は43,000に等しく、Tは実施例1の意味を有す
る]を有するペルフルオロポリエーテル過酸化物25.6g
を導入する。次いで、ジヨードのフォーム(CHI3)13.1g
を加え、それを150℃になるまで撹拌しながら徐々に加
熱し、この温度で2時間保持する。
【0024】冷却し、19.1gに等しい上層を分離する。
ヨウ素解析によりPO=0が示され、19F-NMR解析で、酸性
末端基/ヨード含有末端基の比率が1.2に等しい実施例1
と同様の構造が示される。c/d比率は2.23に等しく、数
平均分子量は980に等しい。混合物を、実施例1と同様に
加水分解とクロマトグラフィー分離に付し、数平均分子
量が950に等しく、原料混合物に対し20重量%に等しい
α、ω-ジヨードペルフルオロポリエーテルを得る。
【0025】実施例3 冷凍剤と磁気撹拌器を備えたフラスコで、構造TO(CF2CF
2O)c(CF2O)d(O) pT[PO = 3.18(したがって、ペルフル
オロポリエーテル過酸化物は過酸化結合-OO-を1モル含
む)、c/d比率= 3.5、数平均分子量は43,000に等しく、
Tは実施例1の意味を有する]を有するペルフルオロポリ
エーテル過酸化物503gを導入する。次いで、20℃で17,6
00cStに等しい動粘度の四臭化物炭素(CBr4、0.30モル)
101gを導入し、撹拌する。
【0026】それを160℃で3時間、170℃で5時間、18
0℃で8時間及び190℃で10時間油浴中で加熱する。その
ような処理の間、固形の反応体(CBr4)の減少が、完全に
消失するまで連続的に認められる。残留した微量の過酸
化物を除去するために反応器中で温度をさらに上昇させ
ることができないので、190℃において冷凍剤で顕著な
液体の灌流が生じる。次いで、冷凍剤をクライゼンに変
え、温度を240℃まで上昇させ、4時間保持し、68.7gの
生成物を留出する。残留物は338gに等しい。
【0027】ヨウ素解析によれば、留出物と残留物の両
方のPOは0である。19F-NMR 解析で、留出物と残留物の
両方は構造: T3O-(CF2CF2O)c(CF2O)dT4[式中、T3及びT
4は-CF2Br、-CF2CF2Br及び微量の-CF2COFと-CF3であ
り、末端基CF 2Br/CF2CF2Brの比率は90:10に等しい]を
有することが示される。留出物の数平均分子量は530に
等しく、c/d比率= 2.49、ブロモ含有末端基にの官能性f
= 1.92であり、残留物の数平均分子量は1370に等し
く、c/d比率は約2.09に等しく、ブロモ含有末端基の官
能性は1.91に等しい。ブロモ含有末端基を有する生成物
の全収率は、81重量%である。
【0028】実施例4 実施例3で利用しているのと同一の方法で、TO(CF2CF
2O)c(CF2O)d(O)pT [PO=2.04、20℃での動粘度が38,000
cStに等しく、c/d比率が1.7であり、Tが実施例1の意味
を有する]の構造を有する219gのペルフルオロポリエー
テル過酸化物を反応器に導入する。67gのCBr4(0.20モ
ル)を加え、それを撹拌しながら、180℃で9時間、190
℃で11時間、200℃で4時間加熱する。それを冷却し、
固体の残留物をろ過で分離する。次いで、生成物を230
℃で3時間処理し、微量の過酸化物を除去する。
【0029】PO=0で実施例3と類似の構造を有する生成
物177gが得られる。19F-NMRで決定される数平均分子量
は1900に等しく、c/d比率は1.13に等しく、ブロモ含有
末端基の官能性は1.90に等しい。
【0030】実施例5 実施例3で利用したのと同一の方法で、実施例4で利用
したペルフルオロポリエーテル過酸化物521gを反応器に
導入する。91.5gのCBr4(0.28モル)を加え、撹拌しなが
ら180℃で4時間、190℃で4時間、さらに200℃で4時
間、次いで210℃でさらに4時間加熱する。固体の残留
物をろ過で分離し、230℃で4時間処理し、残留した微
量の過酸化物を除去する。
【0031】PO=0で実施例3と同一構造を有する生成物
480gが得られる(収率92重量%)。数平均分子量(19F-N
MRによる)は1650に等しく、-CF2Brと-CF2CF2Br タイプ
の末端基の比率は94:6に等しく、c/d比率は0.99に等し
く、ブロモ含有末端基の官能性は1.90に等しい。
【0032】実施例6 実施例3と同一の方法で、TO(CF2CF2O)c(CF2O)d(O)pT
[PO= 3.7、c/d比率= 4.98、数平均分子量が9800に等し
く、TがCF3及びC2F5と同一]構造を有するペルフルオロ
ポリエーテル過酸化物20.7gを反応器に導入する。5.3g
のCHBr3 を加え、撹拌しながら160℃で6時間、165℃で
15時間、180℃で4時間、190℃で3.5時間、200℃で3.5
時間、230℃で4時間加熱する。二層に分離し、PO=0で
あり、実施例3と類似の構造を有し、T3及びe T4 = -CF
2Br、-CF2CF2Br、-CF2COOH、及び微量の-CF3と-CF2CF3
(原料のパーフルオロポリエーテル過酸化物から誘導)
であり、ブロモ含有末端基と-CF2COOH末端基の比率が4.
1に等しい生成物10gを流出する。NMRで決定される数平
均分子量は900に等しく、-CF2Brと-CF2CF2Br 末端基の
比率は86:14に等しく、c/d比率= 3.5かつブロミネート
末端基の官能性f= 1.4である。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、ペルフルオロポリエー
テル過酸化物を原料として、高官能性のブロモ又はヨー
ド含有末端基を有するペルフルオロポリエーテルを簡便
かつ経済的に高収率で得ることができる。また、同時に
原料のペルフルオロポリエーテル過酸化物、特にその特
性を変化させることによって、最終生成物の数平均分子
量を調整できる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式: T T' T"C Br [式中、T、T'、T"は互いに同一又は異って、Br、F、H
    又はR'f(R'fは1〜8個の炭素原子のペルフルオロアル
    キル鎖)から選択される];又は R R' R"C I[式中、
    R、R'、R"は互いに同一又は異って、I(ヨウ素)、H、F
    又はR'f(R'f上述の意味)であってもよい]をそれぞれ
    有するブロモ又はヨード含有化合物存在下、120〜280℃
    の温度で、UV照射なしでペルフルオロポリエーテル過酸
    化物を熱処理に付すことからなる、ブロモ又はヨード含
    有末端基をそれぞれ有するペルフルオロポリエーテルの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 ブロモ含有化合物においてT= Brであ
    り、T'及びT"は互いに同一又は異ってBr、F、H又はR'f
    であり、ヨード含有末端基の場合においてヨード含有化
    合物でR= R'= R"= Iである、請求項1記載のブロモ又は
    ヨード含有末端基をそれぞれ有するペルフルオロポリエ
    ーテルの製造方法。
  3. 【請求項3】 ブロモ含有化合物においてT= T'= T"= B
    r、及びヨード含有化合物においてR= R'= HかつR"= I又
    はR= Hかつ R'= R"= Iである、請求項1記載のブロモ又
    はヨード含有末端基をそれぞれ有するペルフルオロポリ
    エーテルの製造方法。
  4. 【請求項4】 ペルフルオロポリエーテルが、-CF2O-、
    -CF2CF2O-、-CF2CF(CF3)O-、-CF(CF3)O-、-CF2(CF2)zCF
    2O-、-CF2CF(OR f)0-、-CF(ORf)O- [式中、z=1又は
    2、Rfは-CF3、-C2F5又は-C3F7]から選択される鎖に沿
    って統計学的に分布する反復単位からなる、請求項1〜
    3のいずれかに記載のブロモ含有又はヨード含有末端基
    をそれぞれ有するペルフルオロポリエーテルの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 ヨード含有末端基の場合、ヨード含有末
    端基が、-CF2I-、-CF2CF2I-、-CFICF3 -、-CFIO Rf-
    [式中、Rfは上記に定義]から選択され、ブロモ含有末
    端基の場合には、ブロモ含有末端基が、-CF2Br-、-CF2C
    F2Br-、-CFBrCF3-及び-CFBrORf-[式中、Rf は上記に定
    義]から選択される、請求項4記載のブロモ又はヨード
    含有末端基をそれぞれ有するペルフルオロポリエーテル
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 ブロモ含有末端基の場合、反応温度が16
    0〜230℃の間であり、ヨード含有末端基の場合には130
    〜180℃である、請求項1〜5のいずれかに記載のブロ
    モ又はヨード含有末端基をそれぞれ有するペルフルオロ
    ポリエーテルの製造方法。
  7. 【請求項7】 ヨード又はブロモ含有誘導体の数平均分
    子量Mnが400〜4000であり、以下の群 (a) T1-O(CF2CF(CF3)O)a(CFXO)b-T2 [式中、T1及びT2
    は互いに同一か又は異なって、-CF2Br、-CFBrCF3のタイ
    プのブロモ含有末端基、又は-CF2I、-CFICF3のタイプの
    ヨード含有末端基、及び任意に 1)-CF3、-C2F5及び-C3F7 2)-CF2COF、-OCOF、-CF2COCF3、 3)ClCF2CF(CF3)-、CF3CFClCF2-、ClCF2CF2-、ClCF2-、
    のタイプの末端基でもあり、XはF又はCF3であり、a及び
    bは分子量が上記範囲からなる整数であり、a/bは10〜10
    0である] (b) T3-O(CF2CF2O)c(CF2O)d(CF2(CF2)zCF2)h-T4[式
    中、T3及びT4は互いに同一か又は異なって、-CF2Br、-C
    F2CF2Brのタイプのブロモ含有末端基、又は-CF2I、-CF2
    CF2Iのタイプのヨード含有末端基、及び任意に上記1)、
    2)、3)のタイプの末端基でもあり、c、d及びhは分子量
    が上記範囲からなる整数であり、c/dは0.1〜10であり、
    h/(c+d)は0〜0.05である] (c) T5-O(CF2CF(CF3)O)e(CF2CF2O)f(CFXO)g-T6[式中、
    T5及びT6は互いに同一か又は異なって、-CF2Br、-CF2CF
    2Br、-CFBrCF3のタイプのブロモ含有末端基、又は-CF
    2I、-CF2CF2I、-CFICF3のタイプのヨード含有末端基、
    及び任意に上記1)、2)、3)のタイプの末端基でもあり、
    XはF又はCF3であり、e、f、gは分子量が上記の範囲から
    なる整数であり、e/(f+g)は0.1〜10であり、f/gは2〜1
    0である] (d) T7-O(CF2O)j(CF2CF(ORf )O)k (CF(ORf)O)1-T8[式
    中、Rfは-CF3、-C2F5、-C3F7であり、T7及びT8は互いに
    同一か又は異なって、-CF2Br、-CF2CF2Br、-CFBrORf
    タイプのブロモ含有末端基、又は-CF2I、-CF2CF2I、-CF
    IORfのタイプのヨード含有末端基、及び任意に上記1)、
    2)、3)のタイプの末端基であり、j、k、lは分子量が上
    記範囲からなる整数でもあり、k+l及びj+k+lは少なくと
    も2に等しく、k/(j+l)は0.01〜1000であり、l/jは0.0
    1〜100である]から選択される、請求項4〜6のいずれ
    かに記載のブロモ又はヨード含有末端基をそれぞれ有す
    るペルフルオロポリエーテルの製造方法。
  8. 【請求項8】 得られる生成物をシリカゲル上のクロマ
    トグラフィー分離に付す、請求項7記載のブロモ又はヨ
    ード含有末端基をそれぞれ有するペルフルオロポリエー
    テルの製造方法。
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