JPH1045647A - イノシトール無水結晶の製造方法 - Google Patents
イノシトール無水結晶の製造方法Info
- Publication number
- JPH1045647A JPH1045647A JP21598796A JP21598796A JPH1045647A JP H1045647 A JPH1045647 A JP H1045647A JP 21598796 A JP21598796 A JP 21598796A JP 21598796 A JP21598796 A JP 21598796A JP H1045647 A JPH1045647 A JP H1045647A
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- Japan
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- inositol
- crystals
- aqueous solution
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- crystal
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 エネルギー消費量の少ない、また、結晶形の
揃った高品質な製品が得られるイノシトール無水結晶の
製造方法を提供する。 【解決手段】 イノシトール無水結晶の製造方法であっ
て、イノシトールの水溶液を、40℃以上の温度に維持
した状態で結晶を析出させるようにした。
揃った高品質な製品が得られるイノシトール無水結晶の
製造方法を提供する。 【解決手段】 イノシトール無水結晶の製造方法であっ
て、イノシトールの水溶液を、40℃以上の温度に維持
した状態で結晶を析出させるようにした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬あるいは栄養
食品等の分野において有用なイノシトールの製造方法に
関わるものであり、特に、水溶液からのイノシトールの
晶析方法の改良に関するものである。
食品等の分野において有用なイノシトールの製造方法に
関わるものであり、特に、水溶液からのイノシトールの
晶析方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、イノシトールの製造においては、
米糠等の原料からフィチンを抽出し、加水分解してイノ
シトール水溶液とし、これを濃縮、冷却して析出した2
水塩結晶を乾燥して無水結晶を得ている。
米糠等の原料からフィチンを抽出し、加水分解してイノ
シトール水溶液とし、これを濃縮、冷却して析出した2
水塩結晶を乾燥して無水結晶を得ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の方法
で得られる析出結晶は、2分子の結晶水を有しているた
めに、乾燥工程においてその結晶水を除去する熱量も必
要となり、エネルギー増大の要因になっている。また、
含水結晶を乾燥して無水結晶とする場合、得られる製品
の結晶形が不揃いとなり、製品価値を低下させるという
問題もあった。なお、特開平3―11026号公報に
は、イノシトール水溶液に所要量のアルコールを加えて
無水のイノシトール結晶を析出させる方法が開示されて
いるが、アルコール自体の経費に加え、アルコール添加
及び回収工程などが必要となる。
で得られる析出結晶は、2分子の結晶水を有しているた
めに、乾燥工程においてその結晶水を除去する熱量も必
要となり、エネルギー増大の要因になっている。また、
含水結晶を乾燥して無水結晶とする場合、得られる製品
の結晶形が不揃いとなり、製品価値を低下させるという
問題もあった。なお、特開平3―11026号公報に
は、イノシトール水溶液に所要量のアルコールを加えて
無水のイノシトール結晶を析出させる方法が開示されて
いるが、アルコール自体の経費に加え、アルコール添加
及び回収工程などが必要となる。
【0004】そこで、本発明者らは、イノシトールの無
水結晶を析出させる上でより経済性に優れため方法につ
いて検討を積み重ねてきた結果、イノシトール水溶液か
ら、直接、無水結晶を析出させ、乾燥工程においては付
着水のみを除去するだけでよい方法を知見した。本発明
は、特に、エネルギー消費量の少ない、また、結晶形の
揃った高品質な製品が得られるイノシトール無水結晶の
製造方法を提供するものである。
水結晶を析出させる上でより経済性に優れため方法につ
いて検討を積み重ねてきた結果、イノシトール水溶液か
ら、直接、無水結晶を析出させ、乾燥工程においては付
着水のみを除去するだけでよい方法を知見した。本発明
は、特に、エネルギー消費量の少ない、また、結晶形の
揃った高品質な製品が得られるイノシトール無水結晶の
製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、イノシトール
の水溶液を、晶析条件として40℃以上に維持した状態
で結晶を析出させるイノシトール無水結晶の製造方法で
ある。すなわち、以上の本発明は、イノシトールの水溶
液を40℃以上の温度で析出させる構成であり、このよ
うに晶析温度が40℃以上に管理されることによって、
結晶形の揃ったイノシトール無水結晶を確実かつ容易に
得られるのである。逆に、温度が40℃より低いと、析
出する結晶が含水結晶となり、あるいは含水結晶が多く
混入することとなり、製品の結晶形が不揃いとなる。こ
の結果、乾燥工程におけるエネルギー消費量が多くな
り、製品の品質も低下する。
の水溶液を、晶析条件として40℃以上に維持した状態
で結晶を析出させるイノシトール無水結晶の製造方法で
ある。すなわち、以上の本発明は、イノシトールの水溶
液を40℃以上の温度で析出させる構成であり、このよ
うに晶析温度が40℃以上に管理されることによって、
結晶形の揃ったイノシトール無水結晶を確実かつ容易に
得られるのである。逆に、温度が40℃より低いと、析
出する結晶が含水結晶となり、あるいは含水結晶が多く
混入することとなり、製品の結晶形が不揃いとなる。こ
の結果、乾燥工程におけるエネルギー消費量が多くな
り、製品の品質も低下する。
【0006】ここで、本発明方法は、イノシトール水溶
液を経てイノシトールを製造する方法であれば、従来の
何れの製造方法にも適用可能である。具体的なイノシト
ールの水溶液としては、例えば、米糠から抽出されたフ
ィチンを加水分解して製造された精製イノシトール水溶
液、ビート等に含まれるイノシトールをクロマト分離等
の手段により分離して得たイノシトール水溶液等が本発
明対象として例示される。なお、本発明はイノシトール
粗結晶を再結晶して精製する場合にも適用できることは
言うまでもない。
液を経てイノシトールを製造する方法であれば、従来の
何れの製造方法にも適用可能である。具体的なイノシト
ールの水溶液としては、例えば、米糠から抽出されたフ
ィチンを加水分解して製造された精製イノシトール水溶
液、ビート等に含まれるイノシトールをクロマト分離等
の手段により分離して得たイノシトール水溶液等が本発
明対象として例示される。なお、本発明はイノシトール
粗結晶を再結晶して精製する場合にも適用できることは
言うまでもない。
【0007】本発明方法を実施するに当たっては、公知
の方法で得られたイノシトール水溶液、好ましくは精製
イノシトール水溶液を濃縮した後、温度を40℃以上に
維持した状態で無水イノシトール結晶を析出させ、遠心
分離機等の通常の分別手段によりその無水イノシトール
結晶を母液と分離し、付着水を乾燥工程で除去すればよ
い。この場合、濃縮を減圧下で行い濃縮と晶析とを同時
に行う態様では、濃縮時の液温が上記温度範囲になるよ
うに減圧度を設定する必要がある。晶析後の母液との分
離工程においても、イノシトール水溶液の温度が低下し
て含水結晶が析出、混入しないよう、上記設定温度以上
で保温することが好ましい。なお、濾過母液を濃縮工程
に循環することによって、回収率を高めることができ
る。
の方法で得られたイノシトール水溶液、好ましくは精製
イノシトール水溶液を濃縮した後、温度を40℃以上に
維持した状態で無水イノシトール結晶を析出させ、遠心
分離機等の通常の分別手段によりその無水イノシトール
結晶を母液と分離し、付着水を乾燥工程で除去すればよ
い。この場合、濃縮を減圧下で行い濃縮と晶析とを同時
に行う態様では、濃縮時の液温が上記温度範囲になるよ
うに減圧度を設定する必要がある。晶析後の母液との分
離工程においても、イノシトール水溶液の温度が低下し
て含水結晶が析出、混入しないよう、上記設定温度以上
で保温することが好ましい。なお、濾過母液を濃縮工程
に循環することによって、回収率を高めることができ
る。
【0008】
【実施例】以下、実施例を挙げ本発明を更に詳細に説明
する。
する。
【0009】(実施例1)水200mlにイノシトール
130gを加え、攪拌しながら加熱した。70℃まで昇
温するとイノシトールは完全に溶解した。このイノシト
ール水溶液を攪拌しながら50℃まで冷却し、析出した
結晶を速やかに濾別し、室温(20℃)で減圧乾燥し
た。得られた乾燥結晶は23.5gであり、微細な針状
結晶であった。示差熱天秤による分析の結果、この結晶
は結晶水を含まないものであることが確認された。
130gを加え、攪拌しながら加熱した。70℃まで昇
温するとイノシトールは完全に溶解した。このイノシト
ール水溶液を攪拌しながら50℃まで冷却し、析出した
結晶を速やかに濾別し、室温(20℃)で減圧乾燥し
た。得られた乾燥結晶は23.5gであり、微細な針状
結晶であった。示差熱天秤による分析の結果、この結晶
は結晶水を含まないものであることが確認された。
【0010】(実施例2)晶析時の冷却温度を45℃に
する以外は実施例1と同様にして、イノシトール結晶を
得た。得られた結晶は微細な針状結晶であり、示差熱天
秤による分析の結果、この結晶は結晶水を含まないもの
であることが確認された。
する以外は実施例1と同様にして、イノシトール結晶を
得た。得られた結晶は微細な針状結晶であり、示差熱天
秤による分析の結果、この結晶は結晶水を含まないもの
であることが確認された。
【0011】(比較例1)水200mlにイノシトール
70gを加え、攪拌しながら加熱した。40℃まで昇温
するとイノシトールは完全に溶解した。このイノシトー
ル水溶液を攪拌しながら25℃まで冷却し、析出した結
晶を速やかに濾別し、室温(20℃)で減圧乾燥した。
得られた乾燥結晶は19.8gであり、微細な六角の結
晶であった。示差熱天秤による分析の結果、この結晶は
2分子の結晶水を有するものであることが確認された。
この含水結晶を70℃で乾燥して得られた無水結晶は、
不定形の結晶を含むものであった。
70gを加え、攪拌しながら加熱した。40℃まで昇温
するとイノシトールは完全に溶解した。このイノシトー
ル水溶液を攪拌しながら25℃まで冷却し、析出した結
晶を速やかに濾別し、室温(20℃)で減圧乾燥した。
得られた乾燥結晶は19.8gであり、微細な六角の結
晶であった。示差熱天秤による分析の結果、この結晶は
2分子の結晶水を有するものであることが確認された。
この含水結晶を70℃で乾燥して得られた無水結晶は、
不定形の結晶を含むものであった。
【0012】(比較例2)晶析時の冷却温度を30℃に
する以外は比較例1と同様にして、イノシトール結晶を
得た。得られた結晶は微細な六角の結晶であり、示差熱
天秤による分析の結果、この結晶は2分子の結晶水を有
するものであることが確認された。また、この含水結晶
を70℃で乾燥して得られた無水結晶は、不定形の結晶
を含むものであった。
する以外は比較例1と同様にして、イノシトール結晶を
得た。得られた結晶は微細な六角の結晶であり、示差熱
天秤による分析の結果、この結晶は2分子の結晶水を有
するものであることが確認された。また、この含水結晶
を70℃で乾燥して得られた無水結晶は、不定形の結晶
を含むものであった。
【0013】
【発明の効果】以上のように、本発明の製造方法によれ
ば、イノシトール水溶液から析出させて得られる結晶が
無水物であり、乾燥工程においては付着水を除去するだ
けでよいのでエネルギー消費量が節減でき、また、結晶
形の揃った高品質な製品が得られる。
ば、イノシトール水溶液から析出させて得られる結晶が
無水物であり、乾燥工程においては付着水を除去するだ
けでよいのでエネルギー消費量が節減でき、また、結晶
形の揃った高品質な製品が得られる。
Claims (1)
- 【請求項1】 イノシトールの水溶液を、40℃以上の
温度に維持した状態で結晶を析出させることを特徴とす
るイノシトール無水結晶の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21598796A JPH1045647A (ja) | 1996-07-30 | 1996-07-30 | イノシトール無水結晶の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21598796A JPH1045647A (ja) | 1996-07-30 | 1996-07-30 | イノシトール無水結晶の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1045647A true JPH1045647A (ja) | 1998-02-17 |
Family
ID=16681539
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21598796A Pending JPH1045647A (ja) | 1996-07-30 | 1996-07-30 | イノシトール無水結晶の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1045647A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015035817A1 (zh) * | 2013-09-10 | 2015-03-19 | 诸城市浩天药业有限公司 | 一种肌醇晶体及其制备方法和用途 |
CN105669376A (zh) * | 2016-02-27 | 2016-06-15 | 诸城市浩天药业有限公司 | 制备高结晶度、粒径大的肌醇的结晶工艺及应用 |
-
1996
- 1996-07-30 JP JP21598796A patent/JPH1045647A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015035817A1 (zh) * | 2013-09-10 | 2015-03-19 | 诸城市浩天药业有限公司 | 一种肌醇晶体及其制备方法和用途 |
CN105669376A (zh) * | 2016-02-27 | 2016-06-15 | 诸城市浩天药业有限公司 | 制备高结晶度、粒径大的肌醇的结晶工艺及应用 |
CN105669376B (zh) * | 2016-02-27 | 2019-03-12 | 诸城市浩天药业有限公司 | 制备高结晶度、粒径大的肌醇的结晶工艺及应用 |
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