JPH1044960A - 車両のヨーモーメント制御方法 - Google Patents

車両のヨーモーメント制御方法

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JPH1044960A
JPH1044960A JP19997196A JP19997196A JPH1044960A JP H1044960 A JPH1044960 A JP H1044960A JP 19997196 A JP19997196 A JP 19997196A JP 19997196 A JP19997196 A JP 19997196A JP H1044960 A JPH1044960 A JP H1044960A
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JP
Japan
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turning
wheel
inner wheel
speed
turning inner
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JP19997196A
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English (en)
Inventor
Jun Aoki
準 青木
Shigenobu Sekiya
重信 関谷
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 左右の非駆動輪間に強制的に差回転を発生さ
せてヨーモーメントを制御する車両において、遠心力に
よる旋回内輪のスリップを抑制する。 【解決手段】 非駆動輪である左右の後輪WRL,WRR
に設けた変速機2の左右の油圧クラッチ3L ,3R の一
方を係合させることにより、旋回内輪を減速して制動力
を発生させるとともに旋回外輪を増速して駆動力を発生
させて旋回性能の向上を図る。後輪WRL,WRRの車輪速
から推定した推定横加速度と実横加速度とを比較するこ
とにより、遠心力で旋回内輪の接地荷重が減少して該旋
回内輪にスリップが発生したことが検出されると、旋回
内輪から旋回外輪へのトルク配分を抑制し、該旋回内輪
の制動力を減少させて前記スリップを抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、左右の非駆動輪間
に設けた速度差発生装置を制御し、旋回内輪の速度を減
速して制動力を発生させるとともに、旋回外輪の速度を
増速して駆動力を発生させる車両のヨーモーメント制御
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の左右の従動輪を変速機で連結して
強制的に差回転を発生させることにより、旋回内輪から
旋回外輪にトルクを伝達して旋回外輪及び旋回内輪にそ
れぞれ駆動力及び制動力を発生させて旋回性能を向上さ
せ、また旋回外輪から旋回内輪にトルクを伝達して旋回
外輪及び旋回内輪にそれぞれ制動力及び駆動力を発生さ
せて高速安定性能を向上させるものが、本出願人により
既に提案されている(特願平7−247336号、特願
平7−232844号参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、旋回中の車
両に加わる遠心力は該車両を旋回方向外側に倒すように
作用するため、旋回内輪の接地荷重が減少してスリップ
を起こし易くなる。旋回外輪の駆動力は旋回内輪の制動
力に基づいて発生するため、旋回内輪がスリップして発
生する制動力が低下すると、それに伴って旋回外輪の駆
動力も低下することになり、旋回性能の向上が得られな
くなってしまう。
【0004】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、左右の非駆動輪間に強制的に差回転を発生させてヨ
ーモーメントを制御する車両において、遠心力による旋
回内輪のスリップを抑制することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明では、旋回性能を向上さ
せるべく旋回内輪の速度を減速して制動力を発生させ、
旋回外輪の速度を増速して駆動力を発生させる際に、遠
心力に伴う接地荷重の減少により旋回内輪がスリップす
ると、旋回内輪の減速量及び旋回外輪の増速量が減少す
るように制御が行われるので、旋回内輪に発生するスリ
ップを速やかに収束させて旋回性能の低下を回避するこ
とができる。
【0006】また請求項2に記載された発明では、スリ
ップにより旋回内輪速度が減少すると、非駆動輪の車輪
速から推定した横加速度よりも実際の横加速度が小さく
なって旋回内輪のスリップが検出される。
【0007】また請求項3に記載された発明では、スリ
ップにより旋回内輪速度が減少すると、横加速度から推
定した非駆動輪の速度差よりも実際の速度差が大きくな
って旋回内輪のスリップが検出される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0009】図1〜図5は本発明の第1実施例を示すも
ので、図1はトルク分配制御装置を備えたフロントエン
ジン・フロントドライブ車の全体構成図、図2は推定横
加速度を求める手法の説明図、図3はスリップ検出ルー
チンのフローチャート、図4はスリップ検出の作用説明
図、図5はトルク減少ルーチンのフローチャートであ
る。
【0010】図1に示すように、車体前部に横置きに搭
載したエンジンEの右端にトランスミッションMが接続
されており、これらエンジンE及びトランスミッション
Mにより駆動輪である左前輪WFL及び右前輪WFRが駆動
される。
【0011】従動輪である左後輪WRL及び右後輪RRの車
軸1L ,1R 間に、左右の後輪WRL,後輪RRをそれらが
相互に異なる回転数で回転するように接続する変速機2
が設けられる。変速機2には第1油圧クラッチ3L 及び
第2油圧クラッチ3R が設けられており、第1油圧クラ
ッチ3L を係合させると、左後輪WRLの回転数が減速さ
れて右後輪RRの回転数が増速され、第2油圧クラッチ3
R を係合させると、右後輪RRの回転数が減速されて左後
輪WRL回転数が増速される。
【0012】即ち、変速機2は左右の車軸1L ,1R
同軸上に配置された第1軸4と、左右の車軸1L ,1R
と平行であり且つ相互に同軸上に配置された第2軸5及
び第3軸6とを備えており、第2軸5と第3軸6との間
に前記第1油圧クラッチ3Lが配置されるとともに、右
車軸1R と第1軸4との間に前記第2油圧クラッチ3 R
が配置される。右車軸1R に設けた小径の第1ギヤ7が
第2軸5に設けた大径の第2ギヤ8に噛合するととも
に、第3軸6に設けた小径の第3ギヤ9が第1軸4に設
けた大径の第4ギヤ10に噛合する。左車軸1L に設け
た第5ギヤ11が第3軸6に設けた第6ギヤ12に噛合
する。
【0013】第1ギヤ7及び第3ギヤ9の歯数は互いに
同一であり、また第2ギヤ8及び第4ギヤ10の歯数は
互いに同一であって前記第1ギヤ7及び第3ギヤ9の歯
数よりも多くなるように設定される。また第5ギヤ11
及び第6ギヤ12の歯数は互いに同一になるように設定
される。
【0014】従って、第1油圧クラッチ3L を係合させ
ると、右後輪RRは右車軸1R 、第1ギヤ7、第2ギヤ
8、第2軸5、第1油圧クラッチ3L 、第3軸6、第6
ギヤ12、第5ギヤ11及び左車軸1L を介して左後輪
RLに連結される。このとき、第1ギヤ7及び第2ギヤ
8の歯数比に応じて、右後輪RRの回転数に対して左後輪
RLの回転数が減速される。即ち、左右後輪WRL,WRR
が同速度で回転している状態から第1油圧クラッチ3L
を係合させると、右後輪RRの回転数が増速されて左後輪
RLの回転数が減速される。
【0015】また、第2油圧クラッチ3R を係合させる
と、右後輪RRは右車軸1R 、第2油圧クラッチ3R 、第
1軸4、第4ギヤ10、第3ギヤ9、第3軸6、第6ギ
ヤ12、第5ギヤ11及び左車軸1L を介して左後輪W
RLに連結される。このとき、第4ギヤ10及び第3ギヤ
9に歯数比に応じて、右後輪RRの回転数に対して左後輪
RLの回転数が増速される。即ち、左右後輪WRL,WRR
が同速度で回転している状態から第2油圧クラッチ3R
を係合させると、右後輪RRの回転数が減速されて左後輪
RLの回転数が増速される。
【0016】第1油圧クラッチ3L 及び第2油圧クラッ
チ3R の係合力は、それらに加えられる油圧の大きさを
調整することにより無段階に制御することが可能であ
り、従って左右後輪WRL,WRRの回転数比も、前記第1
〜第4ギヤ7,8,9,10の歯数比によって決まる範
囲内で無段階に制御することが可能である。
【0017】第1油圧クラッチ3L 及び第2油圧クラッ
チ3R が接続された電子制御ユニットUには、車体の横
加速度を検出する横加速度センサS1 、ステアリングホ
イール13の回転角を検出する舵角センサS2 、エンジ
ンEの吸気管内絶対圧を検出する吸気管内絶対圧センサ
3 、エンジンEの回転数を検出するエンジン回転数セ
ンサS4 及び4輪の回転数をそれぞれ検出する車輪速セ
ンサS5 〜S8 からの信号が入力される。
【0018】電子制御ユニットUは、横加速度センサS
1 、舵角センサS2 、吸気管内絶対圧センサS3 、エン
ジン回転数センサS4 及び車輪速センサS5 〜S8 から
の信号に基づいて変速機2の第1油圧クラッチ3L 及び
第2油圧クラッチ3R の係合力を制御する。
【0019】次に、前述の構成を備えた本発明の実施例
の作用について説明する。
【0020】先ず、変速機2の基本的な制御について説
明すると、車両が低・中速で例えば左旋回する場合、第
1油圧クラッチ3L を係合させると旋回外輪である右後
RRの回転数が増速されて旋回内輪である左後輪WRL
回転数が減速されるため、旋回外輪である右後輪RRに駆
動力が発生するとともに旋回内輪である左後輪WRLに制
動力が発生し、これにより車両の旋回方向と同方向のヨ
ーモーメントが作用して旋回性能が向上する。逆に、車
両が低・中速で右旋回する場合、第2油圧クラッチ3R
を係合させると旋回外輪である左後輪RLの回転数が増速
されて旋回内輪である右後輪WRRの回転数が減速される
ため、旋回外輪である左後輪RLに駆動力が発生するとと
もに旋回内輪である右後輪WRRに制動力が発生し、これ
により車両の旋回方向と同方向のヨーモーメントが作用
して旋回性能が向上する。
【0021】一方、車両が高速で例えば左旋回する場
合、第2油圧クラッチ3R を係合させると旋回内輪であ
る左後輪RLの回転数が増速されて旋回外輪である右後輪
RRの回転数が減速されるため、旋回内輪である左後輪
RLに駆動力が発生するとともに旋回外輪である右後輪W
RRに制動力が発生し、これにより車両の旋回方向と逆方
向のヨーモーメントが作用して高速安定性能が向上す
る。逆に、車両が高速で右旋回する場合、第1油圧クラ
ッチ3L を係合させると旋回内輪である右後輪RRの回転
数が増速されて旋回外輪である左後輪WRLの回転数が減
速されるため、旋回内輪である右後輪RRに駆動力が発生
するとともに旋回外輪である左後輪WRRに制動力が発生
し、これにより車両の旋回方向と逆方向のヨーモーメン
トが作用して高速安定性能が向上する。
【0022】ところで、車両の旋回に伴って発生する遠
心力は車両を旋回方向外側に倒すように作用するため、
旋回内輪の接地荷重が減少して旋回外輪の接地荷重が増
加する。このとき、旋回性能を高めるべく変速機2によ
って旋回内輪に制動力を作用させると、接地荷重が減少
した旋回内輪がロック傾向になって路面との間にスリッ
プ(スキッド)が発生する場合がある。そこで本発明で
は、旋回内輪に所定の基準を越えたスリップが発生した
ときに、変速機2による旋回内輪から旋回外輪へのトル
ク配分量を減少させ、旋回内輪の前記スリップを回避し
ている。以下、その制御の内容を具体的に説明する。
【0023】先ず、車両が車速V、旋回半径Rで旋回し
ているときの推定横加速度YG0 の算出手法を、図2に
基づいて説明する。
【0024】重力加速度Gを1に換算した推定横加速度
YG0 は、前記車速V及び旋回半径Rを用いて、 YG0 =V2 /(G×R) …(1) により与えられる。
【0025】ここで、旋回内輪速度をVi、旋回外輪速
度をVo、旋回内輪の旋回半径をRi、旋回外輪の旋回
半径をRo、後輪WRL,WRRのトレッドをTrとする
と、前記車速Vは、 V=RVo/Ro=RVo/{R+(Tr/2)} …(2) で与えられ、また前記旋回半径Rは、 Vi/Ri=Vo/Ro=Vi/{R−Tr/2}=Vo/{R+Tr/2} …(3) に基づいて、 R=(Tr/2)×{(Vo+Vi)/(Vo−Vi)} …(4) で与えられる。
【0026】さて、図2に示すメインルーチンのフロー
チャートのステップS1において、トルク減少フラグF
(変速機2により旋回内輪から旋回外輪に配分するトル
クを減少させる制御の実行・不実行を示すフラグ)が、
前回のループにおいてF=「1」(即ち、トルク減少制
御実行)であるか、F=「0」(即ち、トルク減少制御
不実行)であるかを判定する。
【0027】前記ステップS1で前回トルク減少フラグ
F=「0」である場合、ステップS2において、推定横
加速度YG0 と横加速度センサS1 で検出した実横加速
度YGとを比較し、推定横加速度YG0 が実横加速度Y
G+0.1Gを越えていれば旋回内輪がスリップしてい
ると判断し、ステップS4でトルク減少フラグFを
「1」にセットする。ここで記号Gは重力加速度であ
る。また前記ステップS2で推定横加速度YG0 が実横
加速度YG+0.1Gを越えていなければ旋回内輪がス
リップしていないと判断し、ステップS5でトルク減少
フラグFを「0」のままとする。
【0028】一方、前記ステップS1でトルク減少フラ
グFが既に「1」にセットされているとき、ステップS
3で推定横加速度YG0 が実横加速度YG+0.05G
を越えていれば旋回内輪がスリップしていると判断し、
ステップS6でトルク減少フラグFを「1」のままとす
る。また前記ステップS3で推定横加速度YG0 が実横
加速度YG+0.05Gを越えていなければ旋回内輪が
スリップしていないと判断し、ステップS5でトルク減
少フラグFを「0」にリセットする。
【0029】そして、ステップS7で今回のループにお
いてトルク減少フラグF=「1」であれば、ステップS
8で後述するトルク減少処理を実行する。
【0030】これを図4に基づいて更に説明すると、旋
回内輪がスリップすると該旋回内輪の制動力が減少する
ため、旋回方向のヨーモーメントが減少して実横加速度
YGも減少する。その結果、推定横加速度YG0 が実横
加速度YG+0.1Gを越えたときにトルク減少処理が
開始され、推定横加速度YG0 が実横加速度YG+0.
05G以下になったときにトルク減少処理が終了する。
このようにトルク減少処理の開始・終了の条件にヒステ
リシスを持たせることにより、トルク減少処理の開始・
終了が短い時間内に繰り返し行われるのを防止すること
ができる。
【0031】次に、トルク減少処理が実行された場合の
トルク減少量の算出手法を、図5のフローチャートに基
づいて説明する。
【0032】先ず、ステップS11で、左右後輪WRL
RRの回転数差である推定左右差回転ΔN0 を以下のよ
うにして推定する。
【0033】車両の質量をMとし、旋回角速度をωとす
ると、遠心力の大きさは実横加速度YGを用いて次式の
ように表される。
【0034】 M×R×ω2 =M×G×YG …(5) また旋回外輪速度Voは旋回角速度をωを用いて次式の
ように表される。
【0035】 Vo={R+(Tr/2)}×ω …(6) (5)式及び(6)式から旋回角速度をωを消去する
と、 R=A×(R+Tr/2)2 但し、A=G×YG/Vo2 …(7) が得られ、これを旋回半径Rについて解くと、 R={1−A×Tr+(1−2A×Tr)1/2 }/2A …(8) が得られる。
【0036】一方、旋回内輪速度Viと旋回外輪速度V
oとの間には、 Vi/Vo=(R−Tr/2)/(R+Tr/2) …(9) の関係があるため、左右輪速度差ΔVは、 ΔV=Vo−Vi=Tr×Vo/(R+Tr/2) …(10) で与えられ、推定左右差回転ΔN0 は、 ΔN0 =ΔV/(2π×Rt) =Tr×Vo/{2π×Rt×(R+Tr/2)} …(11) で与えられる。従って、(11)式中の旋回半径Rに
(8)式の値を代入することにより、推定左右差回転Δ
0 を算出することができる。
【0037】更にステップS11で旋回外輪速度Voか
ら推定左右差回転ΔN0 を減算することにより、推定旋
回内輪速度Vi0 を算出する。即ち、スリップを起こし
ているために非スリップ時の本来の速度を検出すること
ができない旋回内輪速度Viを、スリップを起こしてい
ない旋回外輪速度Vo及び推定左右差回転ΔN0 を用い
て、推定旋回内輪速度Vi0 として推定する。
【0038】続くステップS12で、前記推定左右差回
転ΔN0 をタイヤの半径Rtで除算して旋回内輪の推定
角速度ωi0 を算出するとともに、旋回内輪の実車輪速
Viをタイヤの半径Rtで除算して旋回内輪の実角速度
ωiを算出する。続くステップS13で、駆動系のイナ
ーシャItを用いて旋回内輪の推定回転エネルギーE 0
をE0 =It×ωi0 2 /2により算出するとともに、
旋回内輪の実回転エネルギーEをE=It×ωi2 /2
により算出する。
【0039】続くステップS14で、旋回内輪の推定回
転エネルギーE0 から実回転エネルギーEを減算してエ
ネルギー偏差ΔEを算出し、更にステップS15で、左
右の後輪WRL,WRRの実左右差回転ΔNから実差角速度
Δωを算出する。そしてステップS16で旋回内輪から
旋回外輪に配分するトルクを減少させる量に相当するト
ルク減少量ΔTkを、比例定数k、エネルギー偏差ΔE
及び実差角速度Δωを用いて、ΔTk=k×(ΔE/Δ
ω)により算出する。
【0040】このようにして、車両の旋回時に旋回性能
を向上させるべく旋回内輪から旋回外輪にトルクを配分
したとき、接地荷重の減少した旋回内輪がスリップ(ス
キッド)を起こしても、そのスリップにより旋回内輪か
ら失われるエネルギー(即ち前記エネルギー偏差ΔE)
の相当するトルク(即ち、前記トルク減少量ΔTk)
を、旋回内輪から旋回外輪に配分するトルクから減少さ
せるので、旋回内輪のスリップを速やかに収束させて旋
回性能の低下を回避することができる。
【0041】次に、本発明の第2実施例を説明する。
【0042】前記第1実施例では、旋回内輪のスリップ
を推定横加速度YG0 と実横加速度YGとの比較により
検出したが、第2実施例は旋回内輪のスリップを(5)
式に示す推定推定左右差回転ΔN0 と実左右差回転ΔN
との比較により検出するものである。つまり、旋回内輪
がスリップ(スキッド)すると、旋回外輪速度よりも小
さい旋回内輪速度が更に低下して実左右差回転ΔNが増
加するため、実左右差回転ΔNが推定左右差回転ΔN0
よりも大きくなったときに、旋回内輪がスリップしたと
判定することができる。このとき、第1実施例と同様
に、実左右差回転ΔN及び推定左右差回転ΔN0 を直接
比較するのではなく、実左右差回転ΔNに所定の定数を
加えた値と推定左右差回転ΔN0 とを比較しても良い。
【0043】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0044】例えば、実施例では従動輪である左右後輪
RL,WRR間のトルク分配について説明したが、本発明
は従動輪に電気モータ等の補助駆動源を接続し、駆動輪
のスリップ時等に前記補助駆動源を作動させて四輪駆動
状態とする車両において、前記従動輪間のトルク分配に
ついても適用することができる。更に、第1油圧クラッ
チ3L 及び第2油圧クラッチ3R に代えて、電磁クラッ
チや流体カップリング等の他のクラッチを用いることが
できる。
【0045】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載された発
明によれば、旋回内輪のスリップが検出されたときに、
旋回内輪の減速量及び旋回外輪の増速量を減少させるの
で、旋回内輪に発生するスリップを速やかに収束させて
旋回性能の低下を回避することができる。
【0046】また請求項2に記載された発明によれば、
非駆動輪の車輪速から推定した横加速度よりも実際の横
加速度が小さいときに旋回内輪のスリップを検出するの
で、旋回内輪のスリップを確実に検出することができ
る。
【0047】また請求項3に記載された発明によれば、
横加速度から推定した非駆動輪の速度差よりも実際の速
度差が大きいときに旋回内輪のスリップを検出するの
で、旋回内輪のスリップを確実に検出することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】トルク分配制御装置を備えたフロントエンジン
・フロントドライブ車の全体構成図
【図2】推定横加速度を求める手法の説明図
【図3】スリップ検出ルーチンのフローチャート
【図4】スリップ検出の作用説明図
【図5】トルク減少ルーチンのフローチャート
【符号の説明】
2 変速機(速度差発生装置) Vi 旋回内輪速度(車輪速) Vo 旋回外輪速度(車輪速) YG0 推定横加速度(横加速度) YG 実横加速度(横加速度) WRL 左後輪(非駆動輪) WRR 右後輪(非駆動輪) ΔN0 推定左右差回転(速度差) ΔN 実左右差回転(速度差)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右の非駆動輪(WRL,WRR)間に設け
    た速度差発生装置(2)を制御し、旋回内輪の速度を減
    速して制動力を発生させるとともに、旋回外輪の速度を
    増速して駆動力を発生させる車両のヨーモーメント制御
    方法において、 旋回内輪のスリップが検出されたときに、旋回内輪の減
    速量及び旋回外輪の増速量を減少させることを特徴とす
    る車両のヨーモーメント制御方法。
  2. 【請求項2】 非駆動輪(WRL,WRR)の車輪速(V
    i,Vo)から推定した横加速度(YG0 )よりも実際
    の横加速度(YG)が小さいときに旋回内輪のスリップ
    を検出することを特徴とする、請求項1記載の車両のヨ
    ーモーメント制御方法。
  3. 【請求項3】 横加速度(YG)から推定した非駆動輪
    (WRL,WRR)の速度差(ΔN0 )よりも実際の速度差
    (ΔN)が大きいときに旋回内輪のスリップを検出する
    ことを特徴とする、請求項1記載の車両のヨーモーメン
    ト制御方法。
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