JPH1043518A - 燃料油処理装置 - Google Patents

燃料油処理装置

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JPH1043518A
JPH1043518A JP8225866A JP22586696A JPH1043518A JP H1043518 A JPH1043518 A JP H1043518A JP 8225866 A JP8225866 A JP 8225866A JP 22586696 A JP22586696 A JP 22586696A JP H1043518 A JPH1043518 A JP H1043518A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料油中の微細スラッジや触媒粒子を確実に
除去すると共にフィルタエレメントの目詰まりを減らし
その寿命を延長する。 【解決手段】 スタティックミキサ2をファインフィル
タ3と一体化し、これを燃料油供給系統において燃料油
加熱器と主機関と間に配設する。 【効果】 スタティックミキサでウェットスラッジを分
散させ、硬質固形分をフィルタで分離し、軟質固形分は
フィルタを通過させる。通過分は燃料油として使用で
き、燃料が改質される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼルエンジ
ンに燃料油を供給する燃料油供給系統に設けられる燃料
油処理装置に関し、特に燃料油の精密濾過技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば船舶の主機関である推進用の大型
ディーゼルエンジンに用いられる燃料油は、近年では、
アルミナやシリカ等の触媒を用いる接触分解方式や熱分
解方式による減圧蒸留によって原油を精製し、ガソリン
や軽油等の上質分を抽出した残りの残渣油を主体として
製造されていて、スラッジのみならず、アルミナ、シリ
カ等の硬質固形分をかなり含んでいる。又、原油中に含
まれているワックスやアスファルテン等は、単独に、又
は前記固形分を核としてその周囲を取り巻いて存在し、
いわゆるウェットスラッジを形成している。
【0003】このようなウェットスラッジは、比重が小
さいため、油清浄機で遠心分離しても効果的に除去され
ない。そして、スラッジやアルミナ等の硬質固形分を含
んだ燃料油がエンジンに供給されると、エンジンの性能
を低下させたり、エンジンの摺動部分等に付着して異常
磨耗を発生させたり、潤滑油中に混入する等の不具合を
発生させる。
【0004】このため、硬質固形分を除去するべくエン
ジンの直前にファインフィルタを設けることが多い。し
かしながら、このようなファインフィルタによれば、固
形分を除去できるが、フィルタエレメントがウェットス
ラッジによって目詰まりし、その寿命が短くなるという
問題がある。そして、ファインフィルタのメッシュを細
かくすればする程目詰まりが激しくなり、その寿命が短
くなる。更に、ウェットスラッジの周縁部分を構成して
いるワックス等は、可燃性のもので燃料として利用でき
るものであり、ファインフィルタによってこれらも一緒
に除去してしまえば、燃料の有効利用が図れない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術に於
ける上記問題を解決し、微細な硬質固形分まで除去でき
ると共に、フィルターエレメントの寿命を長くし、更に
燃料油を改質してその利用増進を図ることができる燃料
油処理装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、請求項1の発明は、ディーゼルエンジンに
燃料油を供給する燃料油供給系統に設けられる燃料油処
理装置において、燃料油が高速で反転を繰り返しつつ通
過するように案内する案内部材を備えた前処理部と、該
前処理部の後流側に設けられ燃料油中の微細粒子が除去
される濾過体を備えた精密漉し器と、を有することを特
徴とする。
【0007】請求項2の発明は、上記に加えて、前記前
処理部と前記精密漉し器とは一体的に形成されているこ
とを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明の燃料油処理装置を
適用した燃料油供給系統の一例を示す。燃料油処理装置
は、ディーゼルエンジンである船舶の推進用の主機関1
に燃料油を供給する燃料油供給系統に設けられ、前処理
部の一例であるスタティックミキサ2と、その後流側に
設けられる精密漉し器としてのファインフィルタ3とを
有する。燃料油は、通常残渣油を主体としたC重油であ
るが、A重油又はA/Cブレンド重油等であってもよ
い。
【0009】燃料供給系統は、燃料油常用タンク4、一
次漉し器5、燃料油供給ポンプ6、燃料油加熱器7、二
次漉し器8、前記スタティックミキサ2、前記ファイン
フィルタ3、前記主機関1、圧力調整弁9、燃料油の戻
りを滞留させて空気を分離して再び供給するためのエア
ーセパレータ10、等によって構成されている。スタテ
ィックミキサ2及びファインフィルタ3は主機関1にで
きるだけ近い位置に設けられることが望ましい。燃料油
常用タンク4には、燃料油澄ましタンク11から燃料油
清浄機12で処理された燃料油が供給される。主機関1
では、それぞれのシリンダ用の図示しない燃料噴射ポン
プにより、シリンダ内に高圧で燃料油が噴射される。
【0010】図2はスタティックミキサ2の一例を示
す。スタティックミキサ2は、両端にフランジ21を持
つ本体ケーシング22と、燃料油が高速で反転を繰り返
しつつ通過するように案内する案内部材としての混合エ
レメント23とによって構成されている。混合エレメン
ト23は、長方形の板を180°捩じった形状になって
いて、その捩じれの方向により、通過する燃料油が右回
転する右エレメント23aと左回転する左エレメント2
3bとに別れていて、これらが交互に90°位相をずら
せて組み合わせられ、溶接等によって本体ケーシング2
2に固定されている。
【0011】図3はファインフィルタの一例を示す。フ
ァインフィルタ3は、上部にフランジ31を備えた胴体
32、カバー33、燃料油中の微細粒子が除去される濾
過体としてのフィルタエレメント34、燃料油入口、出
口管35、36、一次ドレン管37、二次ドレン管3
8、空気抜き管39、40、据付け脚41等を備えてい
る。入口管35は、導入される燃料油が胴体32に沿っ
て旋回流になるように、胴体32の内部まで内管として
延設されている。本例のファインフィルタ3には、支持
ブラケット42を介して図2に示すスタティックミキサ
2が一体的に取り付けられている。符号43は拡管ピー
スである。
【0012】なお、スタティックミキサ2とファインフ
ィルタ3とを離して取り付ける場合には、それらの間で
温度降下をできるだけ少なくするように、十分な保温措
置が採られることが望ましい。又、スタティックミキサ
2とファインフィルタ3とを一体的に形成する場合で
も、これらを主機関のできるだけ近くに設置することが
望ましい。そのようにすれば、後述するように、一度細
分化したウェットスラッジの再生をより確実に防止する
ことができる。
【0013】ファインフィルタの胴体32回りやスタテ
ィックミキサ2を含む入口/出口管35、43/36等
の表面には、一部分のみを二点鎖線で図示しているよう
に保温用の加熱体44が巻き付けられていて、その上は
保温材45で覆われている。加熱体としては、蒸気管や
温水等の熱媒体管を使用することができるが、本例で
は、どのような船舶でも必ず得ることができる電気を用
いて、少ない電力消費で簡易且つ確実に保温効果を維持
できるように、120°C程度の温度に自己温度制御さ
れるヒートケーブルを用いている。
【0014】フィルタエレメント34は、カートリッジ
式使い捨て型の公称濾過精度5μmのもので、円筒面3
4aが濾過面になっていて、上下の両端には、4個の通
油穴34b−1の明けられた胴体中間蓋34b、同様の
通油穴を備えた開口板34c及び盲板34dが設けられ
ている。フィルタエレメントとしては、濾過精度2〜1
0μm程度のもの若しくはもう少し粗いものでもよく、
又ファインフィルタの形式としては、金網式、ノッチワ
イヤー式等の連続逆洗再使用型のものであってもよい。
【0015】ファインフィルタの通油量は、これが使用
される対象となる主機関の大きさによって当然異なる
が、例えば1m3 /hである。このとき、燃料油の入
口、出口管35、36には、口径32mm程度の管が用
いられる。一方、スタティックミキサ2の内径は、流速
を十分速くするために、その1/2以下のサイズになっ
ている。その結果、スタティックミキサ内では、通常の
管内の流速の5〜6倍程度の速い流速で油が流れる。
【0016】以上のような燃料油供給系統及び燃料油処
理装置は次のように使用される。船内の図示しない燃料
油タンクから燃料油澄ましタンク11に積み込まれ適当
な温度に維持されているC重油は、比重差によってスラ
ッジ等をある程度分離された後、燃料油清浄機12で処
理されて燃料油常用タンク4に貯蔵される。燃料油清浄
機では、C重油中の相当量のスラッジや水が除去され
る。しかし、C重油は、微細なスラッジや精製過程で加
えられたアルミナ、シリカ等の触媒粒子からなる硬質固
形分、ワックスやアスファルテンのような軟質固形分、
これらが結合して結合体としては比重が小さいウェット
スラッジ等を含んでいて、これらは燃料油清浄機におい
て効果的に除去されず、多くは燃料油中に残留する。
【0017】油清浄機にかけられたC重油は、固化防止
や粘度低下のために燃料油常用タンク4内で適当な温度
まに加熱されつつ貯蔵され、一次漉し器5を介して燃料
油供給ポンプ6で吸引されて吐出され、主機関1の燃料
噴射ポンプで噴射に適した粘度になるように、燃料油加
熱器7で例えば120°C程度まで加熱され、二次漉し
器8、本発明の燃料油処理装置を形成するスタティック
ミキサ2及びファインフィルタ3を経由して、主機関の
燃料噴射ポンプに供給される。
【0018】一次漉し器5は、ポンプ6の保護等を目的
とした通常100メッシュ程度の粗い網目のものであ
る。二次漉し器8は、ファインフィルタ3を設ける場合
にはその目詰まり防止等のため、又、これを設けない場
合には直接主機関の燃料噴射ポンプ保護のため、数10
μm程度のものが用いられる。燃料油供給系統として二
次漉し器8までの装置のみを装備する場合には、主機関
内への微細なスラッジや触媒粒子の混入が多くなり、粗
悪C重油を使用する場合には主機関の性能低下等を招く
ことになる。
【0019】一方、二次漉し器8の濾過精度を上げよう
とすれば、前記のウェットスラッジ等による目詰まりが
多くなる。又、二次漉し器とファインフィルタとを単に
並設することにより、順次濾過精度を上げるようにして
も、それぞれの漉し器へのウェットスラッジ等の詰まり
を効果的に防止できない。本発明では、スタティックミ
キサ2とファインフィルタ3とをこの順に直列に並設し
ているので、ファインフィルタの詰まりを防止しつつ微
細な固形物を十分除去できる。
【0020】図4は図2を部分的に拡大した図で、スタ
ティックミキサ2内の燃料油の通過状態を示す。燃料油
加熱器7で加熱されたC重油がスタティックミキサ2内
に入ってくると、その入口部の口径は配管口径の1/2
以下になっているから、油は通常の流速の5〜6倍程度
の流速になる。スタティックミキサ2内では、油は、混
合エレメント23の中の右エレメント23aの最初のも
の23a−1において、エレメントの縦向きの先端23
a−11により手前側の実線及び奥側の点線で示すよう
に二分され、捩じられたり反転しながら高速でそのエレ
メントの後端23a−12に至る。
【0021】次の左エレメント23b−1では、その入
口部で横向きの先端23b−11によって手前側及び奥
側の油はそれぞれ上下に二分され、混合、捩じれ、反転
等の作用を受け、更にエレメントを通過する間にも捩じ
れや反転作用を受ける。左エレメント23b−1の後端
23b−12では、上下に分割された油がそれぞれ次の
右エレメント23a−2の先端23a−21で二分さ
れ、そのエレメントを通過する際に同様に混合、捩じ
れ、反転等の作用を受ける。23b−2以下のエレメン
トにおいても、油は同様の作用を受けながら流れる。
【0022】このように、油は高速で分割/混合、捩じ
れ、反転等の作用を受けると共に、C重油では当然に燃
料加熱器7で加熱されて粘度低下の効果が加わるので、
粘性の高いC重油であっても流れに激しい乱れが生じ、
微細なスラッジや添加物を核としたウェットスラッジや
ワックス等の軟質固形物はあらゆる方向に力や加速度を
受け、油清浄機における一様な遠心力では分割されなか
った固まりが細断されたり、核となっているアルミナや
シリカがワックス等と分離して単独に油中に放出され
る。
【0023】その結果、ウェットスラッジや軟質固形物
が分散消滅し、硬質固形分はフィルタで捕捉され、軟質
固形分は適当に変形してフィルタを通過する。そして、
フィルタエレメントを目詰まりさせることなく、燃料油
中から微細スラッジや触媒粒子を除去することができ
る。なお、高速でスタティックミキサを通過させると圧
力損失が生ずるが、その値は1kgf/cm2 以下(本例では
0.8kgf/cm2 )であり、問題になる程ではない。
【0024】図5は、図3に示す本発明の燃料油処理装
置であるスタティックミキサ2を入口部分に備えたファ
インフィルタ3を用いて、その拡管ピース43からRW
NO.1粘度1500秒のC重油を入れて処理試験をし
た結果を示す。この結果によれば、処理油中には10μ
m以上の粒子は殆ど存在しなくなり、原料油中に存在し
たウェットスラッジ等の粒状物がスタティックミキサで
細断され、微細な硬質固形分もファインフィルタで十分
捕捉されていることが分かる。
【0025】図6は、上記の燃料油処理装置を実際の船
舶に搭載してファインフィルタの目詰まりの状態を試験
した結果を示す。本例の主機関は1800PSのディー
ゼルエンジンで、燃料油としては上記と同じC重油を用
いている。実験では、フィルタの目詰まりの指標である
ファインフィルタ3の入口/出口間の差圧を測定してい
る。前の曲線イは同じ濾過精度(公称5μm)のファイ
ンフィルタのみを設けた場合を示し、後の曲線ロは、運
転時間2340時間の時からスタティックミキサ2を装
着した図3に示す本発明の燃料油処理装置の場合を示
す。両曲線の上端で差圧が1.8kgf/cm2 になるとフィ
ルタエレメントを交換している。
【0026】この実験において、従来の装置の場合の曲
線イと本発明の装置の場合の曲線ロとを、差圧が上昇を
始めてからフィルタエレメントの交換に至るまでの時間
で比較すれば、曲線イでは145時間(1815時間−
1670時間)であるのに対して、曲線ロでは650時
間(3090時間−2440時間)であり、本発明の装
置により、フィルタエレメント交換時間を従来の装置の
場合の4.5倍に延長することができた。
【0027】図7はスタティックミキサの他の例を示
し、そのなかで(c)は内外エレメント24、25の接
続部分を平面に展開し、これを外エレメント25側から
見た図である。本例のスタティックミキサは、フランジ
部21を備えた胴体22内において、半径方向に2段に
ハニカム状の内エレメント24及び外エレメント25を
備えている。内エレメント24の内側の両端には蓋2
6、27が取り付けられ、中心部分28には油が流れな
いようになっている。
【0028】このスタティックミキサでは、同図(c)
に示す如く、例えば矢印A方向から流れて来た油は、矢
印B方向から流れてきた油と合体して右回転しながら内
エレメント24の1つの内セル241(下側で図では紙
面の奥側)に流入し、その旋回エネルギーによって内セ
ル241内では点線の矢印で示す如く左旋回流が発生す
る。
【0029】内セル241は外エレメント25の外セル
251及び252と導通しているので、内セル241内
の左旋回エネルギーを持った油がこれらの外セルに入る
と、その内壁に案内されて実線の矢印の如く右旋回流を
発生させる。このような現象が内外セル間を点線及び実
線の矢印に示す如く順次伝達される。この間に、油は分
離/集合、方向反転、旋回、逆旋回等の作用を受け、図
2に示すエレメント23の場合と同様に、その中のウェ
ットスラッジが細断され、触媒粒子等の硬質固形分が単
独で油中に放出される。
【0030】図8は燃料油処理装置の他の構成例を示
す。図3の例では、スタティックミキサ2をファインフ
ィルタ3の油入口管35に取り付けることによってこれ
らを一体化しているが、本例では、直管状又は胴体32
の形状に沿わせた曲管状のスタティックミキサ2をファ
インフィルタ3の内部(図示の例では底部)に配置して
いる。スタティックミキサ2は、溶接、ネジ止め又はフ
ランジ等によって胴体32又は入口管35と結合され、
胴体から支持ブラケット42で支持される。このように
すれば、スタティックミキサ2で前処理された燃料油が
そのままファインフィルタ3のフィルタエレメント34
を通過するので、ウェットスラッジの再生を完全に防止
でき、硬質固形物の分離性能及びフィルタエレメントの
耐久性を一層向上させることができる。又、可燃分をよ
り多く通過させることにより燃料油の改質を促進し、更
にファインフィルタの外形構造の簡素化を図ることがで
きる。
【0031】以上では、前処理部がスタティックミキサ
である場合について説明した。即ち、比重が軽く固形状
を成し極めて粘性の大きいウェットスラッジの場合に
は、油清浄機のように強い遠心力を加えても、一様な力
ではこれを細断して核となっている硬質固形物を取り出
すことはできないが、燃料油の温度を上げて高速で繰り
返し反転させれば、流れに大きな乱れが生じ、ウェット
スラッジを破壊できる可能性があること、そしてスタテ
ィックミキサがこのような目的に即応できることから、
これを用いた実証する試験を行ない、図5、図6に示す
ような良好な結果を得ることができた。
【0032】しかし、スタティックミキサは本来異種流
体を混合する目的のものであり、船舶用としては、例え
ばA重油とC重油とを混合してブレンド油を製造する目
的に使用されている。本発明では、スタティックミキサ
の付随的作用である流れを乱す作用に着目し、これを利
用したものである。従って、前処理部が、燃料油を高速
で繰り返し反転させつつ通過させるように案内する案内
部材を備えていれば、上記のような作用効果を発生させ
ることができるので、本発明の前処理部は、所謂スタテ
ィックミキサと総称されている装置には限られない。
【0033】
【発明の効果】以上の如く本発明によれば、請求項1に
おいては、先ず、燃料油が高速で反転を繰り返しつつ通
過するように案内する案内部材を備えた前処理部を設け
るので、燃料油の流れが大幅に乱され、軟質固形分や触
媒粒子等の硬質固形分を核としたウェットスラッジがあ
らゆる方向から力を受けて揺さぶられ、固形分が細かく
分断されると共に、核となっているスラッジやアルミ
ナ、シリカ等の粒子が油中に洗い出される。
【0034】次に、このように前処理された燃料油中の
微細粒子を除去できる濾過体を備えた精密漉し器を設け
るので、スラッジや触媒粒子等の硬質固形分を捕捉する
ことができる。その結果、これらの除去された燃料油を
主機関に送り、その性能低下や異常磨耗の発生等を防止
することができる。
【0035】一方、ウェットスラッジを形成していて細
かく分断されたアスファルテンやワックス等の軟質物
は、変形容易であるため殆ど濾過体を通過する。その結
果、濾過体の目詰まりを大幅に低減でき、その寿命を延
長することができる。この濾過体が逆洗式のものであれ
ば、逆洗時間を長くし、逆洗のための燃料油の損失を低
減することができる。
【0036】又、上記のような軟質固形分は相当の発熱
量を持った可燃性物質であるため、主機関に送られれば
燃料の一部分となって燃料と同様に燃焼される。従っ
て、従来ではファインフィルタで除去していたものを燃
料として使用することができる。即ち、燃料を、元の同
じ重量に対して発熱量の大きくなった良質のものに改質
することができる。
【0037】以上から、請求項1の発明によれば、簡単
な構成で極めて大きな種々の作用効果を得ることができ
る。
【0038】請求項2発明においては、上記に加えて、
前処理部と精密漉し器とを一体的に形成しているので、
前処理部で処理した燃料油を温度降下させることなく精
密漉し器に導入することができる。ウェットスラッジ
は、一度細分化されても温度が低くなると容易に結合
し、再生され易いが、これを防止して確実に上記諸作用
効果を得ることができる。又、両者の一体化により、船
内等における現場工事が少なくなり、装置の生産性が向
上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した燃料油処理装置を含む燃料油
供給系統の説明図である。
【図2】スタティックミキサの一例を示す断面図であ
る。
【図3】ファインフィルタの構造例を示す断面図であ
る。
【図4】スタティックミキサ内の油の流れ状態を示す説
明図である。
【図5】スタティックミキサを装着したファインフィル
タの性能試験結果を示す曲線図である。
【図6】従来のファインフィルタのみを装着した燃料油
処理装置とスタティックミキサ及びファインフィルタを
一体的に形成した本発明の燃料油処理装置とのフィルタ
エレメントの目詰まり状態を比較した実験結果を示す曲
線図である。
【図7】本発明の前処理部に適用できるスタティックミ
キサの他の例を示し、(a)は側面図、(b)は斜視
図、(c)は内外エレメントを平面状に展開して示した
説明図である。
【図8】スタティックミキサを内蔵したファインフィル
タの構造例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 主機関(ディーゼルエンジン) 2 スタティックミキサ(前処理部) 3 ファインフィルタ(精密漉し器) 23 混合エレメント(案内部材) 23a 右エレメント(案内部材) 23b 左エレメント(案内部材) 24 内エレメント(案内部材) 25 外エレメント(案内部材)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディーゼルエンジンに燃料油を供給する
    燃料油供給系統に設けられる燃料油処理装置において、 燃料油が高速で反転を繰り返しつつ通過するように案内
    する案内部材を備えた前処理部と、該前処理部の後流側
    に設けられ燃料油中の微細粒子が除去される濾過体を備
    えた精密漉し器と、を有することを特徴とする燃料油処
    理装置。
  2. 【請求項2】 前記前処理部と前記精密漉し器とは一体
    的に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の
    燃料油処理装置。
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