JP2006028268A - 簡易廃油改質・燃料化装置及び燃焼装置と組み合わせた前記装置 - Google Patents

簡易廃油改質・燃料化装置及び燃焼装置と組み合わせた前記装置 Download PDF

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Abstract

【課題】安定した燃焼性能のエマルジョン液体燃料を製造する装置を提供する。
【解決手段】径20μm以上の不溶成分除去不織布製及び紙製の濾材FSを載置する篩式濾過器SFを設けた廃油供給部、廃油と混合されエマルジョン液体燃料を形成する鉱油供給部、必要に応じて設けられた添加成分供給部、各供給部から供給される各成分を収容する配合・混合タンクMT、MTに接続・配置された、収容成分から径8μmを越える不溶成分を除去する不織布製及び紙製の濾材をノッチワイヤーフィルター表面に配置した精密濾過器NWF及び固定式SMEまたは電動式乳化・分散装置が配置されたパイプライン系、該パイプラインのMTへの戻し側先端部はMT底部近くまで延びて循環エマルジョン化液体燃料をMTに収容されたエマルジョン化液体燃料中に循環液体燃料を吹き上げ撹拌するように設置された構成を有するエマルジョン液体燃料の製造装置
【選択図】 図1

Description

本発明は、廃油から実質的に機械的処理のみをエマルジョン液体燃料化手段とし、廃油からエマルジョン化を阻害する粗大固形不純物を分離除去すると共に、乳化・分散装置による固形不純物や水分粒子の破砕・微細化によりエマルジョン液体燃料化を可能とし、燃料としての廃油の利用性を改善すると共に、安定した燃焼性能のエマルジョン液体燃料の製造を可能にしたエマルジョン液体燃料を製造する装置に関する。
1992年、ヨーロッパ諸国において、未使用の植物油(バージンオイル)からの軽油代替燃料のバイオディーゼル燃料(BDF)の生産が研究開発され、ドイツにおいては石油税の免除という税制面の優遇、余剰農地のための転作奨励金という農業政策、バイオディーゼル燃料に対する自動車工業の迅速な対応などに結びついて急速に普及し、2000年ではEUだけで年間80万トンのバイオディーゼル燃料が生産されるようになっている。
バイオディーゼル燃料(BDF)は、植物油の成分であるトリグリセリドをメタノールによりエステル交換したもので、それを自動車などのディーゼルエンジンの軽油代替燃料として利用するものであり、特に、フランス、ドイツにおいては1996年に工業規模の生産が開始されるに至っていた。
廃食用油の集積が可能であることが重要である。主成分は植物油であり、不純物を除去すれば前記バイオディーゼル燃料化が可能であることから、廃食用油に前記バイオディーゼル燃料化技術を適用することが研究され、日本でも地球温暖化防止に寄与する環境対策として一部の自治体や環境NPO等で実施されてきた。しかしながら、廃食用油の利用を経済ベースに合うようにするには、廃食用油が経済性に合うように大量の集積が可能であることが重要である。
この点を考慮して、廃食用油の現状を調査する地道な研究がされている。(山根、2002年;ディーゼル機関用バイオマス燃料とその利用の動向、バイオマス利用研究会H13年度報告)の報告によると、我が国では2002年において、家庭から発生する廃食用油は20〜30万トン/年であり、事業者から発生する廃食用油は約25万トン/年ある。事業者から発生する廃食用油はその約8割は回収されているといわれており、その用途としては、飼料用添加剤、脂肪酸、塗料、インクなどがあるが、用途先の関係もあり地域により余剰の廃食用油が発生している。また、レストランや豆腐屋などの小規模事業者や家庭からの廃食用油の回収が進んでいないが、その原因としては、前記用途には使用される廃食用油の品質基準があること、経済性の面からバイオディーゼル燃料(BDF)化装置の導入に見合う量の廃食用油の回収が困難であり、また副生するグリセリン、メタノール、苛性カリなどを含んだ廃水処理が難しいことなどがある。家庭からの廃食用油の発生量をより正確に推計するために、美濃市における一家庭からの廃食用油の発生量を実際に調査したところ、10.3リットル/年という結果が得られ、これを参考に全国家庭からの発生量を推計すると34.6万トン/年とかなりの量に達することが分かった。
前記家庭からの発生の推計量も、今後実際にどの程度回収できるかは、回収した廃食用油を利用する、経済的に見合う用途があるか否かにかかっている。
前記の経済的用途に沿う技術として、バイオディーゼル燃料(BDF)化のような化学的燃料製造法ではなく、物理的、機械的製造法で廃食用油と鉱油からエマルジョン燃料を製造することが考えられ、ディーゼル燃料やボイラー燃料としての利用法の開発を進めてきた。
レストランや豆腐屋などの小規模事業者や家庭からの廃食用油の回収を推し進めるためには、前記エマルジョン燃料化装置を導入し、利用し易くするため、如何にコンパクトで、安価で、操作が簡単で、メンテナンスが容易で、しかも移動が容易に出来る装置を開発出来るかが重要な課題である。このような装置が開発されれば、小さい自治体や企業やNPO等でも導入が可能になり、廃食用油の出張燃料化サービスや装置の共同使用も可能になるので、廃食用油の回収、利用は急速に進むものと考えられる。
廃食用油をディーゼルエンジンや焼却炉、ボイラー等のバーナー用の燃料として利用する方法は種々提案され、日本でも一部で実施されているが、ディーゼルエンジン用の燃料としては前記の通り、廃食用油を苛性カリ等の触媒を使用してメタノールと反応させ、BDF(脂肪酸メチルエステル)を製造して利用する方法が一般的である。この方法の難点は、化学反応であるが故に、最終製品を得るまで1〜2日も要すること、副生グリセリン、メタノール及び苛性カリを含む廃水処理が難しいこと等であり、現状では、軽油代替燃料として設備投資に見合う利益を得るのは難しいということである。一方、焼却炉、ボイラー等のバーナー用の燃料として廃油の生炊きや重油との混合燃焼等が行われているが、固形不純物等に起因するノズルの詰まりや、安定に燃焼する燃料化技術が十分でないために不安定燃焼に起因する煤煙発生と、それによる炉内の汚れ問題があり、あまり普及していない。
一方、燃料油に水を乳化・分散させてエマルジョン燃料化することにより、ボイラーなどの燃焼炉のNOxや煤塵を軽減出来ることが知られている(特許文献1参照)。この際、生成するエマルジョン燃料中の水滴が燃料中で一定の粒径分布内で、均一に分布するように乳化をすることが前記燃焼性能を改善するのに重要であると説明されている。
特開平9−286993号公報、特許請求の範囲。
本発明の課題は、前記小規模事業者や家庭からの廃食用油など個々の発生源からの排出量が少ない廃油が利用可能であり、かつ、前記燃料油の燃焼性が改善された性能の良いエマルジョン化液体燃料を製造できる装置を提供することである。そこで、本発明者は廃油から安定なエマルジョン化を阻害し、燃料噴射ノズルの詰まりや燃焼性を悪くする固形分を除去すると共に、安定なエマルジョン液体燃料を実質的に機械的な処理工程のみにより生成できるエマルジョン液体燃料製造装置とすれば、比較的コンパクトな装置の設計が可能ではないかと考え、固形分の除去手段と液体燃料のエマルジョン化工程を構成する安定なエマルジョン液体燃料を生成する、濾過器、乳化・分散装置および循環エマルジョン液体燃料化系を構成する前記エマルジョン液体燃料配合・混合タンクの構成およびこれらの組み合わせを工夫した。前記工夫において、循環エマルジョン液体燃料化系パイプラインに配設する濾過器を径10μmを越える固形不純物を除去可能な不織布フィルターを取り外し可能にノッチワイヤーフィルター表面に配置した精密濾過器を用いること、前記パイプライン内に固定配置した固定型ラインミキサーまたは電動ラインミキサーおよびを循環パイプラインの配合・混合タンクへの戻し側先端部を前記タンクの底部近くまで延びて前記循環エマルジョン液体燃料を配合・混合タンクに収容された同エマルジョン液体燃料中に前記液体燃料を吹き上げ撹拌するように設置する構成を採用することにより前記課題を解決することができた。
本発明の第1は、(1)廃油からエマルジョン液体燃料を製造する装置であって、径20〜100μmの不溶成分を捕捉する不織布製および紙製の濾材から選択される濾材を載置出来る篩式濾過器を設けた前記廃油供給部、前記廃油と混合されエマルジョン液体燃料を形成する鉱油供給部、および必要に応じて設けられた前記エマルジョン液体燃料化を改善する添加成分供給部、前記各供給部から供給された廃油、鉱油およびエマルジョン液体燃料化改善添加成分を収容する配合・混合タンク、前記配合・混合タンクに接続・配置された、前記収容成分からエマルジョン液体燃料化を阻害する径20μm未満で8μmを越える成分を除去可能な不織布製および紙製の濾材から選択される濾材をノッチワイヤーフィルター表面に配置した精密濾過器および固定式若しくは電動式の乳化・分散装置が配置されたパイプライン系、前記パイプライン系は前記精密濾過器および乳化・分散装置を経由したエマルジョン化液体燃料の全部若しくは一部を前記配合・混合タンクに循環供給するパイプラインが配管されており、前記循環パイプラインの配合・混合タンクへの戻し側先端部は前記タンクの底部近くまで延びて前記循環エマルジョン化液体燃料を配合・混合タンクに収容されたエマルジョン化液体燃料中に前記循環液体燃料を吹き上げ撹拌するように設置されており、前記配合・混合タンク内の収容各成分を前記パイプライン系に供給する側は少なくとも前記配合・混合タンクの下部に設置されていることを特徴とするエマルジョン液体燃料を製造する装置である。好ましくは、(2)前記配合・混合タンクが、径20〜100μmの固形分を捕捉する不織布製および紙製の濾材から選択される濾材を篩面に載置することが出来る篩式濾過器を設けた前記廃油供給部としての液面計付きの廃油計量・収容部と、前記廃油と混合されエマルジョン液体燃料を形成する鉱油供給部としての液面計付きの鉱油計量・収容部とに分割されており、循環エマルジョン液体燃料化処理時には、循環パイプラインの戻し側先端部が設置された収容部の循環エマルジョン化液体燃料がオーバーフローして他方の収容部に循環させる連通管が設けられ、収容各成分を循環パイプライン系に供給するパイプラインは前記配合・混合タンクの各収容部の各下部に設置されていることを特徴とする前記(1)に記載のエマルジョン液体燃料を製造する装置であり、より好ましくは、(3)廃油、前記廃油と混合されエマルジョン液体燃料を形成する鉱油および前記エマルジョン燃料改善添加成分からなるエマルジョン液体燃料化成分を、前記エマルジョン液体燃料成分からエマルジョン液体燃料化を阻害する径20μm未満で8μmを越える成分を除去可能な不織布製および紙製の濾材から選択される濾材をノッチワイヤーフィルター表面に配置した精密濾過器および固定式若しくは電動式の乳化・分散装置が配置されたパイプライン系を供給・循環させる送液手段として前記精密濾過器の上流部に配置したギヤ−ポンプを用いることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のエマルジョン液体燃料を製造する装置であり、一層好ましくは、(4)乳化・分散装置として乳化・分散部材を管内に固定配置した固定型ラインミキサー若しくは小型電動式ラインミキサーを用いることを特徴とする前記(1)、(2)または(3)に記載のエマルジョン液体燃料を製造する装置であり、より一層好ましくは、(5)廃油、前記廃油と混合されエマルジョン液体燃料を形成する鉱油および前記エマルジョン燃料改善添加成分からなるエマルジョン液体燃料成分からエマルジョン液体燃料化を阻害する径20μm未満で8μmを越える不溶成分を連続的に取り除くための精密濾過器は20μm未満で8μmを越える成分が除去可能な不織布製および紙製の濾材から選択される濾材を10〜50μmの微細なフィルタークリアランス開口を形成するステンレス製のノッチワイヤーを巻いて構成されたノッチワイヤーフィルター表面に巻き付けて固定した構成からなることを特徴とする前記(1)〜(4)の何れかに記載のエマルジョン液体燃料を製造する装置。
本発明の第2は、前記(1)から(5)のいずれかに記載のエマルジョン化液体燃料を製造する装置の精密濾過器および乳化・分散装置が配置されたパイプライン系がエマルジョン化液体燃料を少なくとも液体燃料とする燃焼装置に直結していることを特徴とする廃油を液体燃料の少なくとも燃料とする燃焼装置に直結して使用することを特徴とするエマルジョン液体燃料製造装置である。
発明の効果として、40〜60Lの廃油から、排ガス中のNOxや煤塵を軽減し得る、より燃焼性を改善したエマルジョン液体燃料を200Lと比較的小規模で製造できる移動可能なコンパクトな装置、及びボイラーなどの燃焼装置と連動して、自動的、連続的に前記エマルジョン液体燃料を500L/時間の速度で供給できる装置を提供できたことを挙げることができる。
本発明は、上述の如き課題を解決した廃油から安定で燃焼性能が良いエマルジョン液体燃料を製造可能にしたエマルジョン液体燃料化装置である。また、廃油、鉱油および必要に応じて添加される水及び乳化剤の配合の調整により、廃油からディーゼルエンジン用並びにバーナー用等の燃料を、用途に応じた処方で、容易に、経済的に製造することを可能にした。
A,本装置の1つの特徴は、廃油中に含まれる比較的大きな固形物、例えば100メッシュ不通過(粒径150μm以上)の固形物を操作性良く取り除くことができ、更に必要に応じて不織布製または紙製の濾材を篩い部に載置することにより、濾材の選択次第で径20〜100μmの網目不通過の固形物を捕捉することが出来る篩型構造の廃油濾過機構を有する。この廃油濾過機構は廃油供給部を構成する前記廃油濾過機構を透過した廃油を収容するタンクの上部に設けられている。ここで、不織布には乾式法および湿式法で生産されるものが含まれる。
篩い部は、底部が前記不織布製または紙製の濾材を載置できる方形の剛性のメッシュで構成され、上部に蓋を被せることができる方形筒状構造体であり、該方形筒状構造体には前記濾材を剛性のメッシュ上に密着固定でき、前記濾材の取り替え時には、該方形筒状構造体から取り外しできる落とし型固定化フレームを装入できる構造体である。該方形筒状構造体は、道具なしで前記廃油タンクに着脱できるが、屋外でも雨水の侵入が起こらない水密の構造になっている。
前記廃油濾過機構を通して、鍋等から、あるいは20L缶やポリタンクから直接、又はドラム缶等からポータブルポンプ等を使用して前記廃油タンクに粗精製した廃食用油を充填できる。
B,本発明の第2の特徴は、廃油、前記廃油と混合されエマルジョン液体燃料を形成する鉱油、および前記エマルジョン燃料改善添加成分からなるエマルジョン液体燃料を形成する混合液をより効率的に均一乳化・分散を可能とする、パイプライン内に固定配置した固定型ラインミキサーまたは電動ラインミキサーからなる乳化・分散装置を循環パイプライン系に配設した構成と、廃油、廃油と混合されエマルジョン化液体燃料を形成する鉱油、および前記エマルジョン燃料改善添加成分からなる前記エマルジョン液体燃料成分からエマルジョン液体燃料化を阻害する径10μmを越える固形不純物を精密除去可能な不織布製または紙製の濾材をノッチワイヤーフィルター表面に配置した精密濾過器を組み合わせ、前記循環パイプライン系に供給・循環させる送油手段として前記精密濾過器の上流部に配置したギヤーポンプを用いることにある。
前記不織布製または紙製の濾材をノッチワイヤーフィルターと組み合わせたことの利点は、ノッチワイヤーフィルターの表面が平滑であり、前記比較的強度が弱い不織布製または紙製の濾材を、ギヤ−ポンプによる比較的高い圧力下においても安定に保持できることにある。このことにより、小型で簡易なエマルジョン液体燃料化装置を設計可能とすることができ、個人所有の店舗や小規模工場、NPO等が比較的容易に導入することを可能とすることができた。また、化学試薬や加熱など比較的操作性を悪くする操作を含まず、自動運転が可能なタイプのユニットにすることが出来、操作が簡単で、メンテナンスが容易な装置を提供できた。かつ、前記機械的工程が単相100V電源で運転可能な装置を設計できた。更に、前記工程装置を一体化したものでは、300〜700Kg程度の重量とすることができ、これにより、フォークリフト等で扱え、また軽トラック等に載せて移動することも可能とすることができた。また、本装置はボイラー等の運転に連動させ無人運転も可能である。
また、不織布製または紙製の濾材をノッチワイヤーフィルターと組み合わせて用い、エマルジョン化液体燃料を循環して製造する方法においては、前記使用の8μmの径の不溶成分を不透過性の濾材では除去不可能と思われる微粒、例えば3μm以下の不溶成分も除去できることが確認できた。
C,廃油、前記廃油と混合されエマルジョン液体燃料を形成する鉱油、および必要に応じて配合されるエマルジョン燃料改善添加成分からなるエマルジョン液体燃料を形成する混合液をより効率的に均一乳化・分散を可能とするパイプライン内に固定配置した固定型ラインミキサーまたは電動ラインミキサーからなる乳化・分散装置の採用により、安定性及び燃焼性を改善した軽油若しくはA重油を燃料にしている各種のディーゼルエンジン用の燃料を製造することが可能となった。更に、本発明で提供したエマルジョン液体燃料製造装置は、灯油若しくはA重油を燃料にしている各種のバーナー用燃料も製造可能である。
D,前記循環パイプライン内に固定配置した固定型ラインミキサーとしては、管内の流体を管内壁側に誘導するガイド体の下流側に形成され混合流体に対し衝突体を構成するキノコ状突出体を内壁の周方向および流れ方向に適当な間隔を置いて配設したスタティック型ミキサー、例えばOHR流体工学研究所製、OHRミキサーを好ましいものとして挙げることができる。
電動ラインミキサーとしては、吸入側に剪断力と吸入力を働かせるモーターにより回転するタービンを有する電動ラインミキサー、例えば特殊機化工業社製、パイプラインホモミキサーを好ましいものとして挙げることができる。
E,前記不織布や紙製の濾材を取り外し可能にノッチワイヤーフィルター表面に配置した精密濾過器を構成するノッチワイヤーフィルターは、SUS−304、SUS−316Lなどのステンレス、またはモネル、チタン製のノッチワイヤーを使用し、10〜50μmの微細な穴を設けた円筒を濾過エレメントとしたものである。必要ならば逆洗も可能であるが、本発明のようにより目の細かい不織布等の濾材と組み合わせた構成にすることにより実質的に逆洗を不要とすることができた。本精密濾過器は、生成燃料の用途に応じて10〜50μmの開目のノッチワイヤーフィルターを選択すればよい。複数の濾過エレメントを組み込むことにより、切り替えて連続運転を、また生成燃料を切り替えることが可能である。また、不織布等の濾材をノッチワイヤーフィルターに巻いて使用することにより、10μm以下の粒子も捕捉可能であり、濾材を取り外すことにより、捕捉された固形物を簡単に除去することが可能であることは前記の通りである。
F,本装置で燃料化するのに使用される廃油としては、菜種油、大豆油等常温で液体の廃食用油が最適であるが、その中に一部、低温で固化するパーム油、動物油等が含まれていても構わない。高温で劣化が進み、酸価が高くなった廃食用油も使用出来る。常温で固化する廃食用油についても、加温装置を取り付けることにより、用途をバーナー用に限定すれば使用出来る。また、潤滑油、作動油、工作油等の廃油についても、用途を限定すれば使用出来る。これらの廃油は、硫黄や窒素分等燃焼により有害ガスになる成分が含まれているので、焼却炉等、排ガス処理装置が装備された燃焼炉用燃料として使用する。
G,廃油と混合される鉱油としては、灯油、軽油、A重油を挙げることができる。鉱油の代わりに各種のアルコールを使用することも可能である。
鉱油を使用する場合は、生成燃料の用途に応じてベースになる油種を選択し、廃油の混合率を10〜50%にするが、生成燃料の分析値と用途、機器仕様により判断する。経済性と安定性を考慮すれば、廃油の混合率は20〜30%が最適である。
アルコールを使用する場合は、経済性から、廃アルコールや飲食用に適さない発酵アルコール等を使用する。これらは水との混合物である場合がほとんどであり、乳化剤を添加してエマルジョン燃料にする。廃油の混合率は、生成燃料の分析値と用途、機器仕様により決められるが、20〜80%が適当である。
H,本発明により廃油の燃料化を行うには、バッチ式と連続式の2方法がある。バッチ式は、1回当りの廃油処理量が40〜60Lで生成燃料量を200L未満として運転可能であり、廃油が小規模収集しかできない状態において、簡易に利用できる。因みに、消防法では200L以上の規模においては届け出が必要である。配合・混合タンクは、前記廃油供給部としての液面計付きの廃油計量・収容部と、前記廃油と混合されエマルジョン液体燃料を形成する鉱油供給部としての液面計付きの鉱油計量・収容部とに分割した構造とすることができ、このような構造に設計した場合、循環エマルジョン液体燃料化処理時には循環エマルジョン液体燃料がオーバーフローして両収容部が循環系を形成する連通管を有する構造に設計することが好ましい。
前記分割構造の場合、前記各収容部は廃油と鉱油を所定量仕込む計量器としての機能を持たせることができる。廃油は、廃油収容タンクの上部に配設された前記構造の篩型濾過器を経て仕込む。前記各収容部間の連通管にはバルブを設けて、バルブを開け、ポンプ、例えばギヤ−ポンプを起動し、乳化・分散装置及び精密フィルターが配置された循環ラインを約1時間循環させる設計とすることが好ましい。乳化剤等を添加する場合は、循環開始時に、何れかの計量タンクに添加する。生成燃料は、前記精密濾過器を経て、容器に排出する。廃油と鉱油等の他の液体を仕込み前に計量配合できる設計として、前記のように2分割したタンクを使用しなくてもよい。ただ、計量配合され供給されるエマルジョン液体燃料を形成する成分は、循環パイプラインの戻し側から循環されるエマルジョン化液体燃料により吹き上げ撹拌される循環系を構成するタンクに供給するように設計することが好ましい。
I,連続式は、廃油処理量、生成燃料量を短時間で多く得たい場合や、ボイラー等と連動して、無人運転したい場合に使用する。500L/時間の燃料を生成することが可能であり、乳化・分散装置及び精密濾過器の選定次第で、能力を自由にデザインすることが出来る。廃油用と鉱油用のタンクが必要であり、燃料化装置の運転前に必要量を仕込んでおく。廃油の仕込みは、篩型濾過器等を経て、粗濾過を行っておく。自動運転スイッチを入れると、廃油と鉱油は、それぞれの供給ポンプにより、流量計を経て合流し、精密濾過器で濾過されて循環タンクに入る。各ポンプはインバーターにより流量調整される。循環タンク内の混合油は、循環ポンプにより、乳化・分散装置が配置されたパイプラインを常に循環しており、その一部が生成燃料としてボイラー等に排出される仕組みになっている。循環タンク内の液量に応じて、廃油用と鉱油用の供給ポンプが起動、停止を繰り返す。
以下に本発明のエマルジョン液体燃料製造装置の種々の態様を、図1〜4を例示して、また、前記各装置を構成する部分、特に本発明における特徴部分の精密濾過器、および分散・乳化装置の詳細を図5〜図9に例示して説明する。更に表1〜表12に前記装置を用いて製造されたエマルジョン化液体燃料の燃焼特性を市販の軽油などと対比して説明する。
図1には、本発明のバッチ式の、乳化・分散装置に固定型ラインホモミキサーSME(例えば、図8)を用いた一例のフロー図を示す。本装置では、操作者が直接料理鍋等から、あるいは小規模廃油回収の20L缶やポリタンクから、又は比較的大規模の回収ドラム缶等からポータブルポンプ等の送油機を使用して、廃油濾過器SF(図5および6)内に廃油WOを入れる。廃油は濾過器SF底部の例えば100メッシュ(径150μm以上の成分除去)の篩い部で濾過されて配合・混合タンクMTの廃油供給部側に収容される。篩い部には、精密濾過器の負荷を軽減する等のために、径20〜100μmの網目不通過の固形物を捕捉することが出来る不織布製または紙製の濾材(図5および6)FSを載置することができる。濾材は落とし型固定化フレーム(図5および6)FFで篩い部に密着、固定出来るように設計されており、その使用により精密濾過器NWF(例えば図7)への負荷を減じることが出来る。例えば、配合・混合タンクMTを200Lのエマルジョン液体燃料の製造装置に設計した場合には、廃油の混合率を20%とする場合には40L、30%にする場合は60Lの廃油を配合・混合タンクMTの廃油供給部側に入れる。廃油供給部側付属の液面計LIで計量する。
一方、鉱油POは、廃油の混合率を20%にする場合は160L、30%にする場合は140Lを配合・混合タンクMTの鉱油供給部側に入れる。鉱油供給部側付属の液面計LIで計量する。水や乳化剤等を微量添加する場合は、予め必要量を容器で計量し、配合・混合タンクMTの廃油供給部側に供給する。
所望のエマルジョン液体燃料に合わせた原料の計量・仕込みの終了後、廃油供給部側の抜出しバルブV−1、両供給部間の連通管のバルブV−3、精密濾過器NWFのバイパスバルブV−5及び循環処理ラインの配合・混合タンクMTの鉱油供給部側へのリターン配管のバルブV−6を開き、循環ポンプCP(ギヤーポンプ)のスイッチを起動する。これにより、配合・混合タンクMT内の全ての液体は、廃油供給部側→循環ポンプCP→精密濾過器NWF→固定型ラインホモミキサーSME→鉱油供給部側→廃油供給部側の順路で循環を開始する。循環ポンプCPは操作盤内のインバーター操作により、自由に流量を変えることが出来るが、循環運転中は最大目盛の80%程度の流量(約1,500L/Hr)にする。循環液は1時間の循環で約7回転し、その間に固定型ラインホモミキサーSMEによる乳化・分散と、精密濾過器NWFによる濾過が行われる。循環ラインの鉱油供給部側へのリターン配管は、タンクの底部まで差し込まれており、タンク内でも攪拌、均一化が行われる。厳冬期における運転で、廃油の粘度が著しく高い場合には、バルブV−6を開く前に、バルブV−1、V−2、V−3及び廃油供給部側の底部リターンバルブV−4のみを開いて循環ポンプCPを3〜5分間運転し、鉱油供給部側の鉱油を廃油供給部側に逆流させた後、バルブV−6を開き、バルブV−2,V−4を閉じて通常の循環運転操作に切替えると、スムーズな循環処理が行われる。
約1時間の循環処理で、配合・混合タンクMT内の廃油供給部側及び鉱油供給部側全ての液体は均一なエマルジョン液体化燃料になる。精密濾過器NWFのバイパスバルブV−5を閉じて3〜5分間運転後、製品燃料排出バルブV−7を開けば、完全に精密濾過された製品燃料FOが排出される。バルブV−6の開度調整若しくは循環ポンプCPのインバーター調整により、排出速度は任意に調整される。鉱油供給側の抜出しバルブV−2も開き、配合・混合タンクMT内の製品エマルジョン化燃料を可能な限り完全に抜出す。
図2は、本発明のバッチ式の他の例であり、乳化・分散装置に電動ラインホモミキサーDME(図9)を用いた場合のフロー図を示す。本装置は前記〔0020〕〜〔0022〕の例の固定型ラインホモミキサーSMEを電動ラインホモミキサーDMEに替えたものであり、電動ラインホモミキサーDMEの操作以外の運転操作は、前記〔0020〕〜〔0022〕の例と同じである。本装置は、廃油WOや鉱油POに溶解しにくい水を添加し、エマルジョン化燃料を製造する場合等に、より効果的な乳化・分散装置として使用される。水を添加する場合には、更に0.1%程度の乳化剤を添加すれば、エマルジョン化燃料の保存安定性が向上する。乳化剤としては当該分野で公知のものを使用できる。
電動ラインホモミキサーDMEは、操作盤内のインバーター調整によりタービンの回転速度を1,000〜9,000rpmの範囲で任意に変えることが出来るが、通常の循環処理操作中は最大目盛の80%程度の回転速度(7,000〜8,000rpm)に設定する。
本装置の操作者は、前記〔0020〕の例と同じ操作を行うが、電動ラインホモミキサーは、空運転を避けるため、循環ポンプCPの起動後に起動し、循環ポンプの停止前に停止するようにする等の注意が必要である。
図3には、本発明の連続式の一例を示す。この例では、乳化・分散装置に固定型ラインホモミキサーSME(図8)を用いた例のフロー図を示す。本装置の操作者は、前記バッチ式と同様に収集した廃油WOを直接、又はポンプ等の送油機を使用して、廃油供給タンクWOTに取付けた廃油濾過器SF内に入れる。廃油は濾過器SF底部の100メッシュ(径150μm)の篩い部で濾過されて廃油供給タンクWOTに入る。篩い部には、必要に応じて、選択により径20〜100μmの網目不通過の固形物を捕捉することが出来る不織布製または紙製の濾材FS(図5および6)を載置する。濾材は落とし型固定化フレームFF(図5および6)で篩い部に密着、固定出来るようにしてあり、その使用により精密濾過器NWFへの負荷を減じることが出来る。廃油供給タンクWOTは、必要に応じて任意の容量に変更出来る。廃油中に混入している水が廃油供給タンクの底部に溜ることがあるが、底部のドレインノズルから抜出して除去することが出来る。
一方、廃油と混合する鉱油POは、別に設ける貯蔵タンクから本装置の鉱油供給ラインに供給する。
本装置の操作者は、鉱油供給ライン入口バルブV−1、廃油供給タンク元バルブV−2、配合・混合タンク(循環処理油タンク)MT入口バルブV−3、同タンク底部の元バルブV−5、精密濾過器の入口バルブV−6、同出口バルブV−7、循環処理ラインの配合・混合タンクMTへのリターン配管のバルブV−9を開き、操作盤の切替えスイッチを「自動運転」に合わせる。鉱油は、鉱油供給ポンプPOP(ギヤーポンプ(1))により流量計FI(1)を経て配合・混合タンクMTに供給される。同時に廃油も、廃油供給ポンプPOP(ギヤーポンプ(2))により、流量計FI(2)を経て鉱油ラインに合流し、配合・混合タンクMTに供給される。配合・混合タンクMT内では、タンク底部まで差し込まれた配管から噴出する液体により、内部の混合燃料は攪拌、均一化され、循環ポンプCPにより精密濾過器NWF、固定式ラインホモミキサーSMEを経て、再び配合・混合タンクMTにリターンされ、乳化・分散と精密濾過が行われる。配合・混合タンクMTに供給される廃油と鉱油の流量は、鉱油供給ポンプPOP及び廃油供給ポンプWOPのインバーター設定により変えることが出来るので、10%〜90%の範囲で任意の配合比率にすることが出来る。廃油の混合率を20%〜30%に設定するのが適当である。水及び乳化剤等を微量添加する場合は、鉱油等他の液体に予め添加、混合しておくか、鉱油供給ラインに並行して、別の注入ラインを設ける。
「自動運転」中、前記の循環は継続されており、配合・混合タンクMTの液量は、液面レベルスイッチLSにより、自動的に設定範囲内に保たれる。液面上限になると、鉱油供給ポンプPOP及び廃油供給ポンプWOPは自動的に停止する。製品容器又は燃焼装置への製品エマルジョン化燃料排出ライン出口バルブV−10を開くと、排出先の要求に応じて製品燃料が排出される。配合・混合タンクMT内の液量が、液面レベルスイッチの下限になると、鉱油供給ポンプPOP及び廃油供給ポンプWOPが自動的に再起動し、廃油及び鉱油の供給が再開される。小型簡易装置の製品排出量は500L/Hrであるが、必要に応じて、装置の能力アップをはかることが出来る。
図4には、本発明の連続式例として、乳化・分散装置に電動ラインホモミキサー(図9)を用いた例のフロー図を示す。本装置は前記〔0024〕〜〔0025〕の例の固定型ラインホモミキサーを電動ラインホモミキサーに替えたものであり、運転操作は、前記〔0024〕〜〔0025〕の例と同じである。本装置は、廃油や鉱油に溶解しにくい水を添加し、エマルジョン化燃料を製造する場合等に、より効果的な乳化・分散装置として使用される。水を添加する場合には、更に0.1%程度の乳化剤を添加すれば、エマルジョン化燃料の保存安定性が向上する。電動ラインホモミキサーは、インバーターによりタービンの回転速度を1,000〜9,000rpmの範囲で任意に変えることが出来るが、通常の運転操作中は最大目盛の80%程度の回転速度(7,000〜8,000rpm)に設定する。小型簡易装置の製品排出量は500L/Hrであるが、必要に応じて、装置の能力アップをはかることが出来る。
本装置の運転者は、前記〔0024〕〜〔0025〕の例と同じ操作を行うが、電動ラインホモミキサーは、空運転を避けるため、循環ポンプCPの起動後に起動し、循環ポンプの停止前に停止するようにする等の注意が必要である。
ここでは、前記1〜4のフロー図における共通の本発明の構成特徴部分を例示して説明する。図5は、本発明において使用する廃油濾過器(篩式濾過器)SFを示す。図6は廃油供給タンクWOTへ篩式濾過器本体を取付けた状態の見取図である。図5の右上は蓋図CP、図5の右下は落とし型固定化フレームFF(濾材押えフレーム)ある。本廃油濾過器は、雨水除け付きフランジ型保持枠部F−1を両手で持ち上げることにより、廃油供給タンクへの取付け、取外しが容易であり、且つ前記保持枠部FFと廃油供給タンクのフランジ型の篩式濾過器取付け部図6のWP(雨水シール)により、風雨にさらされても、雨水が浸入しないような構造にしてある。簡単に取外しできるので、本濾過器のクリーニングと共に、廃油供給タンク内の状況確認やクリーニングも容易である。廃油濾過器底部の篩部M−3には100メッシュ(径150μm)の網を取り付けてあり、必要に応じて不織布等の濾材FSを敷いて、捕捉可能な固形物の粒度を適当に調節出来るようにした。濾材は、落とし型固定化フレーム(濾材押えフレーム)FFにより固定して使用し、濾材が目詰まりして濾過し難くなったら、落とし型固定化フレームを持ち上げて外し、捕捉された固形物を濾材で包み込んで容易に取り除くことが出来る。20〜50μm程度の開目の不織布が、廃油の濾過性及び後段の精密濾過器NWFの負荷を減じるのに適当である。
図8及び図9は、本発明のエマルジョン化液体燃料製造装置で使用される乳化・分散装置を例示するものであり、図8では乳化・分散させる手段がフローパイプ内に固定された部材、すなわちガイドベーン11とキノコ型のカレントカッター12を有する固定型タイプであり、固定型ラインホモミキサーSMEと呼ばれる。固定型タイプではエマルジョン液体燃料は原料混合液をポンプ圧により管内を高速で通過させて、含まれる複数の液体を微粒化しながら混合することによりエマルジョン化する。図9は、動力により高速で回転するタービン21とステーター22の間をエマルジョン液体燃料化する原料混合液を通過させ含まれる複数の液体を微粒化しながら混合する電動式ラインホモミキサーDMEである。このタイプでは、混合液を動力により高速で回転するタービン21とステーター22の間を通過させて、含まれる複数の液体を微粒化しながら混合することによりエマルジョン化を進行させる。これらの乳化・分散装置は、0.75KW程度の僅かな電力で、500L/Hr以上の能力で連続的に複数の液体粒子を破砕・微粒化混合しエマルジョン化することが出来る。小型で、省エネルギータイプである他、インバーターを使用することにより、単相100V電源でも使用可能にした。能力が大きい乳化・分散装置を使用すれば、より大きな処理能力にすることが出来る。
図7はノッチワイヤーフィルターのケース32を解体してノッチワイヤーNWを巻いて形成した濾過エレメント42を露出させたノッチワイヤーフィルターの組み立て構造を示す。濾過エレメント42の表面に不織布などの濾材44を巻いて精密濾過器NWFを構成させる。エマルジョン液体燃料を構成する液は、被濾過エマルジョン吸入口から通過孔を経て前記濾材およびノッチワイヤーフィルター42を経由し、濾過後エマルジョン通過孔を経て、濾過後エマルジョン排出口から循環パイプラインに輸送される。濾材44は、濾過エレメント42の表面に巻き付けるためにロール体からカットした濾材である。図9ではノッチワイヤーフィルターが2基併置(第2精密濾過器)されており、並列にまたは切り替えて循環パイプラインからのエマルジョン液体燃料の流入を、併流または切り替えて交互に精密濾過器NWFとし使用することができる態様を示す。逆洗手段NWは、逆洗手段切り替えハンドルにより切り替えられノッチワイヤーフィルターの目詰まりを逆洗するのに使用される。
ノッチワイヤーフィルターには、例えば市販の神奈川機器工業(株)製KOFストレーナーの様なノッチワイヤー42を巻いたノッチワイヤー濾過器NWFを使用できる。前記濾過器は、生成燃料の用途に応じて径10〜50μmの微細なノッチ(切込み)を刻んだステンレスワイヤー42を巻いた平滑な濾過エレメントを有する、前記逆洗手段付きの連続式精密濾過器である。ボイラー燃料用は50μm、ディーゼルエンジン用には25μm若しくは10μmのノッチを設けたワイヤーを用いて製造されたものを用いる。前記逆洗手段切り替えハンドルの操作により濾過エレメントの表面に付着した固形物を剥がし、除去することが出来る。本発明のようにノッチワイヤーフィルターに不織布等の濾材を巻いて使用する精密濾過器ではノッチワイヤーフィルターの洗浄は実質的に排除できる。必要な場合には、濾過エレメントを取り外し、灯油等で洗浄後、高圧エアー若しくはスチームで、詰まりを完全に除去する。濾材を巻いて使用する場合は、30〜50mmオーバーラップさせ、ゴム紐等で密着、固定する。こうすれば、より精密な濾過が可能となる。使用する濾材の交換は、本体ケース32を外し、濾材を剥がせば、捕捉された固形物と共に容易に取り除くことが出来る。濾材の使用により、廃油中に含まれる固形物の量や処理量に応じた精密濾過装置を形成でき、容易に機能性を変更することができることも、本発明のエマルジョン化液体燃料製造装置の大きな特徴である。以上のように、本発明の特徴の一つは、前記のように不織布の濾材FFとノッチワイヤー濾過器とを組み合わせて精密濾過器NWFを構成したことにもある。
ここでは、廃菜種油15%または20%および軽油85%または80%の原料から前記図1のエマルジョン液体燃料製造装置を用いて製造したエマルジョン化液体燃料の燃焼特性を示す。前記装置において、精密濾過器として、25μmの微細なノッチ(切込み)を刻んだステンレスワイヤーを巻いたノッチワイヤー濾過器に安積濾紙(株)製の8〜15μmの開目の不織布(この技術的な意味は、保留粒子径が8〜15μmであることを意味する。)を巻き付け(1層)たものを使用した。製品のエマルジョン化液体燃料は約7回(1時間)循環したものである。
表1(ディーゼルエンジン用廃菜種油混合燃料と軽油の分析値を示す。)に、前記本発明の前記図1の廃油改質・燃料化装置を使用し、廃菜種油と軽油の混合処理により生成されたディーゼルエンジン用燃料、混合油AおよびBの分析例を軽油のJIS規格及び市販品分析例(このデータは以降の分析例でも使用されている。)と比較して示した。混合比は廃菜種油20%、軽油80%(混合油B)と廃菜種油15%、軽油85%(混合油A)の例である。表2には、廃菜種油20%、軽油80%の混合燃料(混合油B)使用によるディーゼルエンジンテストの結果を軽油使用の場合と比較して示す。
Figure 2006028268
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前記表2に、固定運転状態での排ガス測定結果を示した。アイドリング運転時(回転速度:920rpm)には、廃菜種油混合燃料B(混合油B)の方が軽油より、THC(総炭化水素)、CO(一酸化炭素)排出濃度が高い傾向にあるが、通常の中速運転(回転速度:2,000rpm)及び高速運転(回転速度:2,500rpm)においては、逆転して、廃菜種油混合燃料Bの方が軽油より、THC(総炭化水素)、CO(一酸化炭素)排出濃度がむしろ低い傾向を示している。NOx(窒素酸化物)に関しては、明確な差は認められなかった。煤煙(Smoke)に関しては、アイドリング、中速及び高速運転全てにおいて、廃菜種油混合燃料Bの方が軽油より、良好な結果であった。また、表3に、10・15モード ディーゼルエンジンテストにおける燃費データを示した。廃菜種油混合燃料Bの方が軽油より、燃費性能が良い結果が得られている。表1の分析例で、セタン価、発熱量、90%留出温度、残留炭素分に関して、廃菜種油混合燃料Bが軽油より劣るとみられる傾向があったにもかかわらず、実際のエンジンテストでは、燃料の燃焼性が良いと考えられる結果が得られたのは、植物油である菜種油が含酸素燃料であるため等によると推定される。
これらの結果から、本装置により市販の軽油と同等以上の燃焼特性を持ち、かつ燃費の優れたディーゼルエンジン用燃料が得られたことが分かった。
Figure 2006028268
ここでは、廃大豆油とA重油とを原料として、前記図4のエマルジョン液体燃料製造装置を用いて製造したエマルジョン化液体燃料の燃焼特性を示す。前記装置において、精密濾過器として、50μmの微細なノッチ(切込み)を刻んだステンレスワイヤーを巻いたノッチワイヤー濾過器に安積濾紙(株)製の8〜15μmの開目の不織布を巻き付け(1層)たものを使用した。製品のエマルジョン化液体燃料は連続的に1〜2回循環したものである。
表4に、前記本発明の前記図4の廃油改質・燃料化装置を使用して得られた、廃大豆油とA重油の混合処理により生成されたボイラー用燃料の分析例をA重油のJIS規格及び市販品分析例と比較して示す。混合比は廃大豆油20%、A重油80%(混合油C)と廃大豆油30%、A重油70%(混合油D)の例である。両方共分析値はA重油の規格内に十分入っており、A重油と同等に使用可能であることが判る。表5には、廃大豆油30%、A重油70%の混合燃料(混合油D)使用によるボイラー燃焼テストの結果をA重油使用の場合と比較して示す。CO(炭酸ガス)濃度により、燃焼条件が同じであるか判断出来るが、ほぼ同じCO濃度の時のデータを比較すると、廃大豆油混合燃料Dの方がA重油より、NOxが若干低い傾向が認められ、また煤煙(Smoke)についても良好な結果が得られている。
Figure 2006028268
Figure 2006028268
ここでは、食品廃棄物飼料化施設からの、動物油等を含み、高温での取扱いで黒褐色に変色し、著しく劣化した廃食用油と軽油とを原料として、前記図2のエマルジョン液体燃料製造装置を用いて製造したエマルジョン化液体燃料の燃焼特性を示す。前記装置において、精密濾過器として、25μmの微細なノッチ(切込み)を刻んだステンレスワイヤーを巻いたノッチワイヤー濾過器に安積濾紙(株)製の8〜15μmの開目の不織布を巻き付け(1層)たものを使用した。製品のエマルジョン化液体燃料は7回(1時間)循環したものである。なお、前記の著しく劣化した廃食用油は濾過性が悪いので、前記図2のエマルジョン液体燃料製造装置に入れる前に、前処理として、廃食用油と軽油を等量混合し、1時間静置分離して底部に沈んだ不溶分を除去した。
表6には、前記本発明の前記図2の廃油改質・燃料化装置を使用し、食品廃棄物飼料化施設からの、動物油等を含み、高温での取扱いで黒褐色に変色し、著しく劣化した廃食用油と軽油の混合処理により生成されたディーゼルエンジン用燃料の分析例を軽油のJIS規格及び市販品分析例と比較して示す。混合比は廃食用油10%、軽油90%(混合油E)と廃食用油20%、軽油80%の例(混合油F)である。表7には、前記の廃食用油20%、軽油80%の混合燃料(混合油F)使用によるディーゼルエンジンテストの結果を軽油使用の場合と比較して示す。固定運転状態での排ガス測定結果を示した。通常の中速運転(回転速度:2,000rpm)においては、廃食用油混合燃料Fと軽油使用時共に、THC(総炭化水素)、CO(一酸化炭素)排出濃度がほぼ同等であるが、アイドリング運転時(回転速度:920rpm)と高速運転時(回転速度:2,500rpm)においては、廃食用油混合燃料Fの方が軽油より、THC(総炭化水素)、CO(一酸化炭素)排出濃度が若干高い傾向が認められた。NOx(窒素酸化物)に関しては、アイドリング運転時(回転速度:920rp)において、廃食用油混合燃料Fの方が軽油より低い傾向を示した。煤煙(Smoke)に関しては、アイドリング、中速及び高速運転全てにおいて、廃食用油混合燃料Fの方が軽油より良好な結果であった。また、表8に、10・15モード ディーゼルエンジンテストにおける燃費データを示した。廃食用油混合燃料Fの方が軽油より、燃費性能が若干良い結果が得られている。表6の分析例で、セタン価、発熱量、90%留出温度、残留炭素分に関して、廃食用油混合燃料Fが軽油より劣るとみられる傾向があったにもかかわらず、実際のエンジンテストでは、燃料の燃焼性がほぼ同等の結果が得られたのは、廃食用油が含酸素燃料であるため等によると推定される。実施例1〔0031〕〜〔0035〕と異なり、高速運転時(回転速度:2,500rpm)において、廃食用油混合燃料Fの方が軽油よりTHC(総炭化水素)、CO(一酸化炭素)排出濃度が若干高い傾向が認められたのは、廃食用油に動物油や常温で固化する植物油等燃焼しにくい成分が含まれていたためと推定される。
Figure 2006028268
Figure 2006028268
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ここでは、食品廃棄物飼料化施設からの、動物油等を含み、高温での取扱いで黒褐色に変色し、著しく劣化した廃食用油とA重油とを原料として、前記図4のエマルジョン液体燃料製造装置を用いて製造したエマルジョン化液体燃料の燃焼特性を示す。前記装置において、精密濾過器として、50μmの微細なノッチ(切込み)を刻んだステンレスワイヤーを巻いたノッチワイヤー濾過器に安積濾紙(株)製の8〜15μmの開目の不織布を巻き付け(1層)たものを使用した。製品のエマルジョン化液体燃料は連続的に1〜2回循環したものである。なお、前記の著しく劣化した廃食用油は濾過性が悪いので、前記図2のエマルジョン液体燃料製造装置に入れる前に、前処理として、廃食用油とA重油を等量混合し、1時間静置分離して底部に沈んだ不溶分を除去した。
表9には、前記本発明の前記図4の廃油改質・燃料化装置を使用し、食品廃棄物飼料化施設からの、動物油等を含み、高温での取扱いで黒褐色に変色し、著しく劣化した廃食用油とA重油の混合処理により生成されたボイラー用燃料の分析例をA重油のJIS規格及び市販品分析例と比較して示す。混合比は廃食用油50%、A重油50%(混合油G)の例である。A重油の規格に十分適合する分析値が得られており、A重油と同等に使用できると考えられる。発熱量は若干低いが、食用油が含酸素燃料であることから燃焼性の改善が期待できるので、実際のボイラー運転では、ある程度補償されるものと推定される。
Figure 2006028268
ここでは、化学工場から排出され、産業廃棄物として処理されている常温で流動性が無い廃油とA重油とを原料として、前記図3のエマルジョン液体燃料製造装置を用いて製造したエマルジョン化液体燃料の燃焼特性を示す。前記装置において、精密濾過器として、50μmの微細なノッチ(切込み)を刻んだステンレスワイヤーを巻いたノッチワイヤー濾過器に安積濾紙(株)製の10〜20μmの開目の不織布を巻き付け(1層)たものを使用した。製品のエマルジョン化液体燃料は連続的に1〜2回循環したものである。
表10には、前記本発明の前記図3の廃油改質・燃料化装置を使用し、化学工場から排出され、産業廃棄物として処理されている常温で流動性が無い廃油とA重油の混合処理により生成されたボイラー用燃料(混合油H)の分析例を、A重油のJIS規格及び市販品分析例と比較して示す。混合比は工場廃油20%、A重油80%である。本発明による処理前に、廃油を65℃に加熱してA重油と等量混合し、安積濾紙(株)製の8〜15μm開目の不織布を用いた予備濾過を行った。A重油代替燃料として十分使用可能な分析値が得られている。
Figure 2006028268
ここでは、一般的な廃菜種油(トリアシルグリセロール)20%、軽油80%の混合燃料及び花王(株)製の廃エコナ油(ジアシルグリセロール)20%と軽油80%を原料として、前記図1のエマルジョン液体燃料製造装置を用いて製造したエマルジョン化液体燃料の燃焼特性を示す。前記装置において、精密濾過器として、25μmの微細なノッチ(切込み)を刻んだステンレスワイヤーを巻いたノッチワイヤー濾過器に安積濾紙(株)製の8〜15μmの開目の不織布を巻き付け(1層)たものを使用した。製品のエマルジョン化液体燃料は7回(1時間)循環したものである。
表11及び表12には、前記本発明の前記図1の廃油改質・燃料化装置を使用し、一般的な廃菜種油(トリアシルグリセロール)20%、軽油80%の混合燃料(混合油I)及び花王(株)製の廃エコナ油(ジアシルグリセロール)20%と軽油80%の混合燃料(混合油J)使用によるクボタトラクターのディーゼルエンジンテストの結果を軽油使用の場合と比較して示す。表11に、固定運転状態での排ガス測定結果を示した。各運転状況(各回転速度)において、CO(一酸化炭素)及びNOx(窒素酸化物)に関して、排出濃度に明確な差は認められなかった。アイドリング(回転速度:1,100rpm)において、CO(一酸化炭素)排出濃度が若干高い傾向にある。煤煙(Smoke)に関しては、各運転状況(各回転速度)において、廃菜種油混合燃料I及び廃エコナ混合燃料Jの方が軽油より、若干良好な結果であった。また、表12に、牽引力測定結果を軽油の場合と比較して示す。廃菜種油混合燃料I及びエコナ混合燃料Jの方が軽油より、発熱量が小さいにもかかわらず、実際の牽引テストでは、同等若しくは良好な結果が得られた。特に廃エコナ混合燃料Jの場合に良好な結果が得られている。これは、含酸素燃料の影響が出ているものと推定される。
Figure 2006028268
Figure 2006028268
以上のように、本発明の廃油改質・燃料化装置を使用すれば、鉱油以外の燃焼成分を含む液体を使用して各種のエマルジョン燃料を生成することが出来る。特に、陰イオン界面活性剤若しくは非イオン界面活性剤を0.01〜1%添加して処理を行うと、半月以上安定なエマルジョン燃料が得られることも確認されている。廃食用油60%と廃発酵エタノール水蒸留液(エタノール60%含有水溶液)に非イオン界面活性剤として、例えば花王(株)製のエマルゲン420を0.1%添加した液体40%を本発明の廃油改質・燃料化装置を使用して混合処理を行い、ボイラーや焼却炉等の固定燃焼炉用に使用し得る安定なエマルジョン燃料が得られることも確認している。
実施例のバッチ式簡易廃油改質・燃料化装置SME−Iのフロー図である。 実施例のバッチ式簡易廃油改質・燃料化装置DME−Iのフロー図である。 実施例の連続式簡易廃油改質・燃料化装置SME−IIのフロー図である。 実施例の連続式簡易廃油改質・燃料化装置DME−IIフロー図である。 実施例の配合・混合タンクMTの廃油容部上部に取り付ける廃油濾過器SFである。 実施例の配合・混合タンクMTの廃油容部上部の雨水シール濾過器取り付け構造を示す図 実施例の精密濾過器(ノッチワイヤーフィルター)、特に2基併設型の一方を分解した図 実施例の乳化・分散装置(固定型ラインホモミキサー)の断面図 実施例の乳化・分散装置(電動ラインホモミキサー)の断面図
符号の説明
SF 廃油濾過器 (篩式濾過器)
NWF 精密濾過器 (ノッチワイヤーフィルター)
SME 固定型乳化・分散装置 (固定型ラインホモミキサー)
DME 電動式乳化・分散装置 (電動ラインホモミキサー)
MT 配合・混合タンク (循環処理油タンク)
WOT 廃油供給タンク CP 循環ポンプ (ギヤーポンプ)
WOP 廃油供給ポンプ (ギヤーポンプ)
POP 鉱油供給ポンプ (ギヤーポンプ)
FI 流量計 LG 液面計 LC 液面レベルスイッチ PG 圧力計
F 60メッシュストレーナー V− ボール弁 WO 廃油
PO 鉱油 W 水 EA 乳化剤 FO 製品燃料
WP 篩式濾過器取付け部 M−3 篩部(100メッシュ網)
F−1 雨水除け付きフランジ型保持枠部
CP 蓋 FF 落とし型固定化フレーム(濾材押えフレーム)
FS 濾材(不織布等) 11 ガイドベーン 12 カレントカッター
21 タービン 22 ステーター 32 ケース 34 空気抜き栓
42 濾過エレメント 44 濾過エレメント巻付け濾材(不織布等)

Claims (6)

  1. 廃油からエマルジョン液体燃料を製造する装置であって、径20〜100μmの不溶成分を除去できる不織布製および紙製の濾材から選択される濾材を載置出来る篩式濾過器を設けた前記廃油供給部、前記廃油と混合されエマルジョン液体燃料を形成する鉱油供給部、および必要に応じて設けられた前記エマルジョン液体燃料化を改善する添加成分供給部、前記各供給部から供給された廃油、鉱油およびエマルジョン液体燃料化改善添加成分を収容する配合・混合タンク、前記配合・混合タンクに接続・配置された、前記収容成分からエマルジョン液体燃料化を阻害する径20μm未満で8μmを越える不溶成分を除去可能な不織布製および紙製の濾材から選択される濾材をノッチワイヤーフィルター表面に配置した精密濾過器および固定式若しくは電動式の乳化・分散装置が配置されたパイプライン系、前記パイプライン系は前記精密濾過器および乳化・分散装置を経由したエマルジョン化液体燃料の全部若しくは一部を前記配合・混合タンクに循環供給するパイプラインが配管されており、前記循環パイプラインの配合・混合タンクへの戻し側先端部は前記タンクの底部近くまで延びて前記循環エマルジョン化液体燃料を配合・混合タンクに収容されたエマルジョン化液体燃料中に前記循環液体燃料を吹き上げ撹拌するように設置されており、前記配合・混合タンク内の収容各成分を前記パイプライン系に供給する側は少なくとも前記配合・混合タンクの下部に設置されていることを特徴とするエマルジョン液体燃料を製造する装置。
  2. 前記配合・混合タンクが、径20〜100μmの不溶成分を捕捉する不織布製および紙製の濾材から選択される濾材を篩面に載置することが出来る篩式濾過器を設けた前記廃油供給部としての液面計付きの廃油計量・収容部と、前記廃油と混合されエマルジョン液体燃料を形成する鉱油供給部としての液面計付きの鉱油計量・収容部とに分割されており、循環エマルジョン液体燃料化処理時には、循環パイプラインの戻し側先端部が設置された収容部の循環エマルジョン化液体燃料がオーバーフローして他方の収容部に循環させる連通管が設けられ、収容各成分を循環パイプライン系に供給するパイプラインは前記配合・混合タンクの各収容部の各下部に設置されていることを特徴とする請求項1に記載のエマルジョン液体燃料を製造する装置。
  3. 廃油、前記廃油と混合されエマルジョン液体燃料を形成する鉱油および前記エマルジョン燃料改善添加成分からなるエマルジョン液体燃料化成分を、前記エマルジョン液体燃料成分からエマルジョン液体燃料化を阻害する径20μm未満で8μmを越える不溶成分を除去可能な不織布製および紙製の濾材から選択される濾材をノッチワイヤーフィルター表面に配置した精密濾過器および固定式若しくは電動式の乳化・分散装置が配置されたパイプライン系供給・循環させる送液手段として前記精密濾過器の上流部に配置したギヤ−ポンプを用いることを特徴とする請求項1または2に記載のエマルジョン液体燃料を製造する装置。
  4. 乳化・分散装置として乳化・分散部材を管内に固定配置した固定型ラインミキサー若しくは小型電動式ラインミキサーを用いることを特徴とする請求項1、2または3に記載のエマルジョン液体燃料を製造する装置。
  5. 廃油、前記廃油と混合されエマルジョン液体燃料を形成する鉱油および前記エマルジョン燃料改善添加成分からなるエマルジョン液体燃料成分からエマルジョン液体燃料化を阻害する径20μm未満で10μmを越える不溶成分を連続的に取り除くための精密濾過器は20μm未満で8μmを越える成分が除去可能な不織布製および紙製の濾材から選択される濾材を10〜50μmの微細なフィルタークリアランス開口を形成するステンレス製のノッチワイヤーを巻いて構成されたノッチワイヤーフィルター表面に巻き付けて固定した構成からなることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のエマルジョン液体燃料を製造する装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のエマルジョン液体燃料を製造する装置の精密濾過器および乳化・分散装置が配置されたパイプライン系がエマルジョン液体燃料を少なくとも燃料とする燃焼装置に直結して使用することを特徴とするエマルジョン液体燃料製造装置付き燃焼装置。
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