JPH1042184A - フイルムスキャナーの自動焦点調節装置 - Google Patents

フイルムスキャナーの自動焦点調節装置

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JPH1042184A
JPH1042184A JP8197809A JP19780996A JPH1042184A JP H1042184 A JPH1042184 A JP H1042184A JP 8197809 A JP8197809 A JP 8197809A JP 19780996 A JP19780996 A JP 19780996A JP H1042184 A JPH1042184 A JP H1042184A
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JP8197809A
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Inventor
Yoshinori Ota
義則 太田
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フイルムスキャナーで写真画像に自動的にピ
ント合わせを行う際に、写真画像のもつパターンやズー
ム操作に影響を受けないようにする。 【解決手段】 イメージセンサ10からの撮像信号をA
/Dコンバータ12でデジタル変換してバンドパスフィ
ルタ18に入力する。バンドパスフィルタ18は、ロー
パスフィルタとして作用するプログラマブルデジタルフ
ィルタ18aと、ハイパスフィルタとして作用するプロ
グラマブルデジタルフィルタ18bとからなる。バンド
パスフィルタ18による通過帯域は、データROM24
に書き込まれた設定値データにより変更することができ
る。オペレータは写真画像の絵柄パターンに応じ、ユー
ザインターフェース33を介してフォーカスモード設定
回路34にモード設定を行う。CPU22は設定モード
に対応した設定値データをデータROM24から読出
し、バンドパスフィルタ18の通過帯域を変更する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ネガフイルムある
いはポジフイルムに撮影された画像を撮像して画像信号
を得るフイルムスキャナーに関するもので、詳しくは撮
像時のピント合わせを的確かつ迅速に行うことができる
ようにしたフイルムスキャナー用の自動焦点調節装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ネガフイルムやポジフイルムに撮影され
た写真画像をCRTに表示したり、あるいはビデオプリ
ンタに出力して画像のハードコピーを得ようとする場合
には、光学的な写真画像を画像信号に変換するためにフ
イルムスキャナーが用いられる。フイルムスキャナーは
フイルム面に正対して写真画像を撮像するイメージセン
サ(固体撮像素子)を内蔵しており、このイメージセン
サから得られる撮像信号に適宜の信号処理を施すことに
よって画像信号が得られる。
【0003】フイルム面とイメージセンサとの間には撮
像レンズが配置され、写真画像が正しくイメージセンサ
の光電面上に結像されるようにピント合わせが行われ
る。フイルムスキャナーでは、撮像対象となるフイルム
がフイルムキャリアによって保持され、しかも撮像レン
ズからほぼ一定の距離位置にセットされることになるた
め、一般のビデオカメラや電子スチルカメラなどのよう
に広い距離範囲にわたってピント合わせを行わなくても
よいが、フイルムキャリアを変更したときにフイルム面
が移動したり、撮像対象となるフイルムが種類ごと,メ
ーカーごとに厚みが異なることなどを考慮すると、やは
りピント合わせを行う必要がある。
【0004】フイルムスキャナーにおいて自動的にピン
ト合わせを行うには、例えば特開昭61−41277号
公報,特開昭63−215268号公報,特開平1−7
774号公報に記載されたような自動焦点調節装置を用
いることができる。これらの自動焦点調節装置は、基本
的にはイメージセンサの撮像画面内に設定した所定エリ
ア内の撮像信号に含まれる所定帯域内の空間周波数に対
応する評価信号を積分し、この積分値がピークとなるよ
うに撮像レンズを移動調節している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の自動焦
点調節装置では、所定エリア内の撮像信号を一定の通過
帯域幅をもったバンドパスフィルタを通すことによっ
て、一定帯域内の空間周波数に対応した評価信号を抽出
しているため、写真画像のもつパターンによっては適正
なピント合わせができないという現象が生じていた。一
般にはバンドパスフィルタの通過帯域を高域側に設定す
るとピント合わせを鋭敏に行うことができるが、例えば
主要被写体の背景に海面が写っていたようなときには、
海面の小波に対して過敏なピント合わせが行われること
があり、様々なパターンが想定される一般的な被写体に
対しては必ずしも適切な通過帯域の設定とは言えない。
逆に、バンドパスフィルタの通過帯域を低域側に設定す
ると、前述した積分値のピークがなだらかになり過ぎ
て、ピークを正しく識別することができなくなるという
問題がある。
【0006】さらに、写真画像一画面の中からその一部
だけを撮像してCRTやビデオプリンタなどの外部機器
に出力させることができるように、フイルムスキャナー
の撮像レンズにはズームレンズを用いることが多い。と
ころが、撮像レンズをズーミングした場合には、イメー
ジセンサから得られる撮像信号の空間周波数成分が変化
することになり、従来のようにバンドパスフィルタの通
過帯域を一定にしたままでは、ズーミングの度合によっ
てはうまくピント合わせができないという不都合が生じ
ていた。
【0007】本発明は上記問題を解決するためになされ
たもので、被写体のパターンに大きく左右されることが
なく、しかもズーミングを行っても適切なピント合わせ
ができるようにしたフィルムスキャナー用の自動焦点調
節装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、撮像信号から所定帯域内の空間周波数成分
に対応する評価信号を抽出するためのバンドパスフィル
タをプログラマブルデジタルフィルタで構成し、外部設
定入力によってプログラマブルデジタフィルタによる空
間周波数の通過帯域を可変できるようにしたものであ
る。
【0009】さらに、ズーム機能をもつ撮像レンズを通
して撮像が行われることを考慮し、本発明では撮像レン
ズのズーム動作に連動してプログラマブルデジタルフィ
ルタの通過帯域を可変できるように構成される。ズーム
動作に連動してプログラマブルデジタルフィルタの通過
帯域を変更するには、撮像レンズのズーム位置を検出す
るズーム検出手段と、ズーム位置とプログラマブルデジ
タルフィルタの通過帯域変更用の設定値データとを対応
づけたデータメモリとが用いられ、撮像レンズをズーミ
ングさせたときには、ズーム検出手段で検出されたズー
ム位置に応じて前記データメモリから設定値データを読
み出してプログラマブルデジタルフィルタによる空間周
波数の通過帯域が変更される。
【0010】
【発明の実施の形態】図1に本発明を用いたフイルムス
キャナーの構成を概略的に示す。フイルム2はフイルム
キャリア3で保持され、光源装置4と撮像レンズ5との
間にセットされる。光源装置4は、周知のように照明ラ
ンプ,光量調節用の絞り,色温度補正用のカラーフィル
タ等を内蔵し、フイルム2に背後から照明光を与える。
なお、フイルム2がネガフイルムであるときには、後述
するデジタル信号処理回路においてネガ/ポジ反転処理
を行うことによって、ポジフイルムと同様に処理するこ
とができる。
【0011】撮像レンズ5は、変倍レンズ5aとフォー
カスレンズ5bとから構成され、各々のレンズを光軸方
向に移動させることによってズーミングとフォーカシン
グが行われる。各々のレンズを移動させるために、ズー
ムドライバ6,フォーカスドライバ7が用いられ、それ
ぞれステッピングモータ6a,7aの駆動により移動制
御が行われる。変倍レンズ5aにはズーム位置検出手段
としてポテンショメータ8が併設されており、ポテンシ
ョメータ8は変倍レンズ5aの移動に連動してその抵抗
値が変化してズーム位置と一対一に対応した電圧信号を
出力する。
【0012】撮像レンズ5の結像面にはイメージセンサ
10が設けられている。イメージセンサ10の光電面に
は微少な赤,緑,青のカラーフィルタがマトリクス状に
配列されており、これらのカラーフィルタを透過した光
がピクセルごとに光電変換され、信号電荷の蓄積が行わ
れる。なお、イメージセンサ10には多くCCD固体撮
像素子が用いられるが、もちろん他の固体撮像素子を用
いることも可能である。イメージセンサ10を駆動する
ためにセンサドライバ11が用いられており、イメージ
センサ10からはピクセルごとの信号電荷が時系列に読
み出され、撮像信号として出力される。
【0013】イメージセンサ10からの撮像信号は、所
定のサンプリング周波数のもとでA/Dコンバータ12
によりデジタル変換される。デジタル化された撮像信号
はデジタル信号処理回路14に時系列に入力される。デ
ジタル信号処理回路14は、入力された撮像信号を色ご
とに読み込んでマトリクス演算を行い、RGB画像信号
とコンポジット画像信号との2種類の画像信号を生成す
る。なお、デジタル信号処理回路14ではγ補正や信号
レベルの調整,カラーバランスの調整も行われる。こう
して得られたRGB画像信号は、オペレータが画像信号
の取り込み入力を行った時点で、デジタル信号のままR
GB出力端子に出力され、またコンポジット画像信号は
D/Aコンバータ15でアナログ変換の後にコンポジッ
ト出力端子に出力される。なお、コンポジット画像信号
はフイルムスキャナーに内蔵されているCRTモニター
16に逐次に送られるようになっており、フイルムスキ
ャナーを作動させている期間中、オペレータはフイルム
2の写真画像を観察することができる。
【0014】A/Dコンバータ12からの撮像信号はバ
ンドパスフィルタ18にも入力される。バンドパスフィ
ルタ18はカスケード接続された2つのプログラマブル
デジタルフィルタ18a,18bとからなる。前段のプ
ログラマブルデジタルフィルタ18aは、概念的には時
系列で入力されてくる撮像信号相互間の差を求め、その
差が設定値KH 以下のものを評価信号として出力する。
また、後段のプログラマブルデジタルフィルタ18bは
前段から入力されてくる評価信号のうち、その値が設定
値KL 以上のものを出力する。この結果、バンドパスフ
ィルタ18からは、撮像信号相互間の差が一定範囲内の
差分データが出力される。
【0015】撮像信号相互間の差は、時系列に出力され
てくる撮像信号のもつ空間周波数に対応し、その差が大
きいほど空間周波数が高いことを意味する。したがっ
て、バンドパスフィルタ18の上記作用は、撮像信号に
含まれる空間周波数を低域カット周波数fL と高域カッ
ト周波数fH でフィルタリングし、これらのカット周波
数で挟まれた周波数帯域内の変化幅データ(+,−の双
方がある)を評価信号として出力することに対応する。
そして、高域カット周波数fH は前段のプログラマブル
デジタルフィルタ18aにタップ係数として入力される
設定値KH に対応して決まり、低域カット周波数fL
後段のプログラマブルデジタルフィルタ18bにタップ
係数として入力される設定値KL に対応して決まること
になる。
【0016】なお、上記プログラマブルデジタルフィル
タ18a,18bにはLOGIC社製の「12×10ビ
ット マトリクス マルチプライヤ LF2250」
(商品名)などを用いることができ、さらに高度なフィ
ルタリング演算を行わせことによって、より高精度の評
価信号を得ることも可能である。また、評価信号は写真
画像の全画面分の撮像信号から得るようにしてあるが、
バンドパスフィルタ18の前段にマスキング回路を設け
ることによって、全画面のうちの一部、例えば主要被写
体の存在確率が高い画面中心を含む部分的な範囲からの
撮像信号に基づいて評価信号を得ることもできる。
【0017】それぞれのプログラマブルデジタルフィル
タ18a,18bのタップ係数を変更するために、プロ
グラマブルデジタルフィルタ18a,18bはバスライ
ン20を介してCPU22と接続されている。CPU2
2は必要に応じてデータROM24に格納された設定値
データを読み出し、これをタップ係数としてプログラマ
ブルデジタルフィルタ18a,18bに入力して、設定
値KH ,KL の変更を行う。
【0018】絶対値変換回路25は、バンドパスフィル
タ18から送られてくる評価信号の絶対値をとって積算
回路26に入力する。積算回路26は一画面分の評価信
号を積算する。評価信号の積算値は、低域カット周波数
L と高域カット周波数fHで挟まれた空間周波数帯域
に属する変化幅データの総和となっている。そして、フ
イルム2上の写真画像に対して撮像レンズ5のピント合
わせが最も適切であるときに、評価信号の積算値が最大
になることを利用して撮像レンズ5のピント合わせが行
われる。
【0019】このため、CPU22はバスライン20を
介して積算回路26から評価信号の積算値を読み込んで
RAM27に書き込んだ後、フォーカスドライバ7,ス
テッピングモータ7aによりフォーカスレンズ5bを光
軸方向のいずれか一方に移動させる。そして、この状態
で得られた撮像信号に基づき、同様にして評価信号の積
算が行われ、CPU22がこれを読み込む。この新たな
積算値が前回の積算値よりも大きいときには、再びフォ
ーカスレンズ5bを同方向に移動させ、再度評価信号の
積算値を読み込んで前回の積算値と比較する。この処理
を繰り返してゆき、評価信号の積算値が前回の値よりも
小さくなったとき、評価信号の積算値がピークに達した
ことが分るから、その時点でピント合わせが終了する。
【0020】最初のフォーカスレンズ5bの移動により
評価信号の積算値が最初の値よりも小さくなったときに
は、フォーカスレンズ5bの移動方向を逆にして同様の
処理を行う。なお、評価信号の積算値のピークを探すに
あたっては、さらに様々な処理を付加することも可能で
ある。例えば、前回に得られた評価信号の積算値との差
が大きく異なる場合にはフォーカスレンズ5bの移動量
を大きくし、積算値の変化が小さくなってきたときには
フォーカスレンズ5bの移動量を細かくする制御を行っ
たり、また評価信号の積算値が順次に上昇してゆき、前
回の値よりも小さくなったときにはフォーカスレンズ5
bを前回の位置との間に戻してピント合わせを終えるな
どの手法を採ることもできる。
【0021】また、CPU22は、バスライン20,D
/Aコンバータ28,光源制御回路29により光源装置
4の作動を制御する。例えば、デジタル信号処理回路1
4による信号レベルの調整やカラーバランスの調整では
対応しきれないときには、光源装置4の光量調節用の絞
りを制御したり、あるいは色温度補正用のカラーフィル
タを切り換える。
【0022】このフイルムスキャナーによって行われる
上述の基本的なシーケンスプログラム、あるいはシーケ
ンスプログラムの実行過程で適宜に読み出される基準デ
ータはROM30に格納されている。また、シーケンス
プログラムの実行過程で得られる各種のデータ,フラグ
などはRAM27内のワークエリアに一時的に保管さ
れ、あるいは適宜に更新される。
【0023】データROM24には、前述したように、
バンドパスフィルタ15の低域カット周波数fL 及び高
域カット周波数fH を決めるための設定値データが格納
されている。この設定値データには、ユーザが選択する
初期設定値データと、ズーム操作に連動して自動的に変
更される変倍補正データとの2種類がある。図2はデー
タROM24を概念的に示すもので、アドレス「000
1」〜「0003」のメモリエリアに初期設定値データ
が格納され、アドレス「1001」以降のメモリエリア
に変倍補正データが格納されている。
【0024】初期設定値データは、ハイコントラストモ
ード用,標準モード用,ローコントラストモード用の3
種類が用意されており、撮像対象となるフイルム2の写
真画像の絵柄に応じてオペレータが選択する。例えば写
真画像が細かい絵柄のものであるときには、キーボード
等のユーザインターフェース33を介してオペレータが
「ハイコントラストモード」を選択すると、CPU22
がフォーカスモード設定回路34を通してこれを読み込
み、データROM24からアドレス「0001」のハイ
コントラスト用の設定値データKH0,KL1を読み込んで
プログラマブルデジタルフィルタ18a,18bにタッ
プ係数として転送する。
【0025】この結果プログラマブルデジタルフィルタ
18a,18bの設定値KH ,KLはそれぞれKH0,K
L1となり、図3に二点鎖線で示すように、サンプリング
周波数をfS としたとき、振幅特性を劣化させることの
ない高域カット周波数fH は(2/5)fS 、低域カッ
ト周波数fL は(3/10)fS となる。したがって、
バンドパスフィルタ18は撮像信号に含まれる空間周波
数のうち、高域周波数を重視して評価信号を抽出するよ
うになる。同様に、オペレータが標準モード,ローコン
トラストモードを選択したときには、それぞれアドレス
「0002」,「0003」の初期設定データによって
プログラマブルデジタルフィルタ18a,18bの設定
値KH ,KL が決まり、それぞれ図3に実線,破線で示
すフィルタリング特性が初期設定される。なお、一方の
設定値KH はいずれのモード選択でも一定値KH0となっ
ているため、高域カット周波数fH は(2/5)fS
ままであるが、モードごとにこれを変更するようにして
もよい。
【0026】一方、アドレス「1001」以降に書き込
まれた変倍補正データは、撮像レンズ5をズーム操作し
たときにCPU22によって読み込まれ、それぞれプロ
グラマブルデジタルフィルタ18a,18bにタップ係
数の補正データとして入力される。オペレータがズーム
操作を行うと、ズーム操作回路35からの信号がCPU
22によって読み込まれ、撮像レンズ5の変倍レンズ5
aが光軸方向に移動してズーミングが行われる。変倍レ
ンズ5aの移動によりポテンショメータ8からの電圧信
号が変わり、この電圧信号はA/Dコンバータ37によ
りデジタル変換され、ズーム位置信号としてCPU22
によって読み取られる。
【0027】CPU22はズーム位置信号の変化に対応
してデータROM24から変倍補正データを読み込み、
これをタップ係数の補正データとしてプログラマブルデ
ジタルフィルタ18a,18bに入力する。例えば、撮
像レンズ5の焦点距離が5mm(広角端)〜25mm
(望遠端)の間で可変できるとき、オペレータが「標準
モード」の選択を行うと、バントパスフィルタ18のフ
ィルタリング特性は図4に実線で示すように低域カット
周波数fL が(1/5)fS 、高域カット周波数fH
(2/5)fS に初期設定される。そして、撮像レンズ
5を広角端でそのまま使用するときには、変倍補正デー
タとしてはアドレス「1001」の補正データ「1,
1」が読み込まれ、プログラマブルデジタルフィルタ1
8a,18bに入力される。この場合には、初期設定デ
ータのままでバンドパスフィルタ18の通過帯域が決ま
る。
【0028】ズーム操作を行って焦点距離が1mm延長
されるごとに、CPU22はデータROM24にアドレ
ス「1002」,「1003」,・・・とアクセスして
変倍補正データ「a1 ,b1 」,「a2 ,b2 」,・・
・を読み込み、これをプログラマブルデジタルフィルタ
18a,18bにタップ係数の補正データとして入力す
る。これにより、図4に一点鎖線で示すように、低域カ
ット周波数fL ,高域カット周波数fH が補正データに
応じて低周波側にシフトする。なお、オペレータが「ハ
イコントラストモード」,「ローコントラストモード」
に初期設定したときにも同様のシフト処理が行われる。
【0029】以下、上記フイルムスキャナーのピント合
わせ作用について説明する。図5のフローチャートに示
すように、まずステップ1(ST1)でオペレータの選
択モードが読み込まれる。例えばフイルム2の写真画像
のもつ絵柄パターンが標準的なもので、これに対応して
「標準モード」が選択されているときには、ST2,S
T3の処理によりデータROM24からアドレス「00
02」に格納された初期設定値データ「KH0,KL2」が
タップ係数としてプログラマブルデジタルフィルタ18
a,18bに入力される。これにより、バンドパスフィ
ルタ18の通過帯域は図3に実線で示す標準モードに設
定される。
【0030】図6は、横軸に撮像信号に含まれる空間周
波数を、縦軸に空間周波数ごとの評価信号強度(絶対
値)をとったときの周波数分布特性を示すもので、空間
周波数は概念的に撮像信号相互間の差の度合に対応し、
評価信号強度は空間周波数ごとのサンプル数に差の度合
を乗算した値に対応する。撮像信号に含まれる空間周波
数は広範囲にわたっているが、設定モードに応じてバン
ドパスフィルタ18の低域,高域のカット周波数を決め
ることによって、それぞれ限られた周波数帯域での評価
信号強度がピント合わせに用いられる。そして、ハイコ
ントラストモードでは空間周波数の高い領域に属する評
価信号が重点的に用いられ、標準モード,ローコントラ
ストモードになるにしたがって、空間周波数の低い領域
の評価信号までも含めてピント合わせに用いられる。そ
して、図6に実線で示す「標準モード」が選択される
と、その通過帯域内での評価信号がバンドパスフィルタ
18から出力され、積算回路26で積算される。
【0031】オペレータがズーム操作を行わないときに
は、この積算値は、図6の評価信号強度を標準モードで
示す曲線で囲まれた範囲内の評価信号強度を加算した値
に対応しており、フォーカスレンズ5bの移動量に対し
て図7にで示す相関をもって変化する。そして、フォ
ーカスレンズ5bが合焦位置にきたときに評価信号の積
算値がピークとなる。したがって、評価信号の積算値を
監視しながらフォーカスドライバ7,ステッピングモー
タ7aを介してフォーカスレンズ5bのセット位置をフ
ィードバック制御することによって、フォーカスレンズ
5bを合焦位置で停止させることができる。
【0032】こうしてフォーカスレンズ5bを合焦位置
に移動させると、CRTモニタ16には鮮明な写真画像
が表示されるから、オペレータはユーザインターフェー
ス33を介して画像信号の取り込み入力を行う。これに
より、デジタル信号処理回路14からピント合わせ後の
画像信号がRGB出力端子あるいはコンポジット出力端
子から出力される。なお、CRTモニタ16の画面には
単に写真画像が表示されるだけでなく、ピント合わせ処
理の過程で得られる評価信号の積算値データがデジタル
表示され、あるいは図7に示すピント合わせ曲線がシミ
ュレーション表示される。したがって、この表示を確認
した上でオペレータは画像信号の取り込み入力を行うこ
とが可能となる。
【0033】画像取り込み入力を行う前にオペレータが
望遠側にズーム操作を行うと、ST4,ST5の処理に
よりデータROM24から変倍補正データの読み込みが
行われる。そしてズーム位置のセット位置に応じた変倍
補正データがプログラマブルデジタルフィルタ18a,
18bに入力され、ST2,3により初期設定値データ
の変更が行われる。これに伴い、図4に示すようにバン
ドパスフィルタ18の低域,高域のカット周波数fL
H が低域側にシフトされる。
【0034】撮像レンズ5を望遠側にズーム操作するこ
とにより写真画像のもつ空間周波数は低域側にシフトす
るから、これに合わせてバンドパスフィルタ18の通過
帯域を低域側に補正することによって、フォーカスレン
ズ5bの移動に伴う評価信号の積算値の変化は図7の
曲線に沿うものとなり、良好なピント合わせを行うこと
かできる。なお、撮像レンズ5を望遠側にズーム操作し
たのにも係わらず、バンドパスフィルタ18のカット周
波数fL ,fH を初期設定のままにすると、写真画像の
もつ空間周波数に対してバンドパスフィルタ18のカッ
ト周波数fL ,fH が高域側に設定されることになる。
【0035】このままの状態でピント合わせ処理を行う
と、フォーカスレンズ5bの移動に対して評価信号の積
算値の変化は、図7にで示すように、デフォーカス領
域では変化に乏しいのに対し、合焦位置付近では変化が
激しくなる。この結果、最初の段階では評価信号の積算
値に変化が小さ過ぎてフォーカスレンズ5bの移動方向
が分りにくくなり、また合焦位置付近では評価信号の積
算値に振動が現れたりしてピークの識別が困難になる。
この点、上記のようにバンドパスフィルタ18のカット
周波数fL ,fH をズーム位置に合わせて補正すること
によって、ズーム操作に係わらず、図7に示すような
適切な相関特性にしたがって評価信号の積算値のピーク
を検出することができる。
【0036】一方、写真画像が細かい絵柄パターンのも
のであり、これに応じてオペレータが「ハイコントラス
トモード」を選択すると、バンドパスフィルタ18の通
過帯域は図6に二点鎖線で示す曲線によって制限され、
空間周波数が高い領域の評価信号を重点的に利用してピ
ント合わせが行われる。この場合にも、バンドパスフィ
ルタ18には写真画像のもつ空間周波数に適合した通過
帯域が設定されることになるため、フォーカスレンズ5
bの移動に対し、評価信号の積算値の変化は図7に示
すようになり、まったく同様にしてフォーカスレンズ5
bを合焦異位置に移動させることができる。また、写真
画像がローコントラストの絵柄であるときには、これに
応じて「ローコントラストモード」を選択することによ
って、バンドパスフィルタ18の通過帯域が低域側に拡
張され、適切なピント合わせ処理が行われるようにな
る。
【0037】なお、写真画像のもつ空間周波数が高いの
にも係わらず、オペレータが「標準モード」を選択した
場合には、フォーカスレンズ5bの移動量に対して評価
信号の積算値の変化は図7に示すようになだらかなも
のとなる。このような変化では、合焦位置付近でフォー
カスレンズ5bを移動させても評価信号の積算値に変化
が現れなくなり、やはり正確なピント合わせが困難にな
る。したがって、まずオペレータの初期設定を適切に行
うことが必要となるが、仮に初期設定が不適切なもので
あったとしても、フォーカスモード設定回路34にはオ
ペレータが任意に設定値入力を行うことができるように
してある。
【0038】前述したように、CRTモニタ16にはピ
ント合わせ処理によって得られる評価信号の積算値がデ
ジタル表示され、あるいは図7に示すピント合わせ処理
に伴う評価信号の積算値データがグラフ表示されるよう
になっているから、これらを確認した上で、適宜に設定
値入力を行ってバンドパスフィルタ18のカット周波数
L ,fH を変更すればよい。もちろん、この設定値入
力操作は、初期設定モードが適切であった場合において
も、より高精度なピント合わせのために行うことも可能
である。
【0039】さらに、写真画像の絵柄がローコントラス
トであるのにも係わらず、撮像レンズ5を望遠側にズー
ム操作して像倍率を高くして撮像を行おうとする場合に
は、そのピント合わせ処理に際し、評価信号の積算値の
変化が図7に示すようになだらかな変化になることが
避けられず、そのままでは良好なピント合わせが困難に
なるという問題が生じてくる。そこで、この場合にはフ
イルム2の乳剤粒子の分布パターンを利用してピント合
わせを行うのが有効である。フイルム2上には銀塩粒子
がランダムなパターンで分布しており、その分布密度は
予め分かっているから、ズーム位置(像倍率)に対応し
て銀塩粒子の分布密度に応じた空間周波数をもとにバン
ドパスフィルタ18のカット周波数fL ,fH を設定す
ることによって、こうした写真画像に対しても的確なピ
ント合わせが可能になる。
【0040】ところで、以上ではズーム操作により変倍
レンズ5aが移動して焦点距離の変更が行われるものと
して説明してあるが、撮像レンズ5に2群ズームレンズ
を用いた場合には、ズーム操作によって変倍レンズ5a
だけでなくフォーカスレンズ5bも光軸方向に移動す
る。したがってフイルムスキャナーの出荷時には、ズー
ムレンズのトラッキング調整、すなわちズーム位置ごと
にこれらのレンズの位置調節をしておく必要がある。
【0041】そこでこのトラッキング調節に際し、特定
の空間周波数帯域に特徴をもつテスト被写体を一定距離
位置に設置して用い、ズーム時の像倍率の変化に伴う空
間周波数の変化を予め計算で求めておき、これに適合す
る変倍補正データをデータROM24に書き込んでお
く。そして、実際のトラッキング調節を行う過程では、
上記テスト被写体を撮像する際に像倍率ごとにデータR
OM24から該当する変倍補正データを読み出しながら
上記処理にしたがって自動的にピント合わせを行い、ズ
ーム位置ごとにフォーカスレンズ5bの位置を読み取っ
てトラッキング補正テーブルを作成する。このトラッキ
ング補正テーブルの作成過程では、バンドパスフィルタ
18の通過帯域がズーム位置に適合した範囲に設定され
ることになるから誤動作の少ないピント合わせが行われ
るようになり、しかもトラッキング補正テーブルも半自
動で作成できるという利点がある。
【0042】以上、添付した図面をもとに本発明につい
て説明してきたが、本発明を実施するにあたっては適宜
の変更が可能である。例えば、ズーム位置を読み込む際
に、変倍レンズ5aの位置をポテンショメータ8で検出
する代わりに、変倍レンズ移動用のステッピングモータ
6aに供給した駆動パルスの数を監視することによって
ズーム位置を検出することもできる。また、データRO
M24に変倍補正データを書き込む代わりに、ズーム位
置ごとに個別の設定値データを書き込んでおいてもよ
い。
【0043】
【発明の効果】上記のように、本発明によれば撮像信号
に含まれる空間周波数のうち、所定帯域内のものを抽出
するバンドパスフィルタをプログラマブルデジタルフィ
ルタを用い、その通過帯域を可変してピント合わせ用の
評価信号を得るようにしているから、写真画像の絵柄に
応じた適切な通過帯域の設定が可能となり、ピント合わ
せを的確かつ迅速に行うことができるようになる。ま
た、撮像レンズにズームレンズを用いたときには、ズー
ム位置に対応して自動的にプログラマブルデジタルフィ
ルタで構成されたバンドパスフィルタの通過帯域を変更
するようにしてあるから、像倍率に応じた適切な空間周
波数帯域の評価信号を得ることができ、ズーム位置によ
らず的確なピント合わせを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を用いたフイルムスキャナーの電気的構
成の概略を示すブロック図である。
【図2】データROMの概念図である。
【図3】バンドパスフィルタの通過帯域を示す説明図で
ある。
【図4】バンドパスフィルタの通過帯域のシフト作用を
示す説明図である。
【図5】本発明によるピント処理の概略を示すフローチ
ャートである。
【図6】空間周波数に対する評価信号の分布特性を示す
説明図である。
【図7】フォーカスレンズの移動に対する評価信号の積
算値の変化の様子を示す説明図である。
【符号の説明】
2 フイルム 5 撮像レンズ 5a 変倍レンズ 5b フォーカスレンズ 8 ポテンショメータ 10 イメージセンサ 14 デジタル信号処理回路 18 バンドパスフィルタ 18a,18b プログラマブルデジタルフィルタ 22 CPU 24 データROM

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フイルム面上の写真画像を撮像レンズを
    通してイメージセンサで撮像し、このイメージセンサか
    らの撮像信号をバンドパスフィルタを通すことによって
    所定帯域内の空間周波数に対応づけられた評価信号を抽
    出し、この評価信号の積算値を評価しながら撮像レンズ
    のピント合わせを行うフイルムスキャナーの自動焦点調
    節装置において、 前記バンドパスフィルタを通過帯域が可変なプログラマ
    ブルデジタルフィルタで構成し、外部設定入力に応じて
    プログラマブルデジタルフィルタによる空間周波数の通
    過帯域を変更可能にしたことを特徴とするフイルムスキ
    ャナーの自動焦点調節装置。
  2. 【請求項2】 フイルム面上の写真画像をズーム機能を
    もった撮像レンズを通してイメージセンサで撮像し、こ
    のイメージセンサからの撮像信号をバンドパスフィルタ
    を通すことによって所定帯域内の空間周波数に対応づけ
    られた評価信号を抽出し、この評価信号の積算値を評価
    しながら撮像レンズのピント合わせを行うフイルムスキ
    ャナーの自動焦点調節装置において、 前記バンドパスフィルタを通過帯域が可変なプログラマ
    ブルデジタルフィルタで構成し、撮像レンズのズーム動
    作に連動してプログラマブルデジタルフィルタによる空
    間周波数の通過帯域を変更するようにしたことを特徴と
    するフイルムスキャナーの自動焦点調節装置。
  3. 【請求項3】 フイルム面上の写真画像をズーム機能を
    もった撮像レンズを通してイメージセンサで撮像し、こ
    のイメージセンサからの撮像信号をバンドパスフィルタ
    を通すことによって所定帯域内の空間周波数に対応づけ
    られた評価信号を抽出し、この評価信号の積算値を評価
    しながら撮像レンズのピント合わせを行うフイルムスキ
    ャナーの自動焦点調節装置において、 前記バンドパスフィルタを通過帯域が可変なプログラマ
    ブルデジタルフィルタで構成するとともに、撮像レンズ
    のズーム位置を検出するズーム検出手段と、ズーム位置
    とプログラマブルデジタルフィルタの通過帯域変更用の
    設定値データとを対応づけたデータメモリとを設け、撮
    像レンズのズーミングに連動して前記ズーム検出手段で
    検出されたズーム位置に応じて前記データメモリから設
    定値データを読み出してプログラマブルデジタルフィル
    タによる通過帯域を変更するようにしたことを特徴とす
    るフイルムスキャナーの自動焦点調節装置。
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