JP3469590B2 - 合焦装置 - Google Patents

合焦装置

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JP3469590B2
JP3469590B2 JP34659991A JP34659991A JP3469590B2 JP 3469590 B2 JP3469590 B2 JP 3469590B2 JP 34659991 A JP34659991 A JP 34659991A JP 34659991 A JP34659991 A JP 34659991A JP 3469590 B2 JP3469590 B2 JP 3469590B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合焦装置、詳しくはビデ
オムービ、シネムービ、スチルビデオカメラ、銀塩スチ
ルカメラ等の撮像装置に用いられる合焦装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の合焦装置を銀塩フィルムカメラを
例にして図6により説明する。距離センサまたはデフォ
ーカスセンサ21で検出された、該カメラの合焦状態が
如何なる状態にあるかを認識する情報に基づき、制御装
置22はフォーカシングレンズ23を合焦位置にレンズ
駆動する。なお、マニュアルフォーカス(以下、MFと
略記する)時には、撮影者は光学ファインダ24をモニ
タしながら上記フォーカシングレンズ23を手動でレン
ズ駆動する。この場合の合焦方式としては、ラインセン
サを用いた像相関処理方式、赤外線を用いたアクティブ
AF(オートフォーカス)方式、被写体像のコントラス
ト情報を検出してレンズ駆動するコントラスト検出型A
F方式等があり、システムによって使い分けられてい
る。
【0003】これに対して、ビデオムービーや電子スチ
ルカメラ等、ビデオカメラにおいては、近年上記コント
ラスト検出型AF方式の一種である所謂山登りAF方式
が多く採用され、主流となっている。
【0004】上記山登りAF方式は、フォーカシングレ
ンズを繰り出し、または繰り込むときの映像信号に基づ
き、その合焦の度合いを示す被写体のコントラスト情報
のピーク値を求め、このピーク値を示す位置を合焦位置
と判断して該位置にフォーカシングレンズを駆動するも
ので、これをスチルビデオカメラに適用した図7の要部
ブロック図で説明する。
【0005】図においてフォーカシングレンズ31を透
過した被写体光は、CCDイメージャ32の受光面上に
結像されて電気信号に光電変換される。この電気信号は
プロセス処理部33で所要の信号処理が行われ、EVF
(電子ビューファインダ)34を始めとして図示しない
記録系や外部装置に供給される。上記プロセス処理部3
3の出力信号は、コントラスト信号検出部35にも供給
され、合焦の度合いを示す被写体のコントラスト情報が
検出される。このコントラスト情報に基づき、制御装置
36は上記フォーカシングレンズ31をその合焦位置に
レンズ駆動する。
【0006】このように構成された上記山登りAF方式
の動作を図8により説明する。フォーカシングレンズが
そのスタート点STからフォーカスポイントFPにレン
ズ駆動される際、先づスタート点STでは、その点が破
線で示された山登り曲線L6の上昇領域にあるのか下降
領域にあるのか分らない。そこで、先づスタート位置S
Tでフォーカシングレンズを微小距離移動させ(以下、
初期試行と呼称する)、コントラスト値の増減を調べて
駆動方向を決定する。即ち、コントラスト値が増える方
向ならその方向に、また矢印P1で示された減少する方
向なら、そのP1方向と逆方向に、それぞれ山登り曲線
のピークポイントFPが存在する筈と判断できるので、
これによりレンズ駆動方向が決定される。
【0007】このようにして決定された方向に山登り曲
線L6上をレンズ移動するとコントラスト値が増大して
いくが、該コントラスト値が最大になるピークポイント
FPではこの点がピークポイントとは未だ判断できず、
更にP2方向にレンズ駆動してコントラスト値が低下す
るオーバーランポイントORに達して始めて、フォーカ
スポイントFPが最大コントラスト値を与えるピーク点
であったと認識できる。そこでP3方向にレンズ駆動
し、フォーカスポイントFPまで戻して山登りAF動作
を終了する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記図
8に示す山登りAF動作では、スタートポイントSTで
の初動方向が不明なので、確率1/2で逆方向つまりよ
り大きくピントズレを起す方向に移動することがある。
更に、フォーカスポイントFPを通り越してオーバーラ
ンポイントORまで往復する間は逆にピントが甘くなっ
てしまう。そこで、このような山登りAF動作をモニタ
している一般の撮影者は、AFなのに何でピントが合う
方向に進んだり合わない方向に進んだりするのか疑問を
感じ、カメラのAF動作が正しく行われているか否か不
安感を抱く、つまり合焦達成感が得られないことになっ
てしまう。
【0009】以上はスチルカメラにおける山登りAF動
作の場合であるが、ムービカメラの場合でも撮影対象た
る被写体が変わると、連続してムービ撮影している最中
に山登りAF動作を再度行ってピント合わせし直す必要
が生じる。すると、連続したムービ記録中に突然ピント
が甘くなるのでユーザに不安感を与えるばかりでなく、
山登りAF動作中のピント移動が撮影結果(記録された
内容)にも悪影響を与えることになってしまう。
【0010】一方、スチルカメラ,ムービカメラを問わ
ず、レンズの焦点距離や絞り等の条件によっては、被写
界深度が深くなりどのレンズ位置でもジャスピン状態に
近い状態が得られる所謂パンフォーカス状態になること
がある。
【0011】このパンフォーカス状態における山登りA
F動作では、ファインダで被写体像をモニタしているユ
ーザは、レンズ位置の如何に拘らずジャスピン状態のま
まであまり変化がないから、本当にAF動作が行われて
いるのか否か、不安感を持つことになり合焦達成感が得
られない。あるいはジャスピンなのにピンボケと錯覚し
てしまうこともある。更に、MFモード時に手動操作す
る場合でも、ピントズレが起らないから、どこが本当の
ジャスピン位置か分らないという戸惑いを感じる。
【0012】このことは、前述のように1台のカメラで
も条件によっては起り得ることで、例えば通常は問題が
ないカメラでもワイドにすると被写界深度が深くなるか
ら同じようにピント合わせに不安を感じ合焦達成感が得
られないということがある。因みに最近の銀塩カメラの
多くは、殆んどAF式でピント合わせの必要がないとい
うことから、光学式ファインダのスクリーンマットは設
計上明るさが優先され、その結果ピント検出しにくい、
従って、どこでもジャスピンに見えるようなものが使わ
れる傾向にある。従ってシビアにピント合わせしたいマ
ニアやプロの間では、AF動作時、あるいはMF時に格
別の不安感を抱くことになってしまう。
【0013】そこで本発明の目的は、上記問題点を解消
し、撮像装置の合焦状態の如何に拘らずユーザの合焦達
成感を満足できる合焦装置を提供するにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の合焦
装置は、当該撮像装置の合焦状態が如何なる状態にある
かを認識する合焦状態認識手段と、上記撮像装置におけ
る映像形成処理に際し、映像形成状態を上記合焦状態認
識手段により認識された合焦状態に応じて可変し得るべ
くアパーチャ補償回路を含んで構成された映像形成手段
とを具備した合焦装置であって、上記映像形成手段は、
上記撮像装置の撮像素子出力に基づいて得られる映像信
号が供給されたときの上記アパーチャ補償回路の出力信
号レベルの周波数特性に関して、合焦状態に応じて当該
アパーチャ補償回路による補正を行なわない場合の値を
標準値1とし、この標準値1に対する補正をかけたとき
の値の比率を擬似合焦度として定義するとき、自動合焦
調節動作時の初期駆動方向が一旦非合焦方向となった場
合の当該初期駆動の期間においては、上記擬似合焦度の
値が1よりも大きな値をとり得るように構成されたもの
であることを特徴とする。また、本発明第2の合焦装置
は、当該撮像装置の合焦状態が如何なる状態にあるかを
認識する合焦状態認識手段と、上記撮像装置における映
像形成処理に際し、映像形成状態を上記合焦状態認識手
段により認識された合焦状態に応じて可変し得るべくア
パーチャ補償回路を含んで構成された映像形成手段とを
具備した合焦装置であって、上記映像形成手段は、上記
撮像装置の撮像素子出力に基づいて得られる映像信号が
供給されたときの上記アパーチャ補償回路の出力信号レ
ベルの周波数特性に関して、合焦状態に応じて当該アパ
ーチャ補償回路による補正を行なわない場合の値を標準
値1とし、この標準値1に対する補正をかけたときの値
の比率を擬似合焦度として定義するとき、自動合焦調節
動作時の合焦状態が最良合焦位置を一旦通過した場合の
当該通過期間においては、上記擬似合焦度の値が1より
も大きな値をとり得るように構成されたものであること
を特徴とする。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。先づ本発
明の実施例を説明するのに先立ってその基本概念を説明
すると、撮像装置における映像形成処理に際し、撮像装
置の合焦状態に応じて例えば特性を可変できるフィルタ
の特性を可変する等により、ユーザの合焦達成感を向上
しようとするものである。
【0016】これを具体的に説明すると、例えばパンフ
ォーカス状態に近いカメラの場合、AF動作中は本来の
合焦調整状態よりも電気的に10〜20%程度ピントを
甘く、つまり故意にピンボケにしておき、AF動作が完
了したら本来の調整状態に戻す。また、AFの試行ボケ
やオーバーランボケが問題になる場合はこれとは逆に、
山登りAF動作中の初期試行時やオーバーラン時にAF
コントラスト情報の低下分を補なうようなコントラスト
強調を与え、全体としてピントボケをユーザが認識でき
ないようにする。
【0017】この場合、上記コントラスト強調を与える
と、それに応じてノイズ成分が増えて画質を劣化させる
ことになるから長時間使用することはできない場合があ
る。しかしながら、山登りAF動作における初期試行時
やオーバーラン時のような短時間ならムービ画面の劣化
をさして気にする必要がなく、ムービ撮影中の山登りA
F動作に伴うピンボケによる違和感を解消できる。
【0018】以上が本発明の基本概念である。次に実施
例を説明する。図1は、本発明の第1実施例を示す合焦
装置が適用されたカメラの要部のブロック構成図で、結
像レンズ1を透過した被写体光は、CCDイメージャ2
の受光面上に結像されて電気信号に光電変換される。こ
の電気信号は、例えばS/H(サンプルホールド)回
路、ゲインコントロール回路等のイメージャ出力を直接
受信する回路ブロックからなるプリプロセス回路3を介
し、映像信号を形成するプロセス処理部4に供給され
る。
【0019】上記プロセス処理部4に含まれるアパーチ
ャ補償回路4aは、輪郭補正回路とも呼称され、本来映
像信号の周波数特性の劣化を補償するための回路であ
る。即ち、ある特定帯域を強調するための位相歪の少な
いピーキング回路で、見掛け上の解像度感を増加するた
めに用いられ、その周波数特性が通常は固定値に設定さ
れるが、本実施例では後述するようにこれを可変して映
像形成手段として用いるようにしている。そして、この
処理部4から出力された映像信号がEVF系5、記録系
6、カメラ出力系7にそれぞれ供給される。
【0020】上記プリプロセス回路3の出力は、コント
ラスト検出回路10にも供給される。この検出回路10
では、電気的なフィルタを用いてある帯域内の信号成分
のみを抽出して検波し、画像情報をフィールド毎に積分
してコントラスト信号として検出している。
【0021】この検出されたコントラスト信号は、通常
マイクロコンピュータが内蔵されたシステムコントロー
ラ11に供給される。すると、同コントローラ11内の
判断・演算処理部11aは、モータドライバ9を介して
レンズモータ8を駆動し、フォーカシングレンズ1を合
焦位置にレンズ駆動する。更に同処理部11aは、合焦
状態に応じて映像形成状態を可変する信号を上記アパー
チャ補償回路4aに供給する。
【0022】そして、当該撮像装置の合焦状態が如何な
る状態にあるかを認識する合焦状態認識手段が上記シス
テムコントローラ11により、また、上記撮像装置にお
ける映像形成処理に際し、映像形成状態を上記合焦状態
認識手段により認識された合焦状態に応じて可変し得る
映像形成手段が上記プロセス処理部4により、それぞれ
構成されている。
【0023】ここで、上記プロセス処理部4からなる映
像形成手段における例えばアパーチャ補償回路4aの、
一般には固定値に設定されている周波数特性を可変する
ことによる映像形成処理を図2,3により説明する。な
お、EVF5に供給される映像信号の特性は、後記図2
に示すフォーカシングレンズ1の透過特性に、後記図3
に示す映像形成手段における電気的な周波数特性を乗じ
た形で決定される。そこでフォーカシングレンズ1を光
軸方向に移動すればピントのボカシ具合を可変できる
が、映像形成手段の周波数特性を変えても見掛け上のピ
ント感を可変できることになる。
【0024】図2は、解像力チャートの本数つまり被写
体の空間周波数に対する、コントラストの透過率つまり
MTF値をプロットしたMTF曲線の線図である。な
お、後述する図3との対応でいえば横軸の空間周波数が
この撮像装置で取扱う映像信号の時間周波数に対応す
る。この場合どの空間周波数でも MTF=1なら被写
体像を完全に再生できるが、実際のフォーカシングレン
ズでは、図2に示すような右肩下りのLPF(ローパス
フィルタ)の特性曲線に類似した曲線になる。
【0025】この図2において破線で示されるMTF曲
線L2は、この撮像装置に用いられるフォーカシングレ
ンズのジャスピン状態でのカーブで、低い空間周波数で
はMTFが1になるが、空間周波数の上昇に応じて減少
し、限界解像度に対応するMTF=0 の限界周波数が
J になっている。そして、上記限界周波数fJ が高い
程、また各周波数におけるMTF値が1に近い程レンズ
としての結像性能がよいことを示している。
【0026】一方、実線で示されるMTF曲線L1は、
ピントが若干甘い状態のもので、低い空間周波数でのM
TF値は上記曲線L1と同じように1だが、MTF値が
0になる空間周波数がピントのズレ量に応じて低くな
る。逆にいえば、フォーカシングレンズのピント合わせ
をジャスピン状態に近づければ近づける程、レンズの限
界性能を示す限界曲線L2に近づくが同曲線L2を超え
ることはできない。
【0027】そこで、上記限界MTF曲線L2と両座標
軸とで囲まれた、右肩下りの破線が付された領域の面積
J に対する、あるピントボケ量に対応するMTF曲線
L1と両座標軸とで囲まれた、左肩下りの実線が付され
た領域の面積SD の比を、フォーカスレシオFRと定義
すれば、フォーカスレシオFRは
【数1】 で表わせる。またこのときのピントのボケ具合を示すデ
フォーカスレシオDRを下式のように定義する。
【0028】
【数2】 換言すれば、フォーカシングレンズのジャスピン位置か
らのボカシ具合は、本来心理的な概念であってこれを定
量的に表わすことはできないが、上述のようなFR,D
Rを定義すれば、これによってある程度数値的に表わす
ことが可能になる。
【0029】以上は、フォーカシングレンズを機械的に
移動させたときのピントのズレ量を準定量的に捉える手
段の説明であるが、本実施例は、これを電気的に補っ
て、ユーザの合焦達成感を高めようとするもので、これ
を図3により説明する。
【0030】図3は、横軸に例えばNTSC方式の映像
信号周波数を、縦軸に信号出力をそれぞれプロットした
アパーチャ補償回路4aの出力特性線図で、横軸に平行
な直線L3が意図的なピント補正を行わない標準的な撮
像状態での出力特性である。これに対し、本第1実施例
の合焦装置では、アパーチャ補償回路4a(図1参照)
の周波数特性を、同図の曲線L4に示すように、相対的
なピント感に強く影響する周波数3MHz を中心とした帯
域を図で下に凸に、つまり出力値を減らすことにより、
見掛け上ピントがボケたように感じさせるものである。
反対に3MHz 付近の帯域の出力値を増やすと、後述する
ようにピント感を強調できる。この場合、同図の直線L
5に示すように、3MHz 以上の周波数帯域でも同じ比率
で低下し続けるようにしてもよく、これを本第1実施例
の応用例としてここに記載する。
【0031】何れにしろ、3MHz 付近の周波数帯域を中
心にしてレスポンスを下げればピント感がボケたように
感じられ、逆に上げればピント感が強調される。そこで
このようなピント感をある程度定量的に捉える手段とし
て擬似合焦度RRなるものを導入し、曲線L4上の略3
MHz に対応した点P4の出力値の、標準値1に対する比
として定義する。
【0032】換言すれば、システムコントローラ11の
例えば判断・演算処理部11a(図1参照)で撮像装置
の合焦状態が如何なる状態か認識し、これに応じて上記
擬似合焦度RRを上下することにより、見掛け上ピント
のボケた画像でもボケていないように、あるいはピント
のボケていない画像でもボケているように、それぞれ視
認させ、これによってユーザの合焦達成感を満足させる
ことができる。
【0033】上述したように本来の合焦度に相当するも
のは、ジャスピン以上にはピントを合わせられないので
MTFは常に1以下の値になるが、上記擬似合焦度RR
では1以上の値に強調することもできる。但し、このよ
うに強調すると、ノイズ成分も増幅され画質が劣化する
ことになってしまうので、定常的なモニタ画像としては
使えないが、AF動作時の合焦達成感を得るためのよう
な短時間の使用なら何等支障ない。
【0034】このように構成された本第1実施例の合焦
動作を図4のフローチャートに基づいて説明する。この
フローはスチルカメラのように1回限りのAF動作を行
うカメラに好適な例で、このフローがスタートすると、
先づ上記擬似合焦度RRを例えば0.8にセットする
(ステップS1)。そして、実際のAF動作を始め、合
焦完了するまで引続き実行する(ステップS2,S
3)。合焦動作が完了したら擬似合焦度RRを1に戻し
て(ステップS4)、AF動作を終了する。
【0035】なお、上記ステップS4では、擬似合焦度
を0.8から1にステップ状に戻したが、0.8から
0.9,1と実際の合焦動作に略合致するようなペース
で変えてもよい。そして、擬似合焦度RRが1にセット
されたら、例えばEVF上の合焦完了マーク等のモニタ
表示をしてもよい。この場合、上記ステップS1におけ
る擬似合焦度RRは0.8でなく1より小さな任意の値
例えば0.9等に適宜設定してもよい。
【0036】この第1実施例によれば、システムコント
ローラ11の例えば判断・演算処理部11aで撮像装置
の合焦状態が如何なる状態にあるかを認識し、これに応
じた映像形成つまりAF動作中は擬似合焦度RRを例え
ば0.8に、合焦動作が完了すれば1にそれぞれ自動的
にセットするようにしたので、ユーザのピント合わせに
対する不安を解消して合焦達成感を満足できる。
【0037】この場合、撮像装置がテレ側に設定されて
いれば、被写界深度が浅くなり、山登りAF方式におけ
る合焦達成感が充分得られるので、ワイド側でのみ上記
図4のようなフローが必要になる。このためには何等か
の切換手段が必要になるが、例えば上記図4のステップ
S1における擬似合焦度RRの設定を、ワイド側では
0.8に、テレ側では1に、中間の状態では0.9にそ
れぞれ設定するようにしてもよい。つまりテレ側ではこ
のフローを実行しても擬似合焦度RRが変化しないか
ら、ワイド側のときのみこのフローを実行するテレ/ワ
イド切換手段を設けたのと同じ効果が得られることにな
り、これを本第1実施例の変形例としてここに記載す
る。
【0038】図5は、本発明の第2実施例を示す合焦装
置における合焦動作のフローチャートで、上記第1実施
例は合焦動作が完了してから撮影する例えばスチルカメ
ラに適用されるのに対し、この第2実施例は連続して撮
影しながら、その間の対象被写体が変る毎に山登りAF
動作する例えばムービカメラに適用するフローで、ハー
ド面の構成は前記図1と全く同じである。そして、ムー
ビモードで連続撮影中の山登りAF動作なので、擬似合
焦度RRを上記第1実施例では1以下にしたのに対し、
この第2実施例では1より大きな値に、つまりコントラ
スト強調するこにより、ムービ撮影中の山登りAF動作
に伴うピントのボケをユーザに感じさせないようにして
いる。
【0039】図5において、このフローがスタートする
と、先づ山登りAF動作における初期駆動方向を決定す
るための初期試行が行われ(ステップS11)、これに
より決定された駆動方向に山登りAF動作を行う(ステ
ップS12)。そして、ピーク点を越えてオーバーラン
したら(ステップS13)、過去の最大値を示す点まで
戻して合焦動作を終了し(ステップS14)待機する
(ステップS15)。その後、ムービ記録における対象
被写体が変れば上記ステップS11に戻って、上記各ス
テップを繰返す。
【0040】以上は通常のムービモード時の山登りAF
動作であるが、このフロー中のステップS11,S1
3,S14で、従来は、モニタ中のEVF画像のピント
が甘くなるので、ユーザに不安感を与えていたが、この
第2実施例では、上記各ステップにおけるコントラスト
情報Cn を基準コントラスト情報Cs と比較して擬似合
焦度RRを次のように設定することとする。即ち Cn <Cs なら RR=Cs /Cn ………………… (1) Cn ≧Cs なら RR=1 ………………… (2) にそれぞれ設定する。ただし基準コントラスト情報Cs
は、各ステップに於て異なる値をとり、 S11、S12に於ては初期コントラスト値 Co S13、S14に於ては山の最大(ピーク)コントラス
ト値 Cp に設定されるものである。
【0041】これを上記フローの各ステップに当て嵌る
と、ステップS11に於て、試行した方向が山登り方向
であれば試行ボケは発生しないが、このときは Cn
s =Co となるので擬似合焦度 RR=1に設定さ
れ、特に補正はされない。そして試行の方向が山下り方
向の場合、すなわち試行ボケが発生するケースではCn
<Cs =Co となるので擬似合焦度 RR=Co /C
n >1 に設定、すなわちコントラスト強調が行なわ
れ、試行ボケが補正される。
【0042】以下同様に、山登り中のS12では Cn
≧Cs =Co のため RR=1に設定されるが、オー
バーラン合焦のS13、S14では Cn <Cs =Cp
となり RR=Cp /Cn にセットされ、オーバーラン
ボケが補正される。
【0043】このようにこの第2実施例によれば、連続
撮影するムービモード時の山登りAF動作にて、従来は
必然的に起っていたピンボケを、合焦状態認識手段たる
システムコントローラ11で認識すると、これに応じて
映像形成手段たるプロセス制御部4で擬似合焦度RRを
強調するようにしたので、ユーザは上記被写体像の不自
然なピントズレを視認することなく、通常通りのムービ
撮影を行うことができる。
【0044】ところで、この種ムービモード時の山登り
AF動作では、スチル記録モード時のそれのように、画
像信号のコントラスト情報を検出して擬似合焦度を補正
するとタイミング的に補正が遅れることになる。従っ
て、この第2実施例のような手段を最適化するには、映
像信号の1フィールド分の情報をメモリできるビデオメ
モリが実際には必要で、画像情報をこのビデオメモリに
一度格納すると共に、同情報のコントラスト値を検出し
て上記擬似合焦度を決定し、しかる後タイミングを整合
しながら上記ビデオメモリから格納情報を読み出して上
記擬似合焦度に従ってデータ補正する必要がある。但
し、1フィールド分ずつ遅れてもよければ、このような
ビデオメモリを必要としない。
【0045】さて、上記各実施例では、説明をより判り
易くするため第1実施例は主としてスチルカメラ(スチ
ルモード時)の合焦達成感を強調するため、第2実施例
は主としてムービカメラ(ムービモード時)の本来ある
筈のないピントズレ感を防止するためとしてきたが、こ
の場合のスチル・ムービの別は必ずしも本質的ではな
く、どのようなカメラシステムであっても、その系の有
する要求に従って両者を組合わせて使用することができ
る。即ち、不必要なピントボケは強調によって補いなが
ら、逆に必要なら途中でピントボケを作ってやって通常
状態に復帰させることにより合焦達成感が得られる。換
言すれば、上記各実施例は格別に用いてもよいが組合わ
せて用いてもよい。
【0046】ところで、上記各実施例では、合焦状態認
識手段により認識された合焦状態に応じて映像形成状態
を可変し得る映像形成手段として、アパーチャ補償回路
4a(図1参照)で説明したが、フォーカシングレンズ
のボケは2次元なので、2次元のほうが望ましい。従っ
て、アパーチャ補償回路は2次元のものを使用するほう
がより好ましいことになる。更にいえば、上記アパーチ
ャ補償回路の周波数特性を擬似合焦度RRによって変え
る手段では、フォーカシングレンズのボケ量と厳密には
同等にならないので、設計上許される場合には本発明の
合焦装置に専用のフィルタを用いるのがより望ましい。
この種フィルタとしては、アナログフィルタでもあるい
はDSP等利用の2次元ディジタルフィルタでもよく、
これらにより任意の特性を得ることができる。
【0047】更に、上記映像形成手段における被写体像
のピントをボカす手段として光学式ファインダを用いる
場合、該ファインダ系に専用のデフォーカス装置を設け
てもよい。この種デフォーカス装置としては、例えばフ
ァインダ光学系中のレンズの少なくとも1個所を前後に
若干移動させるような機構でも、あるいは外部からの印
加電圧を変えてピントを調節できる液晶レンズのような
ものでもよい。
【0048】以上は、映像信号の周波数特性あるいは光
学系の結像状態を変えることにより映像形成状態を可変
するようにしたが、本発明を記録系には用いずEVF等
のファインダ系のみに適用する場合については、要はユ
ーザが見掛け上ピントが変ったように感じられればよい
ので、例えば電気信号処理で色を強調したり弱めたりす
るような手段、あるいは映像信号のDCバイアスレベル
を可変する手段等であってもよい。これは、色がくっき
りするとピントも合ったような気になるし、また画像全
体にDCバイアスがかかると映像のコントラストが低下
して白っぽくなるのでピント感が弱くなるからで、本当
のフォーカス動作には対応しなくても、心理的なフォー
カス感と同等な効果が得られれば事足りる。このよう
に、本発明の映像形成手段には、何等かの手段により映
像の状態を変えるすべての手段が含まれる。
【0049】また、合焦状態認識手段による検出対象と
しての“合焦状態”を、上記各実施例では電気信号とし
て検出されたコントラスト情報のコントラスト値として
説明したが、“合焦状態”はこれのみに限定されず、例
えば、光学手段で像コントラストを直接検出できるもの
であればそのコントラスト値そのものを、その増減の情
報を含めて利用できる。
【0050】この他、既に実施例中にも示したとおり合
焦動作の停止中、山登りAF動作における初期方向のサ
ーチ、山登りAF動作中、オーバーラン中、合焦完了、
待機中あるいは合焦開始時点等の各制御状態を始めとし
て、今どのような制御を行っているか自体も本発明にお
ける“合焦状態”に包含される。また、上記第1実施例
で述べた絞り値や焦点距離等の変化による焦点深度値の
変化も“合焦状態”の一例である。このように“合焦状
態”とは合焦装置に係るすべての状態をさして用いら
れ、例えば“MF状態”であることもそのひとつであ
る。
【0051】なお、上記各実施例ではAF方式として所
謂山登り方式を用いたが、本発明は任意のAF(MF)
方式と組み合わせて適用可能である。そして、例えば像
相関処理方式等のようにデフォーカス量や最終合焦点が
フォーカシング動作に先立ってわかる場合には、その情
報を用いて、さらに好適に合焦達成感を強調することが
できる。それは例えば、合焦達成感が最高になる場合の
コントラスト変化を予め求めてメモリにデータテーブル
として格納しておき、予想される合焦動作に判なう映像
のコントラスト変化に対して、このデータテーブルに基
づいた補正を行なう、といった形で実現され得る。
【0052】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、合焦
状態認識手段で当該撮像装置の合焦状態が如何なる状態
にあるかを認識し、この認識に基づいて映像形成手段に
よる映像形成状態を可変し得るようにしたので、撮像装
置の合焦状態の如何に拘らずユーザの合焦達成感を満足
できるという顕著な効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す合焦装置が適用され
たカメラの要部のブロック構成図。
【図2】空間周波数に対するMTF値をプロットしたM
TF曲線図。
【図3】映像信号周波数に対する相対的信号出力をプロ
ットした出力特性線図。
【図4】上記第1実施例における合焦動作のフローチャ
ート。
【図5】本発明の第2実施例を示す合焦装置における合
焦動作のフローチャート。
【図6】従来の合焦装置を銀塩フィルムカメラに適用し
た場合のブロック構成図。
【図7】山登りAF方式の合焦装置をスチルビデオカメ
ラに適用した場合のブロック構成図。
【図8】上記図7におけるフォーカシングレンズ位置に
対するコントラスト値をプロットした線図。
【符号の説明】
4 …プロセス処理部(映像形成手段) 11…システムコントローラ(合焦状態認識手段)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 当該撮像装置の合焦状態が如何なる状態
    にあるかを認識する合焦状態認識手段と、上記撮像装置
    における映像形成処理に際し、映像形成状態を上記合焦
    状態認識手段により認識された合焦状態に応じて可変し
    得るべくアパーチャ補償回路を含んで構成された映像形
    成手段とを具備した合焦装置であって、 上記映像形成手段は、上記撮像装置の撮像素子出力に基
    づいて得られる映像信号が供給されたときの上記アパー
    チャ補償回路の出力信号レベルの周波数特性に関して、
    合焦状態に応じて当該アパーチャ補償回路による補正を
    行なわない場合の値を標準値1とし、この標準値1に対
    する補正をかけたときの値の比率を擬似合焦度として定
    義するとき、自動合焦調節動作時の初期駆動方向が一旦
    非合焦方向となった場合の当該初期駆動の期間において
    は、上記擬似合焦度の値が1よりも大きな値をとり得る
    ように構成されたものであることを特徴とする合焦装
    置。
  2. 【請求項2】 当該撮像装置の合焦状態が如何なる状態
    にあるかを認識する合焦状態認識手段と、上記撮像装置
    における映像形成処理に際し、映像形成状態を上記合焦
    状態認識手段により認識された合焦状態に応じて可変し
    得るべくアパーチャ補償回路を含んで構成された映像形
    成手段とを具備した合焦装置であって、 上記映像形成手段は、上記撮像装置の撮像素子出力に基
    づいて得られる映像信号が供給されたときの上記アパー
    チャ補償回路の出力信号レベルの周波数特性に関して、
    合焦状態に応じて当該アパーチャ補償回路による補正を
    行なわない場合の値を標準値1とし、この標準値1に対
    する補正をかけたときの値の比率を擬似合焦度として定
    義するとき、自動合焦調節動作時の合焦状態が最良合焦
    位置を一旦通過した場合の当該通過期間においては、上
    記擬似合焦度の値が1よりも大きな値をとり得るように
    構成されたものであることを特徴とする合焦装置。
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