JPH1041860A - エコーキャンセラ - Google Patents
エコーキャンセラInfo
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- JPH1041860A JPH1041860A JP8209396A JP20939696A JPH1041860A JP H1041860 A JPH1041860 A JP H1041860A JP 8209396 A JP8209396 A JP 8209396A JP 20939696 A JP20939696 A JP 20939696A JP H1041860 A JPH1041860 A JP H1041860A
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- signal
- analog
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- tap
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02D—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGIES [ICT], I.E. INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGIES AIMING AT THE REDUCTION OF THEIR OWN ENERGY USE
- Y02D30/00—Reducing energy consumption in communication networks
- Y02D30/70—Reducing energy consumption in communication networks in wireless communication networks
Landscapes
- Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】インパルス応答時間の長い音響エコーをキャン
セルするための演算処理量の多い擬似エコーを生成する
回路規模を小さくし処理時間を短縮して低消費電力化を
図る。 【解決手段】送話信号と受話信号をそれぞれA/D変換
器25,26でディジタル化し、残留エコーのインパル
スレスポンスを推定してタップ係数を算出するタップ係
数修正量演算処理器6と安定化処理器7のみをディジタ
ル処理する。そのタップ係数によって重み付けを施し合
成して擬似エコーbを求めるトランスバーサルフィルタ
演算をアナログ処理で行うことにより処理速度を高め
た。
セルするための演算処理量の多い擬似エコーを生成する
回路規模を小さくし処理時間を短縮して低消費電力化を
図る。 【解決手段】送話信号と受話信号をそれぞれA/D変換
器25,26でディジタル化し、残留エコーのインパル
スレスポンスを推定してタップ係数を算出するタップ係
数修正量演算処理器6と安定化処理器7のみをディジタ
ル処理する。そのタップ係数によって重み付けを施し合
成して擬似エコーbを求めるトランスバーサルフィルタ
演算をアナログ処理で行うことにより処理速度を高め
た。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エコーキャンセラ
に関し、特に、電話を用いて通話を行う拡声通信におい
て室内の反響によって廻り込む音響エコーを除去するた
めのエコーキャンセラに関するものである。
に関し、特に、電話を用いて通話を行う拡声通信におい
て室内の反響によって廻り込む音響エコーを除去するた
めのエコーキャンセラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9は電話網における回線エコーの説明
図である。電話による音声通信系において、長距離回線
は、図9に示すように両端の加入者回線は2本の線路で
送受を行う2線式回線であり、それらを結ぶ長距離回線
は信号の増幅の必要性から送受各々に別の線路を用いる
4線式回線で構成されている。2線式回線と4線式回線
の接続にはハイブリッドコイルHが用いられるが、接続
点におけるインピーダンス不整合により受話信号の一部
が送話路へ漏れ込む。この反射がエコーと呼ばれる。通
話者は遅延を伴った自分のエコーを聞きながら話すこと
になり、話しづらく通話がスムーズに進まなくなる。
図である。電話による音声通信系において、長距離回線
は、図9に示すように両端の加入者回線は2本の線路で
送受を行う2線式回線であり、それらを結ぶ長距離回線
は信号の増幅の必要性から送受各々に別の線路を用いる
4線式回線で構成されている。2線式回線と4線式回線
の接続にはハイブリッドコイルHが用いられるが、接続
点におけるインピーダンス不整合により受話信号の一部
が送話路へ漏れ込む。この反射がエコーと呼ばれる。通
話者は遅延を伴った自分のエコーを聞きながら話すこと
になり、話しづらく通話がスムーズに進まなくなる。
【0003】また、テレビ会議や自動車電話でのハンズ
フリー通話などの拡声通信系の場合も、上記回線エコー
と同様に、スピーカからマイクロホンに廻り込む音響エ
コーが問題となる。図10は音響エコーの説明図であ
る。音響エコーは、図10に示すように、スピーカから
マイクロホンへの直接波と、室内の壁面等での多重反射
からもたらされる間接波すなわち残響とを重ね合わせた
ものである。音響エコーは単にエコーにとどまらずハウ
リング発生の原因にもなる。
フリー通話などの拡声通信系の場合も、上記回線エコー
と同様に、スピーカからマイクロホンに廻り込む音響エ
コーが問題となる。図10は音響エコーの説明図であ
る。音響エコーは、図10に示すように、スピーカから
マイクロホンへの直接波と、室内の壁面等での多重反射
からもたらされる間接波すなわち残響とを重ね合わせた
ものである。音響エコーは単にエコーにとどまらずハウ
リング発生の原因にもなる。
【0004】従来、これらエコーの問題に対し、エコー
サプレッサが用いられてきた。エコーサプレッサは、ス
イッチ動作によりエコーを抑圧しているため、相手の音
声の一部が途切れたり、エコーが漏れたりする場合があ
り通話品質の面で劣化は避けられない。そこで、これら
の欠点を原理的に解決するため、近年ではエコーキャン
セラが用いられている。
サプレッサが用いられてきた。エコーサプレッサは、ス
イッチ動作によりエコーを抑圧しているため、相手の音
声の一部が途切れたり、エコーが漏れたりする場合があ
り通話品質の面で劣化は避けられない。そこで、これら
の欠点を原理的に解決するため、近年ではエコーキャン
セラが用いられている。
【0005】図11はエコーキャンセラの原理説明図で
ある。エコーキャンセラは、4線区間に挿入されて設置
局から加入者側をみたエコー路の伝達特性を適応的に推
定して擬似エコー信号を出力する擬似エコー発生器と、
実際のエコー信号を含んだ送話信号から擬似エコーを差
し引く減算器とから構成されている。擬似エコー発生器
としてはFIRフィルタすなわちトランスバーサルフィ
ルタが用いられ、そのフィルタ係数の修正アルゴリズム
として学習同定法を用いたものが多く報告されている。
ある。エコーキャンセラは、4線区間に挿入されて設置
局から加入者側をみたエコー路の伝達特性を適応的に推
定して擬似エコー信号を出力する擬似エコー発生器と、
実際のエコー信号を含んだ送話信号から擬似エコーを差
し引く減算器とから構成されている。擬似エコー発生器
としてはFIRフィルタすなわちトランスバーサルフィ
ルタが用いられ、そのフィルタ係数の修正アルゴリズム
として学習同定法を用いたものが多く報告されている。
【0006】ここで、学習同定法のアルゴリズムについ
て簡単に説明する。ある時刻jにおける受話信号を
xj 、エコー路のインパルス応答をgi (i=0,1,
2,…N−1)、擬似エコー発生器でのインパルス応答
の推定値をgi j (i=0,1,2,…N−1)、とす
ると、エコー信号を含む送話側入力信号yj 、擬似エコ
ー信号zj 、送話側出力信号(誤差信号)ej はそれぞ
れ次式で与えられる。
て簡単に説明する。ある時刻jにおける受話信号を
xj 、エコー路のインパルス応答をgi (i=0,1,
2,…N−1)、擬似エコー発生器でのインパルス応答
の推定値をgi j (i=0,1,2,…N−1)、とす
ると、エコー信号を含む送話側入力信号yj 、擬似エコ
ー信号zj 、送話側出力信号(誤差信号)ej はそれぞ
れ次式で与えられる。
【0007】
【数1】 ここで、nj はエコー路で加わった雑音(や、近端話者
の音声)である。
の音声)である。
【0008】擬似エコー路のインパルス応答hi j の推
定値は次のように逐次的に求められる。
定値は次のように逐次的に求められる。
【0009】
【数2】 ここでKは修正係数で、あり0<K<2が安定条件であ
る。Nはタップ数である。
る。Nはタップ数である。
【0010】図12は従来のエコーキャンセラの構成例
図であり、回線エコーを除去するために用いられている
エコーキャンセラである。図において、1,9は入力送
話信号a,入力受話信号dをディジタル変換するA/D
変換器、2はエコーを含んだディジタル送話信号a’か
ら擬似エコー信号b’を減算する減算器、3は擬似エコ
ー発生器、4は係数レジスタ、5はトランスバーサルフ
ィルタ、6はタップ係数修正量演算処理器、7は安定化
処理器、8,10はディジタル送話信号e,ディジタル
受話信号fをアナログ変換して出力するD/A変換器で
ある。この回路全体は、破線で囲ったようにDSP(デ
ィジタルシグナルプロセッサ:ディジタル信号処理器)
で処理されている。
図であり、回線エコーを除去するために用いられている
エコーキャンセラである。図において、1,9は入力送
話信号a,入力受話信号dをディジタル変換するA/D
変換器、2はエコーを含んだディジタル送話信号a’か
ら擬似エコー信号b’を減算する減算器、3は擬似エコ
ー発生器、4は係数レジスタ、5はトランスバーサルフ
ィルタ、6はタップ係数修正量演算処理器、7は安定化
処理器、8,10はディジタル送話信号e,ディジタル
受話信号fをアナログ変換して出力するD/A変換器で
ある。この回路全体は、破線で囲ったようにDSP(デ
ィジタルシグナルプロセッサ:ディジタル信号処理器)
で処理されている。
【0011】エコーキャンセラをハードウェアの観点か
ら眺めると、エコー消去という目的は同一であっても、
適用目的によっては要求される性能が大きく異なる。電
話回線の2線4線変換点におけるインピーダンス不整合
によって生じる回線エコーは数十ms程度であるのに比
べ、音響エコーはスピーカとマイクロホン間の信号伝搬
速度が非常に遅い音響的廻り込み信号を対象としている
ため消去すべきエコー路のインパルス応答時間は2百数
十msにわたる場合もある。
ら眺めると、エコー消去という目的は同一であっても、
適用目的によっては要求される性能が大きく異なる。電
話回線の2線4線変換点におけるインピーダンス不整合
によって生じる回線エコーは数十ms程度であるのに比
べ、音響エコーはスピーカとマイクロホン間の信号伝搬
速度が非常に遅い音響的廻り込み信号を対象としている
ため消去すべきエコー路のインパルス応答時間は2百数
十msにわたる場合もある。
【0012】従って、エコーキャンセラの設計におい
て、エコー消去の対象となるエコー路の最大インパルス
応答時間Dを推定する必要がある。そして、エコーキャ
ンセラの擬似エコー路の最大インパルス応答時間は、推
定されたエコー路の最大インパルス応答時間Dに等しい
か、またはそれをカバーするように設計しなければなら
ない。エコーキャンセラの擬似エコー路(発生器)3を
トランスバーサルフィルタ5で構成する場合において、
最大インパルス応答時間をDに等しく選び、トランスバ
ーサルフィルタのタップ数をN,タップ時間間隔をTと
した時、次式が成立する。
て、エコー消去の対象となるエコー路の最大インパルス
応答時間Dを推定する必要がある。そして、エコーキャ
ンセラの擬似エコー路の最大インパルス応答時間は、推
定されたエコー路の最大インパルス応答時間Dに等しい
か、またはそれをカバーするように設計しなければなら
ない。エコーキャンセラの擬似エコー路(発生器)3を
トランスバーサルフィルタ5で構成する場合において、
最大インパルス応答時間をDに等しく選び、トランスバ
ーサルフィルタのタップ数をN,タップ時間間隔をTと
した時、次式が成立する。
【0013】
【数3】D=N×T (6)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従って、消去すべきエ
コー路の最大インパルス応答時間Dとタップ時間間隔T
が与えられると、エコーキャンセラのタップ数Nは
(6)式から求められる。回線エコーの場合の例とし
て、インパルス応答時間Dが40ms、タップ時間間隔
Tが125μsの時、タップ数Nは320タップとな
る。一方、音響エコーの場合の例として、インパルス応
答時間Dが250ms、タップ時間間隔Tが125μs
の時、タップ数Nは2000タップとなる。これはハー
ドウェアの処理量で比較すると回線エコーの場合の4〜
5倍になる。すなわち、従来の回路において積和演算を
行うトランスバーサルフィルタは、タップ数に比例して
演算量が増加する。そのため音響エコーの場合は、従来
のトランスバーサルフィルタを実現しているDSPの回
路規模が大きく、処理時間が長くかかり、消費電力も多
いという問題が生じている。
コー路の最大インパルス応答時間Dとタップ時間間隔T
が与えられると、エコーキャンセラのタップ数Nは
(6)式から求められる。回線エコーの場合の例とし
て、インパルス応答時間Dが40ms、タップ時間間隔
Tが125μsの時、タップ数Nは320タップとな
る。一方、音響エコーの場合の例として、インパルス応
答時間Dが250ms、タップ時間間隔Tが125μs
の時、タップ数Nは2000タップとなる。これはハー
ドウェアの処理量で比較すると回線エコーの場合の4〜
5倍になる。すなわち、従来の回路において積和演算を
行うトランスバーサルフィルタは、タップ数に比例して
演算量が増加する。そのため音響エコーの場合は、従来
のトランスバーサルフィルタを実現しているDSPの回
路規模が大きく、処理時間が長くかかり、消費電力も多
いという問題が生じている。
【0015】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、インパルス応答時間の長い音響エコーのキャンセ
ルを対象とし、積和演算を高速に実行できるアナログ回
路をトランスバーサルフィルタ演算に用いることで、擬
似エコーの生成を高速に実行でき、回線規模が小さく消
費電力の少ないエコーキャンセラを提供することを目的
とする。
ので、インパルス応答時間の長い音響エコーのキャンセ
ルを対象とし、積和演算を高速に実行できるアナログ回
路をトランスバーサルフィルタ演算に用いることで、擬
似エコーの生成を高速に実行でき、回線規模が小さく消
費電力の少ないエコーキャンセラを提供することを目的
とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明のエコーキャンセ
ラは、音響エコーが重畳されたアナログ入力送話信号か
ら擬似エコー信号を差し引いて送話信号を出力するアナ
ログ減算器と、該アナログ減算器の出力をディジタル変
換する第1のA/D変換器と、通話相手からのアナログ
入力受話信号をディジタル変換する第2のA/D変換器
と、該第1のA/D変換器と第2のA/D変換器のディ
ジタル出力から残留エコーのインパルスレスポンスを推
定しタップ係数を算出するタップ係数算出器と、前記ア
ナログ入力受話信号をシフトレジスタで遅延させて得ら
れる複数のタップ出力を前記タップ係数算出器から得ら
れるタップ係数によって重み付けした後加算した重み付
け合成出力を前記擬似エコーとして前記アナログ減算器
に入力する擬似エコー発生器とが備えられたことを特徴
とするものである。
ラは、音響エコーが重畳されたアナログ入力送話信号か
ら擬似エコー信号を差し引いて送話信号を出力するアナ
ログ減算器と、該アナログ減算器の出力をディジタル変
換する第1のA/D変換器と、通話相手からのアナログ
入力受話信号をディジタル変換する第2のA/D変換器
と、該第1のA/D変換器と第2のA/D変換器のディ
ジタル出力から残留エコーのインパルスレスポンスを推
定しタップ係数を算出するタップ係数算出器と、前記ア
ナログ入力受話信号をシフトレジスタで遅延させて得ら
れる複数のタップ出力を前記タップ係数算出器から得ら
れるタップ係数によって重み付けした後加算した重み付
け合成出力を前記擬似エコーとして前記アナログ減算器
に入力する擬似エコー発生器とが備えられたことを特徴
とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明では、上記課題を解決する
ために、従来トランスバーサルフィルタをDSP等のデ
ィジタル信号処理で実現していたものを、アナログ回路
で処理することによって高速に擬似エコーを生成できる
ようにしたので、回路規模も小さく済み、消費電力も抑
えられるようになった。
ために、従来トランスバーサルフィルタをDSP等のデ
ィジタル信号処理で実現していたものを、アナログ回路
で処理することによって高速に擬似エコーを生成できる
ようにしたので、回路規模も小さく済み、消費電力も抑
えられるようになった。
【0018】すなわち、本発明は、アナログ送話信号か
らアナログ擬似エコーを減算するアナログ減算器と、擬
似エコーが減算された送話信号を出力するとともに、デ
ィジタル信号に変換した送話信号から残留エコーのイン
パルスレスポンスを推定しタップ係数を算出するタップ
係数算出手段と、アナログ受話信号を遅延させるシフト
レジスタの各タップから出力されるディジタル信号をタ
ップ係数で重み付けして合成演算を行い擬似エコーを生
成して減算器に与えるように構成したエコーキャンセラ
である。
らアナログ擬似エコーを減算するアナログ減算器と、擬
似エコーが減算された送話信号を出力するとともに、デ
ィジタル信号に変換した送話信号から残留エコーのイン
パルスレスポンスを推定しタップ係数を算出するタップ
係数算出手段と、アナログ受話信号を遅延させるシフト
レジスタの各タップから出力されるディジタル信号をタ
ップ係数で重み付けして合成演算を行い擬似エコーを生
成して減算器に与えるように構成したエコーキャンセラ
である。
【0019】
【実施例】図1は本発明の実施例を示す回路構成例図で
あり、アナログ重み付け合成器24とアナログ減算器2
1を用いたエコーキャンセラである。図において、本発
明では、タップ係数修正量演算処理器6と安定化処理器
7のみをディジタル信号処理器でディジタル処理し、減
算器21と擬似エコー発生器22の重み付け合成器24
をアナログ処理するように構成したことを要旨とするも
のである。
あり、アナログ重み付け合成器24とアナログ減算器2
1を用いたエコーキャンセラである。図において、本発
明では、タップ係数修正量演算処理器6と安定化処理器
7のみをディジタル信号処理器でディジタル処理し、減
算器21と擬似エコー発生器22の重み付け合成器24
をアナログ処理するように構成したことを要旨とするも
のである。
【0020】図1に示した本発明の実施例の動作を説明
する。本実施例の回路素子は8kHzのシステムクロッ
クCKで動作することとする。まず、送話信号aは、減
算器21によって擬似エコーbが差し引かれて残留エコ
ーを含んだ送話信号cが出力される。動作開始直後は擬
似エコーbが生成されていないため、エコーを含んだ送
話信号aがそのまま出力cとして出力される。
する。本実施例の回路素子は8kHzのシステムクロッ
クCKで動作することとする。まず、送話信号aは、減
算器21によって擬似エコーbが差し引かれて残留エコ
ーを含んだ送話信号cが出力される。動作開始直後は擬
似エコーbが生成されていないため、エコーを含んだ送
話信号aがそのまま出力cとして出力される。
【0021】次に、減算器21から出力される送話信号
cはA/D変換器25によってA/D変換されタップ修
正量演算処理器6に入力される。同時に、受話信号入力
dもA/D変換器26でディジタル変換されタップ修正
量演算処理器6に入力される。入力されたそれぞれの信
号e,fから学習同定法などによってタップ係数、すな
わちエコー路のインパルスレスポンスが求められる。次
に、安定化処理器7によってタップ修正量演算処理器6
によって求められたタップ係数がエコー路からの外部雑
音などの影響によって生じる誤差を一方向に蓄積しない
ように制御する。
cはA/D変換器25によってA/D変換されタップ修
正量演算処理器6に入力される。同時に、受話信号入力
dもA/D変換器26でディジタル変換されタップ修正
量演算処理器6に入力される。入力されたそれぞれの信
号e,fから学習同定法などによってタップ係数、すな
わちエコー路のインパルスレスポンスが求められる。次
に、安定化処理器7によってタップ修正量演算処理器6
によって求められたタップ係数がエコー路からの外部雑
音などの影響によって生じる誤差を一方向に蓄積しない
ように制御する。
【0022】次に、タップ係数を係数レジスタ23に入
力する。次に、受話信号dと係数レジスタ23に格納さ
れているタップ係数を同時に重み付け合成器24に入力
する。重み付け合成器24はトランスバーサルフィルタ
演算を実行し、擬似エコーbを生成する。次に、アナロ
グ減算器21によって入力送話信号aから擬似エコーb
を差し引く。この一連の処理を繰り返すことで、エコー
を含んだ送話信号からエコーを取り除くことができる。
力する。次に、受話信号dと係数レジスタ23に格納さ
れているタップ係数を同時に重み付け合成器24に入力
する。重み付け合成器24はトランスバーサルフィルタ
演算を実行し、擬似エコーbを生成する。次に、アナロ
グ減算器21によって入力送話信号aから擬似エコーb
を差し引く。この一連の処理を繰り返すことで、エコー
を含んだ送話信号からエコーを取り除くことができる。
【0023】図2は、本発明の要部をなす図1に示した
アナログ回路で構成された重み付け合成器24の回路例
図である。本回路は積和演算が高速に実行できる回路で
ある。図において、31は複数の遅延器(シフトレジス
タ)からなる遅延回路、32は重み付け器、33は加算
器である。
アナログ回路で構成された重み付け合成器24の回路例
図である。本回路は積和演算が高速に実行できる回路で
ある。図において、31は複数の遅延器(シフトレジス
タ)からなる遅延回路、32は重み付け器、33は加算
器である。
【0024】ここで、重み付け合成器24について簡単
に説明する。まず遅延回路31について説明する。遅延
回路31はアナログシフトレジスタによって構成されて
いる。図3はアナログシフトレジスタの構成例図であ
る。アナログシフトレジスタはバッファ40と、サンプ
ルホールド回路41〜43とで構成されており、TP1
〜TPn はシフトした信号(タップ出力)の出力端子で
ある。受話信号dは、バッファ40を経由して1段目の
サンプルホールド回路41に入力される。1段目のサン
プルホールド回路41ではクロックCKの立ち上がりに
同期して入力信号をサンプル保持しタップ出力端子TP
1 に出力する。2段目のサンプルホールド回路42も同
様に前段のサンプルホールド回路41の出力をサンプル
して、1クロック遅らせて次段とTP2 に出力してい
る。3段目以降も同様に1段について1クロックずつ信
号をシフトさせn段のアナログシフトレジスタとして動
作し、TP3 〜TPn に出力する。
に説明する。まず遅延回路31について説明する。遅延
回路31はアナログシフトレジスタによって構成されて
いる。図3はアナログシフトレジスタの構成例図であ
る。アナログシフトレジスタはバッファ40と、サンプ
ルホールド回路41〜43とで構成されており、TP1
〜TPn はシフトした信号(タップ出力)の出力端子で
ある。受話信号dは、バッファ40を経由して1段目の
サンプルホールド回路41に入力される。1段目のサン
プルホールド回路41ではクロックCKの立ち上がりに
同期して入力信号をサンプル保持しタップ出力端子TP
1 に出力する。2段目のサンプルホールド回路42も同
様に前段のサンプルホールド回路41の出力をサンプル
して、1クロック遅らせて次段とTP2 に出力してい
る。3段目以降も同様に1段について1クロックずつ信
号をシフトさせn段のアナログシフトレジスタとして動
作し、TP3 〜TPn に出力する。
【0025】図4は図3に示したサンプルホールド回路
とバッファの回路例図であり、(A)はサンプルホール
ド回路の構成例を、(B),(C)はバッファの構成例
を示している。図4(A)はバッファ201,204,
207とクロックCKがL(ロー)の時にONになりH
(ハイ)の時にOFFになるスイッチ202と、CKが
Hの時にONになりLの時にOFFになるスイッチ20
5と、コンデンサ203,206とで構成されている。
とバッファの回路例図であり、(A)はサンプルホール
ド回路の構成例を、(B),(C)はバッファの構成例
を示している。図4(A)はバッファ201,204,
207とクロックCKがL(ロー)の時にONになりH
(ハイ)の時にOFFになるスイッチ202と、CKが
Hの時にONになりLの時にOFFになるスイッチ20
5と、コンデンサ203,206とで構成されている。
【0026】図5は、図4(A)のサンプルホールド回
路の動作を説明する波形例図である。入力信号Sinはバ
ッファ201を経由し、クロックCKがLでスイッチ2
02がONの時はコンデンサ203に信号が伝達され、
クロックCKがHでスイッチ202がOFFになるとコ
ンデンサ203に入力された信号は保持される。このと
きの入力信号Sinに対するコンデンサ203の動作をバ
ッファ204を経由した出力をA点としている。同様に
クロックCKがHでスイッチ205がONの時はコンデ
ンサ206に信号が伝達され、クロックCKがLでスイ
ッチ205がOFFになるとコンデンサ206に入力さ
れた信号は保持され、バッファ207を経由して出力信
号Sout となる。
路の動作を説明する波形例図である。入力信号Sinはバ
ッファ201を経由し、クロックCKがLでスイッチ2
02がONの時はコンデンサ203に信号が伝達され、
クロックCKがHでスイッチ202がOFFになるとコ
ンデンサ203に入力された信号は保持される。このと
きの入力信号Sinに対するコンデンサ203の動作をバ
ッファ204を経由した出力をA点としている。同様に
クロックCKがHでスイッチ205がONの時はコンデ
ンサ206に信号が伝達され、クロックCKがLでスイ
ッチ205がOFFになるとコンデンサ206に入力さ
れた信号は保持され、バッファ207を経由して出力信
号Sout となる。
【0027】図4(B),(C)はバッファ40の構成
例であり、(B)はオペアンプ301を用いたボルテー
ジホロワ回路、(C)はインピーダンス素子401,4
02とオペアンプ403で構成した反転バッファであ
る。これらバッファとサンプルホールド回路は、ともに
公知の技術として知られている。サンプルホールド回路
は、これら公知の技術を組み合わせることにより容易に
構成が可能である。
例であり、(B)はオペアンプ301を用いたボルテー
ジホロワ回路、(C)はインピーダンス素子401,4
02とオペアンプ403で構成した反転バッファであ
る。これらバッファとサンプルホールド回路は、ともに
公知の技術として知られている。サンプルホールド回路
は、これら公知の技術を組み合わせることにより容易に
構成が可能である。
【0028】図6は図2に示した複数の重み付け器32
のそれぞれの回路例図である。図中の、Zi (i=1,
2,…,n)は入力側のインピーダンスであり、(7)
式に示すようにコンデンサで構成される。
のそれぞれの回路例図である。図中の、Zi (i=1,
2,…,n)は入力側のインピーダンスであり、(7)
式に示すようにコンデンサで構成される。
【0029】
【数4】
【0030】ここで、nはA/D変換器の量子化ビット
数に対応し、n=16とする。各コンデンサCi (i=
1,2,…,n)の容量は重み付けデータのMSBに近
いほど大きな値を持っている。16ビットの重み付けデ
ータの各ビットの値によりスイッチをON/OFFす
る。これにより、Zi(i=1,2,…,n)またはC
i(i=1,2,…,n)の総和の値を制御する。帰還
インピーダンスZfは(8)式で表現される。
数に対応し、n=16とする。各コンデンサCi (i=
1,2,…,n)の容量は重み付けデータのMSBに近
いほど大きな値を持っている。16ビットの重み付けデ
ータの各ビットの値によりスイッチをON/OFFす
る。これにより、Zi(i=1,2,…,n)またはC
i(i=1,2,…,n)の総和の値を制御する。帰還
インピーダンスZfは(8)式で表現される。
【0031】
【数5】 この重み付け器32の利得Gは(9)式で示される。
【0032】
【数6】
【0033】図7は図2の加算器33の回路例図であ
り、重み付け器32で重み付けされた出力は、図7の加
算器32で合成され重み付け合成出力、すなわち擬似エ
コーbを得る。
り、重み付け器32で重み付けされた出力は、図7の加
算器32で合成され重み付け合成出力、すなわち擬似エ
コーbを得る。
【0034】次に、図1の減算器21について説明す
る。減算器21はアナログ回路によって実現されてい
る。図8はアナログ減算器21の構成例図である。アナ
ログ減算器21はオペアンプで構成できる公知の技術と
して知られている。この回路の出力電圧VOUT (=送話
信号c)は(10)式で表される。
る。減算器21はアナログ回路によって実現されてい
る。図8はアナログ減算器21の構成例図である。アナ
ログ減算器21はオペアンプで構成できる公知の技術と
して知られている。この回路の出力電圧VOUT (=送話
信号c)は(10)式で表される。
【0035】
【数7】 となり減算器が構成できる。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、エ
コーを伴った送話信号aからエコーを取り除くエコーキ
ャンセラを構成する場合において、アナログ回路を用い
ることで、残響時間が多く膨大なタップ長を要する音響
エコーをキャンセルする場合でも、タップ長に起因する
演算処理量の増加が少なく処理時間を短縮でき、消費電
力も抑えられるので実用上の効果は大きい。
コーを伴った送話信号aからエコーを取り除くエコーキ
ャンセラを構成する場合において、アナログ回路を用い
ることで、残響時間が多く膨大なタップ長を要する音響
エコーをキャンセルする場合でも、タップ長に起因する
演算処理量の増加が少なく処理時間を短縮でき、消費電
力も抑えられるので実用上の効果は大きい。
【図1】本発明の実施例を示すブロック図である。
【図2】本発明の要部をなすアナログ重み付け合成器の
回路構成例図である。
回路構成例図である。
【図3】本発明のアナログ遅延回路の構成例図である。
【図4】本発明の遅延器の構成例及びバッファの構成例
図である。
図である。
【図5】図4の回路の動作波形例図である。
【図6】本発明の重み付け器の回路例図である。
【図7】本発明の重み付け器の出力加算器の回路例図で
ある。
ある。
【図8】本発明のアナログ減算器の回路例図である。
【図9】電話網における回線エコーの説明図である。
【図10】拡声系通信における音響エコーの説明図であ
る。
る。
【図11】エコーキャンセラの原理説明図である。
【図12】従来の回線エコーキャンセラの回路構成例図
である。
である。
1,9 A/D変換器 2 減算器 3 擬似エコー発生器 4 係数レジスタ 5 トランスバーサルフィルタ 6 タップ係数修正量演算処理器 7 安定化処理器 8,10 D/A変換器 21 アナログ減算器 22 擬似エコー発生器 23 係数レジスタ 24 重み付け合成器 25 A/D変換器 26 A/D変換器 31 遅延回路 32 重み付け器 33 加算器 40 バッファ 41,42,43 サンプルホールド回路(遅延器)
Claims (1)
- 【請求項1】 音響エコーが重畳されたアナログ入力送
話信号から擬似エコー信号を差し引いて送話信号を出力
するアナログ減算器と、 該アナログ減算器の出力をディジタル変換する第1のA
/D変換器と、 通話相手からのアナログ入力受話信号をディジタル変換
する第2のA/D変換器と、 該第1のA/D変換器と第2のA/D変換器のディジタ
ル出力から残留エコーのインパルスレスポンスを推定し
タップ係数を算出するタップ係数算出器と、 前記アナログ入力受話信号をシフトレジスタで遅延させ
て得られる複数のタップ出力を前記タップ係数算出器か
ら得られるタップ係数によって重み付けした後加算した
重み付け合成出力を前記擬似エコーとして前記アナログ
減算器に入力する擬似エコー発生器とが備えられたこと
を特徴とするエコーキャンセラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8209396A JPH1041860A (ja) | 1996-07-22 | 1996-07-22 | エコーキャンセラ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8209396A JPH1041860A (ja) | 1996-07-22 | 1996-07-22 | エコーキャンセラ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1041860A true JPH1041860A (ja) | 1998-02-13 |
Family
ID=16572211
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8209396A Pending JPH1041860A (ja) | 1996-07-22 | 1996-07-22 | エコーキャンセラ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1041860A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011530256A (ja) * | 2008-08-05 | 2011-12-15 | グループ デ エコール デ テレコムニカシオン−エコール ナシオナル スペリオール デ テレコムニカシオン | 復調回路 |
JP2016512401A (ja) * | 2013-03-01 | 2016-04-25 | クゥアルコム・インコーポレイテッドQualcomm Incorporated | 送信信号漏曳相殺のためのマルチタップ適応フィルタ |
-
1996
- 1996-07-22 JP JP8209396A patent/JPH1041860A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011530256A (ja) * | 2008-08-05 | 2011-12-15 | グループ デ エコール デ テレコムニカシオン−エコール ナシオナル スペリオール デ テレコムニカシオン | 復調回路 |
JP2016512401A (ja) * | 2013-03-01 | 2016-04-25 | クゥアルコム・インコーポレイテッドQualcomm Incorporated | 送信信号漏曳相殺のためのマルチタップ適応フィルタ |
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