JPH10410A - 塗布装置及び塗布方法 - Google Patents

塗布装置及び塗布方法

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Publication number
JPH10410A
JPH10410A JP15103396A JP15103396A JPH10410A JP H10410 A JPH10410 A JP H10410A JP 15103396 A JP15103396 A JP 15103396A JP 15103396 A JP15103396 A JP 15103396A JP H10410 A JPH10410 A JP H10410A
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JP
Japan
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coating
curtain
film
edge guide
liquid
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Application number
JP15103396A
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English (en)
Inventor
Katsusuke Nagashima
克祐 長嶋
Atsushi Saito
篤志 斉藤
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Publication of JPH10410A publication Critical patent/JPH10410A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05CAPPARATUS FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05C5/00Apparatus in which liquid or other fluent material is projected, poured or allowed to flow on to the surface of the work
    • B05C5/007Slide-hopper coaters, i.e. apparatus in which the liquid or other fluent material flows freely on an inclined surface before contacting the work
    • B05C5/008Slide-hopper curtain coaters

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  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カーテン塗布において、カーテン膜の不安定
性を解消し、塗布先頭の厚膜を防止する方法の提供。 【解決手段】 本発明の上記課題は下記手段により達
成。 a.カーテン塗布装置において、カーテン膜に接する面
の下端部を直角または鋭角なシャープエッジにすること
及び/又は下端部に吸引手段を設けたエッジガイドを有
することを特徴とする塗布装置又は塗布方法。 b.サイド補助液を用いるカーテン塗布において、補助
液の吐出位置がホッパーリップ先端より10mm以上、
上流側でかつ最下層の流出するスロットより下流側にあ
ることを特徴とする塗布装置及び塗布方法。 c.ホッパーを前進させて塗布を開始するカーテン塗布
装置において、液受けパンの先端を可撓性にしたことを
特徴とする塗布装置及び塗布方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカーテン塗布装置及
び塗布方法に関し、詳しくはカーテン膜の安定性の向上
ならびに塗布先頭の厚膜防止に関する。
【0002】
【従来の技術】カーテン塗布においては従来次のような
問題点があった。
【0003】(1) カーテン流下膜は膜の両縁部でそ
の流速が小さいため不安定であり、膜最下端のエッジガ
イド付近あるいは、エッジガイドよりやや内側の薄膜部
で破壊することが多い。特に塗布流量が小さいときにこ
の傾向は顕著である。エッジガイドよりやや内側の薄膜
部はエッジガイド断面形状、特に内側の塗布液と接する
部分の形状を工夫することで解消できるが、最下端部か
らのカーテン膜破壊は防げない。
【0004】カーテン膜端部の安定化のために様々な形
状のエッジガイドが提案されている。例えば、特公昭4
9−35447号にはエッジガイド下端にタフト(ブラ
シ)、可撓性部材を設け、ウエブを接触させる方法であ
り、特公昭49−14130号には左右可動型エッジガ
イド方式、特開昭54−68847号にはエッジガイド
を可動ベルトとし、カーテン流下膜と同じ速度でベルト
を移動させる方法、特開昭63−287575号には幅
規制プレートとエッジガイドを一体成型する方式、特開
平4−94761号にはエッジガイド上端付近に突起物
と短棒を設ける方式、特開平4−354563号には塗
布液の粘度・静/動的表面張力差によりエッジガイド断
面形状を規定する方式、特公平4−46629号にはエ
ッジガイドの温度を調整する方式、特開昭61−245
862号にはエッジガイド接液面の幅を流下膜厚と同じ
にする方式、特表平3−500858号にはパイプエッ
ジガイド中にサイド液を流し、下端で吸引する方式、特
開平6−206034号にはエッジガイドをワイヤ(径
0.15mm)とし、サイド液を流し、下端で吸引する
方式、特開平6−233954号にはエッジガイドをワ
イヤとし、サイド液をエッジガイド下端部のブレードで
吸引する方式、特開平7−185431号にはエッジガ
イドとカーテン膜の間にサイド液の帯(ストライプ)を
形成し、さらにワイヤ製エッジガイドにそって水を流
し、エッジガイド下端部でサイド液帯を吸引除去する方
式等が提案、開示されている。
【0005】上記のように、様々なエッジガイドが従来
考案されているが、エッジガイド下端をウエブに接触さ
せる方式では長時間の塗布操作で乾燥して生成した固形
物が塗膜の品質を損なう問題があり、またその他の方式
はエッジガイド上部でのカーテン膜の縮流や、端部の厚
膜あるいはその内側の薄膜部分の発生を軽減させるため
の技術であり、エッジガイド下端部からのカーテン膜の
破壊に関しては効果が薄く、これらのいずれの方式によ
っても前記問題は十分解決されていない。
【0006】(2) また、カーテン流下膜は鉛直下方
への運動量(密度×流量×流速)が上向きに働く液の表
面張力より大きいときに安定となる(D.R.Brow
n,Journal of Fluid Mechan
ics,62)。エッジガイド近傍では境界層の発達に
よりカーテン流下膜の流速が小さくなりカーテン膜は不
安定になる。さらに界面活性剤を含む液の場合、流速が
小さいときにはその表面張力は静的なものとなり、カー
テン膜中央付近の流速の大きい部分よりも表面張力が小
さくなってしまう。すなわち幅方向(カーテン流下方向
と垂直な方向)に表面張力の勾配が生じ、カーテン膜は
中央に向かう力を受け縮流を起こす。
【0007】またスライドホッパーを用いる多層カーテ
ン塗布装置ではスライド面上での縮流を防止するため、
下層側ほど表面張力を大きく調整するため、最下層のカ
ーテン膜は非常に不安定になるという問題があった。
【0008】カーテン膜安定化のためにサイド補助液を
用いることは公知の事実である。例えば特公昭49−3
5447号に開示されている。
【0009】また、サイド補助液の供給方法の工夫とし
ては、例えば以下がある。
【0010】 特開昭59−132966号にはパイ
プ状エッジガイド内にサイド液を流す方法、特表平3−
500858号にはパイプ状エッジガイド中に上方から
サイド液を供給、下端で吸引する方式 特開昭55−73365号にはエッジガイド下端よ
り下方にサイド液を噴出する方式、特開平1−1996
68号にはリップ下端よりサイド液を噴出する方式 特開平5−293429号にはスライド面上幅規制
プレート上面、リップ先端に近い位置(先端より10m
m以内)からサイド液を供給する方式 特願平6−221891号にはスライド面上巾規制
プレート下面よりスライド面に接触するようにサイド液
を供給する方式。
【0011】上記方式において、、の方式ではエッ
ジガイドの構造が複雑になってしまう欠点がある。エッ
ジガイドの接液面に微少な段差等があるとカーテン膜面
に定在波ができ、その定在波により塗布膜上にウエブ長
さ方向のスジ状故障ができる。複雑な構造のエッジガイ
ドはこの定在波を起こしやすい。
【0012】の方法では上記の様な欠点は無いが、サ
イド補助液が塗布液の中で表面張力の大きい最下層に確
実に接することが保証できない。またサイド液の供給位
置がリップに近い場合には、サイド液の持つ鉛直方向に
対して斜めの運動量がカーテン膜を乱す恐れがある。こ
れは特に塗布液流量が小さい場合に顕著である。
【0013】の方法ではサイド液は高表面張力層に確
実に接するが、サイド液の供給位置によっては上記と
同様に斜めの運動量がカーテン膜を不安定化する可能性
が有る。
【0014】以上いずれの方式でも上記問題点を十分に
解決できていない。
【0015】(3) カーテン塗布の開始、終了方法と
して、ホッパーが前後方向に移動せず、液受けパンが回
転あるいは摺動する方法が多く提案されているが、この
方法の場合エッジガイドの下端部とウエブの間に液受け
パンの入るだけの間隙が必要となる。特に液受けパン先
端に堰を設けた場合、間隙はより広く必要である。この
間隙部分でカーテン膜は表面張力の作用により幅方向に
収縮しようとするため、実際に塗布される膜の幅は左右
のエッジガイドの幅よりも狭くなり、また狭くなった分
だけ厚膜が生じることになる。塗布幅が狭くなることは
生産性を減じ、また厚膜は乾燥不良による工程汚染を引
き起こすため、カーテン膜の収縮は避けねばならない。
そのためホッパーを上下動する機構を設ける場合もある
が、これはその装置が高価でかつ複雑なものになってし
まう。
【0016】一方、塗布開始前にはカーテン膜が固定さ
れた液受けパン上に流下し、塗布開始と同時にホッパー
が所定の塗布位置まで前進する方法の場合、エッジガイ
ドとウエブの間隙は最小に抑えられる。しかしこの方式
の場合もホッパーの移動中に厚膜が生じるため、塗布先
頭の厚膜を防止する方法が必要である。
【0017】ホッパーが前後方向に移動せず、液受けパ
ンの回転あるいは摺動のみで塗布を開始する方法におけ
る塗布先頭部分の乾燥能力を超えた厚膜部分の対策に様
々な提案がなされている。
【0018】例えば特公昭49−35447号には回転
あるいは摺動可能な液受けパンが開示され、特公平6−
24664号には液受けパン内にブレード・堰を設ける
方式、特表平5−501987号には液受けパン両端を
可撓性する方式、特開平1−304076号には液受け
パン先端を設けたり、先端に角度をつける方式、特開平
2−277570号には液受けパン先端を疎水性にする
方式、特開平4−61951号には液受けパン先端を
“く”の字型にする方式、特開平3−94863号には
液受けパンの角度、移動速度を規定する方式等である。
【0019】しかしホッパーを前後動させて塗布を開始
する方法の場合には液受けパン先端形状の変更は、先頭
厚膜に効果が無いことがわかった。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】カーテン塗布に関する
上記のような問題に対して本発明の課題は エッジガイド下端部でのカーテン膜の不安定性を解
消する塗布方法を提供しようとするものである(請求項
1〜5)。
【0021】 比較的低流量でも安定なカーテン膜形
成の可能な塗布方法を提供することである(請求項6〜
7)。
【0022】 コーターを前方に動かして塗布開始を
行うカーテン塗布において、塗布先頭の厚膜を防止する
方法を提供することである(請求項8〜15)。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は下記
手段により達成される。
【0024】課題 a.カーテン塗布装置において、カーテン膜に接する面
の下端部をシャープエッジとし、下端部のカーテン膜面
に対する角度を直角または鋭角にしたエッジガイドを有
することを特徴とする塗布装置 b.上記a項記載の塗布装置を用いることを特徴とする
塗布方法 c.カーテン塗布装置において、カーテン膜に接する面
の下端部及び/又は底面に吸引手段を設けたことを特徴
とするエッジガイドを有することを特徴とする塗布装置 d.上記c項記載の塗布装置を用いることを特徴とする
塗布方法 e.上記c項目記載の塗布装置において、エッジガイド
下端とウエブの間隙を0.5mm以下とすることを特徴
とする塗布方法。
【0025】課題 f.スライド面両縁部の幅規制プレート下面よりスライ
ド面に接して補助液を流すスライドホッパーを用いるカ
ーテン塗布方法において、補助液の吐出位置がホッパー
リップ先端より10mm以上、上流側でかつ最下層の流
出するスロットより下流側にあることを特徴とする塗布
方法 g.上記補助液の表面張力がカーテン膜の表面を形成す
る塗布液の表面張力よりも大きいことを特徴とする上記
e項記載の塗布方法。
【0026】課題 h.ホッパーを前進させて塗布を開始するカーテン塗布
装置において、液受けパンの先端と塗布位置の間の距離
を5mm以下とすることを特徴とする塗布装置 i.ホッパーを前進させて塗布を開始するカーテン塗布
装置において、液受けパンの先端を可撓性にし、かつエ
ッジガイド下端の軌道より上方に突き出すことを特徴と
する塗布装置 j.上記i項記載の塗布装置を用いることを特徴とする
塗布方法 k.ホッパーを前進させて塗布を開始するカーテン塗布
装置において、液受けパンの先端に液が固定されるよう
な鋭利な角を持たないようにしたことを特徴とする液受
けパンを有することを特徴とする塗布装置 l.上記k項記載の塗布装置を用いることを特徴とする
塗布方法 m.ホッパーを前進させて塗布を開始するカーテン塗布
装置において、先端を疎水性にした液受けパンを有する
ことを特徴とする塗布装置 n.上記m項記載の装置を用いることを特徴とする塗布
方法 o.カーテン塗布方法において、ホッパーの前進速度を
5〜10cm/secとすることを特徴とする塗布方
法。
【0027】以下、本発明について具体的に説明する。
【0028】課題 図1(a)はカーテン塗布の側方断面図である。1はス
ライドホッパー、2はスライドホッパーから流下する塗
布液カーテン、3はバックロール、4は支持体、9は液
受けパンである。同図(b)はカーテン塗布の正面図で
ある。5はカーテンのエッジガイドである。
【0029】カーテン塗布においては、スライドホッパ
ー1より流下するカーテン膜は塗布前までスライドホッ
パー下方に位置する液受けパン9に流されており、塗布
開始時にスライドホッパーが前進して支持体4の上方に
移動することによってカーテン膜は支持体上に流下して
塗布が行われる。
【0030】カーテン膜の両側にはエッジガイド5が配
されており、カーテン膜の流れを制御している。
【0031】図2(a)はカーテン下部に接するエッジ
ガイド5の先端を鋭角にしたものである。このエッジガ
イドは下端部のカーテン膜面に対する角度を直角又は鋭
角に設置される。また、同図(b)はエッジガイド下部
にカーテン厚膜の吸引手段6を設けたものである。
【0032】エッジガイド5の下端部の形状をカーテン
膜面に対して鋭角としたところ、カーテン膜の最下端部
がエッジガイドの最下端部に固定され、非常に少ない塗
布流量においてもカーテン膜の保持が可能であった。さ
らにエッジガイド最下端部において真空手段で塗布液の
吸引除去をおこなったところ、カーテン膜最下端部はよ
り以上に安定になることがわかった。また流下膜そのも
のは安定であっても、塗布中に膜左右両下端部付近が縮
流し、設定塗布幅が得られないばかりか通常の条件では
乾かないような厚膜の部分が生じることがあるが、その
ような条件下において吸引手段を持つエッジガイドを用
いたところ縮流は観察されなかった。
【0033】カーテン塗布において塗布膜端部の厚膜は
大きな問題の一つであるが、吸引手段6を持つエッジガ
イド5を用いることでこの端部厚膜も低減できることが
わかった。この厚膜低減作用は特にエッジガイド下端と
ベース間の間隙に大きく影響を受けるが、その間隙を5
00μm以下とすることで、端部厚膜のほとんどない塗
布試料が得られた。
【0034】特表平3−50085号などにはエッジガ
イド下端部での吸引除去が提案されているが、それらは
サイド補助液を用いる場合の補助液の吸引除去であり、
本発明は補助液の有無を問わずカーテン膜下端部での膜
の安定性を向上させるものである。
【0035】好ましい実施態様としては、図2(a)に
示すエッジガイド下端部の角度αは30〜90゜であ
り、同図(b)に示す吸引孔とウエブのなす角βは0〜
60゜であり、エッジガイド5の下端と支持体4(ウエ
ブ)の距離lは500μm以下である。また好ましい吸
引圧は500〜5000mmAqである。
【0036】課題 図3はスライドホッパーを用いたカーテン塗布装置の斜
視図である。7はスライド面の幅規制プレート、8はサ
イド補助液の供給口である。
【0037】エッジガイド5付近の流速を大きくし、か
つカーテン膜内幅方向の表面張力勾配の逆転の効果を持
たせるために、比較的低粘度かつ塗布液よりも表面張力
の大きいサイド液を、最下層塗布液に確実に接するよう
に供給口8より流した。しかもこのサイド液(補助液)
の吐出位置はスライドホッパー先端より約10mm上流
側でかつ最下層のスロット(塗布液流出口)より下流側
にあるようにした。これにより非常に低流量かつ表面張
力勾配の大きな塗布液を用いた場合にも安定なカーテン
膜の形成が可能となった。
【0038】課題 図4は塗布前後における液受けパンとエッジガイドの関
係位置の説明図である。
【0039】図1(a)で説明したように塗布開始前、
待機位置にあるカーテン塗布装置のホッパー1より流下
して出来たカーテン膜2は液受けパン9にさえぎられ排
出されている。塗布はスライドホッパー1が図示した待
機位置より左方の(図示しない)塗布位置に移動するこ
とで開始される。
【0040】図4(a)は塗布開始動作前後のエッジガ
イド5と液受けパン9の先端付近の側方よりの拡大図で
ある。塗布開始前にはエッジガイド5は液受けパン9の
上方にあるが塗布開始時にはエッジガイドは、5′の位
置即ち支持体の上方に前進する。液受けパン9の先端は
移動するエッジガイド5の下端に接触しないように設置
されている。
【0041】図4(b)は液受けパン9の先端を可撓性
とし、かつその先端が待機位置より塗布位置に移動する
エッジガイド下端のつくる軌跡より上方に突き出すよう
に配置したものである。
【0042】図4(c)は待機位置から塗布位置に移動
する途中のエッジガイド5と液受けパン9、カーテン膜
2の側方図である。詳細な観察の結果、エッジガイド5
が液受けパン9の上方よりも塗布位置寄りに移動した後
でもカーテン膜2の下端は液受けパン先端付近に固定さ
れ、エッジガイド5より一瞬遅れて塗布位置側に移動す
ることがわかった。
【0043】液受けパンの先端位置を種々変更し、塗布
先頭の厚膜を調べたところ、液受けパンの先端と塗布点
の間の距離yをできるだけ短くすることで塗布先頭の厚
膜は減少できることがわかった。望ましくは図4(a)
のXを5mm以下とすることで先頭の厚膜は問題になら
ないレベルまで減少できる。それだけでなく、先頭部の
所望の塗布幅が得られない部分長さも短くなる。Xをよ
り小さくしようと液受けパン先端を塗布点に近づける
と、液受けパン先端がエッジガイド下端の軌跡と交差
し、エッジガイドとぶつかってしまうこともある。これ
を避けるために液受けパン先端を可撓性としカーテン膜
の流下圧力で変形できるようにすることで、液受けパン
先端がエッジガイド下端の軌跡と交差してもエッジガイ
ドと直接接触することが無く液受けパン先端を充分に塗
布点に近づけることができる。また、図4(c)に示す
ようにホッパーが前進する際にカーテン膜下端部が液受
けパン先端に固定されると、カーテン膜が変形を受け塗
布先頭部分に厚膜が生じてしまうことがある。その結果
生じる厚膜は図4(c)中の距離yに比例することが実
験の結果わかった。この厚膜は液受けパン先端がカーテ
ン膜下端部を固定しないように工夫することで解消でき
る。実際には液受けパン9の先端部を鈍角あるいは滑ら
かな形状とすること、または先端部を疎水性にすること
で、図4の距離yは問題の無いレベルまで減少する。ま
た、ホッパーの前進速度が遅い場合にも液受けパン先端
にカーテン膜下端が固定され、yが大きくなる傾向が見
られるが、これは前進速度を大きくすることで解決可能
である。しかしあまりにも大きな前進速度はカーテン膜
の安定性を損ね、時にはカーテン膜が破壊することもあ
るため、この前進速度は5〜10cm/secが適当で
あることがわかった。
【0044】
【実施例】以下、実施例により本発明の効果を例証す
る。
【0045】1.スライドホッパーを用いたカーテン単
層塗布を行った。条件は下記の通りである。
【0046】 塗布速度:100m/min ウ エ ブ:ポリエチレンテレフタレート 塗 布 液:5%ゼラチン水溶液、粘度20cP 表面張力45dyne/cm 流 量:1.5ml/sec/cm 下端部の角度αが90゜でシャープエッジのエッジガイ
ドを用いて塗布を行った。カーテン膜は充分に安定であ
り、品質上も問題のない塗布膜が得られた。
【0047】実施例2 下端部の角度αが80゜でシャープエッジのエッジガイ
ドを用いて塗布を行ったところ、実施例1と同様の安定
な塗布が可能であった。
【0048】比較例1 下端部の角度αが100゜でシャープエッジのエッジガ
イドを用いて塗布を行ったところカーテン膜は不安定
で、塗布中に膜が破壊した。
【0049】比較例2 実施例1と同様に下端部の角度αが90゜であるが、カ
ーテン膜に接する角をC1の面取り加工したエッジガイ
ドを用い同様の塗布を行ったところ、カーテン膜はエッ
ジガイド下端部に固定されず塗布中で膜が破壊した。
【0050】上記の実験の結果、エッジガイド下端部の
角度αを90゜以下とし、かつ下端部をシャープエッジ
とすることで良好な塗布が可能であることがわかった。
【0051】実施例3 実施例1と同様のエッジガイドで下端部より2000m
mAqの吸引を行いつつ塗布液の流量を徐々に少なくし
ていったところ、流量が1.0ml/sec/cmまで
安定なカーテン膜が得られた。
【0052】比較例3 実施例3のエッジガイドを用い、吸引を行わずに塗布液
の流量を徐々に少なくしていったところ流量が1.2m
l/sec/cmでカーテン膜が壊れた。
【0053】上記実験によりエッジガイド下端部の吸引
により低流量においても安定なカーテン膜が得られるこ
とがわかった。
【0054】実施例4 上記実施例3のエッジガイドでエッジガイド下端部とウ
エブの間隙を0.5mmとし、エッジガイド下端部より
2000mmAqの吸引を行いつつ塗布を行ったとこ
ろ、得られた塗布膜の幅は設定幅(左右のエッジガイド
間の距離)より1mm狭いだけであった。
【0055】比較例4 上記実施例4のエッジガイド、同様の間隙で吸引を行わ
ずに塗布を行ったところ、ウエブ上に実際に塗布された
幅は設定幅より4mm狭かった。
【0056】実施例5 上記実施例3と同様の装置を用いエッジガイド下端とウ
エブの間隙を1mmとし、吸引圧2000mmAqで吸
引しつつ塗布を行ったところ、塗布幅は設定幅より1m
m狭いだけであった。
【0057】比較例5 上記実施例5のエッジガイド、同様の間隙で吸引を行わ
ずに塗布を行ったところ、ウエブ上に実際に塗布された
幅は設定幅より10mm狭かった。
【0058】上記実施例4、5および比較例4、5によ
り、吸引によりカーテン膜下端部の縮流が抑制され、塗
布幅がより広がることが明らかになった。また上記実施
例4、5および比較例4、5で得られた塗布試料の端部
の膜厚を透過光学濃度で測定したところ、それぞれ定常
部(塗布中央部)の1.05倍、1.4倍、1.5倍、
2.3倍となり、吸引を行うことで端部の厚膜が大きく
軽減されることがわかった。
【0059】2.本発明によるサイド補助液を用いたカ
ーテン2層同時塗布を行った。条件は下記の通りであ
る。
【0060】塗布速度:100m/min、ウエブ:ポ
リエチレンテレフタレート 第1層(下層):5%ゼラチン水溶液、粘度20cP 表面張力40dyne/cm、流量0.8ml/cm/
sec 第2層(上層):5%ゼラチン水溶液、粘度10cP 表面張力35dyne/cm、流量0.3cc/cm/
sec サイド補助液:3%ゼラチン水溶液、粘度3cP、 表面張力55dyne/cm、流量10ml/min 実施例6 図3に示すように、サイド補助液をリップ先端より15
mm上流側(かつ第1層スロットよりも下流側)より供
給したところ、カーテン膜は安定であり、塗布故障も認
められなかった。
【0061】比較例6 サイド補助液の供給位置を第1層スロットよりも上流側
にしたところ、カーテン膜が形成されなかった。
【0062】比較例7 サイド補助液をリップ先端付近より供給したところ、カ
ーテン膜は非常に不安定で塗布開始とともにカーテン膜
は破壊した。
【0063】比較例8 実施例6と同じ位置より表面張力を35dyne/cm
に調整したサイド液を供給したところカーテン膜は形成
されなかった。
【0064】3.下記条件で単層カーテン塗布を行っ
た。条件は以下の通りである。
【0065】塗布速度:100m/min、ウエブ:ポ
リエチレンテレフタレート 塗 布 液:5%ゼラチン水溶液、粘度20cP、 表面張力45dyne/cm、流量:1.5ml/se
c/cm 実施例7 液受けパン先端と塗布点間の距離を5mm、コータ前進
速度を5cm/secとし塗布を開始したところ、先頭
は問題なく乾燥した。このとき最大の厚膜部分の厚みは
定常部の1.3倍程度であった。
【0066】比較例9 液受けパン先端と塗布点間の距離を15mm、コータ前
進速度を5cm/secとし塗布を開始したところ、先
頭は乾かなかった。最大厚膜部は定常部の2倍であっ
た。また先頭部、ウエブ上の塗布幅が所定の幅になるま
でに要した距離は実施例7に比べ3倍にもなった。
【0067】比較例10 液受けパン先端と塗布点間の距離を5mm、コータ前進
速度を2.5cm/secとし塗布を開始したところ、
先頭は乾かなかった。最大厚膜部は定常部の1.8倍で
あった。また先頭部、ウエブ上の塗布幅が所定の幅にな
るまでに要した距離は実施例7に比べ2.5倍にもなっ
た。
【0068】比較例11 液受けパン先端と塗布点間の距離を5mm、コータ前進
速度を15cm/secとし塗布を開始したところ、コ
ータ前進に伴ってカーテン膜が破壊し塗布が不能であっ
た。
【0069】
【発明の効果】本発明によりカーテン塗布において、第
1にエッジガイド下端部でのカーテン膜の不安定性を解
消し、第2に比較的低流量でも安定なカーテン膜形成の
可能な塗布方法を提供、第3にコーターを前方に動かし
て塗布開始を行うカーテン塗布において、塗布先頭の厚
膜を防止する方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】カーテン塗布の説明図。
【図2】シャープエッジ及び吸引手段を有するエッジガ
イドの説明図。
【図3】スライドホッパーを用いたカーテン塗布装置の
斜視図。
【図4】塗布前後における液受けパンとエッジガイドの
関係位置の説明図。
【符号の説明】
1 スライドホッパー 2 カーテン 3 バックロール 4 支持体(ウエブ) 5,5′ エッジガイド 6 吸引手段 7 幅規制プレート 8 サイド補助液供給口 9 液受けパン

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カーテン塗布装置において、カーテン膜
    に接する面の下端部をシャープエッジとし、下端部のカ
    ーテン膜面に対する角度を直角または鋭角にしたエッジ
    ガイドを有することを特徴とする塗布装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の塗布装置を用いることを
    特徴とする塗布方法。
  3. 【請求項3】 カーテン塗布装置において、カーテン膜
    に接する面の下端部及び/又は底面に吸引手段を設けた
    ことを特徴とするエッジガイドを有することを特徴とす
    る塗布装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の塗布装置を用いることを
    特徴とする塗布方法。
  5. 【請求項5】 エッジ下端部とウエブの距離を0.5m
    m以下にしたことを特徴とする請求項4記載の塗布方
    法。
  6. 【請求項6】 スライド面両縁部の幅規制プレート下面
    よりスライド面に接して補助液を流すスライドホッパー
    を用いるカーテン塗布方法において、補助液の吐出位置
    がホッパーリップ先端より10mm以上、上流側でかつ
    最下層の流出するスロットより下流側にあることを特徴
    とする塗布方法。
  7. 【請求項7】 上記補助液の表面張力がカーテン膜の表
    面を形成する塗布液の表面張力よりも大きいことを特徴
    とする請求項5記載の塗布方法。
  8. 【請求項8】 ホッパーを前進させて塗布を開始するカ
    ーテン塗布方法において、液受けパン先端と塗布位置の
    間の距離を5mm以下とすることを特徴とする塗布方
    法。
  9. 【請求項9】 ホッパーを前進させて塗布を開始するカ
    ーテン塗布装置において、液受けパンの先端を可撓性に
    し、かつエッジガイド下端の軌道より上方に突き出すこ
    とを特徴とする塗布装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の塗布装置を用いること
    を特徴とする塗布方法。
  11. 【請求項11】 ホッパーを前進させて塗布を開始する
    カーテン塗布装置において、先端に液が固定されるよう
    な鋭利な角を持たないようにしたことを特徴とする液受
    けパンを有することを特徴とする塗布装置。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の塗布装置を用いるこ
    とを特徴とする塗布方法。
  13. 【請求項13】 ホッパーを前進させて塗布を開始する
    カーテン塗布装置において、先端を疎水性にした液受け
    パンを有することを特徴とする塗布装置。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の装置を用いることを
    特徴とする塗布方法。
  15. 【請求項15】 カーテン塗布方法において、ホッパー
    の前進速度を5〜10cm/secとすることを特徴と
    する塗布方法。
JP15103396A 1996-06-12 1996-06-12 塗布装置及び塗布方法 Pending JPH10410A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4819311A (en) * 1986-12-26 1989-04-11 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Machine tool
JP2006281196A (ja) * 2005-03-11 2006-10-19 Toray Ind Inc 塗布装置、塗布方法および塗膜形成ウェブの製造方法

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