JPH1041083A - 放電灯点灯装置 - Google Patents

放電灯点灯装置

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JPH1041083A
JPH1041083A JP19939996A JP19939996A JPH1041083A JP H1041083 A JPH1041083 A JP H1041083A JP 19939996 A JP19939996 A JP 19939996A JP 19939996 A JP19939996 A JP 19939996A JP H1041083 A JPH1041083 A JP H1041083A
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正二郎 木戸
Kazunori Kidera
和憲 木寺
Miki Kotani
幹 小谷
Masaharu Kitadou
正晴 北堂
Hisaharu Ito
久治 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】比較的に簡単で小型の回路構成により放電灯の
長寿命化が図れる放電灯点灯装置を提供する。 【解決手段】コンバータ部2の出力電圧を電源部1のグ
ランドレベルに対して負電位とする。インバータ部3
は、4つの主スイッチング素子Q1 〜Q4 をブリッジ接
続して成るブリッジ回路3aと、ブリッジ回路3aのロ
ーサイドのスイッチング素子Q3 ,Q4 を駆動するため
の定電流を作成する定電流回路3bとを備えている。定
電流回路3bはスイッチング素子Q5 ,Q6 等で構成さ
れる電圧レベルシフト回路を2組備えている。インバー
タ部3の主スイッチング素子Q1 〜Q 4 をオン・オフす
るための駆動信号を電圧レベルシフト回路による定電流
で各主スイッチング素子Q3 ,Q4 に伝達するようにし
たため、比較的に簡単な回路構成で、しかも小型な放電
灯点灯装置を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放電灯点灯装置に
関し、特にメタルハライドランプ等のように発光に寄与
する封入物が正の電荷を帯びてイオン化する高庄放電灯
のための放電灯点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の高庄放電灯の点灯装置は、一般的
に、音響的共鳴現象を回避するために低周波の交流矩形
波で点灯させるものであった。ところで、メタルハライ
ドランプ等の高圧放電灯では、発光に寄与する封入物た
る正電荷の物質(例えば、ナトリウムイオン等)が管壁
に浸透してしまい、特に、自動車のヘッドライト等に用
いられる車載用の高圧放電灯においては、周辺に配設さ
れる反射板が金属製である場合にランプ寿命(ランプの
色温度の経時変化)に大きく影響することになる。この
ような不具合を防止するものとして、高圧放電灯の周辺
に配設される反射板をコンバータ部(後述する)の正電
位側の出力端に接続し、高圧放電灯の電極電位との相対
的な電位差を負とする方法や、コンバータ部の直流出力
電圧自体を負電位とし、高圧放電灯の電極電位を反射板
に対して負電位にする方法が提案されている(なお、以
下の説明では、特に注記しない場合は高圧放電灯を放電
灯と記するものとする。)。
【0003】しかしながら、上記前者の方法では、通常
車体がバッテリのマイナス側に接続されていることか
ら、反射板とその周辺の車体の各部を絶縁する必要があ
り、実用上コストが高くなるという欠点があった。それ
に対して後者の方法は比較的に容易に実現可能である。
図13はかかる従来の放電灯点灯装置の一例を示してお
り、直流電圧を出力する電源部(例えば、バッテリ)1
と、この電源部1の直流電源電圧を所定のレベルまで昇
圧するとともに電源部1のグランドレベルに対して負電
位の直流電圧を出力するコンバータ部21と、コンバー
タ部21から出力される直流電圧を交番させて低周波の
矩形波電圧を出力するインバータ部22と、インバータ
部22から出力される矩形波電圧にて点灯するメタルハ
ライドランプ等の放電灯Laと、始動時に高圧の始動電
圧を放電灯Laに印加するイグナイタ部4とを備え、コ
ンバータ部21の出力電圧を電源部1のグランドレベル
に対して負電位とすることで上記不具合を防止してい
る。
【0004】上記インバータ部22は、2組の主スイッ
チング素子Q1 とQ3 ,Q2 とQ4の直列回路をコンバ
ータ部21の出力端間に互いに並列に接続することによ
り、4つのスイッチング素子Q1 〜Q4 を所謂ブリッジ
接続して成るブリッジ回路22aと、各スイッチング素
子Q1 〜Q4 をオン・オフ駆動する駆動回路22bとを
備え、ブリッジ回路22aの出力端Ta−Tb間に、始
動用のイグナイタ部4を介して接続された放電灯Laに
矩形波電圧を印加する。
【0005】ブリッジ回路22aの主スイッチング素子
1 〜Q4 はMOSFETから成り、各主スイッチング
素子Q1 〜Q4 のゲート・ソース間には、パルストラン
スPT0 の2次巻線n21〜n24及びMOSFETから成
るスイッチング素子Q11,Q 12,…が互いに並列に接続
されている。なお、一方のスイッチング素子Q12
22,…は誤動作防止のためのものである。また、
11,D12,…は各スイッチング素子Q11,Q12,…の
寄生ダイオードである。
【0006】駆動回路22bは、パルストランスPT0
の1次巻線n11,n12に一対のスイッチング素子Q5
6 を直列に接続するとともに、1次巻線n11,n12
中点とスイッチング素子Q5 ,Q6 の中点を直流電源E
を介して接続し、さらに直流電源Eの負極をグランドレ
ベルに落として成り、図示しない制御手段によってスイ
ッチング素子Q5 ,Q6 を交互にオン・オフすることに
より、パルストランスPT0 を介してブリッジ回路22
aの各主スイッチング素子Q1 〜Q4 をオン・オフする
ものである。すなわち、図14に示すように、駆動回路
22bのスイッチング素子Q5 が制御手段によってオン
されると、パルストランスPT0 の2次巻線n21,n24
に誘起される電圧によって主スイッチング素子Q1 ,Q
4 のゲート・ソース間が充電されて主スイッチング素子
1 ,Q4 がオンする。このとき、スイッチング素子Q
11,Q41はオン、スイッチング素子Q12,Q42はオフと
なる。反対に駆動回路22bのスイッチング素子Q6
オンされると、パルストランスPT0 の2次巻線n22
23に誘起される電圧によって主スイッチング素子
2 ,Q3 のゲート・ソース間が充電されて主スイッチ
ング素子Q2 ,Q3 がオンする。このとき、スイッチン
グ素子Q21,Q31はオン、スイッチング素子Q22,Q32
はオフとなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来構
成では、音響的共鳴現象を回避するために通常インバー
タ部22の出力矩形波電圧の周波数fL を数百Hz程度
に設定する必要があり、このためにインバータ部22に
用いられる高圧のパルストランスPT0 が大型化してし
まうという問題がある。また、パルストランスPT0
大型化を回避するために、ブリッジ回路22aの主スイ
ッチング素子Q1 〜Q4 を高周波で駆動しつつ低周波で
変調するという駆動方式が提案されているが、パルスト
ランスPT 0 の1次側に設けられる駆動回路に高周波回
路と低周波の変調回路とが必要になり、駆動回路の回路
構成及び制御手段による制御が複雑になるという問題が
ある。なお、電位が異なる回路への情報伝達手段として
フォトカプラなどの光伝達手段がよく使用されている
が、主スイッチング素子Q1 〜Q4 への制御信号を上記
フォトカプラ等の光伝達手段によって伝達しようとする
と、車載用高圧放電灯システムのように温度環境の変化
が大さな場合、発光素子の電流にかなり余裕をみた設計
をする必要があり回路寿命が短くなるという問題があ
る。
【0008】本発明は上記問題点の解決を目的とするも
のであり、比較的に簡単で小型の回路構成により放電灯
の長寿命化が図れる放電灯点灯装置を提供しようとする
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記
目的を達成するために、直流電圧を出力する電源部と、
この電源部の直流電源電圧を所定のレベルまで昇圧する
とともに電源部のグランドレベルに対して負電位の電圧
として出力するコンバータ部と、コンバータ部から出力
される直流電圧を交番させて低周波の矩形波電圧を出力
するインバータ部と、インバータ部から出力される矩形
波電圧にて点灯する放電灯と、始動時に高圧の始動電圧
を放電灯に印加するイグナイタ部とを備えた放電灯点灯
装置において、インバータ部が、コンバータ部の出力端
間にブリッジ接続された4つの主スイッチング素子と、
4つの内で少なくとも2つの主スイッチング素子を駆動
するために複数の電圧レベルシフト回路を有する駆動手
段とを具備して成ることを特徴とし、電圧レベルシフト
回路にて主スイッチング素子のオン・オフ切換を行うこ
とによってパルストランスを使用する必要がなくなり、
比較的に簡単で小型の回路構成により放電灯の長寿命化
が図れる放電灯点灯装置を低コストで提供することがで
きる。
【0010】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、放電灯のランプ電圧にかかわらず所定の定電流を出
力する定電流回路を用いて電圧レベルシフト回路を構成
したことを特徴とし、始動時や安定点灯時あるいは無負
荷時等の各状態におけるランプ電圧が大きく変化するよ
うな放電灯に対して、駆動手段に過大な電流が流れるの
を防止することができる。
【0011】請求項3の発明は、請求項2の発明におい
て、直流電源電圧を昇圧するための昇圧トランスをコン
バータ部に設け、ブリッジ接続された4つの主スイッチ
ング素子の内でハイサイドの主スイッチング素子を昇圧
トランスの3次巻線出力にて駆動するとともに、ローサ
イドの主スイッチング素子を所定の定電流にて駆動する
駆動手段を備えて成ることを特徴とし、パルストランス
を使用せずに主スイッチング素子のオン・オフ切換を行
うことができ、回路の簡素化とコストダウンが図れる。
【0012】請求項4の発明は、請求項2の発明におい
て、主スイッチング素子がオフする際に主スイッチング
素子に蓄積されている電荷を引き抜く引抜回路を備え、
この引抜回路は、主スイッチング素子がオフする瞬間に
動作し且つ主スイッチング素子のオフしている期間より
も短い期間だけ動作し続けていることを特徴とし、本来
オフすべき主スイッチング素子がオンしてしまうという
誤動作が防止できる。
【0013】請求項5の発明は、請求項4の発明の好適
な実施態様であって、定電流で駆動される引抜回路を備
えたことを特徴とする。請求項6の発明は、請求項4の
発明の好適な実施態様であって、パルストランスにて駆
動される引抜回路を備えたことを特徴とする。請求項7
の発明は、請求項4又は5又は6の発明の好適な実施態
様であって、定電流で駆動され、ブリッジ接続された4
つの主スイッチング素子の内でローサイドの主スイッチ
ング素子の蓄積電荷を引き抜く引抜回路を備えたことを
特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)図1は本発明の第1の実施形態を示す一
部省略した回路構成図であり、基本的な構成は従来例と
共通であるから、共通する部分には同一の符号を付して
説明は省略する。本実施形態は、直流電圧を出力する電
源部1と、この電源部1の直流電源電圧を所定のレベル
まで昇圧するとともに電源部1のグランドレベルに対し
て負電位の直流電圧を出力するコンバータ部2と、コン
バータ部2から出力される直流電圧を交番させて低周波
の矩形波電圧を出力するインバータ部3と、インバータ
部3から出力される矩形波電圧にて点灯するメタルハラ
イドランプ等の放電灯Laと、始動時に高圧の始動電圧
を放電灯Laに印加するイグナイタ部4と、コンバータ
部2並びにインバータ部3の制御を行う制御部5とを備
え、コンバータ部2の高電位側の出力端をグランドレベ
ルに落とすことにより、コンバータ部2の出力電圧を電
源部1のグランドレベルに対して負電位としている。な
お、コンバータ部2の出力電圧を電源部1のグランドレ
ベルに対して負電位とすることにより、メタルハライド
ランプ等の高圧放電灯において、発光に寄与する封入物
たる正電荷の物質(例えば、ナトリウムイオン等)が管
壁に浸透してしまうことが防止できる。なお、電源部1
は直流電圧を出力できるものであれば、直流電源や交流
電源と整流回路から成るものなどでよく、特に限定され
ない。
【0015】コンバータ部2は電源部1からの直流電源
電圧を昇圧するためのパルストランスPT1 を備え、メ
タルハライドランプ等の高圧放電灯から成る放電灯La
を点灯させるに必要な電圧または電力を出力し、放電灯
Laを安定点灯させる安定器の機能を有している。上記
パルストランスPT1 の2次側には出力用の2次巻線n
2 の他に一対の3次巻線n31,n32が設けてあり、これ
らの3次巻線n31,n 32に誘起される電圧が後述するブ
リッジ回路3aのハイサイドの主スイッチング素子
1 ,Q2 の駆動用電源に利用されている。
【0016】インバータ部3は、4つの主スイッチング
素子Q1 〜Q4 をブリッジ接続して成るブリッジ回路3
aと、ブリッジ回路3aのローサイドのスイッチング素
子Q 3 ,Q4 を駆動するための定電流を作成する定電流
回路3bとを備えている。なお、ブリッジ回路3aの主
スイッチング素子Q1 〜Q4 は、本実施形態におけるM
OSFET以外にも例えばIGBT(Insulated-Gate B
ipolar Transistor )等の種々のスイッチング素子を用
いることが可能である。
【0017】ブリッジ回路3aのハイサイドの主スイッ
チング素子Q1 ,Q2 のゲート・ソース間には、コンバ
ータ部2のパルストランスPT1 の3次巻線n31
32、ダイオードD1 ,D2 、抵抗R1 ,R2 ,R3
4 が直列に接続されるとともに、抵抗R2 ,R4 と主
スイッチング素子Q1 ,Q2 のゲート・ソースとに並列
に電界コンデンサC1 ,C2 が接続されている。而し
て、上記3次巻線n31,n32に誘起される電圧で電界コ
ンデンサC1 ,C2 が充電され、電界コンデンサC1
2 の両端電圧の上昇により主スイッチング素子Q1
2 がオンするのである。また、ローサイドの主スイッ
チング素子Q3 ,Q4 は、バイポーラトランジスタから
成るスイッチング素子Q9 ,Q10がゲート・ソース間に
ぞれぞれ並列に接続されるとともに、このスイッチング
素子Q9 ,Q10のベース・エミッタ間にダイオード
5 ,D8 が挿入され、さらに、ブリッジ回路3aの出
力端Ta,Tbとドレインの間にはダイオードD3 ,D
6 が挿入されるとともに、ダイオードD3 ,D6 とドレ
インの接続点は上記電界コンデンサC1 ,C2 の正極側
と接続され、且つ各ソースと出力端Ta,Tbの間にダ
イオードD4 ,D7 が挿入されている。なお、ブリッジ
回路3aの出力端Ta−Tb間にはチョークコイルL0
を介してイグナイタ部4及び放電灯Laが接続されてい
る。
【0018】一方、定電流回路3bは、MOSFETか
ら成るスイッチング素子Q5 ,Q6、ツェナーダイオー
ドZD1 ,ZD2 、トランジスタQ7 ,Q8 、並びに抵
抗R 5 …にて構成される所謂電圧レベルシフト回路を2
組備え、制御部5によってスイッチング素子Q5 ,Q6
がオンされたときにトランジスタQ7 ,Q8 がオンとな
って一定電流Icを流し、トランジスタQ7 ,Q8 のコ
レクタに接続された各抵抗R7 ,R10の両端に所定の定
電圧を発生させ、この両端電圧をブリッジ回路3aのロ
ーサイドの主スイッチング素子Q3 ,Q4 の駆動用電源
としている。なお、VC1は定電流回路3bの動作用の補
助電源である。
【0019】イグナイタ部4は高圧電圧を放電灯Laに
印加して絶縁破壊を起こさせ、放電灯Laを起動するも
のである。一方、インバータ部3からは300〜400
V程度の無負荷2次電圧を起動後の放電灯Laに印可し
ており、起動後のグロー放電から直ちにアーク放電へ移
行させるようになっている。制御部5は、コンバータ部
2からの出力電圧が所定レベルとなるように図示しない
スイッチング素子等を制御するとともに、上記定電流回
路3bのスイッチング素子Q5 ,Q6 をオン・オフする
ことでインバータ部3のブリッジ回路3aのローサイド
の主スイッチング素子Q3 ,Q4 にオン・オフのための
駆動信号を与えるものである。
【0020】次に、本実施形態の回路動作について図2
を参照しながら説明する。まず、制御部5により定電流
回路3bの一方のスイッチング素子Q5 がオンとされた
とき(図2(a)参照)、補助電源VC1によってバイア
スされたトランジスタQ7 が飽和領域でオンとなり、ツ
ェナーダイオードZD1 のツェナー電圧V Z 、抵抗R5
の抵抗値及びトランジスタQ7 のベース・エミッタ電圧
BEにより下式で決まる定電流Icが抵抗R7 に流れ
る。
【0021】Ic=(VZ −VBE)/R5 そして、上記定電流Icが流れることで抵抗R7 の両端
に生じる電圧が、ブリッジ回路3aのローサイドの一方
の主スイッチング素子Q3 のゲート・ソース間に印加さ
れ(図2(g)参照)、主スイッチング素子Q3 がオン
となる。一方、制御部5によってスイッチング素子Q5
がオフされると(図2(a)参照)、トランジスタQ7
がオフとなって上記定電流Icは流れなくなる。そうす
ると、ブリッジ回路3aのローサイドの主スイッチング
素子Q3 に接続されている駆動用の抵抗R7 には、主ス
イッチング素子Q3 のゲートコンデンサに充電されてい
る電荷がトランジスタQ9 のベース・エミッタを介して
流れる。そのため、トランジスタQ9 は急激にオンとな
り、主スイッチング素子Q3 の上記ゲートコンデンサ電
荷を引き抜く働きをする。その結果、主スイッチング素
子Q3 のゲート・ソース間電圧が急激に低下し、主スイ
ッチング素子Q3 がオフする(図2(g)参照)。
【0022】また、高周波動作しているコンバータ部2
のパルストランスPT1 の3次巻線n31に誘起された電
圧でコンデンサC1 が充電され、コンデンサC1 の両端
電圧Vc1 が、ブリッジ回路3aのハイサイドの主スイ
ッチング素子Q1 のゲート・ソース間に印加される(図
2(c)参照)。具体的には、ローサイドの主スイッチ
ング素子Q3 がオフの時にコンデンサC1 が充電されて
主スイッチング素子Q 1 がオンとなる(図2(e)参
照)。そして、主スイッチング素子Q3 がオフの時には
コンデンサC1 の充電電荷が主スイッチング素子Q3
ダイオードD4 →コンデンサC1 の経路で放電され、主
スイッチング素子Q1 はオフする。すなわち、ローサイ
ドの主スイッチング素子Q3 ,Q4 がオンすると(図2
(e)(f)参照)、直接接続されているハイサイドの
主スイッチング素子Q1 ,Q2 が直ちにオフとなる動作
をする(図2(g)(h)参照)。
【0023】以下、同様に制御部5がスイッチング素子
6 をオンとすれば(図2(b)参照)、ブリッジ回路
3aのローサイドの他方の主スイッチング素子Q4 がオ
ンとなり、同時にハイサイドの主スイッチング素子Q2
がオフとなる。そして、スイッチング素子Q6 をオフす
ると、ローサイドの主スイッチング素子Q4 はオフ、ハ
イサイドの主スイッチング素子Q2 はオンとなり、結
局、インバータ部3の出力端Ta−Tbからは交流の矩
形波電圧が出力される。
【0024】上述のように本実施形態によれば、コンバ
ータ部2の出力を負電位とすることで、発光に寄与する
正電荷を有する物質の放電灯Laの管壁への浸透が防止
できると同時に、インバータ部3の主スイッチング素子
1 〜Q4 をオン・オフするための駆動信号を電圧レベ
ルシフト回路による定電流で各主スイッチング素子
3 ,Q4 に伝達するようにしたため、比較的に簡単な
回路構成で、しかも小型な放電灯点灯装置を提供するこ
とができる。なお、本実施形態のように放電灯Laにメ
タルハライドランプのような高圧放電灯を用いている場
合、始動時と安定点灯時並びに無負荷時などでランプ電
圧が0〜300V程度の大きな幅で変化することから、
主スイッチング素子Q1 〜Q4 を駆動する駆動手段に定
電流回路3bを設けることにより、過電流が流れるのを
防止でき、放電灯Laの長寿命化が図れるという利点が
ある。
【0025】(実施形態2)図3は本発明の第2の実施
形態を示す一部省略した回路構成図であり、コンバータ
部2並びに制御部5の回路構成以外は実施形態1とほぼ
共通であるから、共通する部分には同一の符号を付して
説明は省略する。なお、インバータ部3の出力端Ta−
Tbに接続されるイグナイタ部4並びに放電灯Laにつ
いては図示を省略している。
【0026】本実施形態におけるコンバータ部2’は所
謂フライバックコンバータであり、フィルタ部6並びに
コンデンサC3 を介して電源部1からの直流電源電圧が
入力されている。パルストランス(フライバックトラン
ス)PT1 の1次巻線n1 には制御部5’によってオン
・オフ制御されるスイッチング素子Q0 が接続され、2
次巻線n2 には整流用のダイオードD0 を介して平滑コ
ンデンサC0 が接続されている。
【0027】本実施形態における制御部5’は、インバ
ータ部3の定電流回路3bのスイッチング素子Q5 ,Q
6 の駆動信号を出力する低周波発振回路7と、コンバー
タ部2’のスイッチング素子Q0 をPWM制御する回路
部とを備えている。コンバータ部2’の非接地側の出力
端(図における下側の出力端)にはコンバータ部2’の
出力電圧(図示しない放電灯のランプ電圧VLa)を検出
するための分圧抵抗R 11,R12が接続されるとともに、
接地側の出力端(図における上側の出力端)にはコンバ
ータ部2’の出力電流(図示しない放電灯のランプ電流
La)を検出するための検出抵抗R13が接続されてい
る。そして、制御部5’において、これら分圧抵抗
11,R12及び検出抵抗R13で検出された検出値(電圧
信号)がオペアンプIC1 ,IC2 から成る増幅器
1 ,82 でそれぞれ増幅され、一方の増幅器82 で増
幅されたランプ電流ILaを示す検出値は、オペアンプI
3 を具備して成る誤差増幅器10の非反転入力端に入
力される。一方、増幅器81 で増幅されたランプ電圧V
Laを示す検出値は演算回路9に入力され、目標値設定回
路11で設定された目標とするランプ電力値との間で除
算が行われて目標とするランプ電流値ILa0 が算出され
る。そして、この算出されたランプ電流の目標値ILa0
が誤差増幅器10の反転入力端に入力されて実際のラン
プ電流の検出値ILaと比較され、両者の誤差分の電圧値
が増幅されてコンパレータIC4 の非反転入力端に入力
される。すなわち、コンパレータIC4 の反転入力端に
は、例えば信号発振器12から鋸波信号が入力されてお
り、誤差増幅器10から入力された電圧値をしきい値と
して、コンパレータIC4 からはPWM信号が出力され
る。そして、このPWM信号によって高周波発振器13
のオンデューティを変え、スイッチング素子Q0 をオン
・オフ制御することで放電灯への電力制御を行ってい
る。
【0028】上述のように本実施形態によれば、コンバ
ータ部2の出力を負電位とすることで発光に寄与する正
電荷を有する物質の放電灯Laの管壁への浸透が防止で
きるると同時に、コンバータ部3の主スイッチング素子
1 〜Q4 をオン・オフするための駆動信号を電圧レベ
ルシフト回路による定電流で各主スイッチング素子Q 1
〜Q4 に伝達するようにしたため、比較的に簡単な回路
構成で、しかも小型な放電灯点灯装置を提供することが
できる。
【0029】(実施形態3)図4は本発明の第3の実施
形態を示す一部省略した回路構成図であり、基本的な構
成は実施形態1と共通であるので共通する部分には同一
の符号を付して説明は省略し、本実施形態の特徴となる
部分についてのみ説明する。本実施形態は、インバータ
部3のブリッジ回路3aにおける主スイッチング素子Q
1 〜Q4 を、ハイサイドドライバICと呼ばれる集積回
路を用いて駆動するようにした点に特徴がある。なお、
本実施形態においては、上記ハイサイドドライバICと
してIR社製のIR2111(品番)を使用している
が、これと同様の電圧レベルシフト機能を有するもので
あれば、特に本実施形態のものに限定されるものではな
い。
【0030】ここで、主スイッチング素子Q1 ,Q
3 と、Q2 ,Q4 の各組を駆動する回路構成は共通であ
るから、一方の主スイッチング素子Q1 ,Q3 の組につ
いてのみ説明し、他方の組については説明を省略する。
上記ハイサイドドライバIC(以下、「集積回路」と称
する。)14の7番ピン(出力端子)にはハイサイドの
主スイッチング素子Q1 のゲートが接続され、4番ピン
(出力端子)にはローサイドの主スイッチング素子Q3
のゲートが接続されている。1番ピン(電源端子)には
補助電源VC2の正極が接続されるとともに、コンデンサ
4 を介して3番ピン(COM端子)が接続されてい
る。また、8番ピン(VB 端子)と6番ピン(VS
子)の間にコンデンサC5 が接続されるとともに、ダイ
オードD9 を介して1番ピンに接続されている。そし
て、2番ピン(入力端子)に定電流回路3bのトランジ
スタQ7 のコレクタが接続されている。ここで、ダイオ
ードD9 を介してコンデンサC5 が充電されるためにコ
ンデンサC4 よりも電位が高くなる所謂チャージポンプ
方式が採用されており、集積回路141 のハイサイドの
電源は、この昇圧されたコンデンサC5 の両端電圧より
得るようになっている。
【0031】次に、本実施形態の回路動作について図5
を参照して説明する。まず、制御部5により定電流回路
3bの一方のスイッチング素子Q5 がオンとされたとき
(図5(a)参照)、補助電源VC1によってバイアスさ
れたトランジスタQ7 が飽和領域でオンとなり、ツェナ
ーダイオードZD1 のツェナー電圧V Z 、抵抗R5 の抵
抗値及びトランジスタQ7 のベース・エミッタ電圧VBE
により下式で決まる定電流Icが抵抗R7 に流れる。
【0032】Ic=(VZ −VBE)/R5 そして、上記定電流Icが流れることで抵抗R7 の両端
電圧が上昇し、集積回路141 の2番ピン(入力端子)
にHレベルの信号が入力される。2番ピンがHレベルに
なると、集積回路141 は4番ピン(出力端子)をHレ
ベル、7番ピン(出力端子)をLレベルとし、ローサイ
ドの主スイッチング素子Q3 をオン、ハイサイドの主ス
イッチング素子Q1 をオフとする(図5(c)(e)参
照)。
【0033】一方、制御部5によってスイッチング素子
5 がオフされると(図5(a)参照)、トランジスタ
7 がオフとなって上記定電流Icは流れなくなる。そ
うすると、抵抗R7 の両端電圧が下降し、集積回路14
1 の2番ピン(入力端子)にLレベルの信号が入力され
る。2番ピンがLレベルになると、集積回路141 は4
番ピンをLレベル、7番ピンをHレベルに反転させ、ロ
ーサイドの主スイッチング素子Q3 をオフ、ハイサイド
の主スイッチング素子Q1 をオンとする(図5(c)
(e)参照)。すなわち、定電流回路3bからの定電流
Icの出力の有無に応じて集積回路141 の2番ピン
(入力端子)にHレベル又はLレベルの信号が入力さ
れ、その入力信号の変化によって主スイッチング素子Q
1 ,Q3 のオン・オフが切り換えられるのである。
【0034】上述のように本実施形態によれば、コンバ
ータ部2の出力を負電位とすることで、発光に寄与する
正電荷を有する物質の放電灯Laの管壁への浸透が防止
できると同時に、コンバータ部3の主スイッチング素子
1 〜Q4 をオン・オフするための駆動信号を電圧レベ
ルシフト回路による定電流で各主スイッチング素子Q 1
〜Q4 に伝達するようにしたため、比較的に簡単な回路
構成で、しかも小型な放電灯点灯装置を提供することが
できる。しかも、本実施形態ではパルストランスを使用
しないため、さらに小型化が可能となる。
【0035】(実施形態4)上記実施形態1〜3では、
放電灯Laが冷却されている状態から始動する場合(初
始動時)のように、放電灯Laに流れるランプ電流が比
較的に多くなる条件の下では、インバータ部3の矩形波
出力が極性反転する際にコンバータ部2の直流出力電圧
が急激に上昇するため、本来オフすべき主スイッチング
素子Q1 …のゲートに過渡電流が流れてオンするという
誤動作を引き起こし、コンバータ部2の出力端間が主ス
イッチング素子Q1 …のブリッジ回路3aを通して短絡
してしまい、回路効率が大幅に低下することがある。
【0036】そこで、本実施形態は、インバータ部3の
矩形波出力が極性反転する際に、オフさせる主スイッチ
ング素子のゲート電圧が上昇しないようにその蓄積電荷
を引き抜く引抜回路を設けることにより、主スイッチン
グ素子の誤動作を防止しようとするものであり、図6に
示すような回路構成を有している。なお、本実施形態の
基本構成も実施形態1とほぼ共通であるから、共通する
部分には同一の符号を付して説明は省略する。
【0037】電源部1に接続されたコンバータ部15
は、パルストランスPT1 の1次側に接続されたスイッ
チング素子Q0 を高周波でスイッチングさせることでパ
ルストランスPT1 の2次側に昇圧された電圧を励起す
る、所謂フライバック型のDC/DCコンバータであ
り、ダイオードD0 と平滑コンデンサC0 にてパルスト
ランスPT1 の2次側出力を整流平滑し、正極側(ダイ
オードD0 のカソード側)をグランドレベルに落とすこ
とで、次段のインバータ部16に電源電圧よりも昇圧さ
れた負電位の直流電圧を供給している。但し、コンバー
タ部15の回路構成はこれに限定されるものではなく、
例えば、フォワード型のコンバータや絶縁型チョーク
(Cuk)回路などでもよい。
【0038】インバータ部16の出力端Ta,Tbには
チョークコイルL0 、イグナイタ部4を介して放電灯L
aが接続されている。このイグナイタ部4は、メタルハ
ライドランプのような高圧放電灯である放電灯Laの始
動時に高圧パルスを発生するものであり、パルス発生器
4a、パルストランスPT2 、コンデンサC5 等で構成
されている。
【0039】一方、インバータ部16は、実施形態1〜
3と同様に4つの主スイッチング素子Q1 〜Q4 がブリ
ッジ接続されたブリッジ回路16aと、各主スイッチン
グ素子Q1 〜Q4 に対して定電流による駆動信号を出力
する定電流回路16bと、主スイッチング素子Q1 〜Q
4 がオンからオフに反転する際にゲート部の電荷を強制
的に引き抜く引抜回路とで構成されている。
【0040】ブリッジ回路16aの主スイッチング素子
1 …のゲート・ソース間には、駆動用の抵抗R11…、
MOSFETから成る電荷引き抜き用のスイッチング素
子Qx…、コンデンサCx…が互いに並列に接続されて
いる。また、主スイッチング素子Q1 …のゲートは定電
流回路16bを構成するトランジスタQ11,Q21
31,Q41のコレクタに接続されている。上記電荷引き
抜き用のスイッチング素子Qx,Qy,Qz,Qwのゲ
ートは抵抗R12…を介して主スイッチング素子Q1…の
ソースに接続されるとともに、定電流回路16bを構成
するトランジスタQ 12,Q22,Q32,Q42のコレクタに
接続されている。
【0041】一方、定電流回路16bは、MOSFET
から成るスイッチング素子Qa〜Qd、ツェナーダイオ
ードZD1 〜ZD4 、トランジスタQ11,Q12,Q21
22,Q31,Q32,Q41,Q42、並びに抵抗Ra〜Rd
等にて構成され、図示しない制御部によってスイッチン
グ素子Qa,Qbがオンされたときにトランジスタ
11,Q21,Q31,Q41がオンとなって駆動用抵抗R11
…両端に定電流を流してブリッジ回路16aの各主スイ
ッチング素子Q1 〜Q4 をオンさせるとともに、スイッ
チング素子Qc,Qdがオンされたときにトランジスタ
12,Q22,Q32,Q42がオンとなって引き抜き用のス
イッチング素子Qx〜Qwをオンさせて主スイッチング
素子Q1 〜Q4 のゲート部電荷を引き抜くようになって
いる。なお、VC1は定電流回路16bの動作用の補助電
源である。
【0042】次に、本実施形態の回路動作について図7
を参照して説明する。まず、制御部(図示せず)により
定電流回路16bのスイッチング素子Qbがオンとされ
ると、補助電源VC1によってバイアスされたトランジス
タQ11,Q41がオンとなって(図7(a)(d)参
照)、ブリッジ回路16aの主スイッチング素子Q1
4 のゲート・ソース間に接続された駆動用の抵抗
11,R41に定電流が流れ、それにより、主スイッチン
グ素子Q1 ,Q4 がオンとなる。
【0043】一方、制御部によってスイッチング素子Q
bがオフ、Qaがオンとされると、それまでオンしてい
たトランジスタQ11,Q41がオフとなり、オフしていた
トランジスタQ21,Q31がオンとなり、その結果、主ス
イッチング素子Q1 ,Q4 がオフ、Q2 ,Q3 がオンと
なってインバータ部16の出力電圧の極性が反転する
(図7(a)〜(d)参照)。このとき、制御部はスイ
ッチング素子Qdを所定の期間T0 (以下、この期間を
「引抜期間」と呼ぶ。)だけオンとすることでトランジ
スタQ12,Q42を介して定電流を流し、直前までオンし
ていた主スイッチング素子Q1 ,Q4 に接続されている
引き抜き用のスイッチング素子Qx,Qwをオンとす
る。これにより、主スイッチング素子Q1 ,Q4 のゲー
ト部に蓄積されている電荷が上記引き抜き用のスイッチ
ング素子Qx,Qwを介して引き抜かれるため、上記主
スイッチング素子Q1 ,Q4 は確実にオフとなり、上述
のように誤ってオンするようなことはない。なお、上記
引き抜き期間T0 は、定電流回路16bのオフ時の遅れ
を考慮してインバータ部16の半周期(主スイッチング
素子Q1 〜Q4 のスイッチング周期の半周期)T1 より
も短く、且つ主スイッチング素子Q1 〜Q4 の切換(極
性反転)後にコンバータ部15の出力電圧V0 の変動が
収束するまでの時間Txよりも長くなるように設定する
のが望ましい(図7参照)。同様に、制御部によってス
イッチング素子Qaがオフ、Qbがオンとされる際にト
ランジスタQcが引き抜き期間T0 だけオンされる。こ
れにより、それまでオンしていたトランジスタQ21,Q
31がオフとなり、オフしていたトランジスタQ11,Q41
がオンとなり、主スイッチング素子Q2 ,Q3 がオフ、
1 ,Q4 がオンとなってインバータ部16の出力電圧
の極性が反転するとともに、直前までオンしていた主ス
イッチング素子Q2 ,Q3 に接続されている引き抜き用
のスイッチング素子Qy,Qzがオンとなる(図7
(a)〜(d)参照)。その結果、主スイッチング素子
2 ,Q3 のゲート部に蓄積されている電荷が上記引き
抜き用のスイッチング素子Qy,Qzを介して引き抜か
れるため、上記主スイッチング素子Q2 ,Q3 を確実に
オフとすることができる。
【0044】本実施形態によれば、主スイッチング素子
1 〜Q4 のゲート・ソース間に接続されたスイッチン
グ素子Qx〜Qwを主構成要素とする引抜回路を設け、
この引抜回路を定電流回路16bからの定電流によって
駆動するようにしたため、ブリッジ回路16aの主スイ
ッチング素子Q1 〜Q4 をオフする際にゲート部に蓄積
されている電荷を上記引抜回路で強制的に引き抜くこと
ができ、本来オフとなるべき主スイッチング素子Q1
がオンとなってブリッジ回路16aが短絡してしまうよ
うな不具合の発生を防止することができる。
【0045】なお、図8に示すように、スイッチング素
子Qa(又はQb)をオフする前からスイッチング素子
Qc,Qdをオンとして蓄積電荷の引き抜きを開始する
ようにすれば、全ての主スイッチング素子Q1 〜Q4
同時にオフとなるデッドタイムDT(図8参照)が形成
されるため、ブリッジ回路16aにおける短絡をさらに
確実に防止することができる。また、ブリッジ回路16
aのデッドタイムDTを比較的に長く採れる場合には、
図9に示すように4つの主スイッチング素子Q 1 〜Q4
の引抜回路を同時に動作させて蓄積電荷を同時に引き抜
くようにしてもよい。
【0046】(実施形態5)図10は本発明の第5の実
施形態を示す回路構成図であり、基本的な構成は実施形
態1,4と共通であるから共通する部分については同一
の符号を付して説明は省略し、本実施形態の特徴となる
部分についてのみ説明する。本実施形態は、引抜回路を
ブリッジ回路16aのローサイドの主スイッチング素子
3 ,Q4 にのみ設けるようにして引抜回路を減らし、
定電流回路16bの簡素化を図った点に特徴がある。
【0047】本実施形態におけるインバータ部17は、
実施形態1〜4と同様に4つの主スイッチング素子Q1
〜Q4 がブリッジ接続されたブリッジ回路17aと、各
主スイッチング素子Q1 〜Q4 に対して定電流による駆
動信号を出力する定電流回路17bと、主スイッチング
素子Q1 〜Q4 がオンからオフに反転する際にゲート部
の電荷を強制的に引き抜く引抜回路とで構成され、4つ
の主スイッチング素子Q1 〜Q4 のうちでローサイドの
主スイッチング素子Q3 ,Q4 にのみ上記引抜回路が設
けてある。
【0048】ブリッジ回路17aのハイサイドの主スイ
ッチング素子Q1 ,Q2 のゲート・ソース間には、トラ
ンジスタQ101 ,Q102 が接続されている。これらのト
ランジスタQ101 ,Q102 のエミッタ・コレクタ間には
ダイオードD11,D21が接続されるとともにベース・コ
レクタ間には抵抗R11,R21が接続され、さらにベース
が定電流回路17bのトランジスタTr1 ,Tr2 のコ
レクタに接続されている。また、ブリッジ回路17aの
ローサイドの主スイッチング素子Q3 ,Q4 のゲート・
ソース間には駆動用の抵抗R31,R41と電荷引き抜き用
のスイッチング素子Qf1 ,Qf2 が互いに並列に接続
されるとともに、主スイッチング素子Q 3 ,Q4 のゲー
トが定電流回路17bのトランジスタTr3 ,Tr4
コレクタに接続されている。そして、引き抜き用のスイ
ッチング素子Qf1 ,Qf2 のゲート・ソース間にはト
ランジスタTr5 ,Tr6 及び抵抗Rxが互いに並列に
接続れるとともに、両スイッチング素子Qf1 ,Qf2
のゲートは定電流回路17bのスイッチング素子HQの
コレクタに接続されている。なお、上記トランジスタT
5 ,Tr6 のベース・エミッタ間にはダイオード
31,D41が接続されている。
【0049】一方、定電流回路17bは、MOSFET
から成るスイッチング素子DQ1 〜DQ4 、バイポーラ
トランジスタから成るスイッチング素子HQ、ツェナー
ダイオードZD1 〜ZD4 、トランジスタTr1 〜Tr
4 等にて構成され、図示しない制御部によってスイッチ
ング素子DQ1 〜DQ4 がオンされたときにトランジス
タTr1 〜Tr4 がオンとなって、ブリッジ回路17a
の駆動用抵抗R11,R 21,R31,R41に定電流を流して
ブリッジ回路17aの各主スイッチング素子Q 1 〜Q4
がオンするとともに、主スイッチング素子Q1 〜Q4
オン・オフ切換時にスイッチング素子HQが制御部によ
ってオンされてブリッジ回路17aのトランジスタTr
5 ,Tr6 をオンとし、これによってローサイドの主ス
イッチング素子Q3 ,Q4 に設けられた引き抜き用のス
イッチング素子Qf1 ,Qf2 をオンさせ、上記主スイ
ッチング素子Q1 〜Q4 のゲート部電荷を引き抜くよう
になっている。なお、定電流回路17bは、図示しない
補助電源から供給される電源電圧VCCにて動作する。
【0050】次に、本実施形態の回路動作について説明
する。まず、制御部(図示せず)によって定電流回路1
7bのスイッチング素子DQ 1 ,DQ4 がオンされる
と、電源電圧VCCでバイアスされたトランジスタT
1,Tr4 がオンとなって、ブリッジ回路17aの主
スイッチング素子Q1 ,Q4に接続されている駆動用の
抵抗R11,R41に定電流が流れ、それによって主スイッ
チング素子Q1 ,Q4 がオンとなる。
【0051】一方、制御部によってスイッチング素子D
1 ,DQ4 がオフ、DQ2 ,DQ 3 がオンとされる
と、それまでオンしていたトランジスタTr1 ,Tr4
がオフとなり、オフしていたトランジスタTr2 ,Tr
3 がオンとなって、主スイッチング素子Q1 ,Q4 がオ
フ、Q2 ,Q3 がオンとなってインバータ部17の出力
電圧の極性が反転する。このとき、制御部はスイッチン
グ素子DQ1 ,DQ4 をオフするとき、あるいはそれよ
り若干先に定電流回路17bのスイッチング素子HQを
所定の引抜期間だけオンとすることでトランジスタTr
5 ,Tr6 を介して引き抜き用のスイッチング素子Qf
1 ,Qf2 をオンとする。これにより、主スイッチング
素子Q1 ,Q4 のゲート部に蓄積されている電荷が上記
引き抜き用のスイッチング素子Qf1 ,Qf2 を介して
引き抜かれるため、上記主スイッチング素子Q1 ,Q4
を確実にオフすることができる。
【0052】同様に、制御部によってスイッチング素子
DQ2 ,DQ3 がオフ、DQ1 ,DQ4 がオンとされる
際にもスイッチング素子HQがオンされ、トランジスタ
Tr 5 ,Tr6 を介して引き抜き用のスイッチング素子
Qf1 ,Qf2 をオンとすることでスイッチング素子Q
2 ,Q3 を確実にオフすることができる。上述のように
本実施形態によれば、引抜回路によって主スイッチング
素子Q3,Q4 の誤動作が防止できるだけでなく、実施
形態4に比較して定電流回路17bの回路構成を簡素化
することができ、コストダウンと同時に回路の小型化が
図れるという利点がある。
【0053】(実施形態6)図11は本発明の第6の実
施形態を示す回路構成図であり、基本的な構成は実施形
態5と共通であるから共通する部分については同一の符
号を付して説明は省略し、本実施形態の特徴となる部分
についてのみ説明する。本実施形態は、引抜回路を構成
するスイッチング素子Qn1 〜Qn4 を駆動するために
パルストランスPT3 を具備した引抜駆動回路20を備
えた点に特徴がある。つまり、引き抜き用のスイッチン
グ素子Qn1 〜Qn4 のオン時間は、インバータ部18
aの主スイッチング素子Q1 〜Q4 のオン時間よりも充
分に短い時間でよく、高周波用の上記パルストランスP
3 を用いて引き抜き用のスイッチング素子Qn1 〜Q
4 を駆動することが可能となり、これにより、定電流
回路18bにおける回路構成を簡素化することができ
る。
【0054】本実施形態におけるインバータ部18は、
実施形態1〜5と同様に4つの主スイッチング素子Q1
〜Q4 がブリッジ接続されたブリッジ回路18aと、各
主スイッチング素子Q1 〜Q4 に対して定電流による駆
動信号を出力する定電流回路18bと、主スイッチング
素子Q1 〜Q4 がオンからオフに反転する際にゲート部
の蓄積電荷を引き抜く引抜回路とで構成され、かかる引
抜回路が具備する引き抜き用のスイッチング素子Qn1
〜Qn4 を駆動するための引抜駆動回路20を備えてい
る。但し、定電流回路18bは定電流源191 〜194
を4組具備しているが、各定電流源191 〜194 の構
成については実施形態5と同様であるから説明は省略す
る。
【0055】ブリッジ回路18aの各主スイッチング素
子Q1 〜Q4 のゲート・ソース間には、コンデンサCn
1 〜Cn4 、駆動用の抵抗Rn1 〜Rn4 、引き抜き用
のスイッチング素子Qn1 〜Qn4 が互いに並列に接続
されるとともに、主スイッチング素子Q1 〜Q4 のゲー
トには定電流回路18bの各定電流源191 〜194
接続されている。すなわち、定電流源191 〜194
ら供給される定電流が上記駆動用の抵抗Rn1 〜Rn4
に流れることにより、各主スイッチング素子Q 1 〜Q4
がオンすることになる。また、各引き抜き用のスイッチ
ング素子Qn1〜Qn4 のゲート・ソース間には、引抜
駆動回路20が具備するパルストランスPT3 の2次巻
線n21〜n24がそれぞれ接続されている。
【0056】引抜駆動回路20は、直流電源Eの両端間
にパルストランスPT3 の1次巻線n11,n12とスイッ
チング素子Qs1 ,Qs2 の直列回路が互いに並列に接
続されてプッシュプル回路が構成され、図示しない制御
部によって上記スイッチング素子Qs1 ,Qs2 がオン
された場合に、パルストランスPT3 の2次巻線n21
24に誘起される電圧にて、各引き抜き用のスイッチン
グ素子Qn1 〜Qn4を駆動するものである。
【0057】次に、本実施形態の回路動作について図1
2を参照して説明する。まず、制御部(図示せず)によ
り定電流回路18bの定電流源191 ,194が駆動さ
れると(図12(a)参照)、ブリッジ回路18aの主
スイッチング素子Q1 ,Q4 のゲート・ソース間に接続
された駆動用の抵抗Rn1 ,Rn4 に定電流が流れ、そ
れにより各主スイッチング素子Q1 ,Q4 がオンする。
【0058】一方、制御部によって定電流回路18bの
定電流源191 ,194 がオフ、192 ,193 がオン
されると、それまでオンしていた主スイッチング素子Q
1 ,Q4 がオフ、オフしていた主スイッチング素子
2 ,Q3 がオンとなってインバータ部18の出力電圧
の極性が反転する(図12(b)参照)。このとき、制
御部は引抜駆動回路20の片方のスイッチング素子Qs
1 を所定の引抜期間T0 だけオンとし(図12(c)参
照)、パルストランスPT3 を介して、直前までオンし
ていた主スイッチング素子Q1 ,Q4 のゲート部の蓄積
電荷をスイッチング素子Qn1 ,Qn4 をオンすること
で引き抜き、主スイッチング素子Q1 ,Q4を確実にオ
フさせて誤動作を防止する。
【0059】同様に、主スイッチング素子Q2 ,Q3
オンからオフ、主スイッチング素子Q1 ,Q4 をオフか
らオンにして極性反転する際にも、制御部が引抜駆動回
路20の他方のスイッチング素子Qs2 をオンすること
で主スイッチング素子Q2 ,Q3 のゲート部の蓄積電荷
を引き抜き用のスイッチング素子Qn2 ,Qn3 を介し
て引き抜き、主スイッチング素子Q2 ,Q3 を確実にオ
フさせることができる。
【0060】本実施形態によれば、ブリッジ回路18a
の各主スイッチング素子Q1 〜Q4のゲート部に蓄積さ
れた電荷を引き抜くための引き抜き用のスイッチング素
子Qn1 〜Qn4 を、引抜駆動回路20が具備するパル
ストランスPT3 にてオン・オフ駆動するようにしたた
め、実施形態5の場合に比較して定電流回路18bにお
ける定電流源191 …の数を減らして回路構成の簡素化
が可能となるという利点を有している。また、本実施形
態のように引抜駆動回路20をプッシュプル構成とする
ことで、1個のパルストランスPT3 によって2組の主
スイッチング素子Q1 ,Q4 とQ2 ,Q3 を交互にオン
・オフさせることができ、回路構成も簡単になる等の利
点がある。
【0061】
【発明の効果】請求項1の発明は、直流電圧を出力する
電源部と、この電源部の直流電源電圧を所定のレベルま
で昇圧するとともに電源部のグランドレベルに対して負
電位の電圧として出力するコンバータ部と、コンバータ
部から出力される直流電圧を交番させて低周波の矩形波
電圧を出力するインバータ部と、インバータ部から出力
される矩形波電圧にて点灯する放電灯と、始動時に高圧
の始動電圧を放電灯に印加するイグナイタ部とを備えた
放電灯点灯装置において、インバータ部が、コンバータ
部の出力端間にブリッジ接続された4つの主スイッチン
グ素子と、4つの内で少なくとも2つの主スイッチング
素子を駆動するために複数の電圧レベルシフト回路を有
する駆動手段とを具備して成るので、電圧レベルシフト
回路にて主スイッチング素子のオン・オフ切換を行うこ
とによってパルストランスを使用する必要がなくなり、
比較的に簡単で小型の回路構成により放電灯の長寿命化
が図れる放電灯点灯装置を低コストで提供することがで
きるという効果がある。
【0062】請求項2の発明は、放電灯のランプ電圧に
かかわらず所定の定電流を出力する定電流回路を用いて
電圧レベルシフト回路を構成したので、始動時や安定点
灯時あるいは無負荷時等の各状態におけるランプ電圧が
大きく変化するような放電灯に対して、駆動手段に過大
な電流が流れるのを防止することができるという効果が
ある。
【0063】請求項3の発明は、直流電源電圧を昇圧す
るための昇圧トランスをコンバータ部に設け、ブリッジ
接続された4つの主スイッチング素子の内でハイサイド
の主スイッチング素子を昇圧トランスの3次巻線出力に
て駆動するとともに、ローサイドの主スイッチング素子
を所定の定電流にて駆動する駆動手段を備えて成るの
で、パルストランスを使用せずに主スイッチング素子の
オン・オフ切換を行うことができ、回路の簡素化とコス
トダウンが図れるという効果がある。
【0064】請求項4の発明は、主スイッチング素子が
オフする際に主スイッチング素子に蓄積されている電荷
を引き抜く引抜回路を備え、この引抜回路は、主スイッ
チング素子がオフする瞬間に動作し且つ主スイッチング
素子のオフしている期間よりも短い期間だけ動作し続け
ているので、本来オフすべき主スイッチング素子がオン
してしまうという誤動作が防止できるという効果があ
る。
【0065】請求項5の発明は、定電流で駆動される引
抜回路を備えたので、回路構成の簡素化が図れるという
特徴がある。請求項6の発明は、パルストランスにて駆
動される引抜回路を備えたので、回路構成の簡素化が図
れるという効果がある。請求項7の発明は、定電流で駆
動され、ブリッジ接続された4つの主スイッチング素子
の内でローサイドの主スイッチング素子の蓄積電荷を引
き抜く引抜回路を備えたので、回路構成の簡素化が図れ
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1を示す回路構成図である。
【図2】同上の動作を説明するためのタイムチャートで
ある。
【図3】実施形態2を示す回路構成図である。
【図4】実施形態3を示す回路構成図である。
【図5】同上の動作を説明するためのタイムチャートで
ある。
【図6】実施形態4を示す回路構成図である。
【図7】同上の動作を説明するためのタイムチャートで
ある。
【図8】同上の他の動作を説明するためのタイムチャー
トである。
【図9】同上のさらに他の動作を説明するためのタイム
チャートである。
【図10】実施形態5を示す回路構成図である。
【図11】実施形態6を示す回路構成図である。
【図12】同上の動作を説明するためのタイムチャート
である。
【図13】従来例を示す回路構成図である。
【図14】同上の動作を説明するためのタイムチャート
である。
【符号の説明】
1 電源部 2 コンバータ部 3 インバータ部 3a ブリッジ回路 3b 定電流回路 4 イグナイタ部 5 制御部 La 放電灯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北堂 正晴 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 伊藤 久治 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電圧を出力する電源部と、この電源
    部の直流電源電圧を所定のレベルまで昇圧するとともに
    電源部のグランドレベルに対して負電位の電圧として出
    力するコンバータ部と、コンバータ部から出力される直
    流電圧を交番させて低周波の矩形波電圧を出力するイン
    バータ部と、インバータ部から出力される矩形波電圧に
    て点灯する放電灯と、始動時に高圧の始動電圧を放電灯
    に印加するイグナイタ部とを備えた放電灯点灯装置にお
    いて、インバータ部は、コンバータ部の出力端間にブリ
    ッジ接続された4つの主スイッチング素子と、4つの内
    で少なくとも2つの主スイッチング素子を駆動するため
    に複数の電圧レベルシフト回路を有する駆動手段とを具
    備して成ることを特徴とする放電灯点灯装置。
  2. 【請求項2】 放電灯のランプ電圧にかかわらず所定の
    定電流を出力する定電流回路を用いて電圧レベルシフト
    回路を構成したことを特徴とする請求項1記載の放電灯
    点灯装置。
  3. 【請求項3】 直流電源電圧を昇圧するための昇圧トラ
    ンスをコンバータ部に設け、ブリッジ接続された4つの
    主スイッチング素子の内でハイサイドの主スイッチング
    素子を昇圧トランスの3次巻線出力にて駆動するととも
    に、ローサイドの主スイッチング素子を所定の定電流に
    て駆動する駆動手段を備えて成ることを特徴とする請求
    項2記載の放電灯点灯装置。
  4. 【請求項4】 主スイッチング素子がオフする際に主ス
    イッチング素子に蓄積されている電荷を引き抜く引抜回
    路を備え、この引抜回路は、主スイッチング素子がオフ
    する瞬間に動作し且つ主スイッチング素子のオフしてい
    る期間よりも短い期間だけ動作し続けていることを特徴
    とする請求項2記載の放電灯点灯装置。
  5. 【請求項5】 定電流で駆動される引抜回路を備えたこ
    とを特徴とする請求項4記載の放電灯点灯装置。
  6. 【請求項6】 パルストランスにて駆動される引抜回路
    を備えたことを特徴とする請求項4記載の放電灯点灯装
    置。
  7. 【請求項7】 定電流で駆動され、ブリッジ接続された
    4つの主スイッチング素子の内でローサイドの主スイッ
    チング素子の蓄積電荷を引き抜く引抜回路を備えたこと
    を特徴とする請求項4又は5又は6記載の放電灯点灯装
    置。
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