JPH1040U

JPH1040U - 自転車用スピードメーター

Info

Publication number: JPH1040U
Application number: JP007833U
Authority: JP
Inventors: 律夫西村
Original assignee: ブリヂストンサイクル株式会社
Priority date: 1997-09-03
Filing date: 1997-09-03
Publication date: 1998-02-13

Abstract

(57)【要約】【課題】高精度で見易く故障の少ない自転車用スピー
ドメーターを提供することにある。【解決手段】照明灯への電力供給用に車輪１のハブに
内蔵された交流発電機６を備える自転車において、当該
発電機６と、整流回路９と、波形整形回路11と、演算制
御部14と、表示部17〜19とを備え、それら波形整形回路
11、演算制御部14および表示部17〜19が、前記発電機６
の出力を電源として利用しつつ当該発電機６の出力波形
から速度を検出し、それを表示することを特徴としてい
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自転車の走行時の走行速度を検出・表示する自転車用スピードメーターに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の自転車のスピードメーターとしては、車輪の回転数を検出する手段として、回転体である車輪に通常１個の磁石を取り付け、静止体である前フォーク部にリードスイッチや、ホール素子等のセンサーを取り付けて固定し、このセンサーによる検出値を走行スピードとして表示していた。電源としては、電池あるいは、電池と太陽電池を併用したものがある。又、機械式としては、車輪のスポークに引掛けて回転数を検出するギヤユニットと、フレキシブルワイヤを組み合わせた指針式のアナログタイプのものもある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

以上のような従来技術には、次のような問題点があった。すなわち、車輪と前ホークに回転数検出用のセンサーを取り付けるものは、部品点数が多くて、故障の頻度が高くなるおそれがある上に、センサーの取り付け方向及び取り付け距離などの調整が必要であるため、測定精度が悪く、調整が煩わしい。また従来のものは、アナログ表示、デジタル表示とも視認性が良くない上に、電池を電源としているものは、電池の交換が面倒である。さらに、磁石を使用しているものは、速度検出精度及び応答性が悪いという問題点があり、機械式のものは、故障し易い上に測定精度も悪いという問題点があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記課題を有利に解決したスピードメーターを提供することを目的とするものであり、本考案の自転車用スピードメータは、車輪のハブに内蔵されてそのハブに連結された発電用回転子を用いて発電した交流電力を照明灯に供給する交流発電機を備える自転車に用いられるスピードメーターにおいて、前記交流発電機が出力する交流電力の波形をパルス波形に整形する波形整形回路と、前記波形整形回路が整形したパルス波の信号から単位時間当たりのパルス波数を計数して、そのパルス波数に基づき前記自転車の走行速度を求める走行速度検出部と、前記走行速度検出部が求めた走行速度を表示する表示部と、前記交流発電機が出力する交流電力を整流して、その電力を前記波形整形回路と前記走行速度検出部と前記表示部とに電源として供給する整流回路とを備えることを特徴としている。

【０００５】なお、本考案においては、前記表示部が、前記走行速度をアナログ表示する発光ダイオードを有していても良く、あるいは前記走行速度をアナログ表示またはデジタル表示する液晶ディスプレーを有していても良い。また、本考案においては、前記表示部が、前記走行速度をアナログ表示する発光ダイオードと、前記走行速度をアナログ表示またはデジタル表示する液晶ディスプレーとを有し、前記スピードメーターがさらに、アナログ表示とデジタル表示との選択用の選択スイッチを備え、前記走行速度検出部が、前記選択スイッチが出力する信号に基づき、前記表示部に前記走行速度のアナログ表示またはデジタル表示を選択的に行わせるものであっても良い。

【０００６】

【作用】

本考案にあっては、自転車に既に備えられている、車輪のハブに内蔵されてそのハブに連結された発電用回転子を用いて発電した交流電力を照明灯に供給する交流発電機が出力する交流電力の波形を、波形整形回路がパルス波形に整形し、走行速度検出部が、前記波形整形回路が整形したパルス波の信号から単位時間当たりのパルス波数を計数して、そのパルス波数に基づき前記自転車の走行速度を求め、そして表示部が、前記走行速度検出部が求めた走行速度を表示する。また本考案にあっては、整流回路が、前記交流発電機が出力する交流電力を整流して、その電力を前記波形整形回路と前記走行速度検出部と前記表示部とに電源として供給する。従って本考案によれば、以下の作用効果がもたらされる。 (1) 自転車に既に備えられている、交流電力を照明灯に供給する交流発電機を利用するので、走行速度検出のための磁石やセンサーの設置を特別に必要としないことから、スピードメーターを安価に製造でき、しかもその特別に設置する磁石やセンサーの破損や位置ずれ等による故障がないので、故障が殆ど生じない。 (2) 車輪のハブに内蔵されてそのハブに連結された発電用回転子を用いて交流発電機が発電した交流電力に基づくパルス信号から走行速度を求めるので、信号の精度が高いことから、速度検出誤差が小さくなり、しかも、高速応答であることから、その時点の速度を高精度に検出できる。 (3) 本考案のスピードメーターを構成する波形整形回路と走行速度検出部と表示部と整流回路とが電気的に作動するので、スピードメーターを薄型・コンパクトに形成出来ることから、スピードメーターを見易い位置に簡単に取り付けることができる。 (4) 交流発電機が出力する交流電力を整流して電源とするので、電池交換の煩わしさから開放される。

【０００７】

【実施例】

以下、図面について本考案の実施例を説明する。図１は本考案のスピードメーターを装着した自転車の全体図であり、図２はその要部の説明図である。

【０００８】図中１は自転車の前輪、２は後輪、３はフレーム、３ａはヘッドパイプ、４は前ホーク、５は前輪１の車軸、６はその車軸５に取り付けた、走行時の負荷が軽いハブ内蔵型の発電機（例えば特願平1-306433号等）で、６ａ（図２参照）はそのハブ、６ｂは永久磁石からなる回転子、６ｃはその回転子６ｂの遊星摩擦車式の増速装置、６ｄは発電コイル、６ｅは発電した交流電力を取り出して、前輪１の上方に設置した照明灯に供給する導線である。また７（図１参照）は自転車のハンドル、８はそのハンドル７に取り付けたスピードメーターである。

【０００９】図３は、本考案の自転車用スピードメーターの電気回路の一例（第１実施例）を示すブロック図で、図中６は上記発電機であり、９はその出力である交流電力を整流する整流回路である。また10は二次電池で、自転車の走行中は前記発電機６により充電され、停止中は当該スピードメーターの電源となるものである。11 は前記発電機６の出力波形（正弦波）をパルス波形に整形する波形整形回路であり、12はその回路11に接続して、整形されたパルス波の波数を数えるカウンター（計数器）である。また図中13はこのカウンター12に接続したタイマーであり、14はカウンター12 とタイマー13に接続した演算制御部である。15は演算制御部14に接続したメモリーであり、16は同じく演算制御部14に接続した表示選択スイッチで、走行速度・走行時間・走行距離等のデジタル表示種類を選択するものである。そして図中17は演算制御部14に接続した表示コントロール部であり、18は表示コントロール部17に接続したデジタル液晶表示部（ＬＣＤ）で、走行速度・走行時間・走行距離等を表示するものである。また19は同じく表示コントロール部17 に接続したアナログ表示部（ＬＥＤ）である。

【００１０】図４は、本考案の自転車用スピードメーターの電気回路の第２実施例を示すもので、図５は同じく第３実施例であり、図中前記符号と同一の符号は同等のものを示す。

【００１１】すなわち図４の第２実施例では、カウンター12に、発光ダイオードの駆動回路であるＬＥＤドライバー20を接続し、このＬＥＤドライバー20にＬＥＤアナログ表示部19が接続してある。なおＬＥＤドライバー20は、発光ダイオードを駆動するための出力の増幅部であり、ＰＮＰトランジスター等を使用する。

【００１２】また図５の第３実施例では、図３の第１実施例の表示選択スイッチ16の代りに、モード切替えスイッチ21および走行距離測定等のスタート／ストップスイッチ 22を接続したものであり、表示コントロール部17にはＬＣＤデジタル液晶表示部 18のみが接続してある。

【００１３】また図６〜図８は、自転車に取り付けるスピードメーター８の各種型式を示すもので、図中16は表示選択スイッチ、18はＬＣＤデジタル液晶表示部で、18ａはデジタル液晶速度表示部、18ｂはデジタル液晶時刻表示部、18ｃはデジタル液晶積算距離表示部、19はＬＥＤアナログ表示部、21はモード切替えスイッチ、22はスタート／ストップスイッチである。

【００１４】次に、上記のように構成した本考案の自転車用スピードメーターの作用を説明する。実施例１走行時には発電機６により電力が得られるので、この発電機６が各回路部及び演算制御部・表示部等の電源となると共に、当該発電機６の出力の波形の数つまり周波数が車輪回転数（単位時間あたり回転数）つまり走行速度に比例して変化するので、この周波数の変化を利用することにより走行速度が検出可能となる。従ってこのスピードメーターは、特別の磁石やセンサーの設置が必要でないものとなる。当該発電機６の波形は不揃いであるので、波形整形回路11によって、波形の数を高精度にカウント（計数）出来るようにパルス波状に整形する。パルス波状に整形された波形は、カウンター12によって正確にカウントされて演算制御部14でデータ処理されると共にメモリー15に記憶・保存されて走行時間や積算距離などの表示に利用される。二次電池10は、走行中に発電機６によって整流回路９を通じ常時充電される。当該二次電池10は、自転車停止時の電源として使用される。表示コントロール部17と表示選択スイッチ16によって走行速度・走行時間・走行距離がＬＣＤデジタル液晶表示部18に表示される。ＬＥＤアナログ表示部19は、走行時のみの表示となる。当該スピードメーターは電気的に作動するので、視認性が良く、薄型で、軽量の構成にすることができる。以上の構成により、本考案によれば高精度出力が得られる。すなわち、ハブ内蔵型発電機６は、一般に、前輪のハブに内蔵されてそのハブに連結された永久磁石からなる発電用回転子を有していることから、照明灯の点灯に必要な電力の発電が可能なように、永久磁石の数を複数設けるか、あるいはこの実施例のように回転子６ｄを増速装置６ｃで増速するかしているので、その出力電力の周波数、ひいてはその出力電力に基づくパルス信号の周波数が高くなり、しかも発電機の発電用回転子がハブに内蔵されていることから、天候や振動等に影響されずにハブの回転が確実に発電用回転子に伝達されるので、速度検出誤差が小さくなるとともに、その時点の走行速度が高精度で検出可能となる。特にこの実施例では、その出力電力の周波数が 200Ｈｚ（15km/h走行時）にもなるので、極めて高精度の速度検出が可能となり、また従来のスピードメーターの約 100倍の高速応答となって、その時点の走行速度が極めて高精度で検出可能になる。なお、アナログ表示手段として、発光ダイオードの代りに液晶（ＬＣＤ）を使用することが出来ることは言うまでもない。

【００１５】実施例２これは実施例１のＬＣＤデジタル液晶表示部18を除いた構成のスピードメーターである。すなわち、実施例１の演算制御部14・メモリー15・タイマー13・表示コントロール部17・表示選択スイッチ16・ＬＣＤデジタル液晶表示部18の代りに、ＬＥＤアナログ表示部19を駆動するＬＥＤドライバー20を備えた構成である。発電機６・整流回路９・二次電池10・波形整形回路11・カウンター12の構成及び作用は、実施例１と同じであり、発光ダイオード（ＬＥＤ）によるアナログ表示専用のスピードメーターである。なお、表示手段として、発光ダイオードの代りに液晶（ＬＣＤ）を使用することも出来ることは言うまでもない。

【００１６】実施例３これは実施例１の構成からＬＥＤアナログ表示部19を除いた構成のスピードメーターである。すなわち、実施例１の表示選択スイッチ16・ＬＥＤアナログ表示部19をなくして、走行速度・走行距離・時刻等をデジタル表示する機能を備えたものである。発電機６・整流回路９・二次電池10・波形整形回路11・カウンター 12・タイマー13・演算制御部14・メモリー15の構成及び作用は、実施例１とほぼ同じであり、液晶（ＬＣＤ）によるデジタル表示専用のスピードメーターである。

【００１７】

【考案の効果】

かくして本考案によれば、次のような効果が得られる。 (1) 走行速度検出のための磁石やセンサーを特別に必要としないので、スピードメーターを安価に製造でき、しかも故障が殆ど生じない。 (2) 高精度出力であるので、速度検出誤差が小さくなり、しかも高速応答であるので、その時点の速度を高精度に検出できる。 (3) 薄型・コンパクトに形成できるので、スピードメーターを見易い位置に簡単に取り付けることができる。 (4) 電池交換の煩わしさから開放される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の自転車用スピードメーターを取り付け
た自転車の側面図である。

【図２】その発電機部とスピードメーター部の説明図で
ある。

【図３】実施例１の回路ブロック図である。

【図４】実施例２の回路ブロック図である。

【図５】実施例３の回路ブロック図である。

【図６】実施例１のメーター表示部の外観図である。

【図７】実施例２のメーター表示部の外観図である。

【図８】実施例３のメーター表示部の外観図である。

【符号の説明】

１前輪２後輪３フレーム４前ホーク５車軸６ハブ内蔵型発電機７ハンドル８スピードメーター９整流回路（整流器）１０二次電池１１波形整形回路１２カウンター１３タイマー１４演算制御部１５メモリー１６表示選択スイッチ１７表示コントロール部１８ＬＣＤデジタル液晶表示部１９ＬＥＤアナログ表示部２０ＬＥＤドライバー２１モード切替えスイッチ２２スタート／ストップスイッチ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】車輪のハブに内蔵されてそのハブに連結
された発電用回転子を用いて発電した交流電力を照明灯
に供給する交流発電機を備える自転車に用いられるスピ
ードメーターにおいて、前記交流発電機が出力する交流電力の波形をパルス波形
に整形する波形整形回路と、前記波形整形回路が整形したパルス波の信号から単位時
間当たりのパルス波数を計数して、そのパルス波数に基
づき前記自転車の走行速度を求める走行速度検出部と、前記走行速度検出部が求めた走行速度を表示する表示部
と、前記交流発電機が出力する交流電力を整流して、その電
力を前記波形整形回路と前記走行速度検出部と前記表示
部とに電源として供給する整流回路と、を備えることを特徴とする自転車用スピードメーター。
【請求項２】前記表示部は、前記走行速度をアナログ
表示する発光ダイオードを有することを特徴とする、請
求項１記載の自転車用スピードメーター。
【請求項３】前記表示部は、前記走行速度をアナログ
表示またはデジタル表示する液晶ディスプレーを有する
ことを特徴とする、請求項１記載の自転車用スピードメ
ーター。
【請求項４】前記表示部は、前記走行速度をアナログ
表示する発光ダイオードと、前記走行速度をアナログ表
示またはデジタル表示する液晶ディスプレーとを有し、前記スピードメーターはさらに、アナログ表示とデジタ
ル表示との選択用の選択スイッチを備え、前記走行速度検出部は、前記選択スイッチが出力する信
号に基づき、前記表示部に前記走行速度のアナログ表示
またはデジタル表示を選択的に行わせることを特徴とす
る、請求項１に記載の自転車用スピードメーター。