JPH1040974A - 接続子及びこの接続子を備えた分岐コネクタ装置 - Google Patents

接続子及びこの接続子を備えた分岐コネクタ装置

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JPH1040974A
JPH1040974A JP8182278A JP18227896A JPH1040974A JP H1040974 A JPH1040974 A JP H1040974A JP 8182278 A JP8182278 A JP 8182278A JP 18227896 A JP18227896 A JP 18227896A JP H1040974 A JPH1040974 A JP H1040974A
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JP
Japan
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slit
connector
branch
cable
conductive contact
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Application number
JP8182278A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Yagi
和宏 八木
Tomoyasu Oike
知保 大池
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3M Co
Original Assignee
Minnesota Mining and Manufacturing Co
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Publication date
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  • Connections By Means Of Piercing Elements, Nuts, Or Screws (AREA)
  • Multi-Conductor Connections (AREA)
  • Connections Effected By Soldering, Adhesion, Or Permanent Deformation (AREA)
  • Coupling Device And Connection With Printed Circuit (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉛直方向に重畳して配置される多心の本線ケ
ーブル及び分岐線ケーブルに対し、それらの対応する各
導線を同時に圧接可能な接続子を提供する。 【解決手段】 接続子10の各接続片12は、本線が圧
入される第1スリット16を有した第1導通接触部18
と、分岐線が圧入される第2スリット20を有した第2
導通接触部22とを備える。第1スリット16及び第2
スリット20は、接続片12の長手方向へ直線状にかつ
相互に平行に延びる。第1導通接触部18と第2導通接
触部22とは、第1スリット16に圧入された本線と第
2スリット20に圧入された分岐線とが、それらスリッ
ト16、20の延長方向に略整列して位置するように互
いに離れて配置される。第1スリット16の電線導入端
24と第2スリット20の電線導入端26とは、第1ス
リット16への本線の圧入方向と第2スリット20への
分岐線の圧入方向とが同一となる部位に形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電線同士を電気的
に接続するための接続子に関し、特に、本線が圧入され
る第1スリットを有した第1導通接触部と、分岐線が圧
入される第2スリットを有した第2導通接触部とを備え
る分岐接続用の接続子に関する。さらに本発明は、その
ような接続子を備えた分岐コネクタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば低圧屋内配線用の電力ケーブルで
は、導線を絶縁体で被覆した被覆電線を複数個並置し、
それをさらに保護用のシースで長円断面状に中実被覆し
てなる多心平形ケーブルが、本線ケーブルとして一般に
使用されている。屋内配線作業においては、この種の多
心平形ケーブルからなる本線ケーブルの所望箇所に、同
様の多心平形ケーブル又は単心ケーブル集合体からなる
分岐線ケーブルが接続され、例えば照明器具等に個別に
分岐配電される。
【0003】こうした電線分岐接続作業は、1つの本線
ケーブルに対し一般に多数の箇所で行われるので、作業
者の負担を軽減するために、迅速かつ容易に、しかも正
確に実施できることが望まれる。このような要望に応え
るべく、本願出願人は既に、本線ケーブル及び分岐線ケ
ーブルを切断したりそのシースや絶縁体を除去したりす
る必要なく、分岐線ケーブルを本線ケーブルに迅速かつ
正確に接続することを可能にするコネクタ装置及びその
接続子を提案している(特開平7−130409号公報
参照)。
【0004】このコネクタ装置は、本線ケーブルの線心
数に一致する個数の接続子を備える。各接続子は、本線
ケーブル及び分岐線ケーブルの各1本の導線に接触する
一対の導通接触部を備え、各導通接触部に直線状の開放
スリットが設けられる。この形式の接続子は、開放スリ
ットにケーブルを圧入することにより、スリットを画成
する導通接触部の金属片がシース及び絶縁体を刺し貫い
て導線に接触するものであり、主に電気通信の分野では
広く採用されている。なお、このような圧入接続方法
を、本明細書では「圧接」と称する。
【0005】上記コネクタ装置のハウジングに収容され
る本線ケーブルと分岐線ケーブルとは、特に接続子に圧
接される部分で互いに水平方向(ハウジング底面に略平
行な方向)へ並列に、すなわちハウジング底面から略同
一高さに配置される。これに対応して、接続子の各スリ
ットは、接続子周縁から実質的同一方向に延びて互いに
並列に配置され、接続子周縁における各スリットの開放
端が、各導通接触部の電線導入端として作用する。
【0006】したがって上記コネクタ装置では、予め本
線ケーブルと分岐線ケーブルとを水平並列に収容したハ
ウジングに、接続子をそのスリット延長方向に沿って鉛
直方向(ハウジング底面に略直交する方向)へ圧力下で
挿入することにより、本線ケーブルと分岐線ケーブルと
の対応導線(相互接続される一対の導線)が、接続子の
各導通接触部に同時に圧接される。このように上記コネ
クタ装置によれば、本線ケーブル及び分岐線ケーブルの
切断工程及びシースや絶縁体の除去工程を省略できるの
で、電線分岐接続作業の能率を著しく向上させることが
できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来のコネク
タ装置の構成によれば、ハウジングは、本線ケーブル及
び分岐線ケーブルを水平並列に収容するに充分な比較的
大きな水平方向寸法を有することが要求される。したが
ってコネクタ装置の設置場所(例えば屋根裏)に付与さ
れる設置可能面積が狭い場合には、必要な個数のコネク
タ装置を所望位置に設置できなくなる危惧が生じる。こ
れは、本線ケーブル及び分岐線ケーブルの線心数が増加
するほど深刻な課題となる。したがって、特に3心以上
の平形ケーブルを本線ケーブルに採用する配電線路で
は、この種のコネクタ装置において、本線ケーブルと分
岐線ケーブルとを、接続子への圧接部分を含む長さに亙
って互いに鉛直方向に重畳した位置に収容できるような
ハウジング構造、及び鉛直重畳配置の本線ケーブルと分
岐線ケーブルとの対応導線を電気的に接続可能な接続子
構造に対する要望が生じている。
【0008】ところで電気通信の分野では、例えば実開
平7−18357号公報に開示されるように、本線ケー
ブルと分岐線ケーブルとを互いに鉛直方向に重畳した位
置に収容できるハウジングと、鉛直重畳配置の本線ケー
ブルと分岐線ケーブルとを電気的に接続可能な接続子と
を備えたコネクタが周知である。このコネクタでは、接
続子がその長手方向両端に電線導入端を配した一対の開
放スリットを備え、接続子を固定的に支持する板状ハウ
ジングの表裏各面に接続子の各スリットが露出されて、
本線ケーブル及び分岐線ケーブルは板状ハウジングの各
面上でそれらスリットに圧接されるようになっている。
【0009】したがってこのコネクタでは、本線ケーブ
ル及び分岐線ケーブルを各スリットに圧入する方向が互
いに反対方向であり、その結果、一般に1つの接続子に
対し本線ケーブルと分岐線ケーブルとが個別に又は連続
的に圧接されることになるので、1つの接続子に本線ケ
ーブルと分岐線ケーブルとを同時に圧接できる前述した
コネクタ装置に比べて、圧接作業が煩雑になる傾向があ
る。なお、このコネクタで本線ケーブルと分岐線ケーブ
ルとを同時に圧接しようとすると、圧接に要する両線の
相対移動距離が大きいので、コネクタの設置場所によっ
ては圧接作業自体が困難になる場合がある。
【0010】本発明の目的は、コネクタ装置のハウジン
グ内で鉛直方向に重畳して配置される多心(特に3心以
上)の本線ケーブル及び分岐線ケーブルに対し、それら
の間で対応する各導線を各導通接触部に同時に圧接可能
な接続子を提供することにある。本発明の他の目的は、
そのような接続子を使用でき、それによりハウジングの
特に水平方向寸法の拡大を抑制できるようにした分岐コ
ネクタ装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載した本発明は、本線が圧入される第
1スリットを有した第1導通接触部と、分岐線が圧入さ
れる第2スリットを有した第2導通接触部とを備え、本
線と分岐線とを電気的に接続する分岐接続用の接続子に
おいて、第1スリットと第2スリットとが実質的同一方
向に延び、第1導通接触部と第2導通接触部とは、第1
スリットに圧入された本線と第2スリットに圧入された
分岐線とがそれらスリットの延長方向に略整列して位置
するように、互いに離れて配置され、第1スリットへの
本線の圧入方向と第2スリットへの分岐線の圧入方向と
が実質的同一となる各部位に、それらスリットの電線導
入部が形成されること、を特徴とする接続子を提供す
る。
【0012】本発明はさらに、上記の接続子において、
第2導通接触部が、第2スリットの電線導入部に隣接し
て、分岐線を遊挿すべく拡張形成された穴を備える接続
子を提供する。
【0013】本発明はさらに、上記の接続子において、
互いに略平行に対向配置され、かつ基端で相互連結され
る同一外形の一対の接続片を備え、それら接続片の双方
に第1スリットと第2スリットとが設けられて第1導通
接触部と第2導通接触部とが形成され、一方の接続片に
設けられた第1スリット及び第2スリットと他方の接続
片に設けられた第1スリット及び第2スリットとが、互
いに異なるスリット幅を有する接続子を提供する。
【0014】さらに本発明によれば、請求項1に記載さ
れた接続子を複数個備えるとともに、複数の接続子を相
互絶縁して移動可能に受容すべく鉛直方向に延びる複数
の接続子受容部と、それら接続子受容部に鉛直方向へ隣
接して水平方向に延設され、複数の接続子の第1導通接
触部にそれぞれ圧接される複数の導線を有した本線ケー
ブルを受容する本線受容部と、それら接続子受容部及び
本線受容部に鉛直方向へ隣接して水平方向に延設され、
複数の接続子の第2導通接触部にそれぞれ圧接される複
数の導線を有した分岐線ケーブルを受容する分岐線受容
部とを具備したハウジングを備え、本線受容部に受容さ
れた本線ケーブルと分岐線受容部に受容された分岐線ケ
ーブルとの双方に対し、各々の接続子受容部内で接続子
を一鉛直方向に移動させることにより、本線ケーブルの
導線と分岐線ケーブルの対応導線とを接続子に同時に圧
接できるように構成されたこと、を特徴とする分岐コネ
クタ装置が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明をその好適な実施の形態に基づき詳細に説明する。図
1は、本発明の一実施形態による電線分岐接続用の接続
子10を示す。接続子10は、例えば図5に示すような
電力ケーブル用分岐コネクタ装置50において、配電線
路における本線ケーブルと分岐線ケーブルとを電気的に
接続する導電接続要素として特に好適に使用されるもの
である。したがって接続子10は、周知のように導電接
続時の発熱を抑制するために、互いに略平行に対向配置
された同一形状の一対の接続片12を備え、それら接続
片12が基端12aで連結片14を介して相互連結され
た構成を有する。
【0016】図2は、分岐コネクタ装置50等のコネク
タ装置のハウジング内で鉛直方向に重畳して配置された
本線ケーブル100及び分岐線ケーブル102が、接続
子10に圧接される状態を概略で示す。図1及び図2
(a)に示すように、接続子10の各接続片12は、多
心平形ケーブルからなる本線ケーブル100の導線10
4(以下、本線104と称する)が圧入される第1スリ
ット16を有した第1導通接触部18と、シースを有し
ない単心ケーブルからなる分岐線ケーブル102の導線
106(以下、分岐線106と称する)が圧入される第
2スリット20を有した第2導通接触部22とを備え
る。第1導通接触部18は、接続片12の長手方向先端
の自由端12b側に配置され、第2導通接触部22は、
第1導通接触部18から離れて接続片12の基端12a
側に配置される。
【0017】各接続片12の自由端12bには、鋭角な
尖端を有した2枚の刃の形状が付与される。したがって
接続子10は、第1導通接触部18に本線104を接続
する際に、各接続片12の自由端12bが本線ケーブル
100のシース及び絶縁体を刺し貫いて、第1スリット
16を画成する各接続片12の内縁が本線104に接触
する。同様に、第2導通接触部22に分岐線106を接
続する際に、第2スリット20を画成する各接続片12
の内縁が分岐線ケーブル102の絶縁体を刺し貫いて分
岐線106に接触する。
【0018】第1スリット16は、接続片12の自由端
12bの周縁に開放端を画成する開放スリットとして、
接続片12の長手方向へ直線状に延長形成され、その開
放端に、本線104の圧入始点となる電線導入端24が
設けられる。第2スリット20は、接続片12の周縁に
開放されない閉鎖スリットとして、第1スリット16の
延長線上に第1スリット16と平行に、接続片12の長
手方向へ直線状に延長形成される。第2スリット20
の、接続片12の自由端12bに近い方の端部には、分
岐線106の圧入始点となる電線導入端26が設けられ
る。さらに第2導通接触部22には、第2スリット20
の電線導入端26に隣接し、かつ第2スリット20に連
通して、分岐線ケーブル102を遊挿すべく拡張された
輪郭を有する穴28が形成される。
【0019】換言すれば、図2(b)に示すように、各
接続片12の第1導通接触部18と第2導通接触部22
とは、第1スリット16に圧入された本線104と第2
スリット20に圧入された分岐線106とが、それらス
リット16、20の延長方向に略整列ないし重畳して位
置するように、接続片12の長手方向に互いに離れて配
置される。そして、第1スリット16の電線導入端24
と第2スリット20の電線導入端26とは、第1スリッ
ト16への本線104の圧入方向と第2スリット20へ
の分岐線106の圧入方向とが同一となる各部位に形成
されている。したがって接続子10では、本線104及
び分岐線106に対し、接続子10を所定の一方向に移
動させることにより、本線104と分岐線106とが両
接触片12の第1導通接触部18と第2導通接触部22
とに同時に圧接される。この圧接手順に関しては、後に
詳述する。
【0020】このように接続子10によれば、本線10
4及び分岐線106がコネクタ装置のハウジング内で鉛
直方向(ハウジング底面に略直交する方向)に整列ない
し重畳した位置に収容される場合にも、本線104及び
分岐線106に対し、接続子10を第1及び第2スリッ
ト16、20の延長方向に沿ってハウジング内で一鉛直
方向へ移動することにより、本線104と分岐線106
とを各導通接触部18、22に同時に圧接することがで
きる。
【0021】図3は、本発明のもう1つの実施形態によ
る電線分岐接続用の接続子30を示す。接続子30は、
接続子10と同様に、例えば図5に示すような電力ケー
ブル用分岐コネクタ装置50において導電接続要素とし
て特に好適に使用されるものであり、互いに略平行に対
向配置された同一形状の一対の接続片32と、それら接
続片32を基端32aで相互連結する連結片34とを備
える。
【0022】図4は、分岐コネクタ装置50等のコネク
タ装置のハウジング内で鉛直方向に重畳して配置された
本線ケーブル100及び分岐線ケーブル102が、接続
子30に圧接される状態を概略で示す。図3及び図4
(a)に示すように、接続子30の各接続片32は、多
心平形ケーブルからなる本線ケーブル100の導線10
4(すなわち本線104)が圧入される第1スリット3
6を有した第1導通接触部38と、単心ケーブルからな
る分岐線ケーブル102の導線106(すなわち分岐線
106)が圧入される第2スリット40を有した第2導
通接触部42とを備える。第1導通接触部38は、接続
片32の長手方向先端の自由端32b側に配置され、第
2導通接触部42は、第1導通接触部38から離れて接
続片32の基端32a側に配置される。
【0023】各接続片32の自由端32bには、鋭角な
尖端を有した2枚の刃の形状が付与される。したがって
接続子30は、第1導通接触部38に本線104を接続
する際に、各接続片32の自由端32bが本線ケーブル
100のシース及び絶縁体を刺し貫いて、第1スリット
36を画成する各接続片32の内縁が本線104に接触
する。同様に、第2導通接触部42に分岐線106を接
続する際に、第2スリット40を画成する各接続片32
の内縁が分岐線ケーブル102の絶縁体を刺し貫いて分
岐線106に接触する。
【0024】第1スリット36は、接続片32の自由端
32bの周縁に開放端を画成する開放スリットとして、
接続片32の長手方向に対し僅かに傾斜して直線状に延
長形成され、その開放端に、本線104の圧入始点とな
る電線導入端44が設けられる。第2スリット40は、
接続片32の周縁に開放されない閉鎖スリットとして、
第1スリット36に対し所定角度を為して、接続片32
の長手方向へ直線状に延長形成される。第2スリット4
0の、接続片32の自由端32bに近い方の端部には、
分岐線106の圧入始点となる電線導入端46が設けら
れる。さらに第2導通接触部42には、第2スリット4
0の電線導入端46に隣接し、かつ第2スリット40に
連通して、分岐線ケーブル102を遊挿すべく拡張され
た輪郭を有する穴48が形成される。
【0025】換言すれば接続子30では、図4(b)に
示すように、各接続片32の第1導通接触部38と第2
導通接触部42とは、第1スリット36に圧入された本
線104と第2スリット40に圧入された分岐線106
とが、それらスリット36、40の延長方向に略整列な
いし重畳して位置するように、接続片32の長手方向に
互いに離れて配置される。そして、第1スリット36の
電線導入端44と第2スリット40の電線導入端46と
は、第1スリット36への本線104の圧入方向と第2
スリット40への分岐線106の圧入方向とが実質的に
同一となる各部位に形成されている。したがって接続子
30では、本線104及び分岐線106に対し、接続子
30を所定の一方向に移動させることにより、本線10
4と分岐線106とが両接触片32の第1導通接触部3
8と第2導通接触部42とに同時に圧接される。この圧
接手順に関しては、後に詳述する。
【0026】上記したように接続子30は、第2導通接
触部42に関しては図1の接続子10と同様の構成を有
するが、第1導通接触部38に関しては、第1スリット
36が第2スリット40に対し所定角度だけ傾斜して延
びる点で接続子10と異なる構成を有する。また、第1
スリット36の傾斜に伴って、第1スリット36を画成
する接続片32の自由端32bの両刃の形状も、接続子
10と異なるものとなっている。これは後述するよう
に、本線ケーブル100内の導線(本線)104の位置
に対応して、接続子10と接続子30とを好適に使い分
けることを考慮したものであって、両接続子10、30
は基本的には同じ構成を有し、かつ同じ作用効果を奏す
るものである。
【0027】つまり接続子30においても、接続子10
と同様に、本線104及び分岐線106に対して接続子
30を所定の一方向に移動させることにより、本線10
4と分岐線106とを第1導通接触部38と第2導通接
触部42とに同時に圧接できる方向に、第1スリット3
6と第2スリット40とが延長されている。そこで本明
細書では、このような関係のもとに互いに傾斜して延び
る第1スリット36と第2スリット40とを、「実質的
同一方向に延びる」ものと規定する。なお、第2スリッ
ト40に対する第1スリット36の傾斜角度は、本線ケ
ーブル100のシースや絶縁体の寸法によって左右され
るが、例えば10°〜20°の範囲で設定される。
【0028】したがって接続子30によれば、本線10
4及び分岐線106がコネクタ装置のハウジング内で鉛
直方向(ハウジング底面に略直交する方向)に整列ない
し重畳した位置に収容される場合にも、本線104及び
分岐線106に対し、接続子30を第2スリット40の
延長方向に沿ってハウジング内で一鉛直方向へ移動する
ことにより、本線104と分岐線106とを各導通接触
部38、42に同時に圧接することができる。
【0029】次に図5及び図6を参照し、上記の接続子
10、30を備えた本発明の一実施形態による分岐コネ
クタ装置50の構成を説明する。図5に示すように、分
岐コネクタ装置50は、例として低圧屋内配線用の3心
平形ケーブル(例えばVVFケーブル)からなる本線ケ
ーブル100と、同様の3心平形ケーブルからなる分岐
線ケーブル102′とを、分岐コネクタ装置50のハウ
ジング底面52に略直交する鉛直方向へ重畳した位置に
収容して、両ケーブル100、102′の対応の導線1
04、106を相互に電気的に接続するものである。ま
た分岐コネクタ装置50は、ハウジング底面52を介し
て、例えば屋根裏等の設置場所の表面に載置される。
【0030】分岐コネクタ装置50は、ハウジング底面
52の反対側に本線ケーブル100を受容する本線受容
部54を有した下部ハウジング56と、下部ハウジング
56の長手方向に延びる一側面に一対の可撓性連結片5
8を介して蝶番式に連結され、分岐線ケーブル102′
を受容する分岐線受容部60を有した上部ハウジング6
2とを備える。上部ハウジング62にはさらに、1つの
接続子10と2つの接続子30とを相互に電気的に絶縁
して個別に受容する3つの接続子受容部64が設けられ
る。また、下部ハウジング56の長手方向に延びる一側
面には、一対の可撓性ストリップ66を介してカバー部
材68が連結される。
【0031】下部ハウジング56の本線受容部54は、
本線ケーブル100を切断したりシースや絶縁体を除去
したりすることなく、ハウジング底面52に略平行に、
すなわち水平方向に直線状に延ばした状態で受容する。
他方、上部ハウジング62の分岐線受容部60は、分岐
線ケーブル102′の先端部分のシースを所定長だけ除
去してできる3つの被覆電線(すなわち分岐線ケーブル
102)を、水平方向に並列かつ直線状に延ばした状態
で相互に電気的に絶縁して個別に受容する3つの溝穴部
70と、それら溝穴部70に長手方向へ隣接して設けら
れ、シースを残した分岐線ケーブル102′の先端領域
を受容する窪部72とを備える。
【0032】上部ハウジング62の3つの接続子受容部
64の各々は、これら3つの溝穴部70のそれぞれに直
交して上部ハウジング62を貫通する。そして3つの接
続子受容部64のうち、分岐線ケーブル102′の両側
端の分岐線ケーブル102を受容する溝穴部70に直交
する2つの接続子受容部64は、それぞれに接続子30
を摺動可能に受容し、分岐線ケーブル102′の中央の
分岐線ケーブル102を受容する溝穴部70に直交する
1つの接続子受容部64は、接続子10を摺動可能に受
容する。なお、上部ハウジング62を可撓性連結片58
に関し旋回させて下部ハウジング56の上方所定位置に
配置すると、分岐線受容部60の3つの溝穴部70は本
線受容部54の鉛直上方に水平に配置され、各接続子受
容部64は鉛直方向に延びて、分岐線受容部60の3つ
の溝穴部70と本線受容部54とを相互に連通する。こ
のとき各接続子10、30は、その自由端12a、32
aが下部ハウジング56に対向する姿勢に支持されるこ
とになる。
【0033】さらに分岐コネクタ装置50は、接続子1
0、30の各々に添着される電気絶縁性の楔部材74、
76を備える。楔部材74、76は、各接続子10、3
0の第1導通接触部18、38に本線104を圧接する
際に、接続子10、30とその圧接対象の本線104の
隣の本線104との間に介在して、近接本線間の短絡を
防止するように作用する。したがって、上部ハウジング
62の3つの接続子受容部64は、接続子10、30に
これら楔部材74、76を添着して挿入できる形状及び
寸法を有する。
【0034】さらに分岐コネクタ装置50は、分岐線ケ
ーブル102から離れた位置で本線ケーブルに係合する
電気絶縁性のシースカッタ78を備える。シースカッタ
78は、その先端領域に、本線ケーブル100を受容可
能な凹所80と、凹所80を挟んで対向する一対の刃8
2とを備える。上部ハウジング62には、分岐線受容部
60から離れた長手方向端面側に、シースカッタ78を
受容するシースカッタ受容部84が設けられる。シース
カッタ78は、シースカッタ受容部84内で移動して、
一対の刃82により本線ケーブル100のシースを両側
面部分で切断除去し、両側端の本線104を被覆する絶
縁体を露出させてその色(通常は白又は黒)をハウジン
グ外部から視認できるようにする。
【0035】上記構成を有する分岐コネクタ装置50を
用いた分岐接続作業手順を、以下に説明する。まず、本
線ケーブル100を下部ハウジング56の本線受容部5
4に搭載し、上部ハウジング62を可撓性連結片58に
関し旋回させて、下部ハウジング56の上方所定位置に
配置する。それにより本線ケーブル100は、上部ハウ
ジング62と下部ハウジング56との間に挟持される
(図6参照)。このとき例えば、可撓性連結片58の反
対側の上部ハウジング62の側縁に設けた掛止爪86が
下部ハウジング56の外側面に係合することにより、上
部ハウジング62を下部ハウジング56に固定でき、本
線ケーブル100の挟持状態を維持できるようにするこ
とが好ましい。
【0036】上部ハウジング62の3つの接続子受容部
64には、接続子10、30を楔部材74、76と共に
それぞれ不完全な深さに挿入し、かつシースカッタ受容
部84にはシースカッタ78を不完全な深さに挿入して
おく(図6参照)。この不完全な挿入状態では、接続子
10、30の各接続片12、32の自由端12b、32
bは、図2(a)及び図4(a)に示すように、本線ケ
ーブル100のシース表面に接触又は近接して配置され
る。シースカッタ78も同様に、一対の刃82が本線ケ
ーブル100のシース表面に接触又は近接して配置され
る。また、接続子10、30の各接続片12、32の第
2導通接触部22、42の穴28、48は、上部ハウジ
ング62の3つの溝穴部70のそれぞれに重畳して配置
される。なお、各接続子10、30は各接続子受容部6
4内で、第2スリット20、40の延長方向を分岐コネ
クタ装置50の鉛直方向に合致させて、鉛直方向へ摺動
可能に配置される。同様にシースカッタ78は、シース
カッタ受容部84内で分岐コネクタ装置50の鉛直方向
へ摺動可能となっている。
【0037】次に、作業者の手又はペンチ様の工具を用
いて、シースカッタ78をシースカッタ受容部84内に
完全な深さまで押し込む。それにより、シースカッタ7
8の一対の刃82が、本線ケーブル100のシースの両
側面部分を削り取るので、上部ハウジング62及び下部
ハウジング56に設けた開口88を介して、両側端の本
線104を被覆する絶縁体の色(通常は白又は黒)を識
別し、それら本線104の極性を判別することが可能と
なる。また本線ケーブル100は、シースカッタ78の
刃82がシースに食い込んだ状態でシースカッタ78の
凹所80に受容されるので、上部ハウジング62と下部
ハウジング56との間に確実に固定される。
【0038】この状態で、分岐線ケーブル102′の先
端部分のシースを所定長(例えば50mm)だけ除去して
できる3つの分岐線ケーブル102を、シースカッタ7
8により判別された各本線104の極性に合わせて、す
なわち同一極性の本線104と分岐線106とが鉛直方
向へ整列するように、上部ハウジング62の溝穴部70
に挿入する。各分岐線ケーブル102を溝穴部70に完
全に挿入すると、各分岐線ケーブル102は各接続子1
0、30の穴28、48に遊挿され、図2(a)及び図
4(a)に示す状態に置かれる。
【0039】続いて、作業者の手又はペンチ様の工具を
用いて、接続子10、30を楔部材74、76とともに
接続子受容部64内に順次、完全な深さまで押し込む。
それにより接続子10では、各接続片12の自由端12
bが本線ケーブル100のシース及び絶縁体を刺し貫い
て本線ケーブル100に侵入するとともに、第1導通接
触部18にて本線ケーブル100の中央の本線104が
電線導入端24から第1スリット16に圧入されて、第
1スリット16を画成する各接続片12の内縁が中央の
本線104に接触する。それと同時に、第2導通接触部
22の穴28内に配置された分岐線ケーブル102は、
第2スリット20を画成する各接続片12の内縁により
絶縁体を刺し貫かれつつ、分岐線106が電線導入端2
6から第2スリット20に圧入されて各接続片12の第
2スリット内縁に接触する。このようにして、本線ケー
ブル100及び分岐線ケーブル102の同一極性の本線
104及び分岐線106が、接続子10に同時に圧接さ
れ、接続子10を介して相互に電気的に接続される(図
2(b)参照)。なお楔部材74は、接続子10ととも
に本線ケーブル100のシース及び絶縁体を刺し貫いて
本線ケーブル100に侵入し、接続子10が両側端の本
線104に接触することを防止する。
【0040】また各接続子30では、各接続片32の自
由端32bが本線ケーブル100のシース及び絶縁体を
刺し貫いて本線ケーブル100に侵入するとともに、第
1導通接触部38にて本線ケーブル100の側端の本線
104が電線導入端44から第1スリット36に圧入さ
れて、第1スリット36を画成する各接続片32の内縁
が側端の本線104に接触する。それと同時に、第2導
通接触部42の穴48内に配置された分岐線ケーブル1
02は、第2スリット40を画成する各接続片32の内
縁により絶縁体を刺し貫かれつつ、分岐線106が電線
導入端46から第2スリット40に圧入されて各接続片
32の第2スリット内縁に接触する。このようにして、
本線ケーブル100及び分岐線ケーブル102の同一極
性の本線104及び分岐線106が、接続子30に同時
に圧接され、接続子30を介して相互に電気的に接続さ
れる(図4(b)参照)。なお楔部材76は、接続子3
0とともに本線ケーブル100のシース及び絶縁体を刺
し貫いて本線ケーブル100に侵入し、接続子30が中
央の本線104に接触することを防止する。
【0041】このように接続子30は、本線ケーブル1
00の側端の本線104に圧接される際に、本線ケーブ
ル100のシースを大きく切開して本線104を本来の
位置から側方へずらすことになるが、このとき第1スリ
ット36が第2スリット40に対し、すなわち接続子3
0の移動方向に対し傾斜しているので、本線104を側
方へ円滑にずらすことができ、以て圧接に要する力を軽
減することができる。また、このような本線104のず
らし量を極力低減するために、3つの接続子10、30
は、図示のように上部ハウジング62の長手方向、すな
わち分岐線ケーブル102の長手方向に沿って互いに異
なる位置に配置されることが好ましい。
【0042】最後に、カバー部材68を可撓性ストリッ
プ66に関し旋回させて、上部ハウジング62に被せる
ことにより、分岐接続作業が完了する。このとき、例え
ばカバー部材68の内側四隅にフック90を設け、それ
らフック90が下部ハウジング56のハウジング底面5
2の四隅に係合することにより、カバー部材68が上部
ハウジング62を覆う状態を維持できるようにすること
が好ましい。
【0043】上記のように、分岐コネクタ装置50によ
れば、3心平形の本線ケーブル100及び3本の分岐線
ケーブル102を、互いに鉛直方向に重畳してハウジン
グ56、62内に水平姿勢で収容し、それら本線ケーブ
ル100及び分岐線ケーブル102に対して接続子1
0、30を鉛直方向に1回だけ移動させることにより、
同一極性の本線104及び分岐線106を接続子10、
30の第1導通接触部18、38及び第2導通接触部2
2、42に同時に圧接することができる。したがって分
岐コネクタ装置50では、ハウジング56、62の特に
水平方向寸法の拡大を抑制できる。
【0044】本発明に係る分岐コネクタ装置は、接続子
10、30を適宜個数だけ組合せることにより、上記し
た3心平形ケーブル以外の様々な線心数を有する本線ケ
ーブルに適用することが可能となる。例えば図7
(a)、(b)に示すように、2心平形ケーブルからな
る本線ケーブル110に対しては、2個の接続子30を
使用することにより、2本の単心ケーブルからなる分岐
線ケーブル112を接続することができる。この場合も
同様に、互いに鉛直方向に重畳配置された本線ケーブル
100及び分岐線ケーブル102に対し、接続子30を
鉛直方向に1回だけ移動させることにより、同一極性の
本線104及び分岐線106を接続子30の第1導通接
触部38及び第2導通接触部42に同時に圧接すること
ができる。また図示しないが、2個の接続子10及び2
個の接続子30を使用することにより、4心平形ケーブ
ルからなる本線ケーブルを4本のケーブルからなる分岐
線ケーブルに接続することができる。本線ケーブルの線
心数が多くなればなるほど、ハウジングの特に水平方向
寸法の拡大を抑制する作用が有利なものとなることが理
解されよう。
【0045】本発明に係る接続子は、上記以外の様々な
構成を有することができる。例えば上記各実施形態にお
いて、接続子10、30は、圧接対象の本線104及び
分岐線106の線径に対応して、第1スリット16、3
6及び第2スリット20、40のスリット幅を互いに同
一にも異なるようにも様々に設定できる。また1つの接
続子10、30において、一方の接続片12、32に設
けられた第1スリット16、36と、他方の接続片1
2、32に設けられた第1スリット16、36とが、所
定寸法範囲内で互いに異なるスリット幅を有する構成と
することもできる。この場合、同所定寸法範囲内にある
多様な線径の本線104を、第1スリット16、36に
圧接することが可能となる。第2スリット20、40に
関しても、同様の変更を成すことができる。
【0046】また接続子10、30では、閉鎖スリット
である第2スリット20、40への分岐線106の圧入
を容易にするために、第2スリット20、40に隣接す
る部分の接続片12、32を図示のように凹状外縁に切
り欠いて、第2スリット20、40を拡幅し易くするこ
とが好都合である。或いは図8(a)、(b)に示すよ
うに、第2導通接触部22、42の穴28、48に隣接
する部分の接続片12、32を部分的に切り開いて、穴
28、48を接続片12、32の外縁に開放させること
により、第2スリット20、40を開放スリットとして
作用させることもできる。この場合、分岐線ケーブル1
02を接続子10、30の側方から穴28、48内に挿
入することも可能となり、ケーブル挿入作業が容易にな
るとともに、接続子10、30を使用する分岐コネクタ
装置の設計の自由度が高まる利点がある。しかしながら
導線との圧接信頼性の観点では、図1及び図3に示す閉
鎖スリットの方が、圧接による導線挟持力が大きく、し
かもスリット両側で均等に挟持力を加えることができる
ので、有利な構造といえる。
【0047】さらに、図9(a)、(b)に示すよう
に、第1導通接触部120、140のみを備えた一対の
接触片122、142と、第2導通接触部124、14
4のみを備えた一対の接触片126、146とを、相互
に連結してなる接続子128、148も、本発明の範囲
内で作成できる。接続子128は、接触片122の自由
端122aの形状が、接続子10の接触片12と同様
に、3心以上の平形本線ケーブルの両側端以外の導線
(本線)を圧接するために、好適に使用されるものとな
っている。これに対し接続子148は、接触片142の
自由端142aの形状が、接続子30の接触片32と同
様に、2心以上の平形本線ケーブルの両側端の導線(本
線)を圧接するために、好適に使用されるものとなって
いる。
【0048】接続子128では、第1導通接触部120
に開放スリットとして形成される第1スリット130
と、第2導通接触部124に開放スリットとして形成さ
れる第2スリット132とが、互いに同一方向に延長さ
れる。しかも、第1導通接触部120と第2導通接触部
124とは、第1スリット130に圧入された本線と第
2スリット132に圧入された分岐線とが、それらスリ
ット130、132の延長方向に略整列して位置するよ
うに、互いに離れて配置される。さらに、第1スリット
130への本線の圧入方向と第2スリット132への分
岐線の圧入方向とが同一となる各部位に、それらスリッ
ト130、132の電線導入端134、136が形成さ
れる。
【0049】他方、接続子148では、第1導通接触部
140に開放スリットとして形成される第1スリット1
50と、第2導通接触部144に開放スリットとして形
成される第2スリット152とが、互いに実質的同一方
向に延長される。すなわち、第1スリット150は第2
スリット152に対して僅かに傾斜して延びる。しか
も、第1導通接触部140と第2導通接触部144と
は、第1スリット150に圧入された本線と第2スリッ
ト152に圧入された分岐線とが、それらスリット15
0、152の延長方向に略整列して位置するように、互
いに離れて配置される。さらに、第1スリット150へ
の本線の圧入方向と第2スリット152への分岐線の圧
入方向とが実質的同一となる各部位に、それらスリット
150、152の電線導入端154、156が形成され
る。
【0050】このような構成を有する接続子128によ
っても、コネクタ装置のハウジング内で鉛直方向(ハウ
ジング底面に略直交する方向)に整列ないし重畳した位
置に収容される本線及び分岐線に対し、接続子128を
第1及び第2スリット130、132の延長方向に沿っ
てハウジング内で一鉛直方向へ移動することにより、本
線と分岐線とを各導通接触部120、124に同時に圧
接することができる。また接続子148によっても、コ
ネクタ装置のハウジング内で鉛直方向(ハウジング底面
に略直交する方向)に整列ないし重畳した位置に収容さ
れる本線及び分岐線に対し、接続子148を第2スリッ
ト152の延長方向に沿ってハウジング内で一鉛直方向
へ移動することにより、本線と分岐線とを各導通接触部
140、144に同時に圧接することができる。
【0051】本発明に係る接続子は、上記したような電
力ケーブルの分岐接続用の導電接続要素に限らず、電気
通信の分野における信号ケーブルの分岐接続用の導電接
続要素として使用することもできる。この場合、一般に
接続子は1枚の接続片のみから構成される。
【0052】本発明に係る接続子は、様々な材料から形
成できるが、例えば黄銅、燐青銅、ベリリウム銅等の銅
又は銅合金からなることが好ましい。また、そのような
材料からなる接続子の少なくともスリット領域には、半
田メッキや銀メッキを施すことが望ましい。また本発明
に係る接続子は、例えば上記金属材料の薄板に打抜き工
程及び曲げ工程を施すことにより作成できる。
【0053】本発明に係る分岐コネクタ装置は、様々な
材料から形成できる。例えば上記実施形態において、下
部ハウジング56、上部ハウジング62及びカバー部材
68は、PP(ポリプロピレン)等の電気絶縁性及び難
燃性の樹脂材料から形成されることが好ましい。これら
下部ハウジング56、上部ハウジング62及びカバー部
材68は、上記樹脂材料から射出成形工程により、一体
的に作成できる。また、シースカッタ78及び各楔部材
74、76は、ガラス強化したPBT(ポリブチレンテ
レフタレート)やPC(ポリカーボネート)等の、耐薬
品性及び機械的強度に優れた樹脂材料から形成されるこ
とが好ましい。それらシースカッタ78及び各楔部材7
4、76は、上記樹脂材料から例えば射出成形工程によ
り作成できる。
【0054】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、コネクタ装置のハウジング内で鉛直方向に重
畳して配置される多心(特に3心以上)の本線ケーブル
及び分岐線ケーブルに対し、接続子を第1及び第2スリ
ットの延長方向に沿ってハウジング内で一鉛直方向へ移
動することにより、それらケーブルの間で対応する各導
線をを各導通接触部に同時に圧接できる接続子が提供さ
れる。さらに本発明によれば、そのような接続子を使用
でき、それによりハウジングの特に水平方向寸法の拡大
を抑制できるようにした分岐コネクタ装置が提供され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による接続子の斜視図であ
る。
【図2】図1の接続子に本線ケーブル及び分岐線ケーブ
ルを圧接する手順を示す断面正面図で、(a)圧接前、
及び(b)圧接後、の各状態を示す。
【図3】本発明の他の実施形態による接続子の斜視図で
ある。
【図4】図3の接続子に本線ケーブル及び分岐線ケーブ
ルを圧接する手順を示す断面正面図で、(a)圧接前、
及び(b)圧接後、の各状態を示す。
【図5】図1及び図3の接続子を備えた本発明の一実施
形態による分岐コネクタ装置の分解斜視図である。
【図6】図5の分岐コネクタ装置を組立てた状態で、か
つ本線ケーブル及び分岐線ケーブルを圧接する前の状態
で示す斜視図である。
【図7】図3の接続子の他の適用例を示す断面正面図
で、(a)圧接前、及び(b)圧接後、の各状態を示
す。
【図8】(a)図1の接続子の変形例、及び(b)図3
の接続子の変形例、を示す正面図である。
【図9】本発明のさらに他の実施形態による接続子の斜
視図で、(a)図1の接続子に対応するもの、及び
(b)図3の接続子に対応するもの、を示す。
【符号の説明】
10、30、128、148…接続子 12、32、122、126、142、146…接触片 16、36、130、150…第1スリット 18、38、120、140…第1導通接触部 20、40、132、152…第2スリット 22、42、124、144…第2導通接触部 24、26、44、46、134、136、154、1
56…電線導入端 28、48…穴 50…分岐コネクタ装置 54…本線受容部 56…下部ハウジング 60…分岐線受容部 62…上部ハウジング 64…接続子受容部 70…溝穴部 74、76…楔部材 78…シースカッタ 100…本線ケーブル 102…分岐線ケーブル 104…本線 106…分岐線

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本線が圧入される第1スリットを有した
    第1導通接触部と、分岐線が圧入される第2スリットを
    有した第2導通接触部とを備え、該本線と該分岐線とを
    電気的に接続する分岐接続用の接続子において、 前記第1スリットと前記第2スリットとが実質的同一方
    向に延び、 前記第1導通接触部と前記第2導通接触部とは、前記第
    1スリットに圧入された本線と前記第2スリットに圧入
    された分岐線とがそれらスリットの延長方向に略整列し
    て位置するように、互いに離れて配置され、 前記第1スリットへの前記本線の圧入方向と前記第2ス
    リットへの前記分岐線の圧入方向とが実質的同一となる
    各部位に、それらスリットの電線導入部が形成されるこ
    と、を特徴とする接続子。
  2. 【請求項2】 前記第2導通接触部が、前記第2スリッ
    トの前記電線導入部に隣接して、前記分岐線を遊挿すべ
    く拡張形成された穴を備える請求項1に記載の接続子。
  3. 【請求項3】 互いに略平行に対向配置され、かつ基端
    で相互連結される同一外形の一対の接続片を備え、それ
    ら接続片の双方に前記第1スリットと前記第2スリット
    とが設けられて前記第1導通接触部と前記第2導通接触
    部とが形成され、一方の該接続片に設けられた該第1ス
    リット及び該第2スリットと他方の該接続片に設けられ
    た該第1スリット及び該第2スリットとが、互いに異な
    るスリット幅を有する請求項1又は2に記載の接続子。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載された接続子を複数個備
    えるとともに、 複数の前記接続子を相互絶縁して移動可能に受容すべく
    鉛直方向に延びる複数の接続子受容部と、それら接続子
    受容部に鉛直方向へ隣接して水平方向に延設され、複数
    の前記接続子の前記第1導通接触部にそれぞれ圧接され
    る複数の導線を有した本線ケーブルを受容する本線受容
    部と、それら接続子受容部に鉛直方向へ隣接して水平方
    向に延設され、複数の前記接続子の前記第2導通接触部
    にそれぞれ圧接される複数の導線を有した分岐線ケーブ
    ルを受容する分岐線受容部とを具備したハウジングを備
    え、 前記本線受容部に受容された前記本線ケーブルと前記分
    岐線受容部に受容された前記分岐線ケーブルとの双方に
    対し、各々の前記接続子受容部内で前記接続子を一鉛直
    方向に移動させることにより、該本線ケーブルの導線と
    該分岐線ケーブルの対応導線とを該接続子に同時に圧接
    できるように構成されたこと、を特徴とする分岐コネク
    タ装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8827738B2 (en) 2009-11-03 2014-09-09 Orica Explosives Technology Pty Ltd Connector, and methods of use

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