JPH1038881A - 遠心分離式血液分析計 - Google Patents

遠心分離式血液分析計

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Publication number
JPH1038881A
JPH1038881A JP19629796A JP19629796A JPH1038881A JP H1038881 A JPH1038881 A JP H1038881A JP 19629796 A JP19629796 A JP 19629796A JP 19629796 A JP19629796 A JP 19629796A JP H1038881 A JPH1038881 A JP H1038881A
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JP
Japan
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light
disk
capillary
blood analyzer
motor
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Application number
JP19629796A
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English (en)
Inventor
Rokusaburo Kimura
六三郎 木村
Hiroyuki Nakamoto
博幸 中本
Hideo Kusuzawa
英夫 楠澤
Nobuhiro Kitagawa
信宏 喜多川
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Sysmex Corp
Original Assignee
Sysmex Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遠心分離処理の後に毛細管を移動させること
なく良好な測定精度で分析をすることが可能で、コンパ
クト化を図ることもできる遠心分離式血液分析計を提供
する。 【解決手段】 血液分析計は、ディスク1、回転装置
2、光検出手段3などからなる。ディスク1の載置部1
5には血液を封入した毛細管が載置される。回転装置2
はディスク1を回転させて毛細管内の血液を遠心分離す
る。光検出手段3は発光素子、受光素子、反射ミラー部
を有してなる。両素子はディスク1の直下に配された直
線移動可能な移動体に取り付けられている。反射ミラー
部は、載置部15に一体にかつその全長にわたって設け
られ、発光素子からの光を一旦反射させて毛細管に横断
状に透過させた後にその光を再び反射させて受光素子に
導く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、遠心分離式血液
分析計に関するものであり、さらに詳しくは、分析すべ
き血液を封入した毛細管に遠心分離処理を行うことによ
ってその血液成分の分析を行うための遠心分離式血液分
析計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の遠心分離式血液分析計と
しては、次のような透過型の血液分析計が知られてい
る。
【0003】すなわち、透過型の遠心分離式血液分析計
は、分析すべき血液(全血)を封入した毛細管をディス
クに取り付け、このディスクを回転させて毛細管に遠心
分離処理を行って管内の血液を血漿部分と血球部分とに
区分し、次いで、そのままの状態でディスクの上方の発
光素子(光源)から毛細管に投光し、毛細管を透過した
光をディスクの下方に列設された複数の受光素子で受光
することにより、毛細管内の血液成分の分析−血漿部分
と血球部分との比率の算出−を行うものである。
【0004】このような透過型血液分析計は、遠心分離
処理を行った後の毛細管を移動させる必要がないため毛
細管中の血液分離状態を攪乱するおそれがなく、作業も
簡単であることから測定能率が高いものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような透
過型血液分析計にあっては、ディスクの上方に発光素子
が、下方に受光素子が設けられているので、ディスクを
介して上下に導線や各種電装品などを設ける必要があ
り、装置の高さ寸法を小さくしてコンパクト化を図る上
で一定の限界がある。
【0006】そこで、発光素子及び受光素子をディスク
の一方面に設け、発光素子から発せられた光がディスク
に取り付けられた毛細管に当たった後に受光素子に導か
れるようにした反射型の遠心分離式血液分析計が開発さ
れた。しかし、このような反射型血液分析計にあって
は、発光素子から発せられ毛細管に当たって反射した光
の一部のみが受光素子に導かれるため、毛細管内の血液
成分を分析した場合の測定精度が充分ではないという問
題があった。
【0007】この発明はこのような実情を考慮してなさ
れたものであり、その課題は、遠心分離処理を行った後
の毛細管を移動させる必要がなく、しかも、装置の高さ
寸法を小さくしてコンパクト化を図ることができ、さら
に、血液成分の分析時における測定精度が良好である遠
心分離式血液分析計を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明によれば、半径
方向に沿って載置部が設けられ血液を封入した毛細管を
該載置部に載置するための回転可能なディスクと、毛細
管が載置されたこのディスクを回転させて管内の血液を
複数の帯域に遠心分離するための回転装置と、遠心分離
後の毛細管における前記複数の帯域を光学的に検出する
ための光検出手段とを備え、光検出手段が、ディスクの
一方面を臨む位置に設けられた発光素子及び受光素子
と、ディスクに設けられ、発光素子から発せられた光を
一旦反射させて載置部における毛細管に横断状に透過さ
せた後に再び反射させて受光素子に導くための反射ミラ
ー部とを具備してなる遠心分離式血液分析計が提供され
る。
【0009】ディスクは通常、水平に配され、その上面
には、所定数の載置部がディスクの半径方向に沿って上
下貫通状に設けられている。載置部は例えば、ディスク
の中心部から周縁部へディスクの半径方向に延び、分析
対象となる血液を封入した毛細管のそれぞれが載置され
るスリット部として形成される。
【0010】回転装置は、毛細管が載置されたディスク
を回転させて、毛細管内の血液を例えば血球帯及び血漿
帯の2つの帯域に遠心分離する。また、詳細には赤血球
帯、白血球帯及び血漿帯の3つの帯域に遠心分離する。
この回転装置としては例えば、ディスクの下方に配され
た正・逆方向へ回転可能な1個の駆動用モータと、この
モータの一方方向の回転をディスクに伝達する回転運動
伝達機構とを備えてなるものが用いられる。
【0011】光検出手段は、発光素子、受光素子及び反
射ミラー部を有してなる。
【0012】発光素子はディスクの一方面を臨む位置、
例えば水平に配されたディスクの下面を臨む位置−ディ
スクの直下−などに設けられる。受光素子もディスクの
上記面を臨む位置、例えばディスクの直下で発光素子に
隣接した状態に設けられる。
【0013】反射ミラー部は、ディスクに別体または一
体に、例えばガラス製反射ミラー板の張り付け、プリズ
ムの埋め込み、アルミニウムその他の金属の蒸着、各種
金属のメッキ、各種の塗装あるいはコーティングなどの
反射ミラー形成処理により設けられる。この発明に係る
遠心分離式血液分析計の場合、ディスクに反射ミラー部
を備えているので、発光素子及び受光素子をディスクの
一方面側に配置して毛細管を透過した光を検出すること
ができる。
【0014】また、この発明に係る遠心分離式血液分析
計は、光検出手段の発光素子及び受光素子をディスクに
載置された毛細管に沿って直線移動させるための直線移
動装置をさらに備えているのがいっそう好ましい。
【0015】遠心分離式血液分析計がこのようなもので
ある場合、発光素子及び受光素子をディスクに載置され
た毛細管に沿って直線移動させることにより、遠心分離
後の毛細管における前記複数の帯域を連続的にスキャン
することが可能になるので、各帯域を短時間に検出する
ことができる。
【0016】この発明に係る遠心分離式血液分析計は、
回転装置とは独立して直線移動装置を設けることができ
るが、回転装置及び直線移動装置が正・逆方向へ回転可
能な1個の駆動用モータを併有し、回転装置が同モータ
の一方方向の回転をディスクに伝達する回転運動伝達機
構を、直線移動装置が同モータの他方方向の回転を直線
運動に変換する直線運動発生機構を備えてなり、回転運
動伝達機構と直線運動発生機構とが同モータの回転方向
の正・逆切り換えにより択一的に作動されるものである
のがいっそう好ましい。
【0017】遠心分離式血液分析計がこのようなもので
ある場合、1個の駆動用モータでディスクの回転運動と
光センサの直線運動とを行わせることが可能になり、部
品点数が少なくてすみ、血液分析計のコンパクト化を図
ることができるなど、好都合である。
【0018】この発明に係る遠心分離式血液分析計は、
光検出手段の反射ミラー部が、ディスクの載置部に一体
に設けられかつ、発光素子から発せられた光を一旦反射
させて載置部における毛細管に横断状に透過させるため
の第1ミラー部と、その毛細管を横断状に透過した後の
光を再び反射させて受光素子に導くための第2ミラー部
とを有してなるのがいっそう好ましい。
【0019】光検出手段の反射ミラー部がディスクの載
置部に一体に設けられている場合には、別体に設けられ
る場合に比較して一般に構成がより簡単になるうえ血液
分析計の低価格化を図ることができる。第1ミラー部と
第2ミラー部は例えば、ディスクの載置部に載置された
毛細管の両側に必要長さにわたって前記の反射ミラー形
成処理を施すことで形成される。
【0020】この発明に係る遠心分離式血液分析計は、
光検出手段による検出結果から前記複数の帯域の比率を
求める演算装置と、この演算装置により求められたその
比率を外部に表示する表示装置とを備えているのがいっ
そう好ましい。ここで、演算装置としては例えば、光検
出手段による検出結果から前記複数の帯域の比率を求め
るマイクロコンピュータが用いられる。また、表示装置
としては例えば、演算装置により求められた前記複数の
帯域の比率を数値として外部に視覚表示する液晶表示パ
ネルが用いられる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明における1つの実
施の形態を図面に基づいて説明する。なお、これによっ
てこの発明が限定されるものではない。
【0022】図1及び図2において、この発明に係る遠
心分離式血液分析計は、全体形状がほぼ直方体であり、
主として、ディスク1、回転装置2、光検出手段3、直
線移動装置4、演算装置としてのマイクロコンピュータ
5、及び表示装置としての液晶表示パネル6から構成さ
れている。
【0023】図3及び図4にも示すように、ディスク1
は円形格子状であり、回転軸になるディスクシャフト1
1と、これを中心にして同心状に設けられた大中小3つ
のリング部12・13・14と、これらに連なる6つの
放射状載置部15とを備えてなる。
【0024】それぞれの載置部15は、隣りのものとの
中心角が60度になるように設けられている。それぞれ
の載置部15には、分析対象となる血液を封入した毛細
管cが1つ嵌め込まれて、動かないように載置される。
それぞれの載置部15は、上下に貫通した直線状スリッ
ト部として形成されており、中心部から周縁部へディス
ク1の半径方向に延びている。
【0025】ディスク1のディスクシャフト11には、
コイルバネ16、このコイルバネ16により上下移動可
能に上方へ付勢され図4に示すように毛細管cを傾斜状
に配した後にコイルバネ16の付勢力に抗して下方へ押
し付けて毛細管cを載置部15の定位置にワンタッチで
セットするための管ホルダ17、ディスクシャフト11
の上端部に取り付けられ管ホルダ17の上方への移動を
止めるための止め輪18、及びディスクシャフト11の
上端部にかぶせられたホルダキャップ19が装着されて
いる。また、各載置部15の大リング部12寄り端部に
は、毛細管cの一端部を保護するための留ゴム10が嵌
め込まれている。
【0026】回転装置2は、所定本数の毛細管cが載置
されたディスク1をディスクシャフト11で回転させ
て、毛細管c内の血液を赤血球帯、白血球帯及び血漿帯
の3つの帯域に遠心分離するためのものである。
【0027】回転装置2は、図5及び図6に示すよう
に、交流電源に接続されて切替スイッチ(図示略)によ
り正・逆方向へ回転可能な1個の駆動用モータ20と、
このモータ20の一方方向の回転である正方向(モータ
20の上方から見て時計回り方向)の回転をディスク1
に伝達する回転運動伝達機構23とを備えてなる。
【0028】モータ20は取付ネジ21でモータ取付板
22に取り付けられている。回転運動伝達機構23は、
モータ20のモータシャフト24と、このモータシャフ
ト24とは独立してディスクに設けられたディスクシャ
フト11と、このディスクシャフト11にモータ20の
前記正方向の回転をモータシャフト24を介して伝達し
他方方向の回転である逆方向(モータ20の上方から見
て反時計回り方向)の回転を伝達しないカップリング装
置25とを具備してなる。
【0029】カップリング装置25は、図2、図6及び
図7に示すように、モータシャフト24の上端部に取り
付けられたカップリング爪7と、ディスクシャフト11
の下端部に取り付けられカップリング爪7に係合/係合
解除されるカップリングラチェット(内側にラチェット
部)8とからなる。モータシャフト24には、ワンウェ
イクラッチベアリング26を介して爪車27が装着され
ている。爪車27は、小径の上段部27aと、大径の下
段部27bとから構成されている。
【0030】ワンウェイクラッチベアリング26は、モ
ータシャフト24に内輪部が装着され爪車27に外輪部
が連結されている。そして、爪車27にモータ20の前
記逆方向の回転を伝達し前記正方向の回転を伝達しない
ようになっている。すなわち、ワンウェイクラッチベア
リング26は、モータ20が前記正方向に回転するとき
にモータシャフト24を空転させることで爪車27にモ
ータ20の正方向の回転を伝達しないようにし、モータ
20が前記逆方向に回転するときにモータシャフト24
にかみ合うことで爪車27にモータ20の逆方向の回転
を伝達する。
【0031】光検出手段3は、図2、図8及び図14に
示すように発光素子31と受光素子32と反射ミラー部
50とを有してなる。
【0032】発光素子31及び受光素子32はいずれ
も、ディスク1とは独立してかつディスク1の一方側面
である下面を臨む位置に−ディスク1の直下に−配され
た後記の移動体49に取り付けられている。発光素子3
1及び受光素子32は、演算装置としてのマイクロコン
ピュータ5に接続されている。
【0033】反射ミラー部50は載置部15に一体にか
つその全長にわたって設けられている。すなわち反射ミ
ラー部50は、発光素子31から発せられた光を一旦反
射させて載置部15の毛細管cに横断状に透過させるた
めの第1ミラー部51と、その毛細管cを透過した後の
光を再び反射させて受光素子32に導くための第2ミラ
ー部52とを有してなる。第1ミラー部51及び第2ミ
ラー部52は、載置部15と同じ長さであって水平面に
対して約45度の角度をつくる2つの傾斜面にアルミニ
ウム蒸着を行うことで、各載置部15の両側にそれぞれ
形成されている。
【0034】光検出手段3の発光素子31及び受光素子
32は、後記のように、遠心分離後の各毛細管cに沿っ
てその下方を移動体49が直線移動するのに伴って直線
移動することで前記3つの帯域を光学的に検出し、マイ
クロコンピュータ5がこれらの帯域の長さ比率を演算す
る。
【0035】直線移動装置4は、光検出手段3の発光素
子31及び受光素子32をディスク1の載置部15に載
置された毛細管cに沿って直線移動させるための装置で
あり、モータ20と、モータ20の前記逆方向の回転を
直線運動に変換して光検出手段3に伝達する直線運動発
生機構40とを備えてなる。
【0036】直線運動発生機構40は、図8に示すよう
に、ワンウェイクラッチベアリング26と、爪車27に
モータ20の前記逆方向の回転が伝達されたときに爪車
27に係合して作動しディスク1の半径方向に沿った直
線運動を発生させる3つの遊星歯車装置41と、各遊星
歯車装置41に対応して設けられかつ発光素子31及び
受光素子32をディスク1の半径方向に沿って直線移動
させるべくガイドする3つのリニアガイド装置42とを
具備してなる。
【0037】各遊星歯車装置41は、取付板22に固定
されたシャーシ43の水平板部に形成された内歯車44
と、この内歯車44の2分の1の歯数を有しその内歯車
44に係合する遊星歯車45と、この遊星歯車45を回
転させるための駆動歯車46とを具備してなる。駆動歯
車46は、シャーシ43に設けられた上方突出状の駆動
歯車用回転軸部43aに留具36で取り付けられ、爪車
27の上段部27aに係合している。また、駆動歯車4
6の上面には、遊星歯車45が留具35で取り付けられ
かつ遊星歯車45の回転軸になる遊星歯車用回転軸部4
6aが設けられている。
【0038】シャーシ43の回転軸部43aの下方には
下方突出状の回転軸部43bが設けられている。この回
転軸部43bには、図8及び図9に示すように、モータ
20の前記逆方向の回転が爪車27に伝達されたときに
爪車27の下段部27bに同方向への回転を許容しかつ
反対方向への回転を阻止するための係止爪47が装着さ
れ、留具37により止められている。
【0039】各リニアガイド装置42は、図8及び図1
0に示すように、ディスク1の下方においてほぼ水平に
シャーシ43に固定されたガイド板48と、遊星歯車装
置41における遊星歯車45のピッチ円上に中心部が位
置するようにその遊星歯車45に一体に設けられた上方
突起45aと、この突起45aにゆるく装着された移動
体49とを具備してなる。
【0040】ガイド板48は、ディスク1の半径方向に
沿って穿設された3本の直線状ガイド溝48aを有して
いる。これらのガイド溝48aは隣りのものとの中心角
が120度になるように設けられている。突起45a
は、その遊星歯車45が内歯車44の2分の1の歯数を
有しているため、遊星歯車45の公転に伴って自転しな
がらディスク1の半径方向に沿った直線移動を行う。
【0041】移動体49には、発光素子31及び受光素
子32が取り付けられている。移動体49は、ガイド板
48のガイド溝48aに自転を規制された状態にゆるく
嵌め込まれており、突起45aの動きに伴ってガイド溝
48a内を自転することなく直線状にスライド移動する
ようにされている。
【0042】なお、図8において、38はガイド板48
の中央下面に嵌め込まれかつディスクシャフト11を保
持するための通常ベアリングを示し、39はディスクシ
ャフト11の所定箇所に装着されかつガイド板48の中
央下面に配されたスナップリングを示す。
【0043】また、この血液分析計にあっては、回転装
置2による遠心分離のための回転が施された後のディス
ク1の載置部15を、引き続いて行われる、直線移動装
置4によるスキャニングに最適な位置に置くために、使
用者が遠心分離後のディスク1を手で回転させて、ディ
スク1の載置部15に載置されている毛細管cの長手方
向とガイド板48のガイド溝48aの長手方向とが平行
になるようにする。このように、使用者によるマニュア
ル操作を採用したのは、血液分析計の構造をできるだけ
簡単にするためである。
【0044】しかし、場合によっては、そのようなマニ
ュアル操作を採用することなく、遠心分離後のディスク
1の載置部15を前記の最適な位置に置くための構造に
してもよい。例えば、モータ20をステップモータで構
成し、そのパルス数を制御することで、ディスク1の載
置部15を最適位置で停止させることができる。このよ
うな場合は、血液分析計にステップ角を決めるためのセ
ンサなどを付加しておけばよい。
【0045】次に、この血液分析計によって、毛細管c
に遠心分離を行い、引き続いてスキャニングを行うとき
の各構成部分の作動状態を示す。
【0046】A.遠心分離操作について 図11において、まず、ディスク1の6つの載置部15
に分析対象となる血液を封入した6つの毛細管cのそれ
ぞれを載置する。載置の方法は、図4に示すように、引
き上げられた管ホルダ17と各載置部15の大リング部
12寄り箇所との間に各毛細管cを傾斜状に配した後に
管ホルダ17をコイルバネ16の付勢力に抗して下方へ
押し付けてディスク1の中央部に係合させるという方法
による。
【0047】6つの毛細管cが載置されると、モータ2
0の切替スイッチを操作してモータ20を正方向(モー
タ20の上方から見て時計回り方向)に回転させる。す
ると、モータシャフト24が図11の円弧状矢印方向へ
回転する。
【0048】モータシャフト24のこの回転は、カップ
リング爪7に伝達された後、カップリング爪7に係合す
るカップリングラチェット8に伝達される。このとき、
ワンウェイクラッチベアリング26により、モータシャ
フト24の回転は爪車27には伝達されないため、直線
移動装置4は作動することがない。
【0049】カップリングラチェット8に伝達された回
転により、ディスクシャフト11が図11の矢印方向へ
回転する。これにより、ディスク1が同方向へ高速で回
転し、6つの載置部15に載置された6つの毛細管cに
遠心分離処理が施される。
【0050】なお、図11における28は、ディスクシ
ャフト11に装着されたワンウェイクラッチベアリング
を示している。このワンウェイクラッチベアリング28
は、内輪部がディスクシャフト11に装着され外輪部が
シャーシ43に連結されている。そして、モータ20が
図11の矢印方向(一方方向)へ回転してその回転がカ
ップリング装置25によりディスクシャフト11に伝達
されたときにディスクシャフト11の回転を許容し、モ
ータ20の他方方向への回転時にディスクシャフト11
の回転を阻止する。
【0051】ディスク1が高速で所定時間だけ回転して
6つの毛細管cに遠心分離処理が施されると、モータ2
0が停止される。この遠心分離処理により、各毛細管c
の内部における血液は、ディスク1の大リング部12か
ら小リング部14へ向かって、赤血球帯、白血球帯及び
血漿帯の3つの帯域に区画されている。
【0052】B.スキャニング操作について 次いで、使用者がディスク1を手で回転させて、ディス
ク1の1つの載置部15に載置されている毛細管cの長
手方向とガイド板48の1つのガイド溝48aの長手方
向とが平行になるようにする。これにより、ガイド板4
8の3つのガイド溝48aが、ディスク1に載置された
6つの毛細管cのうちの1つおきの3つの毛細管cの直
下に位置することになる。
【0053】このような3つの毛細管cの位置決めが終
わると、モータ20の切替スイッチを操作してモータ2
0を逆方向(モータ20の上方から見て反時計回り方
向)に回転させる。すると、モータシャフト24が図1
2の円弧状矢印方向へ回転する。
【0054】モータシャフト24のこの回転は、ワンウ
ェイクラッチベアリング26により爪車27に伝達され
る。そして、爪車27が回転することにより、爪車27
に係合する3つの駆動歯車46がそれぞれ図12の円弧
状矢印方向へ回転する。
【0055】すると、各駆動歯車46の回転軸部46a
に取り付けられた遊星歯車45がモータシャフト24の
回転方向と同じ方向(図12の円弧状矢印方向)へ減速
回転(自転)する。次いで、各遊星歯車45が内歯車4
4に係合して、図13に示すように、駆動歯車46の回
転軸部46aの回りに自転しながら内歯車44に沿って
公転する。
【0056】各遊星歯車45が内歯車44の2分の1の
歯数を有しており、かつ、上方突起45aにゆるく装着
された移動体49がガイド板48のガイド溝48aに自
転を規制された状態にゆるく嵌め込まれているので、各
遊星歯車45の自転及び公転により、移動体49はガイ
ド溝48a内を自転することなく、図13の直線状矢印
方向すなわち図12の直線状矢印方向へ低速でスライド
移動する。
【0057】すなわち、各遊星歯車45が内歯車44に
関して1回の公転を行うと、各移動体49は、図12に
示す初期位置(ガイド溝48aの内側の端部)からガイ
ド溝48aの外側の端部へ向かって直線状にスライド移
動(往路移動)した後、同端部で折り返し、再びガイド
溝48a内をスライド移動(復路移動)して初期位置に
戻る。
【0058】以上のように、モータシャフト24が図1
2の円弧状矢印方向へ回転すると、3つの移動体49が
ディスク1の載置部15に載置された3つの毛細管cの
それぞれに沿って往路移動して直線状のスキャニングを
行う。
【0059】すなわち、各移動体49に取り付けられた
発光素子31から対応する毛細管cに向けて光が垂直上
方へ照射される。この光は反射ミラー部50の第1ミラ
ー部51で一旦反射されて水平に進み、載置部15にお
ける毛細管cを横断状に透過する。その毛細管cを横断
状に透過した後の反射光は第2ミラー部52で再び反射
されて垂直下方へ進み、その移動体49に取り付けられ
た受光素子32に導かれる。これにより、1つの毛細管
cごとに前記3つの帯域を光学的に検出する。
【0060】その後、各移動体49は復路移動して初期
位置に戻り、停止する。次いで、使用者がディスク1を
中心角60度だけ回転させて、ディスク1に載置された
残り3つの毛細管cの位置決めを行う。そして、これら
の毛細管cについて、前記と同様なスキャニング操作を
行うことで、毛細管cごとに前記3つの帯域を光学的に
検出する。
【0061】以上のようにして、6つの毛細管cについ
て前記3つの帯域が検出されると、光センサ3に接続さ
れたマイクロコンピュータ5が毛細管cごとにそれらの
帯域の長さ比率を演算する。
【0062】そして、その結果が、マイクロコンピュー
タ5に接続された液晶表示パネル6に数値として、すな
わち、赤血球○○%、白血球××%、血漿△△%として
視覚表示される。
【0063】以上のようなスキャニング操作の際は、前
記のように、ワンウェイクラッチベアリング28の作用
でディスクシャフト11の回転が阻止されるので、ディ
スク1が回転するというおそれが有効に防止される。
【0064】この発明に係る遠心分離式血液分析計は、
以上のように構成されており、遠心分離処理を行った後
の毛細管cを移動させる必要がないため毛細管c中の血
液分離状態を攪乱するおそれがなく、作業も簡単である
ことから測定能率が高いものであるうえ、1個の駆動用
モータ20でディスク1の回転運動と光センサ3におけ
る発光素子31及び受光素子32の直線運動とを行わせ
ることが可能になり、部品点数が少なくてすみ、コンパ
クト化を図ることができるなど、好都合である。
【0065】
【発明の効果】この発明に係る遠心分離式血液分析計は
前記のように構成されているので、次のような顕著な効
果を奏する。
【0066】請求項1記載の遠心分離式血液分析計は、
血液を封入した毛細管が半径方向に沿って設けられた載
置部に載置されたディスクを回転装置により回転させ
て、管内の血液を複数の帯域に遠心分離し、光検出手段
により遠心分離後の毛細管における前記複数の帯域を光
学的に検出するように構成され、光検出手段が、ディス
クの一方面を臨む位置に設けられた発光素子と、ディス
クの同面を臨む位置に設けられた受光素子と、ディスク
に設けられ、発光素子から発せられた光を一旦反射させ
て載置部における毛細管に横断状に透過させた後に再び
反射させて受光素子に導くための反射ミラー部とを具備
してなる。
【0067】したがって、遠心分離処理を行った後の毛
細管を移動させる必要がないため、管中の血液分離状態
を攪乱するおそれがなく、作業も簡単であるうえ測定能
率が高い。しかも、光検出手段の発光素子と受光素子と
がディスクの一方面を臨む側に設けられているので両素
子を回転装置から機構的に完全に分離することが可能に
なる。装置の高さ寸法を小さくしてコンパクト化を図る
ことができるうえ遠心分離処理及び前記帯域の光学的検
出に支障を与えることがなく、さらに、発光素子から発
せられた光を受光素子に導くまでの間に毛細管を透過さ
せることができるので、従来の遠心分離式血液分析計に
比較して血液成分の分析−前記帯域の光学的検出−時に
おける測定精度が良好である。
【0068】請求項2記載の遠心分離式血液分析計によ
れば、光検出手段の発光素子及び受光素子をディスクに
載置された毛細管に沿って直線移動させるための直線移
動装置をさらに備えているので、発光素子及び受光素子
をディスクに載置された毛細管に沿って直線移動させる
ことにより、遠心分離後の毛細管における前記複数の帯
域を連続的にスキャンすることが可能になり、請求項1
記載の血液分析計が奏する前記効果に加えて、同帯域を
短時間に検出することができる。
【0069】請求項3記載の遠心分離式血液分析計によ
れば、回転装置及び直線移動装置が正・逆方向へ回転可
能な1個の駆動用モータを併有し、回転装置が同モータ
の一方方向の回転をディスクに伝達する回転運動伝達機
構を、直線移動装置が同モータの他方方向の回転を直線
運動に変換する直線運動発生機構を備えてなり、回転運
動伝達機構と直線運動発生機構とが同モータの回転方向
の正・逆切り換えにより択一的に作動されるように構成
されているので、請求項2記載の血液分析計が奏する前
記効果をコンパクトで低コストの血液分析計により確保
することができる。
【0070】請求項4記載の遠心分離式血液分析計は、
光検出手段の反射ミラー部が、ディスクの載置部に一体
に設けられかつ、発光素子から発せられた光を一旦反射
させて載置部における毛細管に横断状に透過させるため
の第1ミラー部と、その毛細管を横断状に透過した後の
光を再び反射させて受光素子に導くための第2ミラー部
とを有してなる。したがって、請求項1〜3記載のいず
れか1つに記載の遠心分離式血液分析計が奏する前記効
果に加えて、光センサの反射ミラー部がディスクの載置
部に別体に設けられる場合に比較して一般に構成がより
簡単になるうえ血液分析計の低価格化を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る遠心分離式血液分析計の1つの
実施の形態を示す全体斜視図である。
【図2】図1の血液分析計の主要部を示す一部切欠斜視
図である。
【図3】図1の血液分析計におけるディスクを示す分解
斜視図である。
【図4】図1の血液分析計におけるディスクを示す中央
部垂直断面図である。
【図5】図1の血液分析計における駆動用モータを示す
斜視図である。
【図6】図1の血液分析計における回転運動伝達機構を
示す分解斜視図である。
【図7】図6の回転運動伝達機構におけるカップリング
装置を示す中央部水平断面図である。
【図8】図1の血液分析計における直線運動発生機構を
示す分解斜視図である。
【図9】図1の血液分析計における直線運動発生機構を
示す平面図である。
【図10】図1の血液分析計における直線運動発生機構
を示す一部切欠平面図である。
【図11】図1の血液分析計における遠心分離操作時の
関連各部材の作動状態を説明する作動説明図である。
【図12】図1の血液分析計におけるスキャニング操作
時の関連各部材の作動状態を説明する作動説明図であ
る。
【図13】図1の血液分析計におけるスキャニング操作
時の「カルダン円」を説明する作動説明図である。
【図14】図1の血液分析計における光センサを示す垂
直断面図である。
【符号の説明】
1 ディスク 2 回転装置 3 光検出手段 4 直線移動装置 5 マイクロコンピュータ(演算装置) 6 液晶表示パネル(表示装置) 7 カップリング爪(カップリング装置) 8 カップリングラチェット(カップリング装置) 11 ディスクシャフト 15 載置部 20 駆動用モータ 23 回転運動伝達機構 24 モータシャフト 25 カップリング装置 26 ワンウェイクラッチベアリング 27 爪車 31 発光素子 32 受光素子 40 直線運動発生機構 41 遊星歯車装置 42 リニアガイド装置 44 内歯車 45 遊星歯車 45a 上方突起 46 駆動歯車 48 ガイド板 48a ガイド溝 49 移動体 50 反射ミラー部 51 第1ミラー部 52 第2ミラー部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 喜多川 信宏 神戸市中央区港島中町7丁目2番1号 東 亜医用電子株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半径方向に沿って載置部が設けられ血液
    を封入した毛細管を該載置部に載置するための回転可能
    なディスクと、毛細管が載置されたこのディスクを回転
    させて管内の血液を複数の帯域に遠心分離するための回
    転装置と、遠心分離後の毛細管における前記複数の帯域
    を光学的に検出するための光検出手段とを備え、光検出
    手段が、ディスクの一方面を臨む位置に設けられた発光
    素子及び受光素子と、ディスクに設けられ、発光素子か
    ら発せられた光を一旦反射させて載置部における毛細管
    に横断状に透過させた後に再び反射させて受光素子に導
    くための反射ミラー部とを具備してなる遠心分離式血液
    分析計。
  2. 【請求項2】 光検出手段の発光素子及び受光素子をデ
    ィスクに載置された毛細管に沿って直線移動させるため
    の直線移動装置をさらに備えている請求項1記載の遠心
    分離式血液分析計。
  3. 【請求項3】 回転装置及び直線移動装置が正・逆方向
    へ回転可能な1個の駆動用モータを併有し、回転装置が
    同モータの一方方向の回転をディスクに伝達する回転運
    動伝達機構を、直線移動装置が同モータの他方方向の回
    転を直線運動に変換する直線運動発生機構を備えてな
    り、回転運動伝達機構と直線運動発生機構とが同モータ
    の回転方向の正・逆切り換えにより択一的に作動される
    請求項2記載の遠心分離式血液分析計。
  4. 【請求項4】 光検出手段の反射ミラー部が、ディスク
    の載置部に一体に設けられかつ、発光素子から発せられ
    た光を一旦反射させて載置部における毛細管に横断状に
    透過させるための第1ミラー部と、その毛細管を横断状
    に透過した後の光を再び反射させて受光素子に導くため
    の第2ミラー部とを有してなる請求項1〜3のいずれか
    1つに記載の遠心分離式血液分析計。
JP19629796A 1996-07-25 1996-07-25 遠心分離式血液分析計 Pending JPH1038881A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108367804A (zh) * 2015-12-17 2018-08-03 亚马逊技术股份有限公司 每个驱动轴使用多个马达的冗余飞行器推进系统

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108367804A (zh) * 2015-12-17 2018-08-03 亚马逊技术股份有限公司 每个驱动轴使用多个马达的冗余飞行器推进系统
JP2019500277A (ja) * 2015-12-17 2019-01-10 アマゾン テクノロジーズ インコーポレイテッド ドライブシャフトにつき複数のモーターを使用する冗長航空機推進システム

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