JPH103867A - 電子銃、陰極線管および陰極線管の製造方法 - Google Patents

電子銃、陰極線管および陰極線管の製造方法

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JPH103867A
JPH103867A JP15374996A JP15374996A JPH103867A JP H103867 A JPH103867 A JP H103867A JP 15374996 A JP15374996 A JP 15374996A JP 15374996 A JP15374996 A JP 15374996A JP H103867 A JPH103867 A JP H103867A
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JP
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electron gun
ray tube
neck portion
cathode ray
target plate
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JP15374996A
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Masanori Ando
正憲 安藤
Takashi Mukuno
俊 椋野
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 陰極線管のネック部内壁の電位を低下させ、
放電の抑制を図ることができるように、ネック管の内壁
に確実に蒸着膜を形成することができ、しかもビードガ
ラスとネック部内壁とのクリアランスを小さくすること
ができる電子銃、陰極線管および陰極線管の製造方法を
提供すること。 【解決手段】 画像が表示されるパネル部32と、パネ
ル部32に接合されるファンネル部34と、ファンネル
部34の後端部に形成され、パネル部32に電子ビーム
を照射する電子銃10が内蔵されるネック部38とを有
する陰極線管であって、ネック部38の内壁に、ネック
部38の外側から電子銃10の構成部材の一部にレーザ
ビーム40を照射することにより、蒸着膜28が形成し
てある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子銃、陰極線管
および陰極線管の製造方法に係り、さらに詳しくは、陰
極線管のネック部内壁の電位を低下させ、放電の抑制を
図ることができる電子銃、陰極線管および陰極線管の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、陰極線管のアノードには20〜3
0KV前後の高電圧が印加され、これが、電子銃の高圧
電極に導かれている。この高電圧による電界の影響を受
けて、散乱電子や電界放出で発生した電子が、陰極線管
のネック部(ガラス)や電子銃のビードガラス等の二次
電子放出率の高い絶縁物に衝突し、1個の電子が2個以
上の二次電子を放出することが繰り返されることによ
り、ネック部の内壁の電位が高圧に向かって除々に上昇
して行く。このネック部内壁電位が上昇すると、低電圧
電極のキズやバリまたは異物の付着等による突起物とネ
ック部内壁との間に電界集中が起こり、やがて、放電に
至ることが知られている。
【0003】このような放電が生じると、パネル部での
映像不良が生じたり、テレビジョンに用いるICなどを
劣化させたりするおそれがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、このような不
都合を解消するために、たとえば特公昭63−1085
9号公報に示すように、電子銃のビードガラスに金属性
ワイヤーまたはリボンを巻き、高周波で加熱し、ネック
部の内壁に蒸着膜を形成する方法が開発されている。
【0005】ところが、このような従来の方法では、高
周波加熱時にワイヤーまたはリボンが熱膨張することか
ら、ネック部のガラス内壁への接触を防ぐために、ビー
ドガラスとネック部内壁との距離に充分なクリアランス
が必要である。また、ビードガラスへの放熱のバラツキ
により、蒸着膜が形成されず、放電抑制効果が得られな
い場合がある。
【0006】このように、従来の方法は、使用上の制約
があり、かつ製造上の管理が厳しくなる等の問題があっ
た。本発明は、このような実状に鑑みてなされ、陰極線
管のネック部内壁の電位を低下させ、放電の抑制を図る
ことができるように、ネック管の内壁に確実に蒸着膜を
形成することができ、しかもビードガラスとネック部内
壁とのクリアランスを小さくすることができる電子銃、
陰極線管および陰極線管の製造方法を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る陰極線管は、画像が表示されるパネル
部と、前記パネル部に接合されるファンネル部と、前記
ファンネル部の後端部に形成され、前記パネル部に電子
ビームを照射する電子銃が内蔵されるネック部とを有す
る陰極線管であって、前記ネック部の内壁に、ネック部
の外側から電子銃の構成部材の一部にエネルギービーム
を照射することにより、蒸着膜が形成してあることを特
徴とする。
【0008】エネルギービームとしては、レーザービー
ムが好ましい。レーザービームの出力は特に限定されな
いが、比較的弱い出力で所定間隔で数回〜十数回程度に
分けて打つことが好ましい。ネック部を構成するガラス
を劣化させないようにするためである。
【0009】前記エネルギービームが照射される電子銃
の構成部材が、電子銃の各電極を保持するビードガラス
が取り付けられるビードガラス保持部材に形成されたタ
ーゲット板であることが好ましい。ターゲット板として
は、金属板であれば特に限定されないが、蒸着しやすい
低融点金属であることが好ましく、経済性などを考慮し
て、ステンレス材などが好ましく用いられる。
【0010】前記ターゲット板を有するビードガラス保
持部材が、電子銃の第1電極などの低電圧電極に装着し
てあることが好ましい。前記ターゲット板は、前記ネッ
ク部の内周で周囲4箇所に位置してあることが好まし
い。
【0011】本発明に係る電子銃は、陰極線管のネック
部に内蔵され、陰極線管のパネル部に向けて電子ビーム
を発生させる電子銃であって、電子銃の各電極を保持す
るビードガラスが取り付けられるビードガラス保持部材
に、ネック部の外側からエネルギービームが照射される
ことによりネック部の内壁に蒸着膜を形成するためのタ
ーゲット板が装着してあることが好ましい。
【0012】前記ターゲット板を有するビードガラス保
持部材が、電子銃の低電圧電極に装着してあることが好
ましい。前記ターゲット板は、前記電子銃の外周で周囲
4箇所に位置してあることが好ましい。
【0013】本発明に係る陰極線管の製造方法は、陰極
線管のネック部に電子銃を内蔵させ、真空引きした後、
ネック部の外側から、電子銃の構成部材の一部にレーザ
ビームを照射することにより、ネック部の内壁に蒸着膜
を形成することを特徴とする。
【0014】電子銃の各電極を保持するビードガラスが
取り付けられるビードガラス保持部材にターゲット板を
形成し、このターゲット板に、レーザビームを照射する
ことにより、ネック部の内壁に蒸着膜を形成することが
好ましい。ターゲット板を有するビードガラス保持部材
を、電子銃の低電圧電極に装着することが好ましい。
【0015】前記ターゲット板が、前記ネック部の内周
で周囲4箇所に位置するように、前記ビードガラス保持
部材に一体に成形することが好ましい。本発明では、ネ
ック部の内壁に蒸着膜が形成してあることから、ネック
部の内壁の電位が、従来のようには上昇しなくなる。た
とえば蒸着膜が形成されていないものに比較して、40
〜60%程度に電位を低下させることができる。このた
め、ネック部内壁と電子銃との間において放電が発生す
ることを抑制することができる。したがって、放電によ
る画像の劣化やICの破損などを有効に防止することが
できる。
【0016】また、本発明では、電子銃を構成する部材
自体(電極部材など)あるいはビードガラス保持部材に
一体に成形されたターゲット板に、ネック部の外側から
レーザービームなどのエネルギービームを照射すること
により、ネック部の内壁に蒸着膜を形成する。このた
め、高周波加熱により蒸着膜を形成する場合に比較し、
確実に蒸着膜を形成することができ、蒸着膜の形成が容
易である。さらに、ビードガラスに金属性ワイヤまたは
リボンを巻き、これを高周波加熱するわけではないの
で、ビードガラスとネック部内壁とのクリアランスを小
さくすることができる。
【0017】特に、ビードガラス保持部材にターゲット
板を一体成形することで、電子銃の部品点数を増大させ
ることなく、レーザ照射の工程を追加するのみで、ネッ
ク部の内壁に蒸着膜を確実に形成することができ、放電
を有効に防止することができる。本発明者等の実験によ
れば、ネック部の外周の4箇所からレーザー照射を行
い、ネック部の内壁に蒸着膜を形成することで、ネック
部の内周全域にわたり、電位の低下を実現できることが
判明している。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る陰極線管、電
子銃および陰極線管の製造方法を、図面に示す実施形態
に基づき、詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態
に係る陰極線管の概略図、図2は図1に示すII−II線に
沿う断面図、図3はネック部の要部斜視図、図4はビー
ドガラス保持部材の斜視図、図5(A),(B)は電子
銃の斜視図と側面図、図6,7はレーザービーム照射の
工程を示す概略断面図、図8はネック部の内壁の電位を
測定した位置を示す断面図である。
【0019】まず、陰極線管(CRT)の全体構成につ
いて説明する。図1に示すように、カラーCRT30
は、パネル部32と、ファンネル部34とを有し、これ
らがフリットガラスで融着され、内部が高真空に維持さ
れている。フリットガラスの外周には、防爆バンド36
が装着してある。
【0020】本実施形態では、ファンネルガラス34の
ネック部38に、電子銃10が内蔵してある。パネル部
32の内面には、蛍光面が形成してあり、その背面にア
パーチャグリルが装着してある。また、ネック部の外周
には、図示省略してある偏向ヨークが装着してあり、電
子銃10から放出・制御・加速・集束された3本の電子
ビームは、偏向ヨークによって偏向されることにより、
パネル部32の蛍光面の全面を走査するようになってい
る。
【0021】電子銃10は、図5(A),(B)に示す
ように、赤(R)、緑(G)および青(B)用の三本の
陰極(図示上見えない)の前部に、第1電極1、第2電
極2、第3電極3、第4電極4、第5電極5、第6電極
6および第7電極7が、この順で配置してある。
【0022】第1電極1および第2電極2は、それぞれ
制御電極と加速電極であり、たとえば0Vと600Vの
電圧がそれぞれ印加される。第3電極3、第4電極4お
よび第5電極は、収束用電極であり、第3電極3および
第5電極5には、約30KVが印加され、第4電極4に
は、約7〜8KVの可変電圧が印加される。第6電極6
および第7電極7は、偏向板を構成する平板状のコンバ
ージェンス用電極であり、第6電極6には、28〜29
KVの電圧が印加され、第7電極7には、30KVの電
圧が印加される。これら電極1,2,3,4,5,6
は、電子銃10の両側に配置された絶縁性のビードガラ
ス9により保持してある。
【0023】この電子銃10の先端に設けられた偏向板
を構成するコンバージェンス用電極6,7に電位差を与
え、それによりつくられる電界で、RBGの各電子ビー
ムを、CRTの蛍光面上でコンバージェンスさせてい
る。この平板状のコンバージェンス用電極6,7のう
ち、第6電極6に印加される比較的低い側の電圧は、電
子銃10に付属した内部分割抵抗8により供給されてい
る。内部分割抵抗8は、たとえばセラミックにガラスコ
ートしてあるIBRなどで構成される。この構造では、
外部からコンバージェンス用電圧を印加する必要はな
く、テレビセットとしては、比較的簡単なセットにする
ことができるという利点がある。
【0024】本実施形態では、図2〜5に示すように、
ビードガラス9が取り付けられる第1電極1のビードガ
ラス保持部材20に、ターゲット板26が一体に成形し
てある。図4に示すように、ビードガラス保持部材20
は、ベース部21の両側に立ち上げられた保持板22を
有し、保持板22には、ビードガラス9が接合し易いよ
うに、円形状の切欠き24が形成してある。本実施形態
では、ベース部21の両側に、翼状に延びるターゲット
板26が形成してある。この保持部材20は、たとえば
一枚のステンレス板材をプレス加工することにより成形
することができる。
【0025】このビードガラス保持部材20を、第1電
極1の両側に装着することで、図2,6に示すように、
ターゲット板26は、ネック部38の内周で周囲4箇所
位置に配置されることになる。本実施形態では、陰極線
管30のネック部38に電子銃10を内蔵させ、真空引
きした後、陰極線管の製造の略最終工程において、すな
わち、ノッキング工程およびエージング工程の前の工程
において、あるいはエージング工程の後で、図6に示す
ように、ネック部38の外側からレーザービーム40を
周囲4箇所のターゲット板26に向けて照射する。レー
ザービーム40の照射条件は、特に限定されないが、エ
ネルギーが1.0〜1.2J、照射時間が2〜6mse
c、好ましくは4msec程度であり、各ターゲット板
26に対して、照射間隔が0.2secで5〜30回、
好ましくは10回程度照射する。焦点位置は、ターゲッ
ト板26の設計面に対して、+0〜−0.5mm(マイナ
スはネックの中心方向)が好ましい。
【0026】このように各ターゲット26に対して低エ
ネルギーで数回に分けてレーザービームを照射するの
は、ネック部38を構成するガラスの劣化を防止するた
めである。このようなレーザ照射の結果、図7に示すよ
うに、ステンレスなどで構成されたターゲット板26が
蒸着源となり、ターゲット26に向き合うネック部38
の内壁に、金属蒸着膜28が形成されることになる。蒸
着膜28は、ターゲット板26の面積よりも大きい面積
で形成されることになる。
【0027】本実施形態に係る電子銃、陰極線管及び陰
極線管の製造方法では、ネック部38の内壁に蒸着膜2
8が形成してあることから、ネック部38の内壁の電位
が、従来のようには上昇しなくなる。たとえば蒸着膜2
8が形成されていないものに比較して、40〜60%程
度に電位を低下させることができる。このため、ネック
部内壁と電子銃10との間において放電が発生すること
を抑制することができる。したがって、放電による画像
の劣化やICの破損などを有効に防止することができ
る。
【0028】また、本実施形態では、電子銃10のビー
ドガラス保持部材20に一体に成形されたターゲット板
26に、ネック部38の外側からレーザービーム40を
照射することにより、ネック部38の内壁に蒸着膜28
を形成する。このため、高周波加熱により蒸着膜を形成
する場合に比較し、確実に蒸着膜28を形成することが
でき、蒸着膜28の形成が容易である。さらに、ビード
ガラス9に金属性ワイヤまたはリボンを巻き、これを高
周波加熱するわけではないので、ビードガラス9とネッ
ク部38内壁とのクリアランスを小さくすることができ
る。
【0029】さらに、ビードガラス保持部材20にター
ゲット板26を一体成形することで、電子銃10の部品
点数を増大させることなく、レーザ照射の工程を追加す
るのみで、ネック部38の内壁に蒸着膜28を確実に形
成することができ、放電を有効に防止することができ
る。
【0030】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。たとえば、上記実施形態では、電子銃1
0の第1電極1に装着されたターゲット板26に対して
レーザービームを照射したが、本発明では、その他の電
極にターゲット板を装着し、レーザービームを照射して
も良い。ただし、第1電極1において、特にネック部3
8の内壁との電位差が大きくなる傾向にあることから、
この部分にターゲット板26を配置し、レーザ照射によ
る蒸着膜28を形成する効果が大きい。また、本発明で
は、新たにターゲット板26を設けることなく、電子銃
10を構成する電極や支持体などの部材自体に、ネック
部38の外側からレーザービームなどのエネルギービー
ムを照射し、蒸着膜を形成しても良い。
【0031】さらに、前記実施形態では、ネック部38
の周囲4箇所からレーザビームを照射したが、本発明で
は、周囲一箇所以上からレーザービームを照射すれば、
ネック部38の内壁の電位を低下させる効果がある。た
だし、照射箇所は、2箇所、3箇所、特に4箇所が好ま
しい。5箇所以上からの照射になると、ネック内壁電位
効果の観点からは効果があるが、4箇所で十分に効果が
あり、余りに多くの箇所からレーザービームを照射する
ことは、工程時間が増えて好ましくない。
【0032】
【実施例】以下、本発明を、さらに具体的な実施例によ
り説明するが、本発明は、これら実施例に限定されな
い。実施例1 ステンレス板をプレス加工することにより、図4に示す
ターゲット板26が両側に翼状に形成されたビードガラ
ス保持部材20を成形した。このビードガラス保持部材
20を、図3,5に示す第1電極1の外周に接続し、ビ
ードガラス9を用いて、電極1,2,3,4,5,6,
7の組立を行い、図5に示す電子銃10を製造した。
【0033】一方、図1に示すパネル部32の内面に
は、蛍光面を形成し、アパーチャグリルを取り付け、フ
リットガラスを用いて、パネル部32とファンネル部3
4とを接合した。ネック部38には、前記の電子銃10
を内蔵させ、防爆バンド36を取り付け、陰極線管30
の内部を真空引きした。
【0034】その後、陰極線管の製造の最終工程におい
て、図6に示すように、ネック部38の外側からレーザ
ービーム40を周囲4箇所のターゲット板26に向けて
照射した。レーザービーム40の照射条件は、エネルギ
ーが1.1J、照射時間が4msec、各ターゲット板
26に対して、照射間隔が0.2secで10回照射し
た。焦点位置は、ターゲット板26の設計面に対して、
+0〜−0.5mm(マイナスはネックの中心方向)とし
た。その結果、図7,8に示すように、ネック部38の
内壁に蒸着膜28が形成された。ネック部38を構成す
るガラスの劣化は観察されなかった。
【0035】その陰極線管を、実機と略同じ条件で駆動
した。その後、ネック部38の内面のチャージアップ後
の電位を測定した結果を下記の表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】上記表中の電位の測定位置は、図8に示す
A,B,C,Dに対応する。また、これらの平均値も求
めた。比較例1 レーザ照射を行わない以外は、前記実施例1と同様にし
て、電子銃および陰極線管を製造し、その陰極線管を、
実機と略同じ条件で駆動した。その後、ネック部の内面
のチャージアップ後の電位を測定した結果を前記の表1
に示す。評価 表1に示す結果から明らかなように、実施例1では、蒸
着膜28が形成されない位置C,Dでも、比較例1に対
して、チャージアップ後の電位の低下が観察された。実
施例1では、比較例1に対して、ネック部の内壁の電位
が、40〜60%程度低下することが確認された。
【0038】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、ネック部の内壁に蒸着膜が形成してあることから、
ネック部の内壁の電位が、従来のようには上昇しなくな
る。たとえば蒸着膜が形成されていないものに比較し
て、40〜60%程度に電位を低下させることができ
る。このため、ネック部内壁と電子銃との間において放
電が発生することを抑制することができる。したがっ
て、放電による画像の劣化やICの破損などを有効に防
止することができる。
【0039】また、本発明では、電子銃を構成する部材
自体(電極部材など)あるいはビードガラス保持部材に
一体に成形されたターゲット板に、ネック部の外側から
レーザービームなどのエネルギービームを照射すること
により、ネック部の内壁に蒸着膜を形成する。このた
め、高周波加熱により蒸着膜を形成する場合に比較し、
確実に蒸着膜を形成することができ、蒸着膜の形成が容
易である。さらに、ビードガラスに金属性ワイヤまたは
リボンを巻き、これを高周波加熱するわけではないの
で、ビードガラスとネック部内壁とのクリアランスを小
さくすることができる。
【0040】特に、ビードガラス保持部材にターゲット
板を一体成形することで、電子銃の部品点数を増大させ
ることなく、レーザ照射の工程を追加するのみで、ネッ
ク部の内壁に蒸着膜を確実に形成することができ、放電
を有効に防止することができる。本発明者等の実験によ
れば、ネック部の外周の4箇所からレーザー照射を行
い、ネック部の内壁に蒸着膜を形成することで、ネック
部の内周全域にわたり、電位の低下を実現できることが
判明している。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係る陰極線管の概
略図である。
【図2】図2は図1に示すII−II線に沿う断面図であ
る。
【図3】図3はネック部の要部斜視図である。
【図4】図4はビードガラス保持部材の斜視図である。
【図5】図5(A),(B)は電子銃の斜視図と側面図
である。
【図6】図6はレーザービーム照射の工程を示す概略断
面図である。
【図7】図7はレーザービーム照射の工程を示す概略断
面図である。
【図8】図8はネック部の内壁の電位を測定した位置を
示す断面図である。
【符号の説明】
1〜7… 電極、 10… 電子銃、 20… ビード
ガラス保持部材、26… ターゲット板、 28… 蒸
着膜、 30… 陰極線管(CRT)、32… パネル
部、 34… ファンネル部、 38… ネック部。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像が表示されるパネル部と、 前記パネル部に接合されるファンネル部と、 前記ファンネル部の後端部に形成され、前記パネル部に
    電子ビームを照射する電子銃が内蔵されるネック部とを
    有する陰極線管であって、 前記ネック部の内壁に、ネック部の外側から電子銃の構
    成部材の一部にエネルギービームを照射することによ
    り、蒸着膜が形成してある陰極線管。
  2. 【請求項2】 前記エネルギービームが照射される電子
    銃の構成部材が、電子銃の各電極を保持するビードガラ
    スが取り付けられるビードガラス保持部材に形成された
    ターゲット板である請求項1に記載の陰極線管。
  3. 【請求項3】 前記ターゲット板を有するビードガラス
    保持部材が、電子銃の低電圧電極に装着してある請求項
    2に記載の陰極線管。
  4. 【請求項4】 前記ターゲット板は、前記ネック部の内
    周で周囲4箇所に位置してある請求項2に記載の陰極線
    管。
  5. 【請求項5】 陰極線管のネック部に内蔵され、陰極線
    管のパネル部に向けて電子ビームを発生させる電子銃で
    あって、 電子銃の各電極を保持するビードガラスが取り付けられ
    るビードガラス保持部材に、ネック部の外側からエネル
    ギービームが照射されることによりネック部の内壁に蒸
    着膜を形成するためのターゲット板が装着してある電子
    銃。
  6. 【請求項6】 前記ターゲット板を有するビードガラス
    保持部材が、電子銃の低電圧電極に装着してある請求項
    5に記載の電子銃。
  7. 【請求項7】 前記ターゲット板は、前記電子銃の外周
    で周囲4箇所に位置してある請求項5に記載の電子銃。
  8. 【請求項8】 陰極線管のネック部に電子銃を内蔵さ
    せ、真空引きした後、 ネック部の外側から、電子銃の構成部材の一部にレーザ
    ビームを照射することにより、ネック部の内壁に蒸着膜
    を形成することを特徴とする陰極線管の製造方法。
  9. 【請求項9】 電子銃の各電極を保持するビードガラス
    が取り付けられるビードガラス保持部材にターゲット板
    を形成し、このターゲット板に、レーザビームを照射す
    ることにより、ネック部の内壁に蒸着膜を形成すること
    を特徴とする請求項8に記載の陰極線管の製造方法。
  10. 【請求項10】 ターゲット板を有するビードガラス保
    持部材を、電子銃の低電圧電極に装着することを特徴と
    する請求項9に記載の陰極線管の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記ターゲット板が、前記ネック部の
    内周で周囲4箇所に位置するように、前記ビードガラス
    保持部材に一体に成形することを特徴とする請求項9に
    記載の陰極線管の製造方法。
JP15374996A 1996-06-14 1996-06-14 電子銃、陰極線管および陰極線管の製造方法 Pending JPH103867A (ja)

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