JPH11176315A - 含浸型陰極構体及びこの陰極構体を用いた電子銃 - Google Patents

含浸型陰極構体及びこの陰極構体を用いた電子銃

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JPH11176315A
JPH11176315A JP34501997A JP34501997A JPH11176315A JP H11176315 A JPH11176315 A JP H11176315A JP 34501997 A JP34501997 A JP 34501997A JP 34501997 A JP34501997 A JP 34501997A JP H11176315 A JPH11176315 A JP H11176315A
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JP
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heater
sleeve
grid
impregnated
impregnated cathode
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JP34501997A
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Hiroshi Nakamura
弘史 中村
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Sony Corp
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 含浸型陰極のヒータの芯線温度を下げヒータ
の信頼度を向上させ、更にヒータの消費電力を下げ、第
1及び第2グリッドのアパーチャ近傍に付着する陰極か
らのストレーエミッションを無くして、カットオフ特性
の経時変化による弊害を除く。 【解決手段】 含浸型陰極構体10(10R,10G,
10B)を構成する陰極円板1を上部カップ3内に有す
るスリーブ5の内面に又は/及びヒータ11の外表面に
窒化チタン(Ti,N,O)の化合物をイオンプレーテ
ィングし、蒸着させた黒化膜21又は/及び22を形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高精細度の陰極線管
に使用される電子銃に用いて好適な含浸型陰極構体及び
この含浸型陰極構体を用いた電子銃に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、走査線数を増加させ、高精細度、
高輝度の陰極線管(以下CRTと記す)が開発されてい
る。これらCRTには陰極からの放射電子密度を増大さ
せることが出来る含浸型陰極構体が用いられている。
【0003】図9は上述の様な含浸型陰極構体10の従
来の一部を断面とした斜視図を示すもので、例えば特開
平3−105826号公報に開示されている構成であ
る。
【0004】図9で1は粒径が3〜10μmのW(タン
グステン)粉末を焼結した多孔質のWにBaO(酸化バ
リウム)、CaO(酸化カルシウム)、Al2 3 (ア
ルミナ)等から成る電子放射物質を含浸(Impregnate)
させた陰極円板1をTa(タンタル)製のカップ3に溶
接し、内面を酸化させることで黒化層4を形成したTa
製のスリーブ5の頂部にこのカップ3を挿入し、スポッ
ト溶接6等でカップ3をスリーブ5に固定している。
又、スリーブ5にはヒータ11が内蔵されている。
【0005】更に、スリーブ5の底部外部にはTa製の
ストラップ8がスポット溶接7され、このストラップ8
の他端は筒状ホルダ8の肩部にスポット溶接7されてい
る。
【0006】上述の含浸型陰極構体10でのスリーブ内
面の黒化処理はAr(アルゴン)雰囲気中に配設したス
リーブ5内にエアーを吹き込みスリーブ5の外周に配設
したヒータを介して加熱し、スリーブ5の内面にTaO
x(x=1〜2)の酸化膜を形成させることでヒータ温
度を低下させて、ヒータの耐圧不良をなくしている。
【0007】又、上述の様な含浸型陰極構体10を電子
銃として組立てる場合の構成は上述の公報には開示され
ていないが、電子銃のカットオフ特性に大きな影響を与
える第1グリッドG1 及び第2グリッドG2 間の対向距
離を高精度に保つために通常は図10で示す様に電子銃
を構成する第1グリッド及び第2グリッドG1 及びG2
に位置決め用の透孔12及び13を穿って第1グリッド
1 と第2グリッドG2 間にスペーサ(図示せず)を介
在させると共に位置決め治具にピンを植立し(図示せ
ず)、第1グリッドG1 及び第2グリッドG2 の透孔1
2及び13に治具のピンを挿通し、第1グリッドG1
び第2グリッドG2 のビーム透過用のアパーチャ位置を
規制した状態でビーディングガラス11L及び11Rに
よって第1グリッドG1 及び第2グリッドG2 をビーデ
ィングし、スペーサと治具をとり外して、第1グリッド
1 内にセラミックス等の基板14に保持した赤
(R),緑(G),青(B)用の含浸型陰極構体10
R,10G,10Bを組み込む様に成されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来構成の図9
で詳記した含浸型陰極構体によると、通常のオキサイド
型の陰極に比べて動作温度は約200°CB (CB :輝
度温度)高くなる。その為ヒータ11の温度が高すぎる
と、ヒータ11の信頼性が低下すると共にヒータ11と
スリーブ5間の耐圧特性も低下するのをある程度スリー
ブ内壁に酸化膜を形成することで抑えることが出来る
が、スリーブ内壁内に形成する酸化膜(TaOx)の厚
みをコントロールすることが難しいため歩留りのよい含
浸型陰極構体が得られない問題があった。
【0009】更に酸化膜であるためにCRTのヒータ加
熱時の動作状態にスリーブ中よりガスを放出する弊害を
発生する問題がある。
【0010】更に、含浸型陰極線管構体でのヒータの熱
効率の悪化によって、ヒータのパワーが余計に消費され
ることで、図10で説明した含浸型陰極構体10の近傍
(100μm〜500μm)にある第1グリッドG1
び第2グリッドG2 の温度を必要以上に上昇させ、陰極
円板1から蒸発したBa等の電子放射物質が第1グリッ
ドG1 及び第2グリッドG2 のアパーチャ近傍に付着
し、アパーチャ径及び第1グリッドG1 及び第2グリッ
ドG2 の板厚が変化し、カットオフ電圧に経時変化を起
こすだけでなく、第1グリッドG1 及び第2グリッドG
2 のアパーチャ近傍に付着した電子放射物質がストレー
エミッションを誘発し、偏向動作を止めた場合に、蛍光
面上に面スポット残り(面ストレー)を発生し、輝度、
色度のホワイトバランスが崩れ、画質を劣化させる等の
問題があった。
【0011】本発明は叙上の問題点を解消した含浸型陰
極構体及びこの含浸型陰極構体を用いた電子銃を得よう
とするものであり、発明が解決しようとする課題は含浸
型陰極構体のスリーブ内面を窒化チタンの黒化膜でイオ
ンプレーティング等で形成することでヒータ温度を低下
させる場合の黒化膜の厚みのコントロールが極めて簡単
に行なえるものが得られ、ストレーエミッションやカッ
トオフ電圧の経時変化によるフォーカス特性の劣化を改
善可能なものが得られる。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の含浸型陰極構体
はスリーブ内壁を窒化チタン層で形成したものであり、
更に、この含浸型陰極構体を用いたCRT用の電子銃を
得る様に成したものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の含浸型陰極構体及
びこの構体を用いた電子銃を図1乃至図8によって説明
する。
【0014】本発明の含浸型陰極構体を説明するに先だ
ち、この含浸型陰極が用いられている電子銃の略線的構
成を図6で説明する。
【0015】図6はインライン型トリニトロン(ソニー
商標)CRTの電子銃をDQL(Dynamic Quadrapole L
ens)構成とした略線図を示すものである。
【0016】図6で10R,10G,10Bはインライ
ン状に配設した含浸型陰極構体を示し、これら陰極構体
の前面には夫々第1グリッド(G1 )が配設されてい
る。
【0017】第2グリッドG2 と第3グリッドG3 間に
M グリッドが配され、このGM グリッドはX軸方向に
3個のアパーチャが形成され、中心のアパーチャは円
形、左右のアパーチャは楕円形と成され、GM グリッド
と第3グリッドG3 は3個の小さなバイポテンシャルレ
ンズを構成し、陰極構体10R,10G,10B、第1
グリッドG1 、第2グリッドG2 、GM グリッドと第3
グリッドG3 でプリフォーカスレンズ系を構成してい
る。
【0018】又、メインレンズ系を構成するフォーカス
用の第4グリッドG4 を大径のユニポテンシャルレンズ
構成とし3分割した第1の第4グリッドG4AB,第2の第
4グリッドG4C及び第3の第4グリッドG4DE と成して
いる。
【0019】第1及び第3の第4グリッドG4AB 及びG
4DE は有底円筒形状と成され、有底部に楕円状のアパー
チャが穿たれ、第2の第4グリッドG4Cは円板状に成さ
れ、楕円状のアパーチャが穿たれている。
【0020】上述の電子銃構成でGM グリッド及び第2
の第4グリッドG4Cには一定の固定電圧を供給し、第1
及び第2の第4グリッドG4AB 及びG4DE には1垂直期
間(1V)に画面中央でフォーカス用の固定電圧と略等
しい電圧を有し、画面左右では固定電圧より高い電圧波
形を有するダイナミックフォーカス電圧を印加し、第3
及び第5グリッドG3 及びG5 には加速用アノード電圧
が供給されている。
【0021】第5グリッドG5 の先端には静電偏向板を
構成するコンバージェンス(C)プレート15とCシー
ルド16を有し、Cプレート15はG5 と一体化され加
速用アノード電圧が印加され、Cプレート15には加速
用アノード電圧より5%程度低い電圧が印加されてい
る。
【0022】17は偏向ヨークであり、CRTのパネル
内面に塗布した蛍光面18近傍にはアパーチャグリルA
Gが配され、R,G,Bの各陰極10R,10G,10
Bから放出された電子ビーム19は各レンズ系、静電偏
向板、偏向ヨークを介して蛍光面18上に集束してスポ
ットを発する。従来の欠点として上述した偏向ヨーク1
7の偏向電流遮断時の面スポット残り(面ストレー)は
20で示す様に発生していた。
【0023】上述の電子銃構成では蛍光面18の周辺で
は第1乃至第3の第4グリッドG4AB,4C, 4DE から
なる四重極レンズによって、画面周辺部では静電的な四
重極磁界が発生し、偏向ヨーク17で発生する四重極の
磁界とをキャンセルする様に成されて画面周辺のスポッ
ト歪を補正している。又、蛍光面18の中央部の電子ビ
ーム19は第1乃至第3の第4グリッドG4AB,4C,G
4DE が同電位で四重極磁界は発生しないので通常のユニ
ポテンシャルレンズとして動作する様に成されている。
【0024】上述のCRTの電子銃構成に用いる含浸型
陰極構体は図1の様に構成されている。
【0025】図1で円筒状のTa,モリブデン(M
o),ニオブ(Nb)等の高融点金属材料で形成したス
リーブ5の上面には、同様の高融点金属材料からなるT
a等のカップ3がスポット溶融等で固着され、カップ3
内にはCaO,Al2 3 ,BaO等の1つを含む電子
放射物質を多孔質のWの円板内部に含浸させた陰極円板
1が固定されている。
【0026】例えば、陰極円板1は粒径が3〜10μm
の粉末を焼結した多孔質のWの円板に電子放射物質のB
aOを1600CB 乃至1800CB の温度で溶融、含
浸が行われる。
【0027】スリーブ5の内面は窒化チタン(TiN)
(TiN2 )(TiN,O)をイオン源としてイオンプ
レーティングする。
【0028】上述のイオンプレーティングではプラズマ
状態では予めスリーブ5の内面を直流グロー放電によっ
て不活性ガス衝撃で清浄化し、スリーブ内壁を加熱し、
蒸着物質のTiNをプラズマ中へ蒸気化させて、イオン
化し、蒸着を行なう。尚、スリーブ5の外表面はグロー
放電を生じない様な遮蔽部材でコーティングさせた状態
でスリーブ内面のみにTiO等の黒化膜の処理を行なう
様にするを可とする。この様なイオンプレーティングに
よれば黒化膜の厚みコントロールはμmオーダで正確に
行なうことが出来る。
【0029】又、真空中にイオンビームを引き出して用
いるイオンビーム法を用いて、低い印加電圧でプラズマ
法と同様の加速粒子を得る様にしてもよい。
【0030】更にTiN等の窒化チタン層から成る黒化
膜はスパッタ法、化学的気相成長法、蒸着法、鍍金法等
で行なう様にしてもよい。
【0031】上述の様にスリーブ内面をTiN等で黒化
処理した黒化膜21を有するスリーブ5には、ヒータ1
1が内蔵されている。又、第1グリッドG1 及び第2グ
リッドG2 は図6で詳記した第1及び第2グリッドであ
る。
【0032】図2は本例の他の実施の形態を示すもので
あり、図1との対応部分には同一符号を付して重複説明
を省略するも、本例ではヒータ11の表面にアルミナ被
覆を行なう代わりに、窒化チタン等の黒化処理を行なう
様に成したものであり、イオンプレーティングでTi
N、TiN2 等の蒸着を行なうが、この場合ヒータ11
の外表面とスリーブ5の内面が対向する表面のみを窒化
チタンの黒化膜22で覆い、コイル状に巻回されたヒー
タ11のコイル対向面、即ち、スリーブ5の内面からの
ぞむと隠れる部分は黒化処理を行わない様にして黒化膜
22を形成させない様に成される。この様にするとヒー
タ11の熱効率を上げる効果が大きい。
【0033】又、この様にヒータ11の表面のみ黒化処
理されたヒータ11を内面に窒化チタンの黒化膜21を
蒸着したスリーブ5内に配設する場合と、スリーブ5内
に窒化チタンの黒化膜21を施さない様に成したスリー
ブ5内に黒化膜22の被着されたヒータ11を配設する
様に成してもよい。上述の各例ではスリーブの内面は黒
化膜で処理されているのでヒータ11の熱効率が向上
し、スリーブ5の外側は黒化していないので熱の放射が
抑えられる様になる。
【0034】尚、上述の含浸型陰極構体10を図6で詳
記したインライン型トリニトロンCRTの電子銃の各グ
リッド及び含浸型陰極構体をビーディングガラスに取り
付ける場合の構成を図3乃至図5で説明する。
【0035】図3で本例の含浸型陰極構体10(10
R,10G,10B)はヒータ11を内蔵したスリーブ
5の上側に溶接したカップ3内に含浸型の陰極円板1を
溶着した図1及び図2で説明したと同様の構成であり、
スリーブ5の下端部はスカート状に末広がり状の膨出部
25が形成されている。
【0036】筒状ホルダ9は上端部がセラミックス等よ
りなる絶縁性の支持板24に固定され、スリーブ5の膨
出部25は筒状ホルダ9内に下側から挿入され、膨出部
25と筒状ホルダ9の内周内の摩擦接触によって係止可
能な状態となされている。
【0037】支持板24の中央部には透孔26が穿た
れ、支持板24の上側に固定した第1グリッドG1 の裏
面と陰極円板1の上面間の距離H2 を測定して、スリー
ブ5を筒状ホルダ9に溶接等で固定する。
【0038】この様に支持体24に1体化された含浸型
陰極構体10(10R,10G,10B)は厚さH1
スペーサ27及び28を介して第2のグリッドG2 に図
4及び図5の様にR,G,B用の3つが夫々独立して設
けられている。
【0039】この場合、支持板24に固定された第1グ
リッドG1 のアパーチャ30と第2グリッドG2 のアパ
ーチャ29を一致させる様に金属性のスペーサ27及び
28を介して第2のグリッドG2 に含浸型陰極構体10
R,10G,10Bを取り付け、第1グリッドG1 及び
第2グリッドG2 間の間隔H1 を調整する。
【0040】本例の第1及び第2グリッドG1 及びG2
を含む含浸型陰極構体10(10R,10G,10B)
は他の第3グリッドG3 等と共に図4に示す様にビーデ
ィングガラス11L及び11Rにビーディングされる。
従って、図10の従来の様に、第1グリッドG1 はビー
ディングガラス11L及び11Rと切り離されて、熱的
変形から切り離されるので第1グリッドG1 はビーディ
ング時の熱や圧力による変形を受けず、単に筒状ホルダ
内に含浸型陰極構体のスリーブを挿入する様にしている
ので第1グリッドG1 には外力が加わらず、カットオフ
特性のばらつきを抑えることが出来る。
【0041】上述の如く、構成させた含浸型陰極構体及
びこの含浸型陰極構体を用いた電子銃によればTiN等
の窒化チタン層の黒化膜を少なくともスリーブ内面又は
/及びヒータ外表面をイオンプレーティング等でコーテ
ィングすることでヒータ11の芯線濃度を略々100°
k低下させることが可能となり、陰極とヒータ間の耐圧
特性も向上した。更にヒータの熱効率が向上するためヒ
ータの電力も下げることが出来た。
【0042】図7及び図8は上述のスリーブ内に黒化膜
処理を施した本例と、処理を施さない含浸型陰極構体1
0の各種特性を示すものであり、図7は縦軸にヒータ電
力を横軸にヒータ温度をとったものであり、ヒータの熱
効率の向上によって、ヒータ電力は黒化膜なしの破線で
示す特性曲線に比べヒータ温度900°CB 乃至100
0°CB に対し、0.1乃至0.2w低下させることが
出来た。
【0043】図8の場合は縦軸にヒータ芯線温度w−T
emp(K)及びヒータ電流If(mA)をとり、横軸
にヒータ電圧Ef(V)をとった場合の本例と従来例の
比較特性図を示すもので、Ef→W−Temp特性では
従来の破線に比べ本例の実線であるヒータ芯線温度は約
100°K低下させている。又、Ef−If特性は本例
ではIf電流を増加させることが出来て、ヒータの熱効
率を向上させることが出来ることが解る。
【0044】又、陰極円板1の表面に陰極の仕事関数を
低下させるためにイリジウム(Ir)膜をコーティング
し、陰極円板1の近傍(100μm〜500μm)に配
設した第1及び第2グリッドG1 及びG2 に対しても本
例ではヒータの熱効率が向上したためヒータ電力が余計
に消費されないため第1及び第2グリッドG1 及びG2
のアパーチャ30及び29近傍に付着する陰極円板1か
らのストレーエミッションの誘発が回避され、図3乃至
図5で示した構成と相俟って、カットオフ電圧の経時変
化によるホワイトバランスの変化を抑えている。従っ
て、従来の様に蛍光面の周辺部の本来なら暗いはずのバ
ックラスタが浮いていたのが減少し、更に第1及び第2
グリッドG1 及びG2 からのリーク電流もストレーエミ
ッションの減少により従来に比べて減少させることが出
来た。
【0045】尚、上述の実施例ではトリニトロン型CR
Tについて説明したが、この様なCRTに限らず、他の
構成のシャドウマスク型のCRTの電子銃及び含浸型陰
極構体に本例を用いられることは勿論である。
【0046】
【発明の効果】本発明に用いる含浸型陰極構体はスリー
ブ内面をイオンプレーティングにより(Ti,N,O)
の化合物で黒化することにより、蒸着膜厚を正確にコン
トロール出来て、ヒータ温度を約100°K低下させヒ
ータの信頼性を向上させると共にヒータとカソード間の
耐圧特性も向上させた。さらにヒータの熱効率が向上す
るためヒータパワーも0.1〜0.2(W)低下し、カ
ソード近傍にある第1及び第2グリッドの温度上昇を抑
え、グリッドのアパーチャ周辺に付着したエミッション
ソースからのストレーエミッションが減少するようにな
った。また動作中の画面周辺部の本来なら暗いはずのバ
ックラスターの浮きや、輝度・色度のホワイトバランス
が崩れる弊害も減少した。さらに陰極以外からの電子放
出が無くなったため、電子銃のフォーカス特性の劣化も
なくなり、さらなる画質の向上が実現できた。それに第
1及び第2グリッドからのリーク電量が減少した。この
発明は、動作温度の高い含浸型陰極を使用したCRTで
は特に顕著な効果があらわれ、高精細度、高輝度のカラ
ー陰極線管に用いて大きな効果を奏することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の含浸型陰極構体の側断面図である。
【図2】本発明の含浸型陰極構体の他の側断面図であ
る。
【図3】本発明の含浸型陰極構体の取り付け状態説明図
である。
【図4】本発明の電子銃に用いる各種グリッド及び陰極
の組立状態説明図である。
【図5】図4のA−A′矢視図である。
【図6】本発明の含浸型陰極構体を用いた電子銃の略線
図である。
【図7】本発明及び従来の含浸型陰極構体のヒータ温度
及びヒータ電力の特性図である。
【図8】本発明及び従来の含浸型陰極構体のヒータ電圧
対ヒータ芯線温度とヒータ電圧対ヒータ電流の特性図で
ある。
【図9】従来の含浸型陰極構体の一部を断面とした斜視
図である。
【図10】従来の陰極構体近傍の電子銃の説明図であ
る。
【符号の説明】
1…陰極円板、3…カップ、5…スリーブ、10…含浸
型陰極構体、11…ヒータ、21,22…黒化膜(窒化
チタン層)、G1 …第1グリッド、G2 …第2グリッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01J 29/48 H01J 29/48 A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質焼結体に電子放出物を含浸させた
    含浸型陰極を内蔵するカップを上端部に有し、内部にヒ
    ータを有する上記陰極線構体の該スリーブ内面に窒化チ
    タン層を形成したことを特徴とする含浸型陰極構体。
  2. 【請求項2】 前記ヒータの前記スリーブと対向する面
    に前記窒化チタン層を形成させて成ることを特徴とする
    請求項1記載の含浸型陰極構体。
  3. 【請求項3】 前記スリーブの内径内又は前記ヒータを
    イオンプレーティングすることで窒化チタン層を被着さ
    せて、黒化処理を施すことを特徴とする請求項1又は請
    求項2記載の含浸型陰極構体。
  4. 【請求項4】 第2グリッド以後の複数のグリッドがビ
    ーディングガラスに所定間隔で順次配列支持されて成る
    電子銃において、絶縁性を有する支持体を上記第2グリ
    ッドに固定すると共に該支持体にスペーサを介して該第
    2グリッドと対向して第1のグリッドを固定し、該支持
    体に固定したホルダを介して内面を黒化し、内部にヒー
    タを有するスリーブに含浸型陰極を配して成る含浸型陰
    極構体を設けて成ることを特徴とする電子銃。
JP34501997A 1997-12-15 1997-12-15 含浸型陰極構体及びこの陰極構体を用いた電子銃 Pending JPH11176315A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014216132A (ja) * 2013-04-24 2014-11-17 スタンレー電気株式会社 フィラメント、光源装置、および、フィラメントの製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014216132A (ja) * 2013-04-24 2014-11-17 スタンレー電気株式会社 フィラメント、光源装置、および、フィラメントの製造方法

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