JPH05314931A - カラーブラウン管 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 パネル10の内面に形成された蛍光体スクリー
ン13に対向してその内側に装着されたシャドウマスク14
のマスクフレーム16に取付けられてファンネル12の内側
に延在する弾性支持体24の先端部にゲッタリング25およ
びファンネルの内面に形成された導電膜22に圧接するコ
ンタクト26が取付けられたゲッタ部材23を備えるカラー
ブラウン管において、そのゲッタ部材の弾性支持体を導
電膜に対するコンタクトの圧接力が１０〜５０ｇになる
ようにした。 【効果】 ゲッタフラッシュ時のファンネルのクラック
の発生がなく、また導電膜の脱落による耐電圧特性の劣
化が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、カラーブラウン管に
係り、特にシャドウマスクのマスクフレームに取付けら
れてファンネルの内側に位置するゲッタ部材の支持を改
良したカラーブラウン管に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般にカラーブラウン管は、パネルおよ
びこのパネルに一体に接合された漏斗状のファンネルか
らなる外囲器を有し、そのファンネルのネック内に封止
された電子銃から放出される電子ビームを、ファンネル
の外側に装着された偏向ヨークの発生する磁界により偏
向して、パネルの内面に形成された蛍光体スクリーンを
水平、垂直走査することにより、カラー画像を表示する
構造に形成されている。

【０００３】このようなカラーブラウン管が長期にわた
り安定に動作するためには、外囲器内を高真空に保持す
ることが必要である。そのためにカラーブラウン管は、
外囲器内にゲッタ部材を取付け、製造工程において、排
気後に外囲器外からそのゲッタ部材を高周波誘導加熱に
よりフラッシュして、管内部材や外囲器の内面に被着さ
せている。

【０００４】そのゲッタ部材として、図３に示すよう
に、蛍光体スクリーンに対向してパネル1 の内側に装着
されたシャドウマスク2 のマスクフレーム3 に取付けら
れて、ファンネル内に位置させたものがある。このゲッ
タ部材4 は、マスクフレーム3に溶接されたほぼＬ字形
の弾性支持体6 と、この弾性支持体6 の先端部の管軸と
対向する面側（表面側）に取付けられたゲッタリング7
と、同じく弾性支持体6の先端部の背面側に取付けられ
てファンネルの内面に塗布形成された導電膜に圧接する
コンタクト片8 とからなる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来よ
りパネルの内面に形成された蛍光体スクリーンに対向し
て、その内側に装着されたシャドウマスクのマスクフレ
ームにゲッタ部材が取付けられたカラーブラウン管があ
る。そのゲッタ部材は、マスクフレームに溶接されたほ
ぼＬ字形の弾性支持体と、この弾性支持体の先端部の管
軸と対向する面側に取付けられたゲッタリングと、その
背面側に取付けられてファンネルの内面に塗布形成され
た導電膜に圧接するコンタクト片とからなる。

【０００６】しかし上記のようにゲッタ部材が取付けら
れたカラーブラウン管は、ファンネルの内面に塗布形成
された導電膜に対するコンタクト片の接触力が強すぎる
ため、このコンタクト片の接触により導電膜が脱落し、
この脱落した導電膜のために耐電圧特性を劣化させた
り、ゲッタをフラッシュするとき、コンタクト片の接触
する部分の近傍のファンネルにクラックが発生するなど
の問題がある。

【０００７】これら問題を解決するために、従来は、コ
ンタクト片の接触する導電膜上に、さらに付着強度の強
い導電膜を塗布形成したり、ゲッタをフラッシュすると
きの高周波出力を下げるなどの方法がおこなわれてい
る。

【０００８】しかし、上記のように付着強度の強い導電
膜を形成すると、ファンネルを回収して再生するときの
作業性が低下する。またゲッタをフラッシュするときの
高周波出力を下げると、ゲッタのフラッシュ量が不足す
るなどの問題がある。

【０００９】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたものであり、ゲッタフラッシュ時に必要量のゲ
ッタをフラッシュすることができ、かつファンネルにク
ラックを発生させることがなく、かつ耐電圧特性の劣化
も生じにくいカラーブラウン管とすることを目的とす
る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】パネルおよびファンネル
からなる外囲器と、多数の電子ビーム通過孔の形成され
たマスク本体およびこのマスク本体の周辺部に取付けら
れたマスクフレームとからなり、パネルの内面に形成さ
れた蛍光体スクリーンに対向してパネルの内側に装着さ
れたシャドウマスクと、ファンネルの内面に形成された
導電膜と、マスクフレームに取付けられてファンネルの
内側に延在する弾性支持体の先端部にゲッタリングおよ
び導電膜に圧接するコンタクトが取付けられたゲッタ部
材とを備えるカラーブラウン管において、そのゲッタ部
材の弾性支持体を導電膜に対するコンタクトの圧接力が
１０〜５０ｇになるようにした。

【００１１】

【作用】上記のように、シャドウマスクのマスクフレー
ムに取付けられてファンネルの内側に延在するゲッタ部
材の弾性支持体を、導電膜に対するコンタクトの圧接力
が１０〜５０ｇになるようにすると、コンタクトの導電
膜に対する圧接力が適正化され、ゲッタフラッシュ時の
ファンネルのクラックの発生がなく、また導電膜の脱落
による耐電圧特性の劣化が防止される。

【００１２】

【実施例】以下、図面を参照してこの発明を実施例に基
づいて説明する。

【００１３】図１にその一実施例であるカラーブラウン
管を示す。このカラーブラウン管は、周辺部にスカート
部10の形成されたパネル11およびこのパネル11に一体に
接合された漏斗状のファンネル12からなる外囲器を有
し、そのパネル11の内面に、青、緑、赤に発光する３色
蛍光体層からなる蛍光体スクリーン13が形成され、この
蛍光体スクリーン13に対向して、その内側にシャドウマ
スク14が配置されている。このシャドウマスク14は、多
数の電子ビーム通過孔の形成されたマスク本体15とこの
マスク本体15の周辺部に取付けられたマスクフレーム16
とからなり、上記パネル11に固定された複数個のスタッ
ドピン17と、上記マスクフレーム16に取付けられて上記
スタッドピン17に係止するフレームホルダ18とからなる
マスク支持手段により、パネル11の内側に支持されてい
る。

【００１４】一方、ファンネル12のネック20内に３電子
ビームを放出する電子銃21が封止されている。またファ
ンネル12の径大部内面からネック20のその径大部に隣接
する内面にかけて、カーボンを主成分とする導電膜22が
塗布形成されている。さらにこのファンネル12の径大部
内側にゲッタ部材23が配置されている。

【００１５】このゲッタ部材23は、図２に示すように、
Ｌ字状に折曲げられた弾性支持体24と、この弾性支持体
24の先端部の管軸と対向する面に取付けられたゲッタリ
ング25と、弾性支持体24の先端部にゲッタリング25とは
反対側の面に取付けられたコンタクト片26とからなり、
その弾性支持体24がマスクフレーム16に取付けられ、こ
の弾性支持体24の弾性によりコンタクト片26がファンネ
ル12の径大部内面に塗布形成された導電膜21に圧接する
如くファンネル12の径大部内側に配置されている。特に
この例のカラーブラウン管では、その導電膜21に対する
コンタクト片26の圧接力が１０〜５０g 、好ましくは１
５〜２５g となっている。

【００１６】このような圧接力は、弾性支持体24の板
厚、幅、折曲げ角度、マスクフレーム16に対する弾性支
持体24の取付けなどを規制することにより得られる。

【００１７】なお、図１において、28はフレームホルダ
18に取付けられてファンネル12の径大部内側に配置され
た内部磁気遮蔽体である。

【００１８】ところで、上記のようにシャドウマスク14
のマスクフレーム16に取付けられてファンネル12の内面
に塗布形成された導電膜22に対するゲッタ部材23のコン
タクト片26の圧接力を１０〜５０g に規制すると、従来
その圧接力が強いために発生した導電膜の膜剥がれや、
ゲッタをフラッシュするとき生じたファンネルのクラッ
クを防止することができる。また従来のように付着強度
の強い導電膜を塗布形成したり、あるいはゲッタをフラ
ッシュするときの高周波出力を下げる必要がなく、耐電
圧特性が良好であり、かつ所定量のゲッタをフラッシュ
して、長期にわたり安定に動作するカラーブラウン管と
することができる。

【００１９】なお、導電膜22に対するコンタクト片26の
圧接力が１０g 以下になると、ゲッタリング25をファン
ネル12内の所定位置に保持する力が弱くなり、そのため
にゲッタをフラッシュするとき、高周波誘導加熱コイル
からゲッタリング25までの距離が変化し、ゲッタのフラ
ッシュ量が一定しなくなる。また導電膜22に対するコン
タクト片26の圧接力が５０g 以上になると、蛍光体スク
リーン13に対してシャドウマスク14の位置がずれやす
く、またその強い圧接力のために導電膜22の脱落がおこ
り、耐電圧特性が劣化する。

【００２０】

【発明の効果】シャドウマスクのマスクフレームに取付
けられてファンネルの内面に塗布形成された導電膜に対
するゲッタ部材のコンタクトの圧接力を１０〜５０g と
すると、ゲッタフラッシュ時のファンネルのクラックや
導電膜の脱落による耐電圧特性の劣化を防止し、かつゲ
ッタを必要量フラッシュして、長期にわたり安定に動作
するカラーブラウン管とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例であるカラーブラウン管の
構成を示す図である。

【図２】そのゲッタ部材の構造を示す図である。

【図３】従来のゲッタ部材の取付け構造を示す図であ
る。

【符号の説明】

11…パネル 12…ファンネル 13…蛍光体スクリーン 14…シャドウマスク 15…マスク本体 16…マスクフレーム 22…導電膜 23…ゲッタ部材 24…弾性支持体 25…ゲッタリング 26…コンタクト片

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パネルおよびファンネルからなる外囲器
   と、 多数の電子ビーム通過孔の形成されたマスク本体の周辺
   部にマスクフレームが取付けられ、上記パネルの内面に
   形成された蛍光体スクリーンに対向して上記パネルの内
   側に装着されたシャドウマスクと、 上記ファンネルの内面に形成された導電膜と、 上記マスクフレームに取付けられて上記ファンネルの内
   側に延在する弾性支持体の先端部にゲッタリングおよび
   上記導電膜に圧接するコンタクトが取付けられ、上記弾
   性支持体の弾性により上記導電膜に対する上記コンタク
   トの圧接力が１０〜５０ｇになるように形成されたゲッ
   タ部材とを具備することを特徴とするカラーブラウン
   管。