JPH1038003A - 防振ゴム - Google Patents

防振ゴム

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JPH1038003A
JPH1038003A JP24101496A JP24101496A JPH1038003A JP H1038003 A JPH1038003 A JP H1038003A JP 24101496 A JP24101496 A JP 24101496A JP 24101496 A JP24101496 A JP 24101496A JP H1038003 A JPH1038003 A JP H1038003A
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Kazuto Daino
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的へたりに強く、ばね定数をチューニン
グし易く、しかもストッパ部6の耐久性に優れた防振ゴ
ムを提供する。 【解決手段】 内周側剛性部材1と筒状の外周側剛性部
材2とを、荷重入力時に剪断方向に弾性変形する第一お
よび第二弾性部材3,4と圧縮方向に弾性変形する第三
弾性部材5とによって接続するとともに、第三弾性部材
5の両側に、内周側剛性部材1に設けられたフランジ7
と、外周側剛性部材2の内周面に接着された弾性部材8
と、フランジ7および弾性部材8の間に設定された間隙
9とよりなるストッパ部6を設けることにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防振技術に係る防
振ゴムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、図5に示す防振ゴムが知られ
ているが、この防振ゴムには、以下の問題がある(特開
平6−147245号公報参照)。
【0003】 内周側剛性部材51とこの内周側剛性
部材51の外周側に配置された筒状の外周側剛性部材5
2とが、荷重入力時に剪断方向に弾性変形する第一およ
び第二弾性部材53,54のみによって接続されている
ために、当該防振ゴムの作動を長期的に見た場合、弾性
部材53,54に「へたり」の問題が発生する。ここに
言う荷重は、内周側剛性部材51に対して図上上方から
作用するモーメントを備えたものである。 図上上下方向、左右方向および紙面と直交する方向
の三方向についてそれぞれ弾性部材53,54のばね定
数を規定された場合、チューニング要素が少ないため
に、合わせるのに工数がかかる。 外周側剛性部材52に対する内周側剛性部材51の
図上下方への相対変位を所定量迄に制限するストッパ部
55が、内周側剛性部材51に接着された弾性部材56
と、外周側剛性部材52に接着された弾性部材57と、
両弾性部材56,57の間に設定された間隙58とによ
って構成されているために、このストッパ部55が接触
作動したときの面圧が大きく、よって耐久性が乏しい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の点に鑑
み、比較的へたりに強く、ばね定数をチューニングし易
く、しかもストッパ部の耐久性に優れた防振ゴムを提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1による防振ゴムは、内周側剛性部
材と前記内周側剛性部材の外周側に配置された筒状の外
周側剛性部材とを、荷重入力時に剪断方向に弾性変形す
る第一および第二弾性部材と圧縮方向に弾性変形する第
三弾性部材とによって接続するとともに、前記第三弾性
部材の両側に、前記内周側剛性部材に設けられたフラン
ジと、前記外周側剛性部材の内周面に接着された弾性部
材と、前記フランジおよび弾性部材の間に設定された間
隙とよりなるストッパ部を設けることにした。
【0006】また本発明の請求項2による防振ゴムは、
上記した請求項1の防振ゴムにおいて、筒状の外周側剛
性部材が、弾性部材をバックアップする部分において、
フランジのストッパ当り面と略平行に形成されているこ
とにした。
【0007】上記構成を備えた本発明の請求項1による
防振ゴムのように、内周側剛性部材とこの内周側剛性部
材の外周側に配置された筒状の外周側剛性部材とが、荷
重入力時に剪断方向に弾性変形する第一および第二弾性
部材と圧縮方向に弾性変形する第三弾性部材とによって
接続されていると、 荷重入力時に第三弾性部材が圧縮方向に弾性変形す
るために、弾性部材全体のへたりを減少させることが可
能となり、 また第一および第二弾性部材と第三弾性部材とをそ
れぞれ独立してチューニングすることが可能となる。
【0008】また併せて、外周側剛性部材に対する内周
側剛性部材の相対変位を所定量迄に制限するストッパ部
が、内周側剛性部材に設けられたフランジと、外周側剛
性部材の内周面に接着された弾性部材と、このフランジ
および弾性部材の間に設定された間隙とによって構成さ
れているために、 ストッパ部が接触作動したときの面圧を下げること
が可能となる。
【0009】またこれに加えて、上記構成を備えた本発
明の請求項2による防振ゴムのように、筒状の外周側剛
性部材が、弾性部材をバックアップする部分において、
フランジのストッパ当り面と略平行に形成されている
と、 外周側剛性部材が弾性部材を支持する作用が高めら
れるために、ストッパ部のばね定数を上げることが可能
となり、 また弾性部材のボリュームを小さくすることが可能
となる。
【0010】
【発明の実施の形態】請求項1による防振ゴムについて
は、中心軸線を水平に向けて配置された内周側剛性部材
とこの内周側剛性部材の外周側に配置された筒状の外周
側剛性部材とを、内周側剛性部材の左右両側に配置され
た第一および第二弾性部材と内周側剛性部材の下側に配
置された第三弾性部材とによって接続するとともに、第
三弾性部材の左右両側にそれぞれ、内周側剛性部材に設
けられたフランジと、外周側剛性部材の内周面に接着さ
れた弾性部材と、このフランジおよび弾性部材の間に設
定された間隙とよりなるストッパ部を設ける。ストッパ
部が接触作動したときの面圧を下げることができるの
は、接触作動部の一方を構成するフランジが金属等の剛
材よりなる内周側剛性部材に一体成形されていて、比較
的硬いからである。
【0011】また請求項2による防振ゴムについては、
基本的に円筒形を呈する外周側剛性部材をフランジのス
トッパ当り面に沿った異形形状に加工する。その際、被
加工部であるバックアップ部の内周面に接着する弾性部
材の厚みは、実寸で3mm以下と薄くするのが更に好適
である。
【0012】
【実施例】つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説
明する。
【0013】第一実施例・・・図1および図2に示すよ
うに、内周側剛性部材(内筒とも称する)1とこの内周
側剛性部材1の外周側に配置された円筒状の外周側剛性
部材(外筒とも称する)2とが、荷重入力時に剪断方向
に弾性変形する第一および第二弾性部材3,4と圧縮方
向に弾性変形する第三弾性部材5とによって接続されて
おり、すなわち内周側剛性部材1の左右両側に配置され
た第一および第二弾性部材3,4と内周側剛性部材1の
下側に配置された第三弾性部材5とによって接続されて
いる。上記したように、ここに言う荷重は、内周側剛性
部材1に対して図上上方から作用するモーメントを備え
たものである。
【0014】第三弾性部材5の左右両側にそれぞれ、内
周側剛性部材1に一体突設されたフランジ7と、このフ
ランジ7に対向するように外周側剛性部材2の内周面に
加硫接着された弾性部材8と、このフランジ7および弾
性部材8の間に設定された所定の大きさの間隙9とより
なるストッパ部6が設けられており、これにより外周側
剛性部材2に対する内周側剛性部材1の図上下方への相
対変位が所定量迄に制限されている。フランジ7の下面
は、略平坦なストッパ当り面を構成している。
【0015】また外周側剛性部材2に対する内周側剛性
部材1の図上上方への相対変位を所定量迄に制限するよ
うに、内周側剛性部材1の上側にも、この内周側剛性部
材1と、この内周側剛性部材1に対向するように外周側
剛性部材2の内周面に加硫接着された弾性部材11と、
この内周側剛性部材1および弾性部材11の間に設定さ
れた所定の大きさの間隙12とよりなるストッパ部10
が設けられている。内周側剛性部材1の上面は、略平坦
なストッパ当り面を構成している。符号13,14,1
5はそれぞれ、軸方向に貫通するように設けられた空
間、すなわち、すぐりである。
【0016】内周側剛性部材1および外周側剛性部材2
はそれぞれ金属等の剛体によって成形されている。弾性
部材3,4,5,8,11はそれぞれ所定のゴムによっ
て加硫成形されており、かつ加硫成形と同時に内周側剛
性部材1の外周面または外周側剛性部材2の内周面に加
硫接着されている。フランジ7を含む内周側剛性部材1
の外周面または外周側剛性部材2の内周面であって弾性
部材3,4,5,8,11が接着されていないところに
は、薄膜状の皮膜部16,17,18,19,20,2
1,22が加硫接着されている。皮膜部16,17,1
8,19,20,21,22は弾性部材3,4,5,
8,11と一体のゴムである。符号23はストッパクリ
アランス調整用のスペーサであるが、これについては後
述することにし、取敢えずは、このスペーサ23が無い
ものとして当該防振ゴムの作動を説明する。
【0017】すなわち、上記構成を備えた防振ゴムは、
例えば、内周側剛性部材1を自動車のエンジン側に接続
されるとともに外周側剛性部材2を自動車の車体側に接
続され、各弾性部材3,4,5,8,11の弾性を利用
してエンジンを防振支持するものである。また図面は当
該防振ゴムに、エンジンの重量等の初期荷重(1G)が
入力する以前の状態を示しており、これに対してこの初
期荷重が内周側剛性部材1に上方から入力すると、内周
側剛性部材1の中心軸線がA線からB線まで下方に変位
する。しかして上記構成の防振ゴムは、以下の作用効果
を奏する。
【0018】 すなわち先ず、内周側剛性部材1とこ
の内周側剛性部材1の外周側に配置された円筒状の外周
側剛性部材2とが、荷重入力時に剪断方向に弾性変形す
る第一および第二弾性部材3,4の他に、荷重入力時に
圧縮方向に弾性変形する第三弾性部材5によって接続さ
れているために、第一ないし第三の弾性部材3,4,5
全体のへたりを減少させることが可能である。したがっ
て比較的へたりに強く、耐クリープ性ないし耐久性に優
れた防振ゴムを提供することができる。 また第一および第二弾性部材3,4と第三弾性部材
5とをそれぞれ独立してチューニングすることができる
ために、図上上下方向(軸直角上下方向)、左右方向
(軸直角左右方向)および紙面と直交する方向(軸方
向)の三方向についてそれぞれ弾性部材3,4,5のば
ね定数を規定された場合のチューニング要素を増加させ
ることができる。したがってチューニングの工数を削減
することができ、ばね定数を比較的チューニングし易い
防振ゴムを提供することができる。
【0019】 また外周側剛性部材2に対する内周側
剛性部材1の図上下方への相対変位を所定量迄に制限す
るストッパ部6が、内周側剛性部材1に一体突設された
フランジ7と、外周側剛性部材2の内周面に加硫接着さ
れた弾性部材8と、このフランジ7および弾性部材8の
間に設定された所定の大きさの間隙9とによって構成さ
れているために、上記した理由によりストッパ部6が接
触作動したときの面圧を下げることが可能である。した
がってストッパ部6の耐久性に優れた防振ゴムを提供す
ることができる。 また内周側剛性部材1の側面に一体突設されたフラ
ンジ7が、内周側剛性部材1と外周側剛性部材2とが図
上左右方向に相対変位する場合にも、外周側剛性部材2
に当接してストッパ作動する。したがってこの方向につ
いても各弾性部材3,4,5が過度に弾性変形するのを
防止することができる。
【0020】 また図1および図2に示したように、
すぐり13にストッパクリアランス調整用のスペーサ2
3を差し込んだ場合には、これにより間隙12の大きさ
を変更して、ストッパ部10の作動タイミングを変更す
ることができる。尚、このスペーサ23は、すぐり13
に差し込まれる平板状のスペーサ本体24と、内周側剛
性部材1の先端円筒部25に嵌着される円形の穴27を
備えた取付部26とを鉤状に一体成形したもので、取付
部26に更に、内周側剛性部材1に設けた位置決め用ま
たは回止め用の穴28に差し込まれるピン状の差込み部
29が設けられている。
【0021】第二実施例・・・図3および図4に示すよ
うに、内周側剛性部材(内筒とも称する)1とこの内周
側剛性部材1の外周側に配置された略円筒状の外周側剛
性部材(外筒とも称する)2とが、荷重入力時に剪断方
向に弾性変形する第一および第二弾性部材3,4と圧縮
方向に弾性変形する第三弾性部材5とによって接続され
ており、すなわち内周側剛性部材1の左右両側に配置さ
れた第一および第二弾性部材3,4と内周側剛性部材1
の下側に配置された第三弾性部材5とによって接続され
ている。上記したように、ここに言う荷重は、内周側剛
性部材1に対して図上上方から作用するモーメントを備
えたものである。
【0022】第三弾性部材5の左右両側にそれぞれ、内
周側剛性部材1に一体突設されたフランジ7と、このフ
ランジ7に対向するように外周側剛性部材2の内周面に
加硫接着された弾性部材8と、このフランジ7および弾
性部材8の間に設定された所定の大きさの間隙9とより
なるストッパ部6が設けられており、これにより外周側
剛性部材2に対する内周側剛性部材1の図上下方への相
対変位が所定量迄に制限されている。
【0023】フランジ7の下面は略平坦なストッパ当り
面7aを構成しており、これに対して外周側剛性部材2
の弾性部材8をバックアップする部分(バックアップ部
とも称する)2aが、このストッパ当り面7aと略平行
な平坦面となるように形成されている。弾性部材8の厚
さは、ばね定数の低下を促進するため、第一実施例のも
のより薄く、実寸で3mm以下に設定されており、その
左右の皮膜部21,22と同じ厚さであっても良い。バ
ックアップ部2aは同じ外周側剛性部材2の他の部分よ
り内周側に変位した位置に設けられている。
【0024】また外周側剛性部材2に対する内周側剛性
部材1の図上上方への相対変位を所定量迄に制限するよ
うに、内周側剛性部材1の上側にも、この内周側剛性部
材1と、この内周側剛性部材1に対向するように外周側
剛性部材2の内周面に加硫接着された弾性部材11と、
この内周側剛性部材1および弾性部材11の間に設定さ
れた所定の大きさの間隙12とよりなるストッパ部10
が設けられている。
【0025】内周側剛性部材1の上面は略平坦なストッ
パ当り面1aを構成しており、これに対して外周側剛性
部材2の弾性部材11をバックアップする部分(バック
アップ部とも称する)2bが、このストッパ当り面1a
と略平行な平坦面となるように形成されている。弾性部
材11の厚さは、ばね定数の低下を促進するため、第一
実施例のものより薄く、実寸で3mm以下に設定されて
おり、その左右の皮膜部19,20と同じ厚さであって
も良い。バックアップ部2bは同じ外周側剛性部材2の
他の部分より内周側に変位した位置に設けられている。
【0026】符号13,14,15はそれぞれ、軸方向
に貫通するように設けられた空間、すなわち、すぐりで
ある。
【0027】内周側剛性部材1および外周側剛性部材2
はそれぞれ金属等の剛体によって成形されている。弾性
部材3,4,5,8,11はそれぞれ所定のゴムによっ
て加硫成形されており、かつ加硫成形と同時に内周側剛
性部材1の外周面または外周側剛性部材2の内周面に加
硫接着されている。フランジ7を含む内周側剛性部材1
の外周面または外周側剛性部材2の内周面であって弾性
部材3,4,5,8,11が接着されていないところに
は、薄膜状の皮膜部16,17,18,19,20,2
1,22が加硫接着されている。皮膜部16,17,1
8,19,20,21,22は弾性部材3,4,5,
8,11と一体のゴムである。符号23はストッパクリ
アランス調整用のスペーサであるが、これについては後
述することにし、取敢えずは、このスペーサ23が無い
ものとして当該防振ゴムの作動を説明する。
【0028】すなわち、上記構成を備えた防振ゴムは、
例えば、内周側剛性部材1を自動車のエンジン側に接続
されるとともに外周側剛性部材2を自動車の車体側に接
続され、各弾性部材3,4,5,8,11の弾性を利用
してエンジンを防振支持するものである。また図面は当
該防振ゴムに、エンジンの重量等の初期荷重(1G)が
入力する以前の状態を示しており、これに対してこの初
期荷重が内周側剛性部材1に上方から入力すると、内周
側剛性部材1の中心軸線がA線からB線まで下方に変位
する。しかして上記構成の防振ゴムは、以下の作用効果
を奏する。
【0029】 すなわち先ず、内周側剛性部材1とこ
の内周側剛性部材1の外周側に配置された円筒状の外周
側剛性部材2とが、荷重入力時に剪断方向に弾性変形す
る第一および第二弾性部材3,4の他に、荷重入力時に
圧縮方向に弾性変形する第三弾性部材5によって接続さ
れているために、第一ないし第三の弾性部材3,4,5
全体のへたりを減少させることが可能である。したがっ
て比較的へたりに強く、耐クリープ性ないし耐久性に優
れた防振ゴムを提供することができる。 また第一および第二弾性部材3,4と第三弾性部材
5とをそれぞれ独立してチューニングすることができる
ために、図上上下方向(軸直角上下方向)、左右方向
(軸直角左右方向)および紙面と直交する方向(軸方
向)の三方向についてそれぞれ弾性部材3,4,5のば
ね定数を規定された場合のチューニング要素を増加させ
ることができる。したがってチューニングの工数を削減
することができ、ばね定数を比較的チューニングし易い
防振ゴムを提供することができる。
【0030】 また外周側剛性部材2に対する内周側
剛性部材1の図上下方への相対変位を所定量迄に制限す
るストッパ部6が、内周側剛性部材1に一体突設された
フランジ7と、外周側剛性部材2の内周面に加硫接着さ
れた弾性部材8と、このフランジ7および弾性部材8の
間に設定された所定の大きさの間隙9とによって構成さ
れているために、上記した理由によりストッパ部6が接
触作動したときの面圧を下げることが可能である。した
がってストッパ部6の耐久性に優れた防振ゴムを提供す
ることができる。 また内周側剛性部材1の側面に一体突設されたフラ
ンジ7が、内周側剛性部材1と外周側剛性部材2とが図
上左右方向に相対変位する場合にも、外周側剛性部材2
に当接してストッパ作動する。したがってこの方向につ
いても各弾性部材3,4,5が過度に弾性変形するのを
防止することができる。尚、このように内周側剛性部材
1と外周側剛性部材2とが図上左右方向に相対変位した
場合のフランジ7の当り面を大きく確保するため、外周
側剛性部材2の該当箇所に、フランジ7の左右方向端部
と略平行なストッパ面部2cが設けられている。このス
トッパ面部2cは、上記したバックアップ部2a,2b
と同様に、同じ外周側剛性部材2の他の部分より内周側
に変位した位置に設けられている。
【0031】 また外周側剛性部材2の弾性部材8,
11をバックアップする部分2a,2bがフランジ7の
ストッパ当り面7aまたは内周側剛性部材1のストッパ
当り面1aと略平行に形成されているために、外周側剛
性部材2が弾性部材8,11を支持する作用が高められ
ている。したがってこれに伴ってストッパ部6,10の
ばね定数を高めることができるために、内周側剛性部材
1の変位を有効に抑えるとともに弾性部材8,11の耐
久性を向上させることができる。 また同じ理由から弾性部材8,11のボリュームを
小さくすることが可能であるために、ゴムについてコス
ト的に有利な防振ゴムを提供することができる。
【0032】 また外周側剛性部材2に、フランジ7
の左右方向端部と略平行なストッパ面部2cが設けられ
ているために、内周側剛性部材1と外周側剛性部材2と
が図上左右方向に相対変位した場合のフランジ7の当り
面を大きく確保することができる。 また図3および図4に示したように、すぐり13に
ストッパクリアランス調整用のスペーサ23を差し込ん
だ場合には、これにより間隙12の大きさを変更して、
ストッパ部10の作動タイミングを変更することができ
る。尚、このスペーサ23は、すぐり13に差し込まれ
る平板状のスペーサ本体24と、内周側剛性部材1の先
端円筒部25に嵌着される円形の穴27を備えた取付部
26とを鉤状に一体成形したもので、取付部26に更
に、内周側剛性部材1に設けた位置決め用または回止め
用の穴28に差し込まれるピン状の差込み部29が設け
られている。
【0033】
【発明の効果】本発明は、以下の効果を奏する。
【0034】すなわち先ず、上記構成を備えた本発明の
請求項1による防振ゴムにおいては、 内周側剛性部材とこの内周側剛性部材の外周側に配
置された筒状の外周側剛性部材とが、荷重入力時に剪断
方向に弾性変形する第一および第二弾性部材の他に、荷
重入力時に圧縮方向に弾性変形する第三弾性部材によっ
て接続されているために、第一ないし第三の弾性部材全
体のへたりを減少させることが可能である。したがって
比較的へたりに強く、耐クリープ性ないし耐久性に優れ
た防振ゴムを提供することができる。 また第一および第二弾性部材と第三弾性部材とをそ
れぞれ独立してチューニングすることができるために、
軸直角上下方向、軸直角左右方向および軸方向の三方向
についてそれぞれ弾性部材のばね定数を規定された場合
のチューニング要素を増加させることができる。したが
ってチューニングの工数を削減することができ、ばね定
数を比較的チューニングし易い防振ゴムを提供すること
ができる。
【0035】 また外周側剛性部材に対する内周側剛
性部材の下方への相対変位を所定量迄に制限するストッ
パ部が、内周側剛性部材に設けられたフランジと、外周
側剛性部材の内周面に接着された弾性部材と、このフラ
ンジおよび弾性部材の間に設定された間隙とによって構
成されているために、ストッパ部が接触作動したときの
面圧を下げることが可能である。したがってストッパ部
の耐久性に優れた防振ゴムを提供することができる。 また内周側剛性部材に設けられたフランジが、内周
側剛性部材と外周側剛性部材とが軸直角左右方向に相対
変位する場合にも、外周側剛性部材に当接してストッパ
作動する。したがってこの方向についても各弾性部材が
過度に弾性変形するのを防止することができる。
【0036】またこれに加えて、上記構成を備えた本発
明の請求項2による防振ゴムにおいては、 外周側剛性部材の弾性部材をバックアップする部分
がフランジのストッパ当り面と略平行に形成されている
ために、外周側剛性部材が弾性部材を支持する作用が高
められている。したがってこれに伴ってストッパ部のば
ね定数を高めることができるために、内周側剛性部材の
変位を有効に抑えるとともに弾性部材の耐久性を向上さ
せることができる。 また同じ理由から弾性部材のボリュームを小さくす
ることが可能であるために、ゴムについてコスト的に有
利な防振ゴムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例に係る防振ゴムの一部切欠
した正面図
【図2】同防振ゴムの側断面図
【図3】本発明の第二実施例に係る防振ゴムの一部切欠
した正面図
【図4】同防振ゴムの側断面図
【図5】従来例に係る防振ゴムの正断面図
【符号の説明】
1 内周側剛性部材 1a,7a ストッパ当り面 2 外周側剛性部材 2a,2b バックアップ部 2c ストッパ面部 3,4,5,8,11 弾性部材 6,10 ストッパ部 7 フランジ 9,12 間隙 13,14,15 すぐり 16,17,18,19,20,21,22 皮膜部 23 スペーサ 24 スペーサ本体 25 先端円筒部 26 取付部 27,28 穴 29 差込み部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周側剛性部材(1)と前記内周側剛性
    部材(1)の外周側に配置された筒状の外周側剛性部材
    (2)とを、荷重入力時に剪断方向に弾性変形する第一
    および第二弾性部材(3)(4)と圧縮方向に弾性変形
    する第三弾性部材(5)とによって接続するとともに、 前記第三弾性部材(5)の両側に、前記内周側剛性部材
    (1)に設けられたフランジ(7)と、前記外周側剛性
    部材(2)の内周面に接着された弾性部材(8)と、前
    記フランジ(7)および弾性部材(8)の間に設定され
    た間隙(9)とよりなるストッパ部(6)を設けたこと
    を特徴とする防振ゴム。
  2. 【請求項2】 請求項1の防振ゴムにおいて、 筒状の外周側剛性部材(2)が、弾性部材(8)をバッ
    クアップする部分(2a)において、フランジ(7)の
    ストッパ当り面(7a)と略平行に形成されていること
    を特徴とする防振ゴム。
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