JPH1037520A - 構造物の免震装置 - Google Patents

構造物の免震装置

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JPH1037520A
JPH1037520A JP20034996A JP20034996A JPH1037520A JP H1037520 A JPH1037520 A JP H1037520A JP 20034996 A JP20034996 A JP 20034996A JP 20034996 A JP20034996 A JP 20034996A JP H1037520 A JPH1037520 A JP H1037520A
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JP20034996A
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Daisuke Yaguchi
大輔 矢口
Hiroshi Kurabayashi
浩 倉林
Nobuyuki Sone
信行 曽根
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Mitsubishi Steel Mfg Co Ltd
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Mitsubishi Steel Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造物の偏在荷重による性能劣化を防止し、
構造物の捩じれ運動をなくし、万が一の捩じれ運動や動
揺による浮き上がり荷重を十分な耐久力で拘束する。 【解決手段】 基礎1の上面に固定され中央が低く両端
が高くなる円弧状の基礎側レール2と、基礎側レール2
の上方で基礎側レール2に対し直交する方向で構造物5
の下面に固定され中央が高く両端が低くなる円弧状の構
造物側レール6と、下部が基礎側レール2に沿って移動
可能に基礎側レール2に係合し上部が構造物側レール6
に沿って移動可能に構造物側レール6に係合した連結ブ
ロック9とを備え、構造物側レール6は連結ブロック9
の上部に拘束されて移動し、連結ブロック9の下部は、
基礎側レール2に沿って移動し、構造物5の重量で連結
ブロック9は、基礎側レール2及び構造物側レール6の
中央に復元するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物等を地震等の
振動から保護する構造物の免震装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】構造物の免震装置として従来から、ゴム
を多段に積層したものが使用されている。
【0003】ゴムを多段に積層した免震装置は、錆びる
ことがなく、重荷重を支持できる特長がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来から
使用されているゴムを多段に積層した免震装置は、固有
周期が4秒程度以下で、要求される免震性能として、ま
だ不十分な問題があった。
【0005】また引き抜き力には弱く、免震性能が不十
分である為構造物が動揺し、免震支承本体および構造物
を破損するおそれがあり、さらに構造物の捩じれ運動
(ヨーイング)に対する拘束がないため、安定した免震
性能が得られない可能性があり、構造物の偏在荷重によ
り複数設けられている免震装置ごとに免震性能が変わ
り、構造物を極めて剛にしておく必要があってコスト高
となる問題があった。
【0006】本発明はこのような問題を解決し、構造物
の偏在荷重による性能劣化を防止し、構造物の捩じれ運
動をなくし、万が一の捩じれ運動や動揺による浮き上が
り荷重を十分な耐久力で拘束できるようにした構造物の
免震装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、基礎の上面に
固定され中央が低く両端が高くなる円弧状の基礎側レー
ルと、該基礎側レールの上方で該基礎側レールに対し直
交する方向で構造物の下面に固定され中央が高く両端が
低くなる円弧状の構造物側レールと、下部が前記基礎側
レールに沿って移動可能に前記基礎側レールに係合し上
部が前記構造物側レールに沿って移動可能に前記構造物
側レールに係合した連結ブロックと、を備えたことを特
徴とする構造物の免震装置に係り、構造物は連結ブロッ
クに対して構造物側レールの方向に変位し、連結ブロッ
クは基礎に対して基礎側レールの方向に変位し、構造物
側レールの中央が連結ブロックの位置に復元し、連結ブ
ロックは基礎側レールの中央に復元する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
に基づいて説明する。
【0009】図1は本発明の実施の形態の一例を示す斜
視図、図2は本発明の実施の形態の一例を示す正面図、
図3は図2の側面図であつて、図1ないし図3に示すよ
うに基礎1の上面には、中央が低く両端が高くなる円弧
状(図1、図3参照)の基礎側レール2が、レール取付
台座3、支承ベース4を介して固定されている。
【0010】図2、図5に示すようにレール取付台座3
の側面には基礎側レール2の曲率に合わせた段部が形成
してあって、基礎側レール2はこの段部の上側でボルト
でレール取付台座3の側面に固定され、レール取付台座
3の上面は、基礎側レール2の曲率に合わせた円弧状に
なっている。
【0011】図1ないし図3に示すように基礎1の上方
には建物等の構造物5があって、構造物5の下面には、
中央が高く両端が低くなる円弧状(図1、図2参照)の
構造物側レール6が基礎側レール2に対し直交する方向
に、レール取付台座7、支承ベース8を介して固定され
ている。
【0012】図3に示すようにレール取付台座7の側面
には構造物側レール6の曲率に合わせた段部が形成して
あって、基礎側レール2はこの段部の下側でボルトでレ
ール取付台座7の側面に固定され、レール取付台座7の
上面は、構造物側レール6の曲率に合わせた円弧状にな
っている。
【0013】上述した基礎側レール2と構造物側レール
6との間には連結ブロック9が設けられていて、次に詳
述するように、連結ブロック9の下部は、基礎側レール
2に沿って移動するように基礎側レール2に係合し、連
結ブロック9の上部は、相対的に構造物側レール6に沿
って移動できるように構造物側レール6に係合してい
る。
【0014】連結ブロック9は図4に示すような連結金
具10を備えていて、連結金具10の下部には、基礎側
レール2の両側に位置するようにした下部二股部11が
形成されていて、下部二股部11を一直線に貫通する下
部軸挿入孔12が穿設されている。
【0015】連結金具10の上部には、構造物側レール
6両側に位置するようにした上部二股部13が形成され
ていて、上部二股部13を一直線に貫通する上部軸挿入
孔14が穿設されている。
【0016】連結金具10の下部二股部11の間には、
図2、図5に示すように正面から見て下向きコ字状の下
部ベアリング保持金具15が嵌められるようになってお
り、さらに下部ベアリング保持金具15内側の両側に
は、基礎側レール2に係合する下部ベアリング16が嵌
められるようになっていて、下部軸挿入孔12に挿入さ
れた下部軸17(図2、図3参照)によって、これらの
下部ベアリング保持金具15、下部ベアリング16は回
動可能に連結金具10の下部二股部11の間に保持さ
れ、連結ブロック9の下部を基礎側レール2に沿っての
み移動できるようにしている。
【0017】連結金具10の上部二股部13の間には、
上述した下部ベアリング保持金具15、下部ベアリング
16を上下反対にした構造の側面から見て上向きコ字状
の上部ベアリング保持金具18と、上部ベアリング19
とが、図3に示すように上部軸挿入孔14に挿入された
上部軸20によって、回動可能に連結金具10の上部二
股部13の間に保持され、上部ベアリング19が構造物
側レール6に係合して、連結ブロック9の上部を相対的
に構造物側レール6に沿って移動できるようにしてい
る。
【0018】このように連結ブロック9は、連結金具1
0、下部ベアリング保持金具15、下部ベアリング1
6、下部軸17、上部ベアリング保持金具18、上部ベ
アリング19、上部軸20によって構成されている。
【0019】上述した図1ないし図3に示す装置は、構
造物5の下面四隅と基礎1の上面との間に、レール取付
台座7の方向を平行に揃え、これと直交する方向でレー
ル取付台座3を平行に揃えて設置する。
【0020】構造物5の重量は、構造物5の下面四隅の
支承ベース8(図2、図3参照)、レール取付台座7、
構造物側レール6、上部ベアリング19、上部ベアリン
グ保持金具18、上部軸20、連結金具10、下部軸1
7、下部ベアリング保持金具15、下部ベアリング1
6、基礎側レール2、レール取付台座3、支承ベース4
介して、基礎1に負荷されることになる。
【0021】地震等の振動によって構造物5に変位する
力が作用すると、その変位力の、構造物側レール6に平
行方向の分力によって、構造物側レール6は構造物5を
ともないいながら、図6に示すように上部ベアリング保
持金具18及び上部ベアリング19(図3参照)に移動
方向を規制されて構造物側レール6の曲率に沿う移動を
する。この際、上部ベアリング保持金具18は上部軸2
0を中心に回動して、構造物側レール6の曲率に順応す
ることになる。
【0022】同時に構造物5に作用する変位力の基礎側
レール2に平行方向の分力によって、下部ベアリング保
持金具15は下部軸17を中心に回動しながら、図7に
示すように基礎側レール2の曲率に沿う移動をする。
【0023】上述のように地震等の振動による構造物5
の変位によって、図6に示すように構造物側レール6の
中央部が上部ベアリング保持金具18の位置からずれ、
図7に示すように下部ベアリング保持金具15が基礎側
レール2の中央からずれた位置になると、構造物5から
負荷されている重量によって、構造物側レール6の中央
部が上部ベアリング保持金具18の位置に復元し、下部
ベアリング保持金具15が基礎側レール2の中央に復元
しようとする力が作用する。
【0024】この復元力が構造物5に対する振動の緩和
力となり、上部ベアリング保持金具18は相対的に構造
物側レール6に沿う位置が変わり、下部ベアリング保持
金具15は基礎側レール2に沿って移動することにな
る。この移動は、図7に一点鎖線で示すように振り子運
動となるので、地震等の振動に共振しない振り子運動と
なるように構造物側レール6及び基礎側レール2の曲率
を設定する必要がある。
【0025】構造物5の下面と基礎1の上面との間に上
述したような構造物側レール6、連結ブロック9、基礎
側レール2を設置しただけでは、構造物5の振動を吸収
して減衰させることができないので、図8に示すように
構造物5の下面と基礎1の上面との間には、更にオイル
ダンパー、粘性ダンパー、摩擦ダンパー、鋼材ダンパー
等のダンパー21を設置して、構造物5に生じた振動を
減衰させるようにする必要がある。
【0026】図9は、連結ブロック9の実施の形態の他
の例を示す正面図であって、図2と同一部分には同一符
号を付してある。
【0027】図9に示す実施の形態においては、連結金
具10の下部二股部11の間に嵌めてある下部ベアリン
グ保持金具15内側の片側には、下部ベアリング16で
はなく、基礎側レール2と摩擦摺動する樹脂等の摺動子
22を嵌め、下部ベアリング保持金具15が基礎側レー
ル2に沿って移動する時に、摩擦減衰力が生ずるように
したものである。
【0028】図3の上部ベアリング保持金具18に対し
ても同様に、片側に構造物側レール6と摩擦摺動する樹
脂等の摺動子を嵌め、上部ベアリング保持金具18が構
造物側レール6に沿って移動する時に、摩擦減衰力が生
ずるようにすることができる。
【0029】このように摺動子22を用いて基礎側レー
ル2及び構造物側レール6に対し摩擦減衰力が生ずるよ
うにすることにより、突風等による構造物5の揺れを防
止することが期待できるようになる。
【0030】
【発明の効果】本発明は、基礎側レール及び構造物側レ
ールの曲率を大きくとることにより、積層ゴムでは実現
できなかった4秒程度以上の周期設定ができ、従来より
も良好な免震効果を期待することができる。
【0031】また構造物の平面内の捩じれ運動を防止
し、構造物の動揺による浮き上がり荷重に対しても十分
に耐えられ、動揺の起きやすい高層建物にも適用するこ
とができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す斜視図であ
る。
【図2】本発明の実施の形態の一例を示す正面図であ
る。
【図3】図2の側面図である。
【図4】連結ブロックを構成する一部の部品の斜視図で
ある。
【図5】連結ブロックを構成する他の部品を分解して示
した正面図である。
【図6】本発明の実施の形態の一例の動作状態を示す正
面図である。
【図7】本発明の実施の形態の一例の動作状態の概要を
示す側面図である。
【図8】本発明の使用状態を示す正面図である。
【図9】連結ブロックの実施の形態の他の例を示す正面
図である。
【符号の説明】
1 基礎 2 基礎側レール 5 構造物 6 構造物側レール 9 連結ブロック

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基礎の上面に固定され中央が低く両端が
    高くなる円弧状の基礎側レールと、該基礎側レールの上
    方で該基礎側レールに対し直交する方向で構造物の下面
    に固定され中央が高く両端が低くなる円弧状の構造物側
    レールと、下部が前記基礎側レールに沿って移動可能に
    前記基礎側レールに係合し上部が前記構造物側レールに
    沿って移動可能に前記構造物側レールに係合した連結ブ
    ロックと、を備えたことを特徴とする構造物の免震装
    置。
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