JPH1036736A - 記録用水性インク及びインクジェット記録方法 - Google Patents

記録用水性インク及びインクジェット記録方法

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JPH1036736A
JPH1036736A JP19033496A JP19033496A JPH1036736A JP H1036736 A JPH1036736 A JP H1036736A JP 19033496 A JP19033496 A JP 19033496A JP 19033496 A JP19033496 A JP 19033496A JP H1036736 A JPH1036736 A JP H1036736A
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JP
Japan
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ink
ink composition
weight
recording
water
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JP19033496A
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English (en)
Inventor
Hideto Yamazaki
秀人 山崎
Masaya Fujioka
昌也 藤岡
Shunichi Higashiyama
俊一 東山
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク組成物が一旦凍結して解凍してもイン
ク組成物に生じる濃度勾配が小さく、インクジェット印
刷しても噴射が良好であり、画像の色調が変化せずに良
好な画像が得られ、紙面上でのインクの乾燥速度も速い
インクジェット記録用水性インクを提供すること。 【解決手段】 純水に黄色染料、エチレングリコール
(2重量部)、グリセリン(10重量部)を添加し、攪
拌した後に濾過し、イエローインク組成物を得た。未凍
結のインク組成物と凍結解凍後のインク組成物をそれぞ
れインクジェットヘッドに用いて印刷したところ、とも
に噴射は良好であり、凍結解凍によって画像の色調が変
化することなく、良好な画像が得られ、紙面上でのイン
クの乾燥速度も速かった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録用水性インク
及びインクジェット記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、種々のイン
ク吐出方法、例えば静電吸引方式、圧電素子を用いてイ
ンクに機械的振動または変位を与える方式、インクを加
熱することにより気泡を発生させ、その時に発生する圧
力を利用する方式等によりインク小滴を形成し、それら
の一部もしくは全部を紙等の被記録材に付着させて記録
を行うものである。
【0003】このようなインクジェット記録方式に使用
するインク組成物としては、各種の水溶性の染料又は顔
料を、水又は水と水溶性有機溶剤からなる液媒体に溶解
又は分散させたものが知られ、且つ使用されている。そ
してそのようなインク組成物は、その目的のために最適
の性能特性を有することが要求される。例えば長期間使
用されなくても沈澱や凝集が生じることがなく、インク
ジェットプリンターのヘッドの先端部及びインク流路内
で目詰まりすることがなく、印字品質が良好なこと等で
ある。
【0004】また染料と顔料を比較すると、顔料はイン
ク媒体中に溶解せずに分散しているが、染料はインク媒
体中に完全に溶解するため、染料インク組成物は顔料イ
ンク組成物と比べてインクジェットプリンターのヘッド
の先端部やインク流路内で目詰まりしにくく、液安定性
もはるかに優れている。そのためインクジェットプリン
ター用インクは染料インク組成物が多い。この様な染料
インク組成物の中では水に染料を溶解させた水性染料イ
ンク組成物が主流を占めている。そのような水性染料イ
ンク組成物は、様々な化学構造を有する水溶性染料を水
及びまたは水溶性有機溶剤の混合溶媒に溶解しており、
必要に応じて各種添加物が添加されたものが現在主とし
て用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、そのよ
うな水性染料インク組成物ではインク媒体の大部分が水
であるため、インク組成物が凍結し易い。そのようなイ
ンク組成物が一旦凍結して解凍すると、インク組成物に
濃度勾配が生じ、インク組成物の上部の色が薄く、下部
の色が濃くなる。そしてこの様に濃度勾配が生じたイン
ク組成物を用いてインクジェット印刷すると、得られた
画像の色調が変化し、本来得られるべき良好な画像が得
られない。この様な凍結解凍現象は実際に寒冷地等で生
じ、問題である。
【0006】本発明は、上述した問題点、すなわちイン
ク組成物が一旦凍結して解凍すると、インク組成物に濃
度勾配が生じるという問題点を解決するためになされた
ものであり、且つインクジェット記録用に適した記録用
水性インクを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1記載の記録用水性インクは、染料を着色剤
として使用し、エチレングリコールを2〜8重量%含有
し、更にグリセリンを10〜40重量%含有し、且つ両
者の合計量がインク組成物中で12〜48重量%である
ことにより、インク組成物が一旦凍結して解凍しても、
インク組成物に生じる濃度勾配が小さくなり、インクジ
ェット印刷しても画像の色調が変化することなく良好な
画像が得られ、且つ紙面上でのインクの乾燥速度が速
く、インクジェット記録用に適した記録用水性インクが
作製される。
【0008】また、請求項2記載の記録用水性インク
は、染料を着色剤として使用し、プロピレングリコール
を2〜8重量%含有し、更にグリセリンを10〜40重
量%含有し、且つ両者の合計量がインク組成物中で12
〜48重量%であることにより、インク組成物が一旦凍
結して解凍しても、インク組成物に生じる濃度勾配が小
さくなり、インクジェット印刷しても画像の色調が変化
することなく良好な画像が得られ、且つ紙面上でのイン
クの乾燥速度が速く、インクジェット記録用に適した記
録用水性インクが作製される。
【0009】また、請求項3記載の記録用水性インクを
用いて記録を行うインクジェット記録方法は、請求項1
記載の記録用水性インクを使用することにより、インク
組成物が一旦凍結して解凍しても、インク組成物に生じ
る濃度勾配が小さくなり、インクジェット印刷しても画
像の色調が変化することなく良好な画像が得られ、且つ
紙面上でのインクの乾燥速度が速く、インクジェット記
録用に適した記録用水性インクが作製される。
【0010】また、請求項4記載の記録用水性インクを
用いて記録を行うインクジェット記録方法は、請求項2
記載の記録用水性インクを使用することにより、インク
組成物が一旦凍結して解凍しても、インク組成物に生じ
る濃度勾配が小さくなり、インクジェット印刷しても画
像の色調が変化することなく良好な画像が得られ、且つ
紙面上でのインクの乾燥速度が速く、インクジェット記
録用に適した記録用水性インクが作製される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0012】本発明において使用される染料としては、
直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料等に代表
される水溶性染料が使用できる。特にインクジェット記
録方式のインクとして好適で、鮮明性、水溶性、安定
性、耐光性その他の要求される性能を満たすものとして
は、例えば、C.I.ダイレクトブラック17、19、
32、51、71、108、146、154、168;
C.I.ダイレクトブルー6、22、25、71、8
6、90、106、199;C.I.ダイレクトレッド
1、4、17、28、83、227;C.I.ダイレク
トイエロー12、24、26、86、98、142;
C.I.ダイレクトオレンジ34、39、44、46、
60;C.I.ダイレクトバイオレット47、48;
C.I.ダイレクトブラウン109;C.I.ダイレク
トグリーン59;C.I.アシッドブラック2、7、2
4、26、31、52、63、112、118;C.
I.アシッドブルー9、22、40、59、93、10
2、104、117、120、167、229、23
4;C.I.アシッドレッド1、6、32、37、5
1、52、80、85、87、92、94、115、1
80、249、256、289、315、317;C.
I.アシッドイエロー11、17、23、25、29、
42、61、71;C.I.アシッドオレンジ7、1
9;C.I.アシッドバイオレット49;C.I.ベー
シックブラック2;C.I.ベーシックブルー1、3、
5、7、9、24、25、26、28、29;C.I.
ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、3
7;C.I.ベーシックバイオレット7、14、27;
C.I.フードブラック1、2等が挙げられる。上記の
染料は本発明の記録方法に適用できるインク組成物に対
して特に好ましいものであるが、本発明ではこれらの染
料に限定されるものではない。
【0013】このような水溶性染料は、従来のインク組
成物中において一般的には約0.1〜10重量%を占め
る割合で利用されているが、本発明においては、上記の
範囲で使用されることは勿論であると共に、従来の使用
量以上の使用量でもインク組成物の安定性を示し、且つ
沈澱物を生じないものである。
【0014】本発明において使用されるエチレングリコ
ール又はプロピレングリコールのインク組成物中の含有
量は、2〜8重量%である。2重量%未満ではインク組
成物が一旦凍結して解凍しても、インク組成物に生じる
濃度勾配が小さくなる効果が発揮されず、また8重量%
より多く添加しても効果は変わらず、逆に紙面上でのイ
ンクの乾燥速度が極端に遅くなる等の悪影響が出てくる
からである。
【0015】本発明において使用される溶媒は、水と水
溶性有機溶剤との混合溶媒である。水としては、種々の
イオンを含有する一般の水ではなく、脱イオン水を使用
することが望ましい。水溶性有機溶剤は主としてインク
ジェットヘッドの先端部に於けるインクの乾燥防止効果
を有するものである。この様な有機溶剤としては一般的
には多価アルコール類が使用されることが多いが、本発
明において使用される水溶性有機溶剤はグリセリンに限
定される。この水溶性有機溶剤と前述のエチレングリコ
ール、もしくはプロピレングリコールとを組み合わせる
ことにより、インク組成物が一旦凍結して解凍しても、
インク組成物に生じる濃度勾配が小さくなる効果が相乗
的に発揮される。インク組成物中のこの水溶性有機溶剤
の含有量は10〜40重量%の範囲に限定される。10
重量%未満ではインクジェットヘッドの先端部に於ける
インクの乾燥防止効果及びインク組成物が一旦凍結して
解凍しても、インク組成物に生じる濃度勾配が小さくな
る効果が十分発揮されず、また40重量%を越えると紙
面上でのインクの乾燥速度が極端に遅くなる等の悪影響
が出てくるからである。
【0016】すなわち、エチレングリコール又はプロピ
レングリコールのインク組成物中の含有量が2〜8重量
%であり、グリセリンのインク組成物中の含有量が10
〜40重量%であり、且つこれらの合計量がインク組成
物中で12〜48重量%となるとき、インクジェットヘ
ッドの先端部に於ける優れた乾燥防止効果と、凍結解凍
による濃度勾配が生じないという優れた効果が同時に発
揮され、且つ紙面上でのインクの乾燥速度が速い。
【0017】本発明におけるインク組成物の基本組成は
以上の通りであるが、その他従来公知の各種添加剤、す
なわちpH調整剤、界面活性剤、粘度調整剤、表面張力
調整剤、防黴剤等を必要に応じて添加することができ
る。例えばポリビニルアルコール、セルロース類、水溶
性樹脂等の粘度調整剤、カチオン、アニオン、ノニオン
系の各種界面活性剤等である。また記録液を帯電するタ
イプのインクジェット記録方法に使用されるインク組成
物を調合する場合には、塩化アンモニウム等の無機塩類
等の比抵抗調整剤が添加される。
【0018】次に本発明の実施例及び比較例を説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0019】
【実施例】
実施例1 純水(86重量部)に黄色染料「ダイワ IJ YEL
LOW 307H」(ダイワ化成社製、2重量部)、エ
チレングリコール(2重量部)、グリセリン(10重量
部)を添加し、30分間攪拌した後に孔径0.7μmの
メンブランフィルターにて濾過し、イエローインク組成
物を得た。
【0020】このインク組成物を耐熱瓶に入れて密封
し、低温にて凍結させた後に自然解凍し、瓶の底からイ
ンク組成物を1g採取して純水にて200倍に希釈し
た。同様に未凍結のインク組成物も1g採取して純水に
て200倍に希釈した。これらの希釈液の透過色をD65
光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下におい
て測定し、未凍結のインク組成物を基準として色差ΔE
*abを算出したところ、ΔE*ab=1.65であっ
た。
【0021】また未凍結のインク組成物と凍結解凍後の
インク組成物をそれぞれ特開平2−150355号公報
に開示されているせん断モード型のインクジェットヘッ
ドに用いて印刷したところ、ともに噴射は良好であり、
凍結解凍によって画像の色調が変化することなく、良好
な画像が得られた。また印刷してから15秒後に印字面
を指で触ってもインクが指に付着せず、紙面上でのイン
クの乾燥速度も速かった。
【0022】実施例2 純水(50重量部)に黄色染料「ダイワ IJ YEL
LOW 307H」(ダイワ化成社製、2重量部)、エ
チレングリコール(8重量部)、グリセリン(40重量
部)を添加し、30分間攪拌した後に孔径0.7μmの
メンブランフィルターにて濾過し、イエローインク組成
物を得た。
【0023】このインク組成物を耐熱瓶に入れて密封
し、低温にて凍結させた後に自然解凍し、瓶の底からイ
ンク組成物を1g採取して純水にて200倍に希釈し
た。同様に未凍結のインク組成物も1g採取して純水に
て200倍に希釈した。これらの希釈液の透過色をD65
光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下におい
て測定し、未凍結のインク組成物を基準として色差ΔE
*abを算出したところ、ΔE*ab=1.25であっ
た。
【0024】また未凍結のインク組成物と凍結解凍後の
インク組成物をそれぞれ特開平2−150355号公報
に開示されているせん断モード型のインクジェットヘッ
ドに用いて印刷したところ、ともに噴射は良好であり、
凍結解凍によって画像の色調が変化することなく、良好
な画像が得られた。また印刷してから15秒後に印字面
を指で触ってもインクが指に付着せず、紙面上でのイン
クの乾燥速度も速かった。
【0025】実施例3 実施例1においてエチレングリコールの代わりにプロピ
レングリコールを使用して同様にイエローインク組成物
を得た。
【0026】このインク組成物について実施例1と同様
な検討を行ったところ、ΔE*ab=1.67であっ
た。
【0027】また未凍結のインク組成物と凍結解凍後の
インク組成物をそれぞれ特開平2−150355号公報
に開示されているせん断モード型のインクジェットヘッ
ドに用いて印刷したところ、ともに噴射は良好であり、
凍結解凍によって画像の色調が変化することなく、良好
な画像が得られた。また印刷してから15秒後に印字面
を指で触ってもインクが指に付着せず、紙面上でのイン
クの乾燥速度も速かった。
【0028】実施例4 実施例2においてエチレングリコールの代わりにプロピ
レングリコールを使用して同様にイエローインク組成物
を得た。
【0029】このインク組成物について実施例1と同様
な検討を行ったところ、ΔE*ab=1.28であっ
た。
【0030】また未凍結のインク組成物と凍結解凍後の
インク組成物をそれぞれ特開平2−150355号公報
に開示されているせん断モード型のインクジェットヘッ
ドに用いて印刷したところ、ともに噴射は良好であり、
凍結解凍によって画像の色調が変化することなく、良好
な画像が得られた。また印刷してから15秒後に印字面
を指で触ってもインクが指に付着せず、紙面上でのイン
クの乾燥速度も速かった。
【0031】比較例1 実施例1においてエチレングリコールなしでインクを作
製し、同様に実験したところ、ΔE*ab=6.50と
なった。凍結解凍後のインク組成物を同様に印刷したと
ころ、実施例1の場合と比べて黄色が濃くなり、良好な
画像は得られなかった。
【0032】比較例2 実施例1においてエチレングリコールを1重量部として
インクを作製し、同様に実験したところ、ΔE*ab=
3.05となった。凍結解凍後のインク組成物を同様に
印刷したところ、実施例1の場合と比べて黄色が濃くな
り、良好な画像は得られなかった。
【0033】比較例3 純水(48重量部)に黄色染料「ダイワ IJ YEL
LOW 307H」(ダイワ化成社製、2重量部)、エ
チレングリコール(15重量部)、グリセリン(35重
量部)を添加し、30分間攪拌した後に孔径0.7μm
のメンブランフィルターにて濾過し、イエローインク組
成物を得た。
【0034】このインク組成物を耐熱瓶に入れて密封
し、低温にて凍結させた後に自然解凍し、瓶の底からイ
ンク組成物を1g採取して純水にて200倍に希釈し
た。同様に未凍結のインク組成物も1g採取して純水に
て200倍に希釈した。これらの希釈液の透過色をD65
光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下におい
て測定し、未凍結のインク組成物を基準として色差ΔE
*abを算出したところ、ΔE*ab=1.32であっ
た。
【0035】未凍結のインク組成物と凍結解凍後のイン
ク組成物をそれぞれ特開平2−150355号公報に開
示されているせん断モード型のインクジェットヘッドに
用いて印刷したところ、どちらの場合も印刷してから3
分後に印字面を指で触るとインクが指に付着し、紙面上
でのインクの乾燥速度が遅かった。
【0036】比較例4 純水(88重量部)に黄色染料「ダイワ IJ YEL
LOW 307H」(ダイワ化成社製、2重量部)、エ
チレングリコール(4重量部)、グリセリン(6重量
部)を添加し、30分間攪拌した後に孔径0.7μmの
メンブランフィルターにて濾過し、イエローインク組成
物を得た。
【0037】このインク組成物を耐熱瓶に入れて密封
し、低温にて凍結させた後に自然解凍し、瓶の底からイ
ンク組成物を1g採取して純水にて200倍に希釈し
た。同様に未凍結のインク組成物も1g採取して純水に
て200倍に希釈した。これらの希釈液の透過色をD65
光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下におい
て測定し、未凍結のインク組成物を基準として色差ΔE
*abを算出したところ、ΔE*ab=2.22となっ
た。
【0038】未凍結のインク組成物と凍結解凍後のイン
ク組成物をそれぞれ特開平2−150355号公報に開
示されているせん断モード型のインクジェットヘッドに
用いて印刷したところ、ともに初めのうちは噴射は良好
であったが、印刷し続けている間に目詰まりし始めるよ
うになった。ヘッドの目詰まりした部分を光学顕微鏡に
て観察したところ、黄色物質が付着していた。また得ら
れた画像は凍結解凍によって黄色が濃くなり、ヘッドの
目詰まりによってドット抜けが生じ、良好な画像は得ら
れなかった。
【0039】比較例5 純水(49重量部)に黄色染料「ダイワ IJ YEL
LOW 307H」(ダイワ化成社製、2重量部)、エ
チレングリコール(4重量部)、グリセリン(45重量
部)を添加し、30分間攪拌した後に孔径0.7μmの
メンブランフィルターにて濾過し、イエローインク組成
物を得た。
【0040】このインク組成物を耐熱瓶に入れて密封
し、低温にて凍結させた後に自然解凍し、瓶の底からイ
ンク組成物を1g採取して純水にて200倍に希釈し
た。同様に未凍結のインク組成物も1g採取して純水に
て200倍に希釈した。これらの希釈液の透過色をD65
光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下におい
て測定し、未凍結のインク組成物を基準として色差ΔE
*abを算出したところ、ΔE*ab=1.34となっ
た。
【0041】未凍結のインク組成物と凍結解凍後のイン
ク組成物をそれぞれ特開平2−150355号公報に開
示されているせん断モード型のインクジェットヘッドに
用いて印刷しようとしたところ、どちらの場合も印刷し
てから3分後に印字面を指で触るとインクが指に付着
し、紙面上でのインクの乾燥速度が遅かった。
【0042】比較例6 実施例3においてプロピレングリコールを1重量部とし
てインクを作製し、同様に実験したところ、ΔE*ab
=3.08となった。凍結解凍後のインク組成物を同様
に印刷したところ、実施例3の場合と比べて黄色が濃く
なり、良好な画像は得られなかった。
【0043】比較例7 純水(48重量部)に黄色染料「ダイワ IJ YEL
LOW 307H」(ダイワ化成社製、2重量部)、プ
ロピレングリコール(15重量部)、グリセリン(35
重量部)を添加し、30分間攪拌した後に孔径0.7μ
mのメンブランフィルターにて濾過し、イエローインク
組成物を得た。
【0044】このインク組成物を耐熱瓶に入れて密封
し、低温にて凍結させた後に自然解凍し、瓶の底からイ
ンク組成物を1g採取して純水にて200倍に希釈し
た。同様に未凍結のインク組成物も1g採取して純水に
て200倍に希釈した。これらの希釈液の透過色をD65
光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下におい
て測定し、未凍結のインク組成物を基準として色差ΔE
*abを算出したところ、ΔE*ab=1.33であっ
た。
【0045】未凍結のインク組成物と凍結解凍後のイン
ク組成物をそれぞれ特開平2−150355号公報に開
示されているせん断モード型のインクジェットヘッドに
用いて印刷しようとしたところ、どちらの場合も印刷し
てから3分後に印字面を指で触るとインクが指に付着
し、紙面上でのインクの乾燥速度が遅かった。
【0046】比較例8 純水(88重量部)に黄色染料「ダイワ IJ YEL
LOW 307H」(ダイワ化成社製、2重量部)、プ
ロピレングリコール(4重量部)、グリセリン(6重量
部)を添加し、30分間攪拌した後に孔径0.7μmの
メンブランフィルターにて濾過し、イエローインク組成
物を得た。
【0047】このインク組成物を耐熱瓶に入れて密封
し、低温にて凍結させた後に自然解凍し、瓶の底からイ
ンク組成物を1g採取して純水にて200倍に希釈し
た。同様に未凍結のインク組成物も1g採取して純水に
て200倍に希釈した。これらの希釈液の透過色をD65
光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下におい
て測定し、未凍結のインク組成物を基準として色差ΔE
*abを算出したところ、ΔE*ab=2.25となっ
た。
【0048】未凍結のインク組成物と凍結解凍後のイン
ク組成物をそれぞれ特開平2−150355号公報に開
示されているせん断モード型のインクジェットヘッドに
用いて印刷したところ、ともに初めのうちは噴射は良好
であったが、印刷し続けている間に目詰まりし始めるよ
うになった。ヘッドの目詰まりした部分を光学顕微鏡に
て観察したところ、黄色物質が付着していた。また得ら
れた画像は凍結解凍によって黄色が濃くなり、ヘッドの
目詰まりによってドット抜けが生じ、良好な画像は得ら
れなかった。
【0049】比較例9 純水(49重量部)に黄色染料「ダイワ IJ YEL
LOW 307H」(ダイワ化成社製、2重量部)、プ
ロピレングリコール(4重量部)、グリセリン(45重
量部)を添加し、30分間攪拌した後に孔径0.7μm
のメンブランフィルターにて濾過し、イエローインク組
成物を得た。
【0050】このインク組成物を耐熱瓶に入れて密封
し、低温にて凍結させた後に自然解凍し、瓶の底からイ
ンク組成物を1g採取して純水にて200倍に希釈し
た。同様に未凍結のインク組成物も1g採取して純水に
て200倍に希釈した。これらの希釈液の透過色をD65
光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下におい
て測定し、未凍結のインク組成物を基準として色差ΔE
*abを算出したところ、ΔE*ab=1.39となっ
た。
【0051】未凍結のインク組成物と凍結解凍後のイン
ク組成物をそれぞれ特開平2−150355号公報に開
示されているせん断モード型のインクジェットヘッドに
用いて印刷しようとしたところ、どちらの場合も印刷し
てから3分後に印字面を指で触るとインクが指に付着
し、紙面上でのインクの乾燥速度が遅かった。
【0052】インク組成物が一旦凍結して解凍してもイ
ンク組成物に生じる濃度勾配が小さく、インクジェット
印刷しても噴射が良好であり、画像の色調が変化するこ
となく良好な画像が得られ、紙面上でのインクの乾燥速
度が速かった実施例1〜4のインク組成物では、いずれ
も染料を着色剤として使用し、エチレングリコールもし
くはプロピレングリコールを2〜8重量%含有し、更に
グリセリンを10〜40重量%含有し、且つ両者の合計
量がインク組成物中で12〜48重量%であった。
【0053】これに対し、インク組成物が一旦凍結して
解凍してからインク組成物に生じる濃度勾配が大きくな
ったり、インクジェット印刷しても噴射が悪くなった
り、画像の色調が変化して良好な画像が得られなかった
り、紙面上でのインクの乾燥速度が遅かった比較例1〜
9では、いずれも上記条件を満たしていなかった。
【0054】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、請
求項1記載の記録用水性インクは、染料を着色剤として
使用し、エチレングリコールを2〜8重量%含有し、更
にグリセリンを10〜40重量%含有し、且つ両者の合
計量がインク組成物中で12〜48重量%であるので、
インク組成物が一旦凍結して解凍してもインク組成物に
生じる濃度勾配が小さくなり、インクジェット印刷して
も噴射が良好であり、画像の色調が変化することなく良
好な画像が得られ、紙面上でのインクの乾燥速度が速
い。
【0055】また、請求項2記載の記録用水性インク
は、染料を着色剤として使用し、プロピレングリコール
を2〜8重量%含有し、更にグリセリンを10〜40重
量%含有し、且つ両者の合計量がインク組成物中で12
〜48重量%であるので、インク組成物が一旦凍結して
解凍してもインク組成物に生じる濃度勾配が小さくな
り、インクジェット印刷しても噴射が良好であり、画像
の色調が変化することなく良好な画像が得られ、紙面上
でのインクの乾燥速度が速い。
【0056】また、請求項3記載の記録用水性インクを
用いて記録を行うインクジェット記録方法は、請求項1
記載の記録用水性インクを使用するインクジェット記録
方法であるので、インク組成物が一旦凍結して解凍して
もインク組成物に生じる濃度勾配が小さくなり、インク
ジェット印刷しても噴射が良好であり、画像の色調が変
化することなく良好な画像が得られ、紙面上でのインク
の乾燥速度が速い。
【0057】また、請求項4記載の記録用水性インクを
用いて記録を行うインクジェット記録方法は、請求項2
記載の記録用水性インクを使用するインクジェット記録
方法であるので、インク組成物が一旦凍結して解凍して
もインク組成物に生じる濃度勾配が小さくなり、インク
ジェット印刷しても噴射が良好であり、画像の色調が変
化することなく良好な画像が得られ、紙面上でのインク
の乾燥速度が速い。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録用水性インクにおいて、 染料を着色剤として使用し、エチレングリコールを2〜
    8重量%含有し、更にグリセリンを10〜40重量%含
    有し、且つ両者の合計量がインク組成物中で12〜48
    重量%であることを特徴とする記録用水性インク。
  2. 【請求項2】 記録用水性インクにおいて、 染料を着色剤として使用し、プロピレングリコールを2
    〜8重量%含有し、更にグリセリンを10〜40重量%
    含有し、且つ両者の合計量がインク組成物中で12〜4
    8重量%であることを特徴とする記録用水性インク。
  3. 【請求項3】 記録用水性インクを用いて記録を行うイ
    ンクジェット記録方法において、 請求項1記載の記録用水性インクを使用することを特徴
    とするインクジェット記録方法。
  4. 【請求項4】 記録用水性インクを用いて記録を行うイ
    ンクジェット記録方法において、 請求項2記載の記録用水性インクを使用することを特徴
    とするインクジェット記録方法。
JP19033496A 1996-07-19 1996-07-19 記録用水性インク及びインクジェット記録方法 Pending JPH1036736A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001271013A (ja) * 2000-01-31 2001-10-02 Hewlett Packard Co <Hp> 良好な凍解安定性を有するインクジェットインク組成物
US8177898B2 (en) 2007-12-28 2012-05-15 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Water-based ink for ink-jet recording, ink cartridge, ink-jet recording apparatus and method of stabilizing water-based ink for ink-jet recording

Cited By (3)

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JP2001271013A (ja) * 2000-01-31 2001-10-02 Hewlett Packard Co <Hp> 良好な凍解安定性を有するインクジェットインク組成物
US8177898B2 (en) 2007-12-28 2012-05-15 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Water-based ink for ink-jet recording, ink cartridge, ink-jet recording apparatus and method of stabilizing water-based ink for ink-jet recording
US8282719B2 (en) 2007-12-28 2012-10-09 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Water-based ink for ink-jet recording, ink cartridge, ink-jet recording apparatus and method of stabilizing water-based ink for ink-jet recording

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