JPH1036611A - フッ素樹脂組成物およびそのフィルム - Google Patents

フッ素樹脂組成物およびそのフィルム

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JPH1036611A
JPH1036611A JP18777796A JP18777796A JPH1036611A JP H1036611 A JPH1036611 A JP H1036611A JP 18777796 A JP18777796 A JP 18777796A JP 18777796 A JP18777796 A JP 18777796A JP H1036611 A JPH1036611 A JP H1036611A
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isobutylene
copolymer
fluoroolefin
maleic anhydride
fluororesin composition
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JP18777796A
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Seiji Munakata
誠二 宗像
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】成形加工性、基材との密着性、耐擦傷性に優
れ、高強度で低密度であるフッ素樹脂組成物、およびフ
ッ素樹脂組成物からなるウェルダー加工性、耐透湿性、
透明性、密着性および接着性に優れたフィルムを提供す
る。 【解決手段】フルオロオレフィン/イソブチレン共重合
体と無水マレイン酸/イソブチレン共重合体からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形加工性、基材
との密着性、耐擦傷性に優れ、高強度で低比重のフッ素
樹脂組成物およびそのフッ素樹脂組成物からなるウェル
ダー加工性、透湿性、透明性、密着性および接着性に優
れたフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】フッ素樹脂は、その優れた耐熱性、耐薬
品性、耐候性等を利用して、種々の用途へ使用されてい
る。フィルムの分野においても、ポリフッ化ビニリデン
フィルムやポリフッ化ビニルフィルム、エチレン−テト
ラフルオロエチレン共重合体フィルムなどが実用に供さ
れている。
【0003】これらのフッ素樹脂フィルムを、たとえば
軟質塩化ビニル樹脂等の汎用樹脂からなるフィルムまた
はシートの保護フィルムとして用いる場合、共押出しに
よるラミネートフィルムとして製造することが難しいた
め、フッ素樹脂フィルムを接着剤を介してラミネートす
るのが通常である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のフッ素
樹脂は、成形加工性、基材との密着性、耐擦傷性に難点
があり、また密度が炭化水素系樹脂に比べて大きいとい
う性質も有し、軽量化を必要とする用途においては使用
が制限される。
【0005】フッ素樹脂フィルムにおいても、汎用樹脂
フィルムまたは接着剤との接着性が乏しいため、密着性
不良を主因とする実用上の問題がある。さらに、フッ素
樹脂フィルムが持つ固有の高周波特性からこれらフッ素
樹脂フィルムをラミネートしたフィルムまたはシートの
ウエルダー加工による接着、密着も困難である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、フルオロオレフィン
/イソブチレン共重合体と無水マレイン酸/イソブチレ
ン共重合体を配合することにより、成形加工性、基材と
の密着性、耐擦傷性に優れ、高強度で低密度であるフッ
素樹脂組成物が得られ、さらにフッ素樹脂組成物からな
るフィルムはウェルダー加工性、耐透湿性、透明性、密
着性および接着性に優れたフィルムであることを見い出
し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、フルオロオレフィン
/イソブチレン共重合体と無水マレイン酸/イソブチレ
ン共重合体からなるフッ素樹脂組成物を提供する。
【0008】また、本発明は、上記フッ素樹脂組成物か
らなるフィルム、および、上記フッ素樹脂組成物をエポ
キシ化合物で硬化してなる硬化フィルムを提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において使用するフルオロ
オレフィン/イソブチレン共重合体は、フルオロオレフ
ィンとイソブチレンを共重合させて得られる共重合体で
ある。
【0010】フルオロオレフィンは、CFX1 =CX2
3 の構造で示されるフルオロオレフィンが好ましい。
ただし、X1 は水素原子またはフッ素原子であり、X2
は水素原子またはフッ素原子であり、X3 は水素原子、
フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基または炭
素数1〜5のフルオロアルコキシル基である。炭素数1
〜5のフルオロアルコキシル基におけるフッ素原子は、
1個以上であればよく、より好ましくはペルフルオロア
ルコキシル基である。
【0011】フルオロオレフィンの具体例としては、た
とえばCFH=CH2 、CF2 =CH2 、CF2 =CF
Cl、CF2 =CFH、CF2 =CF2 、CF2 =CF
CF3 、CF2 =CFOCF3 、CF2 =CFOC2
5 、CF2 =CFOC37、CF2 =CFOC4
9 、CF2 =CFOC511などが挙げられる。特に、
CF2 =CFCl、CF2 =CF2 が好ましい。
【0012】フルオロオレフィン/イソブチレン共重合
体における(フルオロオレフィンに基づく重合単位)/
(イソブチレンに基づく重合単位)の組成は、30/7
0〜70/30(モル比)であることが好ましく、特に
50/50〜70/30(モル比)であることが好まし
い。
【0013】フルオロオレフィンとイソブチレンの共重
合は、通常の重合方法により行いうる。たとえば懸濁重
合、乳化重合、溶液重合、塊状重合など従来公知の重合
方法が採用できる。共重合に際しては、重合開始源を存
在させる。重合開始源としては、電離性放射線や、有機
ペルオキシド系重合開始剤、酸化還元系重合開始剤など
の重合開始剤などが採用できる。重合開始剤の具体例と
しては、たとえばジ(フルオロアシル)ペルオキシド
類、ジ(クロロフルオロアシル)ペルオキシド類、ジア
ルキルペルオキシジカーボネート類、ジアシルペルオキ
シド類、ペルオキシエステル類、過硫酸塩類などが挙げ
られる。
【0014】重合媒体としては、溶液重合では、CFC
3 、CF2 ClCFCl2 、CF2 ClCF2 CHF
Cl、CF3 CF2 CHCl2 などのクロロフルオロカ
ーボン類、t−ブタノールなどが挙げられ、懸濁重合、
乳化重合では水または水と他の溶媒との混合媒体が用い
られる。重合温度は、0〜100℃、重合圧力は0.5
〜30kg/cm2 の範囲から選択できる。
【0015】上記フルオロオレフィン/イソブチレン共
重合体は、メルトインデックス(荷重30kg、温度2
70℃、ノズル径1mmφ、ノズル長2mmで流出する
量g/10分)が、0.1〜250であるものが好まし
く、特に10〜50であるものが好ましい。
【0016】本発明において使用する無水マレイン酸/
イソブチレン共重合体は、無水マレイン酸とイソブチレ
ンを共重合させて得られる共重合体である。(無水マレ
イン酸に基づく重合単位)/(イソブチレンに基づく重
合単位)の組成モル比は、30/70〜70/30(モ
ル比)であることが好ましく、特に40/60〜60/
40(モル比)であることが好ましい。
【0017】無水マレイン酸とイソブチレンの共重合
は、通常の重合方法により行いうる。たとえば懸濁重
合、塊状重合など従来公知の重合方法が採用できる。共
重合に際しては、重合開始源を存在させることができ
る。重合開始源としては、有機ペルオキシド系重合開始
剤、酸化還元系重合開始剤などの重合開始剤などが採用
できる。重合開始剤の具体例として、前記のものが好ま
しく用いられる。重合媒体としては、溶液重合では、キ
シレンなどの芳香族炭化水素、ヘキサンなどの脂肪族炭
化水素などが挙げられる。
【0018】無水マレイン酸/イソブチレン共重合体
は、非晶質であることが好ましく、またその軟化点は、
20〜200℃であることが好ましく、特に80〜13
0℃であることが好ましい。
【0019】無水マレイン酸/イソブチレン共重合体の
重量平均分子量は、0.5×104〜3.5×105
あることが好ましく、特に1×104 〜1×105 であ
ることが好ましい。
【0020】本発明の組成物における各成分の配合割合
は、フルオロオレフィン/イソブチレン共重合体と無水
マレイン酸/イソブチレン共重合体の重量比は、1/1
0〜10/1であることが好ましく、特に4/6〜6/
4であることが好ましい。
【0021】フルオロオレフィン/イソブチレン共重合
体と無水マレイン酸/イソブチレン共重合体からなるフ
ッ素樹脂組成物は、高密度の前者と低密度の後者を配合
することにより、前者の密度よりも低密度となり、その
軽量性により電線、光ファイバなどの被覆材として好適
である。
【0022】また、本発明のフッ素樹脂組成物には、目
的の用途に応じて合成樹脂、熱安定剤、滑剤、顔料、染
料、紫外線吸収剤などの各種添加剤を配合できる。
【0023】以上の如く、フルオロオレフィン/イソブ
チレン共重合体と無水マレイン酸/イソブチレン共重合
体からなるフッ素樹脂組成物は、フッ素樹脂が有する成
形加工性、接着性、耐擦傷性を改善し、低密度による軽
量性を付与する。
【0024】本発明のフィルムは、上記フッ素樹脂組成
物からなるフィルム、および、さらに該組成物をエポキ
シ化合物で硬化してなるフィルムである。
【0025】本発明において使用するエポキシ化合物
は、エポキシ基を1個以上有する化合物であり、エポキ
シ基を2個以上有する化合物(多官能性エポキシ化合
物)が好ましい。多官能性エポキシ化合物としては、い
わゆるエポキシ樹脂、エポキシ樹脂の主剤などと呼ばれ
ているものが好ましい。また、エポキシ化合物は、25
℃以上、特に50℃以上、の軟化点を有することが好ま
しい。
【0026】エポキシ化合物としては、たとえばビスフ
ェノールA−ジグリシジルエーテル、そのオリゴマーな
どのビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポ
キシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、異節環状エポキシ樹
脂、臭素化エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂などが挙
げられる。特に軟化点50℃以上のビスフェノール型エ
ポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。エ
ポキシ化合物は、1種類でもよく2種類以上を組み合わ
せてもよい。
【0027】フィルムの厚みは、特に制限なく、用途に
応じて適当に選定でき、通常1〜1000μmにすれば
よい。フィルムへの成形は、公知の種々のフィルム成形
方法により行うことができ、たとえばプレス成形、押出
し成形、インフレーション成形などが挙げられる。
【0028】種々のエポキシ化合物をフッ素樹脂組成物
に配合した配合物から得られる架橋構造が付与されたフ
ィルムは、公知の種々のフィルム成形法を適用できる。
また、基材の表面に上記配合物をコーティングすること
によっても成形できる。
【0029】エポキシ化合物を配合しない場合のフィル
ム成形温度は、通常200〜400℃、特に300〜3
50℃、が好ましい。エポキシ化合物を配合した場合に
も、通常200〜400℃の成形温度条件を適用でき
る。さらに基材にフッ素樹脂組成物にエポキシ化合物を
配合した配合物をコーティングしてフィルムを得る場
合、基材の耐熱性などの特性に適した条件を選ぶ必要が
ある。
【0030】本発明のフィルムは、単層でもよいし、多
層でもよい。また、本発明のフィルムは、他のフィルム
またはシートと積層してもよい。他のフィルムとの積層
方法としては、共押出し成形法、ラミネート成形法、接
着剤層を介した貼り合わせ法などが挙げられる。
【0031】積層するその他のフィルムまたはシートと
しては、特に制限されないが、たとえば塩化ビニル樹
脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピ
レン樹脂等のポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、フッ
素樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル
樹脂のフィルムおよびシートなどが挙げられる。
【0032】
【実施例】以下において例1〜4は製造例、例5〜8は
実施例である。
【0033】[例1:テトラフルオロエチレン/イソブ
チレン共重合体の調製]テトラフルオロエチレン10g
とイソブチレン5gをあらかじめAlBN(アゾビスイ
ソブチルニトリル)0.1gおよびCF2 ClCF2
HFCl(以下、HCFC225cbという)を50m
Lを仕込んだ加圧反応器に正確に仕込み、12〜2kg
/cm2 の圧力下、80℃で8時間混合撹拌を続け、反
応を終了した。圧力開放後、反応器内容物を約1Lの水
に移し、白色のポリマー状物質を晶出せしめて濾過乾燥
した。晶析せしめて得た白色粉末の重量は13.1gで
あった。
【0034】19F−NMR分析により、得られた重合体
はテトラフルオロエチレンとイソブチレンの交互共重合
した共重合体であることが確認され、(テトラフルオロ
エチレンに基づく重合単位)/(イソブチレンに基づく
重合単位)の組成は47.0/53.0(モル比)であ
った。該共重合体の融点は198℃、分解温度380℃
が確認された。また、該共重合体のメルトインデックス
は25であり、密度はは1.75(g/cc)であっ
た。該共重合体を共重合体1とする。
【0035】[例2:無水マレイン酸/イソブチレン共
重合体の調製]無水マレイン酸10gおよびイソブチレ
ン5gをあらかじめAlBNの0.1gおよび脱水キシ
レン50mLを仕込んだ加圧反応器に正確に仕込み、5
〜1kg/cm2 の圧力下、70℃で10時間混合撹拌
を続け反応を終了した。圧力開放後、反応器内容物をH
CFC225cb約500mLに移し、白色の粉体を晶
出せしめ、濾過乾燥した。得られた白色粉末の重量は1
1.2gであった。
【0036】1H−NMR分析により、得られた重合体
は無水マレイン酸とイソブチレンがほぼ交互に共重合し
た共重合体であることが確認された。(無水マレイン酸
に基づく重合単位)と(イソブチレンに基づく重合単
位)の組成は、49.0/51.0(モル比)であっ
た。該共重合体の重量平均分子量は、3×104 であっ
た。該共重合体を共重合体2とする。
【0037】[例3:クロロトリフルオロエチレン/イ
ソブチレン共重合体の調製]クロロトリフルオロエチレ
ン11.7gとイソブチレン4.8gをあらかじめAl
BNの0.1gおよびHCFC225cbの50mLを
仕込んだ加圧反応器に正確に仕込み、10〜2kg/c
2 の圧力下、80℃で8時間混合撹拌を続け、反応を
終了した。圧力開放後、反応器内容物を約1Lの水に移
し、白色のポリマー状物質を晶出せしめて濾過乾燥し
た。得られた白色粉末の重量は13.5gであった。
【0038】19F−NMR分析により、得られた重合体
はクロロトリフルオロエチレンとイソブチレンの交互共
重合した共重合体であることが確認され、(クロロトリ
フルオロエチレンに基づく重合単位)/(イソブチレン
に基づく重合単位)の組成は51.0/49.0(モル
比)であった。該共重合体の融点は170℃、分解温度
350℃が確認された。また、該共重合体のメルトイン
デックスは25であり、密度は1.80(g/cc)で
あった。該共重合体を共重合体3とする。
【0039】[例4:無水マレイン酸/イソブチレン共
重合体の調製]無水マレイン酸20gおよびイソブチレ
ン10gをあらかじめAlBNの0.1gおよび脱水キ
シレン50mLを仕込んだ加圧反応器に正確に仕込み、
10〜2kg/cm2 の圧力下、70℃で10時間混合
撹拌を続け反応を終了した。例2と同じようにして得ら
れた白色粉末の重量は15.8gであった。
【0040】1H−NMR分析により、得られた重合体
は無水マレイン酸とイソブチレンがほぼ交互に共重合し
た共重合体であることが確認された。(無水マレイン酸
に基づく重合単位)/(イソブチレンに基づく重合単
位)の組成は、48.0/52.0(モル比)であっ
た。該共重合体の重量平均分子量は、7×104 であっ
た。該共重合体を共重合体4とする。
【0041】[例5]共重合体1の5gと共重合体2の
5gをボールミルで粉砕し、200メッシュの網目を通
る粒度に調製し、均一に混合したフッ素樹脂組成物を得
た。その密度は1.55(g/cc)であった。
【0042】[例6]共重合体3の5gと共重合体4の
5gをボールミルで粉砕し、200メッシュの網目を通
る粒度に調製し、均一に混合したフッ素樹脂組成物を得
た。その密度は1.57(g/cc)であった。
【0043】[例7]共重合体1の5gと共重合体2の
5gをボールミルで粉砕し、200メッシュの網目を通
る粒度に調製し、さらにノボラック型エポキシ樹脂(大
日本化学工業(製)エピクロン−4055)3gを加え
均一に混合したエポキシ化合物配合フッ素樹脂組成物を
得た。その密度は1.55(g/cc)であった。
【0044】[例8]共重合体3の5gと共重合体4の
5gをボールミルで粉砕し、200メッシュの網目を通
る粒度に調製し、さらにビスフェノール型エポキシ樹脂
(大日本化学工業(製)エピクロン−3055)3gを
加え均一に混合したエポキシ化合物配合フッ素樹脂組成
物を得た。その密度は1.55(g/cc)であった。
【0045】[フッ素樹脂組成物フィルムの調製]例5
〜8で得られた各フッ素樹脂組成物3gを15cm×1
5cmの正方形のアルミホイル中に挟み、プレスに挿入
した。その後、150℃に加熱しながら予備プレスを2
0kg/cm2 の圧力で30分間行い、最終的にプレス
圧を30kg/cm2 に上昇し、250℃で30分間保
持した。冷却後、アルミホイルを剥離して、フィルム物
性をJIS−K6772に準拠して評価した。その結果
を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】フルオロオレフィン/イソブチレン共重
合体と無水マレイン酸/イソブチレン共重合体からなる
フッ素樹脂組成物は、前者の低融点性と後者の熱軟化性
の相互作用により比較的低温の加工温度で、良好な成形
加工性を与えうる。
【0048】また、両共重合体は、イソブチレンを共通
の重合体成分とするため相溶性が高く、互いに良好に分
散し、また無水マレイン酸/イソブチレン共重合体は接
着性に優れた性質を有する。したがってフッ素樹脂組成
物は、基材との密着性に優れる。
【0049】さらに、フッ素樹脂組成物は、空気界面に
おいてフルオロオレフィン/イソブチレン共重合体の表
面エネルギーが、無水マレイン酸/イソブチレン共重合
体のそれよりも小さいため、空気と接する薄い層が高密
度に存在し、それよりも下層には、前者と後者が良好な
分散をした層となる。
【0050】本発明のフィルムを構成する無水マレイン
酸/イソブチレン共重合体の分子内に有するカルボン酸
無水物に基づく重合単位が接着性を向上させる効果を有
するため、該フィルムは、塩化ビニル樹脂など汎用樹脂
からなるフィルムまたはシートの接着性を大巾に改善で
き、また接着剤との接着性も改良できる。
【0051】また、フルオロオレフィン/イソブチレン
共重合体が低融点であり、イソブチレン/無水マレイン
酸共重合体が熱軟化性樹脂であるために、従来のフッ素
樹脂と汎用樹脂とのラミネートが困難であった共押出し
法によって、塩化ビニル樹脂などの汎用樹脂をラミネー
トした複合フィルムを製造することも容易である。
【0052】また、本発明のフィルムをラミネートした
複合フィルムは、無水マレイン酸/イソブチレン共重合
体が熱軟化性を有するため、厳しいウェルダー加工条件
を必要としない。
【0053】さらに、フッ素樹脂組成物にエポキシ化合
物を配合し、架橋構造を付与したフィルムとすることに
より、フルオロオレフィン/イソブチレン共重合体と無
水マレイン酸/イソブチレン共重合体からなるフッ素樹
脂組成物からなるフィルムの特性を損なうことなく、透
湿性などを改良できる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フルオロオレフィン/イソブチレン共重合
    体と無水マレイン酸/イソブチレン共重合体を含むこと
    を特徴とするフッ素樹脂組成物。
  2. 【請求項2】フルオロオレフィンが、フッ化ビニル、フ
    ッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、トリフ
    ルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフル
    オロプロピレン、およびアルキル基の炭素数が1〜5で
    あるペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)からなる
    群から選ばれる請求項1のフッ素樹脂組成物。
  3. 【請求項3】フルオロオレフィン/イソブチレン共重合
    体のメルトインデックス(荷重30kg、温度270
    ℃、ノズル径1mmφ、ノズル長2mmで流出する量g
    /10分)が、0.1〜250である請求項1または2
    のフッ素樹脂組成物。
  4. 【請求項4】フルオロオレフィン/イソブチレン共重合
    体における(フルオロオレフィンに基づく重合単位)/
    (イソブチレンに基づく重合単位)の組成が、30/7
    0〜70/30(モル比)である請求項1、2または3
    のフッ素樹脂組成物。
  5. 【請求項5】無水マレイン酸/イソブチレン共重合体の
    重量平均分子量が、0.5×104〜3.5×105
    ある請求項1〜4のいずれかのフッ素樹脂組成物。
  6. 【請求項6】無水マレイン酸/イソブチレン共重合体に
    おける(無水マレイン酸に基づく重合単位)/(イソブ
    チレンに基づく重合単位)の組成が、30/70〜70
    /30(モル比)である請求項1〜5のいずれかのフッ
    素樹脂組成物。
  7. 【請求項7】フルオロオレフィン/イソブチレン共重合
    体と無水マレイン酸/イソブチレン共重合体の重量比が
    1/10〜10/1である請求項1〜6のいずれかのフ
    ッ素樹脂組成物。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかのフッ素樹脂組成
    物からなるフィルム。
  9. 【請求項9】フッ素樹脂組成物がエポキシ化合物で硬化
    されてなる請求項8のフィルム。
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