JPH1036321A - 芳香族炭酸エステルの製造方法 - Google Patents

芳香族炭酸エステルの製造方法

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JPH1036321A
JPH1036321A JP8196643A JP19664396A JPH1036321A JP H1036321 A JPH1036321 A JP H1036321A JP 8196643 A JP8196643 A JP 8196643A JP 19664396 A JP19664396 A JP 19664396A JP H1036321 A JPH1036321 A JP H1036321A
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JP
Japan
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carbonate
ester
carboxylic acid
phenyl
aliphatic carboxylic
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JP8196643A
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English (en)
Inventor
Masamichi Mizukami
政道 水上
Hidefumi Harada
英文 原田
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】一般式1のα位に水素が存在しない脂肪族
カルボン酸アリールエステルと一般式2の脂肪族炭酸エ
ステルとを触媒の存在下でエステル交換させ、一般式3
及び4の芳香族炭酸エステルを生成させる。 R1 2 3 C−COO−Ar (1) R4 −OCOO−R4 (2) R4 −OCOO−Ar (3) Ar−OCOO−Ar (4) (R1 、R2 、R3 はそれぞれ置換基を有してもよいア
ルキル基、脂環式炭化水素基、アリールアルキル基、ア
リール基、Arは置換基を有してもよいアリール基、R
4 は置換基を有してもよいアルキル基を表す。) 【効果】高価な前駆体や脱水剤などを用いることなく、
脂肪族炭酸エステルから、効率よく簡単な操作により安
価に芳香族炭酸エステルを製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は芳香族炭酸エステル
の製造方法に関する。更に詳細には本発明は炭酸ジアル
キルエステルをα位に水素原子が存在しない脂肪族カル
ボン酸アリールエステルとエステル交換反応させること
による、芳香族炭酸エステルの製造方法に関する。芳香
族炭酸エステルは、溶融エステル交換法ポリカーボネー
トの原料として有用である。
【0002】
【従来の技術】芳香族炭酸エステルは、従来、芳香族ヒ
ドロキシ化合物とホスゲンとの反応により製造されてい
る。しかしながら、ホスゲンは猛毒性であることや、装
置の腐蝕性が高い上に、副生する塩化水素を中和するた
めに大量のアルカリが必要なことなどから、ホスゲンを
使用しない方法が要望されており、いくつかの試みがな
されてきた。
【0003】例えば芳香族ヒドロキシ化合物と一酸化炭
素を原料に酸化的にカルボニル化する方法が提案されて
いる。しかし、これらの方法は主触媒として高価なパラ
ジウムを使用する上、助触媒、乾燥剤、酸化剤等を必要
とするため、非常に複雑な反応系になっている。その
上、触媒の回収も困難であり、収率、反応速度の点でも
工業的レベルには至っていないのが現状である。
【0004】上記以外の製造方法として、芳香族ヒドロ
キシ化合物と脂肪族炭酸エステルとのエステル交換反応
が知られている。例えば特公昭56−42577号公報
では、ルイス酸類を触媒とする方法が、特開昭60−1
73016号公報には、ルイス酸とプロトン酸の混合物
を触媒とする方法が提示されている。しかし、いずれの
場合にも、反応に5時間から24時間という長時間を要
し、そのうえ収率も充分ではない。また、特開昭54−
48733号公報においては、錫化合物を触媒とする方
法が提示されているが、公報の記載によれば30時間も
の反応時間をかけているにもかかわらず、充分な収率は
得られていない。その他、特開昭57−176932
号、特開昭60−169444号、特開昭56−251
38号、特開平1−265064号公報等に類似の反応
が示されているが、何れも反応速度が遅いという問題は
解決されていない。
【0005】反応速度を改善する方法としては、特開昭
51−105032号および特開昭56−123948
号公報において、フェノールの代りに酢酸フェニルを用
いることが提案されている。しかしながら、この方法に
おいては、高価な酢酸フェニルを用いているにもかかわ
らず、副生する酢酸メチルの用途が示されていなかっ
た。
【0006】これを改善する方法として、米国特許第
4,533,504号においては、副生する酢酸メチル
をケテンとし、これとフェノールとを反応させることに
より原料である酢酸フェニルに戻す方法を提案してい
る。同様に特表平5−507060号公報においては酢
酸メチルに一酸化炭素を作用させて無水酢酸を製造し、
これとフェノールを反応させることにより、酢酸フェニ
ルに戻す方法が記されている。しかしながら、いずれの
方法も、酢酸フェニルに戻す工程が複雑であり、実用的
とは言い難い。
【0007】上記問題を解決する方法として特開平8−
48654号公報において、酢酸フェニルに代わる反応
種として脂肪族カルボン酸フェニルエステルを用い、こ
の脂肪族カルボン酸フェニルエステルと炭酸ジアルキル
とを触媒の存在下でエステル交換反応させることによ
り、目的とする炭酸ジフェニルを製造するとともに、一
方では副生する脂肪族カルボン酸アルキルエステルをフ
ェノールとエステル交換することにより脂肪族カルボン
酸フェニルエステルに戻すという方法が記されている。
しかしながら、ここに例示された脂肪族カルボン酸アル
キルエステルを用いて、炭酸ジアルキルとフェノールを
原料として炭酸ジフェニルを製造すると、脂肪族カルボ
ン酸アルキルエステルを繰り返し使用するうちに脂肪族
カルボン酸アルキルエステルが減少することが認められ
た。この原因について、種々検討した結果、脂肪族カル
ボン酸フェニルエステル製造工程、炭酸ジフェニル製造
工程、さらに触媒存在下での生成物の蒸留分離工程にお
いて、脂肪族カルボン酸エステル分子間の縮合反応等に
より脂肪族カルボン酸フェニルエステルおよび脂肪族カ
ルボン酸アルキルエステルが高沸化するという問題点を
有していることが明らかになった。故に、上記公報に記
された方法は炭酸ジフェニルを製造するに当たり、一
見、これまでの技術的課題を解決した方法であるかのよ
うに見えるが、前述した問題点を有するが為、実際には
工業的に用いることができないものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこれらの問題
に鑑み、触媒存在下での反応及び蒸留にも十分安定であ
るエステル交換反応のための反応種、即ちα位に水素原
子が存在しないカルボン酸エステルを用いることによ
り、より実際的な芳香族炭酸エステルの合成法を提供す
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、α位に水素原
子が存在しない脂肪族カルボン酸エステルを用いれば、
脂肪族カルボン酸アリールエステル製造工程、芳香族炭
酸エステル製造工程、及び触媒存在下での生成物の蒸留
分離工程等の全工程において、該脂肪族カルボン酸エス
テルの分解を防ぐことができ、該脂肪族カルボン酸エス
テルを損失することなく、芳香族炭酸エステルを製造す
るために必要な全工程を合理的かつ容易に行い得ること
を見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0010】
【発明の実施の態様】本発明は、一般式(1)で表され
るα位に水素原子が存在しない脂肪族カルボン酸アリー
ルエステルと一般式(2)で表される脂肪族炭酸エステ
ルとを、触媒の存在下でエステル交換させることによ
り、一般式(3)及び一般式(4)で表される芳香族炭
酸エステルの製造方法である。
【化3】R1 2 3 C−COO−Ar (1) R4 −OCOO−R4 (2) R4 −OCOO−Ar (3) Ar−OCOO−Ar (4) (式中、R1 、R2 、R3 はそれぞれ置換基を有しても
よいアルキル基、脂環式炭化水素基、アリールアルキル
基、アリール基を表し、Arは置換基を有してもよいア
リール基を表し、R4 は置換基を有してもよいアルキル
基を表す。)
【0011】更に、前記芳香族炭酸エステルの製造にお
いて副生する下記一般式(5)で表されるα位に水素原
子が存在しない脂肪族カルボン酸アルキルエステルと下
記一般式(6)で表される芳香族ヒドロキシ化合物と
を、触媒の存在下に反応させて、前記一般式(1)で表
されるα位に水素原子が存在しない脂肪族カルボン酸ア
リールエステルに再生した後、前記一般式(2)で表さ
れる脂肪族炭酸エステルとを、触媒の存在下でエステル
交換させる前記一般式(3)及び(4)で表される芳香
族炭酸エステルの製造方法である。 R1 2 3 C−COO−R4 (5) Ar−OH (6) (ここで、R1 、R2 、R3 、R4 、Arは前記で示し
たものと同じ。)
【0012】本発明における、前記一般式(1)で表さ
れるα位に水素原子が存在しない脂肪族カルボン酸アリ
ールエステルは、具体的には、ピバリン酸フェニル、
2,2−ジメチル酪酸フェニル、2,2−ジメチル吉草
酸フェニル、2,2−ジメチルヘキサン酸フェニル、
2,2−ジメチルヘプタン酸フェニル、2,2−ジメチ
ルオクタン酸フェニル、2,2−ジメチルノナン酸フェ
ニル、2,2−ジメチルデカン酸フェニル、2,2−ジ
メチルウンデカン酸フェニル、2,2−ジメチルドデカ
ン酸フェニル、2,2−ジメチルトリデカン酸フェニ
ル、2,2−ジメチルテトラデカン酸フェニル、2,2
−ジメチルペンタデカン酸フェニル、トリエチル酢酸フ
ェニル、2,2−ジエチル酪酸フェニル、2,2−ジエ
チル吉草酸フェニル、2,2−ジエチルヘキサン酸フェ
ニル、2,2−ジエチルヘプタン酸フェニル、2,2−
ジエチルオクタン酸フェニル、2,2−ジエチルノナン
酸フェニル、2,2−ジエチルデカン酸フェニル、2,
2−ジエチルウンデカン酸フェニル、2,2−ジエチル
ドデカン酸フェニル、2,2−ジエチルトリデカン酸フ
ェニル、2,2−ジエチルテトラデカン酸フェニル、
2,2−ジエチルペンタデカン酸フェニル、2,2−ジ
フェニル酪酸フェニル、2,2−ジフェニル吉草酸フェ
ニル、2,2−ジフェニルヘキサン酸フェニル、2,2
−ジフェニルヘプタン酸フェニル、2,2−ジフェニル
オクタン酸フェニル、2,2−ジフェニルノナン酸フェ
ニル、2,2−ジフェニルデカン酸フェニル、2,2−
ジフェニルウンデカン酸フェニル、2,2−ジフェニル
ドデカン酸フェニル、2,2−ジフェニルトリデカン酸
フェニル、2,2−ジフェニルテトラデカン酸フェニ
ル、2,2−ジフェニルペンタデカン酸フェニル、2−
エチル−2−メチル酪酸フェニル、2−エチル−2−メ
チル吉草酸フェニル、2−エチル−2−メチルヘキサン
酸フェニル、2−エチル−2−メチルヘプタン酸フェニ
ル、2−エチル−2−メチルオクタン酸フェニル、2−
エチル−2−メチルノナン酸フェニル、2−エチル−2
−メチルデカン酸フェニル、2−エチル−2−メチルウ
ンデカン酸フェニル、2−エチル−2−メチルドデカン
酸フェニル、2−エチル−2−メチルトリデカン酸フェ
ニル、2−エチル−2−メチルテトラデカン酸フェニ
ル、2−エチル−2−メチルペンタデカン酸フェニル、
2−メチルシクロヘキサン酸フェニル、2−エチルシク
ロヘキサン酸フェニル、2−プロピルシクロヘキサン酸
フェニル、2−イソプロピルシクロヘキサン酸フェニル
等を挙げることができる。以上はフェニルエステルの例
であるが、同じ酸のクレジルエステル、2,4-ジメチルフ
ェニルエステル、3,5-ジメチルフェニルエステル、4-n-
プロピルフェニルエステル、4-イソプロピルフェニルエ
ステル、4-n-ブチルフェニルエステル、4-イソブチルフ
ェニルエステル、4-sec-ブチルフェニルエステル、4-te
rt−ブチルフェニルエステル、4-メトキシフェニルエス
テル、4-フェノキシフェニルエステル、4-クロロフェニ
ルエステル、4-フェニルフェニルエステルも好ましく用
いられる。
【0013】本発明における、前記一般式(2)で表さ
れるジアルキル炭酸エステルは具体的には炭酸ジメチ
ル、炭酸ジエチル、炭酸ジ−n−プロピル、炭酸ジイソ
プロピル等を挙げることができる。
【0014】本発明における、前記一般式(5)で表さ
れるα位に水素原子が存在しない脂肪族カルボン酸アル
キルエステルは、具体的には、ピバリン酸メチル、2,
2−ジメチル酪酸メチル、2,2−ジメチル吉草酸メチ
ル、2,2−ジメチルヘキサン酸メチル、2,2−ジメ
チルヘプタン酸メチル、2,2−ジメチルオクタン酸メ
チル、2,2−ジメチルノナン酸メチル、2,2−ジメ
チルデカン酸メチル、2,2−ジメチルウンデカン酸メ
チル、2,2−ジメチルドデカン酸メチル、2,2−ジ
メチルトリデカン酸メチル、2,2−ジメチルテトラデ
カン酸メチル、2,2−ジメチルペンタデカン酸メチ
ル、トリエチル酢酸メチル、2,2−ジエチル酪酸メチ
ル、2,2−ジエチル吉草酸メチル、2,2−ジエチル
ヘキサン酸メチル、2,2−ジエチルヘプタン酸メチ
ル、2,2−ジエチルオクタン酸メチル、2,2−ジエ
チルノナン酸メチル、2,2−ジエチルデカン酸メチ
ル、2,2−ジエチルウンデカン酸メチル、2,2−ジ
エチルドデカン酸メチル、2,2−ジエチルトリデカン
酸メチル、2,2−ジエチルテトラデカン酸メチル、
2,2−ジエチルペンタデカン酸メチル、2,2−ジフ
ェニル酪酸メチル、2,2−ジフェニル吉草酸メチル、
2,2−ジフェニルヘキサン酸メチル、2,2−ジフェ
ニルヘプタン酸メチル、2,2−ジフェニルオクタン酸
メチル、2,2−ジフェニルノナン酸メチル、2,2−
ジフェニルデカン酸メチル、2,2−ジフェニルウンデ
カン酸メチル、2,2−ジフェニルドデカン酸メチル、
2,2−ジフェニルトリデカン酸メチル、2,2−ジフ
ェニルテトラデカン酸メチル、2,2−ジフェニルペン
タデカン酸メチル、2−エチル−2−メチル酪酸メチ
ル、2−エチル−2−メチル吉草酸メチル、2−エチル
−2−メチルヘキサン酸メチル、2−エチル−2−メチ
ルヘプタン酸メチル、2−エチル−2−メチルオクタン
酸メチル、2−エチル−2−メチルノナン酸メチル、2
−エチル−2−メチルデカン酸メチル、2−エチル−2
−メチルウンデカン酸メチル、2−エチル−2−メチル
ドデカン酸メチル、2−エチル−2−メチルトリデカン
酸メチル、2−エチル−2−メチルテトラデカン酸メチ
ル、2−エチル−2−メチルペンタデカン酸メチル、2
−メチルシクロヘキサン酸メチル、2−エチルシクロヘ
キサン酸メチル、2−プロピルシクロヘキサン酸メチ
ル、2−イソプロピルシクロヘキサン酸メチル等を挙げ
ることができる。以上はメチルエステルの例であるが、
同じ酸のエチルエステル、n−プロピルエステル、イソ
プロピルエステルも好ましく用いられる。
【0015】本発明における、前記一般式(6)で表さ
れる芳香族ヒドロキシ化合物は具体的には、フェノー
ル、2−メチルフェノール、3−メチルフェノール、4
−メチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、
3,4−ジメチルフェノール、3,5−ジメチルフェノ
ール、2−エチルフェノール、3−エチルフェノール、
4−エチルフェノール、2,4−ジエチルフェノール、
3,4−ジエチルフェノール、3,5−ジエチルフェノ
ール、2−プロピルフェノール、3−プロピルフェノー
ル、4−プロピルフェノール、2,4−ジプロピルフェ
ノール、3,4−ジプロピルフェノール、3,5−ジプ
ロピルフェノール、2−イソプロピルフェノール、3−
イソプロピルフェノール、4−イソプロピルフェノー
ル、2,4−ジイソプロピルフェノール、3,4−ジイ
ソプロピルフェノール、3,5−ジイソプロピルフェノ
ール、2−t−ブチルフェノール、3−t−ブチルフェ
ノール、4−t−ブチルフェノール、2−エチル−4−
メチルフェノール、3−エチル−4−メチルフェノー
ル、3−エチル−5−メチルフェノール、2−メチル−
4−エチルフェノール、3−メチル−4−エチルフェノ
ール、3−メチル−5−エチルフェノール、2−クロロ
フェノール、3−クロロフェノール、4−クロロフェノ
ール、2,4−ジクロロフェノール、3,4−ジクロロ
フェノール、3,5−ジクロロフェノール、2−ブロモ
フェノール、3−ブロモフェノール、4−ブロモフェノ
ール、2,4−ジブロモフェノール、3,4−ジブロモ
フェノール、3,5−ジブロモフェノール等を挙げるこ
とができる。
【0016】本発明で得られる、前記一般式(3)で表
される芳香族炭酸エステルとしては具体的には、フェニ
ルメチル炭酸エステル、フェニルエチル炭酸エステル、
フェニルn-プロピル炭酸エステル、フェニルイソプロピ
ル炭酸エステル、2−メチルフェニルメチル炭酸エステ
ル、3−メチルフェニルメチル炭酸エステル、4−メチ
ルフェニルメチル炭酸エステル、2,4−ジメチルフェ
ニルメチル炭酸エステル、3,4−ジメチルフェニルメ
チル炭酸エステル、3,5−ジメチルフェニルメチル炭
酸エステル、2−エチルフェニルメチル炭酸エステル、
3−エチルフェニルエチル炭酸エステル、2,4−ジエ
チルフェニルメチル炭酸エステル、4-n-プロピルフェニ
ルメチル炭酸エステル、4−イソプロピルフェニルエチ
ル炭酸エステル、4−t−ブチルフェニルメチル炭酸エ
ステル、2−クロロフェニルエチル炭酸エステル、4−
クロロフェニルメチル炭酸エステル、3,5−ジブロモ
フェニルメチル炭酸エステル等を挙げることができる。
【0017】本発明で得られる、前記一般式(4)で表
される芳香族炭酸エステルは具体的には、ジフェニルカ
ーボネート、ジ(2-メチルフェニル)カーボネート、ジ
(3-メチルフェニル)カーボネート、ジ(3-エチルフェ
ニル)カーボネート、ジ(2,4-ジメチルフェニル)カー
ボネート、ジ(4-t-ブチルフェニル)カーボネート、ジ
(4-イソプロピルフェニル)カーボネート、ジ(3,5-ジ
メチルフェニル)カーボネート、ジ(4-クロロフェニ
ル)カーボネート、ジ(3,5-ジブロモフェニル)カーボ
ネート等を挙げることができる。
【0018】本発明に用いる触媒は、公知のエステル交
換触媒、即ちルイス酸及びプロトン酸及びこれらの混合
物、または塩基性化合物を均一系,不均一系の別なく用
いることができる。これらの触媒は、脂肪族カルボン酸
アリールエステル製造工程、芳香族炭酸エステル製造工
程で同一であってもかまわないし、それぞれ別の触媒で
あってもかまわない。具体的な触媒の例としては、Al
3 ,BX3 ,FeX 3 ,GaX3 ,SnX4 ,SnO
2 ,TiX3 ,TiX4 ,UX4 ,VOX3,V
4 ,VX5 ,ZnX2, ZnO(式中、Xはハロゲン
またはアルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、ア
リールオキシ基である)及びこれらの化合物と芳香族ヒ
ドロキシ化合物とのアダクト、塩酸、臭化水素酸、硫
酸、燐酸、炭酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタ
ンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸及びこれらの混合物、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、フェニル燐酸二ナトリウム、また、シリカ、アルミ
ナ、チタニア、シリカチタニア、酸化亜鉛、酸化ジルコ
ニウム、酸化ガリウム、ゼオライト、希土類の酸化物等
の固体触媒、及びこれらの固体触媒の表面酸点をシリル
化などの方法により修飾したもの等を挙げることができ
る。
【0019】触媒としては、Ti(OX)4 またはTi
(OX)4 ・XOH(Xは炭素数1〜4のアルキル基ま
たはアリール基)で表される化合物が好ましく使用され
る。これらの触媒の中でも特にチタニウムテトラフェノ
キシドなどのチタンのアリールオキシドが好ましい。チ
タンのアルコキシド、例えばチタニウムテトライソプロ
ポキシドなども、系中でアリールオキシドに変化するた
め、好ましく使用できる。また、チタンのテトラアリー
ルオキシドを芳香族ヒドロキシ化合物とチタンのテトラ
ハライドあるいはテトラアルコキシドとから合成する
際、高真空下での蒸留を行なわない場合にはチタニウム
テトラアリールオキシドと芳香族ヒドロキシ化合物との
アダクトが得られるが、このアダクトを用いても反応に
何ら支障なく使用できる。
【0020】本発明における触媒の使用量は、脂肪族カ
ルボン酸アリールエステル製造工程、芳香族炭酸エステ
ル製造工程のいずれの場合も特に制限はないが、通常は
原料である脂肪族カルボン酸エステルに対して、0.0
001〜1モル%の範囲で使用される。また、脂肪族カ
ルボン酸アリールエステル製造工程及び芳香族炭酸エス
テル製造工程において、同一の触媒を使用することは、
製造工程を簡略化することができので、都合がよい。
【0021】本発明における反応装置、即ち、脂肪族カ
ルボン酸アリールエステルの製造工程、芳香族炭酸エス
テル製造工程に用いる反応装置は特に限定されるもので
はなく、回分式反応器、流通式反応器、気液接触型反応
器のいずれであってもよい。また、同一反応器内で脂肪
族炭酸エステル製造工程及び芳香族炭酸エステル製造工
程を行ってもよいし、異なる反応器を用いて行ってもよ
い。
【0022】脂肪族カルボン酸アリールエステルは、脂
肪族カルボン酸アルキルエステルと芳香族ヒドロキシ化
合物を触媒の存在下で反応させることにより得られる。
本反応は平衡反応であるので、エステル交換反応の平衡
を生成系側に偏らせ脂肪族カルボン酸アリールエステル
の収率を高めるため、副生するアルコールを反応系外に
抜き出すことが好ましい。
【0023】この際、副生するアルコールとともに原料
脂肪族カルボン酸アルキルエステルおよび/または芳香
族ヒドロキシ化合物を抜き出してもよいが、原料を多く
抜き出すと反応の効率が落ちるため、槽型の回分式反応
器または流通式反応器を用いて脂肪族カルボン酸アリー
ルエステルの製造を行う場合は、該反応器に蒸留装置等
を設置し、副生するアルコールをできるだけ選択的に反
応系外に除去することが望ましい。アルコールと一緒に
抜き出された脂肪族カルボン酸アルキルエステルおよび
/または芳香族ヒドロキシ化合物は、アルコールと分離
した後、再び脂肪族カルボン酸アリールエステルの製造
に使用することができる。
【0024】気液接触型反応器を用いて脂肪族カルボン
酸アリールエステルの製造を行う場合には、該反応器に
脂肪族カルボン酸アルキルエステルと芳香族ヒドロキシ
化合物とを連続的に供給し、生成物である脂肪族カルボ
ン酸アリールエステルを含む高沸点成分を反応器下部か
ら連続的に抜き出すとともに、反応副生物であるアルコ
ールを含む低沸点成分を反応器上部から連続的に抜き出
すことが好ましい。
【0025】上記の気液接触型反応器は、特に限定する
ものではなく、いわゆる反応蒸留を実施できる構造のも
のであればよい。特に、連続多段反応蒸留装置が好適に
使用できる。
【0026】脂肪族カルボン酸アリールエステルの製造
に用いる、脂肪族カルボン酸アルキルエステルと芳香族
ヒドロキシ化合物のモル比は、20:1〜1:20の範
囲が用いられる。このモル比が大きければ反応は速い
が、反応終了時に余分な原料を除去する必要があるた
め、大過剰は好ましくない。
【0027】また、脂肪族カルボン酸アリールエステル
を製造するための反応温度は、常圧で反応を行なう場
合、副生するアルコールの沸点以上から芳香族ヒドロキ
シ化合物の沸点付近の温度、即ち60〜230℃程度で
行なうことができるが、なるべく高い温度、即ち170
〜230℃程度で行なうのが好ましい。本反応は加圧条
件でも行なうことが可能であり、その場合は、170℃
程度から270℃程度の温度範囲で行なうことが好まし
い。また、反応時間は他の条件によっても異なるが、通
常、0.001〜数十時間、好ましくは0.05〜8時
間の範囲で行なわれる。
【0028】芳香族炭酸エステルは、上記反応で得られ
た脂肪族カルボン酸アリールエステルと、ジアルキル炭
酸エステルとを触媒の存在下で反応させることにより得
られる。本反応もまた、脂肪族カルボン酸アリールエス
テルの製造と同様に平衡反応であるので、副生する脂肪
族カルボン酸アルキルエステルを系外に抜き出し、平衡
を生成系に偏らせることが望ましい。脂肪族カルボン酸
アルキルエステルを反応系外に抜き出す際、ジアルキル
炭酸エステルとの混合物として抜き出すことも可能であ
る。抜き出されたジアルキル炭酸エステルは脂肪族カル
ボン酸アルキルエステルと分離した後、再び芳香族炭酸
エステルの製造に用いることもできる。
【0029】回分式反応器または流通式反応器を用いて
芳香族炭酸エステルの製造を行う場合、生成する脂肪族
カルボン酸アルキルエステルが原料であるジアルキル炭
酸エステルよりも沸点が近い場合は、副生する脂肪族カ
ルボン酸アルキルエステルとジアルキル炭酸エステルと
の混合物を連続的に反応系外に除去しながら、反応させ
ることが望ましい。また、密閉系で反応を行い、平衡に
達した反応液から生成物を分離する方法も可能である。
このような方法により分離された原料化合物は、再び芳
香族炭酸エステルの製造に使用することができる。
【0030】気液接触型反応器を用いて芳香族炭酸エス
テルの製造を行う場合には、該反応器に脂肪族カルボン
酸アリールエステルとジアルキル炭酸エステル化合物と
を連続的に供給し、生成物である芳香族炭酸エステルを
含む高沸点成分を反応器下部から連続的に抜き出すとと
もに、反応副生物である脂肪族カルボン酸アルキルエス
テルを含む低沸点成分を反応器上部から連続的に抜き出
すことが好ましい。
【0031】本発明において、芳香族炭酸エステルの製
造に用いる、脂肪族カルボン酸アリールエステルとジア
ルキル炭酸エステルのモル比は、10:1〜1:50の
範囲が用いられる。この際、ジアルキル炭酸エステルの
モル比を多くすることにより、中間体であるアルキルア
リール炭酸エステルを選択的に得ることができる。ま
た、ジアリール炭酸エステルを得ることを目的とする場
合には、反応中間体であるアルキルアリール炭酸エステ
ルを予め添加しておくこともできる。
【0032】本発明において、芳香族炭酸エステルを合
成するのための反応温度は、50〜300℃の広い範囲
で可能であるが、好ましくは90〜250℃の範囲で行
なわれる。また、反応は常圧、加圧のいずれの条件でも
可能であるが、原料の沸点を超える温度で行なう場合
は、加圧条件下で行なうのが好ましい。また、反応時間
は他の条件によっても異なるが、通常、0.001〜数
十時間、好ましくは0.05から8時間の範囲で行なわ
れる。
【0033】以上の脂肪族カルボン酸アリールエステル
製造工程と芳香族炭酸エステル製造工程は同一反応器内
で行うことも可能である。例えば、反応器にジアルキル
炭酸エステル、脂肪族カルボン酸アリールエステル、芳
香族ヒドロキシ化合物、及び触媒を入れて反応させる
と、まずジアルキル炭酸エステルと脂肪族カルボン酸ア
リールエステルが反応し、芳香族炭酸エステルと脂肪族
カルボン酸アルキルエステルが生成するが、生成する脂
肪族カルボン酸アルキルエステルは系中で芳香族ヒドロ
キシ化合物と反応して脂肪族カルボン酸アリールエステ
ルを再生し、脂肪族アルコールを生成する。
【0034】副生するアルコールはエステル交換反応の
平衡を生成系側に偏らせ芳香族アリールエステルの収率
を高めるため、反応系外に抜き出すことが好ましい。こ
の際、他かの化合物と一緒に副生するアルコールを抜き
出してもよいが、原料を多く抜き出すと反応の効率が落
ちるため、槽型の回分式反応器または流通式反応器を用
いて反応を行う場合は、該反応器に蒸留装置等を設置
し、副生するアルコールをできるだけ選択的に反応系外
に除去することが望ましい。アルコールと一緒に抜き出
された原料化合物は、アルコールと分離した後、再びこ
の工程に使用することができる。
【0035】気液接触型反応器を用いて脂肪族カルボン
酸アリールエステルの製造と芳香族炭酸エステルの製造
を同時に行う場合には、該反応器にジアルキル炭酸エス
テル、脂肪族カルボン酸アリールエステルまたは脂肪族
カルボン酸アルキルエステル、及び、芳香族ヒドロキシ
化合物を連続的に供給し、生成物である芳香族炭酸エス
テルを含む高沸点成分を反応器下部から連続的に抜き出
すとともに、反応副生物であるアルコールを含む低沸点
成分を反応器上部から連続的に抜き出すことが好まし
い。
【0036】上記の気液接触型反応器は、特に限定する
ものではなく、いわゆる反応蒸留を実施できる構造のも
のであればよい。特に、連続多段反応蒸留装置が好適に
使用できる。
【0037】本方法の反応条件は、既に述べたそれぞれ
の反応条件に準じる。即ち、反応温度は、90〜270
℃が好ましい。また、反応は常圧、加圧のいずれの条件
でも可能であるが、原料の沸点を超える温度で行なう場
合は、加圧条件下で行なうのが好ましい。また、反応時
間は他の条件によっても異なるが、通常、0.001〜
数十時間、好ましくは0.05から8時間の範囲で行な
われる。
【0038】これらの方法によって得られた反応液か
ら、通常の分離操作によって、所望のジアリール炭酸エ
ステル及びアルキルアリール炭酸エステルを得ることが
できる。アルキルアリール炭酸エステルは反応液に戻
し、原料として使用することによりジアリール炭酸エス
テルとすることも可能であるし、公知の不均化反応(例
えば特開昭58−48537号公報に記載)によっても
ジアリール炭酸エステルとすることができる。
【0039】本発明の方法においては、反応に対して不
活性な溶媒を使用したり、不活性ガスの存在下、あるい
は不活性ガスによる加圧下で反応を行なうことができ
る。尚、本発明に用いるそれぞれの製造工程で使用する
原料は純粋なものが好ましいことは言うまでもないこと
である。
【0040】
【実施例】本発明の方法について、以下の実施例により
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0041】実施例1 容積500mlのステンレス容器に、高さ500mm、
内径20mmのステンレス製の蒸留塔を取り付けたもの
を反応器とした。また、蒸留塔の中には、1.5mmφ
のステンレス製ディクソンパッキングを充填した。この
反応器にピバリン酸メチル300g(2.58mo
l)、フェノール100g(1.06mol)及び、触
媒としてジ−n−ブチルすずオキシド0.1g(0.4
02mmol)を仕込んだ。次に、これらを攪拌しなが
ら240℃に加熱し、反応させた。その際、蒸留塔の還
流比を2とし、副生物であるメタノール等を含む低沸成
分を留去しながら行なった。3時間反応させた後、未反
応のピバリン酸メチルおよびフェノールの大部分を留去
した。留去されたメタノール、ピバリン酸メチルおよび
フェノールの合計量は338gであった。冷却後、釜残
液及び留去液をそれぞれガスクロマトグラフで分析した
結果、ピバリン酸メチルは2.25mol、ピバリン酸
フェニルは0.33mol検出され、ピバリン酸が分解
していないことが確認された。続いて、上記反応器の釜
残(ピバリン酸フェニル0.33mol含有)に炭酸ジ
メチル100.0g(1.11mol)を加え、窒素で
置換した後,反応器を密閉し、200℃で30分攪拌し
反応を進行させた。その後、反応器内を常圧にして、更
に200℃で1時間攪拌し、反応を進行させた。その
際、蒸留塔の還流比を2として、副生物であるピバリン
酸メチル及び炭酸ジメチルを含む低沸成分を留去した。
反応終了後、未反応のピバリン酸フェニル等を留去し
た。これにより、炭酸ジフェニルを97%含む反応混合
物31.9gを得た。これは仕込みのフェノールに対し
て27%、消費されたフェノールに対して87%の収率
である。また、留去液及び釜残を分析した結果、ピバリ
ン酸メチルは0.29mol、ピバリン酸フェニルは
0.04mol検出され、ピバリン酸が分解していない
ことが確認された。
【0042】比較例1 実施例1で用いた反応器と同一の反応器に吉草酸メチル
300g(2.58mol)、フェノール100g
(1.06mol)及び、触媒としてジ−n−ブチルす
ずオキシド0.1g(0.402mmol)を仕込ん
だ。次に、これらを攪拌しながら240℃に加熱し、反
応させた。その際、蒸留塔の還流比を2とし、副生物で
あるメタノール等を含む低沸成分を留去しながら行なっ
た。3時間反応させた後、未反応の吉草酸メチルおよび
フェノールの大部分を留去した。留去されたメタノー
ル、吉草酸メチルおよびフェノールの合計量は321g
であった。冷却後、釜残液及び留去液をそれぞれガスク
ロマトグラフで分析した結果、吉草酸メチルは2.07
mol、吉草酸フェニルは0.37mol検出され、
0.14molの吉草酸が分解していることが確認され
た。続いて、上記反応器の釜残(吉草酸フェニル0.3
7mol含有)に炭酸ジメチル100.0g(1.11
mol)を加え、窒素で置換した後,反応器を密閉し、
200℃で30分攪拌し反応を進行させた。その後、反
応器内を常圧にして、更に200℃で1時間攪拌し、反
応を進行させた。その際、蒸留塔の還流比を2として、
副生物である吉草酸メチル及び炭酸ジメチルを含む低沸
成分を留去した。反応終了後、未反応の吉草酸フェニル
等を留去した。これにより、炭酸ジフェニルを62%含
む反応混合物42.0gを得た。これは仕込みのフェノ
ールに対して23%、消費されたフェノールに対して6
7%の収率である。また、留去液及び釜残を分析した結
果、吉草酸メチルは0.24mol、吉草酸フェニルは
0.11mmol検出され、更に0.02molの吉草
酸が分解していることが確認された。
【0043】実施例2 実施例1で用いた反応器と同一の反応器にピバリン酸メ
チル300g(2.58mol)、フェノール100g
(1.06mol)及び、触媒としてチタニウムテトラ
フェノキシド0.2g(0.48mmol)を仕込ん
だ。次に、これらを攪拌しながら240℃に加熱し、反
応させた。その際、蒸留塔の還流比を2とし、副生物で
あるメタノール等を含む低沸成分を留去しながら行なっ
た。3時間反応させた後、未反応のピバリン酸メチルお
よびフェノールの大部分を留去した。留去されたメタノ
ール、ピバリン酸メチルおよびフェノールの合計量は3
33gであった。冷却後、釜残液及び留去液をそれぞれ
ガスクロマトグラフで分析した結果、ピバリン酸メチル
は2.22mol、ピバリン酸フェニルは0.36mo
l検出され、ピバリン酸が分解していないことが確認さ
れた。続いて、上記反応器の釜残(ピバリン酸フェニル
0.36mol含有)に炭酸ジメチル100.0g
(1.11mol)を加え、窒素で置換した後,反応器
を密閉し、200℃で30分攪拌し反応を進行させた。
その後、反応器内を常圧にして、更に200℃で1時間
攪拌し、反応を進行させた。その際、蒸留塔の還流比を
2として、副生物であるピバリン酸メチル及び炭酸ジメ
チルを含む低沸成分を留去した。反応終了後、未反応の
ピバリン酸フェニル等を留去した。これにより、炭酸ジ
フェニルを97%含む反応混合物33.9gを得た。こ
れは仕込みのフェノールに対して29%、消費されたフ
ェノールに対して85%の収率である。また、留去液及
び釜残を分析した結果、ピバリン酸メチルは0.31m
ol、ピバリン酸フェニルは0.05mol検出され、
ピバリン酸が分解していないことが確認された。
【0044】実施例3 内容量100mlのSUS316製オートクレーブに、
実施例2前半の方法で合成し、蒸留単離したピバリン酸
フェニル26.4g(148mmol)、炭酸ジメチル
6.67g(74mmol)、チタニウムテトラフェノ
キシド0.19g(0.44mmol)を入れ、窒素で
置換した後密閉し、220℃で2時間反応させた。反応
終了後、反応液をガスクロマトグラフで分析した結果、
ピバリン酸フェニル基準で計算すると炭酸メチルフェニ
ルの収率21%、炭酸ジフェニルの収率18%であっ
た。また、反応終了後のピバリン酸メチルは58mmo
l、ピバリン酸フェニルは90mmol検出され、ピバ
リン酸が分解していないことが確認された。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、脂肪族カルボン酸エス
テルを副反応により損失することがないため、効率よく
芳香族炭酸エステルを製造することができ、その工業的
効果は大きい。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1)で表されるα位に水素原子が
    存在しない脂肪族カルボン酸アリールエステルと一般式
    (2)で表される脂肪族炭酸エステルとを、触媒の存在
    下でエステル交換させることにより、一般式(3)及び
    一般式(4)で表される芳香族炭酸エステルを生成させ
    ることを特徴とする芳香族炭酸エステルの製造方法。 【化1】R1 2 3 C−COO−Ar (1) R4 −OCOO−R4 (2) R4 −OCOO−Ar (3) Ar−OCOO−Ar (4) (式中、R1 、R2 、R3 はそれぞれ置換基を有しても
    よいアルキル基、脂環式炭化水素基、アリールアルキル
    基、アリール基を表し、Arは置換基を有してもよいア
    リール基を表し、R4 は置換基を有してもよいアルキル
    基を表す。)
  2. 【請求項2】前記一般式(1)で表されるα位に水素原
    子が存在しない脂肪族カルボン酸アリールエステルが、
    触媒の存在下に一般式(5)で表されるα位に水素原子
    が存在しない脂肪族カルボン酸アルキルエステルと一般
    式(6)で表される芳香族ヒドロキシ化合物から製造さ
    れることを特徴とする請求項1記載の芳香族炭酸エステ
    ルの製造方法。 【化2】 R1 2 3 C−COO−R4 (5) Ar−OH (6) (ここで、R1 、R2 、R3 、R4 、Arは前記で示し
    たものと同じ。)
  3. 【請求項3】請求項1で副生する脂肪族カルボン酸アル
    キルエステルを請求項2の原料として使用することを特
    徴とする請求項2記載の芳香族炭酸エステルの製造方
    法。
  4. 【請求項4】前記一般式(1)で表されるα位に水素原
    子が存在しない脂肪族カルボン酸アリールエステルの生
    成と前記一般式(3)及び(4)で表される芳香族炭酸
    エステルの生成を、同一の容器内で行うことを特徴とす
    る請求項1ないし3の何れか1項に記載の芳香族炭酸エ
    ステルの製造方法。
  5. 【請求項5】前記一般式(1)で表されるα位に水素原
    子が存在しない脂肪族カルボン酸アリールエステルの生
    成と前記一般式(3)及び(4)で表される芳香族炭酸
    エステルの生成に使用する触媒が同一であることを特徴
    とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の芳香族炭
    酸エステルの製造方法。
  6. 【請求項6】触媒が、ジ−n−ブチルすずオキシド、チ
    タニウムテトラフェノキシド及びチタニウムテトラフェ
    ノキシドのフェノールアダクトから選ばれる一種以上の
    化合物であることを特徴とする請求項2ないし5の何れ
    か1項に記載の芳香族炭酸エステルの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000319252A (ja) * 1999-05-10 2000-11-21 Dainippon Ink & Chem Inc マレイミド誘導体の製造方法
JP2007153844A (ja) * 2005-12-07 2007-06-21 Daicel Chem Ind Ltd 脂環式オレフィン多価カーボネート化合物の製造方法および脂環式オレフィン多価カーボネート化合物
WO2014024891A1 (ja) 2012-08-10 2014-02-13 旭硝子株式会社 カーボネート化合物および芳香族ポリカーボネートの製造方法

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