JPH1036120A - コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウムもしくはマンガン酸リチウムの製造方法 - Google Patents

コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウムもしくはマンガン酸リチウムの製造方法

Info

Publication number
JPH1036120A
JPH1036120A JP9099593A JP9959397A JPH1036120A JP H1036120 A JPH1036120 A JP H1036120A JP 9099593 A JP9099593 A JP 9099593A JP 9959397 A JP9959397 A JP 9959397A JP H1036120 A JPH1036120 A JP H1036120A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lithium
electrolysis
cobalt
lithium salt
aqueous solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9099593A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4017208B2 (ja
Inventor
Mamoru Hojo
護 北條
Susumu Horiuchi
進 堀内
Hidenori Shimauchi
秀則 島内
Takashi Ouchi
高志 大内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Japan Energy Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Energy Corp filed Critical Japan Energy Corp
Priority to JP09959397A priority Critical patent/JP4017208B2/ja
Publication of JPH1036120A publication Critical patent/JPH1036120A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4017208B2 publication Critical patent/JP4017208B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一性に優れたコバルト、ニッケル及びマン
ガン酸リチウム粉末を安定的に低コストで製造する方法
の確立。 【解決手段】 コバルト、ニッケル及びマンガンから成
る群から選択される金属を陽極とし、リチウム塩水溶液
を電解液として電解することにより該選択された金属の
酸化物、水酸化物またはオキシ水酸化物またはこれらの
複合酸化物を電析させ、その後、必要に応じ、電解液で
あるリチウム塩水溶液中のリチウムの量を調整した後、
該選択された金属の酸化物、水酸化物またはオキシ水酸
化物またはこれらの複合酸化物である電析物の少なくと
も1種と電解液であるリチウム塩水溶液とを共に好まし
くはスプレー乾燥し、さらに焼成・粉砕する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コバルト、ニッケ
ル及びマンガンの少なくとも1種の金属を含むリチウム
酸化物、すなわちコバルト酸リチウム、ニッケル酸リチ
ウムもしくはマンガン酸リチウム粉末またはそれらの複
合酸化物粉末の製造方法に関し、特にリチウム2次電池
用電極材料などに好適に用いることのできるこれらリチ
ウム化合物粉末の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯用電話や、ポータブル型パー
ソナルコンピュータなどの開発に伴って、高エネルギー
密度で、小型・軽量な2次電池への要求が高まってい
る。特にリチウム2次電池は、このような要求特性を満
たすものとして注目されている。リチウム2次電池正極
活物質としては、コバルト酸リチウム(LiCoO
2 )、ニッケル酸リチウム(LiNiO2 )、マンガン
酸リチウム(Li2 MnO4 )などが研究されており、
高電圧、高エネルギー密度を有する材料として期待され
ている。特に、コバルト酸リチウム粉末及びニッケル酸
リチウム粉末への関心は高い。
【0003】コバルト酸リチウム粉末を例にとると、従
来、コバルト酸リチウム粉末は、コバルト塩(Co3
4 、Co(OH)2 もしくはCoCO3 )とリチウム塩
(例えばLiOH水和物、Li2 CO3 等)とを所定比
率となるよう混合・乾燥した後、焼成・粉砕して生成さ
れていた(図2参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来法の場
合、反応は固体・固体反応もしくは、液体・固体反応で
進むため、原料のリチウム塩とコバルト塩とを十分に混
合する必要がある。しかしながら、混合には自ずと限界
があるため、得られるコバルト酸リチウムは不均一にな
りやすいという問題があった。そして、これが、得られ
たコバルト酸リチウムをリチウム2次電池正極活物質と
して用いて2次電池とした場合の充放電サイクル特性の
低下の一因となることが指摘された。また、原料のコバ
ルト塩は通常湿式プロセスによって合成するが、その場
合、余分な原料を使用しなければならず、これらの余分
な原料の残りや副生成物を除去する必要がある。すなわ
ち、生成物の洗浄及び廃液処理が必要となり、これらの
操作が、コスト増の一因となっていた。同様のことは、
ニッケル酸リチウムもしくはマンガン酸リチウム粉末に
も云える。
【0005】本発明の課題は、上述した得られるコバル
ト、ニッケル及びマンガンの少なくとも1種の金属を含
むリチウム酸化物の不均一性の問題並びに原料の塩の湿
式プロセスによる合成に伴う問題を排除して、均一性に
優れたコバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウムもしく
はマンガン酸リチウム粉末またはそれらの複合酸化物粉
末を安定的に低コストで製造する方法を確立することで
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究し
た結果、コバルト、ニッケル及びマンガンから成る群か
ら選択される金属を陽極とし、リチウム塩水溶液を電解
液として電解し、得られる電析コバルト化合物と電解液
とを共に乾燥・焼結することによって上記の課題を解決
し得ることを見いだした。本発明は、この知見に基づ
き、コバルト、ニッケル及びマンガンから成る群から選
択される金属を陽極とし、リチウム塩水溶液を電解液と
して電解することにより該選択された金属の酸化物、水
酸化物またはオキシ水酸化物またはこれらの複合酸化物
を電析させ、その後、必要に応じ、電解液であるリチウ
ム塩水溶液中のリチウムの量を調整した後、該選択され
た金属の酸化物、水酸化物またはオキシ水酸化物または
これらの複合酸化物である電析物の少なくとも1種と電
解液であるリチウム塩水溶液とを共に乾燥し、さらに焼
成・粉砕することを特徴とするコバルト酸リチウム、ニ
ッケル酸リチウムもしくはマンガン酸リチウムまたはこ
れらの複合酸化物粉末の製造方法を提供するものであ
る。この場合、電解液のpHを5〜10とすることが好
ましい。また、電解の際の電流密度を0.1〜100A
/dm2 とすることが好ましい。電解をパルス電解によ
って行うことが好ましい。更には、乾燥を100〜90
0℃で、好ましくはスプレー乾燥により行い、そして焼
成を酸素雰囲気または大気雰囲気中500〜1000℃
で行うことが望ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に従うコバルト酸リチウ
ム、ニッケル酸リチウムもしくはマンガン酸リチウムま
たはこれらの複合酸化物、例えばLi(Nix Coy
2 粉末の製造方法について、ここでは、特にコバルト
酸リチウム粉末を例にとって説明する。本発明のコバル
ト酸リチウム粉末の合成フローを図1に示す。コバルト
を陽極とし、リチウム塩水溶液を電解液として電解する
ことによりコバルト酸化物、コバルト水酸化物またはコ
バルトオキシ水酸化物を電析させ、その後、必要に応
じ、電解液であるリチウム塩水溶液中のリチウムの量を
調整した後、該コバルト酸化物、コバルト水酸化物また
はコバルトオキシ水酸化物の電析物と電解液であるリチ
ウム塩水溶液とを、好ましくは湿式粉砕機で電析物を微
粉砕しながら、電解液と混合し、スプレードライヤーで
共に乾燥し、さらに焼成・粉砕する流れが示されてい
る。このようにして、コバルト酸化物、コバルト水酸化
物またはコバルトオキシ水酸化物の電析物と電解液であ
るリチウム塩水溶液とを用い、好ましくは湿式粉砕機で
電析物を微粉砕しながら電解液と混合し、スプレードラ
イヤーで共に乾燥することによりコバルト塩とリチウム
塩との均一な混合物を得ることができる。
【0008】本発明において陽極として用いられるコバ
ルトメタルは、極力、不純物を排除した高純度のものを
使用するのが好ましい。電解液としては、水酸化リチウ
ム、硝酸リチウム、炭酸リチウム等の水溶性のリチウム
塩の水溶液が用いられる。水に対する溶解度が大きいこ
とおよびコンタミネーションの恐れが小さいことなどか
ら、水酸化リチウム(LiOH・H2 OあるいはLiO
H)が好ましい。電解液の濃度は、0.1〜5mol/
lが好ましい。0.1mol/l未満では、導電性に乏
しく、5mol/lを超えるとリチウム塩の溶解度の限
界に近くなるため好ましくない。電解液は、硝酸、塩酸
等の酸を用いてpH:5〜10とするが、ハロゲンイオ
ンは焼成工程で除去できず残留し、電池特性に悪影響を
与える場合もあるため、好ましくは硝酸を用いるのが良
い。pH5未満では、リチウムの酸化物が形成され難
く、pHが10を超えると陽極のコバルト表面が不働態
化して溶解反応が起こらなくなるためいずれも好ましく
ない。
【0009】このように調整された電解液を用いて、コ
バルトを陽極として電解を行う。なお、陰極としては、
電解液に侵されないものであれば良く、通常はステンレ
ス、チタンなどが用いられる。電解の際の電流密度は
0.1〜100A/dm2 とする。0.1A/dm2
満では、反応が遅すぎ、一方、100A/dm2 を超え
ると電流効率が悪いため好ましくない。電解浴温度には
特に制限はないが、通常室温〜90℃で行われる。
【0010】上記の条件で電解を行うことにより、電解
条件に応じて、Co34 、Co(OH)2 またはCo
OOHなどのコバルト酸化物、コバルト水酸化物、また
はコバルトオキシ水酸化物またはこれらの混合物が電析
する。これらは、湿式粉砕機において電析物を十分に微
粉砕しながら混合される。
【0011】電解終了後、陽極コバルトの減少量と電解
液中のリチウム濃度からリチウムの不足量を求め、必要
に応じ、電解液中にリチウム塩を加えリチウム量を調整
した後、湿式粉砕機において十分に混合された電析物と
電解液であるリチウム塩水溶液とを共に混合・乾燥す
る。乾燥方法は、特に制限されるものではないが、スプ
レードライヤーによるスプレー乾燥が、混合作用が良好
で、乾燥と共に造粒効果があり、凝集しない点で最も適
している。乾燥温度は100〜900℃で行われる。電
析物と電解液を混合することにより従来技術では達成で
きなかった混合作用が得られる。
【0012】乾燥した複合LiOH−CoOOHなどの
粉末は、その後、酸素雰囲気中または大気雰囲気中で、
500〜1000℃の温度で焼成を行う。この温度範囲
が、コバルト酸リチウムの生成に適正である。
【0013】コバルト以外のニッケル及びマンガンにつ
いても、実質上同等のプロセス条件を採用することがで
きる。ニッケル及びマンガンを用いた場合には、ニッケ
ル酸リチウム及びマンガン酸リチウムが製造され、また
これらの複合酸化物、例えばLi(Nix Coy )O2
を製造することができる。なお、ニッケルを電解する場
合には、ニッケルを溶解させるため、一般的に塩化物等
のハロゲンイオンを添加した電解液が用いられることが
多いが、前述したように、ハロゲンイオンは、焼成工程
で除去できないため、ニッケル酸リチウム中に残留し、
電池特性に悪影響を与える場合がある。そこで、ハロゲ
ンを添加せずにニッケルの溶解を可能にするためにはパ
ルス電解を行うことが有効である。パルス電解の条件
は、以下の通りである。 このような条件でパルス電解を行うことにより、電流効
率がパルス電解を行わない場合に比べ著しく向上した。
これは、次のような理由によると考えられる。すなわ
ち、ニッケルは不働体酸化膜を形成しやすいため、通常
の電解の場合には電極表面の不働体酸化膜が電解を阻害
する要因となっている。そこで、逆電位をかけることに
より水素発生の方向にして不働体酸化膜を破壊し活性な
面を出すことによって電解の効率が向上したものと思わ
れる。
【0014】焼成後、ボールミル等で粉砕を行い、平均
2次粒子径を0.5〜20μm、好ましくは0.5〜1
0μmとする。これは、リチウム2次電池正極活物質と
して用いる場合に特に好適であるからである。
【0015】得られたLiCoO2 、LiNiO2 等の
粉末を用いてリチウム2次電池用正極を作成する場合に
は、アセチレンブラックなどの導電材、ポリフッ化ビニ
リデンなどの結着材を用いて適当な比率でこれらを混合
し成形する。この正極をコインセルに組み、対極として
Liメタルを用いてリチウム2次電池を生成することが
できる。
【0016】
【実施例】以下、本発明をコバルト酸リチウム粉末及び
ニッケル酸リチウムの製造方法に基づいて説明するが、
本発明はマンガン酸リチウムまたはこれらの複合酸化物
粉末の製造方法においても等しく適用できる。
【0017】(実施例1) 電解条件: 陽極:高純度コバルト 電解液組成: LiOH・H2 O:0.6mol/l HNO3 :60%、375ml/l 電流密度:2A/dm2 浴温 :30〜35℃ この電解により、電析物としてCoOOH、500gを
得た。電解液中のリチウム量はCo量とバランスしてい
たため、リチウム量の調整は行わなかった。次にこの電
析物と電解液と共にスプレードライヤーで乾燥した。ス
プレードライヤーの排出温度120℃、回転数1000
0rpmで乾燥を行った。その結果、粒径5〜10μm
のLiOH−CoOOH複合粉末を得た。この、LiO
H−CoOOH複合粉末を大気中900℃で5hr焼成
し、LiCoO2 粉末を得た。得られたLiCoO2
末を用いてリチウム2次電池用正極を作成した。導電材
としてアセチレンブラックを、結着材としてポリフッ化
ビニリデンを用いて、LiCoO2 :アセチレンブラッ
ク:ポリフッ化ビニリデン=100:4:4となるよう
にした。この正極をコインセルに組み、対極としてLi
メタルを用いて充放電試験を行った。
【0018】(比較例1)LiOH2 ・H2 O粉末とC
34 粉末の所定量を混合し、大気中900℃で5h
r焼成してLiCoO2 粉末を得た。実施例の場合と同
様に、得られたLiCoO2 粉末を用いてリチウム2次
電池用正極を作成した。導電材としてアセチレンブラッ
クを、結着材としてポリフッ化ビニリデンを用いて、L
iCoO2 :アセチレンブラック:ポリフッ化ビニリデ
ン=100:4:4となるようにした。この正極をコイ
ンセルに組み、対極としてLiメタルを用いて充放電試
験を行った。
【0019】(実施例1及び比較例1の結果)実施例1
および比較例1のリチウム2次電池用正極の放電容量−
サイクル特性を図3に示した。初期容量は、いずれも1
30mAh/g程度であったものが、15サイクル後の
容量は、実施例1のものでは125mAh/gであった
が、比較例1では117mAh/gまでにも低下した。
【0020】(実施例2−1) この電解により、電析物として500gのNi(OH)
2 を得た。電解液中のリチウム量はNiとバランスして
いたため、リチウム量の調整は行わなかった。次にこの
電析物と電解液と共にスプレードライヤーで乾燥した。
スプレードライヤーの排出温度120℃、回転数100
00rpmで乾燥を行った。その結果、粒径5〜10μ
mのLiOH−Ni(OH)2 複合粉末を得た。このL
iOH−Ni(OH)2 複合粉末を大気中で、一次焼成
温度600℃、22hrで焼成した後、粉砕し、さらに
二次焼成温度800℃、3hrの焼成を行い、LiNi
2 粉末を得た。得られたLiNiO2 粉末を用いてL
iCoO2 の場合と同様にリチウム2次電池用正極を作
成し、この正極をコインセルに組み対極としてLiメタ
ルを用いて充放電試験を行った。
【0021】(実施例2−2) 電解条件: 陽極:高純度ニッケル 電解液組成: LiOH・H2 O:1 mol/l HNO3 :1 mol/l pH :5〜7 電流密度 :2A/dm2 (パルス電解ではな
く、通常の電解) 浴温 :20〜30℃ この電解により、電析物として500gのNi(OH)
2 を得た。電解液中のリチウム量はNiとバランスして
いたため、リチウム量の調整は行わなかった。次にこの
電析物と電解液と共にスプレードライヤーで乾燥した。
スプレードライヤーの排出温度120℃、回転数100
00rpmで乾燥を行った。その結果、粒径5〜10μ
mのLiOH−Ni(OH)2 複合粉末を得た。このL
iOH−Ni(OH)2 複合粉末を大気中で、一次焼成
温度600℃、22hrで焼成した後、粉砕し、さらに
二次焼成温度800℃、3hrの焼成を行い、LiNi
2 粉末を得た。得られたLiNiO2 粉末を用いて実
施例2−1の場合と同様にリチウム2次電池用正極を作
成し、この正極をコインセルに組み対極としてLiメタ
ルを用いて充放電試験を行った。
【0022】(実施例2−3) 電解条件: 陽極:高純度ニッケル 電解液組成: LiOH・H2 O:1 mol/l HCl :1 mol/l(塩酸使用) pH :5〜7 電流密度 :2A/dm2 (パルス電解ではな
く、通常の電解) 浴温 :20〜30℃ この電解により、電析物として500gのNi(OH)
2 を得た。電解液中のリチウム量はNiとバランスして
いたため、リチウム量の調整は行わなかった。次にこの
電析物と電解液と共にスプレードライヤーで乾燥した。
スプレードライヤーの排出温度120℃、回転数100
00rpmで乾燥を行った。その結果、粒径5〜10μ
mのLiOH−Ni(OH)2 複合粉末を得た。このL
iOH−Ni(OH)2 複合粉末を大気中で、一次焼成
温度600℃、22hrで焼成した後、粉砕し、さらに
二次焼成温度800℃、3hrの焼成を行い、LiNi
2 粉末を得た。得られたLiNiO2 粉末を用いて実
施例2−1の場合と同様にリチウム2次電池用正極を作
成し、この正極をコインセルに組み対極としてLiメタ
ルを用いて充放電試験を行った。
【0023】(比較例2)LiOH・H2 O粉末とNi
(OH)2 粉末の所定量を混合し、大気中で、一次焼成
温度600℃、22hrで焼成した後、粉砕し、さらに
二次焼成温度800℃、3hrの焼成を行い、LiNi
2 粉末を得た。得られたLiNiO2 粉末を用いて実
施例の場合と同様にリチウム2次電池用正極を作成し、
この正極をコインセルに組み対極としてLiメタルを用
いて充放電試験を行った。
【0024】(実施例2及び比較例2の結果)実施例2
−1(パルス電解)、実施例2−2(パルス電解ではな
い、通常の電解)及び実施例2−3(ハロゲンイオンを
含む電解液を使用しての通常の電解)における電解の際
の電流効率は、それぞれ、実施例2−1:34%、実施
例2−2:12%及び実施例2−3:95%であった。
また、リチウム2次電池用正極の放電容量−サイクル特
性は、初期容量は、いずれも200mAhr/g程度で
あったものが15サイクル後の容量は、乾式法で製造し
た比較例2では160mAhr/gまで低下した。これ
に対して、ハロゲンイオンを含まない電解液で電解を行
った実施例2−1、実施例2−2では185mAhr/
gに抑制できた。また、ハロゲンイオンを含む電解液で
電解を行った実施例2−3の場合には、充電の途中で短
絡が生じ、測定できない事態が生じることがあった。従
って、ハロゲンイオンを含まない電解液(硝酸)を用い
てパルス電解を行うことが好ましい。
【0025】
【発明の効果】本発明によって、均一性に優れたコバル
ト、ニッケル及びマンガンの少なくとも1種の金属を含
むリチウム酸化物粉末を、安定的に低コストで製造する
ことができた。そして、本発明で得られた例えばコバル
ト酸リチウム粉末、ニッケル酸リチウム粉末から、充放
電容量の低下が少ないリチウム2次電池用正極材料を製
造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるコバルト酸リチウムの
製造プロセスの合成フローを示す。
【図2】従来からのコバルト酸リチウムの製造プロセス
の合成フローを示す。
【図3】実施例および比較例のリチウム2次電池用正極
の放電容量−サイクル特性を示すグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 大内 高志 茨城県北茨城市華川町臼場187番地4株式 会社ジャパンエナジー磯原工場内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コバルト、ニッケル及びマンガンから成
    る群から選択される金属を陽極とし、リチウム塩水溶液
    を電解液として電解することにより該選択された金属の
    酸化物、水酸化物またはオキシ水酸化物またはこれらの
    複合酸化物を電析させ、その後、必要に応じ、電解液で
    あるリチウム塩水溶液中のリチウムの量を調整した後、
    該選択された金属の酸化物、水酸化物またはオキシ水酸
    化物またはこれらの複合酸化物である電析物の少なくと
    も1種と電解液であるリチウム塩水溶液とを共に乾燥
    し、さらに焼成・粉砕することを特徴とするコバルト酸
    リチウム、ニッケル酸リチウムもしくはマンガン酸リチ
    ウムまたはこれらの複合酸化物粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 リチウム塩として水酸化リチウムを用い
    ることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 電解液のpHを5〜10とすることを特
    徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 電解の際の電流密度を0.1〜100A
    /dm2 とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載の方法。
  5. 【請求項5】 電解をパルス電解によって行うことを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 乾燥を100〜900℃で行い、焼成を
    酸素雰囲気または大気雰囲気中500〜1000℃で行
    うことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の
    方法。
  7. 【請求項7】 湿式粉砕機で電析物を微粉砕しながら電
    解液と混合し、乾燥をスプレードライヤーにより行うこ
    とを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 コバルトを陽極とし、リチウム塩水溶液
    を電解液として電解することによりコバルト酸化物、コ
    バルト水酸化物またはコバルトオキシ水酸化物を電析さ
    せ、その後、必要に応じ、電解液であるリチウム塩水溶
    液中のリチウムの量を調整した後、該コバルト酸化物、
    コバルト水酸化物またはコバルトオキシ水酸化物の電析
    物と電解液であるリチウム塩水溶液とを共に乾燥し、さ
    らに焼成・粉砕することを特徴とするコバルト酸リチウ
    ム粉末の製造方法。
  9. 【請求項9】 リチウム塩として水酸化リチウムを用い
    ることを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 電解液のpHを5〜10とすることを
    特徴とする請求項8または9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 電解の際の電流密度を0.1〜100
    A/dm2 とすることを特徴とする請求項8〜10のい
    ずれかに記載の方法。
  12. 【請求項12】 乾燥を100〜900℃で行い、焼成
    を酸素雰囲気または大気雰囲気中500〜1000℃で
    行うことを特徴とする、請求項8〜11のいずれかに記
    載の方法。
  13. 【請求項13】 湿式粉砕機で電析物を微粉砕しながら
    電解液と混合し、乾燥をスプレードライヤーにより行う
    ことを特徴とする、請求項8〜12のいずれかに記載の
    方法。
  14. 【請求項14】 ニッケルを陽極とし、リチウム塩水溶
    液を電解液としてパルス電解することによりニッケル酸
    化物、ニッケル水酸化物またはニッケルオキシ水酸化物
    を電析させ、その後、必要に応じ、電解液であるリチウ
    ム塩水溶液中のリチウムの量を調整した後、該ニッケル
    酸化物、ニッケル水酸化物またはニッケルオキシ水酸化
    物の電析物と電解液であるリチウム塩水溶液とを共に乾
    燥し、さらに焼成・粉砕することを特徴とするニッケル
    酸リチウム粉末の製造方法。
  15. 【請求項15】 リチウム塩として水酸化リチウムを用
    いることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 電解液のpHを5〜10とすることを
    特徴とする請求項14または15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 電解の際の電流密度を0.1〜3A/
    dm2 とすることを特徴とする請求項14〜16のいず
    れかに記載の方法。
  18. 【請求項18】 乾燥を100〜900℃で行い、焼成
    を酸素雰囲気または大気雰囲気中500〜1000℃で
    行うことを特徴とする、請求項14〜17のいずれかに
    記載の方法。
  19. 【請求項19】 湿式粉砕機で電析物を微粉砕しながら
    電解液と混合し、乾燥をスプレードライヤーにより行う
    ことを特徴とする、請求項14〜18のいずれかに記載
    の方法。
JP09959397A 1996-05-09 1997-04-03 コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウムもしくはマンガン酸リチウムの製造方法 Expired - Fee Related JP4017208B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09959397A JP4017208B2 (ja) 1996-05-09 1997-04-03 コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウムもしくはマンガン酸リチウムの製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8-137719 1996-05-09
JP13771996 1996-05-09
JP09959397A JP4017208B2 (ja) 1996-05-09 1997-04-03 コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウムもしくはマンガン酸リチウムの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1036120A true JPH1036120A (ja) 1998-02-10
JP4017208B2 JP4017208B2 (ja) 2007-12-05

Family

ID=26440713

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09959397A Expired - Fee Related JP4017208B2 (ja) 1996-05-09 1997-04-03 コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウムもしくはマンガン酸リチウムの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4017208B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000033401A1 (fr) * 1998-12-02 2000-06-08 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Cellule secondaire d'electrolyte du type non aqueux
US6506520B1 (en) 1998-12-02 2003-01-14 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Non-aqueous electrolyte secondary battery
US6653019B1 (en) 1998-06-03 2003-11-25 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Non-aqueous electrolyte secondary cell
KR100453555B1 (ko) * 2002-06-03 2004-10-20 한국지질자원연구원 화염분무열분해를 이용한 리튬코발트 산화물 나노입자의제조방법
US6821675B1 (en) 1998-06-03 2004-11-23 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Non-Aqueous electrolyte secondary battery comprising composite particles
US6824920B1 (en) 1997-06-03 2004-11-30 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Non-aqueous electrolyte secondary battery comprising composite particles
JP2009277667A (ja) * 2009-08-18 2009-11-26 Sumitomo Chemical Co Ltd 電池用活物質の製造方法
JP2015059082A (ja) * 2013-09-20 2015-03-30 国立大学法人東北大学 多孔質合金化合物及びその製造方法並びに電気二重層キャパシタ

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6824920B1 (en) 1997-06-03 2004-11-30 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Non-aqueous electrolyte secondary battery comprising composite particles
US6653019B1 (en) 1998-06-03 2003-11-25 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Non-aqueous electrolyte secondary cell
US6821675B1 (en) 1998-06-03 2004-11-23 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Non-Aqueous electrolyte secondary battery comprising composite particles
WO2000033401A1 (fr) * 1998-12-02 2000-06-08 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Cellule secondaire d'electrolyte du type non aqueux
US6506520B1 (en) 1998-12-02 2003-01-14 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Non-aqueous electrolyte secondary battery
US6605386B1 (en) 1998-12-02 2003-08-12 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Non-aqueous electrolyte secondary battery comprising composite particles
KR100453555B1 (ko) * 2002-06-03 2004-10-20 한국지질자원연구원 화염분무열분해를 이용한 리튬코발트 산화물 나노입자의제조방법
JP2009277667A (ja) * 2009-08-18 2009-11-26 Sumitomo Chemical Co Ltd 電池用活物質の製造方法
JP2015059082A (ja) * 2013-09-20 2015-03-30 国立大学法人東北大学 多孔質合金化合物及びその製造方法並びに電気二重層キャパシタ

Also Published As

Publication number Publication date
JP4017208B2 (ja) 2007-12-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108217753B (zh) 一种梯度掺杂四氧化三钴材料及其制备方法
CA2552375C (en) Electrode active material powder with size dependent composition and method to prepare the same
JP4185191B2 (ja) スピネル型マンガン酸リチウムの製造方法
CN111435747B (zh) 无钴层状正极材料及其制备方法、锂离子电池
KR100687672B1 (ko) 비수성 전해질 이차 전지
CN100418254C (zh) 非水电解质二次电池
CN112390292A (zh) 一种体相掺杂型四氧化三锰及其制备方法和应用
CN110085831A (zh) 一种偏钛酸锂包覆镍钴锰三元正极材料及其制备方法
CN109728277A (zh) 对高镍三元正极材料进行表面处理的方法及产品和电池
CN111924885A (zh) 一种钴酸锂正极材料及其改性方法
JP4785230B2 (ja) リチウム二次電池用正極活物質及びその製造方法
KR100639060B1 (ko) 스피넬형 망간산리튬의 제조방법
JPH08171935A (ja) リチウム二次電池
JP3048352B1 (ja) マンガン酸リチウムの製造方法
JP2003081639A (ja) マンガン含有層状リチウム−遷移金属複合酸化物及びその製造方法
JP4017208B2 (ja) コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウムもしくはマンガン酸リチウムの製造方法
CN111740097B (zh) 一种六方棱柱形铌酸钛负极材料及其制备方法
CN109728279A (zh) 一种高镍三元正极材料的表面处理方法及产品和电池
WO2013125798A1 (ko) 리튬 이차전지용 양극 활물질의 제조 방법
JP2005255433A (ja) リチウム電池用リチウム遷移金属酸化物
JP4306868B2 (ja) スピネル型マンガン酸リチウムの製造方法
JPH04198028A (ja) リチウムマンガン複合酸化物の製造方法及びその用途
JP4473362B2 (ja) スピネル型マンガン酸リチウムの製造方法
JP2000128540A (ja) マンガン酸化物及びその製造方法、並びにマンガン酸化物を用いたリチウムマンガン複合酸化物及びその製造方法
JP4519959B2 (ja) リチウム二次電池用正極材料

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061002

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070703

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070814

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070906

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070918

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100928

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100928

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110928

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110928

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110928

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110928

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120928

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120928

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130928

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130928

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees