JPH103540A - ボケマスク生成方法 - Google Patents

ボケマスク生成方法

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JPH103540A
JPH103540A JP8155875A JP15587596A JPH103540A JP H103540 A JPH103540 A JP H103540A JP 8155875 A JP8155875 A JP 8155875A JP 15587596 A JP15587596 A JP 15587596A JP H103540 A JPH103540 A JP H103540A
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filter
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iir filter
signal
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JP8155875A
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Toru Matama
徹 真玉
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボケマスク生成における周辺画素の異常をな
くし、各走査の最初から適正なボケマスク画像を得て、
その後のボケマスクを使用した画像処理により品質の良
い最終画像が得られるようにする。 【解決手段】 デジタル画像信号に対してIIR型フィ
ルタによりフィルタリング処理を施して画像のボケ画像
信号を作成する際、IIRフィルタの初期値を画像の最
周辺画素の画像データに基づいて設定する。入力x
(n)から出力y(n)を得るフィルタ回路において、
初期値w(−1)を使って最周辺画素についてボケマス
ク信号を生成するときと、2つ目の画素からの演算のた
めに前の値w(n)を使用する通常動作のときとを、セ
レクタで切り替えるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はボケマスクの生成方
法、特にボケマスクの生成方法に使用するフィルタの初
期値を設定する方法に関し、特に写真画像の画像処理に
使用されるボケマスクの生成用IIRフィルタ初期値設
定方法に関するものである。さらに詳しくは、本発明は
写真や印刷物等の反射原稿、ネガフイルム、リバーサル
フイルム等の透過原稿に担持されるカラー画像から得ら
れる画像信号を可視像として表示するための画像再生方
法において、例えば覆い焼き処理に使用されるボケマス
クの生成用IIRフィルタの初期値設定に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、ネガフイルム、リバーサルフイル
ム等の写真フイルム(以下、フイルムとする)や印刷物
等に記録された画像情報を光電的に読み取って、読み取
った画像をデジタル信号とした後、種々の画像処理を施
して記録用の画像情報とし、この画像情報に応じて変調
した記録光によって印画紙等の感光材料を走査露光して
プリントするデジタルフォトプリンタの開発が進んでい
る。
【0003】デジタルフォトプリンタは、複数画像の合
成や画像の分割等の編集や、文字と画像との編集等のプ
リント画像のレイアウトや、色/濃度調整、変倍率、輪
郭強調等の各種の画像処理も自由に行うことができ、用
途に応じて自由に編集および画像処理したプリントを出
力することができる。また、従来の面露光によるプリン
トでは、感光材料の再現可能濃度域の制約のため、フイ
ルム等に記録されている画像濃度情報をすべて再生する
ことはできないが、デジタルフォトプリンタによればフ
イルムに記録されている画像濃度情報をほぼ100 %再生
したプリントが出力可能である。
【0004】このようなデジタルフォトプリンタは基本
的に、フイルム等の原稿に記録された画像を読み取る読
取手段、読み取った画像を画像処理して後の露光条件を
決定し、決定された露光条件に従って感光材料を走査露
光して現像処理を施したり、モニタに表示したりする画
像再生手段より構成される。
【0005】フイルム等に記録された画像の読取装置に
おいては、例えばスリット走査による読取りでは、1次
元方向に延在するスリット状の読取光をフイルムに照射
するとともに、フイルムをこの1次元方向と略直交する
方向に移動(あるいは読取光と光電変換素子とを移動)
することにより、フイルムを2次元的に走査する。フイ
ルムを透過したフイルム画像を担持する透過光は、CC
Dラインセンサ等の光電変換素子の受光面上に結像し
て、光電変換されて読み取られる。読み取られた光量デ
ータは増幅され、A/D変換によりデジタル信号とさ
れ、各CCD素子による特性のバラツキの補正、濃度変
換、倍率変換等の各種の画像処理が施されて、再生手段
に転送される。
【0006】再生手段においては、転送された画像情報
を、例えばCRT等のディスプレイに可視像として再生
する。オぺレータは、再生画像を見て、必要であればこ
の再生画像に階調補正や色/濃度補正等の補正をさらに
加え(セットアップ条件の設定)、再生画像が仕上りプ
リントとして合格(検定OK)であれば、記録用の画像
情報として現像手段やモニタに転送する。
【0007】画像再生装置においては、ラスタースキャ
ン(光ビーム走査)による画像記録を利用するものであ
れば、感光材料に形成される3原色の感光層、例えば
R、GおよびBの3色の露光に対応する3種の光ビーム
を、記録用の画像情報に応じて変調して主走査方向(前
記1次元方向に対応)に偏向すると共に、この主走査方
向と略直交する方向に、感光材料を副走査搬送する(偏
向された光ビームと感光材料とを相対的に副走査する)
ことにより、記録画像に応じて変調された光ビームによ
って感光材料を2次元的に走査露光して、読み取ったフ
イルムの画像を感光材料に記録する。
【0008】露光済の感光材料は、次いで感光材料に応
じた現像処理、例えば銀塩写真感光材料であれば、発色
・現像→漂白・定着→水洗→乾燥等の現像処理が施さ
れ、仕上りプリントとして出力される。
【0009】このような感光材料が記録できる被写体の
輝度レンジは比較的広いが、感光材料は最大濃度が制限
されているため、通常のプリント方法では輝度差が大き
いシーンのプリントは明るい部分(明部)あるいは暗い
部分(暗部)のどちらかがつぶれてしまう傾向がある。
例えば、人物を逆光で撮影したような場合、人物が明瞭
となるようにプリントすると、空のような明るい部分は
白くとんでしまい、空のような明るい部分が明瞭となる
ようにすると人物が黒くなってつぶれてしまう。この問
題を解決するために、覆い焼きやマスキングプリントと
いうような方法が用いられている。
【0010】覆い焼きはシーンの中の中間的な濃度の領
域には通常の露光を与え、プリント上で白くとびそうな
領域に孔あき遮蔽板を使って選択的に長時間露光を与え
たり、プリント上で黒くつぶれそうな領域には遮蔽板を
用いて選択的に露光時間を短くすることにより、個々の
被写体のコントラストは維持し、かつ明部・暗部のつぶ
れのないプリントを得るというものである。このように
局部的に露光時間を制御する遮蔽板として、原画フイル
ムのネガポジを反転したボケ画像を写真的に作成したも
のを用いて、原画フイルムとボケ画像フイルムとを重ね
てプリントを行う方法が提案されている。
【0011】また、写真原画の照明光源の明るさを部分
的に変化させることにより、覆い焼きと同様の効果を得
ることができるマスキングプリント方法も提案されてい
る(例えば特開昭58-66929号、特開昭64-35542号、特公
昭64-10819号)。
【0012】特開昭58-66929号には、CRTを照明光源
にして、メモリスキャンにより原画を測光してカラー原
画のボケマスクデータを作成し、露光モードにおいては
このボケマスクデータによりCRTの発生を制御して、
原画が確実に感光材料のコントラスト再現限界に記録さ
れるようにコントラストの制御を行う装置が記載されて
いる。
【0013】また、特開昭64-35542号には、CRTを照
明光源とし、原画を測光する光路と感光材料に露光する
光路とを切り換え可能にしておき、再生される画像の階
調補正と彩度補正を行うための露光時のCRTの輝度制
御信号を原画の測光データに基づいて作成するととも
に、再生画像をモニタに表示するための信号を生成し、
これを観察してCRTからの光量を制御して所望とする
再生画像が得られるようにした装置が記載されている。
【0014】さらに、特公昭64-10819号には、均一な面
光源と原画との間に液晶のような光の透過率を部分的に
変化させることができるマトリクスデバイスを配置し、
原画の測光データに基づいてこの液晶の透過率を制御し
て再生画像のコントラストを調整することができるよう
にした装置が記載されている。
【0015】一方、再生時のグレーバランスを補正する
ために、原画上の各色ごとに濃度値の最大、最小値が再
生画像上でそれぞれ予め設定された一定の値になるよう
に変換する方法が提案されている(特開平6-242521
号)。この方法は階調の制御をフイルムのコマごとに行
うことができるため、輝度差が大きいシーンでは画像全
体の階調を軟調化してシーンの輝度レンジが感光材料の
ダイナミックレンジ内に収まるようにして明部および暗
部のつぶれをなくすようにしたものである。
【0016】上述した覆い焼きやマスキングプリントを
行う方法においては、再生される画像に関係なく用意さ
れる遮蔽板を操作するために、極めて高度な技術を必要
とし、またボケ画像フイルムを作成するためには相当の
手間がかかっている。
【0017】また、上述した特開昭58-66929号、特開昭
64-35542号、特公昭64-10819号においては、ある程度大
きな構造物のコントラストは照明光源の輝度分布により
調整することにより再生することはできるが、再生画像
の局所的な構造は原画フイルムの投影像に対応している
ため、エッジ部も含めた色再現、エッジの鮮鋭度、ある
いは原画のオーバー、アンダー部などの階調を自由にコ
ントロールできないという欠点がある。
【0018】さらに特開昭58-66929号、特開昭64-35542
号、特公昭64-10819号のそれぞれに記載された装置にお
いては、測光および露光のための処理がシーケンシャル
に行われるため処理能力が遅く、また測光時と露光時と
で原画の移動量がずれた場合にプリントされる像が乱れ
るという問題がある。また、液晶を用いる特公昭64-108
19号においては、液晶の透過率は最大30%程度であるた
め露光時間が長くなってしまう。さらに、CRTの管面
はガラスで覆われておりガラスの内側が光るようになっ
ているものである。このためCRTの管面にフイルムを
密着させてもCRTの光っている面とフイルムとの間に
は実質的に隙間ができることとなる。このため測光デー
タを表示する特開昭64-35542号においては、測光時にC
RT発光面とフイルム面との間の隙間により、測光結像
系にボケが生じて鮮明なモニタ画像を得ることができな
いという問題がある。
【0019】また、特開平6-242521号においては、明部
および暗部のつぶれをなくすことはできるものの、個々
の被写体のコントラストが弱くなり、めりはりのないプ
リント像になってしまうという問題がある。
【0020】このため、カラー画像中の空間周波数が低
い構造物のみを表すボケ画像信号をデジタル画像信号か
ら減算することにより差信号を得、得られた差信号に対
し、濃度、彩度および/または階調を変化させる処理を
施し、この処理が施された差信号を可視像として再生手
段に再生することにより、原画像全体のコントラストが
強い場合であっても、画像全体のコントラストを弱め、
かつ画像中の明部および暗部内の細かなコントラストを
残し、明部および暗部の双方の画像がつぶれることをな
くした画像再生方法が提案されている(特開平2-226375
号、特願平7-165965号)。
【0021】このような画像再生方法においては、画像
信号に対してローパスフィルタによりフィルタリング処
理を施して、ボケ画像信号を作成するようにしている
が、ローパスフィルタのサイズが小さすぎると、得られ
る処理済画像の鮮鋭度が不自然に強調されたようになっ
てしまい、前述した覆い焼きを行うのと同様の効果が得
られないため、ある程度の大きさのフィルタ(例えば10
0×100程度)によりフィルタリング処理を行うようにし
ている。しかしながら、このローパスフィルタによりボ
ケ画像信号を作成する場合、画像の垂直方向に対しても
処理を行うことが必要であるため、ボケ画像信号を作成
する際のラインメモリの数がマスクサイズ−1個必要と
なり(例えば、フィルタサイズが100 ×100 の場合、99
個のラインメモリが必要となる)、処理を行うための装
置が大型化していた。
【0022】そこで、装置を大型化することなくダイナ
ミックレンジ圧縮処理を行い、高画質のプリント画像を
得るため、IIRフィルタによりフィルタリング処理を
施してボケ画像信号を得、そのボケ画像信号に基づいて
画像信号にダイナミックレンジ圧縮処理を施した後に可
視像を得る方法が提案されている。(本願出願人による
特願平7-337509号参照)
【0023】
【発明が解決しようとする課題】このような、IIRフ
ィルタを用いてボケマスクを生成する方法においては、
画像の周辺画素についてボケマスク画像のデータが異常
になる(異常な画素は使用できないので「けられ」画素
として未使用にしなければならない)という問題があ
る。特に大きなボケを発生させるローパスフィルタ(L
PF)では、周辺画素の「けられ」が大きくなり、最終
画像は、原画像に対して周辺画素がけられた小さなサイ
ズの画像になる、あるいは異常な周辺画素を使用した場
合は、品質を落とすことになる。
【0024】これは、周辺画素、特に各走査ラインの始
点においては、それより前の画素についてのデータがな
いため、走査の最初の画素から数画素については異常な
値となってしまうことに起因している。
【0025】本発明は、ボケマスク生成におけるこのよ
うな異常な周辺画素の発生をなくし、各走査の最初から
適正なボケマスク画像を得て、その後のボケマスクを使
用した画像処理により品質の良い最終画像が得られるよ
うにするボケマスク生成方法を提供することを目的とす
るものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明によるボケマスク
生成方法は、 デジタル画像信号に対してIIRフィル
タによりフィルタリング処理を施して、ボケ画像信号を
作成する方法において、前記IIRフィルタの初期値を
前記画像の最周辺画素の画像データに基づいて予め設定
することを特徴とするものである。
【0027】ここで前記IIRフィルタの初期値は、最
周辺画素の画像データと、IIRフィルタの特性によっ
て決まる定数との積とすることができる。また、そのI
IRフィルタは、零位相型IIRフィルタでもよいし、
ローパス型IIRフィルタとオールパス型IIRフィル
タとをカスケード接続してなるものとしてもよい。
【0028】IIRフィルタとは、Infinite Impulse R
esponse filterのことで、フィルタリング処理を行うた
めのシステムの周波数特性をH(ejw)としたとき、こ
のシステムの群遅延特性は以下の式(1)により定義さ
れる。
【0029】 群遅延特性τ(ejw)=−d{ arg[ H(ejw) ]}/dw (1) 但し、wは角周波数 通常のボケマスクフィルタはFIR(Finite Impulse R
esponse )フィルタであり、FIRフィルタは全周波数
帯域において、群遅延特性が平坦となる。これに対して
IIRフィルタは、後述するようなフィードバック処理
を行うことにより極めて短い重み系列でありながら、長
い重み系列を有するフィルタと等価の処理を行うことが
できる。IIRフィルタは一般に群遅延特性が平坦とな
らず、処理された信号に対して位相歪みが発生してしま
うが、ある振幅特性を有するIIR型のローパスフィル
タにIIR型のオールパスフィルタをカスケード接続す
ることによって、ローパスフィルタ通過帯域での群遅延
特性を平坦化することが可能である。(Oppenheim & Sc
hafer ,”Digital Signal Processing ”,p235,Fig.
5.29参照) また、IIRフィルタの位相歪みの問題を解決するため
に、画像信号に対してフィルタリング処理を2回行う方
法が提案されている(河田聡,南茂夫、”科学計測のた
めの画像データの処理”、p166)。この方法は、1回目
は画像の右から左へ、2回目は画像の左から右へ巡回す
るようにフィルタリング処理を行うものである。このと
き、IIRフィルタのインパルス応答は、左右対称関数
となり、そのフーリエ変換が実関数となって位相特性を
持たなくなり、これにより位相歪みの問題を解決するこ
とができる。なお、画像に対しては一方向のみでなく、
上下左右のすべての方向に対してフィルタリング処理を
行うことにより、フィルタリングの方向性を持たないよ
うにすることができる。
【0030】
【発明の効果】本発明によるボケマスク生成方法は、I
IRフィルタの初期値を画像の最周辺画素の画像データ
に基づいて設定するようにしたから、周辺画素について
もこの初期値によって正常な値が得られ、ボケマスク生
成における異常な周辺画素の発生をなくし、各走査の最
初から適正なボケマスク画像を得ることができる。した
がって、その後のボケマスクを使用した画像処理により
「けられ」を発生させることなく品質の良い最終画像が
得られるようになる。
【0031】なお、ボケ画像信号を作成する際のフィル
タをIIRフィルタとすることにより、フィルタリング
処理を行う際の重み系列を短くすることができ、これに
よりボケ画像信号を作成するための手段の構成を小型化
することができる。
【0032】また、ローパス型IIRフィルタとオール
パス型IIRフィルタとをカスケード接続してIIRフ
ィルタを構成することにより、ローパス型のIIRフィ
ルタのみを用いることによる処理済信号への位相歪みの
発生を防止することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。
【0034】図1は本発明によるボケマスク生成方法を
実施する対象となる画像再生装置を表す図である。図1
に示すように、この画像再生装置1は、画像読取部1A
と、画像処理部1Bとからなる。画像読取部1Aは、光
源2と、光源2からの光量を調整するための調光部3
と、光源2からの光をRGBの3色に変換するためのR
GBフィルタ4と、RGBフィルタ4を透過した光を拡
散させてフイルム6に照射するためのミラーボックス5
と、フイルム6を透過した光をエリアタイプのCCD8
に結像させるためのレンズ7とからなるものである。な
お、画像読取方式はエリアタイプのCCDの代わりに、
ラインセンサを相対的に移動する方式でも、ドラムスキ
ャナのようにスポット測光する方式でもよい。なお、画
像読取部1Aにおいては、CCD8の検出間隔を比較的
粗くして先読画像信号SP を得る先読みと、この先読み
の後にCCD8の検出間隔を比較的細かくして本読画像
信号SQ を得る本読みとを行うものである。
【0035】一方、画像処理部1Bは、CCD8におい
て検出されたRGB3色の画像信号を増幅するためのア
ンプ10と、増幅された画像信号をデジタル画像信号にA
/D変換するためのA/D変換手段11と、デジタル画像
信号を濃度信号に変換するためのルックアップテーブル
(LUT)12と、濃度変換されたデジタル画像信号をR
GBの色ごとに記憶するフレームメモリ13R,13G,13
Bと、プレスキャンを行う場合に先読画像信号をRGB
の色ごとに記憶するフレームメモリ14R,14G,14B
と、デジタル画像信号に対して後述するようなグレイバ
ランス、明るさ補正および階調補正を行うLUT15と、
LUT15により処理がなされた画像信号を後述する感光
材料上で適切な色に再現されるような色の信号となるよ
うに補正するマトリクス(MTX)16と、MTX16によ
り補正された信号を明暗信号に変換するためのMTX17
と、明暗信号をボケ画像信号とするためのローパスフィ
ルタ(LPF)18と、ボケ画像信号のダイナミックレン
ジを圧縮することにより大面積コントラストを調整する
ためのボケ画像信号を得るLUT19と、オリジナルの画
像信号と処理済画像信号との加算を行なって加算信号S
add を得る加算手段20と、加算信号Sadd のコントラス
ト(すなわち大面積コントラストおよび局所的コントラ
スト)を補正する、すなわち階調処理を行うためのLU
T21と、コントラストが補正された信号をD/A変換す
るためのD/A変換手段22と、先読画像信号SP の階調
を補正するためのLUT23と、LUT23により階調が補
正された先読画像信号SP をD/A変換するためのD/
A変換手段24と、D/A変換がなされた先読画像信号S
P を可視像として再生するためのCRT25と、CRT25
に表示された画像の最終的なパラメータを設定するため
に画像を操作するためのマウス26と、先読画像信号SP
から後述するようにヒストグラムを算出し、このヒスト
グラムに基づいて、LUT15,19,21,23を調整するた
めのパラメータを設定するオートセットアップアルゴリ
ズム27からなるものである。
【0036】ここで、LUT12は原画像に存在する濃度
域を飽和させずに変換する透過率−濃度変換テーブルで
ある。LUT15は、グレイバランス、明るさ補正および
階調補正を行うものであり、図2(a)に示すようなグ
レイバランス調整テーブル、図2(b)に示す明るさ補
正テーブルおよび図2(c)に示すγ補正テーブルがカ
スケード接続されてなるものである。LUT19は、図3
(a)〜(e)に示すような所定の傾きαを有するダイ
ナミックレンジ圧縮テーブルが記憶されてなるものであ
る。なお、ここでαは負の値をとるものである。このダ
イナミックレンジ圧縮テーブルは後述するように先読画
像信号SP に基づいて算出されるものである。LUT21
は図4に示すように非線形の階調変換テーブルとなって
おり、入力される信号と再生画像との関係を表すものと
なっている。LUT23は図5に示すように線形の階調変
換テーブルデータを記憶するものである。この階調変換
テーブルデータの傾きは、1+αとなっている。
【0037】一方、MTX16は読み取られた画像信号を
適切な色に仕上げるためのマトリクスであり、フイルム
6が有する分光特性と最終的に画像が再生される感光材
料の分光特性との組合わせで適切な色に再現されるよう
に画像信号を補正するものである。また、MTX17は、
RGBのカラー画像信号を明暗信号に変換するものであ
り、RGBの各画像信号の平均値の3分の1、あるいは
YIQ規定などを用いてカラー画像信号を明暗信号に変
換するものである。
【0038】また、LPF18は、画像信号を2次元的に
ぼかすためのフィルタリング処理を行うものであり、図
6(a)に示すように、順方向に除算器があり、フィー
ドバック方向に遅延回路が設けられた零位相型IIR型
のローパスフィルタでもよいし(この場合、上下左右の
4パス方式とするのが望ましい)、図6(b)に示すよ
うな2つの遅延回路が設けられたIIR型のオールパス
フィルタをIIR型のローパスフィルタと接続したもの
でもよい。すなわち、図7に示すように原画像の水平方
向と垂直方向とで分離可能なシステム関数を有し、m段
のIIR型のローパスフィルタHLPF とn段のIIR型
のオールパスフィルタHapi (i=1〜n)とをカスケ
ード接続することにより構成したものとしてもよい。こ
の場合、水平方向のシステム関数をH1(z1)、垂直
方向のシステム関数をH2(z2)とすると、両フィル
タを接続したフィルタのシステム関数は、 H(z1,z2)=H1(z1)・H2(z2) (2) で表すことができる。このとき、ローパスフィルタはす
べて同一の特性を有するものであるのに対し、オールパ
スフィルタは各段ごとに異なる特性のものを用いる。
【0039】図6(a)および図6(b)に示すフィル
タの特性のうち、零点と極の配置を図8(a),(b)
にそれぞれ示す。ローパスフィルタの特性はフィルタ係
数αが1に近いほどカットオフ周波数が低周波側とな
る。一方、オールパスフィルタは、振幅特性が全周波数
において1.0であり、位相特性のみを有するものであ
る。ここで、位相特性は極および零点の配置により決定
される。
【0040】次いで、LPF18におけるフィルタの設計
手順について説明する。まず、ローパスフィルタの振幅
特性の使用を満たすように、HLPF の特性を最適化す
る。具体的には、図6,8におけるフィルタ係数αおよ
びmの値を最適化する。その後、ローパスフィルタおよ
びオールパスフィルタのトータルの群遅延特性が平坦と
なるように、オールパスフィルタの段数nと各段の極お
よび零点の配置を最適化する。
【0041】このように最適化を行うことにより得られ
た群遅延特性を図9に示す。トータルの群遅延特性にお
いて、僅かなリップルが残っているが、実用的には問題
のない群遅延特性が得られる。なお、図9においては、
オールパスフィルタの段数nは4である。ここで、段数
nが少ない場合には、リップルが大きくなりすぎて画質
が低下するという問題がある。一方、段数nを大きくす
ると、リップルは減少するが、装置の規模が大きくなっ
てしまう。そこで、段数nは3〜6であることが好まし
い。
【0042】ここで、LPF18における垂直方向にフィ
ルタリング処理を行う回路の具体適応性を図10(a),
(b)に示す。図10(a)に示すように一次IIR型の
ローパスフィルタHLPF (z2)は1ライン遅延メモリ
を1つ含む。また、図10(b)に示すようにオールパス
フィルタHapi (z2)は、1ライン遅延メモリを2つ
含む。したがって、HLPF がm段、Hapi がn段の場
合、1ライン遅延メモリの数はm+2n個となる。例え
ば、m=2、n=4の場合、1ライン遅延メモリの数は
10個となり、同一の処理をFIRフィルタにより行う
場合と比較して、遅延メモリの数を大幅に減少させるこ
とができ、装置の規模を小型化することができることと
なる。
【0043】次に、本発明によるボケマスク生成方法に
おける初期値設定方法の実施の形態について説明する。
【0044】本発明によるボケマスク生成用IIRフィ
ルタの初期値設定方法は、入力画像信号の最周辺画素値
にフィルタ特性で決まる定数を掛けたものを初期値とす
るものであり、図6(a)に示すIIRフィルタを左右
上下に4回かける零位相型IIRフィルタでは、周波数
特性Hw(Z)のDCゲインがフィルタ特性で決まる定
数となる。ここでHw(Z)のDCゲインは|Hw(e
j0)|で1/(1−α)に等しいから、例えばフィルタ
特性αが15/16であるとき、|Hw(ej0)|は1
6となる。したがって、初期値のw(−1)は16・x
(0)と設定される。このように初期値を設定してか
ら、実際のボケマスクの信号を得る演算を行なう。これ
により、最周辺画素から順次水平方向にボケマスクの信
号を得る演算が、次のように行なわれる。
【0045】初期値:w(−1)=16・x(0) 演算: w(0)=x(0)+ αw(−1) この出力:y(0)=(1/16)w(0) 次画素の演算:w(1)=x(1)+ αw(0) この出力y(1)=(1/16)w(1) このようなフィルタの回路図を図11に示す。この回路
は入力x(n)から出力y(n)を得るフィルタ回路
で、フリップフロップを通して出力された信号をセレク
タを通してからフィードバック回路に送るようにしてお
り、セレクタにより、初期値を使ってボケマスク信号を
生成するときと、通常動作のときとを0,1のコントロ
ール信号で切り替えるようにしている。例えばボケマス
ク信号を生成するときは0、通常動作のときは1のコン
トロール信号でセレクタを切り替えて、初期値w(−
1)を前述のようにフィルタ特性を使って別に設定した
ときと、2つ目の画素からの演算のために前の値w
(n)を使用するときとを切り替えている。
【0046】次に、第2の実施の形態として、m段のI
IR型のローパスフィルタHLPF とn段のIIR型のオ
ールパスフィルタHapi (i=1〜n)とをカスケード
接続することにより構成したものの場合について説明す
る。
【0047】零位相型1次IIR型フィルタは図6
(a)のものと同じであり、オールパスフィルタとして
図6(b)に示すフィルタを使用する。このオールパス
フィルタの周波数特性Hwapi(Z)のDCゲインは|H
wapi(ej0)|で、これをKi とおいて初期値をw(−
1)=w(−2)=Ki・x(0)と設定した後、実際
の演算を行う。
【0048】例えば、図12に示すような、水平方向に
x(0,0),x(0,1)...x(0,NH-1)、
垂直方向にx(0,0),x(1,0)...x(N
V-1,0)の画素からなる画像を対象とした場合、垂直
方向の1ライン遅延メモリの初期値は、最上ラインの画
像データによって設定し、オールパスフィルタで w(−1,j)=K・x(0,j) w(−2,j)=K・x(0,j) (ここでj=0,1,...,NH-1)であり、1次I
IR型フィルタで w(−1,j)=16・x(0,j) である。
【0049】また、水平方向の初期値は最左画像データ
によって設定し、オールパスフィルタで w(−1)=K・x(i,0) w(−2)=K・x(i,0) (ここでi=0,1,...,NV-1)であり、1次I
IR型フィルタで w(−1)=16・x(i,0) である(図10参照)。
【0050】このシステムを用いたときは、図7に示す
ようにm段のIIR型のローパスフィルタHLPF とn段
のIIR型のオールパスフィルタHapi (i=1〜n)
とをカスケード接続して、それぞれ水平方向と垂直方向
について処理をするが、まず最初に垂直方向についての
初期値を設定し、次いで0ライン目について水平方向に
ついての初期値を設定した後,0ライン目について通常
動作を行い、次に1ライン目について水平方向について
の初期値を設定した後1ライン目について通常動作を行
い、これを2,3...ライン目について繰り返し、最
後に最終ラインについて水平方向についての初期値を設
定した後1ライン目について通常動作を行なって、1画
像についてのボケマスク生成を終了する。
【0051】本発明によるボケマスク生成方法は、この
ようにIIRフィルタの初期値を水平方向は最左画像デ
ータによって設定し、垂直方向はそれぞれ対応する最上
ラインのライン画像データによって設定するようにした
から、周辺画素についてもこの初期値によって正常な値
が得られ、ボケマスク生成における異常な周辺画素の発
生をなくすことができる。その結果、「けられ」を発生
することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるボケマスク生成方法を実施する対
象となる画像再生装置を表す図
【図2】LUT15において行われるグレイバランス調
整、明るさ補正、階調変換のテーブルを表す図
【図3】LUT19において行われるダイナミックレンジ
圧縮処理を行うためのテーブルを表す図
【図4】LUT21において行われる階調変換を行うため
のテーブルを表す図
【図5】LUT23において行われる階調変換を行うため
のテーブルを表す図
【図6】IIRフィルタの基本的構成を表す図
【図7】LPF18の構成の実施の形態を表す図
【図8】IIRフィルタの特性を表す図
【図9】IIRフィルタの群遅延特性を表す図
【図10】垂直方向のボケマスク処理をフィルタごとに
示す図で、(a)IIRフィルタによる処理を表す図,
(b)オールパスフィルタによる処理を表す図
【図11】1次IIR型フィルタの具体的構成を表す図
【図12】ボケマスク処理の対象となる画像の例を示す
【符号の説明】
2 光源 3 調光部 4 RGBフィルタ 5 ミラーボックス 6 フイルム 7 レンズ 8 CCD 10 アンプ 11 A/D変換器 15,19,21,23 LUT 13R,13G,13B,14R,14G,14B フレームメモ
リ 16,17 MTX 18 ローパスフィルタ(LPF) 20 加算手段 22,24 D/A変換器 25 モニタ 26 マウス 27 オートセットアップアルゴリズム 30 IIR型ローパスフィルタ 31 フレームメモリ 32 コントローラ 100 現像部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像を表すデジタル画像信号に対してI
    IRフィルタによりフィルタリング処理を施して、前記
    画像のボケ画像を表すボケ画像信号を作成する方法にお
    いて、前記IIRフィルタの初期値を前記画像の最周辺
    画素の画像データに基づいて設定することを特徴とする
    ボケマスク生成方法。
  2. 【請求項2】 前記IIRフィルタの初期値を、最周辺
    画素の画像データと、IIRフィルタの特性によって決
    まる定数との積とすることを特徴とする請求項1記載の
    ボケマスク生成方法。
  3. 【請求項3】 前記IIRフィルタが、零位相型IIR
    フィルタであることを特徴とする請求項1または2記載
    のボケマスク生成方法。
  4. 【請求項4】 前記IIRフィルタが、ローパス型II
    Rフィルタとオールパス型IIRフィルタとをカスケー
    ド接続してなるものであり、 水平方向処理の初期値は、最左画像データによって設定
    し、 垂直方向処理のラインメモリの初期値は、それぞれ対応
    する最上ラインのライン画像データによって設定するこ
    とを特徴とする請求項1、2または3記載のボケマスク
    生成方法。
JP8155875A 1996-06-17 1996-06-17 ボケマスク生成方法 Withdrawn JPH103540A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009515467A (ja) * 2005-11-04 2009-04-09 オートリブ ディベロップメント エービー 画像の改善

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Effective date: 20030902