JP3625370B2 - 画像処理方法および画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はフィルムに撮影された画像を光電的に読み取り、この画像が再現されたプリント(写真)を得るデジタルフォトプリンタ等においてレンズ付フィルムや安価なコンパクトカメラ等で撮影された画像で発生する倍率色収差や歪曲収差を補正する画像処理方法および画像処理装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
現在、ネガフィルム、リバーサルフィルム等の写真フィルム(以下フィルムとする)に撮影された画像の感光材料(印画紙)への焼き付けは、フィルムの画像を感光材料に投影して感光材料を面露光する、いわゆる直接露光(アナログ露光)によって行われている。
【0003】
これに対し、近年ではデジタル露光を利用する焼付装置、すなわちフィルムに記録された画像を光学的に読み取って、読み取った画像をデジタル信号とした後種々の画像処理を施して記録用の画像データとし、この画像データに応じて変調した記録光によって感光材料を走査露光して画像(潜像)を記録し、(仕上り)プリントとするデジタルフォトプリンタが実用化された。
【0004】
デジタルフォトプリンタでは、画像をデジタルの画像データとして、画像データ処理によって焼付時の露光条件を決定することができるので、逆光やストロボ撮影等に起因する画像の飛びやツブレの補正、シャープネス(鮮鋭化)処理、周辺光量不足の補正等を好適に行って、従来の直接露光では得られなかった高品位なプリントを得ることができる。しかも複数画像の合成や画像分割、更には文字の合成等も画像データ処理によって行うことができ、用途に応じて自由に編集/処理したプリントも出力可能である。しかも、デジタルフォトプリンタによれば、画像をプリント(写真)として出力するのみならず、画像データをコンピュータ等に供給したり、フロッピーディスク等の記録媒体に保存しておくこともできるので、画像データを、写真以外の様々な用途に利用することができる。
【0005】
この様なデジタルフォトプリンタは、基本的に、フィルムに記録された画像を光電的に読み取るスキャナ(画像読取装置)、読み取った画像を画像処理して記録用の画像データ(露光条件)とする画像処理装置、及びこの画像データに応じて感光材料を走査露光して現像処理を施してプリントするプリンタ(画像記録装置)より構成される。
【0006】
スキャナでは光源から射出された読取光をフィルムに入射して、フィルムに撮影された画像を担持する投影光を得て、この投影光を結像レンズによってCCDセンサ等のイメージセンサに結像して光電変換することにより画像を読み取り、必要に応じて各種の画像処理を施した後に、フィルムの画像データ(画像データ信号)として画像処理装置に送る。
画像処理装置はスキャナによって読み取られた画像データから画像処理条件を設定して、設定した条件に応じた画像処理を画像データに施し、画像記録の為の出力画像データ(露光条件)としてプリンタに送る。
プリンタでは、例えば光ビーム走査露光を利用する装置であれば、画像処理装置から送られた画像データに応じて光ビームを変調して感光材料を二次的に走査露光(焼付け)して、潜像を形成させ、次いで所定の現像処理等を施してフィルムに撮影された画像が再生されたプリント(写真)とする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、プリントに再生された画像の画質劣化の原因として、画像を撮影したカメラに装着されるレンズの性能に起因する倍率色収差および歪曲収差が挙げられる。
カラー画像は、赤(R)、緑(G)および青(B)の3原色によって形成されるが、レンズの屈折率(結像倍率)は波長によって微妙に異なるため、R、GおよびBの光の結像倍率が異り、すなわち倍率色収差が生じる。その結果、フィルムに撮影された画像を再生すると、得られた画像に色ずれが生じてしまう。
また、良好な撮影画像を得るためには、光軸に対して垂直な平面は、結像面でそれに対応して結像される必要があるが、通常のレンズでは、結像位置が光軸方向にズレを生じ、結像画像に歪(ディストーション)すなわち歪曲収差を生じる。そのため、フィルムに撮影された画像を再生すると、得られた画像が歪んだものとなってしまう。
【0008】
一眼レフ等の様にある程度のコストを掛けられるカメラであれば、精度の高いレンズを用い、さらに複数枚のレンズを組み合わせることにより、倍率色収差や歪曲収差等の各種の収差を補正してフィルムに適正画像を撮影することができる。しかしながら、レンズ付フィルムやコンパクトカメラ等ではレンズにコストを掛けることができないため、フィルムに撮影された画像に倍率色収差、歪曲収差が生じてしまう。その結果、プリントとして再生された画像が歪を有するものとなってしまう。
【0009】
このように倍率色収差や歪曲収差などの収差のあるフィルム画像を図7に示す従来のデジタルフォトプリンタで仕上がりプリントとして出力する場合、スキャナでフィルム画像をスキャンして高解像度のファインスキャン画像データとして読み取り、得られたファインスキャン画像データに画像処理装置で所定の画像処理やセットアップを施した後に、画像表示することなく、プリンタで仕上がりプリントとして出力しているため、上述した収差が補正されておらず、再生されたプリント画像が色ずれや歪を有するものとなってしまうという問題があった。
また、図7に示す従来のフォトプリンタでは、プリント出力するに先立って、フィルム画像をスキャナでプレスキャンして低解像度のプレスキャン画像データを得、そのままモニタ(画像表示装置)に表示し、あるいは、始めからファインスキャンして高解像度のファインスキャン画像データを得、得られた画像データを間引き、または縮小してモニタ表示しているが、いずれの場合も画像データの倍率色収差や歪曲収差などの収差を補正していないので、モニタ表示画像にも色ずれや歪が生じてしまうという問題がある。
【0010】
そこで、ユーザがモニタ表示画像の色ずれや歪を検定し、倍率色収差や歪曲収差の補正を行うことも考えられるが、これらの収差をモニタ表示画像から的確に検定し、画像データに適切な補正をかけることは、熟練したユーザでも極めて困難であるし、また仮にうまく収差補正ができたとしても、収差補正された画像に後述するいわゆるケラレが発生するため、収差補正によるケラレの範囲を正確に検定することも極めて困難であり、適切に収差が補正されかつ適切なプリントエリアが再生されたプリントを得るために、補正量を少しずつ変えてプリント出力を繰り返すのは極めて面倒であるばかりか、プリントコストを高騰させるという問題があった。
【0011】
発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、レンズ付フィルム等の安価なカメラで撮影された画像であっても、画像処理によって歪曲収差、倍率色収差を補正した歪や色ずれのない画像を画像表示装置に表示するとともに、プリントエリアも同時に表示し、また、プリントエリアと一致する収差補正領域のみを表示し、画像表示装置上で収差補正によるケラレの範囲を明確にし、表示プリントエリア内の表示画像と一致する、また、プリントエリアのみが表示された表示画像と一致する倍率色収差や歪曲収差などの補正処理を行ったプリント画像を再生することのできる画像処理装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、光学的に撮影された画像から第1の画像データを得、得られた第1の画像データに所定の処理を施して、プリント画像として出力する第2の画像データを得るに際し、
前記画像から画像表示装置に表示するための第3の画像データを得、
前記画像を撮影した撮影レンズの情報を取得し、
この撮影レンズの情報から撮影レンズのレンズ特性を得た後、
前記プリント画像としてプリント出力するための前記第1の画像データのみならず、前記画像表示装置に表示するための前記第3の画像データにも、得られた前記レンズ特性と前記撮影画像の画素位置情報とを用いて、倍率色収差補正および歪曲収差補正のいずれか少なくとも1つの補正処理をそれぞれ施して、前記第3の画像データから、前記画像表示装置に表示するための、前記補正処理が施された第4の画像データを得るとともに、前記第1の画像データから、前記プリント画像としてプリント出力するための、前記補正処理が施された第5の画像データを得
前記第4の画像データに基づいて、前記画像表示装置に、前記補正処理によって倍率色収差および歪曲収差の少なくとも1つが補正された補正画像および非撮影画像、または前記補正画像のみを含む矩形画像と、前記プリント画像としてプリント出力されるべき矩形のプリント領域とを、同時に、かつ、前記補正画像および前記プリント領域の少なくとも一方を拡大縮小可能に、表示し、
前記第4の画像データに基づいて前記画像表示装置に表示された前記補正画像および前記矩形のプリント領域の少なくとも一方が拡大または縮小されることにより、前記画像表示装置に表示された前記矩形画像のうち、前記非撮影画像を含まず、画欠けができるだけ少ない補正画像のみが表示されるように設定された前記プリント領域から、このプリント領域内に存在する前記補正画像のみの前記第4の画像データに対応する前記第5の画像データを、前記第2の画像データとして得ることを特徴とする画像処理方法を提供するものである。
また、本発明は、光学的に撮影された画像から第1の画像データを得、得られた第1の画像データに所定の処理を施して、プリント画像として出力する第2の画像データを得るに際し、
前記画像から画像表示装置に表示するための第3の画像データを得、
前記画像を撮影した撮影レンズの情報を取得し、
この撮影レンズの情報から撮影レンズのレンズ特性を得た後、
前記プリント画像としてプリント出力するための前記第1の画像データのみならず、前記画像表示装置に表示するための前記第3の画像データにも、得られた前記レンズ特性と前記撮影画像の画素位置情報とを用いて、倍率色収差補正および歪曲収差補正のいずれか少なくとも1つの補正処理をそれぞれ施して、前記第3の画像データから、前記画像表示装置に表示するための、前記補正処理が施された第4の画像データを得るとともに、前記第1の画像データから、前記プリント画像としてプリント出力するための、前記補正処理が施された第5の画像データを得、
前記第4の画像データに基づいて、前記画像表示装置に、前記補正処理によって倍率色収差および歪曲収差の少なくとも1つが補正された補正画像および非撮影画像、または前記補正画像のみを含む画像のうち、前記プリント画像としてプリント出力されるべき矩形のプリント領域と一致する矩形領域内のみの画像を、拡大縮小可能に、表示し、
前記第4の画像データに基づいて前記画像表示装置に表示された前記矩形領域内の前記補正画像が拡大または縮小されることにより、前記画像表示装置に表示された前記矩形領域内の画像が、前記非撮影画像を含まず、画欠けができるだけ少ない補正画像のみとなるように設定されたときに、前記矩形のプリント領域と一致する前記矩形領域内に存在する前記補正画像のみの前記第4の画像データに対応する第5の画像データを、前記プリント画像としてプリント出力するための第2の画像データとして得ることを特徴とする画像処 理方法を提供するものである。
また、本発明は、光学的に撮影された画像から第1の画像データを得、得られた第1の画像データに所定の処理を施して、プリント画像として出力する第2の画像データを得るに際し、
前記画像から画像表示装置に表示するための第3の画像データを得、
前記画像を撮影した撮影レンズの情報を取得し、
この撮影レンズの情報から撮影レンズのレンズ特性を得た後、
前記プリント画像としてプリント出力するための前記第1の画像データのみならず、前記画像表示装置に表示するための前記第3の画像データにも、得られた前記レンズ特性と前記撮影画像の画素位置情報とを用いて、倍率色収差補正および歪曲収差補正のいずれか少なくとも1つの補正処理をそれぞれ施して、前記第3の画像データから、前記画像表示装置に表示するための、前記補正処理が施された第4の画像データを得るとともに、前記第1の画像データから、前記プリント画像としてプリント出力するための、前記補正処理が施された第5の画像データを得、
前記画像表示装置に、前記第3の画像データに基づく、前記補正処理が施される前の矩形画像と、前記第4の画像データに基づいて前記補正処理によって倍率色収差補正および歪曲収差補正のいずれか少なくとも1つの補正処理が施された補正画像および非撮影画像、または前記補正画像のみに基づいて設定された前記プリント画像としてプリント出力されるべき矩形の第1のプリント領域を、前記第3の画像データに基づいて前記補正処理が施される前に変換して得られた第2のプリント領域とを、同時に、かつ、前記矩形画像および前記第2のプリント領域の少なくとも一方を拡大縮小可能に、表示し、
前記第3の画像データに基づいて前記画像表示装置に表示された、共に前記補正処理が施される前の前記矩形画像および前記第2のプリント領域の少なくとも一方が拡大または縮小されることにより、前記画像表示装置に表示された前記矩形画像のうち、前記補正処理が施された後に前記非撮影画像を含まず、画欠けができるだけ少ない補正画像のみが表示されるように設定される前記第2のプリント領域から、この第2のプリント領域内に存在する画像の前記第3の画像データに前記補正処理をして得られた前記矩形の第1のプリント領域内に存在する前記補正画像のみの前記第4の画像データに対応する前記第5の画像データを、前記第2の画像データとして得ることを特徴とする画像処理方法を提供するものである。
さらに、本発明は、光学的に撮影された第1の画像から第1の画像データを得、得られた第1の画像データに所定の処理を施して、プリント画像として出力する第2の画像データを得るに際し、
前記第1の画像から画像表示装置に表示するための第3の画像データを得、
前記第1の画像を撮影した撮影レンズの情報を取得し、
この撮影レンズの情報から撮影レンズのレンズ特性を得た後、
前記プリント画像としてプリント出力するための前記第1の画像データのみならず、前記画像表示装置に表示するための前記第3の画像データにも、得られた前記レンズ特性と前記撮影画像の画素位置情報とを用いて、倍率色収差補正および歪曲収差補正のいずれか少なくとも1つの補正処理をそれぞれ施して、前記第3の画像データから、前記画像表示装置に表示するための、前記補正処理が施された第4の画像データを得るとともに、前記第1の画像データから、前記プリント画像としてプリント出力するための、前記補正処理が施された第5の画像データを得
前記第3の画像データに基づいて前記補正処理が施される前の第2の画像のうち、前記第4の画像データに基づいて前記補正処理によって倍率色収差補正および歪曲収差補正のいずれか少なくとも1つの補正処理が施された補正画像および非撮影画像、または前記補正画像のみに基づいて設定された前記プリント画像としてプリント出力されるべき矩形の第1のプリント領域を、前記第3の画像データに基づいて前記補正処理が施される前に変換して得られた第2のプリント領域内のみの第2の画像を、拡大縮小可能に、前記画像表示装置に表示し、
前記第3の画像データに基づいて前記画像表示装置に表示された前記第2のプリント領域内の前記第2の画像が拡大または縮小されることにより、前記画像表示装置に表示された前記第2のプリント領域内の前記補正処理が施される前の前記第2の画像が、前記補正処理が施された後に前記非撮影画像を含まず、画欠けができるだけ少ない補正画像のみとなるように設定されたときに、前記第2のプリント領域内に存在する画像の前記第3の画像データに前記補正処理をして得られた前記矩形の第1のプリント領域内に存在する前記補正画像のみの前記第4の画像データに対応する前記第5の画像データを、前記第2の画像データとして得ることを特徴とする画像処理方法を提供するものである。
ここで、上記のいずれかの画像処理方法において、前記非撮影画像を含まず、画欠けができるだけ少ない補正画像は、前記非撮影画像を含まない最大の補正画像であるのが好ましい。
【0013】
また、本発明の第2の態様は、光学的に撮影された画像から画像表示装置に表示するための第3の画像データを得、得られた第3の画像データに基づいて前記画像表示装置に検定用画像として前記撮影画像を表示するとともに、前記撮影画像から第1の画像データを得、得られた第1の画像データに所定の画像処理を施し、プリント画像としてプリント出力する第2の画像データを得る画像処理装置であって、
前記撮影画像を撮影した撮影レンズの情報を取得する取得手段と、
前記撮影レンズの情報に応じて、前記撮影レンズのレンズ特性を記憶する記憶手段と、
前記取得手段が取得した前記撮影レンズの情報に応じて前記記憶手段から対応する前記撮影レンズのレンズ特性を受け取り、前記プリント画像としてプリント出力するための前記第1の画像データのみならず、前記画像表示装置に表示するための前記第3の画像データにも、前記撮影画像の画素位置情報と得られた前記撮影レンズのレンズ特性とから前記撮影画像の倍率色収差および歪曲収差の少なくとも一つの収差それぞれ補正して、前記第3の画像データから、前記画像表示装置に表示するための、前記収差が補正された第4の画像データを得るとともに、前記第1の画像データから、前記プリント画像としてプリント出力するための、前記収差が補正された第5の画像データを得る補正手段を有し、
前記補正手段によって前記第1の画像データを補正して得られたプリント画像出力用の前記第2の画像データを出力するに先立って、前記補正手段によって補正された前記第4の画像データに基づいて、前記補正手段によって前記収差が補正された補正画像および非撮影画像、または前記補正画像のみを含む矩形画像と、前記プリント画像としてプリント出力されるべき矩形のプリント領域とを、同時に、かつ、前記補正画像および前記プリント領域の少なくとも一方を拡大縮小可能に、前記画像表示装置に表示し、
前記第4の画像データに基づいて前記画像表示装置に表示された前記補正画像および前記矩形のプリント領域の少なくとも一方が拡大または縮小されることにより、前記画像表示装置に表示された前記矩形画像のうち、前記非撮影画像を含まず、画欠けができるだけ少ない補正画像のみが表示されるように設定された前記プリント領域から、このプリント領域内に存在する前記補正画像のみの前記第4の画像データに対応する前記第5の画像データを、前記第2の画像データとして得ることを特徴とする画像処理装置を提供するものである。
また、本発明は、光学的に撮影された画像から画像表示装置に表示するための第3の画像データを得、得られた第3の画像データに基づいて前記画像表示装置に検定用画像として前記撮影画像を表示するとともに、前記撮影画像から第1の画像データを得、得られた第1の画像データに所定の画像処理を施し、プリント画像としてプリント出力する第2の画像データを得る画像処理装置であって、
前記撮影画像を撮影した撮影レンズの情報を取得する取得手段と、
前記撮影レンズの情報に応じて、前記撮影レンズのレンズ特性を記憶する記憶手段と、
前記取得手段が取得した前記撮影レンズの情報に応じて前記記憶手段から対応する前記撮影レンズのレンズ特性を受け取り、前記プリント画像としてプリント出力するための前記第1の画像データのみならず、前記画像表示装置に表示するための前記第3の画像データにも、前記撮影画像の画素位置情報と得られた前記撮影レンズのレンズ特性とから前記撮影画像の倍率色収差および歪曲収差の少なくとも一つの収差それぞれ補正して、前記第3の画像データから、前記画像表示装置に表示するための、前記収差が補正された第4の画像データを得るとともに、前記第1の画像データから、前記プリント画像としてプリント出力するための、前記収差が補正された第5の画像データを得る補正手段を有し、
前記補正手段によって前記第1の画像データを補正して得られたプリント画像出力用の前記第2の画像データを出力するに先立って、前記補正手段によって補正された前記第4の画像データに基づいて、前記補正手段によって前記収差が補正された補正画像および非撮影画像、または前記補正画像のみを含む画像のうち、前記プリント画像としてプリント出力されるべき矩形のプリント領域と一致する矩形領域内のみの画像を、拡大縮小可能に、前記画像表示装置に表示し、
前記第4の画像データに基づいて前記画像表示装置に表示された前記矩形領域内の前記補正画像が拡大または縮小されることにより、前記画像表示装置に表示された前記矩形領域内の画像が、前記非撮影画像を含まず、画欠けができるだけ少ない補正画像のみとなるように設定されたときに、前記矩形のプリント領域と一致する前記矩形領域内に存在する前記補正画像のみの前記第4の画像データに対応する第5の画像データを、前記プリント画像としてプリント出力するための第2の画像データとして得ることを特徴とする画像処理装置を提供するものである。
また、本発明は、光学的に撮影された画像から画像表示装置に表示するための第3の画像データを得、得られた第3の画像データに基づいて前記画像表示装置に検定用画像として前記撮影画像を表示するとともに、前記撮影画像から第1の画像データを得、得られた第1の画像データに所定の画像処理を施し、プリント画像としてプリント出力する第2の画像データを得る画像処理装置であって、
前記撮影画像を撮影した撮影レンズの情報を取得する取得手段と、
前記撮影レンズの情報に応じて、前記撮影レンズのレンズ特性を記憶する記憶手段と、
前記取得手段が取得した前記撮影レンズの情報に応じて前記記憶手段から対応する前記撮影レンズのレンズ特性を受け取り、前記プリント画像としてプリント出力するための前記第1の画像データのみならず、前記画像表示装置に表示するための前記第3の画像データにも、前記撮影画像の画素位置情報と得られた前記撮影レンズのレンズ特性とから前記撮影画像の倍率色収差および歪曲収差の少なくとも一つの収差それぞれ補正して、前記第3の画像データから、前記画像表示装置に表示するための、前記収差が補正された第4の画像データを得るとともに、前記第1の画像データから、前記プリント画像としてプリント出力するための、前記収差が補正された第5の画像データを得る補正手段を有し、
前記補正手段によって前記第1の画像データを補正して得られたプリント画像出力用の前記第2の画像データを出力するに先立って、前記第3の画像データに基づく前記補正手段による補正の前の矩形画像と、前記補正手段によって補正された前記第4の画像データに基づいて前記収差が補正された補正画像および非撮影画像、または前記補正画像のみに基づいて設定された前記プリント画像としてプリント出力されるべき矩形の第1のプリント領域を、前記第3の画像データに基づいて前記収差が補正される前に変換して得られた第2のプリント領域とを、同時に、かつ、前記矩形画像および前記第2のプリント領域の少なくとも一方を拡大縮小可能に、前記画像表示装置に表示し、
前記第3の画像データに基づいて前記画像表示装置に表示された、共に前記補正処理が施される前の前記矩形画像および前記第2のプリント領域の少なくとも一方が拡大または縮小されることにより、前記画像表示装置に表示された前記矩形画像のうち、前記補正処理が施された後に前記非撮影画像を含まず、画欠けができるだけ少ない補正画像のみが表示されるように設定される前記第2のプリント領域から、この第2のプリント領域内に存在する画像の前記第3の画像データに前記補正処理をして得られた前記矩形の第1のプリント領域内に存在する前記補正画像のみの前記第4の画像データに対応する前記第5の画像データを、前記第2の画像データとして得ることを特徴とする画像処理装置を提供するものである。
さらに、本発明は、光学的に撮影された第1の画像から画像表示装置に表示するための第3の画像データを得、得られた第3の画像データに基づいて前記画像表示装置に検定用画像として前記第1の画像を表示するとともに、前記撮影画像から第1の画像データを得、得られた第1の画像データに所定の画像処理を施し、プリント画像としてプリント出力する第2の画像データを得る画像処理装置であって、
前記第1の画像を撮影した撮影レンズの情報を取得する取得手段と、
前記撮影レンズの情報に応じて、前記撮影レンズのレンズ特性を記憶する記憶手段と、
前記取得手段が取得した前記撮影レンズの情報に応じて前記記憶手段から対応する前記撮影レンズのレンズ特性を受け取り、前記プリント画像としてプリント出力するための前記第1の画像データのみならず、前記画像表示装置に表示するための前記第3の画像データにも、前記第1の画像の画素位置情報と得られた前記撮影レンズのレンズ特性とから 記第1の画像の倍率色収差および歪曲収差の少なくとも一つの収差それぞれ補正して、前記第3の画像データから、前記画像表示装置に表示するための、前記収差が補正された第4の画像データを得るとともに、前記第1の画像データから、前記プリント画像としてプリント出力するための、前記収差が補正された第5の画像データを得る補正手段を有し、
前記補正手段によって前記第1の画像データを補正して得られたプリント画像出力用の前記第2の画像データを出力するに先立って、前記第3の画像データに基づく前記補正手段による補正の前の第2の画像のうち、前記第4の画像データに基づいて前記補正手段によって前記収差が補正された補正画像および非撮影画像、または前記補正画像のみに基づいて設定された前記プリント画像としてプリント出力されるべき矩形の第1のプリント領域を、前記第3の画像データに基づいて前記収差が補正される前に変換して得られた第2のプリント領域のみの前記第2の画像を、拡大縮小可能に、前記画像表示装置に表示し、
前記第3の画像データに基づいて前記画像表示装置に表示された前記第2のプリント領域内の前記第2の画像が拡大または縮小されることにより、前記画像表示装置に表示された前記第2のプリント領域内の前記補正処理が施される前の前記第2の画像が、前記補正処理が施された後に前記非撮影画像を含まず、画欠けができるだけ少ない補正画像のみとなるように設定されたときに、前記第2のプリント領域内に存在する画像の前記第3の画像データに前記補正処理をして得られた前記矩形の第1のプリント領域内に存在する前記補正画像のみの前記第4の画像データに対応する前記第5の画像データを、前記第2の画像データとして得ることを特徴とする画像処理装置を提供するものである。
ここで、上記のいずれかの画像処理装置において、前記非撮影画像を含まず、画欠けができるだけ少ない補正画像は、前記非撮影画像を含まない最大の補正画像であるのが好ましい。
【0014】
また、上記のいずれかの画像処理方法において、前記第2の画像データを得るために前記第1の画像データに施される前記補正処理は、
前記画像を撮影したレンズの特性と、前記画像の位置情報とから、前記倍率色収差および歪曲収差の少なくとも一つを補正した画像位置を算出し、
前記倍率色収差および歪曲収差の少なくとも一つが補正された前記画像位置を用いて電子変倍処理を行うことにより、前記倍率色収差および歪曲収差の少なくとも一つの補正のための補間演算処理と前記電子変倍処理のための補間演算処理とを一回の補間演算処理で行うのものであるが好ましい。
また、上記のいずれかの画像処理装置において、前記補正手段は、前記画像の位置情報と前記レンズ特性とから、前記画像の倍率色収差および歪曲収差の少なくとも一つを補正した画像位置を算出し、前記倍率色収差および歪曲収差の少なくとも一つを補正した画像位置を用いて電子変倍処理を行うことにより、前記倍率色収差および歪曲収差の少なくとも一つの補正のための補間演算処理と前記電子変倍処理のための補間演算処理とを一回の補間演算処理で行うのが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の画像処理装置について、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
【0016】
図1に、本発明の画像処理装置を利用するデジタルフォトプリンタ10(以下、フォトプリンタ10とする。)は、基本的にフィルムFに撮影された画像を光電的に読み取るスキャナ(画像読取装置)12と読み取られた画像データ(画像情報)の画像処理やフォトプリンタ10全体の操作及び制御等を行う画像処理装置14と、画像処理装置14から出力された画像データに応じて変調した光ビームで感光材料(印画紙)を画像露光し、現像処理して(仕上り)プリントとして出力するプリンタ16とを有して構成される。
また、画像処理装置14には、様々な条件の入力(設定)、処理の選択や指示、色/濃度補正などの指示等を入力するためのキーボード18a及びマウス18bを有する操作系18と、フィルムFの撮影画像を検定するために、スキャナ12で読み取られた画像を表示したり、各種の操作指示、様々な条件の設定/登録画面等を表示する検定用モニタ20(画像表示装置)が接続される。
【0017】
スキャナ12は、フィルムF等に撮影された画像を1コマずつ光電的に読み取る装置で、光源22と可変絞り24と画像をR(赤)、G(緑)、及びB(青)の三原色に分解するためのR,G及びBの3枚の色フィルタを有し、回転して任意の色フィルタを光路に作用する色フィルタ板26と、フィルムFに入射する読取光をフィルムFの面方向で均一に拡散する拡散ボックス28と結像レンズユニット32と、フィルムの1コマの画像を読み取るエリアセンサであるCCDセンサ34とアンプ(増幅器)36とを有して構成される。
【0018】
尚、図示例のフォトプリンタ10においては、新写真システム(Advanced Photo System) や135サイズのネガ(あるいはリバーサル)フィルム等のフィルムの種類やサイズ、ストリップスやスライド等のフィルムの形態、トリミング等の処理の種類に応じて、スキャナ12の本体に装着自在な専用キャリアが用意されており、キャリアを交換することにより、各種のフィルムや処理に対応することができる。フィルムに撮影され、プリント作成に供される画像(コマ)は、このキャリアによって所定の読取位置に搬送、保持される。また周知の様に新写真システムのフィルムには磁気記録媒体が形成され、カートリッジIDやフィルム種(すなわちレンズ付フィルムでは、その機種)等が記録されており、又、撮影時や現像時に撮影日時、撮影に使用したカメラ、現像機の種類等の各種のデータが記録可能である。新写真システムのフィルム(カートリッジ)に対応するキャリアには、この磁気情報の読取手段が配置されており、フィルムを読取位置に搬送する際に磁気情報を読み取り、前記各種の情報が画像処理装置14に送られる。
【0019】
この様なスキャナ12においては、光源22から射出され、可変絞り24によって光量調整され色フィルタ板26を通過して色調整され、拡散ボックス28で拡散された読取光が、キャリアによって所定の読取位置に保持されたフィルムFの1コマに入射して、透過することにより、フィルムFに撮影されたこのコマの画像を担持する投影光を得る。
フィルムFの投影光は、結像レンズユニット32によってCCDセンサ34の受光面に結像され、CCDセンサ34によって光電的に読み取られ、その出力信号がアンプ36で増幅されて、画像処理装置14に送られる。CCD34は例えば、1380×920画素のエリアCCDセンサである。
【0020】
スキャナ12においては、この様な画像読取を、色フィルタ板26の各色フィルタを順次挿入して3回行うことにより、1コマの画像R,G及びBの3原色に分解して読み取る。
ここで、フォトプリンタ10においては、プリントPを出力するための画像読み取り(本スキャン)に先立ち、画像処理条件等を決定するために、画像を低解像度で読み取るプレスキャンを行う。従って、1コマで合計6回の画像読み取りが行われる。また、後述する様にプレスキャン画像の替わりに本スキャン画像データを用いて画像処理条件等を決定することも可能であり、その様な場合、1コマで合計3回の画像読み取りのみで行われる。
【0021】
スキャナ12はエリアCCDセンサを用い、色フィルタ板26によって投影光を3原色に分解して画像を読み取っているが、本発明に利用されるスキャナとしては、3原色の個々の読取りに対応する3種のラインCCDセンサを用い、フィルムFをキャリアで走査搬送しつつ画像を読み取るスリット走査によって画像読み取りを行うものであっても良い。
【0022】
図示例のフォトプリンタ10は、ネガやリバーサル等のフィルムに撮影された画像を光電的に読み取るスキャナ12を画像処理装置14の画像データの供給源としているが画像処理装置14に画像データを供給する画像データ供給源としては、スキャナ12以外にも反射原稿の画像を読み取る画像読取装置、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、LAN(Local Area Network)やコンピュータ通信ネットワーク等の通信手段、メモリカードやMO(光磁気記録媒体)等のメディア(記録媒体)等の、各種の画像読取手段や撮影手段、画像データの記憶手段等が各種使用可能である。
【0023】
前述のように、スキャナ12からの出力信号(画像データ)は、画像処理装置14に出力される。
図2に画像処理装置(以下、処理装置14とする)の一実施例であるブロック図を示す。処理装置14は、データ処理部38、プレスキャン(フレーム)メモリ40、本スキャン(フレーム)メモリ42、プレスキャン画像処理部44、本スキャン画像処理部46、および条件設定部48を有して構成される。
なお、図2は、主に画像処理関連の部位を示すものであり、処理装置14には、これ以外にも、処理装置14を含むフォトプリンタ10全体の制御や管理を行うCPU、フォトプリンタ10の作動等に必要な情報を記憶するメモリ、本スキャンの際の可変絞り24の絞り値やCCDセンサ34の蓄積時間を決定する手段等が配置され、また、操作系18や検定用モニタ(画像表示装置)20は、このCPU等(CPUバス)を介して各部位に接続される。
【0024】
スキャナ12から出力されたR,GおよびBの各出力信号は、A/D(アナログ/デジタル)変換、Log変換、DCオフセット補正、暗時補正、シェーディング補正等を行うデータ処理部38で処理されてデジタルの画像データとされ、プレスキャン(画像)データはプレスキャンメモリ40に、本スキャン(画像)データは本スキャンメモリ42に、それぞれ記憶(格納)される。
なお、プレスキャンデータと本スキャンデータは、解像度(画素密度)と信号レベルが異なる以外は、基本的に同じデータである。
【0025】
プレスキャンメモリ40に記憶されたプレスキャンデータはプレスキャン画像処理部44において、本スキャンメモリ42に記憶された本スキャンデータは本スキャン画像処理部46において、それぞれ処理される。
プレスキャン画像処理部44は、画像処理部50および画像データ変換部52を有して構成される。他方、本スキャン画像処理部46は、画像処理部54および画像データ変換部58を有して構成される。
【0026】
プレスキャン画像処理部44の画像処理部50(以下、処理部50とする)と、本スキャン画像処理部46の画像処理部54(以下、処理部54とする)は、共に、後述する条件設定部48が設定した画像処理条件に応じて、スキャナによって読み取られた画像(画像データ)に所定の画像処理を施す部位である。両者は、処理する画像データの画素密度が異なる以外には、基本的に、同様の処理を行う。
処理部50および処理部54における画像処理としては、色バランス調整、コントラスト補正(階調処理)、明るさ補正、覆い焼き処理(濃度ダイナミックレンジの圧縮/伸長)、彩度補正、シャープネス(鮮鋭化)処理等が例示される。これらは、演算、LUT(ルックアップテーブル)による処理、マトリクス(MTX)演算、フィルタによる処理等を適宜組み合わせた、公知の方法で行われるものであり、図示例においては、色バランス調整、明るさ補正およびコントラスト補正がLUTで行われ、彩度補正がMTXで行われる。また、これ以外のシャープネス処理や覆い焼き処理等は、オペレータによる指示や画像データ等に応じて、ブロック50Aおよびブロック54Aで行われる。
【0027】
ここで、本発明の画像処理装置14の特徴とするところは、プレスキャンデータ及び本スキャンデータを処理する処理部50および54のMTXとブロック50Aおよび54Aとの間には、後述する倍率色収差及び歪曲収差の補正、ならびに、電子変倍処理を行う、収差補正部51および56が設けられている点である。本発明に係る処理装置14においては、必要に応じて、この収差補正部51および56において、レンズ特性及び画像の位置情報を用いて画像処理によってフィルムFに撮影された画像の倍率色収差、及び歪曲収差を補正しており、これにより色ズレや歪のない高画質な画像をプリントエリアとともに、検定用モニタ20に表示し、表示されたプリントエリア内の高画質な画像が再現されたプリントを安定して出力することを実現している。
【0028】
レンズ特性データ供給部60(以下、特性データ供給部60とする)は、フィルムFを撮影したカメラを判別する情報を取得し、得られた判別情報に対応する撮影カメラに応じたレンズ特性を収差補正部51および56に供給する部位である。
【0029】
カメラ(すなわち撮影レンズ)を判別する判別情報、およびその取得手段には特に限定はなく、各種の方法が利用可能である。
例えば、フィルムFが前述の新写真システムのレンズ付きフィルムである場合には、フィルムFに記録された磁気情報をスキャナ12のキャリアで読み取り、磁気記録されたカートリッジIDおよび/またはフィルム種からレンズ付きフィルムの機種すなわちカメラを判別することができる。また、新写真システムに対応するカメラには、フィルムFにカメラの機種を磁気記録する機能を有する物もあるので、これを利用してフィルムFを撮影したカメラを判別してもよい。
また、レンズ付きフィルムであれば受け付け時に機種を記録しておき、あるいは通常のフィルムであれば受け付け時に撮影カメラの機種を顧客から聞いて記録しておき、プリント作成時にオペレータがキーボード18aでカメラの機種を入力してもよく、カメラの機種に代えてファンクションキー等とカメラとの対応を決定しておき、これを用いて入力してもよい。
さらに、撮影時にフィルムにカメラの機種を光学的に焼き付け、これを読み取ってカメラの機種を判別してもよく、レンズ付きフィルムであれば、レンズ付きフィルムの機種をDXコード等のように光学的に焼付けておき、このコードから機種を判別してもよい。
【0030】
特性データ供給部60はメモリを有し、このメモリには、各種のカメラの機種に応じたレンズ特性の情報、具体的には、各種のレンズの倍率色収差および歪曲収差の特性の情報が記憶されている。
特性データ供給部60は、取得したカメラの判別情報から、それに応じたレンズ特性の情報をメモリから読み出し、これを収差補正部51及び56に供給する。なお、レンズ特性は特性データ供給部60が有するメモリに記憶されるのに限定はされず、例えば、プリンタ10に接続されるデータベースに記憶しておき、此所にアクセスして読み出してもよく、あるいは、フィルムFの読み取り時にフィルムに対応するレンズの情報として外部から入力されてもよい。
【0031】
レンズ特性としては、特に限定はないが、一般的に、レンズの倍率色収差の特性や歪曲収差の特性は、レンズの光軸すなわちフィルムFに撮影された画像の中心からの距離(例えば、x−yで示される)をパラメータとする3次関数である程度まで近似することができるので、倍率色収差や歪曲収差の補正が必要な各種のカメラに対応して、それに応じた倍率色収差の特性を示す関数および歪曲収差の特性を示す関数を、レンズ特性として記憶しておけばよい。
【0032】
収差補正部51および56は、特性データ供給部60から供給されたフィルムFの撮影レンズ特性と、画像データ(画素)の位置の情報、例えば、画像の中心からの座標位置(中心の画素から何画素目か)とを用いて、倍率色収差および歪曲収差の補正、ならびに電子変倍処理を行う。
なお、この場合の座標は、x−y座標でも極座標でもよい。また、画像データの位置の情報は画像の中心を基準とするのに限定はされず、各種のものが利用可能であり、例えば、画像の角部(左上角等)や、ある画素(例えば画素番号1番の画素)等を基準としてもよく、さらに画像の外部、例えばフィルムFのパーフォレーション等を基準としてもよい。すなわち、本発明では画像(画素)の位置が相対的に検出できれば、各種の位置情報が利用可能である。
【0033】
ここで、レンズ特性と画像の位置情報(以下、画素位置とする)とを用いた倍率色収差および歪曲収差の補正を別々に行うと、演算に時間がかかり、また、補間演算も複数回行う必要が生じるため、画質が劣化するという問題がある。
そのため、本発明においては、好ましくは、R、GおよびBの3原色の基準となる色、通常はGを基準として、RおよびBの像倍率を変換して、RおよびBの画像をG画像に合わせることで倍率色収差を補正し、その後、歪曲収差を補正する。これにより、各画素の適正位置を算出し、これを用いて、各画素の画像データを補間演算することによって、フィルムに撮影された画像の倍率色収差および歪曲収差を補正した画像データを得ることができる。
従って、歪曲収差についてはG画像に対する演算のみを行えばよいので、演算量や補間演算を減らして、より好適な倍率色収差および歪曲収差の補正を行うことができる。
【0034】
また、画像処理装置では、通常、画像データ処理による画像の拡大もしくは縮小、すなわち、画像の電子変倍を行って、画像(画像データ)を出力画像に応じたサイズにして出力する。この電子変倍処理は、通常、画像データを補間演算することにより行われる。
ところが、前記倍率色収差および歪曲収差の補正でも補間演算が行われているため、結果的に、2回の補間が行われる結果となり、画質が劣化してしまう場合もある。
【0035】
そのため、本発明においては、より好ましくは、前記レンズ特性と画像データの画素位置とを用いて、倍率色収差に起因する基準色(G)に対するRおよびBの画素位置のずれ量と、歪曲収差に起因する基準色の画素位置のずれ量とから、各画素毎の適正位置を算出し、算出された各画素の適正位置の情報を用いて、画像データを補間して画像の電子変倍処理を行う。言い換えれば、倍率色収差および歪曲収差による画素位置のずれ量を算出することにより、各画素が本来どの位置にあるべきであるかを知見し、この適正な位置に応じて画像データの補間演算を行って電子変倍処理を行う。
これにより、1回の補間演算で、倍率色収差および歪曲収差の補正と、電子変倍処理を行うことができる。
【0036】
図示例の収差補正部51および56は、上記方法を用いて、倍率色収差および歪曲収差の補正と、電子変倍処理とを行う部位であり、図3の概念図に示されるように、座標変換処理部51Aおよび56Aと、拡大縮小処理部51Bおよび56Bとを有して構成される。
なお、図3において、ir,igおよびibは、それぞれMTXから供給された画像データ(入力画像データ)の画素位置(アドレス)を;
Ir,IgおよびIbは、倍率色収差および歪曲収差を補正された画像データの画素位置を;
ΔrおよびΔbは、それぞれ倍率色収差によるGの画素位置に対するRおよびBの画素位置のずれ量(すなわち補正量)を;
Dは、歪曲収差によるGの画素位置のずれ量を; それぞれ示す。
【0037】
収差補正部51及び56においては、MTXから画像データが供給されると、座標変換処理部51A及び56Aにおいて、特性データ供給部60から供給されたレンズ特性を用いて、RおよびBの画像データの各画素位置irおよびibにおける、Gの画像データigに対する倍率色収差によるずれ量ΔrおよびΔbを算出し、さらに、Gの入力画像データigの歪曲収差によるずれ量Dを算出する。
【0038】
次いで、図3に示されるように、Rの入力画像データの各画素位置irに前記ΔrとDを加えて、倍率色収差および歪曲収差を補正されたRの画像データの画素位置Irを算出し、Bの入力画像データの各画素位置ibに前記ΔbとDを加えて、倍率色収差および歪曲収差を補正されたBの画像データの画素位置Ibを算出し、Gの入力画像データの各画素位置igに前記Dを加えて、歪曲収差を補正されたの画像データの画素位置Iを算出する。
すなわち、この計算では、G画像を基準として、R画像およびB画像の倍率色収差を補正して、全画像をG画像に位置合わせして、G画像の歪曲収差によるずれ量Dを用いて、全体の歪曲収差を補正して、R,GおよびBの各画像の倍率色収差および歪曲収差を補正された画素位置を算出している。
【0039】
次いで、拡大縮小処理部51B及び56Bにおいて、この倍率色収差および歪曲収差を補正された画素位置Ir,IgおよびIbを用いて、拡大/縮小倍率に応じた画像データの補間処理(N倍補間)を行うことにより画像の変倍を行い、倍率色収差および歪曲収差を補正され、かつ電子変倍処理を行われた画像データとして、ブロック50A及び54Aに出力する。
電子変倍処理の方法には特に限定はなく、公知の方法が各種利用可能であり、例えば、バイリニア補間を用いる方法、スプライン補間を用いる方法等が例示される。
【0040】
なお、特性データ供給部60がカメラの判別情報を取得しなかった場合、および特性データ供給部60が取得したカメラの判別情報に対応するレンズ特性が無かった場合、さらに、倍率色収差および歪曲収差補正のキャンセルが指示された場合には、収差補正部56は、拡大縮小処理部51B及び56Bにおける電子変倍処理のみを行って画像データをブロック50A及び54Aに供給する。
【0041】
なお、図示例の装置においては、好ましい態様として、収差補正部51及び56において歪曲収差および倍率色収差の両者を補正しているが、本発明はこれに限定はされず、レンズ特性として倍率色収差もしくは歪曲収差のいずれか一方の特性のみを記憶しておき、これと画素位置とを用いて、いずれか一方の収差のみを補正してもよい。
この場合は、例えば、倍率色収差もしくは歪曲収差に起因するズレ量を補正して適正位置を算出し、これを用いて対応する収差を補正した後に、公知の方法で電子変倍処理を行ってもよいが、好ましくは、前述の方法と同様に、倍率色収差もしくは歪曲収差に起因するズレ量を補正した適正位置を算出し、この適正位置の情報を用いて画像データの補間を行って電子変倍処理を行い、収差の補正と電子変倍とを行うのが好ましい。これにより、同様に、補間演算を減らし、補間に起因する画質の劣化を低減することができる。
さらに、歪曲収差または倍率色収差の少なくとも1方のみならず、レンズに起因する周辺光量低下やピントボケ(PSF:Point Spread Function)等の情報も記憶しておき、歪曲収差または倍率色収差の少なくとも1方の補正に加え、周辺光量低下やピントボケも補正するようにしてもよい。
【0042】
なお、本発明において、プレスキャン画像処理部44に、本スキャン画像処理部46の収差補正部56と同じ収差補正部51を設けているのは、収差補正を行う場合、収差補正の結果を検定用モニタ20に表示された画像によって確認あるいは検定するためであり、収差補正画像とともにプリントエリア(プリントとして出力される読み取り画像の領域)を表示できる場合、もしくはプリントエリアと一致する収差補正画像のみを表示できる場合には、収差補正画像に生じるケラレの範囲を明確にし、表示プリントエリアを拡縮して、もしくは表示された収差補正画像を拡縮して、ケラレが最小もしくは適切で、非撮影画像領域等が再現されることのないプリントエリアを持つプリント画像を出力することができるようにするためである。
【0043】
ここで、倍率色収差や歪曲収差の補正を行うことにより、補正後には、色ずれや歪のない画像を得ることができるが、図4(a)〜(d)に示す様に、収差補正によって画像のサイズが変化してしまう。そこで、本発明においては、図4(a)〜(d)に示す様に、収差補正後のプレスキャン画像をモニタ20に表示することにより、モニタ表示画像によって収差補正の結果およびプリント画像の領域(プリントエリア)をユーザが確認し、検定することができる。
図4(a)は、収差補正前の倍率色収差や歪曲収差のあるモニタ表示画像20aを示す。
図4(a)に示すように、スキャナ12から出力されるフィルムFに撮影された画像の画像データは、画像読取のマスクサイズや出力画像に対応する画像の切り出しに応じた矩形画像の画像として表わされる。
【0044】
なお、ここでは、プリントエリア20bとモニタ20の表示画面20cが一致し、図4(a)〜(d)の外側の矩形がモニタ20の表示画面20cを表わすものとして説明するが、本発明はこれに限定されず、図4(a)〜(d)の外側の矩形がモニタ20の表示画面中のプリントエリアと一致する画像表示領域であってもよい。
これに対し、プレスキャンデータの座標変換処理部51Aで倍率色収差および歪曲収差を補正した全画像データは、図4(b)に示す様に倍率色収差および歪曲収差の程度に応じて変形し、図中の斜線領域が画像の無い状態の画像として表わされる。例えば、図4(a)に示す補正前の画像が糸巻型の歪曲収差を持つものであれば、図4(b)に示す様に、補正後の画像20aは、XYの両方向において、矩形の対向辺の中央部が、両端部より中心に向かってより大きく収縮し、モニタ表示画面20cの斜線で示される撮影画像が再現されない領域が出現する。逆に、図4(a)に示す補正前の画像が樽型の歪曲収差を持つものである場合には、図示しないが、補正後の画像は、XYの両方向において、矩形の対向辺の中央部が、両端部より外側に向かってより大きく拡大し、撮影された撮影画像のうち、モニタ表示画面20cで表示されない領域が出現する。
【0045】
一方、プリンタ16では、フィルムFに撮影された画像を可能な限りプリントに過不足無く再生するのが好ましい。このため、より高品位なプリントを目的とするフォトプリンタでは、スキャナ12で読み取った入力画像のサイズと出力画像のサイズとに応じて、適正な電子変倍率を定め、この電子変倍率に応じて補間または間引きを行って入力画像を拡縮し、出力プリント画像として出力している。
このようなフォトプリンタでは、出力プリント画像のサイズに応じて同じプリントエリア20bを持つ低解像度の画像をモニタ20に表示しているが、本発明においては上述したように、非撮影画像領域(図中斜線領域)を含んだ画像20cや表示されない領域が発生した画像を表示できるが、プリントエリア20b内に撮影入力画像の過不足があるため、そのままプリント画像として出力することができない。したがって、収差補正によって生じる入力画像(モニタ表示画像)の変形を考慮して調整して、入力画像を拡縮して、例えば、図4(c)に示す内側の矩形の画像領域20bの画像を拡大して、予め設定されたプリントサイズの出力画像として出力する必要が生じる。
【0046】
このために、モニタ表示画像20aと出力プリント画像のプリントエリア20bが一致しない不都合が生じるし、収差補正による入力矩形画像(モニタ表示画像)の変形に応じて、過不足のない最大の入力矩形画像が出力できるように、例えば、図4(c)に示すように、入力矩形画像の変形にぴったり内接する内側の矩形領域20bが出力プリントエリアとなるように、電子変倍率を決定するのは容易ではない。このため、出力されたプリント画像が非撮影領域を含んだりするおそれがある。したがって、本発明においては、図4(c)に示すようにモニタ20に収差補正後の変形した画像20aとともに、ユーザが拡縮可能なプリントエリア20bを表示し、ユーザがプリントエリア20bをキーボードやマウスなどの操作系18によって拡縮して、変形した表示画像領域20aから最大の画像が再現できるようにプリントエリア20bを設定するように構成している。また、本発明においては、拡縮自在なプリントエリア表示の代わりに、図4(d)に示すように、モニタ20に表示された画像20a自体を拡縮して、モニタ20の表示画面20cに表示された画像を出力プリント画像と一致させるように、すなわちプリントエリア20bと表示画面20cとを一致させるように構成してもよい。
【0047】
以上のように構成することにより、本発明においては、収差補正後のプリントエリアをモニタ20の表示画面20cにおいて確認し、また検定することができる。
尚、歪曲収差の補正をした画像のうち、プリント出力する矩形エリア内の画像をモニタ20に表示する代わりに、補正処理前の画像のうち、プリント出力するプリントエリアの範囲をモニタ20に表示してもよい。この場合、モニタ20に表示される画像は、補正前の画像のため、矩形画像でなくなる場合がある。
また、補正処理前の矩形画像全体をモニタ20に表示し、そのうち、矩形でないプリント出力されるエリアを表示してもよい。いずれにしても、プリント出力される前に、プリント出力される範囲をあらかじめ知って、確認することができる。
また、本実施例においては、モニタ20に表示する画像は、プリント出力される画像に施す補正処理と全く同じ処理を施しているが、必ずしも全く同一である必要はなく、同じ、もしくは、それに相当する処理であってもかまわない。
【0048】
処理部50および54で処理された画像データは、画像データ変換部52および58に送られる。
プレスキャン画像処理部44の画像データ変換部52は、処理部50によって処理された画像データを、3D(三次元)−LUT等を用いて変換して、モニタ20による表示に対応する画像データにする。他方、本スキャン画像処理部46の画像データ変換部58は、同様に、処理部54によって処理された画像データを3D−LUTを用いて変換し、プリンタ16による画像記録に対応する画像データとしてプリンタ16に供給する部位である。
【0049】
プレスキャン画像処理部44および本スキャン画像処理部46による各種の処理条件は、条件設定部48によって設定される。
この条件設定部48は、画像処理条件設定部72、キー補正部74およびパラメータ統合部76を有して構成される。
【0050】
画像処理条件設定部72(以下、設定部72とする)は、施す画像処理を選択すると共に、プレスキャンデータを用いて、処理部50および54における画像処理条件を設定し、パラメータ統合部76に供給する。
具体的には、設定部72は、プレスキャンデータから、濃度ヒストグラムの作成や、平均濃度、LATD(大面積透過濃度)、ハイライト(最低濃度)、シャドー(最高濃度)等の画像特徴量の算出等を行い、加えて、必要に応じて行われる操作系18を用いたオペレータによる指示に応じて、前述のグレイバランス調整、明るさ補正、およびコントラスト補正のテーブル(LUT)の作成、彩度補正を行うマトリクス演算の作成等の画像処理条件を決定する。
【0051】
キー補正部74は、キーボード18aに設定された明るさ、色、コントラスト、シャープネス、彩度調等を調整するキーやマウス18bで入力された各種の指示等に応じて、画像処理条件の調整量(例えば、LUTの補正量等)を算出し、パラメータ統合部76に供給するものである。
パラメータ統合部76は、設定部72が設定した画像処理条件を受け取り、供給された画像処理条件をプレスキャン画像処理部44の処理部50および本スキャン画像処理部46の処理部54に設定し、さらに、キー補正部74で算出された調整量に応じて、各部位に設定した画像処理条件を補正(調整)し、あるいは画像処理条件を再設定する。
【0052】
以下、図2に示された処理装置14の作用を説明する。
前述のように、プレスキャンメモリ40にプレスキャンデータが記憶されると、設定部72がこれを読み出し、濃度ヒストグラムの作成や画像特徴量の算出等を行い、これを用いて、画像処理条件を設定(LUTやMTXの作成)してパラメータ統合部76に送る。
これと平行して、可変絞り24の絞り値決定等の本スキャンの読取条件が設定されてスキャナ12が調整され、次いで、スキャナ12では本スキャンが行われ、本スキャンデータが、順次、本スキャンメモリ42に転送・記憶される。
【0053】
また、処理装置14には、キーボード18aやマウス18bによって入力された各種の指示や情報、スキャナ12(キャリア)で読み取られたフィルムFの磁気情報が送られており、前述のようにしてカメラの判別情報が入力された場合には、これが特性データ供給部60に送られる。
画像処理条件を受け取ったパラメータ統合部76は、これを、プレスキャン画像処理部44の処理部50、および本スキャン画像処理部46の処理部54の所定部位(ハードウエア)に設定する。
次いで、プレスキャンメモリ40からプレスキャンデータが読み出され、処理部50に送られる。
【0054】
処理部50において、画像データは、LUTおよびMTXで処理された後、収差補正部51に送られる。一方、特性データ供給部60は、取得したカメラの判別情報から、対応するレンズ特性を読み出し、これを収差補正部51に送る。
収差補正部51は、レンズ特性と画像データの画素位置とから、前述のようにして、座標変換処理部51Aにおいて、倍率色収差および歪曲収差を補正した画素位置Ir,IgおよびIbを算出して、これを拡大縮小処理部51Bに送り、拡大縮小処理部51Bでは、この画素位置Ir,IgおよびIbを用いて、拡大/縮小率に応じた画像データのN倍補間を行って画像の電子変倍を行い、倍率色収差および歪曲収差の補正、ならびに電子変倍処理を施された画像データとしてブロック50Aに出力する。
なお、座標変換処理部51Aでの画素位置Ir,IgおよびIbの算出は、画像データの供給に先立ち、特性データ供給部60からレンズ特性の情報を受けた時点で行ってもよい。
【0055】
画像データは、さらに、ブロック50Aにおいてシャープネス処理や覆い焼き処理等の必要な画像処理を施され、画像データ変換部52に送られ、画像データ変換部52において検定用モニタ20に表示する画像データに変換され、検定用モニタ20に送られる。
オペレータは、検定用モニタ20の表示を見て、倍率色収差や歪曲収差の補正や他の種々の処理が行われた画像すなわち処理結果の確認(検定)を行い、必要に応じて、キーボード18aに設定された前記各キー等を用いて色/濃度、階調等を調整するとともに、プリントエリア20bを非撮影画像がなくケラレが適正となるように拡縮して設定する。
この調整の入力は、キー補正部74に送られ、キー補正部74は調整入力に応じた画像処理条件の補正量を算出し、これをパラメータ統合部76に送る。パラメータ統合部76は、送られた補正量に応じて、前述のように、処理部50および処理部54のLUTやMTXを補正し、この補正すなわちオペレータによる調整入力に応じて、検定用モニタ20に表示される画像も変化する。
【0056】
オペレータは、検定用モニタ20に表示される画像が適正である判定(検定OK)をすると、キーボード18a等を用いてプリント開始を指示する。これにより、画像処理条件が確定し、本スキャンメモリ42から本スキャンデータが読み出され、本スキャン画像処理部46の処理部54に送られる。
処理部54においては、プレスキャンデータと同様に、本スキャンデータは所定の処理条件で処理され、上述の倍率色収差及び歪曲収差を補正し、拡大縮小処理を行った後、画像処理部54Aに送られる。
【0057】
画像データは、さらに、ブロック54Aにおいてシャープネス処理や覆い焼き処理等の必要な画像処理を施され、画像データ変換部58に送られ、画像データ変換部58においてプリンタ16による画像記録に応じた画像データに変換され、プリンタ16に送られる。
なお、検定を行わない場合には、パラメータ統合部76による本スキャン画像処理部46の処理部54への画像処理条件の設定を終了した時点で画像処理条件が確定し、自動的に本スキャンデータの処理を行って、プリンタ16に送る。
これらは、作業モード等で選択できるようにするのが好ましい。
【0058】
ここにおいて、処理装置14で処理された画像データは、プリンタ16に送られる。
プリンタ16は、感光材料(印画紙)を画像データに応じて露光して潜像を記録し、感光材料に応じた現像処理を施して(仕上り)プリントとして出力するものである。例えば、感光材料をプリントに応じた所定長に切断した後に、バックプリントの記録、感光材料(印画紙)の分光感度特性に応じた、赤(R)露光、緑(G)露光および青(B)露光の3種の光ビームを画像データ(記録画像)に応じて変調すると共に、主走査方向に偏向し、主走査方向と直交する副走査方向に感光材料を搬送することによる潜像の記録等を行い、潜像を記録した感光材料に、発色現像、漂白定着、水洗等の所定の湿式現像処理を行い、乾燥してプリントとした後に、仕分けして集積する。
【0059】
図2に示す画像処理装置14においては、モニタ20に倍率色収差や歪曲収差の補正や他の画像処理を行った画像を表示するために用いる画像データとして、スキャナ12による撮影画像のプレスキャンを行って得られるプレスキャン画像データを用いるものであったが、本発明は、これに限定されず、図5に示す画像処理装置B15のように、プレスキャン画像データを用いずに、ファインスキャン画像データ(本スキャン画像データ)のみを用いて、倍率色収差や歪曲収差の補正やその他の画像処理を行った後に、補正画像データを間引き・縮小用データ処理部59で間引いて画像サイズを縮小し、モニタ20に表示し、表示画面20cで表示画像20aを確認し、検定した後に、間引き処理する前の補正画像データをそのままもしくは補正した後、プリンタ16に出力するものであってもよい。
なお、図5に示す画像処理装置B15は、図2に示す画像処理装置14と比較して、プレスキャンメモリ40およびプレスキャン画像処理部44の画像処理部50を有しておらず、本スキャン画像処理部46の画像処理部54のブロック54Aの出力が、プリント用画像データ変換部58のみならず間引き・縮小処理部59を介してモニタ用画像データ変換部52にも接続されている点を除いて、同一であるので、同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0060】
図5に示す画像処理装置B15の間引き・縮小処理部59は、スキャン画像処理部46の画像処理ユニット54のブロック54Aとモニタ用画像データ変換部52との間に設けられ、ブロック54Aから出力される、画像処理および倍率色収差や歪曲収差などの収差補正の処理が行われた高解像度のファインスキャン画像データをモニタ20の画像サイズおよび画素密度に合うように間引き処理もしくは縮小処理してモニタ表示用低解像度画像データに変換するためのものである。
【0061】
図5に示す画像処理装置B15においては、図2に示す画像処理装置14と同様に、まずスキャナ12で読み取られた高解像度ファインスキャン画像データは、データ処理部38で種々のデータ処理を行った後、スキャン用メモリ42に格納される。ついで、条件設定部48の設定部72によってこの画像データがフレームメモリ42から読み出され、画像処理条件が設定され、操作部18からのキー入力による指示や情報とともにパラメータ統合部76に送られる。さらに、パラメータ統合部76から本スキャン処理部46の画像処理部54に送られる。一方、スキャナにて読み取られたカメラやレンズに関する磁気情報や操作系18からのキー入力によるカメラやレンズに関する情報やレンズ特性などが、特性データ供給部60に送られる。特性データ供給60はカメラやレンズ情報からレンズ特性を読み出して、収差補正部56に送る。
【0062】
次に、フレームメモリ42に格納されている画像データが読み出されて、処理ユニット54に送られ、パラメータ統合部76から送られた画像処理条件(設定されたLUTやMTX)に送って所定の画像処理が施された後、収差補正部56へ入力される。収差補正部56では、特性データ供給部60からレンズ特性が送られているので、レンズ特性および画像データの画素情報(たとえば、画像の中心からの距離など)から、画像データについて倍率色収差や歪曲収差が補正されるとともに、補正された画像が所定のプリントサイズで出力されるように、電子変倍率が調整された電子変倍処理が行われ、適正なプリントサイズの収差補正を行った画像データが生成され、ブロック54Aに出力される。
【0063】
適正なプリントサイズの収差補正済みの画像データは、高解像度画像データであるので、ブロック54Aから間引き・縮小処理部59へ送られ、間引きや縮小の処理がおこなわれ、モニタ表示に合う画像サイズおよび画素密度を持つ低解像度画像データにされた後、画像データ変換部52に出力される。画像データ変換部では、この収差補正済み低解像度画像データをモニタ表示用画像データに変換し、モニタ20に出力する。モニタ20では、入力されるモニタ表示用画像データに基づいて収差補正済み再生画像を表示するとともに、プリントエリアをも表示する。
【0064】
モニタ20に表示された補正画像に対して、プリントエリアが適正でない場合には、操作系18によってプリントエリアを拡縮して、過不足のない補正済み画像領域にプリントエリアを設定するとともに、このプリントエリアの拡縮情報は、条件設定部48または特性データ統合部60へ送られ、処理部54の収差補正部56へ送られ、収差補正部56の拡大縮小処理部56Bにおいて電子変倍率が調整され、再度過不足のない適正なプリントサイズの収差補正データが生成され、上述と同様にしてモニタ20に表示される。
モニタ表示画像が適正なサイズであることが確認され、検定されると、生成されている補正済み画像データは、ブロック54Aに出力される。ブロック54Aはこれらの補正された画像データをプリント用画像データ変換部58に送り、プリント用画像データに変換して、プリント16に出力される。
図5に示す画像処理装置B15は基本的に以上のように構成される。
【0065】
また、図2および図5に示す画像処理装置14および15においては、モニタに表示する画像データには、プリント出力用画像データと同様に、倍率色収差や歪曲収差の補正とともに、その他の画像処理をも同様に施しているが、本発明はこれに限定されず、図6に示すように、スキャナで読み取られたプリント用高解像度ファインスキャンデータに対し、倍率色収差や歪曲収差の補正を行った後に、他の画像処理やセットアップを行うように画像処理装置を構成するとともに、モニタ用画像データとしてプレスキャン画像データを用いる場合、またファインスキャン画像データを用いる場合でも、モニタ用画像データには、収差補正のみを行い、その他の画像処理やセットアップ等を施さずにそのままモニタに表示するように画像処理装置を構成してもよい。
【0066】
以上、本発明の画像処理方法および画像処理装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
【0067】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、レンズ付きフィルムや安価なコンパクトカメラ等で撮影された画像であっても、画像処理によって撮影画像の倍率色収差や歪曲収差を補正することができるので、色ずれや歪のない高画質な画像を画像表示装置に表示することができ、オペレータは表示された画像に基いて検定し、安定したプリント画像を出力することができる。
また、本発明においては、画像表示装置に色ずれや歪のない補正済み画像とともにプリントエリアを表示するものでは、収差補正による非撮影画像やケラレの範囲を明確にすることができ、出力プリント画像として出力される画像領域をユーザが目視によって簡単かつ確実に確認し、検定することができるので、撮影画像に過不足のない適正なプリントサイズのプリント画像を安定して出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像処理装置を利用するデジタルフォトプリンタの一例のブロック図である。
【図2】図1に示されるデジタルフォトプリンタの画像処理装置の一例のブロック図である。
【図3】図2及び図5に示される画像処理装置の収差補正部の概念図である。
【図4】モニタに表示される画像を示した概念図である。
(a)は、収差補正前の表示される画像の概念図を、
(b)は、歪曲収差補正後の表示される画像の概念図を、
(c)は、本発明により画像表示される画像の概念図を、
(d)は、本発明により画像表示されるその他の画像の概念図を示している。
【図5】図1に示されるデジタルフォトプリンタの画像処理装置の一例であって、図2と異なるもののブロック図である。
【図6】本発明の画像処理装置がモニタ,プリントに出力する際の概念図である。
【図7】従来技術の画像処理装置がモニタ,プリントに出力する際の概念図である。
【符号の説明】
10 (デジタル)フォトプリンタ
12 スキャナ
14 (画像)処理装置
15 (画像)処理装置B
16 プリンタ
18 操作系
18a キーボード
18b マウス
20 検定用モニタ
22 光源
24 可変絞り
26 色フィルタ板
28 拡散ボックス
32 結像レンズユニット
34 CCDセンサ
36 アンプ
38 データ処理部
40 プレスキャン(フレーム)メモリ
42 本スキャン(フレーム)メモリ
44 プレスキャン画像処理部
46 本スキャン画像処理部
48 条件設定部
50,54 (画像)処理部
51 プレスキャン収差補正部
51A プレスキャン用座標変換処理部
51B プレスキャン用拡大縮小処理部
52,58 画像データ変換部
56 収差補正部
56A 座標変換処理部
56B 拡大縮小処理部
59 間引き、縮小用データ処理部
60 (レンズ)特性データ供給部
72 (画像処理条件)設定部
74 キー補正部
76 パラメータ統合部

Claims (12)

  1. 光学的に撮影された画像から第1の画像データを得、得られた第1の画像データに所定の処理を施して、プリント画像として出力する第2の画像データを得るに際し、
    前記画像から画像表示装置に表示するための第3の画像データを得、
    前記画像を撮影した撮影レンズの情報を取得し、
    この撮影レンズの情報から撮影レンズのレンズ特性を得た後、
    前記プリント画像としてプリント出力するための前記第1の画像データのみならず、前記画像表示装置に表示するための前記第3の画像データにも、得られた前記レンズ特性と前記撮影画像の画素位置情報とを用いて、倍率色収差補正および歪曲収差補正のいずれか少なくとも1つの補正処理をそれぞれ施して、前記第3の画像データから、前記画像表示装置に表示するための、前記補正処理が施された第4の画像データを得るとともに、前記第1の画像データから、前記プリント画像としてプリント出力するための、前記補正処理が施された第5の画像データを得
    前記第4の画像データに基づいて、前記画像表示装置に、前記補正処理によって倍率色収差および歪曲収差の少なくとも1つが補正された補正画像および非撮影画像、または前記補正画像のみを含む矩形画像と、前記プリント画像としてプリント出力されるべき矩形のプリント領域とを、同時に、かつ、前記補正画像および前記プリント領域の少なくとも一方を拡大縮小可能に、表示し、
    前記第4の画像データに基づいて前記画像表示装置に表示された前記補正画像および前記矩形のプリント領域の少なくとも一方が拡大または縮小されることにより、前記画像表示装置に表示された前記矩形画像のうち、前記非撮影画像を含まず、画欠けができるだけ少ない補正画像のみが表示されるように設定された前記プリント領域から、このプリント領域内に存在する前記補正画像のみの前記第4の画像データに対応する前記第5の画像データを、前記第2の画像データとして得ることを特徴とする画像処理方法。
  2. 光学的に撮影された画像から第1の画像データを得、得られた第1の画像データに所定の処理を施して、プリント画像として出力する第2の画像データを得るに際し、
    前記画像から画像表示装置に表示するための第3の画像データを得、
    前記画像を撮影した撮影レンズの情報を取得し、
    この撮影レンズの情報から撮影レンズのレンズ特性を得た後、
    前記プリント画像としてプリント出力するための前記第1の画像データのみならず、前記画像表示装置に表示するための前記第3の画像データにも、得られた前記レンズ特性と前記撮影画像の画素位置情報とを用いて、倍率色収差補正および歪曲収差補正のいずれか少なくとも1つの補正処理をそれぞれ施して、前記第3の画像データから、前記画像表示装置に表示するための、前記補正処理が施された第4の画像データを得るとともに、前記第1の画像データから、前記プリント画像としてプリント出力するための、前記補正処理が施された第5の画像データを得、
    前記第4の画像データに基づいて、前記画像表示装置に、前記補正処理によって倍率色収差および歪曲収差の少なくとも1つが補正された補正画像および非撮影画像、または前記補正画像のみを含む画像のうち、前記プリント画像としてプリント出力されるべき矩形のプリント領域と一致する矩形領域内のみの画像を、拡大縮小可能に、表示し、
    前記第4の画像データに基づいて前記画像表示装置に表示された前記矩形領域内の前記補正画像が拡大または縮小されることにより、前記画像表示装置に表示された前記矩形領域内の画像が、前記非撮影画像を含まず、画欠けができるだけ少ない補正画像のみとなるように設定されたときに、前記矩形のプリント領域と一致する前記矩形領域内に存在する前記補正画像のみの前記第4の画像データに対応する第5の画像データを、前記プリント画像としてプリント出力するための第2の画像データとして得ることを特徴とする画像処理方法。
  3. 光学的に撮影された画像から第1の画像データを得、得られた第1の画像データに所定の処理を施して、プリント画像として出力する第2の画像データを得るに際し、
    前記画像から画像表示装置に表示するための第3の画像データを得、
    前記画像を撮影した撮影レンズの情報を取得し、
    この撮影レンズの情報から撮影レンズのレンズ特性を得た後、
    前記プリント画像としてプリント出力するための前記第1の画像データのみならず、前記画像表示装置に表示するための前記第3の画像データにも、得られた前記レンズ特性と前記撮影画像の画素位置情報とを用いて、倍率色収差補正および歪曲収差補正のいずれか少なくとも1つの補正処理をそれぞれ施して、前記第3の画像データから、前記画像表示装置に表示するための、前記補正処理が施された第4の画像データを得るとともに、前記第1の画像データから、前記プリント画像としてプリント出力するための、前記補正処理が施された第5の画像データを得、
    前記画像表示装置に、前記第3の画像データに基づく、前記補正処理が施される前の矩形画像と、前記第4の画像データに基づいて前記補正処理によって倍率色収差補正および歪曲収差補正のいずれか少なくとも1つの補正処理が施された補正画像および非撮影画像、または前記補正画像のみに基づいて設定された前記プリント画像としてプリント出力されるべき矩形の第1のプリント領域を、前記第3の画像データに基づいて前記補正処理が施される前に変換して得られた第2のプリント領域とを、同時に、かつ、前記矩形画像および前記第2のプリント領域の少なくとも一方を拡大縮小可能に、表示し、
    前記第3の画像データに基づいて前記画像表示装置に表示された、共に前記補正処理が施される前の前記矩形画像および前記第2のプリント領域の少なくとも一方が拡大または縮小されることにより、前記画像表示装置に表示された前記矩形画像のうち、前記補正処理が施された後に前記非撮影画像を含まず、画欠けができるだけ少ない補正画像のみが表示されるように設定される前記第2のプリント領域から、この第2のプリント領域内に存在する画像の前記第3の画像データに前記補正処理をして得られた前記矩形の第1のプリント領域内に存在する前記補正画像のみの前記第4の画像データに対応する前記第5の画像データを、前記第2の画像データとして得ることを特徴とする画像処理方法。
  4. 光学的に撮影された第1の画像から第1の画像データを得、得られた第1の画像データに所定の処理を施して、プリント画像として出力する第2の画像データを得るに際し、
    前記第1の画像から画像表示装置に表示するための第3の画像データを得、
    前記第1の画像を撮影した撮影レンズの情報を取得し、
    この撮影レンズの情報から撮影レンズのレンズ特性を得た後、
    前記プリント画像としてプリント出力するための前記第1の画像データのみならず、前記画像表示装置に表示するための前記第3の画像データにも、得られた前記レンズ特性と前記撮影画像の画素位置情報とを用いて、倍率色収差補正および歪曲収差補正のいずれか少なくとも1つの補正処理をそれぞれ施して、前記第3の画像データから、前記画像表示装置に表示するための、前記補正処理が施された第4の画像データを得るとともに、前記第1の画像データから、前記プリント画像としてプリント出力するための、前記補正処理が施された第5の画像データを得
    前記第3の画像データに基づいて前記補正処理が施される前の第2の画像のうち、前記第4の画像データに基づいて前記補正処理によって倍率色収差補正および歪曲収差補正のいずれか少なくとも1つの補正処理が施された補正画像および非撮影画像、または前記補正画像のみに基づいて設定された前記プリント画像としてプリント出力されるべき矩形の第1のプリント領域を、前記第3の画像データに基づいて前記補正処理が施される前に変換して得られた第2のプリント領域内のみの第2の画像を、拡大縮小可能に、前記画像表示装置に表示し、
    前記第3の画像データに基づいて前記画像表示装置に表示された前記第2のプリント領域内の前記第2の画像が拡大または縮小されることにより、前記画像表示装置に表示された前記第2のプリント領域内の前記補正処理が施される前の前記第2の画像が、前記補正 処理が施された後に前記非撮影画像を含まず、画欠けができるだけ少ない補正画像のみとなるように設定されたときに、前記第2のプリント領域内に存在する画像の前記第3の画像データに前記補正処理をして得られた前記矩形の第1のプリント領域内に存在する前記補正画像のみの前記第4の画像データに対応する前記第5の画像データを、前記第2の画像データとして得ることを特徴とする画像処理方法。
  5. 前記非撮影画像を含まず、画欠けができるだけ少ない補正画像は、前記非撮影画像を含まない最大の補正画像である請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理方法。
  6. 光学的に撮影された画像から画像表示装置に表示するための第3の画像データを得、得られた第3の画像データに基づいて前記画像表示装置に検定用画像として前記撮影画像を表示するとともに、前記撮影画像から第1の画像データを得、得られた第1の画像データに所定の画像処理を施し、プリント画像としてプリント出力する第2の画像データを得る画像処理装置であって、
    前記撮影画像を撮影した撮影レンズの情報を取得する取得手段と、
    前記撮影レンズの情報に応じて、前記撮影レンズのレンズ特性を記憶する記憶手段と、
    前記取得手段が取得した前記撮影レンズの情報に応じて前記記憶手段から対応する前記撮影レンズのレンズ特性を受け取り、前記プリント画像としてプリント出力するための前記第1の画像データのみならず、前記画像表示装置に表示するための前記第3の画像データにも、前記撮影画像の画素位置情報と得られた前記撮影レンズのレンズ特性とから前記撮影画像の倍率色収差および歪曲収差の少なくとも一つの収差それぞれ補正して、前記第3の画像データから、前記画像表示装置に表示するための、前記収差が補正された第4の画像データを得るとともに、前記第1の画像データから、前記プリント画像としてプリント出力するための、前記収差が補正された第5の画像データを得る補正手段を有し、
    前記補正手段によって前記第1の画像データを補正して得られたプリント画像出力用の前記第2の画像データを出力するに先立って、前記補正手段によって補正された前記第4の画像データに基づいて、前記補正手段によって前記収差が補正された補正画像および非撮影画像、または前記補正画像のみを含む矩形画像と、前記プリント画像としてプリント出力されるべき矩形のプリント領域とを、同時に、かつ、前記補正画像および前記プリント領域の少なくとも一方を拡大縮小可能に、前記画像表示装置に表示し、
    前記第4の画像データに基づいて前記画像表示装置に表示された前記補正画像および前記矩形のプリント領域の少なくとも一方が拡大または縮小されることにより、前記画像表示装置に表示された前記矩形画像のうち、前記非撮影画像を含まず、画欠けができるだけ少ない補正画像のみが表示されるように設定された前記プリント領域から、このプリント領域内に存在する前記補正画像のみの前記第4の画像データに対応する前記第5の画像データを、前記第2の画像データとして得ることを特徴とする画像処理装置。
  7. 光学的に撮影された画像から画像表示装置に表示するための第3の画像データを得、得られた第3の画像データに基づいて前記画像表示装置に検定用画像として前記撮影画像を表示するとともに、前記撮影画像から第1の画像データを得、得られた第1の画像データに所定の画像処理を施し、プリント画像としてプリント出力する第2の画像データを得る画像処理装置であって、
    前記撮影画像を撮影した撮影レンズの情報を取得する取得手段と、
    前記撮影レンズの情報に応じて、前記撮影レンズのレンズ特性を記憶する記憶手段と、
    前記取得手段が取得した前記撮影レンズの情報に応じて前記記憶手段から対応する前記撮影レンズのレンズ特性を受け取り、前記プリント画像としてプリント出力するための前記第1の画像データのみならず、前記画像表示装置に表示するための前記第3の画像データにも、前記撮影画像の画素位置情報と得られた前記撮影レンズのレンズ特性とから前記撮影画像の倍率色収差および歪曲収差の少なくとも一つの収差それぞれ補正して、前記第3の画像データから、前記画像表示装置に表示するための、前記収差が補正された第4 の画像データを得るとともに、前記第1の画像データから、前記プリント画像としてプリント出力するための、前記収差が補正された第5の画像データを得る補正手段を有し、
    前記補正手段によって前記第1の画像データを補正して得られたプリント画像出力用の前記第2の画像データを出力するに先立って、前記補正手段によって補正された前記第4の画像データに基づいて、前記補正手段によって前記収差が補正された補正画像および非撮影画像、または前記補正画像のみを含む画像のうち、前記プリント画像としてプリント出力されるべき矩形のプリント領域と一致する矩形領域内のみの画像を、拡大縮小可能に、前記画像表示装置に表示し、
    前記第4の画像データに基づいて前記画像表示装置に表示された前記矩形領域内の前記補正画像が拡大または縮小されることにより、前記画像表示装置に表示された前記矩形領域内の画像が、前記非撮影画像を含まず、画欠けができるだけ少ない補正画像のみとなるように設定されたときに、前記矩形のプリント領域と一致する前記矩形領域内に存在する前記補正画像のみの前記第4の画像データに対応する第5の画像データを、前記プリント画像としてプリント出力するための第2の画像データとして得ることを特徴とする画像処理装置。
  8. 光学的に撮影された画像から画像表示装置に表示するための第3の画像データを得、得られた第3の画像データに基づいて前記画像表示装置に検定用画像として前記撮影画像を表示するとともに、前記撮影画像から第1の画像データを得、得られた第1の画像データに所定の画像処理を施し、プリント画像としてプリント出力する第2の画像データを得る画像処理装置であって、
    前記撮影画像を撮影した撮影レンズの情報を取得する取得手段と、
    前記撮影レンズの情報に応じて、前記撮影レンズのレンズ特性を記憶する記憶手段と、
    前記取得手段が取得した前記撮影レンズの情報に応じて前記記憶手段から対応する前記撮影レンズのレンズ特性を受け取り、前記プリント画像としてプリント出力するための前記第1の画像データのみならず、前記画像表示装置に表示するための前記第3の画像データにも、前記撮影画像の画素位置情報と得られた前記撮影レンズのレンズ特性とから前記撮影画像の倍率色収差および歪曲収差の少なくとも一つの収差それぞれ補正して、前記第3の画像データから、前記画像表示装置に表示するための、前記収差が補正された第4の画像データを得るとともに、前記第1の画像データから、前記プリント画像としてプリント出力するための、前記収差が補正された第5の画像データを得る補正手段を有し、
    前記補正手段によって前記第1の画像データを補正して得られたプリント画像出力用の前記第2の画像データを出力するに先立って、前記第3の画像データに基づく前記補正手段による補正の前の矩形画像と、前記補正手段によって補正された前記第4の画像データに基づいて前記収差が補正された補正画像および非撮影画像、または前記補正画像のみに基づいて設定された前記プリント画像としてプリント出力されるべき矩形の第1のプリント領域を、前記第3の画像データに基づいて前記収差が補正される前に変換して得られた第2のプリント領域とを、同時に、かつ、前記矩形画像および前記第2のプリント領域の少なくとも一方を拡大縮小可能に、前記画像表示装置に表示し、
    前記第3の画像データに基づいて前記画像表示装置に表示された、共に前記補正処理が施される前の前記矩形画像および前記第2のプリント領域の少なくとも一方が拡大または縮小されることにより、前記画像表示装置に表示された前記矩形画像のうち、前記補正処理が施された後に前記非撮影画像を含まず、画欠けができるだけ少ない補正画像のみが表示されるように設定される前記第2のプリント領域から、この第2のプリント領域内に存在する画像の前記第3の画像データに前記補正処理をして得られた前記矩形の第1のプリント領域内に存在する前記補正画像のみの前記第4の画像データに対応する前記第5の画像データを、前記第2の画像データとして得ることを特徴とする画像処理装置。
  9. 光学的に撮影された第1の画像から画像表示装置に表示するための第3の画像データを得、得られた第3の画像データに基づいて前記画像表示装置に検定用画像として前記第1 画像を表示するとともに、前記撮影画像から第1の画像データを得、得られた第1の画像データに所定の画像処理を施し、プリント画像としてプリント出力する第2の画像データを得る画像処理装置であって、
    前記第1の画像を撮影した撮影レンズの情報を取得する取得手段と、
    前記撮影レンズの情報に応じて、前記撮影レンズのレンズ特性を記憶する記憶手段と、
    前記取得手段が取得した前記撮影レンズの情報に応じて前記記憶手段から対応する前記撮影レンズのレンズ特性を受け取り、前記プリント画像としてプリント出力するための前記第1の画像データのみならず、前記画像表示装置に表示するための前記第3の画像データにも、前記第1の画像の画素位置情報と得られた前記撮影レンズのレンズ特性とから前記第1の画像の倍率色収差および歪曲収差の少なくとも一つの収差それぞれ補正して、前記第3の画像データから、前記画像表示装置に表示するための、前記収差が補正された第4の画像データを得るとともに、前記第1の画像データから、前記プリント画像としてプリント出力するための、前記収差が補正された第5の画像データを得る補正手段を有し、
    前記補正手段によって前記第1の画像データを補正して得られたプリント画像出力用の前記第2の画像データを出力するに先立って、前記第3の画像データに基づく前記補正手段による補正の前の第2の画像のうち、前記第4の画像データに基づいて前記補正手段によって前記収差が補正された補正画像および非撮影画像、または前記補正画像のみに基づいて設定された前記プリント画像としてプリント出力されるべき矩形の第1のプリント領域を、前記第3の画像データに基づいて前記収差が補正される前に変換して得られた第2のプリント領域のみの前記第2の画像を、拡大縮小可能に、前記画像表示装置に表示し、
    前記第3の画像データに基づいて前記画像表示装置に表示された前記第2のプリント領域内の前記第2の画像が拡大または縮小されることにより、前記画像表示装置に表示された前記第2のプリント領域内の前記補正処理が施される前の前記第2の画像が、前記補正処理が施された後に前記非撮影画像を含まず、画欠けができるだけ少ない補正画像のみとなるように設定されたときに、前記第2のプリント領域内に存在する画像の前記第3の画像データに前記補正処理をして得られた前記矩形の第1のプリント領域内に存在する前記補正画像のみの前記第4の画像データに対応する前記第5の画像データを、前記第2の画像データとして得ることを特徴とする画像処理装置。
  10. 前記非撮影画像を含まず、画欠けができるだけ少ない補正画像は、前記非撮影画像を含まない最大の補正画像である請求項6〜9のいずれかに記載の画像処理装置。
  11. 前記第2の画像データを得るために前記第1の画像データに施される前記補正処理は、
    前記画像を撮影したレンズの特性と、前記画像の位置情報とから、前記倍率色収差および歪曲収差の少なくとも一つを補正した画像位置を算出し、
    前記倍率色収差および歪曲収差の少なくとも一つが補正された前記画像位置を用いて電子変倍処理を行うことにより、前記倍率色収差および歪曲収差の少なくとも一つの補正のための補間演算処理と前記電子変倍処理のための補間演算処理とを一回の補間演算処理で行うものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理方法。
  12. 前記補正手段は、前記画像の位置情報と前記レンズ特性とから、前記画像の倍率色収差および歪曲収差の少なくとも一つを補正した画像位置を算出し、前記倍率色収差および歪曲収差の少なくとも一つを補正した画像位置を用いて電子変倍処理を行うことにより、前記倍率色収差および歪曲収差の少なくとも一つの補正のための補間演算処理と前記電子変倍処理のための補間演算処理とを一回の補間演算処理で行うことを特徴とする請求項6〜10のいずれかに記載の画像処理装置。
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