JPH1034962A - インクホルダ - Google Patents

インクホルダ

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JPH1034962A
JPH1034962A JP21540696A JP21540696A JPH1034962A JP H1034962 A JPH1034962 A JP H1034962A JP 21540696 A JP21540696 A JP 21540696A JP 21540696 A JP21540696 A JP 21540696A JP H1034962 A JPH1034962 A JP H1034962A
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JP
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ink
pellet
pellets
holder
groove
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JP21540696A
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Akira Ishii
亮 石井
Toshio Ogawa
寿男 小川
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクホルダ25を収容溝部23に設置する
という1回の動作によって、保持部26に保持された複
数のインクペレット20をインクホルダ25から収容溝
部23に移動させてセットすることによって、インクペ
レット20のセット作業を容易且つ短時間で行うことを
可能にする。 【解決手段】 ホットメルトインクからなるインクペレ
ット20を所定位置方向に移動自在に収容可能な収容溝
部23に対してインクペレット20を補給するものであ
る。インクペレット20を複数個保持すると共に、イン
クホルダ25が収容溝部23に設置されたときに、イン
クペレット20を収容溝部23に移動させる保持部26
を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固形状のホットメ
ルトインクからなるインクペレットを補給するインクホ
ルダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ホットメルトインクを用いたインクジェ
ット記録装置は、ヒータを備えたインク溶融部において
ホットメルトインクを加熱溶融しておき、多数のノズル
を有した記録ヘッドを主走査しながら、ノズルからイン
ク滴を噴出させて用紙に吹き付けることによって、用紙
に文字や図形を印字するようになっている。
【0003】ところで、インク溶融部へのホットメルト
インクの供給は、ホットメルトインクが常温で固形状態
となることから、通常、所定形状のインクペレットの形
態で加工および保管しておき、インク切れとなったとき
に、ペレット単位でインク溶融部に投入することにより
行われている。この際、オペレータがインクペレットを
直接手で触れると、手の汚れや皮脂がインクペレットに
付着することによって、ホットメルトインクの品質が低
下することになる。従って、従来は、図16に示すよう
に、インクホルダ71をカップ形状に形成すると共に、
ホットメルトインクをインクホルダ71の内面形状に一
致するように形成し、インクペレット73をインクホル
ダ71に収納して保管しておく。そして、インク切れと
なったときに、インクホルダ71の開口側がインク溶融
部の投入口72に当接するようにインクホルダ71を設
置し、インクホルダ71の背面側を手で押圧して押し潰
しながら変形させることによって、インクペレット73
を直接手で触れることなく投入口72に投入するように
なっている(U.S.Patent4823146)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のように、インクホルダ71に1個のインクペレット
73を収容する構成では、インクホルダ71を設置して
押圧するという1回の作業により1個のインクペレット
73しか取り出せない。従って、少量のホットメルトイ
ンクでインクペレット73を形成した場合には、1回の
作業ではインク溶融部に供給されるインク量が少ないた
め、インク切れが頻繁に生じることになる。そして、イ
ンク切れを低減するように、供給量を所定量以上にしよ
うとすると、インクペレット73の投入回数が増加して
オペレータの作業負担が増大するという問題がある。
【0005】一方、多量のホットメルトインクでインク
ペレット73を形成した場合には、上述のような頻繁な
インク切れやオペレータの作業負担を低減させることが
できるが、通常のインクジェット記録装置の使用状態に
おけるインク消費量に対して過剰な供給量となり易いた
め、ホットメルトインクがインク溶融部において長期間
の加熱により熱劣化して品質を低下させ易いという問題
がある。
【0006】従って、本発明は、必要とする数量のイン
クペレット73を短時間で用意して所定量のホットメル
トインクを供給することができるインクホルダを提供し
ようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、ホットメルトインクからなるイ
ンクペレットを所定位置方向に移動自在に収容可能な収
容溝部に対して、前記インクペレットを補給するインク
ホルダであって、前記インクペレットを複数個保持する
と共に、前記インクホルダが前記収容溝部に設置された
ときに、前記インクペレットを該収容溝部に移動させる
保持手段を備えたことを特徴としている。これにより、
インクホルダを収容溝部に設置するという1回の動作に
よって、保持手段に保持された複数のインクペレットを
インクホルダから収容溝部に移動させてセットすること
ができるため、所定量のホットメルトインクとなるイン
クペレットのセット作業を容易且つ短時間で行うことが
できる。
【0008】請求項2の発明は、請求項1記載のインク
ホルダであって、前記保持手段は、複数個の保持部から
なるものであり、これら複数の保持部は、前記収容溝部
に設置されたときに該収容溝部に沿うように直列配置さ
れていることを特徴としている。これにより、各インク
ペレットを各保持部において所定の姿勢で確実に保持さ
せることができるため、セットミスを十分に防止するこ
とできる。
【0009】請求項3の発明は、請求項2記載のインク
ホルダであって、前記保持部は、前記インクペレットの
両側面に係合することにより該インクペレットを保持す
る一対の爪部材を有しており、前記収容溝部は、前記爪
部材同士を押し開いて係合を解除する一対の係合解除部
材を前記各保持部に対応して有していることを特徴とし
ている。これにより、一対の爪部材および係合解除部材
からなる簡単な機構によりインクペレットの保持および
収容溝部へのセットを行うことができる。
【0010】請求項4の発明は、請求項2または3記載
のインクホルダであって、前記保持部は、前記インクペ
レットの前記収容溝部への移動時に、該インクペレット
の側面に当接して姿勢を維持させるガイド部材を有して
いることを特徴としている。これにより、保持部のガイ
ド部材からなる簡単な機構によって、インクペレットを
所定の姿勢に維持しながら収容溝部に移動させることが
できる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1ないし
図15に基づいて以下に説明する。本実施形態に係るイ
ンクホルダは、図5に示すように、インク供給装置2に
対してインクペレット20を3個単位で補給するように
なっている。インクペレット20が補給されるインク供
給装置2は、インクジェット記録装置1の上カバー4の
一部を構成するように設けられている。インクジェット
記録装置1は、下カバー3および上カバー4を筐体とし
て有しており、上カバー4の後部側には、多数枚の用紙
5を積層して収容可能な給紙機構6が設けられている。
給紙機構6の下端部の近傍には、図4に示すように、給
紙ローラ7が配設されており、給紙ローラ7は、給紙機
構6に収容された用紙5を搬送経路11に送り出すよう
になっている。
【0012】上記の搬送経路11は、第1搬送ローラ8
と第2搬送ローラ9と排紙トレイ部10と排紙口3aと
を給紙機構6側からこの順に有しており、第1および第
2搬送ローラ8・9により用紙5を矢符方向(副走査方
向)に定量的または連続的に移動させながら、用紙5を
排紙口3aから機外に排紙させるようになっている。
【0013】上記の搬送経路11の上カバー4側には、
記録ヘッド機構12が配置されている。記録ヘッド機構
12は、用紙5に対向するように配設されたヘッド部1
5と、ヘッド部15に供給されるホットメルトインクを
収容するタンク部16と、タンク部16に収容されたホ
ットメルトインクを加熱溶融する図示しないヒーター部
とを有している。そして、ヘッド部15は、副走査方向
に配列された多数のノズルを有しており、これらのノズ
ルから液状のホットメルトインクからなるインク滴を噴
出するようになっている。
【0014】また、記録ヘッド機構12は、上記のヘッ
ド部15やタンク部16等を支持するキャリッジ13
と、キャリッジ13を副走査方向に対して垂直となる主
走査方向に移動自在に支持するガイド部材14と、キャ
リッジ13をガイド部材14に沿わせて主走査方向に往
復移動させる図示しない走行機構とを有している。これ
により、記録ヘッド機構12は、キャリッジ13を主走
査方向に移動させながら、キャリッジ13と共に移動す
るヘッド部15から所定の印字タイミングでインク滴を
用紙5に吹き付けることにより1バンド分の印字を行う
ようになっている。
【0015】尚、上記のホットメルトインクとは、常温
で固形化し、加熱することにより液化するインクの総称
であり、例えば軟化点が40〜140℃、融点が50〜
150℃、インクから吐出される際のインク粘度が3〜
50cpsである性質を有しており、好ましくは30〜
90%のワックスと、5〜70%の樹脂と、0.1〜1
0%の色剤と、その他の添加剤(増粘剤や界面活性剤、
溶解剤等)とからなっている。
【0016】上記の構成を有した記録ヘッド機構12の
上方には、固形状のホットメルトインクからなるインク
ペレット20を前面側の供給部A(所定位置)から排出
してタンク部16に供給するインク供給装置2が配置さ
れている。インク供給装置2は、インクペレット20を
収容するインクケース21と、インクケース21の一端
部に回動自在に軸支されたカバー部材22とを有してお
り、カバー部材22は、インクケース21を開放可能に
被覆するようになっている。
【0017】上記のインクケース21は、図5に示すよ
うに、カラーインクジェット記録装置のインク色である
イエロー色(Y)、マゼンタ色(M)、シアン色
(C)、および黒色(K)に対応して並列配置された収
容溝部23を有している。各収容溝部23は、図4のタ
ンク部16にインクペレット20を排出して供給する排
出部23aと、複数のインクペレット20を排出部23
a方向に移動自在に支持するペレット支持溝23bと、
ペレット支持溝23bにインクペレット20をセットす
るセット部23cとを供給部A側からこの順に有してい
る。
【0018】上記の供給部A側に配置された排出部23
aは、図6および図7にも示すように、上面から下面に
かけて開口されている。排出部23aの下面側には、ペ
レット支持溝23bの底面に一端が固定されたペレット
支持片35が設けられており、このペレット支持片35
は、インクペレット20の下面に当接して支持すること
によって、排出部23aに移動されたインクペレット2
0を保持するようになっている。
【0019】上記の排出部23aに保持されたインクペ
レット20は、図9に示すように、排出機構36により
下方に押圧されて排出されるようになっている。排出機
構36は、各収容溝部23に対応してそれぞれ設けられ
ており、回動時にインクペレット20の上面を下方に押
圧する第1回動部材37を有している。第1回動部材3
7は、回動制御機構41を介して第2回動部材40に連
結可能にされており、第2回動部材40は、上述の第1
および第2搬送ローラ8・9を回転駆動する図示しない
LFモータにより上下(矢符)方向に回動されるように
なっている。
【0020】上記の回動制御機構41は、第1回動部材
37に一端部が回動自在に連結された第1連結部材38
と、この第1連結部材38の自由端側に設けられた係合
部材39と、係合部材39に係合可能な鍵部材42とを
有している。鍵部材42は、係合部材39に係合するよ
うに自由端側が鍵形状に形成されており、この鍵形状の
先端部は、鍵部材42が上下方向に移動しただけでは係
合部材39に当接しないように設定されている。
【0021】一方、鍵部材42の固定端側には、ピニオ
ン部材44が回転自在に設けられており、ピニオン部材
44は、鍵部材42の自由端側を側方に回動自在に軸支
するようになっている。そして、ピニオン部材44は、
内壁面に縦設されたラック部材45に歯合されており、
ピニオン部材44およびラック部材45は、鍵部材42
の移動方向を上下方向に規制するようになっている。ま
た、鍵部材42の固定端側には、第2連結部材46も接
続されており、第2連結部材46は、上述の第2回動部
材40の自由端側に回動自在に連結されている。
【0022】上記の鍵部材42は、供給選択部材43に
当接可能に設けられている。供給選択部材43は、タン
ク部16の側面に固設されており、鍵部材42に当接し
たときに、鍵部材42を側方に移動させるようになって
いる。これにより、上記の構成を有した回動制御機構4
1は、第2回動部材40が回動して鍵部材42を下方向
に移動させたときに、鍵部材42が供給選択部材43に
当接しなければ、鍵部材42を下方向にのみ移動させる
ことによって、鍵部材42と係合部材39との係合を禁
止して第1回動部材37を回動させないようになってい
る。一方、鍵部材42が供給選択部材43に当接すれ
ば、鍵部材42を側方に回動させながら下方向に移動さ
せることによって、鍵部材42と係合部材39との係合
を許可して第1回動部材37を回動させるようになって
いる。
【0023】上記の供給選択部材43は、各色のタンク
部16に対応してそれぞれ設けられている。これらの供
給選択部材43の配設ピッチは、特定の供給選択部材4
3と排出機構36の鍵部材42とが当接したときに、他
の供給選択部材43と排出機構36の鍵部材42とが当
接しないように、排出機構36の配設ピッチとは異なる
ピッチに設定されており、供給対象となるタンク部16
に対応する収容溝部23に対してのみインクペレット2
0を排出させるようになっている。
【0024】上記のようにして排出機構36により排出
されるインクペレット20は、図10に示すように、固
形状のホットメルトインクからなっており、1頁以上を
印字可能なインク量であり、且つ通常使用条件下でのタ
ンク部16における滞留時間がインク劣化を招来しない
程度のインク量となるように設定されている。そして、
このインクペレット20は、図11に示すように、ペレ
ット支持溝23bの溝幅L2よりも僅かに大きな横幅L
1に設定された上面当接部20aと、上面当接部20a
における下面の両側に段部20c・20cを生じさせる
ように形成されたペレット本体20bとからなってお
り、これらの段部20c・20cは、ペレット支持溝2
3bの上面に当接して支持されるようになっている。
【0025】上記のペレット本体20bは、上記の段部
20c・20で支持されたときに、ペレット本体20b
がペレット支持溝23bに接触しないように、ペレット
支持溝23bの溝幅L2よりも小さな横幅であると共
に、ペレット支持溝23bの溝深さよりも小さな高さと
なるように形成されている。また、ペレット本体20b
は、両側面20d・20dが上面から下面にかけて横幅
が狭くなるように左右対称に傾斜されており、インクペ
レット20の移動時に多少の横揺れが生じても、ペレッ
ト本体20bの側面20dがペレット支持溝23bの側
壁面に接触して摩擦抵抗を増大させないようになってい
る。さらに、ペレット本体20bは、図12に示すよう
に、横断面が矩形状に形成されており、横断面の対角線
距離L3は、コーナ部がペレット支持溝23bの側壁面
に当接することにより収容状態の姿勢を大きく変化させ
ないように、ペレット支持溝23bの溝幅L2よりも大
きな距離に設定されている。
【0026】尚、ペレット本体20bの横断面の対角線
距離L3は、ペレット支持溝23bの溝幅L2よりも
0.5mm以上大きいことが望ましい。また、インクペ
レット20の横幅L1は、インクペレット20の側面と
ペレット支持溝23bの側壁面とが1mm以上離隔する
ように設定されていることが望ましい。この理由は、イ
ンクペレット20に多少の変形があっても、インクペレ
ット20の移動時において、インクペレット20の側面
やコーナー部がペレット支持溝23bの側壁面に頻繁に
接触することを低減させることができるため、インクペ
レット20の欠損や磨耗による回転の発生を防止するこ
とができると共に、接触による摩擦力を低減して移動を
円滑にすることができるからである。また、インクペレ
ット20は、インクペレットの移動時における傾倒を防
止するため、ペレット本体20b側に重心が存在するよ
うに形成されていることが望ましい。
【0027】上記のインクペレット20は、図1に示す
ように、オペレータに触れないようにインクホルダ25
に着脱可能に収納されている。インクホルダ25は、イ
ンクペレット20が挿入されるように一方面(図中下
面)が開口されたホルダ本体29と、ホルダ本体29内
に挿入されたインクペレット20を複数個単位で保持す
る保持機構とを有している。ホルダ本体29の他方面
(図中上面)には、押圧用凹部29aが中心部に形成さ
れており、押圧用凹部29aは、インクホルダ25に対
して均等に押圧力を付与してインクペレット20を移動
させる際の目印とされるようになっている。
【0028】一方、保持機構は、図2にも示すように、
図5の収容溝部23に沿うように直列配置された複数の
保持部26(保持手段)を有している。これらの各保持
部26は、インクペレット20の両側に形成された段部
20c・20cに係合する一対の爪部材27・27を有
しており、爪部材27・27は、図11に示すように、
インクペレット20の上面当接部20aがインクホルダ
25内に嵌合されたときに、段部20c・20cに係合
することによって、インクペレット20を保持するよう
になっている。
【0029】上記のインクホルダ25は、図5の収容溝
部23のセット部23cに設置されるようになってい
る。セット部23cには、インクホルダ25の爪部材2
7に対応して係合解除部材23dが上方に突設されてい
る。そして、係合解除部材23dは、インクホルダ25
が設置されたときに、爪部材27同士を押し開いて係合
を解除し、インクペレット20をインクホルダ25から
ペレット支持溝23bに自然落下により移動させるよう
になっている。尚、所定の色のインク用のインクホルダ
25が対応する収容溝部23のセット部23cにのみ設
置可能となるように、インクホルダ25およびこのイン
クホルダ25に対応するセット部23cに図示しないキ
ー部およびキー溝部がそれぞれ各色毎に形成されている
ことが望ましい。
【0030】また、インクホルダ25の保持部26は、
図1および図2にも示すように、板状のガイド部材28
を隣接する保持部26・26間にかけて有している。ガ
イド部材28は、インクペレット20の側面に当接する
ように形成されており、インクペレット20のペレット
支持溝23bへの移動時に、上面当接部20aの側面に
当接することによって、インクペレット20の姿勢を維
持させるようになっている。
【0031】上記のようにしてペレット支持溝23bに
移動されたインクペレット20は、図13に示すよう
に、ペレット押圧部材30および付勢部材31を備えた
付勢機構により排出部23a方向に付勢されるようにな
っている。この付勢機構は、各収容溝部23にそれぞれ
設けられており、ペレット押圧部材30は、インクペレ
ット20の側面に当接するようにペレット支持溝23b
に沿って移動自在に設けられている。また、付勢部材3
1は、安定した付勢力を発生するように渦巻バネからな
っており、巻き中心がペレット押圧部材30に固定され
ていると共に、先端部が収容溝部23の排出部23aに
固定されている。尚、付勢部材31は、スプリングバネ
であっても良い。
【0032】上記のペレット押圧部材30の上面には、
突設部材32が設けられている。突設部材32には、リ
ンク部材33の自由端側が当接されるようになってお
り、リンク部材33は、図14に示すように、各色用に
設定された全収容溝部23の突設部材32に当接するよ
うに、インクケース21の両側壁面間よりも僅かに小さ
な横幅に設定されている。そして、リンク部材33の自
由端側の両側面には、図13に示すように、嵌合凸部3
3aが形成されており、嵌合凸部33aは、インクケー
ス21の両側面壁に形成されたガイド凹部21aに移動
自在に係合されている。
【0033】上記のガイド凹部21aは、図5にも示す
ように、収容溝部23の排出部23aからセット部23
cにかけて直線的に形成された後、セット部23cの位
置において上方に曲折された係止凹部21bに接続され
ている。一方、リンク部材33の固定端側は、カバー部
材22の略中心位置に回動自在に軸支されている。これ
により、リンク部材33は、カバー部材22が開放する
ように回動されたときに、固定端側が引き上げられるの
に伴って、自由端側がガイド凹部21aに沿ってセット
部23c方向に移動して全ての突設部材32に当接し、
これらの突設部材32をペレット押圧部材30と共にセ
ット部23c方向に移動させるようになっている。そし
て、リンク部材33が完全に開放されたときに、嵌合凸
部33aが係止凹部21bに引き上げられてリンク部材
33が固定されることによって、カバー部材22の開放
状態を維持しながらペレット押圧部材30を保持するよ
うになっている。
【0034】上記のリンク部材33の上面には、インク
ペレット20のインク色を示す色表示(“Y”,
“M”,“C”,“K”)が各収容溝部23に対応して
施されている。これらの色表示(“Y”,“M”,
“C”,“K”)は、収容溝部23の外部から目視可能
な部位にも施されており、収容溝部23へのインクペレ
ット20の補給時の作業ミスを防止するようになってい
る。尚、色表示は、カバー部材22に施されていても良
い。
【0035】また、上記のカバー部材22は、図15に
示すように、透視性を有した材質からなっており、収容
溝部23のインクペレット20の収容状態を外部から視
認可能に形成されている。カバー部材22の表面には、
インクペレット20の収容数を示す目盛り22aが施さ
れており、目盛り22aは、インクペレットの残量をオ
ペレータに外部からの目視により把握させるようになっ
ている。尚、この目盛り22aは、インクケース21に
形成されていても良い。また、カバー部材22は、収容
溝部23に沿って上面から下面に連通された開口窓部を
形成することにより透視性を得るようになっていても良
く、この場合には、カバー部材22に透視性の材質を用
いることが不要となる。
【0036】上記の構成において、インク供給装置2の
動作を通じてインクホルダ25の動作について説明す
る。先ず、各インク色の溶融ホットメルトインクが所定
の型を用いて固化されて図8に示す形状のインクペレッ
ト20が形成される。この後、インクペレット20をオ
ペレータが直接触れることによる汚れや皮脂のインクペ
レット20への付着を防止するため、図1および図2に
示すように、インクペレット20がインクホルダ25内
に挿入される。インクペレット20がインクホルダ25
内に挿入されると、インクホルダ25の爪部材27がイ
ンクホルダ25の段部20cに係合することによって、
インクペレット20がインクホルダ25に保持されるこ
とになり、インクホルダ25の取り扱い時に姿勢を変化
させたり、衝撃を与えても脱落することがない。そし
て、このようにして挿入された3個のインクペレット2
0がインクホルダ25に直列的に保持された状態で保管
され、オペレータに対して補給用インクとして供給され
ることになる。
【0037】次に、図15に示すように、カバー部材2
2が透視性を有しているため、カバー部材22を介して
インクケース21の内部が目視され、インクペレット2
0の収容状態が確認される。そして、インクペレット2
0の収容数が目盛り22aにより把握され、所定数以下
であれば、補給時期であると判断され、色表示によりイ
ンク色が確認された後、このインク色のインクペレット
20の補給が行われることになる。
【0038】即ち、図13に示すように、カバー部材2
2が開放状態とされるように回動される。カバー部材2
2が回動されると、リンク部材33の固定端側が引き上
げられると共に、自由端側の嵌合凸部33aがガイド凹
部21aに沿ってセット部23c方向に移動する。嵌合
凸部33aがセット部23c方向に移動すると、リンク
部材33の自由端側が全ての突設部材32…に当接する
ことによって、ペレット押圧部材30が付勢部材31に
よる付勢方向とは反対方向のセット部23c方向に移動
する。そして、リンク部材33が完全に開放されると、
リンク部材33の嵌合凸部33aが係止凹部21bに引
き上げられ、リンク部材33が固定されることによっ
て、カバー部材22の開放状態が維持されながら、ペレ
ット押圧部材30が移動された位置に固定されることに
なる。これにより、カバー部材22を開放したときに、
収容溝部23の露出とペレット押圧部材30の移動によ
る付勢の解除とが同時に行われるため、カバー部材22
を開放する1回の操作によりインクペレット20を収容
溝部23にセットする作業の準備が完了することにな
る。
【0039】上記のようにしてカバー部材22が開放さ
れると、図5に示すように、カバー部材22やリンク部
材33に施された色表示に注意しながら、上述のインク
ホルダ25が収容溝部23のセット部23cに設置され
る。そして、セット部23c方向に押圧されると、図1
1に示すように、インクペレット20の段部20cに係
合していた爪部材27が係合解除部材23dにより押し
開かれて係合を解除することによって、インクペレット
20がインクホルダ25からペレット支持溝23bに自
然落下により移動される。この際、移動時にインクペレ
ット20が回動しようとしても、インクペレット20の
側面がガイド部材28に当接するため、インクホルダ2
5に保持された姿勢に維持されながらペレット支持溝2
3bに到達する。従って、インクペレット20の段部2
0cがペレット支持溝23bの上面に確実に当接して支
持されるため、インクホルダ25からペレット支持溝2
3bへのインクペレット20のセットミスが極めて低減
されたものになる。そして、このようにセットミスが殆
ど無いと共に、1回のセット作業で3個のインクペレッ
ト20が同時にセットされるため、セット作業が短時間
で完了することになる。
【0040】ペレット支持溝23bにインクペレット2
0がセットされると、図13に示すように、カバー部材
22がインクケース21を被覆するように回動されるこ
とによって、リンク部材33の自由端側が排出部23a
方向に移動される。これにより、図14に示すように、
リンク部材33と突設部材32との当接により保持され
ていたペレット押圧部材30が付勢部材31により排出
部23a方向に移動することによって、各収容溝部23
におけるインクペレット20が排出部23a方向にそれ
ぞれ移動される。
【0041】この際、インクペレット20のペレット本
体20bは、図11および図12に示すように、段部2
0cで支持されたときに、ペレット支持溝23bの溝幅
L2よりも小さな横幅であると共に、ペレット支持溝2
3bの溝深さよりも小さな高さとなるように形成されて
いる。また、ペレット本体20bは、横断面が矩形状に
形成され、横断面の対角線距離L3は、ペレット支持溝
23bの溝幅L2よりも大きくなるように形成されてい
る。さらに、ペレット本体20bの両側面20d・20
dは、上面から下面にかけて横幅が狭くなるように傾斜
されている。これにより、インクペレット20の移動時
において多少の横揺れが生じても、ペレット本体20b
がペレット支持溝23bに接触して摩擦力を増大させな
いと共に、コーナ部がペレット支持溝23bの側壁面に
当接して姿勢を大きく変化させないため、確実に所定の
姿勢でインクペレット20を排出部23aに到達するこ
とになる。
【0042】次に、上記のようにしてインクペレット2
0の補給が完了すると、図4に示すように、インクジェ
ット記録装置1が作動されて印字が開始される。そし
て、タンク部16のホットメルトインクが消費されて図
示しないインク残量センサによりインク切れとして検知
されると、図9に示すように、インク切れを生じたタン
ク部16に対してインクペレット20を供給するよう
に、記録ヘッド機構12のタンク部16が供給位置に移
動される。そして、インク切れを生じたタンク部16の
供給選択部材43が、このタンク部16に対応する排出
機構36の鍵部材42の下方に到達したときに、タンク
部16の移動が停止される。この後、図示しないLFモ
ータにより第2回動部材40が矢符方向に回動される。
第2回動部材40が回動されると、第2連結部材46を
介してピニオン部材44が下方向に移動されることによ
って、鍵部材42が下方向に移動される。
【0043】この際、鍵部材42の下方に供給選択部材
43が位置するように選択された排出機構36において
は、回動許可部材42が供給選択部材43に当接する。
そして、鍵部材42が側方に回動しながら下方向に移動
して係合部材39に係合し、係合部材39および第1連
結部材38を下方向に移動させる。これにより、第1連
結部材38を介して第1回動部材37が回動され、図8
にも示すように、排出部23aのペレット支持片35に
支持されたインクペレット20の上面が下方に押圧され
ることによって、インクペレット20が排出部23aか
ら下方のタンク部16に落下して投入される。そして、
このようにしてインクペレット20が排出されると、イ
ンクペレット20の欠落した排出部23aに対して、イ
ンクペレット20が付勢部材31の付勢によりペレット
支持溝23bを移動して補充される。
【0044】一方、選択されていない排出機構36にお
いては、回動許可部材42が供給選択部材43に当接し
ないため、鍵部材42が下方向にのみ移動して係合部材
39に係合することがない。従って、係合部材39に第
1連結部材38を介して連結された第1回動部材37が
回動しないため、インクペレット20が排出されること
はない。これにより、供給選択部材43および排出機構
36によって、供給対象となるタンク部16に対応する
収容溝部23に対してのみインクペレット20の排出が
行われるため、インクペレット20の不必要な供給ミス
が防止されることになる。
【0045】このように、本実施形態のインクホルダ2
5は、ホットメルトインクからなるインクペレット20
を所定位置方向に移動自在に収容可能な収容溝部23に
対してインクペレット20を補給するものである。そし
て、インクペレット20を複数個保持すると共に、イン
クホルダ25が収容溝部23に設置されたときに、イン
クペレット20を収容溝部23に移動させる保持部26
を備えている。これにより、インクホルダ25を収容溝
部23に設置するという1回の動作によって、保持部2
6に保持された複数のインクペレット20をインクホル
ダ25から収容溝部23に移動させてセットすることが
できるため、インクペレット20のセット作業を容易且
つ短時間で行うことができる。
【0046】
【発明の効果】請求項1の発明は、ホットメルトインク
からなるインクペレットを所定位置方向に移動自在に収
容可能な収容溝部に対して、前記インクペレットを補給
するインクホルダであって、前記インクペレットを複数
個保持すると共に、前記インクホルダが前記収容溝部に
設置されたときに、前記インクペレットを該収容溝部に
移動させる保持手段を備えた構成である。これにより、
インクホルダを収容溝部に設置するという1回の動作に
よって、保持手段に保持された複数のインクペレットを
インクホルダから収容溝部に移動させてセットすること
ができるため、所定量のホットメルトインクとなるイン
クペレットのセット作業を容易且つ短時間で行うことが
できるという効果を奏する。
【0047】請求項2の発明は、請求項1記載のインク
ホルダであって、前記保持手段は、複数個の保持部から
なるものであり、これら複数の保持部は、前記収容溝部
に設置されたときに該収容溝部に沿うように直列配置さ
れている構成である。これにより、各インクペレットを
各保持部において所定の姿勢で確実に保持させることが
できるため、セットミスを十分に防止することできると
いう効果を奏する。
【0048】請求項3の発明は、請求項2記載のインク
ホルダであって、前記保持部は、前記インクペレットの
両側面に係合することにより該インクペレットを保持す
る一対の爪部材を有しており、前記収容溝部は、前記爪
部材同士を押し開いて係合を解除する一対の係合解除部
材を前記各保持部に対応して有している構成である。こ
れにより、一対の爪部材および係合解除部材からなる簡
単な機構によりインクペレットの保持および収容溝部へ
のセットを行うことができるという効果を奏する。
【0049】請求項4の発明は、請求項2または3記載
のインクホルダであって、前記保持部は、前記インクペ
レットの前記収容溝部への移動時に、該インクペレット
の側面に当接して姿勢を維持させるガイド部材を有して
いる構成である。これにより、保持部のガイド部材から
なる簡単な機構によって、インクペレットを所定の姿勢
に維持しながら収容溝部に移動させることができるとい
う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクホルダにインクペレットが収容される状
態を示す説明図である。
【図2】インクホルダにインクペレットが収容された状
態を示す説明図である。
【図3】インクジェット記録装置の斜視図である。
【図4】インクジェット記録装置の内部配置を示す概略
構成図である。
【図5】インク供給装置の斜視図である。
【図6】排出部にインクペレットが移動される状態を示
す説明図である。
【図7】排出部にインクペレットが保持された状態を示
す説明図である。
【図8】排出部にインクペレットが排出される状態を示
す説明図である。
【図9】排出機構によりインクペレットが排出される状
態を示す説明図である。
【図10】インクペレットの斜視図である。
【図11】インクホルダからセット部にインクペレット
が移動される状態を示す説明図である。
【図12】インクペレットと収容溝部との関係を示す説
明図である。
【図13】カバー部材が回動される状態を示す説明図で
ある。
【図14】各収容溝部にインクペレットが収容された状
態を示す説明図である。
【図15】カバー部材の斜視図である。
【図16】従来例を示すものであり、インクホルダから
インクペレットを取り出す状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 インクジェット記録装置 2 インク供給装置 12 記録ヘッド機構 16 タンク部 20 インクペレット 20a 上面当接部 20b ペレット本体 20c 段部 20d 側面 21 インクケース 21a ガイド凹部 21b 係止凹部 22 カバー部材 23 収容溝部 23a 排出部 23b ペレット支持溝 23c セット部 23d 係合解除部材 25 インクホルダ 26 保持部 27 爪部材 28 ガイド部材 29 ホルダ本体 30 ペレット押圧部材 31 付勢部材 32 突設部材 33 リンク部材 33a 嵌合凸部 35 ペレット支持片 36 排出機構 37 第1回動部材 38 第1連結部材 39 係合部材 40 第2回動部材 41 回動制御機構 42 鍵部材 43 供給選択部材 44 ピニオン部材 45 ラック部材 46 第2連結部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホットメルトインクからなるインクペレ
    ットを所定位置方向に移動自在に収容可能な収容溝部に
    対して、前記インクペレットを補給するインクホルダで
    あって、 前記インクペレットを複数個保持すると共に、前記イン
    クホルダが前記収容溝部に設置されたときに、前記イン
    クペレットを該収容溝部に移動させる保持手段を備えた
    ことを特徴とするインクホルダ。
  2. 【請求項2】 前記保持手段は、複数個の保持部からな
    るものであり、これら複数の保持部は、前記収容溝部に
    設置されたときに該収容溝部に沿うように直列配置され
    ていることを特徴とする請求項1記載のインクホルダ。
  3. 【請求項3】 前記保持部は、前記インクペレットの両
    側面に係合することにより該インクペレットを保持する
    一対の爪部材を有しており、 前記収容溝部は、前記爪部材同士を押し開いて係合を解
    除する一対の係合解除部材を前記各保持部に対応して有
    していることを特徴とする請求項2記載のインクホル
    ダ。
  4. 【請求項4】 前記保持部は、前記インクペレットの前
    記収容溝部への移動時に、該インクペレットの側面に当
    接して姿勢を維持させるガイド部材を有していることを
    特徴とする請求項2または3記載のインクホルダ。
JP21540696A 1996-07-24 1996-07-25 インクホルダ Pending JPH1034962A (ja)

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