JPH1034300A - 溶鋼のCa処理方法 - Google Patents

溶鋼のCa処理方法

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JPH1034300A
JPH1034300A JP19180996A JP19180996A JPH1034300A JP H1034300 A JPH1034300 A JP H1034300A JP 19180996 A JP19180996 A JP 19180996A JP 19180996 A JP19180996 A JP 19180996A JP H1034300 A JPH1034300 A JP H1034300A
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JP
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molten steel
treatment
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steel
clogging
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JP19180996A
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Wataru Yamada
亘 山田
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】Ca処理により介在物を低融点化してノズル閉
塞を防ぐ溶鋼の製造方法において、Ca添加量を適正範
囲に制御する。 【解決手段】Alが0.005〜0.05%含まれる溶
鋼にCa処理を施して鋼中の非金属介在物としてのAl
23を低融点化し、ノズル閉塞を防止する連続鋳造方法
において、Ca添加中に酸素プローブにより溶存酸素値
(ao)を連続的に測定しておき、次式によって求められ
るアルミナ活量値(aAl2O3)が0.55以下となり、か
つ0.2より小さくならない時点でCa添加を終了する
ことによって介在物形態を適正領域に制御しノズル閉塞
を生じさせないようにし、かつ過剰添加を防止する。 aAl2O3=fAl 2×[Al]2×ao 3×exp(147400/T
−2.475) log10(fAl)= 0.22×[C] 但し、[C],[Al]はC,Alの重量%、Tは絶対温度を
表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続鋳造における
イマージョンノズル閉塞防止のために行う溶鋼のCa処
理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶鋼中に0.005〜0.050%のA
lを含有する鋼を連続鋳造にて小断面の鋳型に注入する
場合、タンディッシュと鋳型をつなぐイマージョンノズ
ルがAl23による閉塞を起こし、鋳造が困難になるた
め、取鍋にCa添加を行い、Al23を低融点のカルシ
ュームアルミネイトに改質することでイマージョンノズ
ルの閉塞を防止するとともに、大型のAl23系介在物
の生成を防止し品質の向上が図られている。
【0003】Caの添加量については、Alキルド鋼の
場合ほぼ全量の溶鋼中酸素がAl23となっているた
め、改質されるべきAl23を十分に無害化できるCa
添加量の下限を全酸素量に応じて規制する技術が主流と
なっている(例えば特開昭63−7322、特開平3−
165952、特平3−79713)。
【0004】一方でCaを過剰に添加した場合、ノズル
閉塞や棒鋼、厚板等のUST欠陥の原因となるCaSの
析出が生じ、また、溶鋼中のフリーCa濃度が増加する
ため、Al23質のノズルに対しては溶損が問題となっ
てくる。このため、同じく全酸素量の値に応じてCa添
加量の上限を規制する技術が開示されている(例えば、
特開昭63−7322、特平3−79713、特開平1
−299742、特開平7−223058)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来行われてい
たCa処理鋼におけるCaの添加量の管理はすべて、C
a添加前の全酸素量の分析値を基にしたものであり、C
a処理中あるいは処理後の介在物組成に関しては検出す
る方法が無かったため、添加Ca歩留まりのばらつきや
処理中および処理後の溶鋼再酸化の程度のばらつきによ
って、実際のCa添加量を管理内に制御することは困難
であった。
【0006】本発明はこのような状況を鑑みてなされた
ものであって、その目的は、Ca処理を施して連続鋳造
を行うに際して、Ca添加中から介在物組成を把握して
Ca添加の過不足を防止することにより、連々鋳率の向
上、連続鋳造稼働率の向上および鋳造鋼種の組み合わせ
制限緩和を達成するための溶鋼のCa処理方法を提供し
ようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、0.005〜
0.050%のAlを含有した溶鋼をCa処理するに当
たり、Ca添加中に酸素プローブにより溶存酸素値
(ao)を連続的に測定し、(1)式によって求められるアル
ミナ活量値(aAl2O3)が0.2以上かつ0.55以下と
なった時点でCa添加を終了することを特徴とする溶鋼
のCa処理方法である。
【0008】 aAl2O3=fAl 2×[Al]2×ao 3×exp(147400/T−2.475) …………(1) ただし、Tは溶鋼の絶対温度を表す。また、fAlは溶鋼
中のAlの活量係数であり(2)式で表される。
【0009】 log10(fAl)= 0.22×[C] …………(2) ここで、[C]は鋼中Cの重量パーセント、[Al]は鋼中
Alの重量パーセントである。
【0010】本発明は上述のように構成されるが、要は
取鍋内で直接測定可能なAl濃度と溶存酸素値により決
定されるアルミナ活量値を基準としてCa処理における
Ca添加量の過不足をなくし、ノズル閉塞や耐火物溶損
のない健全な連続鋳造の操業を保とうとするものであ
る。
【0011】以下に本発明について詳細に説明する。
0.005〜0.050%のAlを含有した溶鋼におい
ては、溶鋼中の酸素の大部分はAl23の形態で存在す
るため、Ca添加によりAl23をカルシュームアルミ
ネイトにして無害化するに当たり、実測できる全酸素量
を基準にとってCa添加量が決定される技術が一般には
採用される。
【0012】一方で、CaO・Al232元系介在物に
おいてAl23濃度とAl23の活量の関係は図1のよ
うになることが判っている(H.Gaye and J.Welfringe
r:Slags and Fluxes,(1984) p357)が、従来から適正
であるとされるCa添加範囲は図1中に示すようにAl
23濃度で60%以上かつ78%以下となる(例えば特
開昭63−7322、特平3−79713、特開平1−
299742、特開平−223058)。
【0013】図1は1600℃の時の関係を示している
が、通常のCa添加温度1600℃〜1650℃ではこ
の関係はほとんど変化は無い。この適正介在物組成をA
23の活量に換算すると0.2以上かつ0.55以下
ということになる。Al23の活量は、実測できるAl
濃度および酸素活量から(1)式によって決定できる。
(1)式においてfAlは鋼中C濃度によって(2)式で計算
できる。
【0014】 aAl2O3=fAl 2×[Al]2×ao 3×exp(147400/T−2.475) …………(1) ただし、Tは溶鋼の絶対温度を表す。また、fAlは溶鋼
中のAlの活量係数であり(2)式で表される。
【0015】 log10(fAl)= 0.22×[C] …………(2) ここで[C]は鋼中Cの重量パーセントである。(1)式の
関係は、(3)式で示されるAl23の生成自由エネルギ
ー値の温度変化(△G0)のデータに基づいている。
【0016】 2Al+30=Al23 △G0/(RT)=−147400/T+2.475 ……(3) ここで、Rはガス定数である。
【0017】一例として、[C]=0.04%、Al濃度
が100ppm の場合の介在物濃度と酸素活量の関係を図
2に示した。図1で示したCa添加適正範囲は、Al=
100ppm の場合溶存酸素値に換算して6ppm 以上かつ
8.5ppm 以下ということができる。
【0018】本発明による方法は、Al濃度が既知の場
合溶存酸素値と介在物組成が上で述べたように1対1で
対応しているという原理に立脚して、常に介在物組成を
把握しながらCa添加処理を行い、適正介在物組成のと
ころで処理を終了してCa添加の過不足を抑制しようと
するものである。
【0019】具体的な方法としては、Al脱酸した後、
溶鋼Al濃度を分析し、請求項記載のAl23の活量が
適正範囲に入るための溶存酸素値の管理範囲を(1)式を
用いて予め求めておく。その後Ca添加中に酸素プロー
ブによって溶存酸素値を監視し、溶存酸素値の実測値が
管理範囲内に入ったある時点でCa添加を終了する。
【0020】図2に見られるように、Ca添加の処理中
で介在物の濃度が適正範囲に入るのは、CaO・2Al
23(図中CA2と略記)+CaO・6Al23(図中CA
6と略記)からL+CaO・2Al23へ相の状態が変化
するところであり、これが原因で適正範囲に入った時点
で溶存酸素値も不連続に減少する。本方法に依れば、こ
の不連続な溶存酸素値の減少でもって適正に入ったこと
を容易に認知することが出来る。
【0021】現在利用できる低酸素用プローブの測定限
界は1〜2ppm であり、溶鋼中Al濃度が0.05を越
えると溶存酸素値がCa無添加の時点で2ppm 程度以下
になるので本発明の方法は使うことが出来ない。またA
l濃度が0.005%以下である場合は、Ca添加前の
酸素レベルが非常に大きくなるため添加Caの歩留まり
が悪化するため元々Ca処理の方法は用いられない。
【0022】
【実施例】250トン転炉より出鋼した溶鋼240トン
をCAS処理によりAl脱酸した後、取鍋にて本発明の
方法によりCaワイヤー添加を行いタンディッシュを介
して連続鋳造を実施した。結果を表1に示している。本
実施例において、温度は1600±10℃であった。
【0023】表1に、本発明の方法でCa添加を行った
場合のCa添加量と介在物組成、鋳造性の関係を示す。
【0024】
【表1】
【0025】実施例1〜3は主にAl濃度とO濃度が変
化した場合の本発明の方法により溶存酸素値を管理値内
におさめた時のCa濃度、介在物組成、鋳造性を示した
ものである。Al濃度に応じて決まる溶存酸素値の管理
範囲内でCa添加処理を終了した場合、結果としてT.
Caの値がT.Oを基準として従来管理されていた範囲
(0.5<T.Ca/T.O<1.0)の適正範囲に入
ることが実証された。これらの場合は、鋳造性は良好な
状態が保たれた。
【0026】比較例1、2はそれぞれ、意識的に溶存酸
素の管理範囲の下限と上限を越える領域でCa添加を終
了した場合の結果を示しているが、管理範囲の下限を越
えた場合は、T.Ca/T.Oの上限を越えており、ス
トッパーの溶損傾向が見られた。また、管理範囲の上限
を越えた場合は、T.Ca/T.Oの下限を越えてお
り、ノズルの開閉傾向が見られた。
【0027】図3は、表1の実施例1と同じ成分系、同
じ処理の溶鋼において、T.Oの異なる幾つかのチャー
ジでCa処理をした従来法と本法を実施した場合のCa
添加量の制御性の差を示したものである。
【0028】従来法においては、T.Oの分析値から、
予めCaの歩留まりを考慮してT.Ca/T.O=0.
7となるようにCa添加量を定めている。また、本発明
の方法を実施したものについては、T.Ca/T.O=
0.7つまり、Al23濃度で68%、活量で0.54
7となったところでCa添加を終了した場合の結果を示
す。
【0029】図より、従来法では、Ca歩留まりのばら
つきによって、適正領域からはずれる場合もあるが、本
方法を適用した場合は、試験したチャージ全てが管理範
囲内に収まっていた。
【0030】
【発明の効果】従来取鍋でのCa処理と比較し、適正C
a添加量の制御が極めて容易となり、タンディッシュの
ノズル閉塞、ストッパーの溶損を可能な限り抑制するこ
とが出来、連々鋳率の向上、連続鋳造稼働率の向上が図
られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】介在物中のAl23濃度とAl23活量の関係
を示す図。
【図2】介在物中のAl23濃度と溶存酸素値の関係を
示す図。
【図3】本発明と従来法によるCa添加量の制御性の差
を示す図。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Alが0.005〜0.05%含まれる
    溶鋼にCa処理を施してノズル閉塞を防止する連続鋳造
    方法において、Ca添加中に酸素プローブにより溶存酸
    素値(ao)を連続的に測定しておき、次式によって求め
    られるアルミナ活量値(aAl2O3)が0.55以下とな
    り、かつ0.2より小さくならない時点でCa添加を終
    了することを特徴とする溶鋼のCa処理方法。 aAl2O3=fAl 2×[Al]2×ao 3×exp(147400/T−2.475) …………(1) ただし、Tは溶鋼の絶対温度を表す。また、fAlは溶鋼
    中のAlの活量係数であり(2)式で表される。 log10(fAl)= 0.22×[C] …………(2) ここで、[C]は鋼中Cの重量パーセント、[Al]は鋼中
    Alの重量パーセントである。
JP19180996A 1996-07-22 1996-07-22 溶鋼のCa処理方法 Withdrawn JPH1034300A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002542034A (ja) * 1999-04-15 2002-12-10 ユジノール アルミニウムキルド連続鋳造鋼の鋳造性を改良するための処理

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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