JPH1034176A

JPH1034176A - 浄化槽

Info

Publication number: JPH1034176A
Application number: JP19859096A
Authority: JP
Inventors: Shigeyuki Yamaguchi; 重行山口; Yoshitsugu Masuguchi; 義次増口; Koji Minami; 浩司南; Hiroshi Kano; 広志加納; Hitoshi Kitamura; 仁史北村
Original assignee: Matsushita Electric Works Ltd
Current assignee: Panasonic Electric Works Co Ltd
Priority date: 1996-07-29
Filing date: 1996-07-29
Publication date: 1998-02-10

Abstract

(57)【要約】【課題】設備の追加を不要とし、また浄化槽を大型化
することなく、活性汚泥法の長所を生かして効率的な生
物学的硝化脱窒処理を実現できる浄化槽を提供する。【解決手段】沈殿分離槽１と、嫌気ろ床槽２と、ばっ
気槽３とを備え、沈殿分離槽１、嫌気ろ床槽２、ばっ気
槽３の順で汚水処理を行う浄化槽において、前記ばっ気
槽３内に沈殿槽５を形成し、該沈殿槽５から前記沈殿分
離槽１又は前記嫌気ろ床槽２に至る返送経路を形成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、活性汚泥法を採用
したばっ気槽を備える浄化槽に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来例としては、図２に示されるよう
に、沈殿分離槽１０１と、嫌気ろ床槽１０２と、接触ろ
材１０４を設置した接触ばっ気槽１０３とを備える循環
型ろ床接触ばっ気方式の浄化槽が知られている。この浄
化槽により、汚水中の有機物を分解処理することを可能
にしていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来例におい
ては、接触ばっ気槽１０３を備えているために浄化槽が
大型になるという不都合があった。これを解決するため
に活性汚泥法を適用する場合としては、図３に示される
ように、沈殿分離槽１０１と、嫌気ろ床槽１０２と、膜
モジュール１０６を設置したばっ気槽１０５とを備える
浄化槽が考えられる。しかし、この場合には、流入量の
約３倍の量のばっ気槽１０５内の液を返送することが必
要となる。従って、返送のための設備が必要になると共
に、ばっ気槽１０５内における活性汚泥としての濃度を
維持することができなくなるという不都合が生じる。

【０００４】また、図４に示されるように、沈殿分離槽
１０１と、嫌気ろ床槽１０２と、膜モジュール１０６を
設置したばっ気槽１０５とを備える浄化槽において、一
定時間毎にばっ気槽１０５に送風して間欠ばっ気を行う
ものが考えられる。しかし、この場合には、ばっ気槽１
０５に送風した場合に行われる好気性処理の進行によ
り、ばっ気槽１０５内の有機物量が極めて少なくなり、
脱窒時に必要な有機物の不足によって、充分な脱窒反応
が得られなくなるという不都合が生じる。さらに、ばっ
気槽１０５に送風しない場合に散気管１０７の孔の目詰
まりが生じやすくなると共に、ばっ気槽１０５に送風し
ない場合にばっ気槽１０５内の液を攪拌するための設備
が必要になるという不都合が生じる。

【０００５】本発明はこの点に鑑みてなされたものであ
り、設備の追加を不要とし、また浄化槽を大型化するこ
となく、活性汚泥法の長所を生かして効率的な生物学的
硝化脱窒処理を実現できる浄化槽を提供することを目的
とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１記載の
浄化槽は、沈殿分離槽と、嫌気ろ床槽と、ばっ気槽とを
備え、沈殿分離槽、嫌気ろ床槽、ばっ気槽の順で汚水処
理を行う浄化槽において、前記ばっ気槽内に沈殿槽を形
成し、該沈殿槽から前記沈殿分離槽又は前記嫌気ろ床槽
に至る返送経路を形成してなることを特徴とするもので
ある。

【０００７】本発明の請求項２記載の浄化槽は、請求項
１記載の浄化槽において、沈殿槽を嫌気ろ床槽に隣接配
置すると共に、沈殿槽の水位を嫌気ろ床槽の水位より高
くしてなることを特徴とするものである。

【０００８】本発明の請求項３記載の浄化槽は、請求項
１又は請求項２記載の浄化槽において、通常の送風量を
ばっ気槽内に送る通常送風と、極めて少ない送風量をば
っ気槽内に送る極小送風とを交互に行う制御手段を設け
てなることを特徴とするものである。

【０００９】本発明の請求項４記載の浄化槽は、請求項
１、請求項２又は請求項３記載の浄化槽において、ばっ
気槽内に膜モジュールを設置してなることを特徴とする
ものである。

【００１０】

【発明の実施の形態】図１は、本発明の一の実施形態で
ある浄化槽の構成図である。図１に示されるように、こ
の浄化槽は、沈殿分離槽１と、嫌気ろ床槽２と、膜モジ
ュール４を設置したばっ気槽３とを備え、沈殿分離槽
１、嫌気ろ床槽２、ばっ気槽３の順で汚水処理を行う浄
化槽において、前記ばっ気槽３内に沈殿槽５を形成し、
該沈殿槽５から前記嫌気ろ床槽２に至る返送経路を形成
している。

【００１１】沈殿槽５は、容積６０乃至１００リットル
の小さなものであり嫌気ろ床槽２に隣接配置されてお
り、その下部において、ばっ気槽３と連通している。ま
た、この場合には、沈殿槽５の水位を嫌気ろ床槽２の水
位より高くしているため、新たな設備及び動力を必要と
せず、沈殿槽５から溢れた沈殿槽５内の硝化液及び汚泥
を嫌気ろ床槽２内に返送する返送経路を形成することが
できる。

【００１２】また、この浄化槽は、通常の送風量をばっ
気槽３内に送る通常送風と、極めて少ない送風量をばっ
気槽３内に送る極小送風とを交互に行う制御手段として
の送風機１０を設けている。この送風機１０により散気
管６を介して通常の送風量をばっ気槽３内に送る通常送
風と、極めて少ない送風量をばっ気槽３内に送る極小送
風とを交互に繰り返して行うことができる。

【００１３】ばっ気槽３内においては、活性汚泥法が採
用されており、汚水中の有機物を好気性バクテリアと嫌
気性バクテリアとで分解処理するものであるが、通常送
風時においては、ばっ気槽３内は好気性処理雰囲気とな
り、硝化反応が進行する。

【００１４】また、極小送風時においては、ばっ気槽３
内は嫌気性処理雰囲気となり、脱窒反応が進行する。そ
して、膜モジュール４により固液分離を行う、すなわ
ち、水と活性汚泥とを分離する。膜モジュール４として
は、中空糸膜を用いたものに限らず、平板状膜、管状膜
等任意である。このように、膜モジュール４を設置する
ことにより、浄化槽を大型化することなく、固液分離を
行うことができる。

【００１５】なお、極小送風時においては、送風量が皆
無ではないため、散気管６の孔の目詰まりを防止するこ
とができると共に、ばっ気槽３内をある程度は攪拌する
ことができる。

【００１６】また、ばっ気槽３内に形成された沈殿槽５
には送風がなされないため、沈殿槽５内は、嫌気性処理
雰囲気となり、脱窒反応が進行する。

【００１７】沈殿分離槽１内においては、汚水中の固形
汚物が沈殿することにより、汚水から固形汚物が除去さ
れる。嫌気ろ床槽２内においては、嫌気性バクテリアに
より脱窒処理が行われ、汚水中の窒素成分が除去され
る。なお、沈殿分離槽１内においても多少の嫌気性バク
テリアが存在し、これにより脱窒処理が行われ、汚水中
の窒素成分が多少は除去される。

【００１８】以下に、図１に基づいて、この浄化槽につ
いてさらに詳しく説明する。この浄化槽の入口７から取
り入れられた生活排水等の汚水は、先ず沈殿分離槽１内
において、汚水中の固形汚物が沈殿することにより、汚
水から固形汚物が除去されると共に、多少の脱窒処理が
行われ、汚水中の窒素成分が多少は除去される。

【００１９】次いで、この汚水は、嫌気ろ床槽２に送ら
れ、嫌気ろ床槽２内において、嫌気性バクテリアにより
脱窒処理が行われ、汚水中の窒素成分が除去される。

【００２０】次いで、この汚水は、流調用ポンプ８によ
りばっ気槽３に送られる。ばっ気槽３内においては、活
性汚泥法が採用されており、汚水中の有機物を好気性バ
クテリアと嫌気性バクテリアとで分解処理するものであ
るが、通常送風と極小送風とが交互に繰り返して行われ
る。これにより、好気性処理と嫌気性処理が交互に繰り
返して行われる。

【００２１】すなわち、通常送風時においては、ばっ気
槽３内は好気性処理雰囲気となり、硝化反応が進行す
る。また、極小送風時においては、ばっ気槽３内は嫌気
性処理雰囲気となり、脱窒反応が進行するものである
が、通常送風時に行われる好気性バクテリアによる分解
処理の進行により、ばっ気槽３内の有機物量が極めて少
なくなり、嫌気性処理雰囲気における脱窒時に必要な有
機物の不足によって、充分な脱窒反応が得られない。

【００２２】そのため、ばっ気槽３内に形成された嫌気
性処理雰囲気である沈殿槽５内において、脱窒処理を行
う。また、沈殿槽５内において、簡便な固液分離を行
い、可能な限り低いＳＳ濃度の硝化液と一部の汚泥とを
嫌気ろ床槽２内に返送する。

【００２３】この場合には、沈殿槽５の水位を嫌気ろ床
槽２の水位より高くしているため、新たな設備及び動力
を必要とせず、沈殿槽５から溢れた沈殿槽５内の硝化液
及び汚泥を嫌気ろ床槽２内に返送することができる。

【００２４】そして、低ＳＳ濃度の硝化液を嫌気ろ床槽
２内に返送することにより、返送された硝化液を嫌気ろ
床槽２内において、脱窒処理を行うことができる。ま
た、ばっ気槽３内の活性汚泥としての濃度を低下させる
ことなく維持できる。さらに、一部の汚泥を嫌気ろ床槽
２内に返送することにより、ばっ気槽３内の余剰汚泥や
代謝産物の蓄積を抑制することができる。

【００２５】この場合には、通常送風と極小送風とが交
互に繰り返して行なわれるため、完全な間欠ばっ気の場
合に比べてばっ気槽３内における脱窒効率は劣るとも考
えられるが、嫌気ろ床槽２内への硝化液の返送により、
脱窒効率を上げることができるため、浄化槽全体として
の脱窒効率を上げることができる。

【００２６】このように、汚水を沈殿分離槽１、嫌気ろ
床槽２、ばっ気槽３、沈殿槽５、嫌気ろ床槽２、ばっ気
槽３の順で繰り返し循環させて好気性処理と嫌気性処理
とを行い、汚水中の有機物の分解処理を行う。そして、
膜モジュール４により水と活性汚泥とを分離した後に、
浄化槽の出口９から浄化後の水を放流する。

【００２７】なお、沈殿槽５内の硝化液を嫌気ろ床槽２
内へ返送せず、沈殿分離槽１内に返送する返送経路を形
成してもよく、かかる場合にも、沈殿分離槽１内への硝
化液の返送により、脱窒効率を上げることができるた
め、浄化槽全体としての脱窒効率を上げることができ
る。

【００２８】上述した浄化槽は、膜モジュール４を使用
した活性汚泥法を採用したが、膜モジュール４を使用し
ない標準的な活性汚泥法を採用することもできる。

【００２９】

【発明の効果】本発明の請求項１記載の浄化槽は、硝化
液を沈殿槽から沈殿分離槽内又は嫌気ろ床槽内に返送す
ることにより、沈殿分離槽内又は嫌気ろ床槽内において
返送された硝化液の脱窒処理を行うことができ、浄化槽
全体としての脱窒効率を上げることができる。

【００３０】本発明の請求項２記載の浄化槽は、請求項
１記載の浄化槽の効果に加えて、新たな設備及び動力を
必要とせず、沈殿槽から溢れた沈殿槽内の硝化液及び汚
泥を嫌気ろ床槽内に返送する返送経路を形成することが
できる。

【００３１】本発明の請求項３記載の浄化槽は、請求項
１又は請求項２記載の浄化槽の効果に加えて、ばっ気槽
内において、通常送風と極小送風とを交互に繰り返して
行うことができる。これにより、好気性処理と嫌気性処
理とを交互に繰り返して行うことができる。

【００３２】本発明の請求項４記載の浄化槽は、請求項
１、請求項２又は請求項３記載の浄化槽の効果に加え
て、膜モジュールを設置することにより、浄化槽を大型
化することなく、固液分離を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一の実施形態である空気浄化装置の構
成図である。

【図２】従来例の構成図である。

【図３】従来例に、活性汚泥法を適用する場合の構成図
である。

【図４】従来例に、活性汚泥法を適用する場合の構成図
である。

【符号の説明】

１沈殿分離槽２嫌気ろ床槽３ばっ気槽４膜モジュール５沈殿槽

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者加納広志大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株式会社内 (72)発明者北村仁史大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】沈殿分離槽と、嫌気ろ床槽と、ばっ気槽
とを備え、沈殿分離槽、嫌気ろ床槽、ばっ気槽の順で汚
水処理を行う浄化槽において、前記ばっ気槽内に沈殿槽
を形成し、該沈殿槽から前記沈殿分離槽又は前記嫌気ろ
床槽に至る返送経路を形成してなることを特徴とする浄
化槽。
【請求項２】沈殿槽を嫌気ろ床槽に隣接配置すると共
に、沈殿槽の水位を嫌気ろ床槽の水位より高くしてなる
ことを特徴とする請求項１記載の浄化槽。
【請求項３】通常の送風量をばっ気槽内に送る通常送
風と、極めて少ない送風量をばっ気槽内に送る極小送風
とを交互に行う制御手段を設けてなることを特徴とする
請求項１又は請求項２記載の浄化槽。
【請求項４】ばっ気槽内に膜モジュールを設置してな
ることを特徴とする請求項１、請求項２又は請求項３記
載の浄化槽。