JPH10340642A - アナログおよびデジタル信号伝送用線材 - Google Patents

アナログおよびデジタル信号伝送用線材

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JPH10340642A
JPH10340642A JP16205697A JP16205697A JPH10340642A JP H10340642 A JPH10340642 A JP H10340642A JP 16205697 A JP16205697 A JP 16205697A JP 16205697 A JP16205697 A JP 16205697A JP H10340642 A JPH10340642 A JP H10340642A
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JP
Japan
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wire
covering material
carbon fiber
conductors
electromagnetic
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JP16205697A
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English (en)
Inventor
Nobuhiro Mochida
悦宏 持田
Yoshitaka Hamada
義隆 浜田
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NETSUKEN KK
Original Assignee
NETSUKEN KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 外部電磁場による電磁誘導やストレーキャパ
シティによる静電誘導や音波等による機械的振動等によ
って、線材中を流れる自由電子の流れが阻害されたり攪
乱されたりするのを防止して、再生音質や再生画質をよ
り高度なものに改善できるアナログおよびデジタル信号
伝送用線材を提供することにある。 【解決手段】 炭素繊維フェルトを被覆材として用い
る。誘電性被覆を有する導体のまわりを被覆した炭素繊
維フェルトは、電磁的なシールド層を形成して電磁誘導
による影響を阻止すると共に、炭素繊維フェルトから放
電を行って線材の周囲における電位を一定に保つことに
より静電誘導による影響を阻止し、かつ、フェルト構造
が持つ良好な振動吸収性によって音波等による機械的振
動を吸収し、自由電子の流れが乱されるのを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は音響再生、ビデオ画
像再生、コンピュータ用信号伝送等の分野で使用するた
めのケーブルまたは線材(以下、単に「線材」とい
う。)に関し、特に、アナログおよびデジタル信号の伝
送特性を改善することにより、音質および画質の向上、
コンピュータ誤動作の除去等を達成できる線材に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、音響再生用オーディオ装置にお
いては、プリアンプとパワーアンプの間にアナログ信号
伝送用線材が接続されており、また、画像再生装置と画
像表示器の間には、アナログまたはデジタル信号伝送用
線材が接続されている。これらの線材の一般的な構造と
しては、導体としての一芯または二芯の銅撚線のまわり
を高分子材料で被覆し、その上に網組線によるシールド
が施され、更にその上に高分子材料による被覆を施され
たものである。このような線材の導体中を自由電子が流
れることによりアナログまたはデジタル信号が伝送され
るのであるが、この自由電子の流れを阻害することな
く、できるだけスムーズに流動させることが重要であ
る。スムーズな自由電子の流れを確保することは、音響
の伝送または再生の場合、音質の改善または向上に繋が
り、画像の伝送または再生の場合、画質の改善または向
上に繋がることになる。
【0003】一方、線材が置かれている所を含むあらゆ
る空間は、強度の差はあるにせよ、電界と磁界が交錯す
る電磁場であり、線材は、接続される装置、例えば、ア
ンプで作られる電磁場からの電磁誘導による影響を避け
られないものである。この電磁誘導によって一定レベル
以上のノイズが線材に流れると、アナログまたはデジタ
ル信号を伝送する自由電子の流れを阻害し、音質の劣化
や画質の低下等の要因となる。
【0004】更に、静電誘導と呼ばれる現象も音質の劣
化や画質の低下等の要因となる。静電誘導は、向かい合
った導体間で起こる電磁誘導で、導体間に電位差と離間
距離があれば常に発生するものである。このため、静電
誘導はあらゆる部品および配線部材間において発生し、
その静電誘導の大きさは場所によって異なることにな
る。このような異なった大きさの静電誘導を発生するこ
とは、異なった電位を生じて、いわゆるストレーキャパ
シティとなって迷走電流を生じ、自由電子の流れを乱す
ことになる。
【0005】また、特にオーディオ装置における信号伝
送用線材は、通常、再生音波の充満する中に置かれるた
め、この音波による機械的振動によってもまた自由電子
の流れが乱され、音質悪化の要因となっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、外部
電磁場による電磁誘導やストレーキャパシティによる静
電誘導や音波等による機械的振動等によって、線材中を
流れる自由電子の流れが阻害されたり攪乱されたりする
のを防止し、それにより、再生音質や再生画質をより高
度なものに改善できるアナログおよびデジタル信号伝送
用線材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によるアナログお
よびデジタル信号伝送用線材は、誘電性被覆を有する少
なくとも1本の導体と該導体のまわりを被覆する被覆材
とで構成し、この被覆材を炭素繊維フェルトで形成する
ことにより上記目的を達成している。
【0008】炭素繊維フェルトは、周知の如く、直径数
拾ミクロンの純度の高い炭素繊維を用いて10mm程度の
厚さのフェルト状に作成したもので、良好な導電性およ
び弾性を有するものである。図1は、炭素繊維フェルト
についての電磁シールド特性を示しており、電磁誘導に
対して、約220MHz以上の電磁波を35〜40dB減
衰できる電磁シールド性能を有することが分かる。ま
た、静電誘導に対しては、250〜500V/分と、非
常に低い摩擦帯電圧に維持できる静電シールド性能を有
するものである。なお、電磁シールド特性および静電シ
ールド特性の値については、試料として厚さ10mmの炭
素繊維フェルトを使用し、MIL規格285(MIL-
STD-285)およびJIS規格L1094Bの試験
方法によってそれぞれ測定したものである。
【0009】そのため、誘電性被覆を有する導体を被覆
した炭素繊維フェルトは、電磁的なシールド層を形成し
て電磁誘導による自由電子の流れに対する悪影響を防止
すると共に、炭素繊維フェルトのケバ立った外表面から
放電を行って線材の周囲における電位を一定に保つこと
により静電誘導による悪影響を防止する。同時に、機械
的な振動に対してはフェルト構造が持つ良好な振動吸収
性によって音波等による機械的振動を吸収し、自由電子
の流れが乱されるのを防止する。
【0010】本発明によるアナログおよびデジタル信号
伝送用線材はまた、誘電性被覆を有する少なくとも2本
の導体と該導体のまわりを被覆する被覆材とで構成し、
この被覆材を炭素繊維フェルトで形成すると共に、誘電
性被覆を有する導体の各々が被覆材により相互に離間す
るように構成することもできる。各導体間は炭素繊維フ
ェルトで隔てられ、前述した外部からの悪影響を防止す
ることは勿論のこと、各導体間における電磁誘導や静電
誘導による悪影響をも防止する。
【0011】
【発明の実施の形態】
【実施例1】本発明の第1実施例によるアナログおよび
デジタル信号伝送用線材は、図2に示すように、導電性
芯材1aのまわりに誘電性被覆1bを備えた導体1と、
導体1のまわりを被覆するように設けられた被覆材2と
から構成される。被覆材2のまわりは、外的要因による
被覆材2の破損等を防止するために、外装材3で被覆す
るのが好ましい。
【0012】被覆材2は炭素繊維フェルトにより形成さ
れる。炭素繊維フェルトは、直径数拾ミクロンの炭素繊
維を10mm程度の厚さのフェルト状に形成したもので、
良好な導電性および弾性を有する材料である。被覆材2
の導体1への適用形体は被覆材2の形状、例えば、テー
プ状、布状、筒状等の形状によって適宜に選定される
が、導体1のまわりを被覆材2で完全に覆うように適用
されるべきである。例えば、テープ状の炭素繊維フェル
トを被覆材2として使用する場合、被覆材2は導体1の
一端から他端に向かって螺旋状に部分的に重なり合わせ
られて巻き付けていくことによって被覆する。
【0013】このように形成される本発明の線材は、導
体1のまわりを囲む被覆材2がシールド層として作用
し、電磁誘導によって自由電子の流れに乱れが生じるの
を防止できる。同時に、静電誘導に対しては、被覆材2
を形成する炭素繊維フェルトの外表面にケバ立った炭素
繊維から放電が起き、線材の周囲における電位を一定に
保つことができる。そのため、線材の周囲におけるスト
レーキャパシティが激減して静電誘導は殆ど生じること
はなく、自由電子の流れを阻害することになる迷走電流
の発生を回避できる。一方、音波等による機械的な振動
に対しては、被覆材2のフェルト構造が持つ良好な振動
吸収性によって吸収され、自由電子の流れが乱されるの
を防止できる。
【0014】本実施例における線材の電磁シールド特性
について、12芯PVC線からなる導体1のまわりに、
厚さ10mmの炭素繊維フェルトからなる被覆材2を被覆
した線材について測定した。この結果、本実施例におけ
る線材は、電磁誘導に対して、約220MHz以上の電
磁波を35〜40dB減衰できるシールド性能を有して
いることが判明した。
【0015】本発明の線材の静電シールド特性について
は、JIS規格L1094Bの試験方法、すなわち、線
材の摩擦帯電圧を測定することにより行った。摩擦帯電
圧はその値が大きければ大きいほど静電誘導に対するシ
ールド性能が小さく、逆に、小さければ小さいほど静電
誘導に対するシールド性能は大きいことを意味する。本
実施例における線材の摩擦帯電圧は、慣用のPVC被覆
の線材では約2000V/分であったのに対し、250
〜500V/分と非常に小さく、優れたシールド性能を
有することが判明した。
【0016】
【実施例2】図3は、本発明の第2実施例による線材を
示す図で、被覆材2の少なくとも一方の面、好ましく
は、図示のように、被覆材2の少なくとも導体1に隣接
する側の面に、銅箔やアルミ箔のような金属箔からなる
遮蔽膜4を接合させて用いていることを除き、前記実施
例と同様に形成されている。
【0017】これにより、遮蔽膜4は、被覆材2の面を
覆って外部から電磁誘導に対して被覆材2と共に直接的
に導体1を防護すると同時に、被覆材2を通過した電磁
波を反射して被覆材2に吸収させることにより、より一
層優れた電磁シールド性能を有することができる。この
実施例における線材の電磁誘導に対するシールド特性に
ついて前記実施例で述べたのと同様にして測定した結果
をまた図1に示す。測定に使用した線材は、導体1とし
てPVC被覆12芯単線を使用し、厚さ40ミクロンの
アルミ箔を遮蔽膜4として巻き付け、更にその上に厚さ
10mmの炭素繊維フェルトを巻き付けて被覆材2を被覆
させたものを使用した。その結果、この実施例の線材
は、約60MHz以上の電磁波を100dB以上減衰でき
るシールド性能を有することが判明した。
【0018】
【実施例3】図4は、本発明の第3実施例による線材を
示す図で、線材が複数本(図示の場合、3本)の導体1
を有している点を除き、前述した第1または第2実施例
と同様に(図示の場合、説明を簡略化するために第1実
施例と同様に)構成されている。
【0019】この実施例における特色は、各導体1間に
被覆材2が介在するように構成されたことであり、これ
により、各導体1間における電磁誘導および静電誘導に
対するシールド性能並びに機械的振動に対する振動吸収
性を確保できることは容易に理解されよう。しかしなが
ら、例えば、フラットケーブル等のように、導体1間の
間隔が制限されて、被覆材2を介在させるための空間を
確保できないような場合、図5に示すように、複数の導
体1を1本の導体として扱い、第1または第2実施例と
同様に(図示の場合、第1実施例と同様に)構成するこ
とによってもまた、優れた電磁シールド性能、静電シー
ルド性能および振動吸収性能を確保することができる。
【0020】その詳細についての説明は割愛するが、上
述した各実施例において、被覆材2および/または遮蔽
膜4は、導体1のまわりを単一層の形体で取り巻くよう
に図示し説明されたが、被覆材2および/または遮蔽膜
4を多層構造に形成することによって、電磁シールド性
能および静電シールド性能をより一層向上させることが
できる。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、炭素繊維フェルトから
なる被覆材2で導体1を被覆することにより、電磁誘
導、静電誘導および機械的振動に対し、炭素繊維フェル
トが有する良好な導電性および弾性によって優れたシー
ルド性能および振動吸収性能を発揮することができ、そ
れにより、導体1を流れる、アナログおよびデジタル信
号伝送の担い手である自由電子の流れが阻害されるのを
確実に防止でき、もって、音響再生時における再生音質
の向上、画像再生時における再生画質の向上、コンピュ
ータ等の電子機器における信号伝達特性の改善および誤
動作防止等を確実に達成することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する炭素繊維フェルト並びに本発
明の線材の電磁シールド特性を示す図である。
【図2】本発明の第1実施例によるアナログおよびデジ
タル信号伝送用線材を示す断面図である。
【図3】本発明の第2実施例によるアナログおよびデジ
タル信号伝送用線材を示す断面図である。
【図4】本発明の第3実施例によるアナログおよびデジ
タル信号伝送用線材を示す断面図である。
【図5】本発明の第3実施例の線材の変形例を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 導体 1a 導電性芯材 1b 誘電性被覆 2 被覆材 3 外装材 4 遮蔽膜

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電性被覆を有する少なくとも1本の導
    体と、該導体のまわりを被覆する被覆材とから構成さ
    れ、前記被覆材は炭素繊維フェルトにより形成されるこ
    とを特徴とするアナログおよびデジタル信号伝送用線
    材。
  2. 【請求項2】 誘電性被覆を有する少なくとも2本の導
    体と、該導体のまわりを被覆する被覆材とから構成さ
    れ、前記被覆材は炭素繊維フェルトにより形成されそし
    て各導体は被覆材により相互離間されることを特徴とす
    るアナログおよびデジタル信号伝送用線材。
JP16205697A 1997-06-05 1997-06-05 アナログおよびデジタル信号伝送用線材 Pending JPH10340642A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000051143A1 (de) * 1999-02-23 2000-08-31 Eurocopter Deutschland Gbmh Kabelschirm aus faserverbundwerkstoffen
JP2016189336A (ja) * 2010-09-23 2016-11-04 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 遮蔽された電気ケーブル

Cited By (3)

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