JPH10339734A - 検体分析システム及びその取り扱い方法 - Google Patents

検体分析システム及びその取り扱い方法

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JPH10339734A
JPH10339734A JP10094527A JP9452798A JPH10339734A JP H10339734 A JPH10339734 A JP H10339734A JP 10094527 A JP10094527 A JP 10094527A JP 9452798 A JP9452798 A JP 9452798A JP H10339734 A JPH10339734 A JP H10339734A
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智憲 三村
Ryuichiro Kodama
隆一郎 児玉
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敦 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】検体分析システムにおける複数の分析ユニット
の配置状態を変えずに検体処理機能のシステム構成を変
え得るようにすること。 【解決手段】搬送ライン(20)に沿って複数の分析ユ
ニット(3A〜3G)が配置される検体分析システム
は、分析操作に先立ってシステム設定が行われる。すな
わち、使用すべき複数の分析ユニットとして、どのよう
な試薬供給タイプのユニットを何台組合せるかという分
析ユニットの設定、分析経路を固定形にするか又は自動
形にするかという分析経路の指定、及びどの試薬供給タ
イプの分析ユニットにどの分析項目を割り当てるかとい
う各分析ユニットごとの分析項目の設定が、画面表示装
置(43)に表示される設定画面の観察を通じて行わ
れ、そのような設定内容が制御部の記憶部(45)に記
憶され、登録される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、検体分析システム
及びその取り扱い方法に係り、特に搬送ラインによって
搬送する検体を複数の内の少なくとも1つの分析ユニッ
トにより分析するように構成される検体分析システム及
びその取り扱い方法に関する。
【0002】
【従来の技術】血液又は尿の如き生体試料を搬送ライン
に搬送し、搬送ラインに沿って配設された複数の分析装
置を用いて複数の分析項目を分析するシステムが提案さ
れている。例えば、特開平7−92171号公報には、単位時
間当りの分析処理検体数が異なる複数の分析装置を主搬
送ラインに沿って配置し、その主搬送ラインと各分析装
置の間にサブラインを配置する例が示されている。
【0003】特開平7−92171号公報の分析システムで
は、容器に貼着されたバーコードラベルの情報を主搬送
ラインの入口側で読み取った後、主搬送ラインに移送し
た容器を1つの分析装置に対応するサブラインへ移載
し、サンプリング処理後にサブラインから主搬送ライン
へ容器を戻す。そして、各分析装置における分析処理時
間が平均化されるように容器の移送順序を制御する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した先行技術のよ
うな分析システムでは、配置される各分析装置における
検体処理機能が固定化されているため、検査室等におけ
る検体の検査環境が変化した場合に、検査能率が低下す
るという問題がある。
【0005】本発明の目的は、検体分析システムにおけ
る複数の分析ユニットの配置状態を変更せず、検体処理
機能のシステム構成を変えることができるようにするこ
とである。
【0006】本発明の他の目的は、検査環境の変化に応
じて検体分析システムにおける処理可能な分析項目の組
合せを変えることができるようにすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に基づく検体分析
システムは、各検体ラック上の検体に関し分析すべき分
析項目を記憶する第1の記憶手段と、使用されるべき各
分析ユニットに関する試薬供給タイプの種別毎に分析項
目入力画面を表示する画面表示手段と、該画面表示手段
に入力された分析ユニット毎の分析項目情報を記憶する
第2の記憶手段と、検体ラックが立ち寄るべき分析ユニ
ットを、第1の記憶手段における分析項目情報に基づい
て、第2の記憶手段に記憶されている複数の分析ユニッ
トの中から決定する手段と、決定された分析ユニットへ
該当する検体ラックが搬送されるように搬送ラインの動
作を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】このような検体分析システムにおいて、試
薬供給タイプの種別は、1つがピペッタにより試薬を供
給するタイプであり、他の1つがディスペンサにより試
薬を供給するタイプである。また、この検体分析システ
ムは、望ましくは、画面表示手段を通して設定された分
析ユニットの組合せ情報を記憶する第3の記憶手段を備
え、画面表示手段は、複数の分析ユニットの組合せを設
定するための設定画面に各分析ユニットの設置位置情報
及び試薬供給タイプを表示する。
【0009】本発明に基づく検体分析システムの構成方
法では、分析項目を設定するための分析項目設定欄を有
する画面を、各分析ユニットの試薬供給タイプに対応づ
けて画面表示装置に表示させること、及びそれぞれに分
析項目が割り当てられた複数の分析ユニットの組合せを
記憶部に記憶させること、を特徴とする。
【0010】さらに、本発明に基づく検体分析システム
の取り扱い方法は、システム設定用画面の表示指示に伴
って、分析ユニット設定用ボタン及び分析項目設定用ボ
タンを有する画面が表示装置に表示され、そのような分
析ユニット設定用ボタンが選ばれたのに伴って、使用す
べき複数の分析ユニットの組合せを設定するための画面
が表示装置に表示され、システム設定用画面上の分析項
目設定用ボタンが選ばれたのに伴って、各分析ユニット
に対応した試薬供給タイプ表示欄及び分析項目設定欄を
有する画面が表示装置に表示され、設定された複数の分
析ユニットの組合せ及び各分析ユニット毎に設定された
分析項目が記憶部に記憶され、搬送ラインに供給される
ベき検体ラック上の検体のために分析されるべき分析項
目に応じて、該検体ラックが立ち寄るべき分析ユニット
が変更されることを特徴とする。
【0011】望ましい実施例においては、搬送ラインに
対し供給されるべき検体ラック上の検体の分析項目情報
は、検体ラックが搬送ラインによって搬送される前に識
別情報読取装置により読み取られ、分析項目情報が読み
取られた検体を有する検体ラックが立ち寄る分析ユニッ
トでは、分析処理のために検体のサンプリングが実行さ
れる。また、各分析ユニットに対する分析項目の設定が
なされた後に、分析項目表示指示があった場合には、設
定されたそれぞれの分析ユニットに対応する処理可能な
分析項目の一覧リストが上記表示装置に表示される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明を適用した一実施例の概略
構成を図1〜図4を参照して説明する。
【0013】図1の検体分析システムは、図2に示すよ
うに、ディスペンサを用いて試薬を供給するタイプの分
析ユニットと、図3に示すように、ピペッタを用いて試
薬を供給するタイプの分析ユニットとを混在して含む。
図1の分析ユニット3A,3F及び3Gは固定された分
析チャンネルを有し、複数の試薬吐出ノズルのそれぞれ
が試薬毎に専用化されているディスペンサ方式の分析ユ
ニットである。分析ユニット3B,3C,3D及び3E
は分析チャンネルが固定されずにランダムアクセスさ
れ、1本の試薬ピペッティングノズルが次々と分析項目
に応じた試薬を分注するピペッタ方式の分析ユニットで
ある。
【0014】図1の検体分析システムは、検体種として
血清だけを用いるように構成されているが、このシステ
ムは、例えば、分析ユニット3A,3B及び3Cが血清
を分析処理し、分析ユニット3D及び3Eが血漿を分析
処理し、分析ユニット3F及び3Gが尿を分析処理する
ように構成することもできる。
【0015】図1において、分析ユニット3A〜3Gは
主搬送ライン20から取り込まれた検体ラック1をサン
プリング位置に位置づけた後に主搬送ライン20に戻す
機能を有する搬送路であるサンプリングライン4A〜4
Gと、各サンプリングラインに対応して設けられてお
り、検体ラック1の識別情報又はその検体ラック上の各
検体容器の識別情報を読取るための識別情報読取装置5
1〜57と、検体と試薬との分析項目に応じた反応を反
応容器内で進め、反応した液を光学的に測定する反応部
5A〜5Gと、試薬供給部26〜29,32〜34とを
それぞれ備えている。それぞれの分析ユニットの試薬供
給部の内、26,27,28,29がピペッタ方式のも
のであり、32,33,34がディスペンサ方式のもの
である。
【0016】ラック供給ユニット17は多数の検体ラッ
ク1をセットできるエリアを有し、主搬送ライン20の
方へ検体ラック1を1個ずつ送り出す送出機構を有す
る。ラック回収ユニット18は、いずれか1つ以上の分
析ユニットでの分析処理のためにサンプリングされた検
体を保持している検体ラック1を回収するエリアを有
し、検体ラックを整然と並べて配列する整列機構を有す
る。一時格納部22は1つ以上の分析ユニットによって
検体採取された検体ラック1を測定結果が出力されるま
で一時的に格納し、再検査が必要な場合は戻りライン2
5を介して該当する検体ラックを再び主搬送ライン20
により搬送するように送り出し、再検査が不要な場合は
検体ラックをラック回収ユニット18へ送り出す。
【0017】制御装置は、全体制御用コンピュータ40
と、それぞれの分析ユニットに対応して設けられて、そ
れぞれの分析ユニット内の必要な処理及び制御を行う分
析ユニット側コンピュータ6A〜6Gと、フロッピーデ
ィスクメモリ41を有する。それぞれの分析ユニット内
の光度計からの出力信号の処理は分析ユニット側コンピ
ュータ6A〜6Gによって分担され、それらに接続され
た全体制御用コンピュータ40は各分析ユニットの動
作,ラック搬送系の動作及びシステム内の必要部分の動
作制御をすると共に、各種情報処理に必要な演算及び制
御を実行する。コンピュータ間の役割分担はこのような
ものに限られず、構成上の必要性に応じて種々の態様に
変更でき、あるいは全体制御用コンピュータ40のみを
用いて分析ユニット側コンピュータを不要にすることも
可能である。全体制御用コンピュータ40には、記憶部
45が具備され、データ入力用の操作部42,情報を画
面表示するためのCRT43及び測定結果を出力できる
プリンタ44が接続されている。
【0018】検体ラック1は、例えば図2の例に示すよ
うに、検体を収容した検体容器2が複数本、例えば5本
ずつ装填される箱状の保持体からなるが、この形状以外
に種々のものを使用してもよい。検体ラック1の外壁に
はラック識別情報を示す識別情報媒体が設けられ、検体
容器2の外壁には検体識別情報を示す識別情報媒体が設
けられる。これらの識別情報媒体としては、バーコード
ラベルや磁気記録媒体等が用いられる。検体ラック1に
設けられたバーコードは、ラック番号及び検体種別の情
報を有する。検体容器2に設けられたバーコードは、そ
れぞれの検体に関する情報、例えば、受付番号,受付年
月日,患者氏名,患者番号,検体種別,依頼分析項目な
どの情報を有する。
【0019】図1における識別情報読取装置50は主搬
送ライン20によって搬送される前の検体ラック1及び
検体容器2の識別情報(バーコード)を読取った結果を
コンピュータ40に入力する。また、一時格納部22に
設けられた識別情報読取装置58は検体ラック1が一時
格納部22に入るとき及び出るときに検体ラック又は検
体容器のバーコードを読取り全体用コンピュータ40に
伝達する。
【0020】それぞれの分析ユニット3A〜3Gの試薬
供給部に収納される各種分析項目用の試薬ボトル12,
12A,12Bには、その外壁に試薬識別情報がバーコ
ードなどで表示されている。試薬識別情報としては、試
薬製造ロット番号,試薬ボトルのサイズ,使用可能な試
薬液量,有効期限,ボトル毎に異なっているシーケンス
番号,分析項目コードなどが含まれる。このような試薬
識別情報はバーコード読取装置によって読み取られ、試
薬供給部における試薬ボトルのセット位置,使用可能な
液量と1回の分注量から計算される試薬の分析可能回
数,分析項目の種類,その試薬が収納された分析ユニッ
トの番号などが記憶部45に登録される。
【0021】主搬送ライン20は検体ラック1を載せる
ための搬送ベルトとベルト駆動用モータを具備し、検体
ラックを所望位置まで連続移送するよう制御部により制
御される。各サンプリングライン4A〜4Gはラック引
込位置,分注位置及びラック送出位置にラックを停止す
るように搬送ベルトを間欠的に移動することができる。
主搬送ライン20によって搬送される検体ラック1は分
析ユニットの列に沿って移動され、制御装置によって指
定された分析ユニットの前に停止され、直ちにラック移
載機構(後述)によりその指定された分析ユニットのサ
ンプリングラインのライン引込位置に移される。分注位
置にて検体分注操作の終了した検体ラック1はサンプリ
ングラインのラック送出位置から主搬送ライン20上へ
ラック移載機構によって引き渡される。
【0022】試薬供給タイプがディスペンサ方式である
分析ユニットの構成例を、図2を参照して説明する。分
析ユニット3Aの反応部5Aは透光性の反応容器46a
を有する反応容器列を同心円状に2列備え、各反応容器
列毎に光源14aから反応容器46aを透過した光を分
光して複数波長を受光する多波長光度計15aを備え
る。各反応容器列に作用するように、反応部5Aの近傍
には、検体用ピペッタポンプ47aに接続されたピペッ
タノズルを有する検体分注器48aと、試薬用ディスペ
ンサポンプ60に接続された第1試薬ノズル群保持部6
4及び第2試薬ノズル群保持部66と、第1撹拌機構6
5及び第2撹拌機構67と、反応容器洗浄機構19aと
が配置されている。試薬保冷庫62内には、複数の分析
項目のための第1試薬及び第2試薬(必要な分析項目用
のみ)の試薬ボトル12が配列されており、所定温度に
冷却される。それぞれの試薬ボトル12内の試薬液はチ
ューブを介して試薬用ディスペンサポンプ60により反
応容器列上の対応する試薬吐出ノズルに供給される。こ
の場合、図1に示す分析ユニット3Aのディスペンサ方
式試薬供給部32は図2の試薬用ディスペンサポンプ6
0,多数の試薬ボトル12を備えた試薬保冷庫62,第
1試薬ノズル群保持部64,第2試薬ノズル群保持部6
6などを含む。
【0023】ラック供給ユニット17から供給される個
々の検体ラック1は主搬送ライン20によって搬送さ
れ、分析ユニット3Aによる分析処理が必要な場合に
は、分析ユニット3Aのサンプリングライン4Aに移載
される。分注位置にきた検体ラック1上の検体は検体分
注器48aのピペットノズルによって反応容器46aに
所定量分注される。この反応容器には、反応容器列上の
所定の位置で分析項目に対応する試薬が吐出され、反応
が進行される。所定時間後、反応容器46a内の反応液
は多波長光度計15aによって光学的特性が測定され
る。多波長光度計15aから出力された信号は分析ユニ
ット側コンピュータ6Aによる制御下で対数変換器30
a及びアナログ・ディジタル変換器31aの処理を受
け、全体制御用コンピュータ40に送信される。ディス
ペンサ方式の分析ユニット3F及び3Gも分析ユニット
3Aと同様の構成である。
【0024】次に、試薬供給タイプがピペッタ方式であ
る分析ユニットの構成例を、図3を参照して説明する。
分析ユニット3Bの反応部5Bに配列された反応容器4
6b内では、所定の分析項目に関する検体と試薬の反応
が進められる。主搬送ライン20からサンプリングライ
ン4B(図1)に移された検体ラック1は、分注位置に
位置づけられ、検体分注器48bのピペットノズルによ
り指示されている検体が採取され、反応容器46bへ検
体の所定量が吐出される。検体分注器48bは検体用ピ
ペッタポンプ47bを有する。反応部5Bは恒温槽10
から供給される恒温液によって一定温度(例えば37
℃)に保たれる。
【0025】図3の分析ユニットのピペッタ方式試薬供
給部26は第1試薬用と第2試薬用の二つの試薬ディス
ク26A及び26Bを具備する。多数の分析項目のため
に準備された各種の試薬を含む試薬ボトル12A及び1
2Bには、それらの外壁面に試薬識別情報がバーコード
によって表示されており、試薬ボトル12A及び12B
が試薬ディスク26A及び26Bに載置された後、各試
薬ボトルの試薬識別情報がバーコード読取装置23A及
び23Bによって読み取られ、その情報が該試薬ボトル
の試薬ディスク上のセット位置,対応分析項目,該試薬
ボトルがセットされた分析ユニット番号などと共に記憶
部45が登録される。試薬分注器8A及び8Bは旋回及
び上下動可能な各ピペットノズルに接続された試薬用ピ
ペットポンプ11を具備する。
【0026】検体を分注された反応容器46bの列は回
転移動され、分析項目に応じて試薬吸入位置に位置づけ
られた試薬ボトル12Aから試薬分注器8Aにより所定
量の試薬液が吸入され、その第1試薬が試薬添加位置に
ある反応容器46bに吐出される。撹拌位置にて撹拌機
構13Aにより内容物が撹拌された後、反応容器列は複
数回移送され、反応容器46bが第2試薬添加位置に達
すると、試薬分注器8Bは分析項目に応じて試薬吸入位
置に位置づけられた試薬ボトル12Bから試薬液を吸入
し、該反応容器にその試薬を吐出する。次いで、反応容
器の内容物は撹拌機構13Bによって撹拌される。その
後、反応容器列の回転移送に伴って反応容器46bは光
源14bからの光束を通過し、反応容器46bの反応液
を透過した光が多波長光度計15bによって検出され
る。分析項目に対応する波長の信号は分析装置側コンピ
ュータ6Bによって制御される対数変換器30b及びア
ナログ・ディジタル変換器31bによって処理され、デ
ィジタル信号が全体制御用コンピュータ40へ送信され
る。測定済の反応容器46bは洗浄機構19bによって
洗浄され、再使用される。分析ユニット3C,3D及び
3Eは、分析ユニット3Bと同様の構成を有する。
【0027】次に、図1の検体分析システムにおける検
体の分析操作について説明する。
【0028】検体ラック1がラック供給ユニット17に
セットされる前に、図1の検体分析システムにおいて使
用されるべき分析ユニットの組合せ及び使用される各分
析ユニットにおける分析処理可能な分析項目の種類が、
すでに設定されているものとする。このシステムの設定
については後述する。
【0029】検体の分析処理を開始する前に、分析条件
を設定するための初期画面が画面表示装置としてのCR
T43に表示され、操作部42のキイ及びCRT43の
画面を通して各種分析条件が設定される。各検体に対し
て依頼元から検査指示依頼された分析項目は、検体容器
に表示されたものと同じ受付番号又は患者番号と共に、
操作部42を通して全体制御用コンピュータ40に登録
される。この場合、コンピュータ40の記憶部45は、
各検体に関し分析すべき分析項目を記憶する第1の記憶
手段として機能する。それぞれの分析項目の分析条件情
報は、フロッピーディスクメモリ41に記憶されてい
る。その分析条件の内、分析項目コードは5桁の数字か
らなる。同種の分析項目のために複数の分析ユニットで
共通に使用されるべき分析条件パラメータは光度計にお
ける測定波長,検体採取量,検量線校正方法,標準液濃
度,標準液の本数,分析値異常のチェック限界値などで
ある。
【0030】また、分析条件パラメータのうち、各試薬
ボトルに対応して記憶されているパラメータは、第1試
薬から第4試薬までの必要な試薬数、5桁の数字からな
る試薬ボトルのコード,試薬の分注量,1つの試薬ボト
ル当りの分析可能なテスト数などである。分析ユニット
3A,3B及び3Cは血清検体を、分析ユニット3D及
び3Eは血漿検体を、分析ユニット3F及び3Gは尿検
体をそれぞれ受け入れ可能な各ユニット条件が設定され
ており、全体制御用コンピュータに分析ユニット番号と
共に受け入れ可能な検体種別が登録されている。
【0031】分析ユニット3A〜3Gの内で使用すべき
複数の分析ユニットの各々の試薬供給部に試薬ボトルが
収納されるのに伴って、各試薬ボトルの試薬識別情報が
分析ユニット番号と対応づけられて全体制御用コンピュ
ータ40に登録される。この場合、例えば、血清検体の
ために分析ユニット3A,3B,3C及び3Gが、使用
すべき分析ユニットグループとして設定されている場合
を想定する。その内、分析ユニット3A及び3Gの各試
薬供給部32には、例えば検体依頼数の多い肝機能検査
項目であるGOT,GPT及び緊急検査項目であるカル
シウム,UA,BUNのための試薬ボトルがそれぞれ収
納され、分析ユニット3Bの試薬供給部26には、例え
ば肝機能検査項目であるGOT,GPT及び検査依頼数
の少ない他の分析項目のための試薬ボトルが収納され、
分析ユニット3Cの試薬供給部27には、例えば緊急検
査項目であるカルシウム,UA,BUN及び検査依頼数
の少ない他の分析ユニットのための試薬ボトルが収納さ
れる。従って、肝機能検査項目は3台の分析ユニット3
A,3B及び3Gによって分析処理可能になり、緊急検
査項目は3台の分析ユニット3A,3C及び3Gによっ
て分析処理可能になる。何台の分析装置にどのような分
析項目用の試薬を重複させて収納するかは、それぞれの
施設の検査室の実情に応じて操作者により決定される。
【0032】各試薬ボトル12,12A,12Bが各試
薬供給部に収納されるのに伴って、試薬ボトルに設けら
れた試薬識別情報が読み取られ、試薬ボトルコードをキ
ーとして、分析条件パラメータとして既に登録されてい
る情報が検索され、その試薬ボトルに対応する分析項
目,ボトルの大きさ,分析可能なテスト回数,試薬ボト
ルのセット位置などがそれぞれ関係づけられて全体制御
用コンピュータ40に登録される。同時に、同種の分析
項目の分析処理が可能な複数の分析ユニットにおける同
種の分析項目用の試薬ボトル全数に基づく最大分析可能
回数も登録され、必要に応じてCRT43に表示され
る。
【0033】各分析ユニットにとって必要な分析項目用
の対応試薬が収納された後、検体の分析処理に先立って
各分析ユニット毎に、その分析ユニットによって分析処
理可能な全分析項目のための検量線校正操作がそれぞれ
実行される。各分析ユニットにセットされた試薬ボトル
の違いによって検量線の校正値が相違するので、分析項
目毎に個々の分析ユニットで得た検量線校正結果を全体
制御コンピュータ40の記憶部45に記憶せしめる。こ
れらの校正結果は、各分析ユニットにおいて該当する分
析項目が分析処理されたときの濃度演算に使用される。
【0034】ラック供給ユニット17上に置かれた複数
の検体ラック1の内の1つが主搬送ライン20の方へ押
し出されると、それに伴って、その検体ラック1の識別
情報及び検体容器2の識別情報が識別情報読取装置50
によって読み取られる。読み取られた情報に基づいて血
清検体のための分析ユニット3A,3B,3C及び3G
のグループが選定される。あるいは、使用されるべき状
態にある分析ユニットのグループとして、分析ユニット
3A,3B,3C及び3Gが認識される。
【0035】さらに、検体識別情報の読み取りに伴って
受付番号などの検体番号及び分析項目の登録状況が照合
され、検体ラック1上の各検体のために測定指示されて
いる分析項目が判定され、識別情報が読み取られた検体
の各分析項目が分析ユニット3A,3B,3C及び3G
の内のいずれによって分析処理すべきか、全体制御用コ
ンピュータ40によって判断される。この場合、全体制
御用コンピュータ40は、各分析装置に対して既に分析
処理が指示されている分析項目数及びそれらの検体の分
注終了までにどの程度の時間を要するかを監視してい
る。特に、複数の分析ユニットによる分析処理が可能な
特定の分析項目に関しては、いずれの分析ユニットによ
って該分析項目を分析処理させるのが効率的であるかが
判断される。例えば、特定分析項目であるGOT及びG
PTに関し、その時点で処理待ち検体数が最も少ない分
析ユニットは3Aと3Bと3Gの内のいずれであるかが
判断され、待ち時間の少ない方が指定分析ユニットとさ
れる。このような複数の分析ユニット同士の多忙度の程
度に応じて特定分析項目を分析処理すべき分析ユニット
を自動的に指定する方法以外に、操作者が予め操作部4
2から各分析項目の処理に使用すべき分析ユニットの優
先順位を入力しておく指定方法も可能である。
【0036】複数の特定分析項目が分析されるべき検体
を有し立ち寄り先(例えば分析ユニット3B)が決定さ
れた検体ラック1は、指定された分析ユニット3Bまで
主搬送ライン20によって連続搬送され、分析ユニット
3Bのサンプリングライン4Bへの搬入口前で停止され
る。次いで、検体ラック1はサンプリングライン4Bに
移され、分注位置にて所定の検体が検体分注器48bに
よって反応部5Bに分注された後、主搬送ライン20に
戻される。
【0037】同じ検体ラック1上の検体に関し、他の分
析ユニットによって分析処理されるべき分析項目が残っ
ている場合には、検体ラック1は主搬送ライン20によ
り分析ユニット3Cまで搬送され、サンプリングライン
4Cに移されて検体分注される。
【0038】図1の各分析ユニットにおける各分析項目
用の試薬ボトル内の試薬残量は、全体制御用コンピュー
タ40によって監視されている。試薬残量の監視方法と
しては、試薬ピペットノズルに設けられた液面検出器に
より当該試薬の分注の際に試薬ボトル内の試薬液面を検
知することに基づく方法や、当該試薬の分注の都度、予
め入力されている分析可能回数を減算していく方法が採
用される。いずれの方法による場合も、その分析項目用
の試薬量が不足するか否かは、分析可能回数の残数が所
定値に達したか否かを全体制御用コンピュータ40によ
って判定することによって判断される。この場合の所定
値は、残数がゼロ回,1回,2回など少ない回数が設定
される。また、例えば、指定分析ユニット3BのGOT
試薬が不足であると判断された場合、分析ユニット3B
によるGOTの分析処理が停止され、同時にGOT試薬
が充分に残っている分析ユニット3AによるGOTの分
析処理が可能になるように分析装置の切替動作が制御さ
れる。よって、その後にGOTを分析処理すべき検体
は、次の優先順位である別の分析ユニット3Aへ搬送さ
れてGOTの分析処理がなされる。
【0039】図1の実施例における制御装置は各分析項
目の分析処理をいずれの分析ユニットに指示しているか
を把握しており、それらのデータは記憶部45に格納さ
れている。全体制御用コンピュータ40は各分析項目が
どの分析ユニットによって処理されているかという情報
をメモリテーブルに記憶しており、操作者からの要求が
あったときにその情報を一覧表にしてCRT43に画面
表示せしめる。
【0040】図1の実施例装置では、各分析ユニット3
A〜3Gに対し、それぞれの運転の起動及び停止を操作
部42のキー操作によって指示することができ、このよ
うな操作部からの指示情報に基づいて全体制御用コンピ
ュータ40は、運転停止された分析ユニットを除く残り
の分析ユニットだけにラック供給ユニット17からの検
体ラック1を主搬送ライン20を介して搬送せしめる。
特に、夜間のように、依頼検体数が少なく緊急を要する
検体の検査業務が主となる時間帯の場合には、例えば、
血清検体用の分析ユニット3Cと3Gだけを運転状態に
し、残りの分析ユニットを停止せしめるように運用でき
る。依頼検体数が増大する時間帯には、停止していた複
数の分析ユニットが再稼働される。
【0041】また、図1の実施例装置では、いずれかの
分析ユニットに異常事態が発生して当該分析ユニットに
よる分析処理が不能になった場合に、同じ分析処理を別
の分析ユニットによって肩代わりするように制御装置が
別の分析ユニットへの検体ラックの搬送と別の分析ユニ
ットによる分析処理を指示する。例えば、2台の分析ユ
ニット3Bと3Cに複数の分析項目用の試薬を重複して
セットしておくことにより、複数の分析項目に対する分
析操作を中断せずに分析処理をすることができる。
【0042】図4はラック移載機構の一例を示す。ラッ
ク移載機構としては、ラック把持アームを有する移動用
ロボットや、主搬送ラインとサンプリングラインの一方
から他方へ検体ラックを押し出す押出用レバーを有する
機構などが使用される。図4は前者のタイプに属するも
のである。
【0043】主搬送ライン20とサンプリングライン7
5(図1の4A〜4G)の間には検体ラック1が移動で
きる幅をもつ接続通路70が形成されている。ラック移
載機構は接続通路70の上方に設けられ、モータの駆動
軸に取り付けられた主動プーリ71,従動プーリ72、
これらのプーリ間にかけられたベルト73、このベルト
73に取り付けられた開閉可能な一対のフィンガからな
る把持装置74を有する。図4において、接続通路7
0,サンプリングライン75,モータ及び該モータの駆
動軸に取り付けられた主動プーリ71,従動プーリ7
2,ベルト73並びに把持装置74は主ラインではな
く、それぞれの分析ユニットに備えられている。
【0044】図4は把持装置74が主搬送ライン上で検
体ラック1が到着するのを待っている状態を示してい
る。この状態で、把持装置74で検体ラック1を把持
し、モータを回転させることによってその把持装置74
を接続通路70を介してサンプリングライン75の位置
まで移動させ、そして検体ラック1を把持装置74の把
持から開放すると、検体ラック1をサンプリングライン
75上に移すことができる。もちろん、そのようにして
サンプリングライン75上に移された検体ラック1を主
搬送ライン20に戻す場合は、その逆の動作を行えばよ
い。
【0045】以上は分析(検査)動作の説明であるが、
本発明の実施例では、分析操作に先だってシステム設定
がなされる。すなわち、使用される分析ユニットと該分
析ユニットが配置される位置との関係、すなわちどの位
置のどういう分析ユニットを使用するかという分析ユニ
ットの設定、それらの分析ユニットをどういう組み合わ
せで用いるかという分析経路の設定、それぞれの分析ユ
ニットにどういう分析項目を分析させるかというそれぞ
れの分析ユニットごとの分析項目の設定の内容が全体制
御用コンピュータ40の記憶部45に記憶される。この
システム設定の説明の前に、その理解に役立つ事項を以
下に簡単に説明する。
【0046】用いられる分析ユニットの数は任意でよい
が、この数をnとすると、2のn乗通りの分析ユニット
の組み合わせ、すなわち分析経路が設定可能である。分
かりやすくするため、用いられる分析ユニットは4台
で、そのうちの2台は試薬供給方式としてピペッタ方式
を用いた分析ユニットP1,P2であり、残りの2台は
試薬供給方式としてディスペンサ方式を用いた分析ユニ
ットD1,D2であるものとする。この場合、Pはピペ
ッタタイプを意味し、Dはディスペンサタイプを意味す
る。
【0047】分かりやすくするため、図5(1),
(2),(3)に示されるように、大別して3つの分析
経路があるものとする。図5(1)は、検体ラックがど
の分析ユニットにどういう順序で立ち寄るべきかは依頼
される分析項目にしたがって全体制御用コンピュータに
よって自動的に選択され、決定されるタイプのもので、
この観点から図5(1)に示される分析経路を「自動」
形の分析経路と呼ぶ。
【0048】図5(2)はパラレル形で、これにおいて
は、分析ユニットP1,D1及びP2,D2がそれぞれ
直列に接続され、さらにその2つの直列の組が並列に接
続されている。図5(3)はハイブリッド形で、これに
おいては、分析ユニットP1,P2及びD1,D2がそ
れぞれ並列に接続され、さらにその2つの並列の組が直
列に接続されている。
【0049】分析ユニットP1,P2,D1,D2によ
って分析されるべき分析項目は後述の項目設定によって
決定されるが、ここでは分かりやすくするため、分析ユ
ニットP1とP2によって分析可能な分析項目は互いに
同じであるとし、さらに分析ユニットD1とD2によっ
て分析されるべき分析項目も互いに同じであるとする。
そうすると、図5(2)では、分析ユニットP1とD1
が直列接続されて形成された第1の分析経路と、分析ユ
ニットP2とD2が直列接続されて形成された第2の分
析経路とは互いに同じであることになる。つまり、同じ
分析経路が2つ存在することになる。同様の考え方によ
れば、図5(3)では、4つの同じ分析経路が存在する
ことになる。
【0050】図5(2)及び(3)のいずれの場合で
も、いくつかの固定的な同じ分析経路のうちのどの分析
経路を選択して用いるかは全体制御用コンピュータによ
って決定される。また、その選択,決定は、例えば分析
経路が空いているかどうかとか、試薬が十分あるかどう
かとか、すべての分析経路が受け入れ可能である場合
は、分析経路は若番号の順に用いられるべきであるとい
ったような、予め定められた選定基準にしたがって行わ
れる。図5(2)及び(3)の分析経路をここでは「固
定」形の分析経路と呼ぶ。
【0051】そこで、システム設定を図6に示されるフ
ローチャートにしたがって説明するに、まず、分析ユニ
ットの設定が行われる(ステップ601)。これはどの
位置のどういう分析ユニットを使用するかを決めて登録
するステップである。あるいは、ステップ601は、ど
の分析ユニットを分析操作のために稼働させるかを決め
て登録するステップである。その後、「固定」形の場合
には、分析操作時に検体ラックをどの分析ユニットにど
のような順序で立ち寄らせるか、すなわち、検体ラック
の搬送経路を決めて登録するステップを加えることも可
能である。
【0052】ステップ602では、複数の分析ユニット
の組合せが「自動」形か「固定」形かの指定がなされ
る。その指定が「自動」である場合は、ステップ603
において、それぞれの分析ユニットによって分析処理可
能な分析項目がそれぞれの分析ユニット毎に設定され
る。具体的には、後述する図11の如き画面を用いて分
析ユニットP1,P2については、たとえばそれぞれ同
じ分析項目を分析し得るように設定すると共にCRP,
BUN,CRE,GLUといったような分析項目の設定
が行われる。同様に、分析ユニットD1,D2について
も、例えばそれぞれ同じ分析項目を分析し得るようにと
共にAST,ALT,LD,ALP,TP,ALBとい
ったような分析項目の設定が行われる。
【0053】この場合、使用されるべき各分析ユニット
に対して設定されたこれらの分析項目は、コンピュータ
40に登録されるので、記憶部45は、分析ユニット毎
の分析項目情報を記憶する第2の記憶手段として機能す
る。従って、分析操作の際には、分析ユニット毎に割り
当てられている分析項目の集合としてのシステム全体の
分析項目情報の中から検体ラック上の検体について識別
情報読取装置50により読み取られた分析項目情報に該
当するものが判断され、その分析項目を処理する特定の
分析ユニットに検体ラックが立ち寄るように、コンピュ
ータ40が決定する。
【0054】一方、図6のステップ602において「固
定」形が指定された場合は、ステップ604において、
分析経路がパラレル形か、それともハイブリッド形かの
設定がなされ、その後、ステップ605において、ステ
ップ603の場合と同様に、それぞれの分析ユニット毎
に分析項目が設定される。
【0055】図6の各ステップに従って複数の分析ユニ
ットの組合せを設定するには、各ステップ毎にそれぞれ
全体制御用コンピュータ40によって生成されCRT4
3に表示される設定画面の観察を通して行うことができ
る。この設定画面の生成及び表示それ自体は通常の既知
技術により実現可能である。
【0056】システムの構成に当たり、操作者が制御部
に対し分析ユニット構成用画面の表示要求をすると、C
RT43に図7の如きシステム設定用画面が表示され
る。図7において、システム設定用画面701は、タイ
トル欄702,ラック供給部の表示ブロック703,ラ
ック回収部の表示ブロック704,両表示ブロックに挾
まれた破線領域705,分析ユニット設定用画面の表示
指示するためのボタン706,分析経路指定用画面の表
示指示をするためのボタン707,項目設定用画面の表
示指示をするためのボタン708などを有する。ただ
し、同図中の破線領域705の部分は初期の段階では表
示されないものとする。この設定画面において、「分析
ユニット設定」というボタン706をクリックすると、
図8の設定画面がCRT43に表示される。
【0057】図8において、分析ユニット設定用画面8
1は、タイトル欄82及び分析ユニット表示領域83を
有し、表示領域83には、初期段階では分析ユニットの
設置位置番号84のみが表示されている。操作者が、操
作部42から各設置位置番号に対応させて使用すべき分
析ユニットの番号及び試薬供給タイプをユニット入力欄
85に入力すると、例えば図8の画面のように表示され
る。この例では、「P1」は、試薬供給タイプがピペッタ
方式である分析ユニットの番号1であることを意味し、
「D1」は、試薬供給タイプが、ディスペンサ方式であ
る分析ユニットの番号1であることを意味する。使用す
べき分析ユニットをすべて入力した後、設定終了を指示
すると、図8において設定された内容が記憶部45に記
憶される。この場合、記憶部45は、画面表示手段を通
して設定された複数の分析ユニットの組合せ情報を記憶
する記憶手段として機能する。
【0058】なお、図8の画面81は、図7の設定画面
上の一部に表示されてもよいし、図7の設定画面と全体
的に置き換えられて表示されてもよいし、あるいは図7
の設定画面とはまったく独立した場所に表示されてもよ
い。ここでは、図8の設定画面81は図7の設定画面7
01と置き換えられて表示されるものとする。後述する
他の設定画面も同様であるとする。
【0059】今、分かりやすくするため、図5(2)に
示される分析ユニットの組合せが指定され、設定される
べきものとする。図8において、分析ユニットの設置位
置表示部84にその番号1,2,3,4をそれぞれ図の
ように表示し、さらに分析ユニットを特定する記号P
1,P2,D1,D2をユニット入力欄85にそれぞれ
図のように表示する。これによって、設置位置1,2,
3,4には分析ユニットP1,P2,D1,D2が組合
わされたことが全体制御用コンピュータの記憶部45に
記憶され、登録される。このステップが図6のステップ
601である。
【0060】図8の設定画面81に対する入力を終了し
たときに、操作部42の終了キーを押すか、又は画面8
1上のクローズボタン(図示せず)をクリックすると、
図7のシステム設定用画面に戻る。
【0061】次に、図7において、「分析経路指定」と
いうボタン707をクリックすると、図9に示される設
定画面が表示される。図9における分析経路の設定方法
を選択するための画面91は、タイトル欄92及び経路
指定領域93を有する。この経路指定領域93には、
「固定」か「自動」かを選択するためのボタン94,9
5がある。ここで、分析経路が「固定」か「自動」かの
選択がそのどちらかのボタンをクリックすることによっ
て行われる。図9の場合は「固定」形の分析経路が選択
されたことを示す。このステップ図6におけるステップ
602である。
【0062】図9において、「固定」が選択された後、
クローズボタンをクリックすると、図10に示される設
定画面101が表示される。指定されるべき分析経路は
図5(2)に示される「固定」形の分析経路であるから
第1と第2の経路が設定される。図10において第1の
分析経路に対応する番号1においては分析ユニットP
1,D1が指定され、第2の分析経路に対応する番号2
においては分析ユニットP2,D2が指定され、それに
よってそれらの分析経路が全体制御用コンピュータの記
憶部45に記憶され、登録される。このステップが図6
におけるステップ604である。このステップの後にク
ローズボタンをクリックすると図7の画面に戻り、図7
の画面表示は破線領域705で示される部分を含む画面
表示に変わる。
【0063】図7のシステム設定用画面701におい
て、「項目設定」のボタン708をクリックすると、図
11に示されるような分析項目設定用の画面111が表
示される。図11の画面111は、タイトル欄112,
分析ユニットの名称欄113、及び表示領域114を有
する。そして、表示領域114には、試薬位置の番号1
15,116に対応するように分析項目設定欄117,
118が表示される。分析ユニットの名称欄113に
は、使用されるべき複数の分析ユニットの内の1つの分
析ユニットの試薬供給タイプ(P又はD)及びそのユニ
ット番号が表示される。分析項目は、分析ユニット毎に
設定される。第1番目の分析ユニット、例えばP1に対
する分析項目の設定後にクローズボタンをクリックする
と、分析ユニット名称欄113には第2番目の分析ユニ
ット、例えばD1が表示されると共に、画面全体もD1
のための設定用画面111に切り替えて表示される。使
用されるべき分析ユニットのすべてに対し分析項目の設
定が終了したときにクローズボタンをクリックすると、
図7の設定用画面701に戻る。
【0064】図11の例は分析ユニットとしてD1を指
定した場合の分析項目設定画面で、この場合は図6に関
連して説明した例にしたがえば、試薬位置番号1,2,
3,4,5,6に対応してそれぞれAST,ALT,L
D,ALP,TP,ALBという分析項目が操作部42
から入力され、これが全体制御用コンピュータの記憶部
45に記憶され、登録される。分析ユニットD1に対す
る分析項目の設定後に、次の分析ユニット、例えばP2
を呼び出すと、分析ユニット名称欄113には「P2」
が表示され、分析項目設定欄117及び118が空欄状
態である画面111が表示されるので、上述した例と同
様にして分析項目の設定を行うことができる。
【0065】図5(2)の例では、分析ユニットD1と
D2とが同じ設定条件であると仮定したので、分析ユニ
ットD2に対しては、分析ユニットD1の場合と同じ試
薬位置番号の分析項目設定欄に、同じ分析項目が入力さ
れ、それらの情報が、試薬供給タイプ及び分析ユニット
番号に対応づけられて記憶部45に記憶される。また、
分析ユニットP1及びP2についてはそれぞれの分析項
目設定画面において試薬位置番号1,2,3,4に対応
してCRU,BUN,CRE,GLUという分析項目が
それぞれ入力され、それらの情報が登録される。このス
テップが図6におけるステップ603及びステップ60
5である。
【0066】検体分析システムの機能的構成の1つとし
ての分析項目の設定が各分析ユニットに対し確立された
後に、操作者が各分析ユニットに設定されている分析項
目の種類を知りたいときには、操作部42から指示すれ
ば、記憶されている情報がCRT43に呼び出され、各
分析ユニットに対応する分析項目の一覧リストが表示さ
れる。「自動」形の場合は、検体分析システムとして使
用される複数の分析ユニットの組合せ及び各分析ユニッ
トによる処理可能な複数の分析項目が定まることによ
り、分析システムが確立される。このような検体分析シ
ステムの機能的構成を一度確立しておけば、その後は同
じ構成状態を継続して使用できるので、実検体の分析作
業に当たっては操作者は検体情報を入力するだけで済
む。
【0067】上述した実施例では、P方式の分析ユニッ
トとD方式の分析ユニットの位置が入替え可能になって
いることから、システム構成のフレキシビリティの増大
化が一層図られる。また、システム設定をその設定のた
めの画面の観察を通してユーザでさえも簡単に行うこと
が可能である。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、検体分析システムにお
ける複数の分析ユニットの配置状態を変更せずに、検体
処理機能のシステム構成を画面を介して変えることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての検体分析システムの
全体構成を示す概略図である。
【図2】図1の実施例におけるディスペンサタイプの試
薬供給機能を有する分析ユニットの動作説明図である。
【図3】図1の実施例におけるピペッタタイプの試薬供
給機能を有する分析ユニットの動作説明図である。
【図4】図1の実施例におけるラック移載機構の概念図
である。
【図5】分析ユニットの組合せ例を示す図である。
【図6】検体分析システムのシステム構成の設定例を示
すフローチャート図である。
【図7】システム構成を行うに当たって用いられるシス
テム設定用画面の表示例を示す図である。
【図8】分析ユニット設定用画面の表示例を示す図であ
る。
【図9】分析経路の設定方法の選択用画面の表示例を示
す図である。
【図10】分析経路の指定用画面の表示例を示す図であ
る。
【図11】分析項目設定用画面の表示例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1…検体ラック、2…検体容器、3A〜3G…分析ユニ
ット、4A〜4G…サンプリングライン、5A〜5G…
反応部、12,12A,12B…試薬ボトル、15A,
15B…多波長光度計、17…ラック供給ユニット、1
8…ラック回収ユニット、20…主搬送ライン、26
A,26B…試薬ディスク、26〜29,32〜34…
試薬供給部、40…全体制御用コンピュータ、45…記
憶部、50〜58…識別情報読取装置、81…分析ユニ
ット設定用画面、111…分析項目設定用画面、701
…システム設定用画面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三巻 弘 茨城県ひたちなか市大字市毛882番地 株 式会社日立製作所計測器事業部内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】検体を保持した検体ラックを搬送するため
    の搬送ラインと、該搬送ラインに供給される検体ラック
    が収容されるラック供給ユニットと、上記搬送ラインに
    沿って配置された複数の分析ユニットとを備えた検体分
    析システムにおいて、 各検体ラック上の検体に関し分析すべき分析項目を記憶
    する第1の記憶手段と、 使用されるべき各分析ユニットに関する試薬供給タイプ
    の種別毎に分析項目入力画面を表示する画面表示手段
    と、 該画面表示手段に入力された分析ユニット毎の分析項目
    情報を記憶する第2の記憶手段と、 検体ラックが立ち寄るべき分析ユニットを、上記第1の
    記憶手段における分析項目情報に基づいて、上記第2の
    記憶手段に記憶されている複数の分析ユニットの中から
    決定する手段と、 決定された分析ユニットへ該当する検体ラックが搬送さ
    れるように上記搬送ラインの動作を制御する制御手段
    と、を備えたことを特徴とする検体分析システム。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の検体分析システムにおい
    て、上記試薬供給タイプの種別は、1つがピペッタによ
    り試薬を供給するタイプであり、他の1つがディスペン
    サにより試薬を供給するタイプであることを特徴とする
    検体分析システム。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の検体分析システムにおい
    て、上記第2の記憶手段は、特定の同じ分析項目が複数
    の分析ユニットに割り当てられていることを記憶するこ
    とを特徴とする検体分析システム。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の検体分析システムにおい
    て、上記決定手段は、上記特定の同じ分析項目が割り当
    てられている複数の分析ユニットの内で検体受け入れ時
    期の最も早い分析ユニットを該当検体ラックの立ち寄り
    先にするように決定することを特徴とする検体分析シス
    テム。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の検体分析システムにおい
    て、上記画面表示手段を通して設定された分析ユニット
    の組合せ情報を記憶する第3の記憶手段を備え、上記画
    面表示手段は、複数の分析ユニットの組合せを設定する
    ための設定画面に各分析ユニットの設置位置情報及び試
    薬供給タイプを表示することを特徴とする検体分析シス
    テム。
  6. 【請求項6】請求項1に記載の検体分析システムにおい
    て、各分析ユニットに割り当てられた分析項目に対応す
    る試薬が各分析ユニットにセットされていないときにア
    ラームを出力するアラーム出力手段を備えたことを特徴
    とする検体分析システム。
  7. 【請求項7】検体を保持する検体ラックを搬送するため
    の搬送ラインに沿って複数の分析ユニットが配置されて
    おり、上記検体ラック上の検体を上記複数の分析ユニッ
    トの内のいずれか1つ以上により分析する検体分析シス
    テムを構成する方法において、 分析項目を設定するための分析項目設定欄を有する画面
    を、各分析ユニットの試薬供給タイプに対応づけて画面
    表示装置に表示させること、及びそれぞれに分析項目が
    割り当てられた複数の分析ユニットの組合せを記憶部に
    記憶させること、を特徴とする検体分析システムの構成
    方法。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の構成方法において、 システム設定用画面に、分析ユニット設定ボタン及び分
    析項目設定ボタンを表示させること、 上記分析ユニット設定ボタンが選ばれたのに伴って、使
    用すべき複数の分析ユニットを指定する画面を表示させ
    ること、及び上記分析項目設定ボタンが選ばれたのに伴
    って、指定された複数の分析ユニットの内の1つの関す
    る分析項目指定欄を有する画面を表示させること、を特
    徴とする分析システムの構成方法。
  9. 【請求項9】検体を保持する検体ラックを搬送するため
    の搬送ラインに沿って複数の分析ユニットが配置されて
    おり、上記検体ラック上の検体を上記複数の分析ユニッ
    トの内のいずれか1つ以上により分析する検体分析シス
    テムの取り扱い方法において、 システム設定用画面の表示指示に伴って、分析ユニット
    設定用ボタン及び分析項目設定用ボタンを有する画面が
    表示装置に表示され、 上記分析ユニット設定用ボタンが選ばれたのに伴って、
    使用すべき複数の分析ユニットの組合せを設定するため
    の画面が上記表示装置に表示され、 上記分析項目設定用ボタンが選ばれたのに伴って、各分
    析ユニットに対応した試薬供給タイプ表示欄及び分析項
    目設定欄を有する画面が上記表示装置に表示され、 設定された複数の分析ユニットの組合せ及び各分析ユニ
    ット毎に設定された分析項目が記憶部に記憶され、 上記搬送ラインに供給されるべき検体ラック上の検体の
    ために分析されるべき分析項目に応じて、該検体ラック
    が立ち寄るべき分析ユニットが変更されることを特徴と
    する検体分析システムの取り扱い方法。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の取り扱い方法におい
    て、上記搬送ラインに対し供給されるべき検体ラック上
    の検体の分析項目情報は、上記検体ラックが上記搬送ラ
    インによって搬送される前に識別情報読取装置により読
    み取られ、分析項目情報が読み取られた検体を有する検
    体ラックが立ち寄る分析ユニットでは、分析処理のため
    に検体のサンプリングが実行されることを特徴とする検
    体分析システムの取り扱い方法。
  11. 【請求項11】請求項9に記載の取り扱い方法におい
    て、分析項目が設定された後の分析項目表示指示に伴っ
    て、設定されたそれぞれの分析ユニットに対応する処理
    可能な分析項目の一覧リストが上記表示装置に表示され
    ることを特徴とする検体分析システムの取り扱い方法。
  12. 【請求項12】請求項9に記憶の取り扱い方法におい
    て、複数の分析ユニットの組合せが設定された後の上記
    システム設定用画面には、該複数の分析ユニットのそれ
    ぞれに対応する試薬供給タイプが表示されることを特徴
    とする検体分析システムの取り扱い方法。
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