JPH10339706A - 元素濃度測定方法及び装置並びに半導体装置の製造方法及び装置 - Google Patents

元素濃度測定方法及び装置並びに半導体装置の製造方法及び装置

Info

Publication number
JPH10339706A
JPH10339706A JP9151226A JP15122697A JPH10339706A JP H10339706 A JPH10339706 A JP H10339706A JP 9151226 A JP9151226 A JP 9151226A JP 15122697 A JP15122697 A JP 15122697A JP H10339706 A JPH10339706 A JP H10339706A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
concentration
measured
ray
sample
interface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9151226A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3566499B2 (ja
Inventor
Naoki Awaji
直樹 淡路
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP15122697A priority Critical patent/JP3566499B2/ja
Priority to US09/018,852 priority patent/US6040198A/en
Publication of JPH10339706A publication Critical patent/JPH10339706A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3566499B2 publication Critical patent/JP3566499B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被測定試料表面に付着し及び/又は膜の界面
に偏析した元素の濃度を非破壊で精度よく測定する元素
濃度測定方法及び装置を提供する。また、この方法を用
いた半導体装置の製造方法及び装置を提供する。 【解決手段】 基板上に少なくとも1層の膜を有する被
測定試料に、入射角度を走査しながらX線を入射し、被
測定試料によって反射されたX線の干渉振動曲線を測定
し、干渉振動曲線のデータから、被測定試料表面に付着
した元素及び/又は膜の界面に偏析した元素の濃度を測
定する。この際、X線反射率を表す解析式に干渉振動曲
線をフィッティングすることにより、元素が付着し又は
偏析した領域の被測定試料の密度を決定し、密度に基づ
いて元素の濃度を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線反射率測定を
用いた分析方法に係り、特に、被測定試料表面に付着し
及び/又は膜の界面に偏析した元素の濃度を測定する元
素濃度測定方法及び装置、並びにこの方法を用いた半導
体装置の製造方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の半導体装置の大規模高集積化に伴
い、絶縁膜、金属膜、誘電体膜、磁性膜などの薄膜化が
より一層進んでる。このため、試料表面や多層膜の界面
に偏析する組成元素を如何に制御するかが重要となって
いる。例えば、MOSトランジスタを有する半導体装置
では、シリコン酸化膜よりなるゲート絶縁膜を形成した
後にN2OやNO雰囲気中で熱処理してシリコン基板と
ゲート絶縁膜との界面に窒素を導入することにより、シ
リコン基板中のボロン(B)の拡散を抑制し、且つ、界
面準位を低減することが一部で行われているが、十分な
効果を得るためには導入する窒素濃度を正確に定量する
必要がある。
【0003】また、シリコン基板とゲート絶縁膜との間
に、ボロン、燐(P)、アンチモン(Sb)、砒素(A
s)などの不純物が高濃度に偏析すると半導体装置の電
気特性に悪影響を与える虞があるため、これら偏析不純
物の偏析量を管理することも重要である。また、界面の
みならず、試料の表面に付着・偏析した不純物を定量化
することもデバイス特性の改善やインラインのプロセス
管理にとって極めて有効である。
【0004】従来、このような界面や表面に付着・偏析
した元素の測定には、主としてSIMS(二次イオン質
量分析法:Secondary Ion Mass Spectroscopy)が用い
られていた。SIMSとは、試料に一次イオンを照射し
て試料表面をスパッタし、スパッタ粒子中に含まれる二
次イオンを質量分析することにより、試料中に含まれる
微量元素濃度を定量する手法である。
【0005】SIMSは、高感度な測定が可能な測定手
段ではあるが、試料表面をスパッタすることにより深さ
方向の不純物濃度分布を測定する破壊検査である。ま
た、試料表面を均一にスパッタすることが難しいため、
得られる不純物プロファイルの界面にダレが生じる。こ
のため、SIMSは、非破壊検査が不可欠なインライン
のプロセス管理に用いることはできず、また、極めて薄
い領域の不純物濃度を定量することは困難である。ま
た、測定にかかる費用も高額である。
【0006】その他の測定技術としては、AES(オー
ジェ電子分光法:Auger Electron Spectroscopy)、X
PS(X線光電子分光法:X-ray Photoelectron Spectr
oscopy)、蛍光分析法、エリプソメトリーなどの方法が
知られている。しかし、AESやXPSは、SIMSと
同様のスパッタリングの影響や測定電子の脱出長(約1
nm)の影響により界面領域におけるプロファイルがダ
レることがあり、また、定量できる濃度の下限が数%程
度と感度が低いため、界面に偏析する元素を定量するに
は向いていない。また、真空中で測定を行う必要がある
ため、薄膜の組成管理には向いていない。
【0007】また、蛍光分析法は、試料にX線を照射し
たときに放出される蛍光X線を測定し、蛍光X線の強度
から含まれる元素の量を求める方法であるため、蛍光を
出す元素の総量は測定できるが、その分布が測定できな
いため、表面や界面における元素濃度を評価することは
困難である。また、酸化膜中の窒素を測定する場合、蛍
光X線による窒素と酸素の分離は困難である。
【0008】また、エリプソメトリーは、光学的手法で
非破壊検査が可能であるため偏析元素による膜の屈折率
の変化から濃度が定量できる可能性がある。しかし、蛍
光分析と同様に濃度分布を測定することができないの
で、表面や界面における元素濃度を評価することは困難
である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来用い
られていた何れの元素濃度測定方法も、表面・界面に偏
析する元素の濃度を定量するためには十分な方法ではな
かった。このため、試料表面・界面における元素濃度を
精度よく、且つ、インラインで簡易に測定しうる元素濃
度測定方法が望まれていた。
【0010】本発明の目的は、試料表面・界面における
元素濃度を、非破壊で精度よく簡易に測定しうる元素濃
度測定方法及び装置を提供することにある。また、本発
明の他の目的は、このような元素濃度測定機能を有する
半導体装置の製造方法及び装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、基板上に少
なくとも1層の膜を有する被測定試料に、入射角度を走
査しながらX線を入射し、前記被測定試料によって反射
された前記X線の干渉振動曲線を測定し、前記干渉振動
曲線のデータから、前記被測定試料表面に付着した元素
及び/又は前記膜の界面に偏析した元素の濃度を測定す
ることを特徴とする元素濃度測定方法によって達成され
る。X線反射率測定により元素濃度を測定することによ
り、被測定試料を非破壊検査することができるので、イ
ンラインでのプロセス管理に適用することができる。ま
た、X線反射率測定を用いるので、試料表面・界面にお
ける元素濃度を精度よく測定することができる。
【0012】また、上記の元素濃度測定方法において、
X線反射率を表す解析式に前記干渉振動曲線をフィッテ
ィングすることにより、前記元素が付着し又は偏析した
領域の前記被測定試料の密度を決定し、前記密度に基づ
いて前記元素の濃度を算出することが望ましい。元素が
付着し又は偏析した領域の被測定試料の密度をこのよう
に決定することにより、この密度から元素濃度を定量す
ることができる。
【0013】また、上記の元素濃度測定方法において、
前記解析式に前記干渉振動曲線をフィッティングする際
に、フィッティングに用いる複数のパラメータのうち、
被測定試料によるばらつきの小さいパラメータを固定す
ることが望ましい。このようにしてパラメータを固定す
ることにより、フィッティングによる任意性を低減する
ことができるので、より高精度に元素濃度を測定するこ
とができる。
【0014】また、上記の元素濃度測定方法において、
前記干渉振動曲線の振幅強度に基づいて前記元素の濃度
を算出することが望ましい。干渉振動曲線の振幅強度は
元素が付着し又は偏析した領域の被測定試料の密度を反
映しているので、測定で得られた干渉振動曲線の振幅強
度を解析することによっても、試料表面・界面における
元素濃度を測定することができる。
【0015】また、上記の元素濃度測定方法において、
前記干渉振動曲線のデータをフーリエ変換することによ
りフーリエピーク強度を求め、前記フーリエピーク強度
に基づいて前記元素の濃度を算出することが望ましい。
干渉振動曲線の振幅強度を定量化するにあたり、干渉振
動曲線のデータをフーリエ変換すれば、得られる曲線の
フーリエピーク強度は干渉振動曲線の振幅強度を反映す
るものとなるので、任意性を含むことなく干渉振動曲線
の振幅強度を求めることができる。これにより、元素濃
度の測定精度を向上することができる。また、フーリエ
ピーク強度を求める方法では、データ処理段階で熟練し
た技術を必要とせず、また、データ処理に要する時間も
短くできるので、インラインでのプロセス管理に極めて
有効である。
【0016】また、上記目的は、被測定試料に、所定の
角度でX線を入射するX線入射手段と、前記被測定試料
により反射された前記X線を検出するX線検出手段と、
前記X線検出手段により検出された前記X線の干渉振動
曲線に基づいて、前記被測定試料表面に付着した元素及
び/又は界面に偏析した元素の濃度を算出する演算手段
とを有することを特徴とする元素濃度測定装置によって
も達成される。このようにして元素濃度測定装置を構成
することにより、試料表面・界面における元素濃度を非
破壊で精度よく測定することができる。また、これによ
り、当該装置をインラインでのプロセス管理に適用する
ことが可能となる。
【0017】また、上記目的は、半導体基板上に、少な
くとも1層の膜を有する所定の下地構造を形成する工程
と、前記半導体基板の表面に付着し又は前記膜の界面に
偏析した元素の濃度を測定する際に、前記基板に、入射
角度を走査しながらX線を入射し、前記基板によって反
射された前記X線の干渉振動曲線を測定し、前記干渉振
動曲線のデータから、前記基板表面に付着した元素及び
/又は前記膜の表面に偏析した元素の濃度を測定する工
程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法に
よっても達成される。X線反射率測定により半導体基板
の表面に付着し又は前記膜の界面に偏析した元素濃度を
測定する上記の元素濃度測定方法をインラインのプロセ
ス管理に用いれば、半導体基板の表面に付着し又は前記
膜の界面に偏析した元素濃度をインラインで正確に、且
つ、短時間で知ることができるので、測定された結果を
直ちに処理条件にフィードバックし、後続の半導体基板
の処理に反映させることができる。これにより、半導体
装置の製造歩留りを向上することができる。
【0018】また、上記目的は、シリコン基板上に、シ
リコン酸化膜を形成する工程と、前記シリコン酸化膜が
形成された前記シリコン基板を窒化処理し、前記シリコ
ン基板と前記シリコン酸化膜との界面に、窒素を含む界
面層を形成する工程と、前記基板に、入射角度を走査し
ながらX線を入射し、前記基板によって反射された前記
X線の干渉振動曲線を測定し、前記干渉振動曲線のデー
タから、前記界面層の窒素濃度を測定する工程とを有す
ることを特徴とする半導体装置の製造方法によっても達
成される。シリコン基板とシリコン酸化膜の界面に偏析
させる窒素の濃度を上記の元素濃度測定方法によりイン
ラインで管理すれば、シリコン基板中の不純物の拡散や
界面準位の低減に効果的な窒素を導入する条件を後続の
試料の処理に直ちににフィードバックすることができ
る。これにより、半導体装置の製造歩留りを向上するこ
とができる。
【0019】また、上記目的は、半導体基板に所定のプ
ロセスを施す処理部と、前記処理部において処理された
前記半導体基板に所定の角度でX線を入射するX線入射
手段と、前記半導体基板により反射された前記X線を検
出するX線検出手段と、前記X線検出手段により検出さ
れた前記X線の干渉振動曲線に基づいて、前記半導体基
板表面に付着した元素及び/又は界面に偏析した元素の
濃度を算出する演算手段とを有する元素濃度測定部とを
有することを特徴とする半導体装置の製造装置によって
も達成される。
【0020】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]本発明の第1実施形態による元素濃度
測定方法を図1乃至図3を用いて説明する。図1は本実
施形態による元素濃度測定方法の原理を説明する図、図
2は本実施形態による元素濃度測定方法の概略を示す工
程図、図3は界面窒素濃度を求めるための検量線を示す
グラフである。
【0021】始めに、本実施形態による元素濃度測定方
法の原理について図1を用いて説明する。本実施形態に
よる元素濃度測定方法は、X線反射率測定の結果を利用
して偏析元素濃度を定量化するものである。図1(a)
に示すように、基板2上に膜6が形成されている被測定
試料を仮定し、このような試料についてX線反射率測定
することを考える。
【0022】この試料に角度θでX線を入射すると、入
射したX線は、膜6の表面及び膜6と基板2との界面で
反射される。このため、試料によって反射されるX線の
全体を考慮すると、膜6の表面によって反射されたX線
と、膜6と基板2との界面で反射されたX線とが互いに
干渉することとなる。X線の入射角度を徐々に変化しな
がら測定を続けると、図1(b)に示すような反射率の
干渉振動成分が得られることになる。
【0023】図1(c)に示すように、基板2と膜6と
の界面に偏析層4aを仮定すると、偏析層4aのように
元素が集積したこのような領域では密度が増加すること
になる。一方、X線の反射は表面及び界面における屈折
率変化により生じるが、X線領域における複素屈折率は
物質の密度に直接比例することになる。したがって、偏
析層4aが存在すると、偏析層4aと膜6との界面にお
ける反射率が増加し、これから得られる反射率の干渉振
動成分の振幅も、図1(d)に示すように大きくなる。
【0024】同様に、図1(e)に示すように、基板2
と膜6との界面に偏析層4bが存在し、偏析層4bの密
度が偏析層4aよりも高いとすると、得られる反射率の
干渉振動成分は、図1(f)に示すように、その振幅が
図1(d)の振幅よりも更に大きくなる。このように、
膜6と基板2との間に偏析層4が存在すると、X線反射
率測定によって得られる反射率干渉成分は、偏析層4の
密度に依存して変化する。つまり、偏析層4中に含まれ
る偏析元素の濃度を、反射率干渉成分の変化によって見
積もることができることになる。
【0025】X線反射率測定では、多層膜の膜厚、密度
を精度よく測定できることが知られており、こうして求
められた偏析層4の密度や膜厚をもとに偏析層4中の偏
析元素の濃度を定量化することにより、正確な元素濃度
測定が期待できる。次に、本実施形態による膜厚測定方
法の概略について図2を用いて説明する。まず、被測定
試料の表面に入射角度を変化しながらX線を照射してX
線変化率の測定を行い、X線反射率曲線を求める(ステ
ップS11)。このとき、X線としてCuのKα線(波
長0.154nm)を用いた場合には、入射角度を0〜
10゜に変化させながら行うのが望ましい。
【0026】次いで、ステップS11にて測定したX線
反射率曲線をモデル最適化によりフィッティングする
(ステップS12)。続いて、フィッティングしたモデ
ルデータから、界面層密度を決定する(ステップS1
3)。この後、予め作成しておいた検量線を用い、求め
た界面層密度から検量線を介して元素濃度を定量する
(ステップS14)。
【0027】以下、具体的な測定例を示しながら本実施
形態による元素濃度測定方法を説明する。以下の説明で
は、主として、シリコン基板とその上に形成したシリコ
ン酸化膜との界面に窒素を含む界面層が存在する場合に
ついて示すが、本発明による元素濃度測定方法はこの構
造に限定されるものではない。まず、入射角度を変化し
ながら被測定試料にX線を照射し、試料によって反射さ
れるX線の変化率の測定を行う。こうして、X線反射率
曲線を得る(ステップS11)。被測定試料の表面及び
界面によって反射されるので、測定されたX線反射率曲
線は、干渉振動成分を含むものとなる。
【0028】次いで、被測定試料に応じた構造モデルを
仮定し、X線反射率測定によって得られたX線反射率曲
線とのフィッティングを行う(ステップS12)。例え
ば、(シリコン酸化膜/界面層/シリコン基板)からな
る構造モデルを仮定してフィッティングする場合、代表
的なパラメータとしては、シリコン酸化膜の密度、膜
厚、シリコン基板の密度、界面層の膜厚、密度、表面及
び界面のラフネスがある。これらパラメータを変化して
繰り返して計算し、測定データとのフィッティングを行
うことにより、これらのパラメータの値を見積もること
ができる。
【0029】モデル最適化は、例えば以下の手順により
行う。シリコン酸化膜の密度をρ1、複素屈折率をn1
膜厚をt1、界面層の密度をρ2、複素屈折率をn2、膜
厚をt2、シリコン基板の密度をρ3、複素屈折率を
3、大気の複素屈折率をn0、シリコン酸化膜表面のラ
フネスをσ1、シリコン酸化膜と界面層との間のラフネ
スをσ2、界面層とシリコン基板との間のラフネスをσ3
とすると、モデル反射率Rcalは、フレネルの式を基礎
として、これらの関数で与えられる。したがって、これ
らのパラメータが求まれば、計算によってもでる反射率
calを求めることができる。
【0030】ここで、複素屈折率nは、 n=(1−δ)+iβ …(1) 但し、 δ=(reo/2π)λ2ρ(Z+f′)/A β=(reo/2π)λ2ρf″/A で与えられる。ここで、reは古典原子半径、N0はアボ
ガドロ数、λはX線波長、ρは密度(g/cm3)、Z
は原子番号、Aは質量数、f′は分散補正項、f″は吸
収項である。
【0031】ここで、膜の密度以外は数値テーブルから
得られるため、nが決まればρが決まることになる。次
に、非線形最小二乗法により、次式に示すx2を最小に
することで上記パラメータを決定する。 x2=Σ[Rmeasi)− Rcali1ρ2ρ3120123σ1σ2σ3)]2 …(2) ここで、Rmeasは測定によって得られた反射率データ、
θiは測定入射角、iは1〜nのデータ点数である。
【0032】このようにして複素屈折率nを求めること
により、(1)式から界面層密度ρ 2を算出することが
できる。なお、最小化には、修正マルカート法、シンプ
レックス法、マキシマムエントロピー法を用いることが
できる。このようなモデル最適化によって得られた界面
層密度を基礎とすることにより後述するように窒素濃度
の測定が可能であるが、実際に実行するには測定データ
から界面層密度をきわめて高精度に求める必要がある。
非線形最小二乗フィッティング法においては、パラメー
タが数個あり互いに相関があるため、ばらつきの少ない
解を求めるには、サンプル間で変化しないと考えられる
パラメータは平均値に固定することが望ましい。
【0033】例えば、シリコン酸化膜の密度ρ1、シリ
コン基板の密度ρ3、試料表面及び界面のラフネスσ1
σ3、界面層の膜厚t2を固定することが有効である。典
型的な例として、シリコン酸化膜の密度ρ1は2.2〜
2.4、界面層の膜厚t2は0.8〜1.5nm、表面
及び界面ラフネスσ1〜σ3は0〜0.4nmが好まし
い。これら固定パラメータは、試料の作成条件等に応じ
て適宜調整することが望ましい。
【0034】こうして、モデル最適化によって最適化さ
れた界面層密度ρ2を得る(ステップS13)。続い
て、モデル最適化によって得られた界面層密度から、界
面層窒素濃度を求める(ステップS14)。なお、界面
層窒素濃度は、例えば予め測定しておいた検量線を用い
ることによって、界面層密度から直接的に求めることが
できる。
【0035】検量線は、例えばSIMS分析によって予
め界面層窒素濃度を測定しておくことによって得ること
ができる。例えば、界面層窒素濃度を変化した複数の試
料を用意し、上記と同様のX線反射率測定により界面層
密度を、SIMS分析により界面層窒素濃度を測定し、
これらの関係をグラフ化すればよい。図3は、このよう
にして界面層密度と界面窒素濃度との関係を求めた一例
である。図中、◆印がSIMS分析により測定した結
果、直線がこのデータを一次直線で近似したものであ
る。
【0036】図3に示す検量線では、界面層密度と界面
層窒素濃度とがほぼ比例関係にある。このような界面層
密度と界面層窒素濃度との関係は、以下のモデルに基づ
いて一次直線による近似とした。X線反射率測定によっ
て得られたデータをモデル最適化した結果、シリコン基
板とシリコン酸化膜との界面に窒素を導入した場合、窒
素の導入によって膜厚約1nm程度の界面層の密度が高
くなっていることが判った。これは、窒素がシリコン基
板とシリコン酸化膜との界面に偏析して密度を上げた結
果、界面でのX線反射係数が大きくなり、酸化膜表面で
反射したX線との干渉振動が強くなるためと解釈でき
る。XPSによる測定結果から、界面領域の窒素はSi
34の形でSiに結合していることが知られている。窒
化シリコン(Si34)の密度は2.9とシリコン酸化
膜の密度である2.4に比べて高いため、上記の結果と
矛盾はない。
【0037】また、X線CTRによる評価から、導入し
た窒素はシリコン酸化膜の結晶相を破壊しないことが明
らかとなっており、界面層の密度変化は、直接に窒素濃
度の変化に比例すると考えられる。そこで、窒素が単純
に界面においてSi34の形で存在すると仮定すると、
シリコン酸化膜の密度をρSiO2、シリコン窒化膜の密度
をρSi3N4、シリコン窒化膜の存在割合をxとして、界
面層密度ρは、 ρ=ρSiO2+xρSi3N4 …(3) と表すことができる。
【0038】したがって、シリコン窒化膜の存在割合x
は、 x=(ρ−ρSiO2)/ρSi3N4 …(4) として求めることができる。式(4)から明らかなよう
に、界面層窒素濃度を表すシリコン窒化膜の存在割合x
は、界面層密度ρと比例関係にあり、図3に示すSIM
S分析の結果を裏付けることができる。
【0039】このようにして、図3に示すような検量線
を予め作成しておき、任意の試料における界面層密度を
X線反射率測定によって求めることにより、界面層密度
から検量線を介して界面層窒素濃度を測定することがで
きる。例えば、X線反射率測定のモデル最適化から、界
面層密度が2.44と求められた場合には、図3の検量
線から界面層窒素濃度は約1.8%であると見積もるこ
とができる。
【0040】このように、本実施形態によれば、X線反
射率測定により得られた反射X線の干渉振動データから
膜界面に偏析した元素濃度を定量化するので、界面層の
元素濃度を非破壊で精度よく測定することができる。な
お、上記実施形態では、シリコン酸化膜とシリコン基板
との界面に形成される窒素を含む界面層について窒素濃
度を測定する場合を示したが、他の材料系であっても同
様に測定することができる。
【0041】また、(シリコン酸化膜/界面層/シリコ
ン基板)系の上記の例では、検量線が一次関数で近似で
きたが、検量線の形状は、試料の構造や反応形態によっ
て変化するものと解される。したがって、上記の比例関
係は必ずしも成立するとは限らない。要は、界面層密度
と界面不純物濃度と間の所定の関係が求められればよい
ので、試料に応じた適当なモデルを採用することによ
り、このモデルに見合った検量線を用意すればよい。こ
のような場合においても、本実施形態と同様にして検量
線を求めることができる。
【0042】また、X線反射率測定では、膜界面のみな
らず試料表面に形成される偏析層の密度や膜厚をも測定
できるので、表面偏析層についても同様にして元素濃度
を定量することができる。例えば、試料表面に付着した
水分を測定する場合に、本実施形態による元素濃度測定
方法を適用することができる。 [第2実施形態]本発明の第2実施形態による元素濃度
測定方法を図4乃至図10を用いて説明する。
【0043】図4は本実施形態による元素濃度測定方法
の概略を示す工程図、図5は本実施形態による元素濃度
測定方法における算出データを示すグラフ、図6乃至図
8はX線反射率曲線から干渉振動成分を抽出した結果を
示すグラフ、図9は界面層密度とフーリエピーク強度と
の関係をシミュレーションにより求めた結果を示すグラ
フ、図10はフーリエピーク強度から界面層窒素濃度を
求めるための検量線を示すグラフである。
【0044】第1実施形態による元素濃度測定方法で
は、X線反射率測定により求めた反射率データをモデル
最適化によりフィッティングすることにより界面層の元
素濃度の定量を行った。しかし、このようなモデル最適
化にはある程度の熟練と時間が必要であるため、インラ
インのプロセス管理において簡単に評価をするには適当
ではない。そこで、本実施形態では、より簡易に偏析層
の元素濃度測定を測定しうる元素濃度測定方法を示す。
【0045】始めに、本実施形態による膜厚測定方法の
概略について図4を用いて説明する。まず、第1実施形
態による元素濃度測定方法と同様にして、被測定試料の
表面に入射角度を変化しながらX線を照射してX線変化
率の測定を行い、X線反射率曲線Rを求める(ステップ
S21)。
【0046】次いで、ステップS21にて測定したX線
反射率曲線Rを基にして、干渉振動曲線Δ(x)を求め
る(ステップS22)。続いて、このように求めた干渉
振動曲線Δ(x)をフーリエ変換し、フーリエ係数F
(d)のピーク強度を求める(ステップS23)。この
後、予め作成しておいた検量線を用い、求めたフーリエ
ピーク強度から検量線を介して元素濃度を定量する(ス
テップS24)。
【0047】以下、具体的な測定例を示しながら本実施
形態による元素濃度測定方法を詳細に説明する。まず、
第1実施形態による元素濃度測定方法と同様にして、被
測定試料の表面に入射角度を変化しながらX線を照射し
てX線変化率の測定を行い、X線反射率曲線Rを求める
(ステップS21)。X線反射率測定により得られる測
定データRは、例えば図5(a)に示すように基板から
の全体的な反射成分(平均反射率Rave)をも含むもの
であり、正確な測定を行うためには基板からの全体的な
反射成分を取り除くことが望ましい。
【0048】基板からの全体的な反射成分は、例えば特
願平8−142665号明細書に記載の方法により見積
もることができる。例えば、特願平8−142665号
明細書に記載のように、 Rave=I0(θ−θ0-4・exp{−(4πσ/λ・sinθ)2}+B0 …(5) よりなる解析式を用いることができる。
【0049】ここで、I0は強度、θはX線の入射角、
θ0はθの原点補正値、σは試料表面のラフネスの二乗
平均値、λはX線の波長、B0はバックグラウンド定数
である。こうして求めた平均反射率Raveを測定データ
Rから差し引くことにより、干渉振動曲線Δ(θ)のみ
を抽出することができる。
【0050】図6乃至図8は、種々の条件によって作成
した試料について、このようにして干渉振動成分を抽出
した結果を示すグラフである。ここに、図6は5nmの
シリコン酸化膜を形成しただけの試料から得られた結果
を示すグラフ、図7は5nmのシリコン酸化膜を形成し
た後に800℃で窒化処理を行った試料から得られた結
果を示すグラフ、図8は4nmのシリコン酸化膜を形成
した後に900℃で窒化処理を行った試料から得られた
結果を示すグラフである。
【0051】次いで、このようにして得た干渉振動曲線
Δ(θ)を変数変換して干渉振動曲線Δ(x)とする
(ステップS22)。続いて、このようにして得た干渉
振動曲線Δ(x)をフーリエ変換する。例えば、図5
(a)に示す干渉振動曲線Δ(X)をフーリエ変換する
と、図5(b)に示すグラフが得られる。なお、X線反
射率曲線Rから図5(b)に示すグラフを得る方法につ
いては、例えば、同一出願人による特願平8−1426
65号明細書に詳述されている。
【0052】なお、本実施形態による元素濃度測定方法
では、干渉振動の振幅と窒素濃度とを直接対応させるた
めの手段としてフーリエ変換を用いている。すなわち、
第1実施形態において説明したように、界面層密度の変
化は干渉振動の振幅に反映される。したがって、干渉振
動の振幅と窒素濃度とを直接対応させることができれば
元素濃度測定が容易になると予想される。その一方、干
渉振動から振動の振幅を求めることを考えると、干渉振
動は振動の周期が膜厚に関係するため、どの入射角でど
の様に振幅を決めればよいかが問題となる。このような
場合に、フーリエ変換が有効だからである。
【0053】この後、このように得たグラフから、フー
リエピーク強度を読みとる(ステップS23)。このグ
ラフのピーク位置は、シリコン酸化膜の膜厚を表してい
る。一方、フーリエ係数F(d)のピーク強度は、干渉
振動曲線の振幅に関係する値を表している。したがっ
て、フーリエピーク強度を分析することによって界面層
密度を求めることが可能となる。
【0054】ところで、フーリエピーク強度から界面層
密度を算出するためには、これらのパラメータがどの様
な関係にあるかを知る必要がある。そこで、(シリコン
酸化膜/界面層/シリコン基板)構造のモデルを仮定
し、フーリエピーク強度と界面層密度との関係をシミュ
レートした。図9は、シリコン酸化膜の膜厚を5nm、
密度を2.3g/cm3、界面層膜厚を0.5nmとし
た場合の、界面層密度とフーリエピーク強度との関係を
シミュレーションにより求めた結果を示すグラフであ
る。
【0055】図示するように、フーリエピーク強度と界
面層密度との間には比例関係があることが判る。したが
って、第1実施形態の元素濃度測定方法のようにしてモ
デル最適化により界面層密度を算出せずとも、界面層密
度の値をフーリエピーク強度から見積もることができ
る。すなわち、界面層密度を介することなく、フーリエ
ピーク強度から直接に界面層の元素濃度を算出すること
が可能となる。
【0056】干渉振動データのフーリエ変換によってえ
られるピーク強度には、モデル最適化のような任意性も
ないため、高精度に、より簡便に測定することができる
こととなる。次いで、干渉振動曲線Δ(x)をフーリエ
変換することによって得られたフーリエピーク強度か
ら、界面層窒素濃度を求める(ステップS24)。界面
層窒素濃度は、例えば予め測定しておいた検量線を用い
ることによって、界面層密度から直接に求めることがで
きる。
【0057】検量線は、例えばSIMS分析によって予
め界面層窒素濃度を測定しておくことによって得ること
ができる。例えば、界面層窒素濃度を変化した複数の試
料を用意し、上記と同様のX線反射率測定によりフーリ
エピーク強度を、SIMS分析により界面層窒素濃度を
測定し、これらの関係をグラフ化すればよい。図10
は、このようにして界面層密度と界面窒素濃度との関係
を求めた一例である。図中、▲印がSIMS分析により
測定した結果、実線がSIMS分析による測定データを
近似して得た検量線である。
【0058】このようにして、図10に示すような検量
線を予め作成しておき、任意の試料におけるフーリエピ
ーク強度をX線反射率測定によって求めることにより、
フーリエピーク強度から検量線を介して界面層窒素濃度
を測定することができる。例えば、干渉振動曲線Δ
(x)からフーリエピーク強度が35と求められた場合
には、図10の検量線から、界面層窒素濃度は約1.5
%であると見積もることができる。
【0059】なお、検量線をもとにしてこのように計算
した測定精度は、窒素濃度が約1%のときに±0.2〜
0.3%以内であり、極めて高い精度を実現することが
できた。このように、本実施形態によれば、干渉振動を
フーリエ変換して得たフーリエピーク強度と界面層の元
素濃度とを直接に関連づけることができるので、X線反
射率測定によって得られた干渉振動をフーリエ変換して
得られるフーリエピーク強度から容易に偏析元素の濃度
を定量化することができる。
【0060】また、本実施形態による元素濃度測定方法
では、第1実施形態に示す元素濃度測定方法のようにデ
ータ処理段階で熟練した技術を必要としないので、イン
ラインでのプロセスチェックに容易に適用することがで
きる。すなわち、X線反射率測定により得られたグラフ
をフーリエ変換することのみで偏析元素の濃度を見積も
ることができるので、オペレータには専門的な知識が要
求されず、且つ、演算時間も短縮することができる。
【0061】なお、上記実施形態では、シリコン酸化膜
とシリコン基板との界面に形成される窒素を含む界面層
について窒素濃度を測定する場合を示したが、他の材料
系であっても同様に測定することができる。また、表面
偏析層についても同様にして元素濃度を定量することが
できる。 [第3実施形態]本発明の第3実施形態による元素濃度
測定装置及び半導体装置の製造装置について図11及び
図12を用いて説明する。
【0062】図11は本実施形態による半導体装置の製
造装置の概略を示す側面図、図12は本実施形態による
半導体装置の製造装置の概略を示す上面図である。本実
施形態では、第1及び第2実施形態による元素濃度測定
方法を、半導体装置の製造プロセスにおけるインライン
管理に使用しうる元素濃度測定装置及び半導体装置の製
造装置を示す。
【0063】本実施形態による半導体装置の製造装置
は、所定の半導体装置の製造プロセスを施す処理部10
と、X線反射率測定によって界面層元素濃度を測定する
ための元素濃度測定装置12と、測定する半導体ウェー
ハ16を処理部10から元素濃度測定装置12へ移送す
るための移送用チャンバ14とによって構成される。処
理部10は、半導体ウェーハ16を処理するための酸化
炉20と、半導体ウェーハ16を酸化炉20内に装填す
るためのウェーハ輸送手段22とにより構成されてい
る。酸化炉20には、ガス導入口24及び排気口26が
設けられており、酸化炉20内で所定のガスを用いた処
理ができるようになっている。図11に示す半導体装置
の製造装置では、N2ガス、O2ガス、O3ガスが導入で
きるようになっており、これらのガスを用いた処理が可
能である。
【0064】なお、図11に示す本実施形態による半導
体装置の製造装置では、処理部10として、半導体ウェ
ーハ16を酸化し或いは窒化処理その他の熱処理を施す
ための熱処理装置を設けた例を示しているが、プロセス
後に元素濃度測定を必要とされる他のプロセス装置に置
き換えることもできる。ウェーハ輸送手段22には、移
送用チャンバ14が接続されており、酸化炉20内で処
理した半導体ウェーハ16を元素濃度測定装置12に移
送し、又は元素濃度測定装置12から半導体ウェーハ1
6を処理部10に移送できるようになっている。
【0065】移送用チャンバ14には、元素濃度測定装
置12の測定用チャンバ30が接続されており、処理部
10で処理した半導体ウェーハ16を輸送用チャンバ1
4を介して測定用チャンバ30に搬送できるようになっ
ている。測定用チャンバ30の外壁には、ベリリウム窓
32が設けられており、ローターX線源34より発せら
れたX線をGe(111)モノクロメータ36を介して
測定用チャンバ30内に導入できるようになっている。
【0066】測定用チャンバ30内には、半導体ウェー
ハ16を載置するためのステージ38が設けられてい
る。ステージ38には、X線源34により発せられたX
線を半導体ウェーハ16に所定の角度で入射できるよう
に、Z軸、RX軸、RY軸、φ軸、X軸、θ軸方向にステ
ージを移動するステージ移動手段(図示せず)が設けら
れている。
【0067】X線源34に対向する側の測定用チャンバ
30には、X線検出器40が設けられており、半導体ウ
ェーハによって反射されるX線を検出できるようになっ
ている。元素濃度測定装置12には、元素濃度測定を行
う際に元素濃度測定装置12を制御する制御手段(図示
せず)と、測定データをもとに元素濃度測定を行う演算
手段(図示せず)などが接続されている。
【0068】次に、本実施形態による半導体装置の製造
装置を用いた元素濃度測定方法について説明する。ま
ず、処理部10において、所定のウェーハプロセスを行
う。例えば、酸化炉20内でシリコン基板を酸化してシ
リコン酸化膜を形成した後、所定の窒化処理を行い、シ
リコン基板とシリコン酸化膜との界面に窒素を含む界面
層を有する被測定基板を製造する。
【0069】次いで、ウェーハ輸送手段22により被測
定基板を酸化炉20内から取り出し、輸送用チャンバ1
4を介して元素濃度測定装置12に搬送する。元素濃度
測定装置12に搬送された被測定基板は、測定用チャン
バ30内のステージ38上に載置される。続いて、ステ
ージ38上に載置した被測定基板について、X線反射率
測定を行う。例えば、制御手段によってステージ38を
動かすことによりX線の角度を徐々に変化しながらX線
源34から発したX線を被測定基板に入射し、被測定試
料によって反射されるX線の強度をX線検出器40によ
り検出することによって行う。
【0070】この後、X線反射率測定によって得られた
測定データを演算手段により解析し、窒素を含む界面層
中の窒素濃度を定量化する。窒素濃度の定量化には、例
えば、第2実施形態による元素濃度測定方法を用いる。
第2実施形態による元素濃度測定方法によれば、X線反
射率測定により得られた干渉振動データをフーリエ変換
することにより、フーリエピーク強度から窒素濃度を算
出することができる。したがって、窒素濃度の算出過程
においては前述のように熟練した技術を必要としないの
で、装置のオペレータがインラインで容易に窒素濃度を
算出することが可能となる。また、モデル最適化のよう
に繰り返しの計算を必要としないので短時間で濃度の算
出をすることができる。
【0071】このように、本実施形態によれば、界面層
の窒素濃度をインラインで容易且つ短時間で測定するこ
とができるので、算出した窒素濃度が所定の許容範囲に
収まっていないことが判れば、オペレータは直ちにプロ
セス条件にフィードバックしてその後のウェーハの処理
を行うことができる。なお、上記実施形態では、元素濃
度測定装置をプロセス装置と一体にした半導体装置の製
造装置を示したが、必ずしも一体である必要はない。
【0072】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、基板上に
少なくとも1層の膜を有する被測定試料に、入射角度を
走査しながらX線を入射し、被測定試料によって反射さ
れたX線の干渉振動曲線を測定し、干渉振動曲線のデー
タから、被測定試料表面に付着した元素及び/又は膜の
界面に偏析した元素の濃度を測定するので、被測定試料
を非破壊検査することが可能となる。これにより、該元
素濃度測定方法をインラインでのプロセス管理に適用す
ることもできる。また、X線反射率測定を用いるので、
試料表面・界面における元素濃度を精度よく測定するこ
とができる。
【0073】また、X線反射率を表す解析式に干渉振動
曲線をフィッティングすることにより元素が付着し又は
偏析した領域の被測定試料の密度を決定し、密度に基づ
いて元素の濃度を算出すれば、この密度から元素濃度を
容易に定量することができる。また、解析式に干渉振動
曲線をフィッティングする際に、フィッティングに用い
る複数のパラメータのうち、被測定試料によるばらつき
の小さいパラメータを固定すれば、フィッティングによ
る任意性を低減することができるので、より高精度に元
素濃度を測定することができる。
【0074】また、干渉振動曲線の振幅強度は元素が付
着し又は偏析した領域の被測定試料の密度を反映してい
るので、干渉振動曲線の振幅強度に基づいて元素の濃度
を算出すれば、測定で得られた干渉振動曲線の振幅強度
を解析することによって試料表面・界面における元素濃
度を測定することができる。また、干渉振動曲線のデー
タをフーリエ変換すれば、得られる曲線のフーリエピー
ク強度は干渉振動曲線の振幅強度を反映するものとなる
ので、任意性を含むことなく干渉振動曲線の振幅強度を
求めることができる。これにより、元素濃度の測定精度
を向上することができる。また、フーリエピーク強度を
求める方法では、データ処理段階で熟練した技術を必要
とせず、また、データ処理に要する時間も短くできるの
で、インラインでのプロセス管理に極めて有効である。
【0075】また、被測定試料に、所定の角度でX線を
入射するX線入射手段と、被測定試料により反射された
X線を検出するX線検出手段と、X線検出手段により検
出されたX線の干渉振動曲線に基づいて、被測定試料表
面に付着した元素及び/又は界面に偏析した元素の濃度
を算出する演算手段とにより元素濃度測定装置を構成す
ることもできる。
【0076】また、半導体基板上に、少なくとも1層の
膜を有する所定の下地構造を形成する工程と、半導体基
板の表面に付着し又は膜の界面に偏析した元素の濃度を
測定する際に、基板に、入射角度を走査しながらX線を
入射し、基板によって反射されたX線の干渉振動曲線を
測定し、干渉振動曲線のデータから、基板表面に付着し
た元素及び/又は膜の表面に偏析した元素の濃度を測定
する工程とにより半導体装置を製造することにより、X
線反射率測定により半導体基板の表面に付着し又は膜の
界面に偏析した元素濃度を測定する上記の元素濃度測定
方法をインラインのプロセス管理に用いれば、半導体基
板の表面に付着し又は膜の界面に偏析した元素濃度をイ
ンラインで正確に、且つ、短時間で知ることができるの
で、測定された結果を直ちに処理条件にフィードバック
し、後続の半導体基板の処理に反映させることができ
る。これにより、半導体装置の製造歩留りを向上するこ
とができる。
【0077】また、シリコン基板上に、シリコン酸化膜
を形成する工程と、シリコン酸化膜が形成されたシリコ
ン基板を窒化処理し、シリコン基板とシリコン酸化膜と
の界面に、窒素を含む界面層を形成する工程と、基板
に、入射角度を走査しながらX線を入射し、基板によっ
て反射されたX線の干渉振動曲線を測定し、干渉振動曲
線のデータから、界面層の窒素濃度を測定する工程とに
より半導体装置を製造することにより、シリコン基板と
シリコン酸化膜の界面に偏析させる窒素の濃度を上記の
元素濃度測定方法によりインラインで管理すれば、シリ
コン基板中の不純物の拡散や界面準位の低減に効果的な
窒素を導入する条件を後続の試料の処理に直ちににフィ
ードバックすることができる。これにより、半導体装置
の製造歩留りを向上することができる。
【0078】また、半導体基板に所定のプロセスを施す
処理部と、処理部において処理された半導体基板に所定
の角度でX線を入射するX線入射手段と、半導体基板に
より反射されたX線を検出するX線検出手段と、X線検
出手段により検出されたX線の干渉振動曲線に基づい
て、半導体基板表面に付着した元素及び/又は界面に偏
析した元素の濃度を算出する演算手段とを有する元素濃
度測定部とにより半導体装置の製造装置を構成すること
もできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の元素濃度測定方法の原理を説明する図
である。
【図2】本発明の第1実施形態による元素濃度測定方法
の概略を示す工程図である。
【図3】界面層密度から界面層窒素濃度を求めるための
検量線を示すグラフである。
【図4】本発明の第2実施形態による元素濃度測定方法
の概略を示す工程図である。
【図5】本発明の第2実施形態による元素濃度測定方法
における算出データを示すグラフである。
【図6】X線反射率曲線から干渉振動成分を抽出した結
果を示すグラフ(その1)である。
【図7】X線反射率曲線から干渉振動成分を抽出した結
果を示すグラフ(その2)である。
【図8】X線反射率曲線から干渉振動成分を抽出した結
果を示すグラフ(その3)である。
【図9】界面層密度とフーリエピーク強度との関係をシ
ミュレーションにより求めた結果を示すグラフである。
【図10】フーリエピーク強度から界面層窒素濃度を求
めるための検量線を示すグラフである。
【図11】本発明の第3実施形態による半導体装置の製
造装置の概略を示す側面図である。
【図12】本発明の第3実施形態による半導体装置の製
造装置の概略を示す上面図である。
【符号の説明】
2…基板 4…偏析層 6…膜 10…処理部 12…元素濃度測定装置 14…輸送用チャンバ 16…半導体ウェーハ 20…酸化炉 22…ウェーハ輸送手段 24…ガス導入口 26…排気口 30…測定用チャンバ 32…ベリリウム窓 34…X線源 36…Ge(111)モノクロメータ 38…ステージ 40…X線検出器

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に少なくとも1層の膜を有する被
    測定試料に、入射角度を走査しながらX線を入射し、前
    記被測定試料によって反射された前記X線の干渉振動曲
    線を測定し、前記干渉振動曲線のデータから、前記被測
    定試料表面に付着した元素及び/又は前記膜の界面に偏
    析した元素の濃度を測定することを特徴とする元素濃度
    測定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の元素濃度測定方法におい
    て、 X線反射率を表す解析式に前記干渉振動曲線をフィッテ
    ィングすることにより、前記元素が付着し又は偏析した
    領域の前記被測定試料の密度を決定し、前記密度に基づ
    いて前記元素の濃度を算出することを特徴とする元素濃
    度測定方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の元素濃度測定方法におい
    て、 前記解析式に前記干渉振動曲線をフィッティングする際
    に、フィッティングに用いる複数のパラメータのうち、
    被測定試料によるばらつきの小さいパラメータを固定す
    ることを特徴とする元素濃度測定方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の元素濃度測定方法におい
    て、 前記干渉振動曲線の振幅強度に基づいて前記元素の濃度
    を算出することを特徴とする元素濃度測定方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の元素濃度測定方法におい
    て、 前記干渉振動曲線のデータをフーリエ変換することによ
    りフーリエピーク強度を求め、前記フーリエピーク強度
    に基づいて前記元素の濃度を算出することを特徴とする
    元素濃度測定方法。
  6. 【請求項6】 被測定試料に、所定の角度でX線を入射
    するX線入射手段と、 前記被測定試料により反射された前記X線を検出するX
    線検出手段と、 前記X線検出手段により検出された前記X線の干渉振動
    曲線に基づいて、前記被測定試料表面に付着した元素及
    び/又は界面に偏析した元素の濃度を算出する演算手段
    とを有することを特徴とする元素濃度測定装置。
  7. 【請求項7】 半導体基板上に、少なくとも1層の膜を
    有する所定の下地構造を形成する工程と、 前記半導体基板の表面に付着し又は前記膜の界面に偏析
    した元素の濃度を測定する際に、前記基板に、入射角度
    を走査しながらX線を入射し、前記基板によって反射さ
    れた前記X線の干渉振動曲線を測定し、前記干渉振動曲
    線のデータから、前記基板表面に付着した元素及び/又
    は前記膜の表面に偏析した元素の濃度を測定する工程と
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 シリコン基板上に、シリコン酸化膜を形
    成する工程と、 前記シリコン酸化膜が形成された前記シリコン基板を窒
    化処理し、前記シリコン基板と前記シリコン酸化膜との
    界面に、窒素を含む界面層を形成する工程と、 前記基板に、入射角度を走査しながらX線を入射し、前
    記基板によって反射された前記X線の干渉振動曲線を測
    定し、前記干渉振動曲線のデータから、前記界面層の窒
    素濃度を測定する工程とを有することを特徴とする半導
    体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 半導体基板に所定のプロセスを施す処理
    部と、 前記処理部において処理された前記半導体基板に所定の
    角度でX線を入射するX線入射手段と、前記半導体基板
    により反射された前記X線を検出するX線検出手段と、
    前記X線検出手段により検出された前記X線の干渉振動
    曲線に基づいて、前記半導体基板表面に付着した元素及
    び/又は界面に偏析した元素の濃度を算出する演算手段
    とを有する元素濃度測定部とを有することを特徴とする
    半導体装置の製造装置。
JP15122697A 1995-11-30 1997-06-09 元素濃度測定方法及び装置並びに半導体装置の製造方法及び装置 Expired - Fee Related JP3566499B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15122697A JP3566499B2 (ja) 1997-06-09 1997-06-09 元素濃度測定方法及び装置並びに半導体装置の製造方法及び装置
US09/018,852 US6040198A (en) 1995-11-30 1998-02-04 Element concentration measuring method and apparatus, and semiconductor device fabrication method and apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15122697A JP3566499B2 (ja) 1997-06-09 1997-06-09 元素濃度測定方法及び装置並びに半導体装置の製造方法及び装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10339706A true JPH10339706A (ja) 1998-12-22
JP3566499B2 JP3566499B2 (ja) 2004-09-15

Family

ID=15514009

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15122697A Expired - Fee Related JP3566499B2 (ja) 1995-11-30 1997-06-09 元素濃度測定方法及び装置並びに半導体装置の製造方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3566499B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001075426A1 (en) * 2000-04-04 2001-10-11 Rigaku Corporation Analyzing method for non-uniform-density sample and device and system therefor
JP2007051955A (ja) * 2005-08-18 2007-03-01 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 基板に注入した不純物元素の深さ分布を測定する測定方法
JP2008203046A (ja) * 2007-02-19 2008-09-04 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 精密薄膜分析装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001075426A1 (en) * 2000-04-04 2001-10-11 Rigaku Corporation Analyzing method for non-uniform-density sample and device and system therefor
JP2007051955A (ja) * 2005-08-18 2007-03-01 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 基板に注入した不純物元素の深さ分布を測定する測定方法
JP4665169B2 (ja) * 2005-08-18 2011-04-06 独立行政法人産業技術総合研究所 基板に注入した不純物元素の深さ分布を測定する測定方法
JP2008203046A (ja) * 2007-02-19 2008-09-04 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 精密薄膜分析装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3566499B2 (ja) 2004-09-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6040198A (en) Element concentration measuring method and apparatus, and semiconductor device fabrication method and apparatus
US6284986B1 (en) Method of determining the thickness of a layer on a silicon substrate
US5381228A (en) Rapid estimation of the oxygen permeation rate of a thin film on a plastic container
TWI395943B (zh) 用於分析具有一表面層之一樣品之裝置及方法,及用於生產微電子器件之叢集工具及裝置
US7327475B1 (en) Measuring a process parameter of a semiconductor fabrication process using optical metrology
KR20080050567A (ko) 막에서의 구성요소의 비-파괴 분포 프로파일링에 대한 방법및 시스템
WO1999031483A1 (en) Spectrometric method for analysis of film thickness and composition on a patterned sample
US20170176357A1 (en) Silicon germanium thickness and composition determination using combined xps and xrf technologies
JP3773355B2 (ja) 半導体装置の製造装置
US20240167814A1 (en) Method and system for monitoring deposition process
JP2004028787A (ja) 全反射蛍光x線分析方法、全反射蛍光x線分析前処理装置及び全反射蛍光x線分析装置
JP3566499B2 (ja) 元素濃度測定方法及び装置並びに半導体装置の製造方法及び装置
JPH0964133A (ja) 半導体基板内部のCu濃度の検出方法
EP3822622B1 (en) X-ray analysis system, x-ray analysis device, and vapor phase decomposition device
Diebold Calibration issues for total reflection x‐ray fluorescence analysis of surface metallic contamination on silicon
JP2001223251A (ja) 石英中に含有される金属の分析方法
JP2000055841A (ja) X線分析方法
JP2002116163A (ja) 表面分析装置におけるスペクトルピーク位置の補正方法
Sparks et al. Characterization of high-k gate dielectric and metal gate electrode semiconductor samples with a total reflection X-ray fluorescence spectrometer
JPH08338819A (ja) X線分析方法およびx線分析装置
JPH11330187A (ja) インプロセス薄膜分析装置
JP2002181746A (ja) 定量分析方法およびその補助試料と標準試料
JPH04131751A (ja) 蛍光x線分析方法
JPH05290797A (ja) 二次イオン質量分析法
JP3799361B2 (ja) 半導体装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040210

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040317

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040608

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040610

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090618

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100618

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110618

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120618

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120618

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130618

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140618

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees