JPH05290797A - 二次イオン質量分析法 - Google Patents
二次イオン質量分析法Info
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- JPH05290797A JPH05290797A JP4088543A JP8854392A JPH05290797A JP H05290797 A JPH05290797 A JP H05290797A JP 4088543 A JP4088543 A JP 4088543A JP 8854392 A JP8854392 A JP 8854392A JP H05290797 A JPH05290797 A JP H05290797A
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- JP
- Japan
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- laminated film
- sample
- film sample
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- Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
- Electron Tubes For Measurement (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 本発明は、積層膜試料の深さ方向分布の測定
において、測定元素の二次イオン化率一定のモードを実
現し、真の深さ方向分布を得る測定方法を提供するもの
である。 【構成】 積層膜試料2に一次イオン5を入射し、前記
積層膜試料2からの二次イオン6を分析して、前記積層
膜中の元素の深さ方向質量分析を行う方法において、前
記試料に入射する一次イオンの前記試料に対する一次イ
オンの入射方向叉は、入射エネルギーを制御する。 【効果】 積層膜の深さ方向分析においても、各層で測
定元素の二次イオン化率を一定にできる。測定データを
定量データに変換する際、既知のスパッタイールド比
と、1個の標準試料から求めた、相対感度係数だけで、
定量データを得る事ができる。
において、測定元素の二次イオン化率一定のモードを実
現し、真の深さ方向分布を得る測定方法を提供するもの
である。 【構成】 積層膜試料2に一次イオン5を入射し、前記
積層膜試料2からの二次イオン6を分析して、前記積層
膜中の元素の深さ方向質量分析を行う方法において、前
記試料に入射する一次イオンの前記試料に対する一次イ
オンの入射方向叉は、入射エネルギーを制御する。 【効果】 積層膜の深さ方向分析においても、各層で測
定元素の二次イオン化率を一定にできる。測定データを
定量データに変換する際、既知のスパッタイールド比
と、1個の標準試料から求めた、相対感度係数だけで、
定量データを得る事ができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二次イオン質量分析法
に関する。
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、材料分析、評価の分野で、二次イ
オン質量分析法は、高感度な深さ方向分析法として、注
目されている。しかし、二次イオン質量分析法を定量分
析法として用いる場合、多くの注意を払わなくてはなら
ない。それは、二次イオン生成機構が、理論的にも実験
的にも明らかにされていないためである。
オン質量分析法は、高感度な深さ方向分析法として、注
目されている。しかし、二次イオン質量分析法を定量分
析法として用いる場合、多くの注意を払わなくてはなら
ない。それは、二次イオン生成機構が、理論的にも実験
的にも明らかにされていないためである。
【0003】二次イオン質量分析法における、定量法と
して最も一般的に用いられているのは、内標準法であ
る。これは、測定元素量の既知な試料(標準試料)と未
知の試料を同時に測定し、既知の試料の測定データから
得た相対感度係数を用いて、未知の試料を定量する方法
である。
して最も一般的に用いられているのは、内標準法であ
る。これは、測定元素量の既知な試料(標準試料)と未
知の試料を同時に測定し、既知の試料の測定データから
得た相対感度係数を用いて、未知の試料を定量する方法
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】通常の二次イオン質量
分析方法を積層膜試料の深さ方向分析に適用する場合、
マトリックス効果が問題となる。それは、同一の元素で
も各層ごとにその二次イオン化率が変化する現象であ
る。その結果、上記のような定量法では、積層膜試料中
の元素を定量する場合、原理的に、各層での標準試料を
測定し、定量を行っている。これは、標準試料の測定回
数が多く、又、定量計算の過程も必要以上に長くなり、
高い精度の定量データは得られない。
分析方法を積層膜試料の深さ方向分析に適用する場合、
マトリックス効果が問題となる。それは、同一の元素で
も各層ごとにその二次イオン化率が変化する現象であ
る。その結果、上記のような定量法では、積層膜試料中
の元素を定量する場合、原理的に、各層での標準試料を
測定し、定量を行っている。これは、標準試料の測定回
数が多く、又、定量計算の過程も必要以上に長くなり、
高い精度の定量データは得られない。
【0005】本発明の目的は、積層膜試料の深さ方向分
析の測定において、測定元素の二次イオン化率一定のモ
ードを実現し、真の深さ方向分布を得る測定方法を提供
すること。そして、標準試料を最小限度(1個)にとど
め精度の高い定量データを得る解析方法を、提供するこ
とである。
析の測定において、測定元素の二次イオン化率一定のモ
ードを実現し、真の深さ方向分布を得る測定方法を提供
すること。そして、標準試料を最小限度(1個)にとど
め精度の高い定量データを得る解析方法を、提供するこ
とである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的のために、本発
明においては、測定元素の二次イオン化率が、各層で変
化しない測定モードを実現するように、一次イオンの入
射角度叉は、入射エネルギーを選ぶ方法を用いるもの
で、積層膜試料に一次イオンを入射し、前記積層膜試料
からの二次イオンを分析して、前記積層膜中の元素の深
さ方向質量分析を行う方法において、前記試料に入射す
る一次イオンの前記試料に対する一次イオンの入射方向
叉は、入射エネルギーを制御して、前記積層膜試料中の
特定の元素の二次イオン化率を前記積層膜試料を構成す
る各膜中で一定とすることを特徴とする二次イオン質量
分析法である。
明においては、測定元素の二次イオン化率が、各層で変
化しない測定モードを実現するように、一次イオンの入
射角度叉は、入射エネルギーを選ぶ方法を用いるもの
で、積層膜試料に一次イオンを入射し、前記積層膜試料
からの二次イオンを分析して、前記積層膜中の元素の深
さ方向質量分析を行う方法において、前記試料に入射す
る一次イオンの前記試料に対する一次イオンの入射方向
叉は、入射エネルギーを制御して、前記積層膜試料中の
特定の元素の二次イオン化率を前記積層膜試料を構成す
る各膜中で一定とすることを特徴とする二次イオン質量
分析法である。
【0007】
【作用】このようにすれば、積層膜の深さ方向分析にお
いても、各層で測定元素の二次イオン化率を一定にでき
る。測定データを定量データに変換する際、既知のスパ
ッタイールド比と、1個の標準試料から求めた、相対感
度係数を用いる。したがって、定量データの計算は、最
小限度の計算量で、行うことができる。
いても、各層で測定元素の二次イオン化率を一定にでき
る。測定データを定量データに変換する際、既知のスパ
ッタイールド比と、1個の標準試料から求めた、相対感
度係数を用いる。したがって、定量データの計算は、最
小限度の計算量で、行うことができる。
【0008】
【実施例】本発明の手法が、見いだされた背景を次に示
す。一般に、二次イオン収率は、(数1)で与えられ
る、
す。一般に、二次イオン収率は、(数1)で与えられ
る、
【0009】
【数1】
【0010】このとき、Im(A)は、測定試料A中の測定
元素mの二次イオン収率、γm(A)は、測定試料A中の測
定元素mの二次イオン化率、S(A)は、測定試料Aのス
パッタイールド、 Nm(A)は、測定試料A中の測定元素
mの濃度、ηは、装置の透過関数、Ipは、一次イオン
電流量、それぞれを示す。通常の二次イオン質量分析装
置において、一次イオン入射角度を変化させると、γ
m(A)、S(A)、η、等が変化し、結果として、二次イオ
ン収率Im(A)が変化する。実際には、一次イオン入射角
度を変化させる事は、装置的な制約のために一般的な手
法として、従来確立されていなかった。一方、図1は、
本発明の実施例を行った装置の構成図である。一次イオ
ン源3から、電場によって加速された一次イオン5が測
定試料2に入射する。その時生成される、二次イオン6
を質量分析器4に電場により取り込み計数する。図1に
示すように、本装置は、質量分析器4への二次イオン6
の軌道を変化させる事なしに、試料ホルダー1を回転さ
せて、一次イオン5の測定試料2に対する入射角度を変
化させる事ができる。すなわち、この系においては、装
置の透過関数は、一次イオン入射角度依存性を持たな
い。これは、本装置の大きな特徴である。このとき、二
次イオン収率Im(A)の一次イオン入射角度依存性は、二
次イオン化率(γm(A))と、スパッタイールド(S
(A))のみの変化による。言い替えれば、本発明の実施
される装置においては、一次イオン入射角度を制御する
事により、二次イオン化率(γm(A))とスパッタイール
ド(S(A))とを制御できる。本発明は、この特徴に着
目し、この一次イオン入射角度と二次イオン化率(γ
m(A))、スパッタイールド(S(A))との関係を詳細に
調べた結果、見いだされた。
元素mの二次イオン収率、γm(A)は、測定試料A中の測
定元素mの二次イオン化率、S(A)は、測定試料Aのス
パッタイールド、 Nm(A)は、測定試料A中の測定元素
mの濃度、ηは、装置の透過関数、Ipは、一次イオン
電流量、それぞれを示す。通常の二次イオン質量分析装
置において、一次イオン入射角度を変化させると、γ
m(A)、S(A)、η、等が変化し、結果として、二次イオ
ン収率Im(A)が変化する。実際には、一次イオン入射角
度を変化させる事は、装置的な制約のために一般的な手
法として、従来確立されていなかった。一方、図1は、
本発明の実施例を行った装置の構成図である。一次イオ
ン源3から、電場によって加速された一次イオン5が測
定試料2に入射する。その時生成される、二次イオン6
を質量分析器4に電場により取り込み計数する。図1に
示すように、本装置は、質量分析器4への二次イオン6
の軌道を変化させる事なしに、試料ホルダー1を回転さ
せて、一次イオン5の測定試料2に対する入射角度を変
化させる事ができる。すなわち、この系においては、装
置の透過関数は、一次イオン入射角度依存性を持たな
い。これは、本装置の大きな特徴である。このとき、二
次イオン収率Im(A)の一次イオン入射角度依存性は、二
次イオン化率(γm(A))と、スパッタイールド(S
(A))のみの変化による。言い替えれば、本発明の実施
される装置においては、一次イオン入射角度を制御する
事により、二次イオン化率(γm(A))とスパッタイール
ド(S(A))とを制御できる。本発明は、この特徴に着
目し、この一次イオン入射角度と二次イオン化率(γ
m(A))、スパッタイールド(S(A))との関係を詳細に
調べた結果、見いだされた。
【0011】SiO2/SiにBをイオン注入した試料
についての実施例を次に示す。この系は、半導体の不活
性化技術の最も優れた成功例である。このSiO2/S
iの系は、物理的、化学的に非常に安定であり、しか
も、容易に形成する事ができる。半導体産業の分野で
は、パッシベーション膜、電界効果型トランジスタのゲ
ート酸化膜として利用されている。実際の利用において
は、SiO2/Siの界面の電気的特性が重要となる。
一般には、不純物をイオン注入する事により、界面の電
気的キャリアの量を制御している。この際、不純物の深
さ方向分布に対する知見を得る事が、非常に重要になっ
ている。
についての実施例を次に示す。この系は、半導体の不活
性化技術の最も優れた成功例である。このSiO2/S
iの系は、物理的、化学的に非常に安定であり、しか
も、容易に形成する事ができる。半導体産業の分野で
は、パッシベーション膜、電界効果型トランジスタのゲ
ート酸化膜として利用されている。実際の利用において
は、SiO2/Siの界面の電気的特性が重要となる。
一般には、不純物をイオン注入する事により、界面の電
気的キャリアの量を制御している。この際、不純物の深
さ方向分布に対する知見を得る事が、非常に重要になっ
ている。
【0012】前記試料の詳細を図2に示す。前記試料の
構成は、Si基板10上に200nmの熱酸化膜(SiO
2)11が形成されている。さらに、次の条件で、Bを
イオン注入している。イオン注入条件は、Bを60Ke
Vのエネルギーで、1X10 15cm-2の濃度打ち込んで
いる。この条件では、Bは、2つの層にまたがって分布
する。併せて、一次イオンの入射の様子を模式的に示し
た。図中番号5aは、従来法の一次イオン入射方向であ
り、図中番号5bは、本実施例の一次イオンの入射方向
である。
構成は、Si基板10上に200nmの熱酸化膜(SiO
2)11が形成されている。さらに、次の条件で、Bを
イオン注入している。イオン注入条件は、Bを60Ke
Vのエネルギーで、1X10 15cm-2の濃度打ち込んで
いる。この条件では、Bは、2つの層にまたがって分布
する。併せて、一次イオンの入射の様子を模式的に示し
た。図中番号5aは、従来法の一次イオン入射方向であ
り、図中番号5bは、本実施例の一次イオンの入射方向
である。
【0013】従来の測定モード(一次イオン5aは、O2
+、一次イオン5aのエネルギーは、15KeV、一次イオ
ン5aの入射角度は、30゜である)による測定結果を
図3に示す。測定元素は、Si、B,Oの3元素であ
る。各元素とも、SiO211とSi10との界面で二
次イオン収率の極端な変化がみられる。これは、二次イ
オン化率の変化によるもので、真の深さ方向の元素分布
を示してはいない。このとき、この測定データを定量デ
ータに変換する方法は、前記内標準法に従えば、次の通
りである。SiO2中のBと、Si中のBの2個の標準
試料を前記試料と同時に測定し、その測定データより求
めた相対感度係数を、SiO211、Si10の各層
に、適用して界面において各層の定量データをつなぎ合
わせる。
+、一次イオン5aのエネルギーは、15KeV、一次イオ
ン5aの入射角度は、30゜である)による測定結果を
図3に示す。測定元素は、Si、B,Oの3元素であ
る。各元素とも、SiO211とSi10との界面で二
次イオン収率の極端な変化がみられる。これは、二次イ
オン化率の変化によるもので、真の深さ方向の元素分布
を示してはいない。このとき、この測定データを定量デ
ータに変換する方法は、前記内標準法に従えば、次の通
りである。SiO2中のBと、Si中のBの2個の標準
試料を前記試料と同時に測定し、その測定データより求
めた相対感度係数を、SiO211、Si10の各層
に、適用して界面において各層の定量データをつなぎ合
わせる。
【0014】次に、本実施例における測定モードの決定
法について述べる。前記試料において、(1)式より、S
i中のSiの二次イオン収率とSiO2中のSiの二次
イオン収率との比を考えてみる、装置の透過関数と一次
イオン電流量は、一次イオン入射角度依存性が無い、従
って、その比は、(数2)ようになる、
法について述べる。前記試料において、(1)式より、S
i中のSiの二次イオン収率とSiO2中のSiの二次
イオン収率との比を考えてみる、装置の透過関数と一次
イオン電流量は、一次イオン入射角度依存性が無い、従
って、その比は、(数2)ようになる、
【0015】
【数2】
【0016】スパッタイールドの一次イオン入射角度依
存性を測定することにより、二次イオン化率の比を直接
知ることができる。一方、Siの二次イオン化率が一定
(右辺第1項=1)になるには、Siの原子密度を基準
に、スパッタイールド比(右辺第2項)を選べば良いこ
とも分かる。
存性を測定することにより、二次イオン化率の比を直接
知ることができる。一方、Siの二次イオン化率が一定
(右辺第1項=1)になるには、Siの原子密度を基準
に、スパッタイールド比(右辺第2項)を選べば良いこ
とも分かる。
【0017】このようにして得た測定モード(一次イオ
ン5bは、O2 +、一次イオン5bのエネルギーは、15Ke
V、一次イオン5bの入射角度は、15゜である。)によ
り測定した結果を、図4に示す。測定元素は、図3と同
様である。このときSiO211とSi10の界面付近
で見られるBの分布の見かけ上の変化は、単位時間当た
りの二次イオン強度を示しているためである。二次イオ
ン化率の変化ではなく、スパッタイールドの変化による
ものである。したがって、単位深さ当たりの強度に変換
する際、スパッタイールド比だけで、補正すれば容易に
真の深さ方向分布が得られる。この測定データより定量
データを得るには、前記試料と同時に、SiO2中のB
あるいは、Si中のBのどちらか1個の標準試料を測定
する。そして、その標準試料の測定データより求めた1
個の相対感度係数を、SiO211、Si10の両層
に、適用して定量データが得られる。図5に本方法を用
いて得たBの深さ方向定量データを示す。併せて、モン
テカルロシミュレーションによる計算結果を図中に示
す。両者は、よい一致を示している。
ン5bは、O2 +、一次イオン5bのエネルギーは、15Ke
V、一次イオン5bの入射角度は、15゜である。)によ
り測定した結果を、図4に示す。測定元素は、図3と同
様である。このときSiO211とSi10の界面付近
で見られるBの分布の見かけ上の変化は、単位時間当た
りの二次イオン強度を示しているためである。二次イオ
ン化率の変化ではなく、スパッタイールドの変化による
ものである。したがって、単位深さ当たりの強度に変換
する際、スパッタイールド比だけで、補正すれば容易に
真の深さ方向分布が得られる。この測定データより定量
データを得るには、前記試料と同時に、SiO2中のB
あるいは、Si中のBのどちらか1個の標準試料を測定
する。そして、その標準試料の測定データより求めた1
個の相対感度係数を、SiO211、Si10の両層
に、適用して定量データが得られる。図5に本方法を用
いて得たBの深さ方向定量データを示す。併せて、モン
テカルロシミュレーションによる計算結果を図中に示
す。両者は、よい一致を示している。
【0018】ここで、本実施例と従来方法との比較を、
次表に示す。
次表に示す。
【0019】
【表1】
【0020】上記表に示したように、一次イオン入射角
度のみを適当な値に選ぶだけで、次のような利点を得る
事ができる。一般に二次イオン化率を直接測定する事
は、不可能である。本発明においては、その二次イオン
化率を知る事なしに、二次イオン化率一定の測定モード
を実現し、真の深さ方向分布を容易に得る事ができる。
また、二次イオン質量分析法においては、標準試料は、
消耗品であり、且つ高価な物である。本発明は、標準試
料を最小限度にとどめ、コストの大幅な削減を提供する
効果も持っている。さらに、定量計算において、計算回
数が増えれば増える程その統計的誤差が計算に繰り入れ
られて、有効数字内の誤差を増やす事になる。本発明に
おいては、標準試料を最小限度にする事により、定量計
算もまた最小限度にすることができる。したがって、よ
り高精度の定量計算が実現できる。
度のみを適当な値に選ぶだけで、次のような利点を得る
事ができる。一般に二次イオン化率を直接測定する事
は、不可能である。本発明においては、その二次イオン
化率を知る事なしに、二次イオン化率一定の測定モード
を実現し、真の深さ方向分布を容易に得る事ができる。
また、二次イオン質量分析法においては、標準試料は、
消耗品であり、且つ高価な物である。本発明は、標準試
料を最小限度にとどめ、コストの大幅な削減を提供する
効果も持っている。さらに、定量計算において、計算回
数が増えれば増える程その統計的誤差が計算に繰り入れ
られて、有効数字内の誤差を増やす事になる。本発明に
おいては、標準試料を最小限度にする事により、定量計
算もまた最小限度にすることができる。したがって、よ
り高精度の定量計算が実現できる。
【0021】なお本実施例では、測定元素として、Bを
測定しているが、これは、他の不純物元素でも良い。ま
た、本発明は、積層膜試料の組成分析としても利用する
事ができる。さらに、組成の明かな積層膜試料について
は、その測定元素の相対二次イオン化率についての知見
を得る事ができる。
測定しているが、これは、他の不純物元素でも良い。ま
た、本発明は、積層膜試料の組成分析としても利用する
事ができる。さらに、組成の明かな積層膜試料について
は、その測定元素の相対二次イオン化率についての知見
を得る事ができる。
【0022】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
において、一次イオン入射角度のみを、適当に選ぶ事に
より、従来、測定の困難であった、二次イオン化率を知
る事無しに、既知のスパッタイールドを用いて、容易に
真の深さ方向分布を得る事ができる。これは、また、標
準試料を最小限度(1個)にとどめ、精度の高い定量測
定が可能となる効果を有するものである。
において、一次イオン入射角度のみを、適当に選ぶ事に
より、従来、測定の困難であった、二次イオン化率を知
る事無しに、既知のスパッタイールドを用いて、容易に
真の深さ方向分布を得る事ができる。これは、また、標
準試料を最小限度(1個)にとどめ、精度の高い定量測
定が可能となる効果を有するものである。
【図1】本発明の実施例を行った装置の構成図
【図2】本発明の実施例の積層試料の模式図(断面図)
【図3】従来の二次イオン質量分析法によるSiO2/
Siの深さ方向測定データである。横軸は、スパッタリ
ング時間を示し、縦軸は、単位時間当たりの二次イオン
強度を示す
Siの深さ方向測定データである。横軸は、スパッタリ
ング時間を示し、縦軸は、単位時間当たりの二次イオン
強度を示す
【図4】本発明により得た測定モードによる図3と同様
の試料の深さ方向測定データである。横軸は、スパッタ
リング時間を示し、縦軸は、単位時間当たりの二次イオ
ン強度を示す
の試料の深さ方向測定データである。横軸は、スパッタ
リング時間を示し、縦軸は、単位時間当たりの二次イオ
ン強度を示す
【図5】本発明による定量法を用いて得た、図4の定量
データである。横軸は、測定深さを示し、縦軸は、単位
深さ当たりのB濃度を示す。第4図中の+印は、モンテ
カルロシミュレーションの結果
データである。横軸は、測定深さを示し、縦軸は、単位
深さ当たりのB濃度を示す。第4図中の+印は、モンテ
カルロシミュレーションの結果
1 試料ホルダー 2 測定試料 3 一次イオン源 4 質量分析器 5 一次イオン 5a 一次イオン(従来の一次イオン入射角度) 5b 一次イオン(本実施例の一次イオン入射角度) 6 二次イオン 10 Si基板 11 SiO2膜
Claims (1)
- 【請求項1】積層膜試料に一次イオンを入射し、前記積
層膜試料からの二次イオンを分析して、前記積層膜中の
元素の深さ方向質量分析を行う方法において、前記試料
に入射する一次イオンの前記試料に対する一次イオンの
入射方向叉は、入射エネルギーを制御して、前記積層膜
試料中の特定の元素の二次イオン化率を前記積層膜試料
を構成する各膜中で一定とすることを特徴とする二次イ
オン質量分析法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4088543A JPH05290797A (ja) | 1992-04-09 | 1992-04-09 | 二次イオン質量分析法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4088543A JPH05290797A (ja) | 1992-04-09 | 1992-04-09 | 二次イオン質量分析法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05290797A true JPH05290797A (ja) | 1993-11-05 |
Family
ID=13945768
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4088543A Pending JPH05290797A (ja) | 1992-04-09 | 1992-04-09 | 二次イオン質量分析法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05290797A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007271574A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-10-18 | Fujitsu Ltd | 元素分析方法 |
JP2008021504A (ja) * | 2006-07-12 | 2008-01-31 | Fujitsu Ltd | 照射方向可変イオン照射装置および二次イオン質量分析装置 |
-
1992
- 1992-04-09 JP JP4088543A patent/JPH05290797A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007271574A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-10-18 | Fujitsu Ltd | 元素分析方法 |
JP2008021504A (ja) * | 2006-07-12 | 2008-01-31 | Fujitsu Ltd | 照射方向可変イオン照射装置および二次イオン質量分析装置 |
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